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2013年6月 8日 (土)

“敵を支援”したかどでブラッドリー・マニングは有罪。もし敵が民主主義ならば

Norman Solomon

2013年6月6日

ブラッドリー・マニングに対するあらゆる罪状中、最も悪質で示唆に富むのは“敵の支援”だ。

ニューヨーカーのブロガー、エイミー・デイビッドソンが提起した二つの重要な質問が、今、フォートミード陸軍基地の法廷や、全米中を漂っている。

*  “例えば、アメリカ軍が犯した戦争犯罪、あるいはアメリカ政府がついた嘘を暴露することは、敵を助けることになるのだろうか?”

*  “その場合、敵を援助しているのは一体誰だろう、内部告発者か、それとも犯人連中自身か”

戦争国家の欺まん的な作戦が白日の下にさらされることに耐えない場合、真実を物語る者は恒久的な危険分子となる。そして責任はひっくり返しにしておかねばならない。

それが、アメリカ軍の検事が冒頭陳述で、ブラッドリー・マニングに対する政府の主張を述べた際、責任がアベコベにされた理由だ。“本件は、同僚の兵士達の命を危険に晒す可能性がある、訓練に基づいて知り得た何十万もの機密書類を、組織的に集め、インターネットに流し、敵の手に渡した兵士についての訴訟である。”

もしそうであれば、仲間の兵士達は皆特に幸運だった。マニングが2010年に漏洩した結果、死亡したものはいないことを、国防総省は認めている。ところが、アメリカ政府が、それを暴露したかとでラドリー・マニングを告訴している嘘によってこそ可能になったアメリカの戦争で、同僚の兵士達の多くが四肢や命を失ったのだ。

現実社会では、グレン・グリーンウォルドが指摘する通り、漏洩に対する告訴は極端に偏っている。“マニング裁判での政府主張を、ワシントンで最も崇拝されているジャーナリストの一人に適用してみよう。WikiLeaksがこれまでに公開したどれより遥かに機密な情報を取得し公開することで、アメリカで一番とは言わぬまでも、最も裕福なジャーナリストの一人となったボブ・ウッドワードだ”グリーンウォルドは、1月にこう書いていた。

2011年のアルカイダ・ビデオで明らかになったように“ウッドワードの最も熱心な読者の一人はオサマ・ビン・ラディンだった”と彼は書いている。またグリーンウォルドは、“同じボブ・ウッドワードの著書[オバマの戦争]を、オサマ・ビン・ラディンは明らかに読んでおり、全員に読むように促したことは、ブラッドリー・マニングが漏洩したとして告訴されているどれよりもはるかに機密な無数の重要な国家安全保障上の秘密情報を暴露していることを示していると、書いている。これは、ひょっとしてウッドワードの情報源役をつとめた政府首脳連中や著者自身、アルカイダを支援、示唆したことにはなるまいか?”

しかしマニング告訴は、政府に至る情報を入念に限定することが狙いだ。アメリカの外交政策を運営する幹部連中は、どの機密情報を、少しずつ大衆に施すかを、厳密に選択している。ブラッドリー・マニングが漏洩したとして告訴されているどれよりも遥かに高度な等級の範疇である“極秘”情報を、彼等は、都合の良い口の軽い連中、ウッドワード等の主流派ジャーナリストに膨大に暴露しているのだ。

秘密を精選するのは、アメリカ政府の戦争を引き起こす幹部連中に役立つが、アメリカ国民の扱い方は、きのこ栽培法の典型的な説明とどこか似通っている。「暗所に置いて、いい加減なものを与えてやること。」

実際、戦争国家の最高経営者達にとって、“敵”は民主主義だ。

今年早々コラムニストのエイミー・デイビッドソンが提示した疑問を更に追求してみよう。もし“アメリカ軍が犯した戦争犯罪や、アメリカ政府がついた嘘を暴露”することが敵の支援になるのなら、実際に“敵を支援しているのは一体誰だろう。内部告発者か、それとも犯人連中自身か?”

