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2013年6月14日 (金)

欧米の王様連中は裸だ

Finian Cunningham

2013年6月12日

Press TV

先週、戦略的に重要な都市クサイルでのシリア政府軍の軍事的勝利は、いくつかの理由で画期的な出来事だ。この出来事が先駆けとなる重要な転機として、一つ実に明らかなことがある。欧米諸大国、シリアで王様になりたがっていた連中は、シリアを破壊するという犯罪的陰謀に失敗して、裸で立ちすくんでいるのだ。

王様になりたがっていたこの連中、アメリカ政府やこの地域の元宗主国イギリスとフランスには、信頼性などかけらほどもないことが、明示的に暴露された。王様達は裸で、身にまとう布を求め、必死で走っている。

レバント地域の国家の広い地域を荒らし、80,000人もの主として民間人の死者をもたらし、4-5百万人の国内、国外難民を生み出した紛争で、今やシリア軍は優位にたち、完全な勝利への勢いが増している。

欧米が支援する反乱分子が打ち負かされたり、シリア全土の村や町から敗走したりする中、シリア軍は素早く北部にあるシリア第二の都市アレッポ解放という次の目標に向かって動いている。次の戦闘は、クサイル奪還の為の三週間の戦いより、一層残酷で長引くものになる可能性がある。しかし、容赦のない戦士の損失と、クサイル経由の重要な補給路の切断からして、アレッポの反政府派の最終的な敗北は確実なように思える。

アレッポ奪還と、北部でのトルコからのNATO武器供給線の遮断は、外国が支援する傭兵にとって、最後の抵抗となろう。2011年3月以来、NATO諸大国と、この地域におけるイスラエル、ヨルダン、トルコ、サウジアラビアやカタールを含むNATO諸国の同盟国の命を受けて、傭兵連中はシリアを恐怖に陥れていた。バシャール・アル-アサド大統領を追放する体制転覆という欧米の企みは、かくして空文化する。

だが、おそらくクサイルでの勝利のより意味深い余波は、シリアや、より広範な地域における、欧米帝国主義の醜い顔を暴き出したことだ。

昨年、クサイルを包囲した傭兵の配備で、いわゆる自由シリア軍(FSA)の多くが外国人であることや、アルカイダと繋がる過激派の一団に対するシリア国民の支持がごくわずかなことが一層明らかになった。FSAは、以後(自由シリア軍ではなく)、外国から支給された軍隊Foreign Supplied Armyと呼ぶべきだ。外国からの支援無しに、FSAはありえず、そもそも、存在しえなかったはずだ。

昨年、リビア、エジプト、チュニジア、サウジ、チェチェン、イエメン、フランスやイギリスの自称聖戦戦士ギャングや、現地シリアのご都合主義の犯罪人どもが、街路を闊歩し、掠奪し、残虐行為を働いていた間、一体なぜ30,000人のクサイル住民が自宅に引きこもるしかなかったのだろう?

先週水曜、こうした欧米が支援する殺人鬼や盗賊どもが、とうとうクサイルから逃げ出した後、一体なぜ住民達が、シリア軍とレバノンのヒズボラ同志を安堵と感謝で歓迎したのだろう? 市民生活の回復を祝って、クサイルの街路で祝いが催されているのは一体なぜだろう?

昨年、一体なぜ何千人ものクサイルの住民が街から逃亡したのだろう? もちろん、それはサウジやカタールの雇い主を真似た、苛酷な倒錯した原理主義的暴政を押しつける、欧米に支援されたいわゆる“反政府派”から逃げる為だった。いまだに傭兵の支配下にあって苦悩しているアレッポの共同体に押しつけられているのは、まさにこの種の暴政だ。

今週、アレッポでコーヒー売りの14歳の少年が預言者をを冒涜したかどで外国人武装集団によって公共広場で処刑されたという報道が現れた。彼はいかさま裁判で死刑を宣告され、 両親の目の前で、頭を二度銃撃されたのだ。

クサイルから逃げた住民達、イスラム教徒、スンニ派、シーア派、アラウィー派や、キリスト教徒達が皆、安全が回復した自分たちの町で、これまでの平和な共存生活を再開しようともどりつつあるのは一体なぜだろう?

