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2013年6月

2013年6月30日 (日)

ワシントンは世界を最終戦争に押しやりつつある

Paul Craig Roberts

2013年6月28日

“Vフォー・ヴェンデッタ”は、未来のイギリスにおける悪を、現在アメリカに存在している悪の代理として描いており、悪の敗北で終わる映画だ。だがこの映画では、主人公が超能力を持っている。もしこの映画をご覧になっておられないなら是非ご覧願いたい。目を覚まして、勇気を持って頂けるかもしれない。下記の抜粋は、少なくとも一部の映画監督の中では、自由に対する願望が依然として存在していることを示している。

アメリカ国内に自由に対する願望が存在しているかどうかは、現時点では不明だ。もしアメリカ人が、だまされやすさや、生涯にわたる洗脳や、“自分達の”政府が語るあらゆる嘘を真に受けてしまう性質を克服できて、もしアメリカ人が、その中で生活している「マトリックス」から脱出さえできれば、アメリカ人は“自分達の”政府が奪い取った、道義、正義、平和、独立と自由を回復できるだろう。アメリカ人が再び、意気盛んに立ち上がることは不可能ではない。“自分達の”政府が、真実、正義、人権、そして命そのものの敵であることを理解しさえすれば良い。

普通のアメリカ人が、スーパーヒーローの助け無しで、悪、つまり“自分達の”政府に勝てるのだろうか? もし思想が十分に強力で、アメリカ人がそれを理解できれば、善はワシントンに集中している悪に打ち勝つことができるだろう。アメリカ人が本当の悪に気がつくのを妨害しているのは、そのだまされやすさだ。

もしアメリカ政府の悪との戦いで、善が破れれば、我々の未来は、長靴が人の顔を永久に踏みつけるものとなる。

http://www.youtube.com/watch?v=KKvvOFIHs4k&feature=youtu.be

http://www.youtube.com/watch?v=_-gHVGOoE48

もし皆様、超大国アメリカに暮らすアメリカ人が、悪、つまり“あなたの”政府に対して立ち上がる勇気に欠けているのであれば、恐らくエドワード・スノーデン、ブラッドリー・マニング、ジュリアン・アサンジや、ちっぽけなエクアドルの勇気が読者を元気づけてくれるだろう。

上院外交委員会委員長のニュージャージー州選出民主党上院議員ロバート・メネンデスは、もしエクアドルがエドワード・スノーデンの政治亡命を認めれば、エクアドルからの野菜と花卉の輸入を阻止すると語った。エクアドルは収入を10億ドルも失うことになる。

“我が国政府は、決して悪行をする国々に報いることはない”というメネンデスの声明は皮肉だ。この声明は、悪行を、真実を語る者を擁護する事と、また、善行を、真実を語る者を裏切る事と、同一視している。メネンデスの声明自体が嘘だ。アメリカ政府は、不品行にのみ報いている。アメリカ政府は、民主的に選出された政府を打倒する際、その政府を独裁者として描き出し、常に、自国の民主的に選出された政府に対して陰謀を企てる連中に対して報いている。

メネンデスの脅しは効かなかったが、上院議員は、アメリカ政府の権威に更なる屈辱的打撃を与えることには成功した。エクアドル大統領ラファエル・コレアは、メネンデスの機先を制して、協定がエクアドルの主権と道義にとって脅威であり、アメリカ政府によって、エクアドルを恐喝するために使われているという理由で、アメリカとの貿易協定を破棄した。“エクアドルは、誰からの脅しにも屈しない”とフェルナンド・アルヴァラード大統領府報道長官は言い、アメリカ政府に、拷問や、違法な死刑や、人のプライバシーへの攻撃と戦う人権教育を行う為の対外援助を申し出た。

全世界のプライバシーをあさっている悪事の現場を押さえられ、さらけ出されたのに、傲慢さゆえに、違法な振る舞いを認め、謝罪することができないアメリカ政府は、スノーデン事件の処理でヘマをして、スノーデンの暴露で起きたこと以上に、自らに対し遥かに大きな損害をもたらした。アメリカ政府が、誰の人権も全く尊重していないこと、いかなる国の主権も全く尊重していないこと、いかなる道義、特に自ら頻繁に口にする道義をも全く尊重していないこと、脅迫と暴力のみに頼っていることが決定的に立証されてしまった。アメリカを除く全世界が、今や誰が敵であるのかを知っている。

スノーデン、グレン・グリーンウォルド、マニング、アサンジや、エクアドルをアメリカ政府が悪魔化するのを幇助したアメリカの売女マスコミは、アメリカ・マスコミは品格に欠けており、それが報じる何一つとして信用に値しないことを世界に対して実証した。アメリカの印刷・TVメディアやNPRは、社会倫理にもとるアメリカ政府の狙いの為のプロパガンダ省なのだ。

6月24日、シュタージ国家お気に入りの売女、ワシントン・ポストは、三回も民主的に選出されたラファエル・コレアを“ちっぽけで、貧しいエクアドルの独裁的指導者”として非難しているが、その論説が、ワシントン・ポストにはいかなる倫理も欠如していることを実証するのみならず、もし“ちっぽけで、貧しいエクアドル”が、アメリカ政府の脅しに立ち向かうことができるのであれば、その他の国々も、立ち向かうことができると世界中に示しているのに全く気が付いていない。

コレア大統領は、ワシントン・ポストに対してこう答えた“スノーデンと、彼を支持する‘邪悪な’国々に何とか注意を逸らすことで、彼が非難した、アメリカ国民と全世界に対する恐ろしい事を忘れさせようとしている。”コレアは更に付け加えた。ワシントンの“世界秩序は、正義にもとるのみならず、社会倫理にも、もとっている。”

アメリカ政府がコレアを憎悪している理由は、スノーデンとは無関係だ。エクアドルが、スノーデンの政治亡命を検討しているというのは口実にすぎない。コレアが憎悪されているのは、最初の任期の二年目に、腐敗して、独裁的な前政権が、国際金融機関との契約に支払っていた、30億ドルの対外債務の支払いを彼が拒否した為だ。コレアが債務不履行で脅した為、国際金融のギャング連中は、債務の60パーセント切り下げを強いられた。

エクアドルにおける高率の貧困を低下させるのに成功し、大衆の支持を確立した為に、アメリカ政府が、エクアドル内部から、彼を打倒するのが困難になったことも、アメリカ政府がコレアを憎悪している理由だ。

更に、アメリカ政府が、コレアを憎悪するもう一つの理由は、彼が多国籍石油会社によるエクアドル石油資源の搾取に対する手段を講じ、エクアドルの金融制度を不安定化させるアメリカ政府の能力を阻止する為、エクアドルの銀行のオフショア預金口座金額を制限している。

マンタのアメリカ空軍基地の借地更新を拒否していることも、アメリカ政府がコレアを憎悪している理由だ。

要するに、コレアは、マスコミと国家の資源を、アメリカ政府の手、アメリカ政府と組んだ少数の裕福なエリートの手から奪い、エクアドル政府が掌握する為に戦ったのだ。これはダビデとゴリアテの物語だ。

言い換えれば、コレアは、ベネズエラのチャベス同様、アメリカ政府の利益ではなく、自国の利益を代表する類まれな国家指導者なのだ。

ワシントンは、様々な腐敗したNGOやコロンビアの傀儡政権を、コレアとエクアドル政府に対する武器として駆使している。アメリカ政府がコレア暗殺に成功するのも時間の問題にすぎないと考えている人々は多い。

事実はどうであれ“わが”政府の側にたつべきだと感じているアメリカの愛国者達には、本当の愛国心とは一体何かを想起するのが役立つだろう。アメリカ人にとって、愛国心というのは、常に政府ではなく、憲法に対する忠誠のことだった。国内、国外両方の敵から憲法を守るというのが宣誓だ。ブッシュとオバマの政権は、憲法の最悪の敵であることが証明されている。本当の愛国者が、憲法を破壊する政府を支持することは不可能だ。アメリカ合州国は憲法なのだ。我が国は、オバマ政権ではなく、ブッシュ政権でもなく、何か他の政権でもない。我が国は憲法なのだ。憲法は我が国なのだ。

あらゆる人間の、人間の命そのものに対する責任は、自分の国に対する義務を超越している。NATO諸国や、日本やコロンビア等の、アメリカの傀儡国家は、アメリカ政府の攻勢に隠れ蓑を与えたり、支援をしたりして、アメリカが世界を第三次世界大戦に追いやるのを可能にしている。

アメリカ政府の金による誘惑は、トニー・ブレアやデービッド・キャメロンの類の脆い人物を容易に圧倒する。だがNATO諸国政府や、言いなりになる他の国々は、アメリカ政府の侵略戦争を支持することで自国民を裏切っているのみならず、人類をも裏切っているのだ。アメリカ政府が、様々な国を次々と破壊するにつれ、アメリカ政府の傲岸と尊大さは増大する。遅かれ早かれ、ロシアと中国は自分たちが標的であることに気がつき、断固たる一線を引くだろう。傲慢さゆえに、アメリカ政府は、その一線を認めようとはせず最終戦争が開始されるだろう。

アメリカ政府の覇権への衝動が世界を破滅へと推進している。世界中の人々はこれを理解し、自国政府がワシントンの攻勢を許容するのを止めるよう強いるべきなのだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/06/28/washington-is-driving-the-world-to-the-final-war-paul-craig-roberts/

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協定のくだり、関連記事をそのまま引用させていただこう。

エクアドルへの免税措置停止も=米政府「更新の是非検証」

 【ワシントン時事】米通商代表部(USTR)のフロマン代表は27日、南米エクアドルからの一部輸入品に適用されている免税措置更新の妥当性の審査に入ったと表明した。エクアドルは、米当局による情報監視活動を暴露して訴追された元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者の亡命申請先で、米議会内では同国が亡命の受け入れを決めた場合には免税措置を更新しないよう求める声が出ていた。

 USTRが見直し対象としたのは、途上国の経済発展支援のため一部輸入品の関税率を引き下げる一般特恵関税制度(GSP)に基づく、エクアドル製品への免税措置。26日には上院外交委員会のメネンデス委員長が声明で「悪行をする国に報酬は与えない」として、亡命申請への対応次第では免税措置を停止すべきだとの考えを示していた。
 一方、エクアドル政府は27日、「われわれは脅しには屈しない」として、一部の関税優遇特権の放棄を表明し、米国との対決姿勢を強めている。(2013/06/28-12:50)

みんなの党の江田幹事長、ハーバード大留学の1年間、ルームメートとして米通商代表部(USTR)のフロマン氏と2人で生活したことがご自慢だ。

TPP米側キーマンの素顔、みんなの党・江田幹事長に聞く」という記事がある。電子版に登録しないと読めないので、読んでいない。

TPP、もちろん、こういう副次効果も狙っているだろう。

購読している新聞29日朝刊、記者二人がTPP賛成論・慎重論を交わす記事があった。
ISD条項や、原発推進や、健康保険への影響といった懸念は、全く根拠のない「妄想」であるという議論は皆無だった。もっぱら農業問題。サービス貿易や投資面でのルールづくりに諸手を挙げて賛成している。最後発で、交渉力が証明済みの日本、一体、どれだけ日本国民に有利な交渉ができるか、という検討はない。

アメリカの狙い、関税引き下げでなく、日本の非関税障壁撤廃にあること、アメリカ公式文書にあるのに、マスコミ、全くみようとしない不思議。長い文書は、以下記事等で翻訳した。

(TPPでの)アメリカの狙いは、関税よりずっと重大な邪魔者であり続けている非関税施策を日本に解除させることにある 米国議会図書館議会調査局文

砂嵐の際に、土に頭を埋め、嵐が去るのを待つダチョウではあるまいに。賛成派の常套手段は、農業と関税への歪曲化。非関税の話題は全て無視する。

根拠のない「妄想」だと、宗主国政治家・大企業が証明して下さらない限り、内容不明の協定になど賛成しなくて当たり前だろう。上記に見るような宗主国様の振る舞いをみれば。

保険契約でも、ツアーでも、詳細が分かって納得し、金を払って参加する。秘密TPP、ぼったくりバー以下の凶悪さ。一度入れば、ぼられ放題。途中で出ると言い出すと、また連れ戻されるのではあるまいか。しかも馬鹿な誘いに乗ったアホな自分ひとりではすまない。孫子、さらにはその孫子等々、永遠に祟る。というのは妄想だと、証明願いたい。

みんなの党「脱原発」をうたっているが、「TPP」は絶賛だ。TPPに入れば、ISD条項のおかげで原発を止められなくなる可能性は大きい。現実に、同じようなヨーロッパの協定のおかげで、ドイツは、スウェーデン企業に原発中止による損害の賠償をするよう訴えられている。下記に記事がある。

ハンギョレ・サランバン 2011年11月09日08:59
独 原発閉鎖政策、ISDに直面

韓国では事実が報じられているのに、大地震の結果起きた悲惨な原発事故、収拾の見込みさえたたないこの国で、この深刻な問題をマスコミは全く報じない。完全な報道管制。そして首相は原発・TPP・鉄砲玉のセールスマン。

「みんな」の「脱原発」ポーズにすぎないと理解するのが正しいだろう。

「自民党以外の8党が「原発ゼロ」を目標とする考えを示した。」とあるが、「TPP」反対を明言しない政党は、実質、「原発推進派」だ。もう一つの判断基準は「壊憲」賛成か否か。

同じ理屈で、「TPP」を絶賛しながら「脱原発」をうたう新聞も大いに曲者。

TPP賛否記事には全く感心しなかった(怒り心頭)が、「批判するなら対論を出せ」などというインチキ論法を恐れる必要はない、と語る橋本治氏には大いに共感。

酒の席で知人とTPPについて口論し「批判するなら対論を出せ」と言われたばかり。

2013年6月28日 (金)

モンサント幹部が'農業のノーベル賞'を受賞

公開: 2013年6月20日、04:09

RT

Reuters / Anis Mili

毎年授与される世界食糧賞は、実際それ程著名ではないにせよ、農業の“ノーベル賞”と呼ばれることが多いが、今年の受賞者、遺伝子組み換え作物開発に当たって重要な役割を果たした科学者達の顔ぶれは、厄介な関心を高めかねない。

水曜、世界食糧賞の受賞者が、ジョン・ケリー国務長官列席のもと、アメリカ国務省で発表された。今年の賞は三人の科学者の共同受賞だ。マルク・ファン モンタギュー、メアリーデル・チルトンとロバート・フラリーの全員が農業バイオテクノロジーの先駆者だ。

フラリーは現在、巨大バイオ企業モンサントの最高技術責任者で、メアリーデル・チルトンは、もう一つの著名なバイオ企業、シンジェンタ・バイオテクノロジーの創始者だ。25万ドルの賞金も付く賞の授与にあたり、アイオワ州に本拠を置く世界食糧賞財団は、遺伝子組み換え作物は、より多くの収穫をもたらし、病・虫害や悪天候に対し、より抵抗力があると論じている。

この三人の科学者達は、現代の農業バイオテクノロジーを発見し、発展させ、応用する上での、三人の、独立した、それぞれの画期的な業績が認められたのです”と世界食糧賞財団のケネス・クイン理事長は語っている。

アメリカ農民に大豆とトウモロコシのGMO品種が良く売れていることでも明らかなように、アメリカ国内でこそ、遺伝子組み換え食品は広く受け入れられているものの、ヨーロッパでの栽培は認められておらず、インドや中国等の他市場への導入は限定されている。ハンガリー等のヨーロッパの国々では、遺伝子組み換えであることがわかった種子を積荷丸ごと処分する程にまでなっている。

同様に、小麦等の他のGMO作物を、、人間の直接消費(動物の餌に使うのと対照的に)に使用することに強力に反対し、GMO食品表示も支持している活気ある消費者団体が多数アメリカに、存在している。

ベルギー、ゲント大学のInstitute of Plant Technology Outreach(植物テクノロジー普及研究所?)創立者マルク・ファン モンタギューは、“こうした認知が、この技術の恩恵をヨーロッパが承認し、遺伝子導入植物に対する世界的需要をもたらす不可欠な条件への道を開くことになるよう”願っていると語った。

2013年5月25日、ニューヨークで、アメリカに本社を置くモンサント社と遺伝子組み換え生物(GMO)への抗議行動で、ポスターを掲げる女性。(Reuters / Eduardo Munoz)

“緑の革命”における役割によりノーベル平和賞を受賞したノーマン・ボーローグの強い要請により、1986に設立された非営利組織である世界食糧賞財団は、過去、アグリビジネスとの密接な関係で批判されている。

少なくとも、過去の受賞者を見る限り、この組織は、テクノロジーと、大量飢餓を緩和し、作物の生産高を増大する可能性を強調しているように見える。

昨年の世界食糧賞受賞者は、乾燥地帯で作物に水を与える“マイクロ灌漑”として知られる画期的な新手法による、中東における食物生産の先駆者ダニエル・ヒレルだった。過去二年間、この財団は、飢饉を緩和する為に貢献したNGOや政治指導者を表彰してきた。

ところが、今年、バイオテクノロジー分野に深く根ざす科学者達を対象にしたことが、GMO作物反対派にしっくりくることなどありえない。遺伝子組み換え種子は、飢饉を緩和し、作物生産高を増大させる解決策としてもてはやされてはいるものの、批判する人々は大企業による食料資源支配の法的影響や、生物学的多様性の消失や、環境に対する潜在的影響を懸念している。

より物議を醸すのは、人間が摂取することで、GMO食品が健康に悪影響をもたらすかどうかだ。遺伝子組み換え植物を批判する人々は、抗生物質に対する耐性が移転したり、人間にも動物にも影響を与えかねないアレルゲンを生成したりする可能性を指摘している。

記事原文のurl:rt.com/usa/world-food-prize-monsanto-executive-971/

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ノーベル賞の素晴らしさ、有り難さ、御威光は、オバマ大統領やキッシンジャー氏や佐藤栄作元首相の受賞で証明済み。

'全く知らなかった農業のノーベル賞'の素晴らしさ、有り難さ、御威光も、今年の賞で証明された。

いずれも、普通の言葉で表現すれば「お手盛り」。どこかの国の褒賞もまた。

朝刊の見出し「復興予算で電力会社支援」「MOX燃料搬入完了」中を開くと「核燃サイクル存続ありき」費用対効果、隔たり大。事業費19兆円、できる燃料9000億円分。

「自由市場に全てをまかせる」はずなのに、「事業費19兆円、できる燃料9000億円分の馬鹿げた大浪費大公害プロジェクト」を無条件で認める不思議。市場介入、過保護市場の極み。そして大公害の海外輸出。

18兆1千億円をドブに捨てて恥じないエリート支配者の皆様には、小学校算数の復習をお願いしたい。

生み出される核廃棄物の始末に必要な経費、はたして、この事業費19兆円に含まれているのだろうか?そうでなければ、日本の電気代は天文学的なものになるだろう。原子力を推進したあげく、電気など使えない原始生活に戻るのだろうか。そういえば、映画渡されたバトン~さよなら原発~の終わりの方で、坂道を自転車で進む農家の青年がかけているたすきに「原始力」とあった。

こういう不可解で恐ろしい政策を平然と推進する自民・公明、みんな、維新、そして民主党内の自民党別動隊が、参議院選挙で大勝利する不思議。

宮沢賢治の名作『注文の多い料理店』に嬉々として入って行く狩人、自分の体に、おいしいクリームを塗り、酢をふりかける狩人の姿、ひよっとして、現代日本人を予言していたのだろうか?話の中では、狩人はすんでのところで助かる。現実には、部屋を覗く化け物に食われてしまおうとしている不思議な人々。皆様、嬉々として、原発のみならず、遺伝子組み換え食品も、鉄砲玉化も、末代まで受け入れるもののようだ。

日本の青空第一部の妻と鈴木安蔵の会話を思い出す。うろ覚えだが。「自分の子供を戦場に送りたい女性はいない。女性が選挙権を持てば、自分の子供を戦場に送るようなことはしない。」

宗主国の命を受け、宗主国の理不尽な侵略戦争用鉄砲玉を送り出すべく、96条を、やがては、9条を破壊することが確実な、自民・公明、みんな、維新、そして民主党内の自民党別動隊に清き一票を投じておられる皆様の中には女性は本当におられないのだろうか?

渡されたバトン~さよなら原発~ 日本の青空第三部で描かれている原発実現に反対しつづけて、夢を実現した巻町住民の忍耐強い戦い、大半の日本人にとっては邯鄲の夢でおわるのだろうか?(本筋とは無関係だが、五十嵐教授がおっしゃっている通り、母親の誕生日シーンのご馳走は、いささか寂しい。)

『渡され損ねたバトン~こんにちは遺伝子組み換え食品・原発・侵略戦争鉄砲玉~ 日本の暗い空』の世界が近づいている?

夕刊を見てギックリ。1875年のきょう、言論弾圧の「律」。明治政府は反政府的な言論を取り締まる新聞条例や讒謗律を制定した。違反したとして多くの新聞記者が逮捕・投獄された。

自民党の改憲案なるもの、素人がみる限り、憲法などという代物どころではなく、限りなく「治安維持法」に近い。その実現に一歩近づく選挙結果となるのだろうか?

