異議申し立ての声を締め出す
Chris Hedges' Columns
2013年7月14日公開
AP/Mary Altaffer
Chris Hedges
ニューヨーク
占拠運動を押しつぶし、拠点を撲滅した治安監視国家は、次の大衆蜂起を引き起こしかねない、いかなる団体や運動に対しても、公共の場の利用を拒否する為、情け容赦のない、主として秘密の作戦を開始した。司法制度は、要するに、抗議行動参加者に対し、公共の場を閉鎖し、言論の自由と平和的に集会する権利を根絶する為、多くの都市で異様に変形されてしまっている。企業支配国家の目標は、次の大衆抗議運動が起きる前に、民主的な大衆異議申し立て行動を犯罪化することだ。巨大な国家監視体制は、エドワード・スノーデンによるイギリス新聞ガーディアンへの暴露で詳細が明かされているが、同時に、いかなる行動、あるいは抗議行動も、アメリカの国内治安組織が、それを事前に把握すること無しには、決して起きない様にするのだ。前もって知ることで、国内治安体制側は、抗議行動が始まる前に、先を見越して、活動家を公共の場から締め出したり、先制的ないやがらせや、尋問、恫喝、拘留や逮捕をしたりすることが可能になる。この種の政治体制を表現する言葉が存在している。暴政だ。
もし、我々が公共の場で動員するのを妨げることに、国家が究極的に成功してしまえば、異議申し立ては、非暴力的な大衆抗議行動から、秘密の、おそらくは暴力的な抵抗運動へと変身するだろう。抗議行動参加者の中には、法律の下、既に“国内テロリスト”と烙印を押された人々もいる。きっぱり発言し、平和に集うという、我々の権利を守ろうとする僅かな人数の活動家による最後の抵抗の取り組みは、我々が現在携わっている企業支配国家に対する戦いの中で、目に見えないとは言え、おそらく最も決定的なものだ。これは、わずかに残された我が国の市民社会と、大企業の暴政に対する非暴力的抵抗という我々の権利を救い出す為の戦いなのだ。それこそが、一体なぜ、先週の、他の活動家達と共に、平和を目指す退役軍人の会のメンバーに対するニューヨーク市の裁判が、彼等に対するし単なる不法侵入罪とは矛盾する重要性を帯びているかという理由なのだ。
活動家達は、2012年10月7日、公式閉園時間の夜10時以降に、11個の花瓶に花を生け、ニューヨークのベトナム帰還兵記念広場の壁に刻まれた戦没者名を読み上げている時に逮捕された。公園の公式閉園時間無視は、政治活動家に対してのみ適用されたように見えるが、これは2012年5月1日のオキュパイ・ウオール街活動家による抗議行動によって引き起こされた。占拠運動活動家達は広場で集会を開こうとしていたが、警官隊によって排除された。彼らの大半はベトナム戦争帰還兵だが、多数の「平和を目指す退役軍人の会」活動家達は、5月の夜、前進する警官隊の前で隊列を作り、移動を拒否した。彼らは逮捕された。
こうした退役軍人の多くは、アフガニスタン侵略11周年に対する抗議行動と、公共の場で、非暴力的抗議行動を行う権利を再度確認する為、10月の雨が降る風の強い晩、広場に戻って来た。彼らの中に、第二次世界大戦に出征し、ヨーロッパの、ジョージ・パットン将軍の第3軍に従軍した、86歳の退役軍人ジェイ・ウェンクもいた。逮捕された時には、戦死者の名前が読み上げられる間、ウェンクは土砂降りの中で銅鑼を鳴らしていた。10月の抗議行動の際、夜の10時以降も公園から退去することを拒否して、25人が警官に逮捕された。12人が、先週裁判を受けた。金曜日、マンハッタン刑事裁判所裁判官ロバート・マンデルバウムは、多数の活動家を有罪とした。しかしながら裁判官は、事件は“固有の状況”だったと言って、即座に彼自身の評決を持ち出した。彼は言った。“正義は、却下を強く求めている。”彼が却下したことにより、控訴の可能性は断たれた。
“立法制度、司法制度、安全保障国家の全体が、我々のあらゆるプライバシーを侵害し、異義を申し立てる権利を奪い去っているのです”と被告の一人、マーガレット・フラワーズ博士が裁判中の昼休みに語ってくれた。“しかし、起きていること全てが、合法的に行われているのです。滑りやすい坂道状態にいるのです。この事件を見て、人々はこう言うでしょう、‘だからどうした? 彼らは公園にいたのだ。規則があるだろう。公園は閉鎖するところだった。警官が連中を逮捕した。当然だ!’彼等は決して大局的に見ようとはしません。こういう風に全てが起きているのです。制度全体、全て逆さまにひっくり返されつつあるのが、全て正当化しされているのです。司法と法執行機関は、我々の権利を守るべきなのです。我々には異議を申し立てる権利があります。権利章典に書かれています。問題は、我々がこの滑落を一秒でも止めることが出来るか、ひょっとして多少とも押し戻すことさえできるのかということです。”
政府の行政府、立法府と、司法府は、大企業によって乗っ取られており、ウオール街の犯罪行為、化石燃料業界による生態系の破壊、銀行業界による米国財務省略奪、大企業によるあらゆる権力拠点の占拠を保護し、推進する為に駆使されている。大企業利益の優位性が、生活賃金、手が届く価格の十分な医療、業界の規制や、環境制御、大企業の詐欺や濫用からの保護、良質で支払える価格の公教育を受ける権利、労働組合を組織する力や、一般市民の基本的ニーズに応える政府を持つという我々の権利にまさるのだ。我々の意見、我々の権利や、我々の向上心は、もはや国家にとって関心事項ではない。そして、もし我々がそうした権利を擁護しようとしなければ、国家には、今や我々を沈黙させてしまえる機構が完備しているのだ。