そのような疑問に対する率直な答えは、ブラッドリー・マニングが裁かれている軍事法廷で認められないだけでは済まない。戦争国家が徳の権化を気取る国家的な場からも、率直さは排除される。

ところが、アメリカ政府が継続している行動は、アメリカ政府が公的に“敵”だとする勢力の宣伝と採用効果の勢いを大いに強化している。イラク、アフガニスタン、イエメン、そして更に他国での、高空をホバリングする無人機、ミサイル攻撃や夜襲、アブグレイブ、バグラム、グアンタナモや秘密移送拷問施設の監獄等、ブッシュとオバマの政権の下での“敵を支援する”政策は余りにも壮大な規模で、いわゆる(そして架空の)マニングの漏洩による、敵に対する支援とされるものなど、それと比較すれば無限小だ。

人道主義的な通信担当上等兵を“敵を支援した”かどで非難するのは、自らの膨大な戦争犯罪を認めることができない政権による自己免訴の行為に他ならない。

ブラッドリー・マニングを告訴する中で、起訴側は、アルカイダ、現地イラク人勢力、タリバンやら何やらの名前をあげるだろう。しかし、無名の“敵”、国防総省とオバマのホワイト・ハウスが熱心に鎮圧したがっている本当の敵とは、状況をよく説明された上で、国民が同意することを必要とする民主主義への絶えざる希求だ。

アメリカ政府高官が決まったように“敵”だと非難する勢力は、アメリカの支配的大企業-軍エリートの権力を決して脅かすことはない。ところが、ブラッドリー・マニングの勇気ある行動によって支援されている無名の“敵”、民主主義を、言葉だけに終わらせずに、よみがえらせかねない草の根の民衆は、権力にとって本当の潜在的脅威なのだ。

ジョンソン政権の欺瞞やアメリカ軍の残虐行為の暴露に取り組むマーチン・ルーサー・キング Jr.には敵を支援し、いやすという非難が多かった。キングが1964年にノーベル平和賞受賞して以来の年月のベトナム戦争に対する果敢な抵抗に対しては特に激しかった。

ブラッドリー・マニングは決してノーベル平和賞を受賞しないかも知れないが、彼は確実に受賞に値する。ノルウェーのノーベル賞委員会に、マニングに賞を授与するよう要請する請願に、既に60,000人に近い人々が署名した。署名されたい方は、ここをクリック

"私はブラッドリー・マニング" サイトで、間もなく公開予定の映画の第1段階で、最近公開されたばかりの短いビデオをご覧いただける。登場するのは、ダニエル・エルズバーク、オリバー・ストーン、マギー・ジレンホール、フィル・ドナヒュー、アリス・ウォーカー、ピーター・サーズガード、ウォレス・ショーン、ラッセル・ブランド、モビー、トム・モレロ、マイケル・ラトナー、モリー・クラバプル、デイヴィー・D、ティム・デクリストファー、ジョシ・スティーバー、ダン・チョイ中尉、ハキム・グリーン、マット・タイビ、クリス・ヘッジズ、アラン・ネアン、レスリー・ケイガン、アフダフ・スーエイフやジェフ・マドリック等だ。

あらゆる階層の人々にとって、ブラッドリー・マニングの裁判が進むにつれ我々の主張は一層、大きく、明瞭になるだろう。敵が民主主義である場合のみ、彼は“敵を支援”したかどで有罪だ。

ノーマン・ソロモンは、RootsAction.orgの共同創設者で、Institute for Public Accuracyの創設者、理事長。著書に“War Made Easy: How Presidents and Pundits Keep Spinning Us to Death”等がある。

記事原文のurl:www.normansolomon.com/norman_solomon/2013/06/bradley-manning-is-guilty-of-aiding-the-enemy-if-the-enemy-is-democracy.html

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日仏首脳共同声明「原発が重要」に唖然。武器共同開発も。

西欧帝国主義諸国によるシリア政府打倒の手先に渡される武器の中には、まだ日本製はないのだろう。やがて、世界中の民衆の殺害に日本製の武器が使われるようになる。

ドゴール大統領が、池田首相をトランジスタ・ラジオのセールスマンとあざ笑ったという話があるが、今となれば、原発や武器セールスマンと比べれば、立派な仕事ではないか?

政権のお決めになること、全て1%の支配層ため。

自民党の日本国憲法改正草案では、マニングがかけられているこの「軍法会議」の設置が規定されている。

9条の2の5
国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない 

宗主国の侵略戦争下請け部隊となる属国「国防軍」の膨大な戦争犯罪を認めることができない政権による、自己免訴のための制度に他ならない。

マニングの例で明らかだが、ひどさの詳細は、下記ダイアモンド・オンライン記事を。
軍法会議復活めざす自民党憲法改正草案の時代遅れ―軍事ジャーナリスト田岡俊次

しつこく何度も書くが、参院選(に限らないが)自民、公明、みんなや維新に投票する皆様、自分の首を絞めてくれる政治家のどこがお気に入りなのだろう?

日本の本格的な壊滅が始まる参院選以後を考えると、鬱陶しくてたまらないのだが。

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