クサイル陥落後、こうした質問の一つとして、主流欧米マスコミや欧米政治家達は自問していない。信じられないほど、欧米マスコミのシリア報道は、過去一週間、巨大なスパナが車輪に投げ込まれて、動かなくなってしまったかのように突然の沈黙に覆われている。都合よく、ニュースの話題は、どういうわけか他の話題に移ってしまったもののようだ。

現時点で、欧米政府や、そのマスコミ宣伝機構が最も避けたがっているのは、欧米の国民が、むき出しの明白な真実を目にすることだ。各国政府とマスコミが、過去二年間にわたり、シリアで起きていることについて嘘をついてきたのを知られることだ。シリアで、シリア国民と慈愛に満ちた欧米諸大国が支持する民主化運動の蜂起が起きているわけではない。そうではなく、シリアは、石油とガスが豊富な中東における利己的な戦略上の権益の為の、欧米大国による犯罪的な秘密の侵略戦争にさらされてきたのだ。ニュルンベルクで、戦争犯罪人が絞首刑にされたのは、この種の陰謀ゆえだった。

 

クサイルが、中東における欧米政府の犯罪を極めて明快にした。そして、それこそが欧米マスコミが、事実をメモリー・ホールへと廃棄している理由なのだ。

この事実をメモリー・ホールから引きずりだそうではないか。連中の不義の狙いを達成すべく、欧米政府は、主権国家に、武器、資金、特殊部隊や、外国の人殺し組織を密かに注ぎ込み、シリア国民を威嚇して、自分たちの体制転覆という狙いに応じさせようとしたのだ。欧米の大統領、首相や外交官達、バラク・オバマ、デーヴィッド・キャメロン、フランソワ・オランド、ジョン・ケリー、ウイリアム・ヘイグや、ローラン・ファビウスの手は、80,000人のシリア国民の血で濡れている。彼等全員、告訴されて、戦争犯罪裁判で裁かれるべきだ。

爆撃を受けて、破壊された都市クサイルをシリア軍勢力が奪還したことで、欧米の見せ掛けとプロパガンダという外観は永久に破壊されてしまった。

今や、退却する反乱部隊の残滓と一緒に、欧米政府も、のっぴきならぬ暴露に怖じ気づいている。今週、ホワイト・ハウスはシリアについて一連の緊急会談を行なう予定だ。ジョン・ケリー米国務長官は、こうした会議に出席するため、中東歴訪をキャンセルせざるを得なかった。会議の議題には、欧米の犯罪的な企みが既に崩壊させられてしまった為、おそらくは実現しないであろう自暴自棄の動き、つまり、シリアの「外国に支給された軍隊」FSAに、アメリカが、あからさまに兵器や他の致死的な支援物質を送る案もあるだろう。オバマ政権は、他のスキャンダルにも襲われて、アメリカ国民の間でも世界的にも、正当性が、崩壊しつつあり、中東における犯罪行為を強化する立場にはない。

AP通信は報じている。“[シリア]反体制派指導部[つまり欧米傀儡]は、更なる支援が無ければ、反乱は壊滅的な取り返しのつかない敗北をしかねないとアメリカ政府に警告した。”

この文章が全てを物語っている。王様連中は裸だ。

Finian Cunninghamは、アイルランド・ベルファスト出身、1963年生まれ。国際問題の著名な専門家。著者、コメンテーターの彼は、欧米に支援された政権による人権侵害を追求した批判的なジャーナリズム活動が理由で、2011年6月、バーレーンから国外追放された。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまでは、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務。音楽家で、ソングライターでもある。長年、ミラー、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミの編集者、著者として働いた。彼は現在、東アフリカを本拠として、バーレーンとアラブの春についての本を書いている。毎週日曜、グリニッジ標準時午後3時Bandung Radioの時事問題番組の共同司会者。

Finian Cunninghamによる別記事。

記事原文のurl:www.presstv.com/detail/2013/06/11/308416/western-emperors-have-no-clothes/

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この属国政府、「シリア反体制派」に直接人道支援をするという。イラク派兵と同じ。傀儡政治家は、宗主国の理不尽な命令には逆らわない。
憲法9条があるから、「人道支援」という建前を言わざるを得ない。欧米宗主国の介入は、いつでも、「人道支援」が口実。コソボ、リビア、シリア。