2013年6月26日 (水)

アメリカ政府の聖人ぶった仮面が剥がれた後の新たな始まり

Paul Craig Roberts

2013年6月25日

アメリカ政府と、その売女マスコミが、エドワード・スノーデンを巡って繰り広げている大騒ぎを理解するのは難しい。ずっと前から国家安全保障局(NSA)が、長年、令状無しで、アメリカ国民と世界中の人々の通信をスパイしていることは知っていた。世界中で盗聴した通信を蓄えておく目的で建てられた、ユタ州の巨大なNSAビルの写真は何度も公開されている。

一般人には、ウイリアム・ビニーや他の内部告発者達が暴露していなかった一体何をスノーデンが暴露したのか良くわからない。恐らく、違いは、スノーデンには彼の言い分を証明する文書があり、それで、いつもの嘘という事実を否定するアメリカ政府の能力を無力にしてしまっているわけだ。

アメリカ政府が言うたわごとの理由がなんであれ、それが決してアメリカ政府の為になっていないことは確実だ。スノーデンの暴露よりも、遥かに興味深いのは、真実を語る人物を、ワシントンのシュタージから守るという他の国々の政府による決定だ。

彼を殺害する為に、ファシスト・アメリカの秘密工作攻撃や、無人機が送り込まれないように、香港はスノーデンの所在を秘密にしている。香港は、アメリカ政府に、アメリカのスノーデン引き渡し書類はきちんとしていないと語り、スノーデンがモスクワに向けて発つのを認めた。

中国政府は、スノーデンの出国を邪魔しなかった。

ロシア政府は、スノーデンがモスクワで接続フライトに乗ることに異論はないと言っている。

エクアドルのリカルド・パティニョ外務大臣は、アメリカ政府の威嚇に対して、エクアドル政府は、アメリカ政府の利益より、人権を優先するという声明で答えた。パティニョ外務大臣は、スノーデンは、アメリカ政府のシュタージが“世界中のあらゆる人々”の権利を侵害していることを明らかにして、人類に貢献したと語った。スノーデンは、“ある国で権力を握っている一部のエリート”を裏切ったに過ぎないが、アメリカ政府は世界中を裏切っているのだ。

香港、中国、ロシア、エクアドルとキューバがシュタージの命令に従うのを拒否した為、政府自身と売女マスコミの恥を晒し、アメリカ政府は必死になっている。

ジョン・ケリー国務長官は、引き渡すよう警告した。ロシア、中国、エクアドルや、スノーデンが、アメリカ政府のシュタージから脱がれるのを幇助するあらゆる国を、彼は威嚇した。アメリカ政府の命令に従わない国々は、アメリカとの関係上、不利な影響を被ることになるとケリーは宣言したのだ。

ケリーは一体何と馬鹿なことを言ったのだろう。かつて平和志向だった人物が、自分の個人的事情をNSAにスパイされ、NSAの手先にされてしまったのだ。中国、ロシアや、他の国々は、アメリカとの関係悪化で苦労するだろうというケリーによる威嚇の、桁外れの傲慢さと尊大さを完全に把握しよう。ケリーは、ファシスト・アメリカは、“世界にとって必要不可欠の国民”が、他の国々との関係がまずくなるかどうかなど心配するに及ばないが、他の国々は“必要不可欠な国”との関係が悪化するかどうかを心配しなければならない、と語っているのだ。世界に対する、一体何と傲慢なアメリカ政府の態度だろう。

アメリカ国務長官は、アメリカ政府内の他の連中共々、妄想にとらわれているのだ。破綻した国、大企業が最高の雇用を海外に移転して、自国経済を破壊することを認めた国、その未来が印刷機の手中にある国、11年間も戦闘した後も、数千人の軽装備のタリバンを打ち負かすことができずに、ロシアと中国を威嚇している国。神よ、アメリカ政府を構成している大馬鹿者連中から、我々を救いたまえ。

アメリカ政府が香港によって辱めを受けているのを、世界は喜んでいる。単なる都市国家が、アメリカ政府に肘鉄を食らわせたのだ。公式声明で、香港は、焦点をスノーデンから、彼のメッセージへと移し、アメリカ政府に、香港の情報システムへのアメリカの違法ハッキングについて説明するよう要求している。

中国の国営新聞、人民日報はこう書いている。“アメリカ合州国は、人権の手本から、個人的プライバシーの盗聴者、世界のインターネットを巡る中央集権権力の操り手、他の国々のネットワークへの狂った侵略者へと変わった...世界はエドワード・スノーデンを忘れまい。彼の大胆さが、アメリカ政府の聖人ぶった仮面を剥ぎ取ったのだ。”

人民日報の子会社である、中国のグローバル・タイムズは、アメリカ政府が“アメリカ政府の悪質なスキャンダルを暴露した若い理想主義者”を攻撃しているとして非難している。謝罪するどころか“全体的な状況を支配しようとして、アメリカ政府は力を誇示している。”

中国国営の新華社通信は、スノーデンの暴露により“アメリカ政府は実にまずい状況に置かれてしまったと報じている。この暴露で、長きにわたって、サイバー攻撃の被害者として、潔白なふりをしようとしてきたアメリカ合州国が、現代最大の悪党であることを実証したのだ”

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ロシアは、ファシスト・アメリカというシュタージ国家にではなく、スノーデンに共感していることを明らかにした。人権オンブズマンのウラジーミル・ルーキンは、ロシア政府が、法律に違反して、ロシア入国して、ロシア本土にいるわけではない乗り継ぎ客を逮捕すると期待するのは現実的でないと述べている。RTのガヤーヌ・チチャキャンは“アメリカは嘘をついており、中国がしているとして非難したのとまさに同じことをしているのを示した”スノーデンの暴露から注意を逸らすため、アメリカ政府は、できる限り、あらゆることを行なっていると報じている。

エクアドルは、売国奴は、スノーデンではなく、アメリカ政府だと語っている。

“エドワード・スノーデンは、アメリカに対して回復不能な損害をもたらした”というNSA長官によるナイフで刺された豚並の悲鳴は、情事のかどで辞職を強いられたCIA長官がそうであったのと同様、彼等自身、NSAによるスパイの犠牲者である下院・上院議員達の愛想のいい金切り声に迎えられた。NSAは、下院と上院、ホワイト・ハウスそのもの、あらゆる企業、大学、マスコミ、国内・国外のあらゆる組織にいる、隠し事がある連中全員を自由に脅迫できる立場にあるのだ。ダイアン・ファインスタイン(民主党、カリフォルニア州)やら、マイク・ロジャーズ(共和党、ミシガン州)といった連中の悲鳴の強度で、誰が脅迫されているのかは見て取れる。運が良ければ、愛国者が、NSAの前に低く這いつくばるファインスタインやロジャーズについて、NSAが二人の一体何を握っているのか暴露してくれるだろう。

疚しいことだらけのワシントンのギャング政府は、今やNSAの手中にあり、命令に従うのだ。ファシスト・アメリカは、国民に責任を負う民主主義の国だという見せ掛けは露見した。アメリカは、NSAによって、NSAのために運営されているのだ。議会もホワイト・ハウスもNSAの傀儡だ。

NSAを、国家安全保障局と呼ぶのはやめようではないか。明らかに、NSAは、世界中の全員の安全にとって脅威だ。NSAを、その実態に則して呼ぼうではないか。国家シュタージ局、人類史上最大のゲシュタポ・コレクション。スノーデンは売国奴だと言う、あらゆる売女マスコミ、魂を売った全官僚、全ての無知な扇動家連中は、洗脳されているか、脅迫されているかのどちらかであって当然と考えてよろしかろう。連中はNSAによる暴政の擁護者なのだ。彼等は我々の敵だ。

長期にわたり、世界はアメリカ政府に益々うんざりしつつある。いじめ、ひっきりなしの嘘、根拠のない戦争と破壊が、アメリカ政府が喧伝している“世の光”としてのアメリカのイメージを崩壊させた。世界はアメリカを世界の悩みの種と見なしている。

スノーデンによる暴露の後、ドイツの最も重要な雑誌デア・シュピーゲルに、こういう見出しが載った。“オバマのソフトな全体主義。ヨーロッパは、アメリカから自らを守らねばならない。”記事の最初の文はこう問うている。“バラク・オバマは友人だろうか? 彼の政府の膨大なスパイ計画に関する暴露は、それに疑念を投げ掛けた。欧州連合は、アメリカという全能勢力の手から、大陸を守らねばならない。”

デア・シュピーゲルこう続けている。“我々は監視されている。常にあらゆる場所で。しかも監視しているのはアメリカ人だ。火曜日に、これまでに生み出されたものの中で最大で、最も網羅的な監視機構のトップがやってくる。もしバラク・オバマが我々の友人であれば、我々は本当に、我々の敵について酷く心配する必要は無い。”

ドイツのハンス・ペーター・フリードリッヒ内務大臣は、NSAスパイで、自分の秘密を知られてしまっているのは疑いようもない。フリードリッヒは、こう語って、大急ぎでNSA擁護に回った。“それは友人に対処するやりかたではない。”デア・シュピーゲルが明らかにした通り、内務大臣は“大西洋対岸にいる我々の友人達が、我々をスパイしている事実には触れなかった。そうではなく、スパイ行為を批判したつもりなのだ。フリードリッヒの対応は、見掛けは逆説的で、地政学的現実を見ることによって説明できるだろう。アメリカは、現状では、唯一の超大国なので、唯一の主権国家なのだ。他の全ての国々は、敵国であれ、同盟国であれ、皆属国なのだ。そして、大半の国は同盟国であることを望むがゆえに、ドイツの政治家を含め政治家連中は微笑んで耐える方を好むのだ。”

ドイツで最も重要な刊行物が、ドイツ政府がアメリカ政府の傀儡であることを認めたのは驚くべきことだ。

デア・シュピーゲルは書いている。“ドイツ国民は、外国政府によるスパイ活動から、政府が、国民を保護してくれるものと期待しておかしくない。ところが、それどころか、ドイツ内務大臣はこう述べている。‘アメリカ諜報機関の素晴らしい協力に我々は感謝している。’フリードリッヒ内務大臣は、監視問題についての彼自身の無能さを隠そうともしなかった。‘それについて我々が知っているあらゆることは、マスコミで知ったものだ’と彼は言った。ドイツ国内諜報機関のトップ、ハンス・ゲオルグ・マーセンも、それ以上の情報を持っているわけではなかった。‘それについて私は何も知らなかった’と彼は言った。サビーネ・ロイトホイサー-シュナレンベルガー司法大臣も、何も知らないようだ。‘こうした報道は極めて不快です’と彼女は言った。失礼ながら、これは、我々の権利を保護すると見なされている人々なのですよ。もし、これほど恐ろしいものでなかったら、不条理でしょう。”

“何も悪いことをしていないから、連中がスパイしたって気にしない”と言う馬鹿なアメリカ人諸氏に対して、デア・シュピーゲルは、こう書いている。“監視されている人間は、自由な人間ではない。”我々“自由なアメリカ人”は、自分達が自由ではないことを、ドイツの我が傀儡達から教えてもらわなければならない迄に立ち至ったのだ。

ご自身でお読み願いたい。http://www.spiegel.de/international/world/europe-must-stand-up-to-american-cyber-snooping-a-906250.html

現代ドイツは、戦争と敗北で過去を洗い流した新しい国だ。ロシアも、非現実的なイデオロギーの廃墟から出現した新しい国だ。希望は常に、政府の中に最も老練な悪が存在する国々にある。もしドイツが、ファシスト・アメリカという大権力者と関係を断ち、NATOを離脱するようになれば、ヨーロッパにおけるファシスト・アメリカの権力は崩壊する。もしドイツとロシアが、真実と人権の擁護の為に団結するようになれば、ヨーロッパと世界には、新たな始まりがもたらされるだろう。

新たな始まりが、是非とも必要なのだ。売女マスコミからは決して知ることができない、一体何が起きているかについて、クリス・フロイドが詳しく説明してくれている。読める内に、お読み頂きたい。http://www.globalresearch.ca/follow-the-money-the-secret-heart-of-the-secret-state-the-deeper-implications-of-the-snowden-revelations/5340132

もしアメリカ人が、洗脳と関係を断ち切ることができて、デブラ・スイートや他の人々に続いて、エドワード・スノーデンを支持し、シュタージ国家反対に立ち上がれば、希望はあるだろう。http://www.opednews.com/populum/printer_friendly.php?content=a&id=167695

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/06/25/a-new-beginning-without-washingtons-sanctimonious-mask-paul-craig-roberts/
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同じ筆者の前々回、前回記事に関して、藤永茂様のブログ『私の闇の奥』で、過分のご評価を頂いて驚いている。『アメリカ・インディアン悲史』『ロバート・オッペンハイマー―愚者としての科学者』(絶版?)『アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪 』等を繰り返し拝読している者にとって、望外のお言葉。

Press TVには、Webster Tarplayによる、そもそもことの全体を疑う記事がある。

Webster Tarplay氏は、Wikileakが大きな話題になった際も、同様な疑念を呈している。
WEBSTER TARPLEY: WIKILEAKS A “COGNITIVE INFILTRATION” OPERATION (video)

「とんでもない」というより、なるほど、と思わされる。

今回は、ナオミ・ウルフも疑念の声をあげている。不評たらたらとなるのが分かっていて、書く立派さ。
My creeping concern that the NSA leaker is not who he purports to be ...

更に、その補追としてのナオミ・ウルフの記事
Some aspects of Snowden's presentation that I find worth further inquiry - an update

それはさておき、アメリカ史上最長最大の属国による公式発表。(Paul Craig Roberts氏、「アメリカ政府は正気ではない」記事中でも、この国も「傀儡」だと明記されている。)

菅義偉官房長官は25日午後の記者会見で、元米中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン容疑者が、米当局による情報収集活動を暴露した問題について「米国内の問題なので、米国内で処理されることだ」と述べた。情報共有を含む日米の連携に関しては「日米間の外交においては、しっかりと秘密は守られるべきだ」と強調した。

この国には、デア・シュピーゲル並のまっとうな記事を載せた大手マスコミ、presstitute売女マスコミ、存在しないようだ。ひたすら彼の居所と宗主国の主張報道に専念。

講読している新聞の都議選結果を論じた記事に強烈な違和感を感じたのと似た現象?要するに、自民・公明とその補完政党である「みんなとや維新ががんばって伸びれば良い」という趣旨に読めたのだ。意味不明の記事だった。

NIE(Newspaper in Education=「エヌ・アイ・イー」「新聞を教育に使おう」というとんでもないプロパガンダ・キャンペーンがあるが、ああいう悪文、プロパガンダ記事で教育を受ける生徒は、ことごとく日本版右翼紅衛兵になるだろう。あるいは、新聞が大嫌いになるだろう。この後者を願う真面目な方が考えた、自己崩壊プログラムだろうか?

自民・公明・みんなや維新と一緒に、売国マスコミも、極小勢力になって欲しいものだ。

今日の朝刊も同じ。参院選に向けて、アベノミックス、自民・公明・みんなをヨイショッ!朝刊をみると、朝食の、夕刊をみると、晩酌の、元気をそがれる。そのわりに、メタボは進行するばかり。:-)

巨大掲示板の書き込みも、選挙の話題となると、売女マスコミと変わらない根拠のないレッテル貼りの横行。読む気分になれず、実際読まない。

売女マスコミ、気に食わないことは、屁理屈をつけて、迷路に誘導するか、完全に無視するのが常套手段のようだ。

そうした売女マスコミからは決して知ることができない、一体何が起きているのかについて、6月17日のIWJ岩上安身氏による孫崎享氏インタビューtwitterが詳しく説明してくれている。前後は省略してあるのにご注意

孫崎「スノーデン氏の問題に対して、日本で声を上げている閣僚はいない」

岩上「ご主人様の国ですから(失笑)私は、ソ連崩壊のとき、内戦下のグルジアに行っています。そのとき驚いたのは、もうCIAが来ていた」

岩上「…国務省の人間と言っていたが、明らかにCIAでした。早いなぁ、と思った。大統領側と首相との間に入って、橋渡しみたいなことをやっていた。ロシアよりも早く入っているんです」

孫崎「そうしたグルジアの反ロシアの集会に、彼(=ボストン爆破事件の容疑者)が出てるんです。なんか胡散臭いんですよね。この事件をちゃんと調べなければならない」

岩上「『PRISM』の話に戻りますが、スノーデン氏のとった行動が許されるか、何者か、という部分に報道がいくのですが、大事なのはスノーデン氏がリークした内容が、事実かどうかということです」

孫崎「その通りです」

岩上「監視している主体はどこなんでしょうか」

孫崎「そこなんですよ。誰もが脅かされる時代に入ったということなんです。こうした中で言えることは、米国社会が1%の人たちのための国になっているということです」

孫崎「すべての問題がリンクしている。『TPP』もそうです。ビジネスと国家が対等になり、ビジネスが国家よりも強くなるということです。米国の法体系を見れば、いい弁護士は殺人をしても無罪にすることができるんです」

孫崎「陪審員をどれだけ説得できるか、ということです。1%のための社会になっている。TPPは単に、米国対日本ではなく、企業対日本政府です」

岩上「今回は、スノーデンという人が亡命したことがおもしろい。通常、亡命というのは『不自由な国』から『自由な国』へ行く。それが、米国から亡命すると」

孫崎「ウィキリークスでも同じことが起こりました」

孫崎「香港政府は当初、引き渡すことになっていたみたいですが、市民が反対した」

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2013年6月23日 (日)

ホワイト・ハウスのシュタージ(東ドイツ国家保安省)

Paul Craig Roberts

2013年6月21日

2013年6月19日、オバマ米国大統領は、進展中の国家安全保障局(NSA)スパイ・スキャンダルなど超越しているふりをしたがって、自らをベルリンのブランデンブルク門で行なわれた二つの伝説的な演説に結びつけようと試みた。

50年前、ジョン・F・ケネディはこう誓った。“イッヒ・ビン・アイン・ベルリナー(私はベルリン子だ)”。1987年には、ロナルド・レーガン大統領がこう挑発した。“ゴルバチョフ大統領、この壁を取り壊しましょう。”

オバマの演説は、比較的少人数の、特別に選ばれた招待客の聴衆に向けて行なわれた。それにもかかわらず、オバマは防弾ガラスの背後で演説した。

オバマの演説は、空前絶後の最も偽善的なものとして歴史に残るだろう。集まった聴衆全員が招待客だけだったのもうなずける。本物の聴衆だったら、オバマをやじって、ベルリンから追い出していたろう。

オバマの声明の中でも恐らく最も偽善的なものは、アメリカとロシアで、核兵器を三分の一減らそうという彼の提案だ。世界中、そして確実にロシアは、この策略を見破っている。アメリカは現在、ロシア国境に弾道弾迎撃ミサイルを設置してロシアを包囲しており、ロシアに兵器を削減するよう説得して、この優位を利用して極力大きな効果、アメリカ政府がロシアを狙うことをより容易しようと目論でいるのだ。オバマの提案は、ロシアの核抑止力とアメリカ覇権に抵抗する能力を弱体化させることを狙っているのは明白だ。

オバマは、対シリアと対イラン戦争の陣太鼓をたたきながら、平和の高尚な言葉を語った。我々が目の当たりにしているのは、ロシアをミサイル基地で包囲し、中国と対決する為、太平洋に複数の新たな軍事基地を建設しているオバマの攻撃的な政策だ。

これはグアンタナモの拷問監獄を閉鎖すると約束しながら、閉鎖しなかったあのオバマだ。アメリカ政府のアフガニスタンでの十年間にわたる戦争の目的を説明すると約束しながら、説明しなかったあのオバマだ。戦争を終わらせると約束しながら、新たな戦争を始めたあのオバマだ。アメリカ憲法を支持すると言いながら、憲法を粉砕したオバマだ。ブッシュ政権に、法律と人類に対する犯罪の責任をとらせることを拒否したオバマだ。アフガニスタン、パキンスタンやイエメンの一般住民に対する無人機を解き放ったオバマだ。法の適正手続き無しに、アメリカ国民を殺害する権利があると主張し、行使しており、人身保護請求に違反し、アメリカ国民を無期限に拘留するというブッシュ政権の違憲行為を継続しているオバマだ。透明性を約束しながら、アメリカ史上、最も秘密主義の政府を運営しているオバマだ。

専制君主による、目を見張らせる偽善の演説は、招待された聴衆から36回の喝采を受けた。他の多くの国民同様、ドイツ人も、アメリカ政府のプロパガンダ目的に進んで利用されることが証明された。

ここにいたのは“永遠の真理”だと言いながら、常に嘘を言い続けるオバマだ。

“正義への熱望”を語りながら、ウォール・ストリートが、アメリカやヨーロッパ諸国民から略奪できるようにし、アメリカ国民の市民的自由や、膨大な数のイラク人、アフガニスタン人、イエメン人、リビア人、パキンスタン人、シリア人や、他の人々の命を破壊しているオバマだ。オバマは、正義への要求を“テロ”と同一視している。

“自由への熱望”を語りながら、国際スパイ網と警察国家を建設したオバマだ。

2001年以来、6ヶ国に対し戦争や軍事行動を開始し、更に三カ国のイスラム教国、シリア、レバノンとイランと、また恐らく、更にアフリカの数カ国を攻撃の的にしている国家の大統領、オバマは、“人間の心の中で燃え盛る平和への熱望”を語るが、明らかにオバマの心の中にはない。

オバマは、アメリカを、ケネディーやレーガン時代のアメリカより、遥かにシュタージの東ドイツと共通点が多い監視国家に変えてしまった。自由が、東ドイツでは得られたが、アメリカでは失われたというのは、奇妙なことではなかろうか。

ブランデンブルク門で、オバマは世界各国に“世界人権宣言”への忠誠の誓いを呼びかけたが、オバマは、国内でも国外でも、人権を侵害し続けるのだ。

オバマは、偽善を新たな高みに押し上げた。彼は憲法が保証するアメリカの市民的自由を破壊した。政府に法律に基づいた責任をとらせるのではなく、彼は、法律を、政府手中の武器に変えてしまった。彼は出版・言論の自由を脅迫し、自国政府の犯罪を暴露する内部告発者を告訴している。アメリカの警察が、穏やかに抗議をしている国民を残忍に扱った際、彼は一切異議を唱えなかった。オバマの政府は、秘密を持っている連中を脅迫しやすくすべく、あらゆるアメリカ人のあらゆる通信や、政府メンバーの通信を含め、ヨーロッパ諸国民やカナダ国民の私的通信も盗聴し、国家安全保障局コンピューターに蓄積している。オバマは、アメリカが交戦中ではない国々に無人機を送り込んだり、国民を、暗殺したり、殺害したりしている。しかも彼の犠牲者は往々にして、女性、子供、農民や村の長老であったりする。オバマは、ブラッドリー・マニングを、彼を屈伏させ、偽の自白を引きだす取り組みの一環として、彼の人間的尊厳を攻撃すべく、ほぼ一年間独房に監禁していた。アメリカ憲法を無視して、オバマは、マニングの裁判を、三年間拒否してきた。オバマの指示で、イギリス政府は、ジュリアン・アサンジに、エクアドルへの政治亡命の為の自由通行を拒否している。 アサンジは現代のミンツェンティ枢機卿となった。 [ハンガリー・カトリック教会指導者ヨージェフ・ミンツェンティは、ソ連の圧政を逃れ、ブタペストのアメリカ大使館に保護を求めた。ソ連に自由通行を拒否され、枢機卿は、ソ連の圧制の象徴としてアメリカ大使館で15年間暮らした。]

これが、ブランデンブルク門でヤラセのイベントを要求したオバマだ。“我々は自由に生きるのだろうか、それとも鎖につながれて生きるのだろうか? 普遍的な人権を守る政府の下でだろうか、それとも普遍的な人権を抑圧する政府の下でだろうか? 個人の尊厳と自由な意志を尊重する開かれた社会でだろうか、それとも魂を窒息させる閉鎖された社会でだろうか?”

ベルリンの壁が崩壊した際に、魂を窒息させるシュタージ・スパイ国家は、ワシントンに引っ越したのだ。シュタージは、オバマ政権内で元気に生きている。

オバマのブランデンブルク門演説: http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2013/06/19/remarks-president-obama-brandenburg-gate-berlin-germany

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/06/21/stasi-in-the-white-house-paul-craig-roberts/

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過激派やら、原理主義者ではなく、かつてレーガン政権の中枢にあった人の発言。毎回感心させられる。

「取り戻す」といいながら、せっせと国家売り渡し工作をしている与党政治家を(自・公はもちろん、みんな、維新、そして民主内の自民党分派も)思い出させる内容。

朝刊、「政府操る権力の宮殿」という見出しで、中国政府の内情報告連載記事?

