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2013年6月16日 (日)

政府の狙いは一体何なのだろう?

Paul Craig Roberts

2013年6月11日

十年来、アメリカ政府がこっそり、違法に、憲法に違反して、自国民をスパイしているということは皆知っていた。議会も連邦裁判所も、アメリカ憲法や成文法の大規模な違反に対して何も行なわず、無頓着なアメリカ国民は動じないようだ。

2004年、内部告発者が、国家安全保障局(NSA)は、秘密連邦裁判所を無視し、必要な令状を得ずにアメリカ人をスパイして、外国諜報活動偵察法(FISA)に違反していることをニューヨーク・タイムズに通報した。腐敗したニューヨーク・タイムズは、アメリカ国民の利益より、アメリカ政府の利益を優先し、ジョージ・W・ブッシュが無事再選されるまで、記事を一年お蔵入りにした。

ニューヨーク・タイムズが、一年後に違法スパイの記事を掲載した頃には、その間、違法な政府は、事後法や大統領令で、不法行為を軽減し違法行為は国家利益の為だと言い逃れをした。

昨年、NSAの世界のデジタル・データ収集計画担当者だったウィリアム・ビニーが、NSAが、アメリカに暮らす全員を完全な監視下に置いていることを暴露した。あらゆる電子メール、見たインターネット・サイト、電話会話は補足され、蓄積されている。2012年に ビニーは、自らの職や生活を賭して、憲法上の権利を擁護した人々に送られる年次の表彰Callaway Award for Civic Courage(キャラウェイ市民勇気賞?)を受賞した。

これまでにも多数の内部告発者達がいた。例えば2006年には、マーク・クラインが、AT&Tには、サンフランシスコ事務所に秘密の部屋があり、NSAが、それを何の嫌疑もないアメリカ国民のインターネットや電話通話データの収集に使っていることを暴露した。
http://www.pbs.org/wgbh/pages/frontline/homefront/interviews/klein.html

売女マスコミは、こうした話題を、政府の不法行為を、精査や国民の怒りから守るような形で扱う。いつもの歪曲の口実は、国民はテロリストから安全である必要があり、政府が安全を提供する、というものだ。

最新の内部告発者エドワード・スノーデンは、アメリカ政府より、言論の自由擁護の実績がある香港に、保護を求めた。スノーデンは、アメリカのいかなる報道陣も信頼せず、イギリスの新聞ガーディアンに話を持っていった。

アメリカ政府は違法であり、アメリカ政府は、アメリカ憲法を紙屑と見なしており、アメリカ人には、任意の時点で、政府が認めるもの以外のいかなる権利も持っていないと考えており、弱体で去勢されたアメリカ議会や、へつらう連邦裁判所や、管理されたマスコミや、無頓着な国民によって、アメリカ政府が責任を問われる恐れが皆無であることに、もはや何の疑いようもない。

ビニーとスノーデンは、政府による国民監視の極端な危険について正確な詳細を語っている。免れる人は皆無だ。CIA長官も、アメリカ軍の将軍連中も、上院議員も下院議員も、大統領自身すらも。

コンピュータとインターネットを使える人なら誰でも、ビニーやスノーデンのインタビューを見ることができるので、何も悪いことをしているか否かにかかわらず、十分恐れるに足りるものであるかをご理解いただけよう。

ヒトラー政権でも、スターリン政権でも、楽々勤められたであろう、嘘つき国家情報長官ジェームズ・クラッパーは、民主主義において、大衆は政府が一体何をしているのかを知っているべきだと主張するのは“ふらち”だとスノーデンを非難した。クラッパーは、普通のアメリカ人全員をこっそりスパイすることは“わが国を守る”為に必要不可欠だと主張した。 http://news.antiwar.com/2013/06/07/us-spy-chief-slams-reprehensible-leak-of-nsa-surveillance-scheme/

クラッパーはNSAが、全てのアメリカ人の普通の暮らしをスパイしていることをアメリカ国民が知ってしまったことで“立腹した”。クラッパーは、アメリカ憲法がアメリカ国民全員に保証しているプライバシーを、アメリカ政府が徹底的に侵害しているという“無謀な暴露”をしたかどで、スノーデンが厳しく罰せられることを望んでいる。

憲法を勉強したとされるオバマ大統領は、あらゆるアメリカ国民の、あらゆる通信をスパイするクラッパーの計画を、“国民の市民的自由を守る”ために必要な、アメリカ人の市民的自由の侵害だと正当化した。アメリカ合衆国大統領の信憑性の欠如と、NSAのスパイ行為は“民主主義の生存に関わる脅威”だと正しくも述べたスノーデンの誠実さを比較願いたい。

売女マスコミはクラッパーとオバマの擁護に忙しい。6月9日、CNNは元CIA職員ボブ・ベーアを起用し、スノーデンは、アメリカの市民的自由を守るどころか、中国のスパイかも知れず、スノーデンの暴露は、中国のスパイ事件の可能性があると民衆に吹き込もうと躍起だ。

悪魔化は、アメリカ軍法を順守し、戦争犯罪を報告したブラッドリー・マニングの信用を損ない、またWikileaksのジュリアン・アサンジを、アメリカ政府の犯罪に関わる漏洩情報を報道したかとで告訴するためのアメリカ政府のテクニックだ。悪魔化と、冤罪が、スノーデンに対して、政府が駆使する武器となろう。

もしアメリカ政府と売女マスコミが、歴史的権利が消滅し、警察国家になりつつあることをアメリカ人に知らしめようとしている勇敢な人々は外国勢力のスパイ工作員なのだとアメリカ人を説得するのに成功すれば、アメリカは自らの政府によって破壊され続ける。

ということで、問題の核心だ。スパイ計画の目的は一体何なのだろう?