7月参院選で、自民、公明、みんな、維新が多数派を占めれば、当然、憲法は破壊され、宗主国の侵略戦争への「軍事支援」、つまり国防軍派兵が実現する。

    • 原発推進で、自分達の孫子に放射能を浴びせつづけ、
    • TPPでアメリカ無国籍企業の属国を支配し、孫子を搾取するにまかせ、あまつさえ、
    • 憲法9条破壊で、正義のない宗主国の侵略戦争に、鉄砲玉として派兵される制度を作る、何とも不思議な属国民の皆様。

数日前の新聞に、「小選挙区制の功罪」なる記事が掲載された。小沢、鳩山元首相両氏、いまでも、小選挙区制維持を明言している。今日の記事でも、公明党幹部氏は、小選挙区制維持を明言している。こういう人々を、選挙で支持するわけにはゆかない。河野氏は、失敗だと反省しておられるが。

「小選挙区制の功罪」とあるが、庶民にとって、「小選挙区制の罪」は明白だ。「小選挙区制の功」とは、一体何だろう?記事を読む限り、「左翼のクソどもの一匹」たる小生には全くわからない。「恥ずかしい大人の代表」達による、悪質なプロパガンダ記事としか思えない。

    • 原発の「功」なるもの真っ赤な嘘であること、白日に曝された。下記も同じ。宗主国支配者、そして属国傀儡政府・幹部は、自分が儲かれば「功」だ。
    • 安保日米同盟
    • TPP
    • 憲法9条破壊

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 「シリア政府軍の化学兵器使用」、テロ国家アメリカが常用する大嘘以前の問題として、ベトナムに枯れ葉剤を大量にまき、未だに数百万人の被害者がいて、ベトナム・ラオスで化学兵器を使って反省も謝罪もしていないゴロツキ国家が化学兵器云々を言えるかどうかという問題がまずある。

▼アメリカの国家犯罪全書
ウィリアム・ブルム著、益岡賢訳
作品社、400ページ、2000円、2003年3月31日

頁187――

ラオス

 1970年9月、ラオスで「追い風作戦」を遂行していた米軍は、ある村のキャンプを攻撃する際、村への侵入を容易にするために噴射式サリン神経ガス(「CBUー15」あるいは「GB」と言われているもの)を 使用した。この侵攻の目的は、そこにいると思われた脱走アメリカ兵たちを殺害するというものだった。作戦は100名の兵士と文民を殺すことに成功した。そのうち少なくとも2名がアメリカ兵だった。攻撃開始前のサリン・ガスで殺された人がどのくらいで、攻撃自体で殺された人がどのくらいかはわかっていない。
 サリンは1930年代にドイツで開発された毒ガスで、その蒸気を吸うとまもなく死亡する。皮膚にサリン一滴たらしても同じである。通常の服を通過してしまう。サリンは筋肉の動きを制御する酵素を破壊する。その酵素を破壊されると体は筋肉を止めようがなくなり、恐ろしい状態になる。
 村を侵略したアメリカ兵たちは、撤退時に、優勢な北ベトナムとパテト・ラオ〔ラオスの左翼勢力で、「ラオスの国」の意。「ラオス愛国戦線」ともいう。1945年に結成されたラオス自由戦線を中心に56年に結成された。75年にラオスの政権を完全に掌握〕の兵士に出くわした。アメリカ兵たちは空からの支援を求め、まもなく米軍機がやってきて敵の頭上にサリン・ガスの弾筒が投下された。弾筒が爆発し、湿った霧に取り囲まれた敵の兵士たちは地面に転がり、嘔吐し痙攣した。ガスの一部はアメリカ兵の方にも広がった。アメリカ兵も全員が充分な防御装備を身に着けていたわけではなく、ひどく嘔吐しはじめた者もいた。その一人は、現在、進行性麻痺にかかっており、医者は神経ガスによるものと診断している。
 以上の事件は、1998年6月7日、「ニューススタンド CNN&タイムス」というTV番組で報道された。1970年に倒幕議長だった海軍大将トマス・ムーラーをはじめ、軍関係者が人によっては顔を隠して登場し、この事件について認めた。
 この放送は、大騒動を引き起こした。・・・

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