http://www.truthdig.com/report/item/locking_out_the_voices_of_dissent_20130714/
第111空挺師団に従軍した退役軍人で、元プロ・ボクサーのタラン・カウフ、71歳も、10月7日抗議行動主催者の一人だった。彼は、グアンタナモ湾や、カリフォルニア州ペリカン湾監獄でハンガーストライキをしている人々との連帯を表明する為、一ヶ月以上、ハンガーストライキをしていた。彼はやつれていた。肌は青ざめ、頬はこけていた。一日300カロリーしか取らず、11キロも痩せていた。彼は、5月と、再度10月に逮捕されていた。
“逮捕の目的が、単に午後10時の門限を強制する為でないことが、私には良くわかりました”と彼は5月の逮捕について語っている。“そうではなく、目的は、極めて具体的で、集会の権利を制限することでした。我々は、10月7日が集会の日として完璧だと判断しました。アフガニスタン戦争11年目の日でした。あの晩、ベトナム帰還兵記念広場に集まった目的は四つありました。一つ目は、戦争を、アフガニスタンで継続中の戦争を止めるよう呼びかけることでした。二つ目は、アメリカの全ての帝国戦争を止めるよう呼びかけることでした。三つ目は、ベトナム、アフガニスタン、イラク、一般市民を含め、ベトナムの500万人の一般市民を含め、亡くなった人々、傷ついた人々を思い起こし、悼むことでした。四つ目は、我々の集会の権利を確認することでした。もし、こうした問題に取り組み、公共の場で集会する権利を失えば、我々は全てを失ってしまいます。”
“犠牲として、断食しているのです”ハンガーストライキについて尋ねた時、彼は言った。“この運動をしている他の人々に犠牲の必要性を知らせたかったのです。何かを実現したいのであれば、もし我々が、何らかの形の民主的な制度を、再構築したり、構築したりしたいのなら、犠牲、何らかの犠牲無しには実現しないということを。我々には合唱隊があります。合唱隊が、もっと犠牲になる、危険を冒すことを始める気になってくれるのを見たかったのです。何らかの非暴力的な方法、姿、形で、進んで我々の体を危険に曝さなければなりません。”
何人かの活動家によれば、自分達も退役軍人なので、逮捕したくはないが、上司から、次の占拠運動拠点を作らせないようにする為、デモ抗議参加者を検挙するよう言われていると語る警察官も中にはいたという。
“ ‘あなた方を居すわらせてはおけない’ ”ある警部に、そう言われたとカウフは語っている。“ ‘占拠運動の悪い例になってしまうからな。’ ”
“逮捕作業が始まった後、ある警部補が私に言ったのです。オキュパイ・ウオール街の連中は、全く無茶苦茶にしてくれたよ”ベトナムで第101空挺団に従軍したサム・アダムスは法廷証言でこう述べた。“お礼は彼等に言って下さい。”
裁判は、占拠運動によって、国家がいかに狼狽したかを覗き込める小さな窓だったが、不幸なことに、混乱状態にある。大多数のアメリカ人にとって条件が悪化するので、また緊縮削減や長期失業や過少雇用によって、何千万もの家族が絶望に追いやられるので、また気候変動が続き、極端で危険な気候をもたらすので、庶民による次の激しい反発の脅威は依然変わらず残っていることを、治安組織は理解している。問題は、もちろん占拠運動にあるわけでなく、死に行く帝国の残骸から利益を搾り取ろうとする大企業の侍女へと政府を再構成することにこそある。
あらゆる権力を掌握しようとする大企業国家の努力には、国内の治安維持を遂行する為、軍隊を使用することも含まれており、それこそ、私が国防権限法の第1021条を巡って、大統領を訴えた理由だ。ニューヨーク市で、活動家達が行った様に、我々に残された自由と権利を守ることは不可欠だ。もし我々が受け身のままでいれば、我々から政治表現の権利を奪う為に、国家が法律を使用し続けることを許してしまえば、我々にとって、それを一番必要とする時に、抵抗に対する法的保護を得られなくなってしまうだろう。
記事原文のurl:www.truthdig.com/report/page2/locking_out_the_voices_of_dissent_20130714/
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朝刊の日曜社説のようなものを、コワイもの見たさに読んだ。愚劣な宗主国大本営広報記事だった。集団自衛権承認にすすめとけしかけるとしか読めない。大本営広報としては、正気だろうが、庶民としては、正気で読めない。
「弱小野党がばらばら」というような記事にも驚いた。みんなや維新を野党として書いている。自民党別動隊に過ぎないものを、野党としてヨイショする醜悪さ。驚くことに、「社民」、「生活」は当選議員0として記載してあるが、「共産党」の欄がないのだ!
