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2013年7月16日 (火)

無法さこそ新標準

Paul Craig Roberts

2013年7月5日

多くの記事や小生の最新刊『自由放任資本主義の失敗と西欧の経済的解体』で、ヨーロッパの公的債務危機は、EU加盟諸国の主権を終焉させるのに利用されていることを私は指摘してきた。これが事実であることは疑いようもなく、EU加盟国の主権など単なる名目だ。個々の国家は、依然、EU政府からの多少の主権は保持しているものの、アメリカ政府の命令で、ボリビア大統領エボ・モラレスを載せた飛行機に対し、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルやオーストリアが行った最近の違法で敵対的な行為で実証された通り、どの国もすべてアメリカ政府に支配されている。

モスクワからボリビアへの帰路、モラレスの飛行機は、アメリカ政府の傀儡達、フランス、イタリア、スペインと、ポルトガルから、上空通過と燃料補給の許可を得られず、オーストリアへの着陸を強いられ、大統領機はエドワード・スノーデン捜索を受けた。国際法を無視して、スノーデンをボリビア大統領の専用機から拉致し、モラレスの様な新参者の改革者にアメリカ政府の命令からの独立は認められないことを思い知らせる為の、アメリカ政府による強圧行為だった。

アメリカ政府が自国政府、外交官や国民をスパイしていることで、こうした国々のそれぞれが怒っているという事実にもかかわらず、ヨーロッパの傀儡諸国は、外交と国際法のこのとんでもない違反におつきあいした。暴露によって、アメリカ政府が各国のあらゆる通信を記録していることを自覚させてくれた、スノーデンに対する各国のお礼は、アメリカ政府がスノーデンを逮捕するのを手助けすることだった。

これは西洋文明にどれ程、倫理、名誉、品格が残されているか教えてくれる。ゼロだ。

スノーデンは、世界中の国々に、各国の通信は、アメリカ政府の目や耳から、独立したり、プライバシーを守ったりすることはできないことを知らしめた。アメリカ政府の傲慢さと不遜さは衝撃的だ。ところが、アメリカ政府に抗して立ち上がり、スノーデンの亡命を認めようという国は皆無だ。エクアドルのコレアは、アメリカ政府に脅され、抑えつけられて、スノーデンに対する申し出を取り消した。それぞれの人権問題を悪魔化するアメリカ政府の好餌たる、中国とロシアは、スノーデンの亡命を認めれば、プロパガンダ上の勝利となったろうに、どちらの国も、アメリカ政府の報復が引き起こすであろう対立を望まなかったのだ。

要するに、世界中の政府は、真実や品格や、独立よりも何よりも、アメリカ政府の金と恩寵を得たがっているのだ。

スノーデンやモラレスに対するアメリカ政府の卑劣な介入は、アメリカ政府の傲慢さ・不遜さが、世界をアメリカ政府の覇権を受け入れるか、第三次世界大戦かの選択を強いる前に、世界がアメリカ政府に責任を取らせる好機を与えてくれていたのだ。ところが、各国は、それぞれ分裂し、アメリカの金と恩恵を獲得しようとして、アメリカ政府が、自分が何をしようと、全て正統だとしてしまうのを可能にしている。アメリカ政府の無法さは、新たな標準として確立されつつあるのだ。

南米諸国政府が団結して、アメリカ政府と対決する可能性はまずない。少数の国々では、アメリカ政府と手を組んだ裕福なエリートでなく、国民を代表する改革派が率いているが、大半はアメリカ政府や自国エリート達との穏やかな関係を好んでいる。南米の人々は過去そうであったように、アメリカ政府は改革派の打倒に成功するだろうと踏んでいる。

ヨーロッパでは“NSAの監視はEUの自由貿易協定を脅かしている”やら“メルケル、説明を要求”という見出しが踊っている。抗議は、傀儡にとって不可欠な見せかけの姿勢であり、アメリカ政府もそのように受け取るだろう。フランス政府は、“論争を避けるべく、数週間”一時的に、通商交渉を中断すべきだと述べている。ところが、ドイツ政府はこう述べている。“我々には、この自由貿易協定が必要なので、今すぐ交渉を始めたい。” 言い換えれば、メルケルが“受け入れがたい冷戦時代風の振る舞い”と述べたものも、ドイツが自由貿易協定さえ結べれば、受け入れ可能なのだ。

アメリカ政府の金に対する欲で、ヨーロッパは目が眩み、自由貿易協定の本当の結末が見えないのだ。協定が実際に実現することと言えば、ヨーロッパ経済を、アメリカの経済覇権に取り込むことだ。協定は、まさに環太平洋経済連携協定TPPが、アジア諸国を中国から引き離し、アメリカが作り上げた枠組みの中に取り込むよう仕組まれているのと同様、ヨーロッパをロシアとの貿易から引き離す様に仕組まれているのだ。協定は、自由貿易とはほとんど無関係で、アメリカの覇権こそすべてだ。

これらの“自由貿易”協定で、ヨーロッパとアジアの“パートナー諸国”はドル支持を固く誓うことになろう。実際、ドルが、ユーロやアジアの通貨になり代わり、“パートナー諸国”の通貨単位となる可能性がある。このようにして、アメリカ政府は、ドルを制度化し、大きすぎて潰せない銀行の支払余力を強化し、果てしない連邦政府の財政赤字に資金供給するのに利用されている印刷機の結果から、ドルを守ることを可能にするのだ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能だ。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/07/05/lawlessness-is-the-new-normal-paul-craig-roberts/

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この記事の結論、ボイス・オブ・ロシアの「日本のTPP加盟をめぐる通貨ゲーム」を連想させる。

  • 憲法9条破壊
  • TPP推進
  • 原発推進

の、自民党、公明党、みんなの党、維新の会、民主党等が、多数派をめでたく掌握するだろう。自分の、子孫の将来を、株の値上がりのプロパガンダで売り払う先祖をもった未来の人々、今回の選挙を一体なんと呼ぶだろう。宗主国支配層が、この国の支配権を完全に「取り戻す」ことを実現した、売国選挙と呼ぶだろうか。

大本営広報部、ねじれ解消、アホノミックス・よいしょをひたすら歌い続けている。

「奇跡の一本松」本当に生き残っていれば、奇跡。讃えるべきかも知れない。しかし、実際は、枯死したものを、中をくり抜き、強化し、人工的な枝葉をつけた、遊園地の見世物レベルの代物。それに膨大な資金をかけて、あがめろという。不思議な自治体やら報道。

歌や、枯れ木はあるが、枯れている事実からは目をそらす、なんとも面妖な話。

個人的には、「奇跡の一本松」、奇跡どころか「枯死した国家」の象徴に思えてくる。

TPPを隠蔽・矮小化するだけの大本営広報でなく、IWJ等の報道をお読み頂きたいものだ。
下記記事、TPPについての情報が山盛り

参院選2013争点解説③TPP】TPPのデメリットを報じない大手メディア(【IWJウィークリー第10号】より)

反TPPの正論を主張している方といえば、山田正彦元農水相、みどりの風比例区候補。

何とかして拝見したいものだが、これを書き込んでいる時点では、動かない。

サーバーの能力不足だろうか? ひょっとして、サイバー攻撃だろうか?

『無法さこそ新標準』となる属国の恐ろしさを、山田正彦氏、雄弁に語っておられる。

晴耕雨読 2013/7/16
「戦争によらずして米国にすべてを降伏してしまう。これは黙っておれません:山田正彦氏 インタビュー」 TPP/WTO/グローバリズム

IWJ 実況ch1

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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