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2013年7月23日 (火)

与党自民党、参院選で勝利

wsws.org

Peter Symonds

2013年7月22日

与党の自由民主党は、昨日行われた選挙で、参議院の過半数を確保した。安倍晋三首相は、これから、彼の右翼的軍国主義の狙いと、緊縮策を強行通過させるのに、衆参両院の支配を駆使するだろう。

結果はまだ最終的には決定していないが、速報値では、自民党と連立与党の公明党は、昨日選挙で争われた参議院の半数121議席中の、少なくとも74議席を獲得している。既に持っている59議席と合計すると、与党連合は、総計242議席中、130議席以上を得るが、改憲発議に必要な三分の二の多数は大分下回っている。

勝利は自民党にとって“地滑り的”と表現されてはいるものの、全有権者のほぼ半数が投票しなかった。日本のマスコミは昨日の投票率を約51パーセントと推計しており、これは戦後選挙史上、最も低いものの一つで、政治的既成勢力に対して広がっている疎外感を反映している。

昨年12月の衆議院選挙で権力の座について以来、安倍は、日本軍を増強し、日本憲法のいわゆる平和条項の制約から解き放つ計画を推進している。彼の政権は、十年以上の期間で初めて軍事支出を増強し、東シナ海で紛争となっている尖閣/釣魚台列嶼を巡り、アメリカの支援を得て、中国に対し攻撃的姿勢をとっている。

先週、安倍は、無人の尖閣/釣魚台列嶼周辺の海域を巡回する責任を負っている石垣島海上保安部を、当てつけがましく訪問した。中国に対し、いかなる譲歩もする意図はないと宣言した。中国と日本の船舶の間の緊迫したにらみ合いを“一層厳しさを増している”と表現し、こう警告した。“諸君の先頭に立って、わが国の領土を断固として守り抜いていく決意だ。”

土曜日、東京での最終選挙キャンペーン演説で、安倍は、いわゆる平和条項の改訂も含む、広範囲な憲法改訂を推進する意図を明らかにした。歓呼し国旗を振る支持者達に“誇りある国をつくるためにも憲法を変えていこう!”と語りかけた。

自民党が率いる連合は、憲法改訂の国民投票の為の発議に必要な両院での三分の二の多数には不足している。憲法書き換えへの動きは継続しながら、安倍は、平和条項を回避すべく練られた96条改訂案を推進し、日本軍がアメリカが率いる侵略戦争に参加することを可能にする婉曲表現である“集団的自衛権”を認めるだろう。日本国内の米軍基地は、既にオバマ政権のアジア“回帰”と、中国との紛争への備えの中核となっている。

経済政策と密接に連携した安倍の軍国主義は、日本のライバルを弱め、労働者階級に、新たな負担を押しつけることを狙っている。彼の“アベノミックス”三本の“矢”は、景気刺激策、日本銀行経由での金融制度への資金供給、そして市場志向改革だ。

選挙前、政府は、安倍経済政策の始めの二本の“矢”のみ実施した。アメリカ連邦準備金制度理事会の日銀版“量的緩和”、事実上の紙幣印刷は、円の価値をおし下げ、ライバルを犠牲にして、日本の輸出を増やし、韓国と中国との緊張を高めている。

大企業は安倍の政策を後押しし、それが第一四半期で、年率換算成長率4パーセントと、40パーセントもの株価急上昇に貢献した。しかし大企業エリート達は現在、政府に“第三の矢”を推進するよう要求している、徹底的な市場志向の改革は、必然的に生活水準をむしばみ、労働者階級の抵抗を引き起こすだろう。

イギリスに本拠を置くフィナンシャル・タイムズは、先週こうコメントした。“平均的な国民よりも、ずっと保守的で、痛みを伴う経済改革には、おそらくずっと熱心な、本当の安倍が、舞台裏で登場の準備をしている、という見方がある。”

大企業が要求している痛みを伴う“改革”は下記のものを含んでいる。法人税率の低減、逆累進じある消費税を2015年迄に倍増。日本の“終身雇用”制度に更に破壊し、安価な日雇い労働者のプールを拡大すること。そして、財政赤字と、国内総支出の200パーセント以上に及ぶ公的債務を削減する為の、社会的支出の大幅削減だ。選挙戦の間、こうした政策の一つとして、率直に議論されてはこなかった。

自民党が選挙で大きく勝利できたのは、反対勢力が欠如していた為だ。主要なライバル、曖昧な“変化”の約束をして、2009年に政権の座を獲得して以来、民主党への支持は急落した。民主党は、社会的支出を多少増加し、ワシントンからより独立した外交政策を進めるという約束を急に破ったのだ。民主党政府は、消費税増税法案を成立させ、論議の的であるに沖縄の米軍基地を継続し、尖閣/釣魚台列嶼を巡り、中国との緊張を高めた。