ご存じの通り、日本のマスコミには、批判精神は十分ある。

中国や、北朝鮮や、ロシアやどこなり、宗主国が好まない、打倒したい国家や政党や政治家のことであれば、自由に批判・報道が可能だ。

なお宗主国が好まない話題、例えばTPPは完全封殺。ヨイショ記事以外報道されない。

日中関係という大きな記事で、

自由な貿易や投資を求められるTPPにすぐに入れるわけがない。

という一行が目に入った。

自由な貿易や投資を求められると、いかにも素晴らしそうな表現は意図的な歪曲。

多国籍大企業にとって自由な、貿易や投資が求められると表現すべきだろう。

そのすぐ横に小さな記事がある。

米国通商代表にフロマン氏就任「輸出増に尽力」という見出し。

「米国製品やサービスの輸出を増やすためにはなんでもする」と決意を示している。

「国際競争で勝ち残るため、交易条件を公平にしてゆくことにも尽力する」

本当に文字通り「なんでもする」のだろう。偉大な大統領を見習って。

「交易条件を公平にしてゆくことにも尽力する」というのは、大統領を見習った「目を見張らせる偽善」に思える。

TPPの事前交渉で、既に日本側は自動車輸入の極めて大きな増加を押しつけられた。アメリカ側の関税は、延々継続するのを、日本は飲まされた。農産物の聖域など皆無だ。フロマン氏の辞書では、宗主国企業にとって有利で、属国庶民にとって不利なものを、「公平」というのだ。オーウェルの表現にならって言えば、不公平は公平だ。日本の大本営広報部が報道しないからといって、とんでもなく不公平な事実が消えてなくなるわけではない。

あきるほど、しつこく繰り返しているが、大本営広報部報道の信憑性、

    • 原発の安全性宣伝や、
    • 二大政党(小選挙区)推進
    • 郵政民営化推進

等を見るだけで、明らかではないか?すなわち、1%の声。

同じページは「アベノミックス評価の声」、読んでいて頭がくらくらしてくる。

頭をすっきりさせるために、岩波新書『新自由主義の帰結―なぜ世界経済は停滞するのか』服部茂幸著を再読することにする。宣伝の文章に嘘はない。筆者と一緒に、怒りながら読んでいる。

新自由主義に基づく制度と政策は、これまでどのように世界経済に影響を与えてきたのでしょうか。2008年のリーマンショック以前、そして、その後の世界を、どうみるか、その視座を提供することが本書の狙いです。
            
           金融危機との関係、そして、財政危機と、新自由主義はどう関係しているのか。理論、歴史、政策当局者の判断などを、順を追って説明し、新自由主義が今日の世界に何をもたらしたのか、厳しく指摘します。

2013年6月20日 (木)

ザ・ウォーター・ウォー(水戦争)と複雑なことに取り組む必要性

2010年トロント国際映画祭 -第三部

David Walsh

2010年10月1日

ザ・ウォーター・ウォー

イシアル・ボジャイン監督(スペイン)と脚本家ポール・ラヴァーティ(イギリス)による、『ザ・ウォーター・ウォー』(英語題名イーブン・ザ・レイン=雨さえも(スペイン語はタンビェン・ラ・ジュヴィア)は、ロント映画祭で上映された最もまじめで複雑な映画の一本だ。映画は、芸術的、人間的な責任とともに、歴史や現代社会生活についての重要な疑問に取り組んでいる。

映画の場面は、2000年の水道民営化反対闘争、いわゆる“水戦争”時のボリビア、コチャバンバだ。スペインの映画クルーが、クリストファー・コロンブスと彼の“新世界”の先住民との出会いについての映画を制作すべく現地に到着する。

ザ・ウォーター・ウォー

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効果的な冒頭のシーンから話は展開する。若き監督セバスティアン (ガエル・ガルシア・ベルナル)の命を受けて、プロダクションは気軽に“エキストラ募集”広告をし、何百人もの現地住民が行列し、場合によっては何時間も待ち続ける。映画制作者達が必要な人々を選び出し、残りの群衆を解散させようとすると問題が勃発する。一人の“首謀者”はとりわけ強く主張する。“我々と会うべきだ!”監督は折れて、百戦錬磨のプロデューサー、コスタ(ルイス・トサール)の懸念にもかかわらず、最終的にそのトラブルメーカーのダニエル(ファン・カルロス・アドゥヴィリ)を先住民による対コロンブス抵抗の指導者として起用する。

歴史的な視点からすれば、当地の先住民は“正確な人々”ではないにもかかわらず、経済的理由で、南米の最貧国ボリビアを撮影の場として選んだのだ。この国ではエキストラの給料はわずか一日2ドルで、アメリカにいる映画スポンサーの一人にコスタは電話でそれを自慢する。

セバスティアンの計画は野心的だ。彼は映画の中で、スペイン人による原住民の扱い方に震え上がったドミニコ会修道士バルトロメ・デ・ラス・カサス(カルロス・サントス)と、1511年に、そうした行為を初めてあからさまに非難したドミニコ会修道士のアントニオ・デ・モンテシーノス(ラウル・アレヴァロ)に焦点を当てる。モンテシーノスは、ヒスパニオラ島(現在のドミニカ共和国とハイチ)で行なった説教の中で、この島のスペイン人は“現地の無辜の人々に対する、連中の残虐さと専制ゆえに、全員が道徳的な罪をおかしており、その罪の中で生き、死ぬ”と宣言したのだ。

入れ子になっている制作の中の制作には、ジャングルの奥深くでの先住民反乱者のはりつけを含む、対決や残虐さという面倒な場面の撮影がある。

コロンブス映画の撮影には困難な問題が生じ、いくつかの場面は撮影が不可能なことがわかる。とは言え、クルーにとって、より気がかりなのは、現地の人々が水道民営化と、300パーセントの値上げに反対して、地域で社会的抗議運動が勃発したことだ。“連中はあらゆるものを盗んで、売る…雨さえも(英語で、イーブン・ザ・レイン)。” ダニエルは抗議行動の指導者になる。映画制作者達は、警官隊との戦いもある抗議行動には、撮影が完了するまでは関わらないようにと、彼に懇願し、言うことを聞かせようとする。彼はどうやり同意したように見えたが、関与していた為、逮捕されるに至る。彼を釈放させようとして、セバスティアンとコスタは警察と交渉する。

地域の状況、大衆による市街封鎖や警察-軍隊の暴力は、コチャバンバでの激しい市街戦に至り、映画撮影続行はほとんど不可能になる。支援者達は逃げ出し始める。大半の俳優も辞めたがる。セバスティアンは、抗議運動は現れては消えるが、彼の映画は、歴史を暴露することによって永遠に残るのだと主張して、続けようと懇願する。コロンブス役(カラ・エレハルデ)の中年俳優は飲んだくれで、監督と彼の傲慢さを常に批判しているが、頑張り抜こうとする僅かな人々の一人だ。皮肉なコスタは、ダニエルの妻に、警官隊の攻撃で負傷した娘を助けて欲しいと乞われ、困難な決断を強いられる。

イシアル・ボジャイン

映画は非常に良くできている。困難な条件の下で働きながら、監督、俳優とクルーは、わずか5週間の撮影で、素晴らしいものを作り上げた。特に、トサール、ベルナール、エレハルデとアドゥヴィリは素晴らしい。ドラマや社会状況のいかなる要素も無視されている感じがしないよう仕上げたイシアル・ボジャインは立派だ。

先住民の人々が、自分達の歴史的苦難を明るみに出そうとする取り組みとして、大企業の攻撃に対する大衆闘争の場面は感動的だ。

ラヴァーティとボジャインは、説法したり、安易な結論を出したりせずに、貧しい国で撮影する矛盾や、住民を搾取する危うさを指摘する。重要な事実、不朽の真実を語ろうとして、無視できるし、恐らくは無視すべき、短期的な細かい点や、義務があるのではなかろうかと、セバスティアンは主張する。人は一体どこで一線を越えるのだろう? 架空の映画制作者達が、市庁舎で、抗議行動参加者を支持し、コチャバンバの貧民達の状態に反対して、穏やかに主張をすると、市長は、エキストラ達に、一日2ドルしか支払っていないではないか、いずれもが、同様の“厳しい予算”で仕事をしているのだ、と指摘する。

セバスティアンやコスタが、植民地状態や、経済先進国と後進国の間の現在の関係を発明したわけではないのに、こうした条件は、彼等が映画を制作する妨げになるのだろうか? コチャバンバで彼等が直面したような状況の中を進む為には、実際、極めて高いレベルの歴史的知識や政治的感性が必要なのではあるまいか?

ポール・ラヴァーティ

“複雑さ”という言葉が、9月13日のトロントでの脚本家ポール・ラヴァーティとの対談で頻繁に使われたが、それも当然かもしれない。『ザ・ウォーター・ウォー』には、歴史的なもののいくつかを含め、比較的月並みな問題もあるが、クルーと、社会的危機に対する彼等の複雑な反応の扱い方は、特に具体的で、人を引き付けて離さない。一例をあげれば、決定的な社会的、心理的条件の下で起きる、登場人物(プロデューサーのコスタ)のより豊かな人間性を示す方向への変容は、納得できる形で実現されている。

ラヴァーティは、著名な左派のアメリカ人学者ノーム・チョムスキーやハワード・ジン(映画は彼に捧げられている)との接触を通して、この映画が生まれたと説明している。“彼等は[ジンの]民衆のアメリカ史”から発想を得た物語を書いてくれる作家を捜していました。ラヴァーティはこう説明する。“ハワードは、コロンブス到来に実に夢中で、それがまた私にも大いに興味があって、事が始まったというわけです。”

ラヴァーティの最初の脚本の舞台は、ひたすら15世紀と16世紀で“バルトロメオ・デ・ラス・カサスを主人公とする。しかし、遥か昔の歴史を映画にすると、余りにかけ離れていて、活気がないものに思えることが良くあります。言葉も間違って理解してしまいます。説得力の無い詳細が余りに多かったのです”最終的に、ラヴァーティは全編を書き直し、“コロンブスについての映画を撮影しようとしている人々の映画を作ることが、それを実現できる一つの方法だと思ったのです。”

彼はこう続ける。“しかし、単に映画についての映画を作るというアイデアでけではワクワクしません。[2000年の]コチャバンバでの‘水戦争’にも興味をそそられていました。500年前に起きたあの大規模な搾取、あの凶暴さを取り込んで、現代の意識を通して語り、全て、会社法や、国際条約や、強力な国家や貿易圏の名の下で行なわれている、現代の遥かに洗練された搾取、資源窃盗と私が考えているものと混ぜあわせることが出来るのではないかと思ったのです。”

ラヴァーティは、映画チームの仕事ぶりを存分に讃えている。“実に実に厳しい仕事でした。監督とプロデューサーを大いに尊敬しています。… 時代物を撮影しに、ボリビアにでかけるのはとてつもなくお金がかかります。そこを彼等は現地に赴き、やっとのことで、なし遂げたのです。

“悪魔は常に細部に宿ります。裸になっても、とんでもないと感じない覚悟がある先住民グループを探し出す必要がありました。人々の信頼を得なければなりませんから、延々と交渉し、かなりの時間が必要でした。彼等は最終的には、彼女[ボジャイン]を信用、信頼するようになりました。それに、コチャバンバで2000年の経験を進んで思い出そうとしてくれる人々を見つけ出すのも大変でした。彼等は異国情緒のエキストラ風に演じたのではなく、実際に自らの運命を自ら掌握した本物の人々になったのです。

“色々困難なことがありました。ジャングルの中で撮影しとげたのです。そこは麻薬や他の様々な問題がある地域でした。ある時など、出演者達が銃を突きつけられました。ひたすらコツコツとやり続け、33日で済ませました。ハリウッドなら、映画を作るのに六カ月かかったでしょう。… ボリビア人クルーは立派でした! 彼等にはほとんど経験がありませんでした。先住民による映画もテレビもほとんど皆無です。クルーは一生懸命働いてくれました。これについて触れて頂けたら幸いです。皆非常に謙虚でした。彼等はこの話題は重要だと言ってくれました。彼等は死に物狂いで働いてくれました。あらゆるものがまとまって、10年間の努力の後で制作されるのは素晴らしいことです。たとえ観客からトマトを投げつけられようとも、私は大いな満足感を味わっています。”

そういうことが起こるとは私には思えない。ラヴァーティに、映画の中では興味をかきたてる多くの問題が扱われているが、最も興味深い要素の一つは、プロデューサー、コスタの成長だろうと言ってみた。私はこう言った。“彼の内的変革は説得力があるように思えました。映画は、人々は社会生活に影響されること、変化した状況が、現在、皮肉で、思いやりのない人だと見なしている人々に、めざましい芸術的、道徳的特質をもたらすなど、一体誰が分かるだろう?ということを思い起こさせます。”

しばらく考えた後、ラヴァーティはこう答えた。“私は元々楽天的なのだと思いますが、その楽観主義は、我々が目にしている酷い残虐行為によって鍛えられたのです。現時点でも、批評は重大な危機にあると私は思います。実際に社会や政治上の難しい物事を扱う映画は、すべからく非難されます。冷笑的で、距離をおく事だけが格好良いのです。人間には、何が起きているのか理解しさえすれば、感動し、共感する大きな能力があるのだと思います。確実にそれが私の経験です。

“映画中の映画プロデューサー、コスタは、最初「昨日何が起きたかなどには全く興味はない、まして500年前のことなど」と語っていました。次第に、いつの間にか、他の人々の暮らしの中味を見て、感じ、相手をじっと見つめ、個人名を知り、家族と会うようになれば、関心を持ち始めるのが、人間らしいことだろうと私は思います。他人の生活を想像する能力が人間にはあるので、それが私達が色々な話に興味を持つ理由だと思います。

“コスタは、このように物事に関与するつもりはありませんでしたが、極めて個人的な形で心を打たれたのです。彼は革命家になるわけではなく、それとは程遠いわけですが、彼はそうした人々が何をしようとしているのかを理解し、それを尊敬し、立ち去るわけにゆかなくなるのです。他の人々なら立ち去ったかも知れませんが、この人物にはできなかったのです。”

彼がしているような、社会問題や政治的な疑問について書くのは複雑な仕事だと、ラヴァーティに私は指摘した。芸術には、自発性や、驚きや、自分が知らないことも必要だ。たとえ社会問題の場合でも、“明白なことをただ書いて済ませるわけには行きません。より解決が難しい、面倒な、十分に理解できないようなものごとを検討するのです。”

“人々と暮らしは矛盾に満ちています”と彼は答えた。“それで、人はそうしたものに手をつけるのだと思います。質疑応答の時に、私はいつも聞かれます、何故キューバついて書かないのですか? 何故アフガニスタンについて書かないのですか? 脚本は注文に応じて書くわけには行かないのです。政治論文ではありませんから。話の中に、ある種の人間的な状況を見いだせなければなりません。最善の物語というのは、まず興味深い前提があって、状況の複雑さから、あらゆる複雑さや矛盾が展開するというものです。映画は決して簡単な答えを与えるためのものではありません。

“我々は[ケン・ローチとラヴァーティ]『この自由な世界で』原題It’s A Free World [2007]という映画を制作しました。‘アングロ-サクソンの経済的奇跡’を覗いてみたかったのです。今ではお笑い種ですが、当時は全員がこれこそ見習うべき手本だと言っていたのです。私は石を選んで、その下に入り込みたかったのです。そこで私は、鉄道や、交差点や、短期契約の労働者達と話してみました。アンジー[移民労働者向け短期契約人材派遣会社経営者]と出会うまで、物語の書き方を思いつけなませんでした。彼女のあらゆる矛盾が、私の頭の中で突然広がりました。そこで、物語を移民の視点からではなく、彼等を搾取する側からの視点で描きました。映画はずっと複雑で、ずっと面白いものになりました。

“モノクロは面白くありません。陰や複雑さに気がついて、そうしたあらゆるレベルで物語を見つけ出せれば、非常に面白くなります。そうでなければ、脚本の上で、死んでしまいます。もし作家としての私にとって、脚本上、生き生きしていなければ、観客にとっても、つまらないものになるでしょう。ですから、多少のひらめきが必要なのです。”

彼とともに15年間映画をつくり続けてきたケン・ローチ監督について話し合った。“ケン・ローチは大いに尊敬されている人物です”私は言った。“私は彼の作品に対して無批判なわけではなく、称賛すべき映画もあり、大いに批判すべき作品もありますが、真面目な映画監督としては彼の名前を思います。実に困難な時代に、労働者階級の社会生活や真実について、彼は社会的にかかわり続けています。これは簡単なことではありません。”

ラヴァーティはこう語った。“ケンは労働者を美化せず、ケンの映画の中では、時に彼等は粗野で、がさつな人物としか描かれますが、賢く、明敏で、現実を良く理解している人々もいるのです。それが私の人生経験です。人は自分の生活の中でこそ、矛盾を良く理解できるのです。そうする覚悟がある映画監督はごく僅かです。ステレオタイプは退屈で、真実性に欠けます。

“ケンは非常に敬われています。2010年に、ベルリンでヨーロッパ映画アカデミーが彼に賞を与えました。素晴らしいことです。こうしたものはえてしてショービジネス風イベントになりがちですが、これは長きにわたって続く本物の敬意、喝采です。彼は正真正銘奥ゆかしい人です。多くの監督の場合、自分のプロジェクトの為に断固戦わざるを得ない人々にとって、奥ゆかしさは、最重要項目というわけには行きません。”

商業映画の概して悲惨なレベルを含め、現代の映画制作のいくつかの問題についても話し合った。彼はこう述べた。“現在、余りに多くの映画が馬鹿げていて、耐えられません。映画空間を民主化する必要があります。我々の前作『エリックを探して』Looking for Ericを、スペインで公開した際には、二本のハリウッド映画が上映されていましたが、それぞれ、600本のコピー。つまり合計1,200コピーで、スペイン映画館の50パーセント分です。我々にはもっと選択肢が必要です。もっと場所が必要です。あらゆるものが、この超巨大勢力によって破壊されているのです。”

この文章は、最近のトロント映画祭(9月9-19日)向け記事の第三部である。第一部は、9月23日、第二部は、9月28日に公開。

記事原文のurl:www.wsws.org/en/articles/2010/10/tff3-o01.html

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「2010年10月1日」という三年前の記事、日本公開、2013年2月17日の映画の話題を翻訳したのは他でもない、麻生副首相の水民営化発言。

TPP加盟に向け、徹底的永久属国化のためのあらゆる手練手管が実施されつつあるが、水道民営化もその一環。コチャバンバから周回遅れで、日本全国まんまと宗主国なり、属国なりの大企業支配下に落ちる。独立への道を歩みつつある中南米の一部の国々とは違って永久的に。

忍耐強い皆様は、300%あがろうと1000%あがろうと、自民党、公明党、みんなの党や、維新を支持してじっと耐えるだろう。

TPPは、韓米FTAを見れば、先行きの想像はつく。それより、もっとひどくなるはずだ。日本の高級和牛、TPPによる影響はほとんど受けない、などと、売国官庁は宣伝しているが、韓国の例から考えて、到底信じられない。アメリカでのBSE発生により、輸入量自体は、激増していないにせよ、牛の価格は劇的に低下したという。乳牛の屠殺を頼んだら、運賃と屠殺料まで要求されたという話もある。

BSEが発生し、韓国からアメリカに調査にでかけても、農家は個人財産ゆえ、検査の為の立ち入りは認められず、すごすごと帰って来たのが実態。韓米FTAがある以上、黙って頂くしかない。維新は農協解体を叫んでいる。TPP推進を言うのだから、大変に整合していて、正直でよろしい方針だ。

『八重の桜』やら『坂の上の雲』やら『龍馬伝』等の一見明るい話ではなく、不平等条約の改訂に苦労した人々の話やら、明治政府・古河による大規模公害と戦った先駆者田中正造や、属国日本の独立を目指した人々の苦闘を描く番組こそ必要だろうに。

「東大の秋入学見送りで、グローバリゼーションにはずみがつかない」ようなコメントを大本営テレビ局で見た。新聞でも大きな見出し。グローバリゼーション、国際化というのは、アメリカ化の婉曲表現。宗主国がそれほど素晴らしいだろうか?という疑問をはさむ余地を認めない不思議。宗主国の主流経済学・政治学、植民地政策推進の道具でしかないだろう。属国民が植民地政策推進の道具を学ぶのは、悪代官になるためだろう。市場と権力。

「安愚楽」詐欺事件、いまさら大きく報道されるのは、選挙を前にした時期を狙った民主党たたき宣伝。マスコミは体制護持の大本営広報部であることが、良くわかる。

「自民党や公明党や、みんなのスキャンダルを大々的に報じてくれたら」などという、ありえない夢は抱かない。1%ではないので、毎回ながら都民、国民であることが悲しい。

「国民であることが悲しい」と酒をのみながら某高級官僚に言ったところ、「日本から出て行け」と言われたことは再三書いた。某高級官僚氏は優雅に暮らしておられる。

2013年6月18日 (火)

アメリカ政府は正気ではない

Paul Craig Roberts

2013年6月17日

21世紀になって、アメリカ国民が自国政府を支配しているという、200年にもわたるプロパガンダは完璧に砕け散った。ブッシュ政権もオバマ政権も、アメリカ国民は、政府に対する影響力さえ持っておらず、まして支配どころではないことを紛れもないほど明らかにした。アメリカ政府にとって、国民は、風の吹き払うもみがらにすぎない。

世論調査は、65%のアメリカ人が、アメリカのシリア介入に反対していることを示している。この明らかな国民の意志表明にもかかわらず、オバマ政権は、非宗教的なシリア政府を打倒する為に送り込まれたアメリカ政府の傭兵に更に武器を与え、シリア上空の“飛行禁止区域”設定というプロパガンダを強化しつつある。もしリビアが先例だとすれば、地上のシリア軍を、アメリカやNATOの航空機が攻撃し、婉曲的に“シリア反政府派”と呼んでいるアメリカ政府が送り込んだ傭兵の空軍として機能することになる。

しばらく前に、アメリカ政府は、アメリカがシリアを軍事攻撃するようになる“越えてはならない一線”とは、アメリカ政府の傭兵に対する、アサド政権による大量破壊兵器、化学兵器の使用であると宣言した。発表後、脳味噌がある人々なら誰もが、アメリカ政府は、イラクのサダム・フセインが危険な大量破壊兵器を保有しているという意図的な嘘を、国連でコリン・パウエル国務長官に言わせたと同様に、アサドが化学兵器を使用したという偽の諜報情報をでっち上げると考えたろう。国家安全保障担当補佐官コンドリーサ・ライスは“アメリカの都市上にあがるきのこ雲”というイメージを語った。嘘のプロパガンダが、当時のワシントンの風潮だった。

そして今もそうだ。今もアメリカ政府は虚偽の諜報情報をでっち上げ、シリアのアサドが何回かサリン・ガスを使用し、100人から150人の“自国民”が、これはアメリカが送り込んだ外人傭兵の婉曲表現だが、大量破壊兵器で殺害されたと、オバマ大統領が真顔で発表する。

ちょっとお考え願いたい。戦争で死ぬのはすべて不幸だが、100-150人の死は“大量破壊だろうか?”低めの見積では、アメリカが支援する外人傭兵のシリア侵略で、93,000人の命が失われており、そのうち、150人の死亡は0.0016%を占める。端数を切り上げれば、アメリカ政府の150人の死亡は、1パーセントの千分の二にあたる。

言い換えれば、99.998%の死は“越えてはならない一線”を越えていないのだ。ところが0.002(端数を切り上げて)パーセントは、それを越えているのだ。

そう、私にはわかっている。アメリカ政府の立場は破綻しているのだ。しかしアメリカ政府の立場が破綻していなかったことなどあっただろうか?