売国政府と対決する主張をする政党を、野党記事から外す恣意的歪曲、あきれてものを言う気になれない。宗主国大本営広報部に期待する方が無理。期待などしていない。
しつこく書くが、スーパーのちらしが欲しくて購読している。スーパーのちらしのみ、契約で一ヶ月500円程度で配達してくれれば、新聞契約はすぐに止める。ゴミ出しも楽になる。
二大政党制度が完璧に機能すると、この文章のような素晴らしい宗主国が完成する。属国については、二大政党制度が機能しようが、すまいが、それらしい傀儡政党にまかせ、「軽くて○ー」な傀儡さえ立てておけば済む。
小選挙区制度、二大政党制度を、いまだ掲げる属国の政治家や大本営広報部タレント、頭がおかしいか、分かって嘘をついているか、あるいはその両方。
対中国・対韓国挑発行為については、「制御したいが、余りに国粋主義すぎて、完全掌握できなくて、困っている」ふりをしているだけ。傀儡が本当に気に食わなければ、豪腕政治家氏や、ルーピー扱いされた首相や、田中角栄等のように、あるいはエジプトのムルシの様に、思いのままに排除できる。「好都合な間だけ利用する」方針は100%変わらない。
「国粋主義すぎる傀儡を、リベラルな大使を送り込んで、うまく管理してくださる」という摩訶不思議な期待を持つ方がおられる。ジャーナリストと自称する方がそういう文章を堂々と書かれるのには驚くより、あきれる。ジャーナリストどころか迷惑なミーハー。
誰を大統領にしようが、大使を送り込もうが、第一の属国を完全植民地化するのは、宗主国支配層の超党派的意思。人気の高かった大統領の娘とて、属国を救い出してくれるわけなどありえない。支配層の意思を実施するためにやってくる。日本文化に詳しく、夫人が日本人という触れ込みの大使もいたが、属国化に邁進する、宣撫工作に卓越した人物だったに過ぎない。
エジプトではむき出しの暴力紛争と化している。それでも、宗主国は、武力クーデターと認めない。好都合な政権転覆は、クーデターではない。宗主国のオキュパイ運動壊滅作戦、属国の省庁前テント排除のお手本だろう。
耕助のブログも2013年7月16日記事で同様な懸念を書いておられる。 No.1040 非暴力の抗議活動に
その点で「拠点を潰す」のに反抗し、拠点の広場を確保し、水道民営化を覆したコチャバンバ水戦争は示唆的だ。
反公害闘争の先駆、足尾銅山の鉱害に反対した田中正造、谷中村は、その反対住民の暮らす拠点、谷中村そのものを水没され、異議申し立ての声は締め出された。
谷中村が滅びたのではない、日本が滅びたのだと、田中正造は言った。
田中正造没後百年の今年、下野新聞は田中正造とその活動について詳しい報道を継続しておられるが、大本営広報はおそらく意図的に無視している。田中正造、谷中農民の権利の為に国と戦ったが、農業のみ擁護しようとしたわけではない。日本文化を擁護しようとしていた。そして徹底した非戦思想だった。生きていればTPP参加に、壊憲に、驚いたろう。
反TPP運動のとりまとめ役、山田正彦元農林水産大臣、田中正造を助けて活動した黒沢酉蔵の思い出を書いておられる。
国会が、大本営広報部の尽力と、茹でガエル状態の皆様のおかげで、民意と完全にネジレ状態になった今、合法的な非暴力直接民主主義行動の駆使は不可欠だろう。
ニューヨーク市で、活動家達が行った様に、我々に残された自由と権利を守ることは不可欠だ。もし我々が受け身のままでいれば、我々から政治表現の権利を奪
う為に、国家が法律を使用し続けることを許してしまえば、我々にとって、それを一番必要とする時に、抵抗に対する法的保護を得られなくなってしまうだろう。
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アメリカはもう立派なファシズム国家ですね。その国家を操っている本当の悪党、世界中の中央銀行を所有している本当の財閥が、表に出てくる事は無いのでしょうか。もしその時が来たらそれが人類滅亡の最終局面なのかもしれませんね。
テレビ・新聞の視聴・購読をやめて10年以上たちました。チラシを見られる、Shufoo!(https://www.shufoo.net/)などのサイトを利用しています。
投稿: 白浜 | 2013年7月29日 (月) 08時56分