2007年の参議院選挙では、自民党のアメリカのイラクとアフガニスタン戦争支持と、自由市場志向の政策への反対をてこに、安倍が率いる自民党政権を民主党は打ち破った。安倍はそれから間もなく首相を辞任した。現在、民主党の政策は、自民党の政策と、事実上区別がつかない。

昨日の選挙結果はまだ最終的には決定していないが、民主党は参議院でわずか15議席を確保したのみで、1998年の結党以来、最悪の結果だ。都会の中流階級の間で大きな支持基盤を持っていた民主党が、東京と大阪という大都市で議席を失ったのだ。

安倍の国粋主義的基盤によって、自民党は、右派の軍国主義的な日本維新の会への支持を弱めることが可能となり、維新は全体として8議席を獲得したものの、12月の衆議院選挙と比較して、総得票比率は低下した。公共投資の大幅削減と減税を主張する、大企業寄りのみんなの党も8議席を確保した。

日本共産党は、東京、大阪と京都で、12年間で初めて議席を獲得した。多くの場合、自民党と民主党に対する批判票として。とはいえ、スターリン主義の共産党は、議会の枠組みと、政治的既成勢力に完璧に組み込まれており、労働者や若者にとっての代替ではない。Significantly、中国に対し、尖閣/釣魚台列嶼は日本領土だという主張を支持して、自民党と民主党の後に続いている。

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記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2013/07/22/japa-j22.html
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ひどい選挙結果には、良い側面もある。選挙記事はとばすので、新聞を読む時間は極小。テレビ選挙番組は全く見ないので節電は容易。書店に言っても、週刊誌を立ち読みする気力も、キオスクで新聞を買う気力もおきない。自然に節約できる。

緑の党壊滅は衝撃。まっとうなことをおっしゃる皆様、やつらの倍くらいおられて不思議はないと思っていた。そもそも緑の党、売国ではない。反原発、反TPPだ。

wswsの論説、分析はおおむね納得。良く見ておられるものだ。申し訳ないが、結末部分は賛成しがたい。追記:ただし、尖閣問題については納得。

「日本を変える運動の指導部として、wsws日本支部を設立する」ので、それまで投票や政治行動は待てというのだろうか?他記事で、推薦政党を書いておられるのだろうか?
維新や、みんなの党批判より、共産党批判の方が辛辣に思える。

ジャーナリストの方の政治談義ブログを拝読しているが、彼も公明党と共産党を同罪だと非難している。内から自民党を助ける公明党、野党分裂を進めて、外から自民党を助ける共産党というのだが、納得できない。

毎回の「スターリン主義共産党」という表現、70年代学生運動を思い出した。

学生運動で活躍しておられた皆様、自民党批判より、共産党批判に熱心に見えた。
先月、ひさしぶりに、そうした思考回路の友人と会い、TPPの話をすると「当然参加すべき」「悲観論は誰でもできる。楽観論を構築するのが能力だ」というご託宣だった。
想像できることなので驚かなかった。数年前にあった時、彼は民主党支持だった。
今回はどこを支持しているのか、聞き損ねた。
ひたすら思い出話しで痛飲したが、今後どちらも会おうと言わない可能性が高そう。
世の中、どんどん狭くなる。

夜、自民党支持の知人から電話があった。
お礼の電話だろうか?お礼されるような恥ずかしい行為はしていない。
とはいえ、「おめでとう」など思ってもいないことは言えない。
「ブログを読め」とは、まして言えない。家人に頼んで居留守を使った。
世の中、どんどん狭くなる。

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コメント

不正選挙。アメポチネオリベ売国政党ばかりが躍進した。私が入れた社民党への1票はムサシの闇に消えた。一昔前なら国防軍と言おうものなら、内閣総辞職に追い込まれただろう。今は、憲法改悪さえも許される。

貴殿の悲嘆に暮れる心境わかります。
私も青春を共にした友人達は仕事に追われ、その妻は育児に勤しみ、夜帰宅して晩酌しながらニュースを見る毎日。

彼等からすると貴殿や私の言う事は「左翼」や「馬鹿」の言う事かもしれません。

しかし、戦後日本はずっと戦後日本です。
この国を作ったのは支配層です。

世界に視点を拡げたとしても先進国は同様です。

異を唱えているのですから、異端視は正常な反応かと思っています。

ついにTPPなどの刃が振り下ろされますが、支配層は数十年、時には世紀を跨ぎ計画します。

安倍が「国家100年の計」とTPPに関して述べたように、異端側も息の長い意思が必要となるでしょう。

しかし真実はひとつ。

落胆しても始まりません。

せめて健やかにお過ごしください。

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