少し敷衍して考えてみよう。アサドは、アメリカ政府の“越えてはならない一線”を知っている。注意散漫なアメリカ国民の心の中に、シリアを攻撃する本当の正当な理由なるものを吹き込む為“越えてはならない一線”は何度となく繰り返されてきた。自分の軍隊が、ガスなど使わずとも、アメリカ傭兵を掃討しており、ガスを使えばアメリカ軍が自分に向かって攻めてくることが分かっているのに、わずか100-150人の傭兵を殺害する為、一体なぜ、アサドが禁止された大量破壊兵器を使用するだろう?

ロシア政府が明らかにしている通り、アメリカ政府による非難は信じがたい。情報に通じた人なら、到底これは信じられるまい。愛国心を標榜する多くのアメリカ人なら、アメリカ政府の最新の嘘に騙されるだろうが、世界では誰も騙されまいことは確実だ。アメリカ政府の傀儡たる、シリア攻撃を呼びかけるNATO諸国でさえ、攻撃の正当化が嘘であることを知っている。NATO傀儡諸国にとっては、ごく僅かしか報酬のない国の品格より、アメリカ政府の金が大事だ。

ロシアはアメリカ政府が嘘をついているのを確実に知っている。ロシア外務大臣ラブロフはこう述べている。“[アサド]政権は、反政府派もあからさまに述べている通り、現場で軍事的勝利を享受している。[アサド]政権は窮地に追い込まれているわけではない。政権が化学兵器を、とりわけ、それほどの少量を用いて一体何の役に立つだろう。”

ラブロフは、ロシアの主要外交官という役割上、比較的上品な人物だ。とはいえ、他のロシア高官達は、アメリカ政府最新の真っ赤な嘘を、もっと辛辣に片づけている。ロシアのプーチン大統領補佐官ユーリー・ウシャコフはこう述べた。“アメリカは、[アサド]政権による化学兵器使用についての情報を提示しようとしているが、率直にいって、説得力はないと考えている。[国連でイラクの大量破壊兵器を主張した]パウエル国務長官の[悪名高い嘘]の例をあげようとは思わないが、我々から見て、事実には説得力がない。”ロシア議会下院国際問題委員会の委員長アレクセイ・プシコフは単刀直入に言った。“アサドが化学兵器を使用したというデータは、サダム・フセインの大量破壊兵器の嘘をでっちあげたのと同じ組織によるでっちあげだ。オバマはジョージ・W・ブッシュと同じ道を歩いている。”

アメリカ国内では、アメリカの売女マスコミから、これに匹敵する率直な発言を聞くことは決してない。

オーウェル風ダブルスピークが今やアメリカ合州国政府の言語となった。アメリカはシリアの傭兵に武器を与えながら、ジョン・ケリー国務長官は、アサドが“和平交渉”を損なっていると非難した。

アメリカ政府のダブルスピークは、世界にとって明らかだ。アサドのみならず、ロシア、中国、イランや、 NATO加盟国全てと、日本を含むアメリカの全傀儡諸国さえ、アメリカ政府がまたもや白々しい嘘をついているのを十分に承知している。現代の核兵器を用いた戦争は地球上のあらゆる生命を破壊することになる為、ロシアや中国やイランは、アメリカ政府との対決を避けようとしている。何より驚くべきなのは、売女マスコミによる年中無休の洗脳にもかかわらず、アメリカ国民の大多数が、オバマの対シリア戦争に反対していることだ。

これは良いニュースだ。アメリカ政府が送り込んでくる嘘から、より多くのアメリカ人が、独立して考える能力を発達させていることを意味している。

地球上の生命の終焉を意味する、第三次世界大戦を開始するほどまで、アメリカ政府は世界覇権の狙いを追求しようとしていることを、ネオコン・ナチスや、ブッシュ/オバマ政権や、売女マスコミが明らかにした。

ロシアと中国は、いずれか一国だけでもアメリカ合州国を破壊できるが、アメリカ政府は嘘つきで、信用できないことを既に学んでいる。ロシアと中国が同意したリビアの“飛行禁止”策は、CIAが支援する傭兵が優位になれるようにする為の、NATOによる対リビア軍空爆と化した。

これで思い知らされたロシアと中国は、アメリカが“内戦”扱いしているシリアに対するアメリカ政府による攻撃に反対しているのだ。ロシアと中国は、もしシリアが陥落すれば、次はイランであることを知っている。

イランはロシアの急所であり、中国にとって、イランはエネルギー輸入の20%を占める。ロシア政府も中国政府も、イランが陥落すれば、次は自分たちの番だと分かっている。アメリカ政府が、ロシアをミサイル基地で、中国を海軍基地と空軍基地で包囲している理由の説明は他にありえない。

ロシアも中国も両国が不可避と見なしている戦争の準備をしている。見境のない、認知症的な世界覇権へのアメリカ政府の衝動は、何も知らないアメリカ国民を、水爆を所有し、両国の人口をあわせればアメリカの人口の5倍である二国に対して戦わせようとしている。そのような戦争では全員死ぬ。

ワシントンで支配をしている、全く正気と思えぬ政府を考えれば、もし2020年に人類が生存しているとすれば奇跡だ。将来のメディケアや社会保障赤字に関するあらゆる懸念は無意味だ。アメリカには、そうした給付を受ける人々が皆無になるのだから。

補足: もし下記のRT報道が正確であれば、無知で邪悪なワシントン,D.C.の住人が、世界を第三次世界大戦に追いやろうとしていることは明らかだ。http://rt.com/news/iran-troop-deployment-syria-782/

補足: ロシアはシリアの飛行禁止区域を認めないと述べている。http://www.informationclearinghouse.info/article35318.htm

補足: またもや、アメリカ政府は地球上最も愚鈍な連中の巣窟であることを明らかにした。http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/iran-to-send-4000-troops-to-aid-president-assad-forces-in-syria-8660358.html?printService=print

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/06/17/washington-is-insane-paul-craig-roberts/
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「オーウェル風ダブルスピーク」については『1984年』をお読み願いたい。『1Q84』ではなく。要するに以下のような表現をいう。『1984年』の有名な言葉だ。

    • 戦争は平和だ
    • 自由は隷属だ
    • 無知は力だ

『1984年』を読むお時間がなければジョージ・オーウェルの『1984年』を2010年に再訪

現代日本では、

    • 侵略部隊に税金を払って駐留していただく日米同盟は平和だ
    • 日米同盟・TPPによる隷属は自由だ
    • 大本営広報部による無知は力だ

首相は、「価値観外交」だといって、チェコ、ポーランド、ハンガリーの原発推進に協力することを決めたようだ。価値観外交なるもの、宗主国と価値観をともにすることを言うのが原義だろう。ポール・クレイグ・ロバーツ氏が再三述べておられる通り、宗主国政府とうてい正気とは言えない。そういう政府と価値観をともにする属国傀儡諸国政府、いずれも正気とは言えない。

価値観と言えば、つい最近、知人に言われて、『市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』を読んだ。頭が汚染腐敗した不快感だけ残っている。東京都議会選挙、参議院選挙前に、必読の名著と言うべき大変な力作で、著者に不満など皆無だが、いかんせん対象の主人公、全く価値観が違うためだ。ミルトン・フリードマンの申し子。有識者という名の政商のようなものだろう。

(日本の保険市場を思いのままに規制したアメリカ通商代表が社長になった会社が、日本のガン保険市場を独占し)日本で、首切りを簡単にし、フリーター増加政策を進めた人物が、人材派遣会社のトップになれる夢の自由社会のからくりが描かれている。

を、頭を浄化するために読んでいる。

最近のデモクラTV番組(6・15の回)で、下村満子氏が国会事故調の黒川元委員長の悲嘆を語っておられた。正論を提言したのに無視されている現実を。そして国会事故調報告書の「はじめに」の一部を音読された。念のため同書から一部を引用しておこう。

ほぼ50年にわたる一党支配と、新卒一括採用、年功序列、終身雇用といった官と財の際立った組織構造と、それを当然と考える日本人の「思い込み」があった。経済成長に伴い、「自信」は次第に、「おごり、慢心」に変わり始めた。入社や入省年次で上り詰める「単線路線のエリート」たちにとって、前例を踏襲すること、組織の利益を守ることは、重要な指名となった。この使命は、国民の命を守ることよりも優先され、世界の安全に対する動向を知りながらも、それらに目を向けず安全対策は先送りされた。

中略

この事故が「人災」であったのは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった。

国会事故調報告書のまっとうな提言、全く存在しなかったかのごとく扱われている。ゆくゆく福島で、黒川元委員長も招いて勉強会を開催したいとのことだった。できれば聴講に伺いたいものだ。

同じ番組で、田岡俊次氏は、暴露されたアメリカのスパイ活動に関連して、「自分で莫大な金を支払って、自分をスパイしていただいているこの国の滑稽な実態」を指摘された。故チャルマーズ・ジョンソン氏も指摘しておられた事実だ。

自分を守るのでなく、虐待するやくざにみかじめ料を払うのと変わらない国家規模のイジメが70年近く続いている。白井聡著『永続敗戦論』を思い出した。

正気ならぬ政府、できもしない除染に莫大な予算をつける一方、被災者の方々を本当に救援する医療、住宅、雇用政策等は決しておこなわない。事実上、棄民政策推進。首相は、日本の原発の信頼性は高いと真顔で発表し、輸出を推進する。

2013/06/06 第38回全国公害被害者総行動デー という催しがあったそうだ。

デモには、福島原発や水俣病、カネミ油症被害、アスベスト被害、大気汚染、薬害、基地公害などさまざまな公害被害の救済、あるいはその根絶を求めて全国各地から参加者が集った。

IWJの岩上安身氏によれば「商業マスコミでこの話題を報じたものは無い」という。大本営広報の本領発揮ということだろう。それが無国籍資本の走狗として繁栄する方法。
何度も繰り返して言うが、支配者の皆様、IQに問題があるか、人格に問題があるか、その両方に問題があるかのいずれか。ともあれ正気ではないだろう。

参議院選挙での、自民党、公明党、みんな等の勝利は、日本中の原発破壊に勝るとも劣らない壊滅的・致命的な打撃を、日本社会にもたらすだろう。参議院選挙後の日本は、それまでの日本ではなくなる。

ほぼ50年にわたる一党支配と、新卒一括採用、年功序列、終身雇用といった官と財の際立った組織構造と、それを当然と考える日本人の「思い込み」があっ
た。経済成長に伴い、属国路線の「自信」は次第に、「おごり、慢心」に変わり始めた。入社や入省年次で上り詰める「単線路線のエリート」たちにとって、属国路線の前例を踏襲すること、組織の利益を守ることは、重要な使命となった。この使命は、国民の独立や命を守ることよりも優先され、世界の平和に対する動向を知りながらも、それらに目を向けず独立策は先送りされた。

TPP協定が「人災」であるのは明らかで、政府、官庁、そして経団連等による、日本国民の命と社会を守るという責任感の欠如がある。

ワシントンで支配をしている、全く正気と思えぬ政府を考えれば、もし2020年に日本が生存しているとすれば奇跡だ。将来の健康保険や社会保障の赤字や、米作りや、遺伝子組み換え作物に関するあらゆる懸念は無意味だ。日本には、そうした給付を受け、食べる人々が皆無になるのだから。

2013年6月16日 (日)

政府の狙いは一体何なのだろう?

Paul Craig Roberts

2013年6月11日

十年来、アメリカ政府がこっそり、違法に、憲法に違反して、自国民をスパイしているということは皆知っていた。議会も連邦裁判所も、アメリカ憲法や成文法の大規模な違反に対して何も行なわず、無頓着なアメリカ国民は動じないようだ。

2004年、内部告発者が、国家安全保障局(NSA)は、秘密連邦裁判所を無視し、必要な令状を得ずにアメリカ人をスパイして、外国諜報活動偵察法(FISA)に違反していることをニューヨーク・タイムズに通報した。腐敗したニューヨーク・タイムズは、アメリカ国民の利益より、アメリカ政府の利益を優先し、ジョージ・W・ブッシュが無事再選されるまで、記事を一年お蔵入りにした。

ニューヨーク・タイムズが、一年後に違法スパイの記事を掲載した頃には、その間、違法な政府は、事後法や大統領令で、不法行為を軽減し違法行為は国家利益の為だと言い逃れをした。

昨年、NSAの世界のデジタル・データ収集計画担当者だったウィリアム・ビニーが、NSAが、アメリカに暮らす全員を完全な監視下に置いていることを暴露した。あらゆる電子メール、見たインターネット・サイト、電話会話は補足され、蓄積されている。2012年に ビニーは、自らの職や生活を賭して、憲法上の権利を擁護した人々に送られる年次の表彰Callaway Award for Civic Courage(キャラウェイ市民勇気賞?)を受賞した。

これまでにも多数の内部告発者達がいた。例えば2006年には、マーク・クラインが、AT&Tには、サンフランシスコ事務所に秘密の部屋があり、NSAが、それを何の嫌疑もないアメリカ国民のインターネットや電話通話データの収集に使っていることを暴露した。
http://www.pbs.org/wgbh/pages/frontline/homefront/interviews/klein.html

売女マスコミは、こうした話題を、政府の不法行為を、精査や国民の怒りから守るような形で扱う。いつもの歪曲の口実は、国民はテロリストから安全である必要があり、政府が安全を提供する、というものだ。

最新の内部告発者エドワード・スノーデンは、アメリカ政府より、言論の自由擁護の実績がある香港に、保護を求めた。スノーデンは、アメリカのいかなる報道陣も信頼せず、イギリスの新聞ガーディアンに話を持っていった。

アメリカ政府は違法であり、アメリカ政府は、アメリカ憲法を紙屑と見なしており、アメリカ人には、任意の時点で、政府が認めるもの以外のいかなる権利も持っていないと考えており、弱体で去勢されたアメリカ議会や、へつらう連邦裁判所や、管理されたマスコミや、無頓着な国民によって、アメリカ政府が責任を問われる恐れが皆無であることに、もはや何の疑いようもない。

ビニーとスノーデンは、政府による国民監視の極端な危険について正確な詳細を語っている。免れる人は皆無だ。CIA長官も、アメリカ軍の将軍連中も、上院議員も下院議員も、大統領自身すらも。

コンピュータとインターネットを使える人なら誰でも、ビニーやスノーデンのインタビューを見ることができるので、何も悪いことをしているか否かにかかわらず、十分恐れるに足りるものであるかをご理解いただけよう。

ヒトラー政権でも、スターリン政権でも、楽々勤められたであろう、嘘つき国家情報長官ジェームズ・クラッパーは、民主主義において、大衆は政府が一体何をしているのかを知っているべきだと主張するのは“ふらち”だとスノーデンを非難した。クラッパーは、普通のアメリカ人全員をこっそりスパイすることは“わが国を守る”為に必要不可欠だと主張した。 http://news.antiwar.com/2013/06/07/us-spy-chief-slams-reprehensible-leak-of-nsa-surveillance-scheme/

クラッパーはNSAが、全てのアメリカ人の普通の暮らしをスパイしていることをアメリカ国民が知ってしまったことで“立腹した”。クラッパーは、アメリカ憲法がアメリカ国民全員に保証しているプライバシーを、アメリカ政府が徹底的に侵害しているという“無謀な暴露”をしたかどで、スノーデンが厳しく罰せられることを望んでいる。

憲法を勉強したとされるオバマ大統領は、あらゆるアメリカ国民の、あらゆる通信をスパイするクラッパーの計画を、“国民の市民的自由を守る”ために必要な、アメリカ人の市民的自由の侵害だと正当化した。アメリカ合衆国大統領の信憑性の欠如と、NSAのスパイ行為は“民主主義の生存に関わる脅威”だと正しくも述べたスノーデンの誠実さを比較願いたい。

売女マスコミはクラッパーとオバマの擁護に忙しい。6月9日、CNNは元CIA職員ボブ・ベーアを起用し、スノーデンは、アメリカの市民的自由を守るどころか、中国のスパイかも知れず、スノーデンの暴露は、中国のスパイ事件の可能性があると民衆に吹き込もうと躍起だ。

悪魔化は、アメリカ軍法を順守し、戦争犯罪を報告したブラッドリー・マニングの信用を損ない、またWikileaksのジュリアン・アサンジを、アメリカ政府の犯罪に関わる漏洩情報を報道したかとで告訴するためのアメリカ政府のテクニックだ。悪魔化と、冤罪が、スノーデンに対して、政府が駆使する武器となろう。

もしアメリカ政府と売女マスコミが、歴史的権利が消滅し、警察国家になりつつあることをアメリカ人に知らしめようとしている勇敢な人々は外国勢力のスパイ工作員なのだとアメリカ人を説得するのに成功すれば、アメリカは自らの政府によって破壊され続ける。

ということで、問題の核心だ。スパイ計画の目的は一体何なのだろう?

たとえ9/11やボストン・マラソン爆破の公式説明を信じるアメリカ人がいようとも、アメリカで、12年の間、人命が失われたテロ攻撃は、二件しかおきていない。交通事故や粗悪な食品で亡くなった人数の方がはるかに多い。12年間で、わずか二人のテロリストとされる人物の行為ゆえに、一体何故、憲法や市民的自由が葬り去られるのだろう?

テロ攻撃が全くないのは、実に驚異的だ。アメリカ政府が、イスラム教政府や国々を侵略し、破壊を始めて十年を越える。イラク、アフガニスタンやリビヤにおける民間人死傷者の数は極めて多く、パキスタン、イエメンやシリア等のアメリカ政府がまだ侵略していない国々では、アメリカ政府の無人機と地上代理部隊によって民間人が殺害されている。

6ヶ国のイスラム教徒に対する、アメリカ政府による12年間にわたる残虐な攻撃にも関わらず、FBIが仕組んだでっちあげテロではなく、少なくとも一ダースの本当のテロ攻撃が、アメリカで、日々起きていないのは驚くべきことだ。

一体なぜ、テロのようにごく稀なものによって、アメリカ憲法やアメリカ人の市民的自由の破壊が正当化されるのだろう? 自国の政府が、あらゆる国民を、何の権利もない潜在的容疑者と見なしている時に、一体どのアメリカ人が安全だなどと言えよう?

アメリカの庶民生活で、一体なぜこれが議論されないのだろう? 売女マスコミが、スノーデンの暴露を、彼の不満や動機の話にすり替え、民主主義や市民的自由の生存に関わる脅威から逸らす様を御覧じろ。

政府の本当の狙いは一体何だろう? “対テロ戦争”は、明らかに政府が宣言していない狙いの隠れみのだ。“自由と民主主義”のアメリカでは、国民は果てしない戦争や、ゲシュタポ警察国家を助長する政府の動機が一体何かを知らずにいる。アメリカ人が得られる唯一の情報は内部告発者によるものだけだが、内部告発者を、オバマは無慈悲に告訴している。売女マスコミは素早く、そういう情報の信用を傷つけ、内部告発者を悪魔化する。

現在の“自由と民主主義”のアメリカ国民より、第三帝国時代のドイツ人やスターリン時代のソ連国民の方が、自国政府の本音について、ずっとまとも理解していた。アメリカ国民は、現代史において、最も蚊帳の外に置かれている国民だ。

アメリカには、政府に責任をとらせる民主主義は存在しない。存在しているのは、風の吹き払うもみがらのような洗脳された国民ばかり。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能だ。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/06/11/what-is-the-governments-agenda-paul-craig-roberts/
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「売女マスコミ」という訳について一言。ジェラルド・セレンテが腐敗の極み、マスコミの呼び名として案出した言葉は、presstitute。pressとprostituteを合成したものだろう。マスコミと売春婦を一緒に表現する日本語を思いつけないので、「売女マスコミ」としている。

日本の場合、原発推進、TPP推進、日米宗主国属国同盟推進という実態からして、売国政治家、売国官僚、売国企業、売国労組、売国学者等と同様、「売国」マスコミという方が適切に思える。

今朝の新聞に、スティグリッツの記事が載っていた。「アベノミックスに欠けるもの」。「格差是正への配慮」をせよという趣旨。1%でなく、99%への配慮をという。「格差是正への配慮」、そもそも、この国の政府が長年排除し続けてきた発想だろう。

極めて重要な話題TPPについても、まっとうな指摘をしている。そこだけ引用させていただこう。売国マスコミにも、まれに真実が載る。きわめて目立たないように。

TPPについてはという質問に、スティグリッツは、こう答えている。彼には、TPP詳細解説をお願いしたいくらい。

 「日本の人びとは気をつけてほしい。TPP交渉に臨んでいる米政府関係者は必ずしも米国民の利益を反映しておらず、製薬企業や娯楽産業といった業界の利益を代弁しがちなのです。しかもTPPは自由貿易というより管理貿易的で、多角的自由貿易体制を傷つける恐れがあります。中国が参加していないこともあって、TPPで(中国と分断されるなど)アジアの部品供給網や域内貿易が損なわれかねません」
「米政府の主張の問題はほかにもあります。日本にコメの保護をなくすよう求めてきましたが、米国の農産物保護はなくそうとしない。知的財産権の保護強化で、人びとが安い後発医薬品を入手しにくくなる恐れもあります。遺伝子組み換え食品の情報公開には後ろ向きで、これは米国民の利益にも反します」

政府の本当の狙いは一体何だろう? “原発推進、TPP推進、日米宗主国属国同盟推進”は、明らかに政府が宣言していない、売国という狙いの代名詞だ。

現在の“自由と民主主義”を建前とするアメリカの属国となって70年近い日本国民より、第三帝国時代のドイツ人やスターリン時代のソ連国民の方が、自国政府の本音について、ずっとまとも理解していた。日本国民は、現代史において、最も蚊帳の外に置かれている国民だ。

日本には、政府に責任をとらせる民主主義は存在しない。存在しているのは、風の吹き払うもみがらのような洗脳された国民ばかり。

2013年6月14日 (金)

欧米の王様連中は裸だ

Finian Cunningham

2013年6月12日

Press TV

先週、戦略的に重要な都市クサイルでのシリア政府軍の軍事的勝利は、いくつかの理由で画期的な出来事だ。この出来事が先駆けとなる重要な転機として、一つ実に明らかなことがある。欧米諸大国、シリアで王様になりたがっていた連中は、シリアを破壊するという犯罪的陰謀に失敗して、裸で立ちすくんでいるのだ。

王様になりたがっていたこの連中、アメリカ政府やこの地域の元宗主国イギリスとフランスには、信頼性などかけらほどもないことが、明示的に暴露された。王様達は裸で、身にまとう布を求め、必死で走っている。

レバント地域の国家の広い地域を荒らし、80,000人もの主として民間人の死者をもたらし、4-5百万人の国内、国外難民を生み出した紛争で、今やシリア軍は優位にたち、完全な勝利への勢いが増している。

欧米が支援する反乱分子が打ち負かされたり、シリア全土の村や町から敗走したりする中、シリア軍は素早く北部にあるシリア第二の都市アレッポ解放という次の目標に向かって動いている。次の戦闘は、クサイル奪還の為の三週間の戦いより、一層残酷で長引くものになる可能性がある。しかし、容赦のない戦士の損失と、クサイル経由の重要な補給路の切断からして、アレッポの反政府派の最終的な敗北は確実なように思える。

アレッポ奪還と、北部でのトルコからのNATO武器供給線の遮断は、外国が支援する傭兵にとって、最後の抵抗となろう。2011年3月以来、NATO諸大国と、この地域におけるイスラエル、ヨルダン、トルコ、サウジアラビアやカタールを含むNATO諸国の同盟国の命を受けて、傭兵連中はシリアを恐怖に陥れていた。バシャール・アル-アサド大統領を追放する体制転覆という欧米の企みは、かくして空文化する。

だが、おそらくクサイルでの勝利のより意味深い余波は、シリアや、より広範な地域における、欧米帝国主義の醜い顔を暴き出したことだ。

昨年、クサイルを包囲した傭兵の配備で、いわゆる自由シリア軍(FSA)の多くが外国人であることや、アルカイダと繋がる過激派の一団に対するシリア国民の支持がごくわずかなことが一層明らかになった。FSAは、以後(自由シリア軍ではなく)、外国から支給された軍隊Foreign Supplied Armyと呼ぶべきだ。外国からの支援無しに、FSAはありえず、そもそも、存在しえなかったはずだ。

昨年、リビア、エジプト、チュニジア、サウジ、チェチェン、イエメン、フランスやイギリスの自称聖戦戦士ギャングや、現地シリアのご都合主義の犯罪人どもが、街路を闊歩し、掠奪し、残虐行為を働いていた間、一体なぜ30,000人のクサイル住民が自宅に引きこもるしかなかったのだろう?