たとえ9/11やボストン・マラソン爆破の公式説明を信じるアメリカ人がいようとも、アメリカで、12年の間、人命が失われたテロ攻撃は、二件しかおきていない。交通事故や粗悪な食品で亡くなった人数の方がはるかに多い。12年間で、わずか二人のテロリストとされる人物の行為ゆえに、一体何故、憲法や市民的自由が葬り去られるのだろう?

テロ攻撃が全くないのは、実に驚異的だ。アメリカ政府が、イスラム教政府や国々を侵略し、破壊を始めて十年を越える。イラク、アフガニスタンやリビヤにおける民間人死傷者の数は極めて多く、パキスタン、イエメンやシリア等のアメリカ政府がまだ侵略していない国々では、アメリカ政府の無人機と地上代理部隊によって民間人が殺害されている。

6ヶ国のイスラム教徒に対する、アメリカ政府による12年間にわたる残虐な攻撃にも関わらず、FBIが仕組んだでっちあげテロではなく、少なくとも一ダースの本当のテロ攻撃が、アメリカで、日々起きていないのは驚くべきことだ。

一体なぜ、テロのようにごく稀なものによって、アメリカ憲法やアメリカ人の市民的自由の破壊が正当化されるのだろう? 自国の政府が、あらゆる国民を、何の権利もない潜在的容疑者と見なしている時に、一体どのアメリカ人が安全だなどと言えよう?

アメリカの庶民生活で、一体なぜこれが議論されないのだろう? 売女マスコミが、スノーデンの暴露を、彼の不満や動機の話にすり替え、民主主義や市民的自由の生存に関わる脅威から逸らす様を御覧じろ。

政府の本当の狙いは一体何だろう? “対テロ戦争”は、明らかに政府が宣言していない狙いの隠れみのだ。“自由と民主主義”のアメリカでは、国民は果てしない戦争や、ゲシュタポ警察国家を助長する政府の動機が一体何かを知らずにいる。アメリカ人が得られる唯一の情報は内部告発者によるものだけだが、内部告発者を、オバマは無慈悲に告訴している。売女マスコミは素早く、そういう情報の信用を傷つけ、内部告発者を悪魔化する。

現在の“自由と民主主義”のアメリカ国民より、第三帝国時代のドイツ人やスターリン時代のソ連国民の方が、自国政府の本音について、ずっとまとも理解していた。アメリカ国民は、現代史において、最も蚊帳の外に置かれている国民だ。

アメリカには、政府に責任をとらせる民主主義は存在しない。存在しているのは、風の吹き払うもみがらのような洗脳された国民ばかり。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能だ。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/06/11/what-is-the-governments-agenda-paul-craig-roberts/
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「売女マスコミ」という訳について一言。ジェラルド・セレンテが腐敗の極み、マスコミの呼び名として案出した言葉は、presstitute。pressとprostituteを合成したものだろう。マスコミと売春婦を一緒に表現する日本語を思いつけないので、「売女マスコミ」としている。

日本の場合、原発推進、TPP推進、日米宗主国属国同盟推進という実態からして、売国政治家、売国官僚、売国企業、売国労組、売国学者等と同様、「売国」マスコミという方が適切に思える。

今朝の新聞に、スティグリッツの記事が載っていた。「アベノミックスに欠けるもの」。「格差是正への配慮」をせよという趣旨。1%でなく、99%への配慮をという。「格差是正への配慮」、そもそも、この国の政府が長年排除し続けてきた発想だろう。

極めて重要な話題TPPについても、まっとうな指摘をしている。そこだけ引用させていただこう。売国マスコミにも、まれに真実が載る。きわめて目立たないように。

TPPについてはという質問に、スティグリッツは、こう答えている。彼には、TPP詳細解説をお願いしたいくらい。

 「日本の人びとは気をつけてほしい。TPP交渉に臨んでいる米政府関係者は必ずしも米国民の利益を反映しておらず、製薬企業や娯楽産業といった業界の利益を代弁しがちなのです。しかもTPPは自由貿易というより管理貿易的で、多角的自由貿易体制を傷つける恐れがあります。中国が参加していないこともあって、TPPで(中国と分断されるなど)アジアの部品供給網や域内貿易が損なわれかねません」
「米政府の主張の問題はほかにもあります。日本にコメの保護をなくすよう求めてきましたが、米国の農産物保護はなくそうとしない。知的財産権の保護強化で、人びとが安い後発医薬品を入手しにくくなる恐れもあります。遺伝子組み換え食品の情報公開には後ろ向きで、これは米国民の利益にも反します」

政府の本当の狙いは一体何だろう? “原発推進、TPP推進、日米宗主国属国同盟推進”は、明らかに政府が宣言していない、売国という狙いの代名詞だ。

現在の“自由と民主主義”を建前とするアメリカの属国となって70年近い日本国民より、第三帝国時代のドイツ人やスターリン時代のソ連国民の方が、自国政府の本音について、ずっとまとも理解していた。日本国民は、現代史において、最も蚊帳の外に置かれている国民だ。

日本には、政府に責任をとらせる民主主義は存在しない。存在しているのは、風の吹き払うもみがらのような洗脳された国民ばかり。

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