先週水曜、こうした欧米が支援する殺人鬼や盗賊どもが、とうとうクサイルから逃げ出した後、一体なぜ住民達が、シリア軍とレバノンのヒズボラ同志を安堵と感謝で歓迎したのだろう? 市民生活の回復を祝って、クサイルの街路で祝いが催されているのは一体なぜだろう?

昨年、一体なぜ何千人ものクサイルの住民が街から逃亡したのだろう? もちろん、それはサウジやカタールの雇い主を真似た、苛酷な倒錯した原理主義的暴政を押しつける、欧米に支援されたいわゆる“反政府派”から逃げる為だった。いまだに傭兵の支配下にあって苦悩しているアレッポの共同体に押しつけられているのは、まさにこの種の暴政だ。

今週、アレッポでコーヒー売りの14歳の少年が預言者をを冒涜したかどで外国人武装集団によって公共広場で処刑されたという報道が現れた。彼はいかさま裁判で死刑を宣告され、 両親の目の前で、頭を二度銃撃されたのだ。

クサイルから逃げた住民達、イスラム教徒、スンニ派、シーア派、アラウィー派や、キリスト教徒達が皆、安全が回復した自分たちの町で、これまでの平和な共存生活を再開しようともどりつつあるのは一体なぜだろう?

クサイル陥落後、こうした質問の一つとして、主流欧米マスコミや欧米政治家達は自問していない。信じられないほど、欧米マスコミのシリア報道は、過去一週間、巨大なスパナが車輪に投げ込まれて、動かなくなってしまったかのように突然の沈黙に覆われている。都合よく、ニュースの話題は、どういうわけか他の話題に移ってしまったもののようだ。

現時点で、欧米政府や、そのマスコミ宣伝機構が最も避けたがっているのは、欧米の国民が、むき出しの明白な真実を目にすることだ。各国政府とマスコミが、過去二年間にわたり、シリアで起きていることについて嘘をついてきたのを知られることだ。シリアで、シリア国民と慈愛に満ちた欧米諸大国が支持する民主化運動の蜂起が起きているわけではない。そうではなく、シリアは、石油とガスが豊富な中東における利己的な戦略上の権益の為の、欧米大国による犯罪的な秘密の侵略戦争にさらされてきたのだ。ニュルンベルクで、戦争犯罪人が絞首刑にされたのは、この種の陰謀ゆえだった。

 

クサイルが、中東における欧米政府の犯罪を極めて明快にした。そして、それこそが欧米マスコミが、事実をメモリー・ホールへと廃棄している理由なのだ。

この事実をメモリー・ホールから引きずりだそうではないか。連中の不義の狙いを達成すべく、欧米政府は、主権国家に、武器、資金、特殊部隊や、外国の人殺し組織を密かに注ぎ込み、シリア国民を威嚇して、自分たちの体制転覆という狙いに応じさせようとしたのだ。欧米の大統領、首相や外交官達、バラク・オバマ、デーヴィッド・キャメロン、フランソワ・オランド、ジョン・ケリー、ウイリアム・ヘイグや、ローラン・ファビウスの手は、80,000人のシリア国民の血で濡れている。彼等全員、告訴されて、戦争犯罪裁判で裁かれるべきだ。

爆撃を受けて、破壊された都市クサイルをシリア軍勢力が奪還したことで、欧米の見せ掛けとプロパガンダという外観は永久に破壊されてしまった。

今や、退却する反乱部隊の残滓と一緒に、欧米政府も、のっぴきならぬ暴露に怖じ気づいている。今週、ホワイト・ハウスはシリアについて一連の緊急会談を行なう予定だ。ジョン・ケリー米国務長官は、こうした会議に出席するため、中東歴訪をキャンセルせざるを得なかった。会議の議題には、欧米の犯罪的な企みが既に崩壊させられてしまった為、おそらくは実現しないであろう自暴自棄の動き、つまり、シリアの「外国に支給された軍隊」FSAに、アメリカが、あからさまに兵器や他の致死的な支援物質を送る案もあるだろう。オバマ政権は、他のスキャンダルにも襲われて、アメリカ国民の間でも世界的にも、正当性が、崩壊しつつあり、中東における犯罪行為を強化する立場にはない。

AP通信は報じている。“[シリア]反体制派指導部[つまり欧米傀儡]は、更なる支援が無ければ、反乱は壊滅的な取り返しのつかない敗北をしかねないとアメリカ政府に警告した。”

この文章が全てを物語っている。王様連中は裸だ。

Finian Cunninghamは、アイルランド・ベルファスト出身、1963年生まれ。国際問題の著名な専門家。著者、コメンテーターの彼は、欧米に支援された政権による人権侵害を追求した批判的なジャーナリズム活動が理由で、2011年6月、バーレーンから国外追放された。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまでは、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務。音楽家で、ソングライターでもある。長年、ミラー、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミの編集者、著者として働いた。彼は現在、東アフリカを本拠として、バーレーンとアラブの春についての本を書いている。毎週日曜、グリニッジ標準時午後3時Bandung Radioの時事問題番組の共同司会者。

Finian Cunninghamによる別記事。

記事原文のurl:www.presstv.com/detail/2013/06/11/308416/western-emperors-have-no-clothes/

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この属国政府、「シリア反体制派」に直接人道支援をするという。イラク派兵と同じ。傀儡政治家は、宗主国の理不尽な命令には逆らわない。
憲法9条があるから、「人道支援」という建前を言わざるを得ない。欧米宗主国の介入は、いつでも、「人道支援」が口実。コソボ、リビア、シリア。

7月参院選で、自民、公明、みんな、維新が多数派を占めれば、当然、憲法は破壊され、宗主国の侵略戦争への「軍事支援」、つまり国防軍派兵が実現する。

    • 原発推進で、自分達の孫子に放射能を浴びせつづけ、
    • TPPでアメリカ無国籍企業の属国を支配し、孫子を搾取するにまかせ、あまつさえ、
    • 憲法9条破壊で、正義のない宗主国の侵略戦争に、鉄砲玉として派兵される制度を作る、何とも不思議な属国民の皆様。

数日前の新聞に、「小選挙区制の功罪」なる記事が掲載された。小沢、鳩山元首相両氏、いまでも、小選挙区制維持を明言している。今日の記事でも、公明党幹部氏は、小選挙区制維持を明言している。こういう人々を、選挙で支持するわけにはゆかない。河野氏は、失敗だと反省しておられるが。

「小選挙区制の功罪」とあるが、庶民にとって、「小選挙区制の罪」は明白だ。「小選挙区制の功」とは、一体何だろう?記事を読む限り、「左翼のクソどもの一匹」たる小生には全くわからない。「恥ずかしい大人の代表」達による、悪質なプロパガンダ記事としか思えない。

    • 原発の「功」なるもの真っ赤な嘘であること、白日に曝された。下記も同じ。宗主国支配者、そして属国傀儡政府・幹部は、自分が儲かれば「功」だ。
    • 安保日米同盟
    • TPP
    • 憲法9条破壊

2013年6月10日 (月)

“モンサント保護計画”: ヨーロッパでのモンサントGMOごまかし作戦

F. William Engdahl

Global Research
2013年6月4日

5月31日、世界中のマスコミに、このロイターのものと良く似た見出しが載った。“モンサント、ヨーロッパでは、GMO作物推進から撤退。”この記事の出典はモンサント・ジャーマニーの公式広報担当とのインタビュー抜粋を掲載したドイツの左派系日刊紙TAZだとされている。

ウルスラ・リュトマー・ウザンヌが、“現時点では、これは広範な支持を得られていないという結論に至りました。”とTazに語ったと報じられている。

彼女の発言は全世界に流され、ロイターはモンサント社の広報担当者トーマス・ヘルシャーにインタビューし、彼はこういったと報じた。

“我々は農民達の広範な支持と、広範な政治的支持があり、規制制度がしっかり機能している場合にのみ、GM種子を販売するつもりです。現在これに該当するのは、ヨーロッパの少数の国々、主としてスペインとポルトガルだと我々は確信しています。” [1]

世界がシャンペンを開けて、GMOと、それと組み合わせて使うラウンドアップ等の除草剤の終焉を慶賀する前に、公式に語られていることはより詳しく調べる価値がある。

モンサント自身が言っていること

モンサント・ジャーマニーの公式ウェブサイトを見みてみると、マスコミ記事に関す同社の公式の報道発表がある。

“Aktuell uberschlagen sich die Medien mit der Nachricht、dass Monsanto die Vermarktung von gentechnisch verbessertem Saatgut in Deutschland und Europa eingestellt haben soll。

 

Das stimmt so nicht。Monsant bietet schon seit einigen Jahren nur dort  gentechnisch verbesserte Sorten an、wo ein funktionierendes Zulassungssystem und breite Unterstutzung auf landwirtschaftlicher und politischer Ebene fur die Technologie vorhanden ist。Aber grundsatzlich ist es richtig、dass Monsant sich in Deutschland und Europa auf die Zuchtung und Verkauf von konventionellem Saatgut und Pflanzenschutzmitteln konzentriert.” [2]

重要な部分を翻訳すると、こういう内容だ。

“現在、マスコミにはモンサントがドイツとEUでGMO種子マーケティングを中止したという報道であふれています。これは正しくありません…”

またセント・ルイスの親会社モンサント・ウェブ・サイトには下記声明がある。

“ヨーロッパ農民の弊社顧客への高品質の通常のトウモロコシ、菜種や野菜の種子販売の事業は好調です。ヨーロッパの皆様には、ここ数年、弊社は広範な農民の支持、広範な政治的支持and良く機能する規制制度を享受できる場所でのみバイオテク種子を販売するとお話しております。こうした条件があてはまるのは、現在、ヨーロッパのわずかな国々、主としてスペインとポルトガルです。弊社CEOヒュー・グラントが、2009年にフィナンシャル・タイムズにお話した通り‘ヨーロッパは、しかるべき時に、しかるべき決断をされるでしょう。’現在ヨーロッパで栽培されている唯一のGM作物は、作物に大きな被害を及ぼしかねない昆虫のアワノメイガに耐性があるトウモロコシです。その栽培量はヨーロッパで栽培されている全てのトウモロコシの1%以下(ヘクタール数)です。” [3]

いずれの声明も慎重な検討に値する。

第一に、ドイツ語の声明は英語版といささか異なる。ドイツ語声明は、モンサントがEUでのGMO種子のマーケティングを停止したというマスコミ報道は偽りだとして、公式に否定している。

第二に、同社は通常の種子の育種と植物保護化学薬品の販売に注力するという彼らの声明は、モンサントのEU販売の現状の説明でしかなく、それ以上の何ものでもない。EUでのモンサントGMO種子の販売は限定されているので、モンサントの事業が、現在稼いでいるものに注力するのは当然だ。

ところがモンサントが“植物保護化学物質”と称しているのは、主に同社のラウンドアップ除草剤、つまり、農民とのライセンス契約によって、全てのモンサントGMO種子と必ずペアで販売されている、ヨーロッパと世界で、売り上げナンバーワンの除草剤でもあるものだ。それが、ヒトの胚細胞にすら極めて有害なことも分かっている。

アメリカの声明には興味深い重要な違いがある。第一に、EUでGMO種子を拡販することについてのモンサントの政策のいかなる変化も全くない。同社は、いずれもEUの国、スペインとポルトガルで、GMO種子の拡販を継続すると、明確に述べている。また声明はハリウッド俳優と混同されぬよう願いたいが、ヒュー・グラント会長の、同社は、EUがGMOを認める方向に変わってくれるのを期待しているという発言を引用している。更にEUにおける同社GMOトウモロコシの現在の状況を述べている。それ以上何もない。EUでGMOを中止するという声明はどこにもない。

疑わしいタイミング…

モンサントの公式声明を調べる時間がなく、ロイターやTAZの見出しを見るだけの、世界中の大半の人には、モンサントは、EUでのGMO種子普及の取り組みをあきらめたというメッセージが流されてしまったわけだ。TAZインタビューのタイミングが、入念に仕組まれたモンサントの欺瞞PR作戦らしきものの正体を示唆している。ジョスト・モーリンによるTAZの元記事は、世界の約52ヶ国の400以上の都市で行なわれた、世界的な反モンサント抗議デモ、反モンサント行進から一週間もたたない5月31日に掲載された。[4] TAZ記事は、世界中のマスコミに、感情的で、事実的にも誤解されやすい見出しで、参考記事として利用された: Sieg fur Anti-Gentech-Bewegung: Monsanto gibt Europa auf (反GMO運動の勝利: モンサント、ヨーロッパをあきらめる)。

反モンサント行進はいくつか重要な点で注目に値する。モンサントやGMOカルテルにとって最も気がかりだったのは、グリーンピースやBUNDやフレンズ・オブ・ジ・アースの様な反GMO NGOが組織したものではない抗議デモ行動として初めての物だったという事実だ。本文の筆者が一つのイベントに演者として参加したドイツでは、関心を持つ活動家達がフェースブックを使って組織した。一方、GMOに公式に反対するNGOは、スポンサーとして参加しておらず、積極的に組織活動していた様子もない。

この行進は、モンサントやお仲間にとって、恐るべき新たな分子の登場、アフリカ、中国、インド、中南米や、もちろん東欧と西欧でのGMOの普及をより一層困難にしかねない、危険な草の根の反GMO抗議行動の広がりだった。とりわけ、あからさまにモンサントGMOに反対している左派新聞TAZとのよく練り上げられたインタビューのタイミングが、“認知支配”と、EUや外国で増大しつつある反GMO感情という逆風を凌ぐために仕組まれたことを示唆している。広範な大衆が退却を額面通りに受け止めたので、差し当たり、モンサントは、プロパガンダ上、戦術的な勝利を勝ち取った。ある老練なモンサントGMO反対論者が表現したように、今回の記事には“消費者/活動家のエネルギーや勢いを作り上げるには長い時間がかかるのに対し、PR会社のキャンペーンは、ごく短期間で立ち上げることができるのが、それが有効な理由の一つだが、激しい論争の的になる多くの悪行に適用されてきた、バーソン & マステラーズの戦術のよう”巧妙なPRキャンペーンと見なせるあらゆる特徴がある。

約200匹のラットを二年間にわたった独立研究が、GMOトウモロコシとモンサントのラウンドアップ除草剤を与えられたラットは、非GMO飼料を与えられたラットと比べ、劇的に多いがん腫瘍、より高い死亡率や、臓器損傷を示すことを明らかに証明したにもかかわらず、モンサントは、既にEUで商用化されているGMOトウモロコシのリコールを行なっていない。[5]

しかも、モンサントは、通常の種子にしか触れていないが、種子を東ヨーロッパ市場に押し込んでいることはあからさまに認めている。モンサントの国際業務問題担当副社長、ヘスス・マドラソは、同社はウクライナの通常トウモロコシの市場で市場占有率を高めることに注力しており、東ヨーロッパと南米は現在同社の主要な成長部門であると述べている。

一方アメリカでは、モンサントの地元ミズーリ州出身共和党議員で、モンサント選挙資金の主要受取人の一人で、明らかに同社おかかえのアメリカ上院議員ロイ・ブラントに、モンサントが直接協力して、同社の作物や化学薬品が引き起こしたいかなる損害からもモンサントが訴えられないようにする、あいまいな不意打ち策を包括予算割当法案に忍び込ませるようにさせたことが漏えいした。[6]

 

Seedsofdestructioncover

反対する人々からモンサント保護法と呼ばれている法律、よもやモンサント保護法が、自分たちが投票する包括予算割当法案の一環であることに、多数の議員が気付いていなかったのは明白だ。何十万もの抗議の請願にもかかわらず、本質的に、たとえ将来の研究で、GMO種子が、癌なり何なり重大な健康問題を引き起こすことが分かっても、モンサントや他のGMO業者達に法的免責を認めるモンサント法案が、オバマ大統領の署名によって発効した。連邦裁判所はもはや、GMO種子の展開、使用、販売を止める権限を持っていない。[7] アメリカで、そのようなとんでもない法的免責を享受する他の企業といえば、ワクチン製薬会社だけだ。

TAZが報じ、主流マスコミが無批判に全世界で広げた巧妙な歪曲とは、全く違う構図が存在しているのだ。モンサントはあからさまに認めているように、EUでの同社のGMO製品や除草剤のマーケティングは中止していない。EU GMO品質表示法を免れることができている国では、同社のGMO大豆とGMOトウモロコシのEUへの輸入を停止していない。

モンサントは、東ヨーロッパで市場占有率を高めることに注力するとも述べているが、それは、規制がより“緩やか”なことが多く、腐敗で悪名高いウクライナのことだ。同社は、そこでGMOを推進していることも否定していない。同社は、むしろ積極的に通常の種子のみに焦点をあてると述べている。要するに、モンサントの背後にある、世界で最も重要な種子を支配する知性学的、経済的利害は、余りに大きすぎるため、同社も、そう易々と降伏の白旗を掲げるわけには行かないのだ。

モンサント社の実績

このモンサントPR欺瞞キャンペーンには似たような実績がある。1999年、GURTS(遺伝子利用制限技術)として、また一般的にはターミネーター技術として知られている根本的に新しいGMO技術に対するデルタ社の特許を入手する為、モンサントが、ミシシッピ企業デルタ & パイン・ランドの株式公開買付け公式をするという事実を巡って、何カ月か世界的な反モンサント抗議行動が高まった後。デルタ社は、アメリカ農務省とともに、ターミネーターの特許を取得していた。この技術は、GMO種子、あるいは植物に、たった一度の収穫後に、“自殺する”ことを強いて、農民が、価格や入手のしやすさとは無関係に、毎年、モンサントに、新しい種子を買いに来るようにさせるのだ。

ターミネーターのイメージが脅かされて、始まったばかりのGMOプロジェクトを丸ごと、初期の段階で頓挫させかねなくなった為、ロックフェラー大学理事長で、GMOの資金提供者、ロックフェラー財団理事長ゴードン・コンウェイが、モンサントを急遽訪問し、取締役達に会って、全世界での極めて脆弱なGMOキャンペーンへのダメージを限定すべく、実質上の戦術的撤退をするよう説得した。後に欺瞞であったことがわかったのだが、モンサントは、ターミネーター技術の“商用化”を推進することはしないと発表し、特許権者デルタ & パイン・ランド社の株式公開買付けを中止した。反GMOのNGOは大勝利を主張し、7年間何の音沙汰もなかったが、2006年にモンサントが、ターミネーター特許の共同所有者デルタ & パイン・ランドを買収すると極めて質素に発表した。今度は、反GMOロビーもうんともすんとも言わなかった。反GMO派は勢いを失い、買収は進められてしまった。[8]

現在の健康に良い非GMO農業勢力も、1999年当時のようにだまされやすいものであることになるのかどうか、現時点ではまだ分からない。

注記

[1] Reuters,  Monsanto backing away from GMO crops in Europe, May 31, 2013, accessed in http://in.reuters.com/article/2013/05/31/monsanto-europe-idINL2N0EC1B720130531

[2] Monsanto Germany Press Release, Stellungnahme zur Vermarktung von gentechnisch verbessertem Saatgut in Europa, May 31, 2013, accessed in http://www.monsanto.com/global/de/news-standpunkte/Pages/vermarktung-von-gentechnisch-verbessertem-saatgut-in-europa.aspx

[3] Monsanto, Monsanto Position on GM Cultivation in Europe, accessed in http://monsantoblog.com/2013/05/31/monsanto-position-on-gm-cultivation-in-europe/

[4]  Jost Maurin, Sieg fur Anti-Gentech-Bewegung: Monsanto gibt Europa auf, TAZ, 31.05.2013, accessed in http://www.taz.de/Sieg-fuer-Anti-Gentech-Bewegung/!117205/

[5]F. William Engdahl, Saat der Zerstorung, 2013 Neue Auflage, Kopp Verlag.

[6] RT, Obama signs ‘Monsanto Protection Act’ written by Monsanto-sponsored senator, RT.com, March 28, 2013, accessed in http://rt.com/usa/monsanto-bill-blunt-agriculture-006/

[7] 同上。

[8] F. William Engdahl, Monsanto Buys ‘Terminator’ Seeds Company, Global Research, August 27, 2006, accessed in http://www.globalresearch.ca/monsanto-buys-terminator-seeds-company/3082

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/the-monsanto-protection-plan-monsantos-deception-game-on-gmo-in-europe/5337502

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映画『世界が食べられなくなる日』

TPP締結後の20××年、日本は、こうなる?!

 朝起きると、得体の知れぬ添加物まみれの遺伝子組み換え食品で作られた朝食を食べ、すぐに故障し二酸化炭素を大量に排出するアメリカ製の大型車で会社へ向かう。会社に着けば、外国企業からの相次ぐ訴訟の処理に奔走し、本来の業務に支障をきたして利益が上がらず、アメリカ人上司に叱責される。家に帰ってテレビをつければ、連日のように、医療費・薬代の高騰により病気や介護を我慢した低所得者層の自殺を告げるニュース。家の中を見渡せば、ほとんどが粗悪な外国製品で溢れかえり、国内製品は皆無。

 そんな生活を、あなたは想像できますか?
 「そんな生活はあり得ない」と笑い飛ばしますか?
 でも、これがTPP締結による最悪のシナリオなのです。

上記は、『TPP すぐそこに迫る亡国の罠』 立教大学経済学部長 郭洋春著 三交社刊
定価 本体1500円 +税の冒頭。

Tppsugosokonisemaruboukoku

三交社、藤永茂氏の名著を刊行している出版社でもある。

 

藤永茂氏の名著といえば、アメリカ・インディアン悲史 (朝日選書)は必読書。末尾の従順なインディアン部族の運命、そのままTPP後の日本人の未来。

TPPはどういうものかを民主党や自民党が、アメリカの関係者に尋ねると、決まって言われたのが「米韓FTAを見てくれ」「TPPで議論していることは、全て米韓FTAに盛り込まれている」「TPPは、議論していることは、全て米韓FTAの貿易自由化のレベルをもっと強めたもの」だった。

同書の帯にはこうある。

    • 『日米地位協定』や『日米同盟』さえ、かすむ!
    • 『不平等条約』なんてレベルではない。
    • 日本の主権・領土・文化が、根こそぎ侵略される。
  • TPPは、協定の名を借りた、アメリカによる国家支配だ!

 

米韓FTAを見れば、TPP後の日本の将来、想像はつく。

みんなの党、脱原発を言いながら、TPP推進をうたっている。無茶な方針。TPPに入れば、ISD条項で、脱原発できなくなるのはあきらか。「あいつら」らしいデマゴギー。米通商代表マイケル・フロマン氏はハーバード留学時代(1987年~88年)のルームメイトだったと自慢している幹事長江田けんじ氏。誰の党か丸わかりエピソード。ロイ・ブラント上院議員とモンサント保護法のつながりと、みんなの党とTPPのつながり、相似形に見えてくる。

脱原発集会、それなりに人数は集まったが、シングル・イッシュー?の迷信に犯されてはいなかったろうか? 脱原発を言うなら、同時にTPP反対を言わねばならないはずだが、壇上の皆様一人として、TPP反対はおしゃらなかった。「反改憲」を明言された方はおられるが。それならなおさら、憲法を超越するTPPに反対しないと、意味をなさない。

緑茶党なる、脱原発議員を推薦するという不思議な集団、なんと「みんなの党」議員も推薦する支離滅裂さ!

トルコの春、宗主国の工作と無関係の動きなら素晴らしい。本来、日本で、同じ数の人が、非暴力で、反TPP、反原発、反改憲で、抗議運動をする位でないと、世の中変わるまい。

大本営広報部は、決して本当の情報は伝えない。重要な事柄については、宗主国・属国政府大本営の方針を唯々諾々と大宣伝するばかり。

某テレビ局は、女性集団選挙なるものを延々報じていた。恐ろしいエネルギーの無駄。愚民育成策。ひねくれ者の小生、その集団の歌も踊りもタレント名も全く知らず、茹で蛙日本の象徴では、といぶかっている。

大本営広報は、大本営方針推進が仕事だが、その結果、庶民がどんな悲惨な目にあっても、絶対に責任はとらない。確実に確信犯だが、毎回だまされる方も悪いだろう。思いつくだけで、連中が推進しているとんでもない案件、いくつもある。

    • 安保推進
    • 日米同盟推進
    • 原発推進
    • 小選挙区制
    • 郵政選挙での、圧倒的な小泉支持
    • TPP推進
  • アホノミックス推進

 

ポール・クレイグ・ロバーツ氏、アメリカでは、憲法が停止し、警察国家になっていると警鐘をならし続けている。宗主国の憲法が停止しているのに、属国でまっとうな憲法が維持できるはずもない。

自民党が掲げる憲法改正草案、君が代憲法と名付ける弁護士がおられる。時代錯誤の内容だということは事実だ。しかし、のんびりした名、実態を示さないだろう。
君が代憲法というより、「治安維持法」復活に思える。

そういうことを全く考えない小・中学校同級生飲み会二次会に、またもや無理やり付き合わされた。「いじめ」で有名な札付きの中学校だった。その飲み会に無理やり付き合わせる連中全く反省皆無。これもすなわち別種の「いじめ」に他ならないことが、わからない。

一人寂しく安酒を飲む方が、精神衛生にとってはるかに良いこと、何度いっても通じない。手に負えない連中。以後、電話にもでないことにする。彼等彼女らの一人として、この記事を読む可能性は皆無。

君が代憲法と名付ける弁護士や、君が代憲法というより、「治安維持法」復活に思えるというのは、実は下記のIWJ NIGHTネット放映を拝聴してのこと。なんとも長く中味の濃い一夜。

2013/06/09 2周年を迎えた第22回ロックの会〜IWJ NIGHT〜

 9日、発足から2年を迎えた第22回ロックの会が港区恵比寿で行われた。ロックの会は2年前の2011年6月9日に最初の会が開かれたのである。記念すべきこの日は、IWJが幹事役となって「IWJ NIGHT」が開催された。今回は4つのテーマに分かれ、それぞれ多彩なゲストを招いてのクロストーク形式。各テーマにまたがり共通するこの国の問題に対して、集まった人達は熱心に耳を傾けていた。

■テーマとゲスト
「TPP」:郭洋春氏、内田聖子氏、安部芳裕氏
「日米関係とメディア」:堀潤氏、想田和弘監督
「憲法 ~橋下市長の発言と慰安婦問題について~」:梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士、想田和弘監督
「被災者支援法」:川田龍平議員、後藤政志氏

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

マエキタミヤコさん、ロックの会発起人のお一人でおられる。
というわけで、マエキタミヤコさんが賛同人となっておられるデモクラTVもご紹介しておこう。

IWJと、デモクラTVをみていれば、大本営広報番組など見る気力はなくなるだろう。

2013年6月 8日 (土)

“敵を支援”したかどでブラッドリー・マニングは有罪。もし敵が民主主義ならば

Norman Solomon

2013年6月6日

ブラッドリー・マニングに対するあらゆる罪状中、最も悪質で示唆に富むのは“敵の支援”だ。

ニューヨーカーのブロガー、エイミー・デイビッドソンが提起した二つの重要な質問が、今、フォートミード陸軍基地の法廷や、全米中を漂っている。

*  “例えば、アメリカ軍が犯した戦争犯罪、あるいはアメリカ政府がついた嘘を暴露することは、敵を助けることになるのだろうか?”

*  “その場合、敵を援助しているのは一体誰だろう、内部告発者か、それとも犯人連中自身か”

戦争国家の欺まん的な作戦が白日の下にさらされることに耐えない場合、真実を物語る者は恒久的な危険分子となる。そして責任はひっくり返しにしておかねばならない。

それが、アメリカ軍の検事が冒頭陳述で、ブラッドリー・マニングに対する政府の主張を述べた際、責任がアベコベにされた理由だ。“本件は、同僚の兵士達の命を危険に晒す可能性がある、訓練に基づいて知り得た何十万もの機密書類を、組織的に集め、インターネットに流し、敵の手に渡した兵士についての訴訟である。”

もしそうであれば、仲間の兵士達は皆特に幸運だった。マニングが2010年に漏洩した結果、死亡したものはいないことを、国防総省は認めている。ところが、アメリカ政府が、それを暴露したかとでラドリー・マニングを告訴している嘘によってこそ可能になったアメリカの戦争で、同僚の兵士達の多くが四肢や命を失ったのだ。

現実社会では、グレン・グリーンウォルドが指摘する通り、漏洩に対する告訴は極端に偏っている。“マニング裁判での政府主張を、ワシントンで最も崇拝されているジャーナリストの一人に適用してみよう。WikiLeaksがこれまでに公開したどれより遥かに機密な情報を取得し公開することで、アメリカで一番とは言わぬまでも、最も裕福なジャーナリストの一人となったボブ・ウッドワードだ”グリーンウォルドは、1月にこう書いていた。

2011年のアルカイダ・ビデオで明らかになったように“ウッドワードの最も熱心な読者の一人はオサマ・ビン・ラディンだった”と彼は書いている。またグリーンウォルドは、“同じボブ・ウッドワードの著書[オバマの戦争]を、オサマ・ビン・ラディンは明らかに読んでおり、全員に読むように促したことは、ブラッドリー・マニングが漏洩したとして告訴されているどれよりもはるかに機密な無数の重要な国家安全保障上の秘密情報を暴露していることを示していると、書いている。これは、ひょっとしてウッドワードの情報源役をつとめた政府首脳連中や著者自身、アルカイダを支援、示唆したことにはなるまいか?”

しかしマニング告訴は、政府に至る情報を入念に限定することが狙いだ。アメリカの外交政策を運営する幹部連中は、どの機密情報を、少しずつ大衆に施すかを、厳密に選択している。ブラッドリー・マニングが漏洩したとして告訴されているどれよりも遥かに高度な等級の範疇である“極秘”情報を、彼等は、都合の良い口の軽い連中、ウッドワード等の主流派ジャーナリストに膨大に暴露しているのだ。

秘密を精選するのは、アメリカ政府の戦争を引き起こす幹部連中に役立つが、アメリカ国民の扱い方は、きのこ栽培法の典型的な説明とどこか似通っている。「暗所に置いて、いい加減なものを与えてやること。」

実際、戦争国家の最高経営者達にとって、“敵”は民主主義だ。

今年早々コラムニストのエイミー・デイビッドソンが提示した疑問を更に追求してみよう。もし“アメリカ軍が犯した戦争犯罪や、アメリカ政府がついた嘘を暴露”することが敵の支援になるのなら、実際に“敵を支援しているのは一体誰だろう。内部告発者か、それとも犯人連中自身か?”

そのような疑問に対する率直な答えは、ブラッドリー・マニングが裁かれている軍事法廷で認められないだけでは済まない。戦争国家が徳の権化を気取る国家的な場からも、率直さは排除される。

ところが、アメリカ政府が継続している行動は、アメリカ政府が公的に“敵”だとする勢力の宣伝と採用効果の勢いを大いに強化している。イラク、アフガニスタン、イエメン、そして更に他国での、高空をホバリングする無人機、ミサイル攻撃や夜襲、アブグレイブ、バグラム、グアンタナモや秘密移送拷問施設の監獄等、ブッシュとオバマの政権の下での“敵を支援する”政策は余りにも壮大な規模で、いわゆる(そして架空の)マニングの漏洩による、敵に対する支援とされるものなど、それと比較すれば無限小だ。

人道主義的な通信担当上等兵を“敵を支援した”かどで非難するのは、自らの膨大な戦争犯罪を認めることができない政権による自己免訴の行為に他ならない。

ブラッドリー・マニングを告訴する中で、起訴側は、アルカイダ、現地イラク人勢力、タリバンやら何やらの名前をあげるだろう。しかし、無名の“敵”、国防総省とオバマのホワイト・ハウスが熱心に鎮圧したがっている本当の敵とは、状況をよく説明された上で、国民が同意することを必要とする民主主義への絶えざる希求だ。

アメリカ政府高官が決まったように“敵”だと非難する勢力は、アメリカの支配的大企業-軍エリートの権力を決して脅かすことはない。ところが、ブラッドリー・マニングの勇気ある行動によって支援されている無名の“敵”、民主主義を、言葉だけに終わらせずに、よみがえらせかねない草の根の民衆は、権力にとって本当の潜在的脅威なのだ。

ジョンソン政権の欺瞞やアメリカ軍の残虐行為の暴露に取り組むマーチン・ルーサー・キング Jr.には敵を支援し、いやすという非難が多かった。キングが1964年にノーベル平和賞受賞して以来の年月のベトナム戦争に対する果敢な抵抗に対しては特に激しかった。

ブラッドリー・マニングは決してノーベル平和賞を受賞しないかも知れないが、彼は確実に受賞に値する。ノルウェーのノーベル賞委員会に、マニングに賞を授与するよう要請する請願に、既に60,000人に近い人々が署名した。署名されたい方は、ここをクリック

"私はブラッドリー・マニング" サイトで、間もなく公開予定の映画の第1段階で、最近公開されたばかりの短いビデオをご覧いただける。登場するのは、ダニエル・エルズバーク、オリバー・ストーン、マギー・ジレンホール、フィル・ドナヒュー、アリス・ウォーカー、ピーター・サーズガード、ウォレス・ショーン、ラッセル・ブランド、モビー、トム・モレロ、マイケル・ラトナー、モリー・クラバプル、デイヴィー・D、ティム・デクリストファー、ジョシ・スティーバー、ダン・チョイ中尉、ハキム・グリーン、マット・タイビ、クリス・ヘッジズ、アラン・ネアン、レスリー・ケイガン、アフダフ・スーエイフやジェフ・マドリック等だ。

あらゆる階層の人々にとって、ブラッドリー・マニングの裁判が進むにつれ我々の主張は一層、大きく、明瞭になるだろう。敵が民主主義である場合のみ、彼は“敵を支援”したかどで有罪だ。

ノーマン・ソロモンは、RootsAction.orgの共同創設者で、Institute for Public Accuracyの創設者、理事長。著書に“War Made Easy: How Presidents and Pundits Keep Spinning Us to Death”等がある。

記事原文のurl:www.normansolomon.com/norman_solomon/2013/06/bradley-manning-is-guilty-of-aiding-the-enemy-if-the-enemy-is-democracy.html

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日仏首脳共同声明「原発が重要」に唖然。武器共同開発も。

西欧帝国主義諸国によるシリア政府打倒の手先に渡される武器の中には、まだ日本製はないのだろう。やがて、世界中の民衆の殺害に日本製の武器が使われるようになる。

ドゴール大統領が、池田首相をトランジスタ・ラジオのセールスマンとあざ笑ったという話があるが、今となれば、原発や武器セールスマンと比べれば、立派な仕事ではないか?

政権のお決めになること、全て1%の支配層ため。

自民党の日本国憲法改正草案では、マニングがかけられているこの「軍法会議」の設置が規定されている。

9条の2の5
国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない 

宗主国の侵略戦争下請け部隊となる属国「国防軍」の膨大な戦争犯罪を認めることができない政権による、自己免訴のための制度に他ならない。

マニングの例で明らかだが、ひどさの詳細は、下記ダイアモンド・オンライン記事を。
軍法会議復活めざす自民党憲法改正草案の時代遅れ―軍事ジャーナリスト田岡俊次

しつこく何度も書くが、参院選(に限らないが)自民、公明、みんなや維新に投票する皆様、自分の首を絞めてくれる政治家のどこがお気に入りなのだろう?

日本の本格的な壊滅が始まる参院選以後を考えると、鬱陶しくてたまらないのだが。

2013年6月 7日 (金)

安倍政権、日本の過疎化を準備中

Wayne MADSEN

2013年5月11日

Strategic Culture Foundation

日本の右派、安倍晋三首相の自由民主党政権は、破損した福島第一原発からの有害放射能放出の為、日本列島の大半での強制的過疎化計画を練っていると、日本の消息筋が、ウェイン・マドセン・リポートに語った。

酷く汚染した東北と関東地域の完全過疎化は既に進行中だ。

京都大学原子炉実験所助教の小出裕章によれば、第一原発の1号、2号、3号原子炉から大気に放出された放射性セシウム-137の量は、アメリカが広島に投下した原子爆弾が放出したセシウム-137の500倍に等しい。

日本政府は、国際原子力機関(IAEA)に、セシウム-137の放出は、広島の原爆爆発のわずか168倍に過ぎないと報告している。

福島、千葉、東京、茨城、群馬、埼玉、神奈川、山梨、宮城、岩手と青森の各県を含む放射能で酷く汚染された日本の地域から、何百万人もの人々を移動させる計画ゆえに、安倍は、トヨタや三菱の自動車工場を含む日本の主要な産業インフラを、ロシア極東の危険性がより低い地域に移転しなければならない。この理由から、安倍はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と、トヨタ、三菱や他の工場のロシアへの開設について話し合った。安倍は、日本の国民と産業能力の移転に対するロシアの協力を重視して、旧ソビエト連邦が第二次世界大戦終結後に占拠した南部千島列島四島のロシアからの返還の問題は控えめに扱うことにしたと言われている。

実際、放射性の風と海流の卓越流のおかげの高い放射能汚染レベルによって、最終的に、北方諸島のロシア人住民の避難が強いられるため、千島列島は、ロシアにとっても、日本にとっても、もはや重要性を失った。

日本の大部分の過疎化を促進するロ-日協定の下準備として、両国は間もなく平和条約を締結するものと期待されている。条約は、紙の上では、いわゆる千島列島"北方領土"の積丹、国後と歯舞を、日本に返却し、ロシアは最も北の島択捉を保持する可能性が高い。

北日本におけるアメリカ空軍と諜報基地についても、アメリカ政府による再検討が行なわれている。高い放射能レベルが、青森県の三沢空軍基地から発進する米空軍F-16戦闘機の敏感な電子、コンピューター回路と、北朝鮮、ロシアと中国の軍事、商用通信を盗聴する為、国家安全保障局 (NSA)に成り代わって、アメリカ海軍、陸軍と空軍が運用している通信傍受システムを大混乱させていると言われている。

ペンタゴンは、アメリカによる、更に南方、シンガポールとオーストラリアへの航空機移転で、三沢の状況に対応した。バラク・オバマ大統領の"アジア重視"策が、軍用機や船舶の日本から南部の場所への移転を隠蔽している。

日本国民に対する放射能の脅威の程度を調査した日本当局筋は、日本列島に残された唯一比較的安全な地域は、大阪を含む、列島の南部だと結論を出した。

日本には、北部日本から住民を退去させる以外の代案はない。水、大気と食品は、セシウム-137と、セシウム-134で、危険な程、汚染されている。海の魚も淡水魚も、特に魚の骨のストロンチウム-90のレベルが、安全限度を遥かに越えて、汚染されている。多くの東北地域の米や、昆布、ワカメや海苔も酷く汚染されている。放射能に汚染された地域の牛乳で、高いレベルの放射性ヨウ素-131検知されている。

皮肉なことに、他の日本の地域と比較して安全な都市の一つは、1945年のアメリカによる二度の対日原爆攻撃対象の一つ長崎だ。日本当局は、大部分の日本国民を南部の九州と四国と本州南部に移住させることを想定している。

より裕福な日本人は、日本本土から遥か離れた場所への脱出を検討している。建て過ぎの香港高層マンション市場で、日本人に邸宅を売り込もうとする熱心さから、空港やフェリー・ターミナルの到着口で大歓迎する香港不動産の極端に活動的な営業担当者達に、日本人観光客やビジネスマンは包囲される。

国外居住する日本人の複合住宅地が、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピンとタイと、東南アジア中で急増しつつある。こうした国外居住者コミュニティーでは、商業看板や交通看板まで、日本語表記になりつつある。

将来の東アジアでは、ほとんど人の住まない北部と中部日本が現れる。日本の漁船団は東シナ海と、南シナ海の海域への展開を計画しているが、これは、日本と、中国や、台湾、ベトナムや他の国々との緊張を高めることになる。日本の漁船団には、琉球諸島や尖閣諸島の新施設を使おうという計画があるが、後者は中国との激しい海事紛争の対象だ。

北東アジアにおける日本人の大規模移住を予期して、イスラエルとアメリカ合衆国のハバド・ルバヴィッチ派ユダヤ人達は、地域の現在の4,000人というユダヤ人の人口を増やし、経済的・政治的勢力を増大させる為、ビロビジャンのユダヤ人自治共和国に移住しつつある。ヨシフ・スターリンが作り出したユダヤ人国家ビロビジャンは、イスラエル建国以来、ユダヤ主義者からは、ほとんど見捨てられていた。ところがロシア極東のガス田から、港湾都市ウラジオストックに向けた、液化天然ガス(LNG)パイプラインへの日本の投資支援計画で、ハバド派ユダヤ人は、金融的な儲けの可能性を見いだしたのだ。ビロビジャンのユダヤ人達は、ビロビジャン、ロシアや中国や、世界の他の国々に輸出する、ダイアモンドや、ファッション金塊や宝石をカットする為、北朝鮮の奴隷労働を利用している北朝鮮の犯罪組織との接触を強化している。

その多くがイスラエルのモサドと密接なつながりがあるハバド派ユダヤ人達による、北東アジアにおける政治・経済状況の変化に便乗して、離散ユダヤ人を、ビロビジャンに移住させようという計画がある。こうした活動は、2002年にイスラエルから移住したハバド・ルバヴィッチ派ラビのモルデカイ・シェイナーが組織している。ビロビジャンの学校での、ヘブライ語とイディッシ語教育と、ビロビジャンのマスコミでのイディッシュ・アシケナージ文化の拡散に対し、イスラエル政府が直接資金援助をしている。

第二次世界大戦前、満州の王族の下、大日本帝国政府が、満州国という傀儡国家を作った日本支配下の満州ハルビンの離散ユダヤ人達は、最終的にパレスチナのシオニスト・テロ組織イルグン・ツヴァイ・レウミとなった、ユダヤ主義のベタール結成に貢献した。ヨーロッパを逃れ、神戸のユダヤ人地区で暮らす多くのシオニストの人々は、戦争中、日本の独裁者東条英機が、自分達がハルビンや満州国の他の都市に移住するのを大歓迎しているのに気づき、間もなくビロビジャンのユダヤ人と提携した。ロシアのユダヤ人地区と満州国は、"小イスラエル"として有名になった。

福島災害の結果によるアジア状況の変化に、ハバド派や他のユダヤ人は、再度東アジアに関心を向けている。インドと東南アジアのハバド派工作員は、違法麻薬取引、特にケタミンやエクスタシーの密輸と販売や、ダイアモンド、金や宝石密輸につながっている。

そもそも福島原子炉メルトダウンを引き起こしたスタックスネット・コンピューター・ウイルス開発者のイスラエルは、日本の窮状とアジアの政治的、経済的変化の風を存分に活用する準備が整っている様に見える…

記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2013/05/11/abe-government-preparing-for-the-depopulation-of-japan.html
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検索すると、この記事翻訳を既に掲載しておられるブログがある。世の中広い物。

記事の信憑性、全くわからない。元のサイトに掲載される他の筆者の記事、概して、ごもっともに思える。この筆者の別記事、訳したことがあるが、興味深い内容だった。

イランのウラン濃縮施設が、スタックスネット・コンピューター・ウイルスで攻撃され、稼働停止に至ったのは有名だ。福島原発の監視は、イスラエル企業マグナBSPが行なっているということだから、筆者の推論、あながち荒唐無稽とは言えないかも知れない?

元記事には、コメントが一件だけ書き込まれている。「典型的なユダヤ陰謀論ではあるまいか?」という趣旨。ロシアでは、ユダヤ人に対する偏見、いまも根強いのだろうか。

産業移転の配慮や、お金持ちの自力脱出はあるだろう。しかし、国を丸ごと宗主国に無条件降伏で、引き渡す支配層が、国民の行く末を案じているわけなど皆無。

福島原発の被害者の皆様へのひどい対応をみれば、他の国民の離散先を探してくださる可能性など思いもよらない。しょせん、ワタミ社長を候補者にする政党。

緩慢な棄民政策を着実に推進」している可能性ならあるだろう。TPPによる日本崩壊政策も、国民保険破壊も、全て棄民政策と思えば、大いに納得できる。

ソ連はチェルノブイリ事故後、間もなく崩壊した。属国はフクシマ事故後、間もなく完全植民地となり、そして誰もいなくなるのだろうか?

先月、2012年4月15日に書かれた下記記事の翻訳が各所に載ったのを思い出した。なにかの理由はありそうだ。火のないところに煙はたたない。

Russia Stunned After Japanese Plan To Evacuate 40 Million Revealed

参院選公約で給与10%増してくださる与党もある。信じて投票する善男善女は多い。
中国の故事「朝三暮四」そのまま。と先の記事の末尾に書いた。アホノミックスでは「10年後には国民一人当たりの年収150万円アップ」と、更に上乗せ?公約、ひっかかる方がおられれば、善男善女というより「朝三暮四」の生物並ということか。国民多数が、おれおれ詐欺被害者?おれおれ詐欺とは違い、自民、公明、みんなや維新を選べば、未来永劫、孫子にたたるのに、困ったことだ。マスコミ、おれおれ詐欺には「注意しろ!」といってくれるが、ことアホノミックスとなると、大本営広報役に専念してくださるのが困る。

「朝三暮四」

詐術で人を愚弄すること。中国、宋に狙公という人があり、自分の手飼いのサルの餌を節約しようとして、サルに「朝三つ、夕方に四つ与えよう」といったら、サルは不平をいって大いに怒ったが、「それでは朝四つ、夕方三つにしよう」というと、サルはみな大喜びをした、と伝える『列子』「黄帝篇」の故事による。このエピソードに続けて、「聖人の智を以って愚衆を籠絡するさまは、狙公の智を以って衆狙を籠するが如し」とある。
転じて、目先の差別のみにこだわって、全体としての大きな詐術に気づかぬことをいう。目先の株価にこだわり、原発TPPで末代まで国を売ることを言う。

2013年6月 5日 (水)

アメリカ最大の苦難: 売女マスコミ

Paul Craig Roberts

2013年6月2日

ジェラルド・セレンテが、アメリカ・メディアに“売女マスコミ”とらく印を押したのは、実に至言だった。アメリカの印刷・TVメディア(そしてNPRも)アメリカ政府と大企業の娼婦だ。彼等は本当にニュースを報じることには全く興味がない。売女マスコミは、プロパガンダ・隠蔽省だ。買われ報酬を貰っている娼婦集団たる全欧米メディアに、これはあてはまる。

毎日、山のように多くの証拠を見ているように思える。例えば、5月31日を例にとろう。売女マスコミは、ジョン・ケリー米国務長官とドイツの相方が、ロシアは、武器で侵略されているシリア政府への供給を止め、シリアの“平和に与するよう”ロシア説得に取り組んでいると報じている。特にケリーとイスラエルは、ロシアには、S-300対空ミサイル・システムを、シリアに売って欲しくないと思っている。

これが売女マスコミ報道の限界だ。売女マスコミは、アルカイダにつながる過激派イスラム教徒によるシリア侵略は、サウジアラビアや産油首長国等、この地域におけるアメリカの代理人経由で、アメリカ政府によって組織され、武器を提供されているという事実には一切触れない。余りに愚かで売女マスコミを真に受けるアメリカ人は、シリア政府を打倒したがっているのは、シリア国民ではなく、非宗教的で余り好戦的でないシリア政府に反対するアメリカ政府、イスラエルや、過激派イスラム教徒だということを知らない。

一体なぜアメリカ政府は、非宗教的で余り好戦的でない政府の代りに、アルカイダにシリアを支配させたがるのか、アメリカ・マスコミとて怪訝に思うだろうと普通なら考えてもおかしくない。ところが、そうした疑問は、アメリカ・マスコミにとって聖域だ。

イスラエルは、これまでの所、代理人連中の陰に隠れているアメリカ政府と違い、実際に、シリアを軍事攻撃し、挑発されたわけでもないのに一方的に行う侵攻をシリアに対して開始したかどで、ナチスを裁いたニュルンベルク裁判による定義の戦争犯罪をあからさまにおかしている。

プーチンに対するケリーの圧力を報じながら、売女マスコミは、アメリカ政府が支援するシリア政府打倒の企みが困難に陥り、オバマ大統領が、国防総省に飛行禁止空域計画の策定、つまりリビアの前例によれば、シリア政府軍に対する、NATOとアメリカの空爆をするよう命じるに至ったことには全く触れない。S-300ミサイルは防御用兵器である為、シリア軍を攻撃すべくに、欧米やイスラエル空軍を送り込むというオバマの計画こそが、ケリーが、アメリカや、NATOや、イスラエル航空機を撃墜しかねないS-300ミサイルを、シリアに、引き渡す契約を履行しないよう、ロシアに圧力をかけている理由なのだ。

ケリーが大統領になっていれば、改善できたろうと信じた人々は、彼が戦争を商売にするふしだら者であるのを見て幻滅しているに違いない。アメリカでは、マーケティングが全てだ。真実など無意味だ。

本当の話は、アメリカ政府は、アメリカ政府のシリア政府打倒を不本意ながら黙認し、ロシアを地中海唯一のロシア海軍基地から追い出して、地中海をアメリカ政府の海、アメリカ政府のマレ・ノストラム、我らが海にすべく、プーチンを説得しようとしているのだ。アメリカの売女マスコミは、アメリカ政府がロシアに対し、もう一つの勝利を勝ち取り、次に対イラン戦争を始められるようする為に、アメリカ政府がシリア政府を打倒するのを支援しないことに対し、あらゆる責任をロシア政府に押しつけている。

アメリカ政府の承認の下で、かつては誇り高かった国家の面汚しとして、イギリス外相をつとめているウィリアム・ヘイグは、こう宣言して、このことを明らかにした。“我々はアサド抜きの解決を望んでいる。我々はアサド留任を受け入れない。”シリア政府はアメリカ政府やイギリス政府より人権を尊重しているのだから、これは驚くべき偽善だ。

ケリーがプーチンを言いくるめようとする一方、ホワイト・ハウスの広報担当者ジョシ・アーネストは、オバマ政権の最優先事項は、アサドを権力の座から排除することだと述べた。http://thehill.com/blogs/global-affairs/middle-east-north-africa/302773-white-house-no-role-for-assad-in-transitional-government アメリカとイギリスにとって、“平和”とは、武力によるシリア政府打倒を意味している。

一体なぜ国際連合は抗議しないのだろう? 答えは、諸国とその国連代表は、アメリカ政府によって買収されているのだ。金が物を言う。品格と正義は物を言わない。品格と正義は貧困に悩まされがちだ。国連は悪の帝国のものだ。アメリカ政府が国連を所有している。アメリカ帝国には金がある。アメリカが金で記事を書かせ、国連代表団がニューヨーク市を楽しめるよう予算を支払っている。

今日の世界では、品格は無価値だが、金は貴重で、ドルが世界の準備通貨なので、自国政府を含め、あらゆる国の政府を買収するのに十分な量を印刷することができる為に、アメリカ政府には資金がある。退任して一年、トニー・ブレアには350万ドルの財産がある。驚くべきクリントンの富を御覧じろ。報道によれば、320万ドルがチェルシーの結婚式に費やされたという。http://www.goingwedding.com/news_detail.asp?newsid=67

ヘイグは、イギリスとフランスは“シリア反政府軍への武装禁止を終了しようとしていると述べた。”ヘイグは、侵略軍を武装することが禁止されているのなら、侵略軍が一体どのようにして武装しているのかについては説明しなかった。だがヘイグは侵略軍とは誰か語ってくれた。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、エジプト(依然としてアメリカの傀儡)、アメリカ合州国、イギリス、フランス、トルコ、ドイツとイタリアで構成される“シリア国民連合”だ。明らかに、“シリア革命”についての話は全くのたわごとだ。シリアは、アメリカと傀儡諸国による政府打倒の企てに直面しているのだ。ケリーは、アメリカ政府にシリアを打倒させてくれと、プーチンを説得しようとしている。

これだけでは十分ではないかのように、5月31日にも、ナショナル・パブリック・ラジオで、E・J・ディオンヌと、ディヴィッド・ブルックスが、オバマ大統領の采配ぶりを論じるのを聞いた。二人とも“我々の大統領”をかばっている。どちらも“軍治安複合体の大統領”、“ウォール・ストリートの大統領”、“イスラエル・ロビーの大統領”、“モンサントの大統領”、“採鉱と、シェールガス水圧破砕の大統領”だとは、あえて言うことはしなかった。オバマは“我々の大統領”なのだ。

ブルックスもディオンヌも、メディアが、ベンガジ事件や国税庁によるティー・パーティー・メンバーの迫害を忘れ去ったこと、メディア支配下にあり、オバマに対する脅威ではないことに同意していた。デイヴィド・ブルックスは、無視されている経済問題があり、新たなアイデアなどないことを認めていた。ところが、イリノイ大学国際法教授のフランシス・ボイル博士が巧みに表現した様に、オバマの下で、アメリカは憲法の危機にあるというあからさまな事実に、http://www.informationclearinghouse.info/article35134.htm、NPR聴取者に正しい考え方を教えてくれるはずのNPRの評論家は決して触れず、人々も忙しすぎて注意を払わない。

現在のアメリカでは、行政府責任を負わない連中によって、広範ながら定義されていない言葉“テロ”と何らかの形で関連しているとされるアメリカ国民を誰でも、貧しい、あるいは病気のパレスチナ人の子供達への無害な寄贈者のような人々でさえも、証拠無しに、無期限に拘留したり、暗殺して、行政府は、アメリカ憲法に明白に違反している。行政府は、拷問や令状無しでの国民のスパイに対するアメリカ憲法やアメリカ法に明らかに違反している。議会は明白な犯罪にもかかわらず大統領を弾劾せず、連邦司法制度は、連中がそうするのを可能にしている。

ニクソン大統領は、彼に責任は無かった建物侵入窃盗の事を知った際、嘘をついたかどで、辞任に追い込まれた。クリントン大統領は、ホワイト・ハウス実習生、モニカ・ルインスキーとの情事について嘘をついたかとで、下院で弾劾された。

ジョージ・W・ブッシュ大統領は、あからさまな嘘を理由に、アメリカを戦争に引き込んだが、オバマ大統領も同様だ。両政権とも、戦争犯罪と、ほとんどあらゆる憲法や国際法違反で有罪だ。ところが、売女マスコミのメンバー誰一人として弾劾に触れようともせず、下院も決して告発しようとしない。

21世紀のあらゆる大統領、連中の弁護士、司法省幹部やCIAや非合法活動工作員連中が、法律を次々と破り、責任は全く問われていないことは疑いようがない。売女マスコミにとって、それは取るに足りない問題だ。“法の支配、憲法? むかつく法の支配やら憲法なぞいらないね。”

悪に買収され、報酬を得ている娼婦たる売女マスコミにとって、大切なのはオバマの安定した支持率だ。十代の女性が幼稚園卒業式で喧嘩をして逮捕されたこと。”世界で最も金持ちの人物として、マイクロソフトのビル・ゲーツは、メキシコのカルロス・スリムに水を開けた”“1400万ドル・ガール: ビヨンセがっぽり稼ぐ。”

憲法の危機? それは一体何だろう? 是非ともビヨンセの両脚をご覧あれ。今日、ドルがあがったのがお聞きになれまいか?

売女マスコミは重要な問題の何一つとして調査していない。9/11。責任を負わない権力の行政府への集中。権利章典の消滅。ボストン・マラソン爆破。アメリカ攻撃などしていないイスラム教徒に対する果てしない、説明のつかない戦争。

様々な関連犯罪を認めるよう圧力をかけられていたイブラヒム・トダシェフをFBIが殺害して、ボストン・マラソン物語は不条理の新水準に達した。売女マスコミは、トダシェフは武器を持っていたと最初に報じた。それは銃だったが、ナイフになり、更には売女マスコミは、植えつけられた偽情報のことを正式に報じた。のんきなアメリカ国民にとって、ダシェフの殺害を説明するにはそれで十分だ。FBIは犠牲者は武器を持っていなかったことを認めている。

ところが彼は7発銃撃されており、うち一発は後頭部だ。なぜFBIが息子を暗殺したのか父親は知りたがっているが、売女マスコミは何とも思っていない。アメリカの印刷・TVメディアや、“聴取者の局”のふりをしながら、大企業の献金を財源としている組織NPRから答えが有るなど期待してはならない。

トダシェフ殺害はゲシュタポの正義と比べてどうだろう? 一体どこが違うだろう? 後頭部への銃弾一発。そして、アメリカは、銃身からの弾丸と無人機からのヘルファイア・ミサイルを利用した軍/治安複合体のご厚意により世界にもたらされた、丘の上の輝ける光、自由と民主主義の源だ。更に、学校、大学やメディアでの徹底したプロパガンダ。

アメリカ政府は確実に毛やポル・ポトから学んでいる。相手を殺して屈伏させるのだ。

だがそれについて皆様が売女マスコミから聞かれるようなことは決してありえない。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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宗主国における“売女マスコミ”の跳梁跋扈のひどさ。まして、属国においておや。

大本営広報、朝番組で、狭い住宅で、東海トラフ地震対策として、一週間の備蓄をどう保管するか、知恵をご教示してくださる。人柄のよさそうなアナウンサーとタレント諸氏が。

梅雨時、家の中は危険な細菌だらけ。カビもある。致命的な細菌が、台所のフキンに溜まっていると警告してくださる。人類、いや生命全般は、発生以来、何億年なり、何万年なり、細菌やカビの脅威の中を、なんとか生き延びてきた。

しかし、人類、生命全般は、放射能と共生はしてこなかった。天然の強烈な放射能が絶えて初めて、生命体そして人類は出現し、繁栄に至った。その放射能を、人工的にわざわざ大量に生み出す愚劣さに、“売女マスコミ”は触れない不思議。

恐ろしいのは、もともと自然に存在する細菌やカビではない。恐ろしいのは、途方もない害毒を、果てしない期間、放出し続ける放射能だ。恐ろしいのは、それを放出する施設を推進する人間組織、政治家、官庁、企業体、組合、学者、マスコミ、宗教組織(神社本庁は強力な原発推進派)だ。“売女マスコミ”にとって原発は聖域だ。

狭い日本で、これまで派生した使用済み核燃料やら廃棄物を、どう保管するか、“売女マスコミ”様が知恵をご教示してくださると有り難い。あるいは「もんじゅ」や「備蓄プルトニウム」の処理方法を。

アフリカ諸国発展には気前良く融資するが、原発事故で避難した国民は棄民して恥じない。
「除染」というデタラメなお題目で、ゼネコンやピンハネで生きる組織に無限に金を注ぐことは喜んでするが、被災者が土地や住宅を購入する資金に回す金はない国。

参院選公約で給与10%増してくださる与党もある。信じて投票する善男善女は多い。
中国の故事「朝三暮四」そのまま。

詐術で人を愚弄すること。中国、宋に狙公という人があり、自分の手飼いのサルの餌を節約しようとして、サルに「朝三つ、夕方に四つ与えよう」といったら、サルは不平をいって大いに怒ったが、「それでは朝四つ、夕方三つにしよう」というと、サルはみな大喜びをした、と伝える『列子』「黄帝篇」の故事による。このエピソードに続けて、「聖人の智を以って愚衆を籠絡するさまは、狙公の智を以って衆狙を籠するが如し」とある。
転じて、目先の差別のみにこだわって、全体としての大きな詐術に気づかぬことをいう。目先の昇給にこだわり、原発TPPで末代まで国を売ることを言う。

大本営広報部にも政府を批判する自由は有る。今日のニュースを見ればわかる。
天安門事件から24年後、腫れ物にさわらぬようにする中国政府の批判なら自由だ。

売女マスコミにとっては、不倫離婚したタレントの番組降板が大切だ。同居女性にまつわる騒動後初会見でのタレントの謝罪が大切だ。不発弾処理が大切だ。豪州戦が大切だ。

『社会保障も聖域とせず…「骨太の方針」素案』にも、唯々諾々と、自民、公明、みんな、維新等に票を投じる多くの皆様。それを見越して、プロレスラー氏、維新から立候補。

大阪市長は自民党総裁では言えない極論を、代理として発言して、反応を見たり、あるいは、徐々に右へと移行したりする補助役を演じているのではという記事を読んだ。ありうるだろう。シリア介入における宗主国と傀儡諸国の振る舞いを見れば。

橋下大阪市長や、府知事、安倍首相等の奇矯な言動も、宗主国代理と思うとわかる気がする。

漫才のボケと突っ込み。言いすぎるキャラクターと、たしなめるキャラクター、というよりむしろ「一刻堂と腹話術人形」のようなものかも知れない。

宗主国があやつり、属国が口パク人形役を果たしている。あの絶妙な口調といい、トップも腹話術人形に見えてくる?

2013年6月 3日 (月)

資本主義の社会的費用

Paul Craig Roberts

2013年5月30日

私が経済学の大学院生だった時代には、資本主義の社会的費用は、経済理論における大問題だった。ここ数十年、資本主義の社会的費用は爆発的に増えたのに、この問題は、もはや経済門家を悩ませてはいないように見える。

社会的費用というのは、製造業者が負担しない、あるいは製品価格に含まれない製造費用のことだ。典型例は数多い。大気汚染、水質汚染、採鉱、天然ガス採掘の水圧破砕、石油掘削や、パイプラインの漏れ、化学肥料農法による土壌汚染、GMO、農薬、原発事故で放出される放射能、抗生物質や人工ホルモンによる食品の汚染等。

これらの伝統的な社会的費用は、明確に定義された財産権によって対処できると考える経済専門家がいる。情け深い政府が、社会的費用を、社会の為に管理してくれると考える向きもある。

現代、グローバリズムによってもたらされた新たな社会的費用がある。先進国にとって、それは、製造業と専門的サービス業の海外移転による失業、消費者収入や、税基盤や、GDP成長の消失、そして貿易赤字と経常収支赤字の増大だ。貿易赤字と経常収支赤字は、通貨の交換価値の下落と、輸入価格のインフレ的高騰をもたらす可能性がある。開発途上国にとっての費用は、自給自足ができなくなることと、国際企業の需要に合わせる為の、農業のモノカルチャーへの転換だ。

グローバリズムとは自由貿易であり、自由貿易は常に良いものだと誤って思いこんでいる為、経済専門家達は、社会的費用の、この新たなまん延に無関心だ。

経済専門家達は、規制撤廃の社会的費用にも気付いていない。“大きすぎて潰せない銀行”に対する膨大な公的助成金が必要な継続中の金融危機は、政府が、金融制度の規制を撤廃しろというウォール・ストリートの圧力のいいなりになり、グラス-スティーガル法を廃止し、投機筋に対する取引額限度を無くし、商品先物取引委員会にデリバティブ規制をするのを禁じ、反トラスト法を空文と化し、膨大な経済力の集中を可能にした結果による、社会的費用だ。大企業ロビーが成功することによる社会的費用は膨大だ。ところが、市場は自己調整するものだと信じている経済専門家達は、莫大な社会的費用ではなく、効率上、莫大な進歩が得られたと考えているのだ。

規制撤廃された金融制度を破綻させずにおくために、連邦準備制度は過去数年間にわたり何兆ドルも流動性を供給してきた。本当の金利は、マイナス領域に追い込まれている。退職者達は貯蓄に対する利子所得を全く得られず、生活費をまかなう為に貯金を取り崩さざるを得なくなっている。

連邦準備制度の量的緩和政策による、金融市場への流動性の供給は、膨大な債券、株式市場バブルを生み出した。バブルがはじければ、より多くのアメリカの資産が消失し、より多くの雇用が失われる。

雇用海外移転の社会的費用という例を考えてみよう。アメリカ企業が、アメリカ人に売る商品やサービスを海外で生産すると、アメリカに流れ込む商品やサービスは輸入となる。そこで、貿易赤字は比例して増加することになる。

貿易赤字とは、アメリカは、輸出で外貨を稼ぐより多く輸入しているということだ。大半の国にとっては、これは問題になるが、アメリカではそうならない。米ドルは世界の準備通貨、つまり国際支払いの手段なので、外国の中央銀行が自国通貨の価値を保証する為に、米ドルを準備金として持ち続けるのだ。

時間がたつにつれ、外国人が、貿易黒字で得たドルを、収入を生み出すアメリカの資産の買収に使う為に、この利点は不利益に転換する。外国人が、米長期国債やアメリカ企業の社債を購入し、利子収入は外国に出ていってしまう。彼等はアメリカ企業を買い入れ、利益、配当やキャピタル・ゲインはアメリカから出て行く。彼等がシカゴのパーキング・メーターや、アメリカの有料道路を賃貸し、収入は外国に流出する。

収入の膨大な流出は、アメリカにとって、経常収支の大赤字をもたらし、つまり外国人が更なる余剰ドルを得て、それで更にアメリカ資産を購入することになる。言い換えれば、慢性貿易赤字は、アメリカの収入や利益を外国の手中に入るよう変える方法なのだ。

国家の所有権が、自国民から、外国人へと変わりつつある。ロイターによれば、1971年、外国企業は、アメリカの全企業資産の1.3%を所有していた。http://www.reuters.com/article/2008/08/27/us-companies-ownership-usa-idUSN2744743020080827

Economy In Crisisの記事によれば、2008年迄に、鉱業の21.5%、製造業の25%、卸売業の30.2%、情報産業の12%、不動産業の12%、金融業と保険業の15%、専門的、科学的、技術的サービス業の25%、娯楽とレクリエーション業の11%、宿泊業と飲食サービス業の11%を含め、外国人がアメリカ全産業の14.2パーセントを所有している。http://americawakeup.net/ownership

今や非常に多くの著名アメリカ・ブランド名は外国人が所有する企業だ。バドワイザーはオランダ企業のものだ。アルカ・セルツァーはドイツ企業のものだ。ファイアーストーンは日本企業のものだ。雑誌のカー・アンド・ドライブや、ウーマンズ・デイはフランス企業の所有だ。ガーバー・ベビー・フードやピュリナ・ドッグ・フードはスイス企業のものだ。ヘルマン・マヨネーズやベン & ジェリーのアイスクリームはイギリス企業のものだ。アメリカ企業の生産の海外移転によって膨張したアメリカ貿易赤字の結果として、何千もの元アメリカ企業が外国の支配下に入っている。

海外で一番安い労賃を追い求める政策、つまり自由貿易の基本である比較優位の正反対の、絶対優位を追求することは、アメリカの利益、キャピタル・ゲイン、不動産収入、利子、パーキング・メーターや高速道路料金の行き先を外国の手中へと変えることなのだ。

だから、自分達の業績賞与を最大化する為、短期利益を追い求める大企業幹部のおかげで、莫大な社会的費用が生じているのだ。海外移転された生産による利益は、経済効率や社会福祉の兆候ではない。アメリカに対する海外移転された製造の社会的費用は、雇用を海外移転することで得られる利益を上回り、アメリカ経済に対する純損失となる可能性が極めて高い。GMOの社会的費用が、モンサントの利益を越えるだろうことに疑問の余地はほとんどない。

だが、主流派経済専門家達が注意を向けてくれるだろうなどと期待してはならない。連中は、グローバリズムの利点、高失業率と低賃金、金融危機と、ドル価値の下落というニュー・エコノミーの賜物を、依然とうとうとまくし立てている。http://rt.com/usa/dollar-danger-as-world-currency-977/

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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同じ著者の同様趣旨の記事『我々にとっての沈黙の春?』 2012年6月19日、「外部費用」という単語が使われている。

「社会的費用」という言葉、名著『自動車の社会的費用』宇沢弘文著、岩波新書を思い出す。これだけは手元にある。『環境破壊と社会的費用』(K.W.カップ著)という本を昔読んだ記憶がある。あるいは宮本憲一『環境経済学』。
年代から想像すると、著者が触れているのは、同じK.W.カップでも『私的企業と社会的費用―現代資本主義における公害の問題』あたりだろう。

    • 足尾鉱毒の社会的費用、古河銅山の利益を越えていただろうか?
    • イタイイタイ病の社会的費用、カドミウム生産の利益を越えていただろうか?
    • 水俣病社会的費用、チッソの利益を越えていただろうか?
    • アスベストの社会的費用、メーカーの利益を越えていただろうか?
    • 原発の社会的費用、原発、燃料製造元、電力会社や政治家の利益を越えること余りに明白。
    • 兵器の社会的費用、当然、軍需産業の利益を越えるだろう。

そういう膨大な社会的費用をものともしない多国籍企業に国家支配をまかせるのがTPP体制だ。膨大な社会的費用を合法化するとんでもない怪物。

『環境破壊と社会的費用』(K.W.カップ著)柴田徳衛・鈴木正俊訳 岩波書店 1975/10/29刊の冒頭の一部をご参考までに転載しておこう。

日本の読者へ

 かつてイギリスとアメリカが、ひたすら経済発展をはかったため社会と自然を無惨に破壊した代表例とされていました。しかし今、西欧諸国と日本、とくに日本が急激にこれら両国に追いつき、さらにこと環境破壊にかけては、それを追いこしてしまいました。過去二〇年の間に日本を何回か訪れた人なら、その訪れるたびに、社会と自然の環境破壊が大きく進んでいることを痛感したでしょう。一九五〇年代に海外からこの日本を訪れた人々は、まだ小ぢんまりした都会のすぐ外側に、緑濃い渓谷、川の清流、豊かな穂波の美しい田園……がひろがるのを楽しむことができました。しかし六〇年代に様子は大きく変り、七〇年代に入ると、眼前にあるものは、東京・大阪・四日市・富士市といった恐ろしく急膨脹した都市と、その内外にひろがる極端な河川や海岸の汚れ、大気汚染……です。さらに自動草の氾濫、地価急騰、水俣病にイタイイタイ病等々は、挙げるまでもないでしょう。
 日本のダイナミックな成長が、美しい風光をこれほどまでに傷つけたといっても、社会的費用の問題を少しでも真剣に考えたら、それほど驚くにも当らないでしょう。ただそれにしても、過去二五年間における日本の変貌ぶりは只事ではなく、その経済復興と発展が特別の条件下でなされたといわざるをえません。もちろん、技術革新、高度成長、都市化がもたらす荒廃を少しでも防ごうとして示された、幾つかの自治体の努力や成果は否定できません。しかし、日本経済の量的な成長・繁栄がどのような利益をもたらしたにせよ、それは環境破壊という高い社会的費用の犠牲を払って達成されたものであり、その犠牲が広く社会に転嫁され、とくに低所得者層や次の世代に重い負担となる事実は消すことができません。

著者、草葉の陰で、『原発の環境破壊と社会的費用』を書かねばならないと、悲しんでおられるに違いない。

梅雨とはいえ、真夏のような日射の中の6・2 No Nuke集会、芝公園では福島で農業をしておられた渡辺様がまっとうな怒りを表明された。

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貧しい地域の人々をわずかな恩恵と引き換えに、安全・安心といって騙した。
その危険な代物を、世界に売り歩いているのは、昔世界に日本が迷惑をかけたことの繰り返しではないか?また大変な迷惑をかけることになる、と。

デモ参加者昨年に比べて減ったという。減少、小平の住民投票と同じ理由だろう。即効性がなければ、意味がない...と。

壇上の演者の皆様の何人かがおっしゃっていたとおり、デモだけではなく、選挙で売国政治家を落選させなければ、政策は変わらない。原発廃止を主張し、実行する政治家をえらばなければならない。自民、公明、みんな、維新やなどではなしに。

南海トラフ地震に備えよと新聞・テレビは連日かき立てている、被害220兆円想定 3・11の10倍。原発災害は計算に入っていない。
ペットボトル、レトルト食品、臨時トイレで一週間生き延びても放射能には勝てない。
不思議なことに、原発震災に備えるべき政府も電力会社も大本営広報部も、原発の危険に触れず、廃炉の検討は一切しない。ついには廃炉費用を電気代に上乗せするという。支配層諸氏、頭がメルトダウンしているに違いない。原発を導入してくれと言った覚えはない。原発と人の命は両立しない。

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原爆の被害国というのは、3/11までの話。今、日本は、放射能加害国家。
宗主国に莫大なお金を支払って、海兵隊用の基地を活用して頂いているのは、世界に無辜の被害者を生み出す、社会的費用発生の片棒を担ぐことに他ならない。
イスラム教原理主義テロリストが本当に存在するのであれば、日本の原発破壊を狙って不思議はない。

日米宗主国・属国体制の社会的費用、宗主国・傀儡支配層の利益を越えるだろうこと疑問の余地は全くない。

GMOの社会的費用が、モンサントの利益を越えるだろうことに疑問の余地はほとんどない。と著者が指摘される中、アメリカで違法な遺伝子組み換え小麦が発見された。

映画『世界が食べられなくなる日』

慰安婦発言の後、とうとう大阪は、オスプレイを受け入れるという。異神の怪も、安全保障・基地なる真っ赤な嘘も、現代の代表的社会的費用だ。

パナソニック創業者が作った整形塾政治家の社会的費用、パナソニックの利益を越えるだろう。

だが、主流派の経済専門家達が注意を向けてくれるだろうなどと期待してはならない。連中は、アベノミックス、TPPの利点、高失業率とユニクロやワタミの低賃金、裁量労働制導入、金融危機と、円価値の下落というニュー・エコノミーの賜物を依然とうとうとまくし立てている。

IWJ

2013/04/16 「事故コスト、事実上は国民負担」―原発ゼロノミクスキャンペーン・シンポジウム 原発ゼロノミクス~脱原発のコストと経済性~

 16日、原発ゼロノミクスキャンペーン、eシフト主催で原発をコストの面から考えるシンポジウムが開催された。講師として、原子力発電のコストなどを研究している大島堅一氏と原子力撤廃を主張している城南信用金庫理事長の吉原穀氏が招かれた。
 大島氏は、「福島原子力発電事故のコストを負担するのは東電であるが、事実上は国民が負担」と話し、参加した人々にコストの内訳などの説明をした。また、吉原氏は再稼働中の大飯原発やアメリカでの原発に対する動きなどを説明した。

■内容
 ・原発の本当のコスト 大島堅一氏
 ・対談「脱原発で変える経営と地域」 吉原毅氏×大島堅一氏

■詳細
 http://zeronomics.seesaa.net/article/353994276.html

このアーカイブの完全版は、IWJ会員のみ閲覧・視聴ができます。

2013年6月 1日 (土)

モンサントのGMOキラー種子: 人の健康より利益優先

Stephen Lendman

Global Research

2013年5月26日

5月25日、世界中で、200万人以上の人々が反モンサント行進(March Against Monsant)をした。世界中の何十ヶ国で人々が行進した。彼らには当然の理由がある。彼らは消費者保護の立法を望んでいるのだ。彼らは食べて安全な食品を望んでいるのだ。彼らは政府にそれを保証させたいのだ。彼らはGMO食品や成分を品質表示させたいのだ。

“我々は一体なぜ行進するか?”という見出しの“反モンサント行進”(MAM)ページ

独立した研究は、GMO食品や成分が“癌腫瘍の発生や、不妊症や、出生異常等の深刻な健康状態”を引き起こすことを示している。

元モンサント幹部だった連中が食品医薬品局(FDA)を運営している。明白な利益相反が存在している。

2013年3月に成立したモンサント保護法には“裁判所が、モンサントの遺伝子組み換え種子の販売を差し止めることを禁止する”条項がある。

“余りに長期間、モンサントは企業助成金や政治的えこひいきの後援者であり続けている。”

“モンサントが、種子や、遺伝子構造に対する特許権を含む、世界の食品供給を巡る独占を構築し続ける中、有機栽培、小規模農家は損失を被っている。”

“モンサントのGM種子は環境に有害だ。例えば、科学者達は、それが世界中の蜂の蜂群崩壊症候群の要因となっていることを示している。”

反モンサント行進MAMは下記を主張している。

    • 自然食品の購入
    • モンサントが所有する企業のボイコット
    • モンサント保護法の悪い条項の廃止

    • GMOのヒトの健康に対する影響についての、より独立した研究

    • モンサント幹部と、共謀している政治家連中に責任をとらせる

    • “モンサントの秘密”について、人々に周知

    • “世界とモンサントに、我々は、こうした不正を黙って見過ごさないことを示すため街頭で抗議をする。”

“我々は縁故主義を我慢しない。我々は毒を我慢しない。だから我々はモンサント反対行進をする。”

1906年、アプトン・シンクレアの暴露小説“ジャングル”が大衆を目覚めさせた。小説は独占資本主義のゆきすぎ、労働者搾取、屠殺場や食肉加工工場の不衛生な慣習を暴露した。

ヒトの健康に有害な食品が製造されていたのだ。それを止めるため、何もされていなかった。そんなことは思いも寄らない消費者達はそれを食べていた。

ジャック・ロンドンは、シンクレアの本は“我が国は実際にはどういうものか、虐待と不正のメッカ、苦難の悪夢、苦労の猛火、人の地獄、野獣達のジャングルを描き出した”と語った。

セオドア・ルーズベルトが大統領だった。一般大衆の抗議は良い結果を得た。1906年、純正食品・薬品法が成立した。法律で完全な保護はできなかった。法律は最悪の虐待の一部を禁止するのに役立った。

過ぎし年の改革は消えてしまった。そうした法律はもはや存在しない。規制緩和がそうした法を無くした。利益だけが重要だ。アメリカ実業界は望むものを手に入れるのだ。アメリカ実業界が国を運営している。アグリビジネスや他の産業部門がアメリカ政府を占拠しているのだ。

連中が政策を決定している。彼らが法律を起草し、議会がそれを成立させる。普通の人々には発言権がない。政治家連中は易々と買収される。大衆の健康と環境の健全さは無視されている。大企業の強欲だけが重要なのだ。

大企業幹部連中が、食品医薬品局(FDA)、保健社会福祉省(DHS)、労働安全衛生監理局(OSHA)、環境保護局(EPA)や他の政府機関を動かしている。

アメリカの食糧供給が損なわれている。遺伝子組換え食品が蔓延している。遺伝子組換え食品は食べて安全ではない。遺伝子組換え食品はヒトの健康に悪い。独立した研究が、それを証明している。

モンサントは世界の主導的なGMO種子生産者だ。同社はヒトの健康を犠牲にして、儲けている。同社はあらゆる動物と植物の生命体の特許を取得しようとしている。同社は世界中の食物を支配しようとしている。

同社は内容表示を禁止したがっている。同社は信頼できる科学を覆い隠したがっている。同社は食品の安全問題は無視されて欲しいのだ。同社は消費者には発言権を持たせたくないのだ。

同社は批判する人々を沈黙させたがっている。同社はそういう人々の評判を落とそうとしてきた。同社はアメリカ政府内部に膨大な影響力を持っている。同社はやりたいようにやってきた。そういう時代はとうに終わっているはずだ。普通の人々はそう要求すべきだ。食品の安全は無視するには余りに重要だ。

モンサントの不自然な食べもの』(日本語版映画のリンクはこちら)は論議の的となる同社の実績を列挙している。強力な映画だ。映画はこれまで販売された物の中で最も有毒な製品のいくつかを説明している。

モンサントの欺瞞、圧力、共謀や賄賂は、そうするための定番戦術だ。

秘密文書が暴露されている。実際の経験に基づく説明が提示されている。犠牲者、科学者、政治家等が、それぞれの経験を語っている。

この映画は、禁ずべき有害な製品を認めさせるよう各国政府を操る上で、なぜモンサントが、世界的シンボルなのかを説明してくれる。映画は大衆行動を促す警鐘だ。

モンサントの実績には、これまで製造された最も有害な製品のいくつかがある。そうしたものの中には、エージェント・オレンジ、DDT、牛の遺伝子組み換え型成長ホルモン、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、アスパルテームとラウンドアップ除草剤等がある。

インスティテュート・フォー・リスポンシブル・テクノロジーのジェフリー・スミスは、モンサントの歴史は“欺瞞、欺瞞、欺瞞”だという。それゆえに同社は“信じることができない”と彼はいう。

後に公開された同社自身の文書が、モンサントは即座に、同社製品の多くがヒトの健康に有害であることを知っていたことを明らかにしている。ある同社メモはそうした製品の販売を正当化していた。“一ドルの商売さえ失うわけにはゆかない”とあった。

2011年12月、ナチュラル・ソサエティーは、モンサントを“2011年最悪の企業”と呼んだ。同社が“ヒトの健康と環境の両方を脅かす”ことによるものだ。

同社はアメリカのGMO種子市場の90%を支配している。同社のラウンドアップ除草剤は、アメリカ、ヨーロッパ、南米、オーストラリアと南アフリカで、12000万ヘクタールを汚染している。同社の他のバイオ農薬は汚染を増大させる。

コーポレート・アカンタビリティー・インターナショナルは毎年調査を行っている。“皆様に最悪中の最悪企業を選んで、‘勝者’をアメリカ不名誉企業の殿堂に祀って頂きたい”とある。

2012年にはモンサントが選ばれた。同社は“有毒化学物質を大量生産し、積極的に小規模農場を破綻させ、(ヒトの健康を害する有害なGMO)種子をやたらに推進し、またもや、世界の食糧不足を悪化させている。”

フード & ウォーター・ワッチは言う。“モンサントの種子支配は農民、環境と世界経済を害している”。

同社の食料体制の勢力範囲は“侮り難い”。同社の種子は、トウモロコシの約86%と、大豆の約93%を占める。大半の加工食品にはそれが入っている。

モンサントはGMOを世界的に普及させたがっている。アメリカ政府は積極的にそれを推進している。国務省は、アグリビジネス・バイオテクノロジー大使として活動している。

国務省は、GMO普及を可能にすべく、各国政府にロビー活動し、圧力をかけている。国務省は巨大企業になりかわって広報活動をしている。国務省は食品安全の問題を無視している。国務省はGMO品質表示に反対している。

アメリカ大使館は積極的に関与している。フード & ウォーター・ワッチ国際政策部長ダーシー・オキャラハンが、リアル・ニューズ・ネットワークのインタビューを受けた。

彼女は926通の外交電報について話した。WikiLeaksがそれを公開した。電報は国務省による積極的なバイオテクノロジー推進を示していた。ごまかすような形で行われている。

GMO種子について虚偽の主張がなされている。各国政府は圧力を受けている。フード & ウォーター・ワッチの事務局長ウェノナ・オウターは語っている“アメリカ国務省は、民主主義ではなく、種子を売りこんでいます。巨大バイオテクノロジー企業になりかわって宣伝活動をしているのです。”

“国務省は、開発途上国にバイオテクノロジー作物を押しつけるために外交力を誇示すべきではありません”

“現在、アメリカ政府が、ヨーロッパや環太平洋の国々と密かに交渉している重要な通商協定は、懐疑的で、いやがっている国々に、バイオテクノロジー産品輸入の受け入れや、バイオテクノロジー作物の商品化を強いて、GE食品の品質表示を禁ずるものです。”

“この狂気は止めなければなりません。アメリカ政府は、巨大バイオテクノロジー種子企業の宣伝係になるべきではありません。”

ナショナル・ファミリー・ファーム・コアリション理事長ベン・バーケットは語る。

“維持可能な農業発展や食物の主権を求めて、開発途上国の圧倒的な人数の農民が、バイオテクノロジー作物を拒否しています。”

“高い種子や農薬を用いるバイオテクノロジー農業モデルは,農民に果てしない借金暮しを強いるものであり、経済的にも、環境的にも長続きしうるものではありません。”

オーガニック・コンシューマーズ・アソシエーションの事務局長ロニー・カミンズはこう語っている:

“モンサント、デュポン、シンジェンタ、バイエルやダウが、150億ドルの世界のバイオテク種子市場を維持、拡大したがるのは驚くべきことではありませんが、幾つかの国々の政府や国民が反対しているにもかかわらず、国務省がそうした大企業の狙いを支持して加担しているのには驚かされます。”

“アメリカの納税者のお金は、少数の巨大バイオテク企業の狙いを推進するために使われてはなりません”

フード&ウォーター・ウォッチは、安全で、入手しやすく、手頃な価格で、持続可能な形で生産されることを望んでいる。“行動を起こそう”同誌は呼びかけている。全員に自分達が何を食べているかを知る権利がある。

GMO食品と成分はヒトの健康に有害だ。ジェフリー・スミスの調査研究は、GMOを“有毒な、アレルギー反応、不妊症や、事実上、研究した実験動物のあらゆる内臓器官への損傷”と結びつけている。

モンサントや他の巨大バイオテク企業は各国政府を欺いている。連中はヒトの健康や環境の安全よりも利益を優先している。健康でありつづけるためには、そもそも有害な物質を食べないことだ。

独立した研究は注目すべき証拠を明らかにしている。GMOはヒトの健康に有害だ。モンサントは世界最大の種子生産者。同社の実績は無責任な振る舞いを示している。

スミス氏によれば、そうした振る舞いには“広範な賄賂、監督官庁乗っ取り、同社製品に関する否定的な情報の隠蔽。”

同社は、あえて、そういう事を報じるジャーナリストや科学者達を脅迫する。同社は、ずっと前から、信じられない会社であることを示してきた。

5月25日、世界中で何万人もが反モンサント行進をした。彼らは政府が国民に安全な食品を保証するよう要求している。彼らはGMOの品質表示を要求している。

アメリカでは今すぐにもとはいかない。5月23日、上院はそれを圧倒的多数で否決した。

農業法案修正案は、71対27で否決された。圧倒的多数のアメリカ人が品質表示を要求しているにもかかわらず、否決されたのだ。

人々には知る権利がある。消費者保護団体はそれを要求している。モンサントは欲しいものを入手している。アメリカ政府はそういう形で機能している。

Stephen Lendmanはシカゴ在住。lendmanstephen@sbcglobal.netで連絡がとれる。

彼の新刊書名は“銀行家による占領: 人類に対してしかけられている戦争。”

http://www.claritypress.com/LendmanII.html

彼のブログは、sjlendman.blogspot.com。

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金曜のアメリカ中部時間午前10時と、土曜と日曜の正午に放送している。いつでも聞けるよう、全ての番組がアーカイブされている。

http://www.progressiveradionetwork.com/the-progressive-news-hour

http://www.dailycensored.com/monsanto-profits-above-human-health/

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/monsantos-gmo-killer-seeds-profits-above-human-health/5336399

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文中に引用されている、アプトン・シンクレアの『ジャングル』については、wsws.orgの下記関連記事を翻訳してある。お読み頂ければ幸い。人ごとではない。TPPによって、そうした処理による食肉のみ、思う存分食べられるようになる。

2012年11月5日付けのJosh Sagerによる記事No Matter Who Wins the 2012 Presidential Election Monsanto Benefits「2012大統領選で誰が勝とうと、モンサントは儲かる」の挿絵。

 

モンサントがベルトコンベアに乗った政治家達(人名に注意)に寄付金を噴霧しながら言う。

「豊作の遺伝子組み換え公僕連中は、下からの声には100%耐性があるんだぜ。」

狂言回しの鳥?が言う「アメリカの有権者は全くの害虫だ。

この記事の話題、5・25反モンサント行進、東京でも行なわれた。

『STOP TPP!! 官邸前アクション これまでのアクションまとめページ』の
2013.5.25 March Against Monsantoに日本語の詳しい報告がある。

もちろん、大本営広報部、知りながら全く報道せず、異神関連記事ばかり。異神騒ぎ、こうした重要なイベントの隠蔽にも使い勝手が良い。

TPPで、宗主国の素晴らしい前例に習って、そもそも「遺伝子組み換え」表示をするラベルは禁じられる。食べ放題。

映画「世界が食べられなくなる日」を是非ご覧になられるよう。

映画『世界が食べられなくなる日』

経団連会長氏は、モンサントと提携している住友出身。TPP・新自由主義・原発推進は、我が身大事から。見習うべき出世哲学。

反TTPの論客、中野剛志氏の『TPP亡国論』には、186ページから、「食糧の戦略性」が書かれている。

穀物は、石油より政治的パワーが強い

アメリカの穀物輸出に大きく依存してしまっている日本は、かなりリスクの高い状況下にあります。アメリカに支配されているも同然だと言えるのではないでしょうか。190ページ

もっと恐るべきは「F1品種」の問題です。これについては島崎氏の著作を参照してみましょう。192ページ

現在では、市販されている野菜類の九割以上がF1品種となっており、しかも、アメリカのモンサント社という多国籍企業がFl品種の種子をほぼ独占し
ています。F1品種の優秀性は一代限りなので、採種しても意味がないため、農家はモンサント社からの種子を購入し続けなければなりません。192-193
ページ

中略

日本の野菜類の自給率は約八割ですが、その 種子はアメリカからの輸入に依存しており、かつ依存し続けなければならない状態になってしまっているの
です。アメリカのモンサント社は、F1品種の特殊性と日本の農業の構造を戦略的に活用して、日本を支配する恐るべきパワーを手にしたというわけです。
193ページ

中略

農業市場の開放は、農産品といっしょに、こうした強大な政治的なパワーをも国内に招き入れることになります。日本の政治が、アメリカの利益集団の圧力を受けるようになるのです。「国を開く」というのは、そういうことです。193ページ

中略

TPPによって日本の農業の既得権益とその政治力が破壊されたのち、それにとって代わるのは、もっと強力なアメリカの農業の既得権益と政治力なので
す。それ以前に、TPPという外圧自体からして、その背後にはアメリカの農業利権が控えていることでしょう。構造改革論者は、国内の利権には目くじらを立
てるのに、日本を支配しようとする外国の利権については、どうして無警戒で、寛容ですらあるのでしょうか。194ページ

島崎氏の著作とは『食料自給率100%を目ざさない国に未来はない』島崎治道著、集英社新書のこと。

下記は以前翻訳した関連記事の一部。(自動的に記事末尾に生成される同一テーマの記事、アクセス頻度で選ぶのだろうか、重要性とは無関係のようだ。)

というわけで、下記シンポジウムは必見。大本営広報電気箱とは違う重要な会合。

2013/05/29 TPP国際シンポジウム ―農業だけじゃない?TPPの問題はこれだ!―

2013年5月29日(水)、東京都千代田区の参議院議員会館で、「TPP国際シンポジウム ―農業だけじゃない?TPPの問題はこれだ!―」が開かれた。(サマリー作成中です)

■内容
 <第1部 講演>
  ジェーン・ケルシー 氏(ニュージーランド/オークランド大学教授)
  ロリ・ワラック氏(アメリカ/パブリックシチズン貿易担当)
  金鐘佑氏(韓国/弁護士)
 <第2部 シンポジウム>
  コーディネーター:首藤信彦氏
  パネリスト:ジェーン・ケルシー氏、ロリ・ワラック氏、金鐘佑氏、原中勝征氏、篠原孝氏、榊原英資氏、孫崎亨氏

■主催
 TPPを考える国民会議

■詳細
 http://tpp.main.jp/home/?p=1309

下記urlでビデオが見られる。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/82216

※掲載期間終了後は、会員限定記事となります。とある。

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

ブログ『晴耕雨読』に録画中継書き起こしがある。 拝読するにつけ、毎度ながら、TPPの内容のひどさ、それを真っ赤な嘘でつくろう売国政治家・報道の悪辣さを痛感する。
TPP国際シンポジウム録画中継を聞き取り配信いたします:市民のためのTPP情報

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