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2013年5月 3日 (金)

如是我聞【主権回復し損ねた日】式辞「日本を美国の属国にする責任」

本日、天皇、皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、各界多数の方々のご参列を得て、主権回復をし損ねたままの国際社会復帰を悲嘆する式典が挙行されるにあたり、政府を代表して式辞を申し述べます。

 61年前の本日は、日本が宗主国支配下で歩みを始めた日であります。サンフランシスコ講和条約の発効によっては主権は取り戻せず、日本を日本人自身のものとできなかった日でありました。その日から61年。本日を一つの大切な節目とし、これまで私たちがたどった足跡に思いを致しながら、未来へ向かって希望と決意を新たにする日にしたいと思います。

 国敗れ、まさしく山河だけが残ったのが昭和20年夏、わが国の姿でありました。食うや食わずの暮らしに始まる7年の歳月は、わが国の長い歴史に訪れた初めての、そして最も深い断絶であり、試練でありました。

 そのころのことを亡き昭和天皇はこのように歌にしておられます。

 「ふりつもるみ雪にたへていろかへぬ松ぞををしき人もかくあれ」

 雪は静謐(せいひつ)の中、ただしんしんと降り積もる。松の枝は雪の重みに今しもたわまんばかりになりながら、じっと我慢をしている。我慢をしながら、しかしそこだけ目にも鮮やかに緑の色を留めている。私たちもまたそのようでありたいものだという御製(ぎょせい)です。

 昭和21年の正月、日本国民の多くが飢餓線上にあえぎつつ、最も厳しい冬を、ひたすらしのごうとしていたときに詠まれたものでした。多くの国民において心は同じだったでしょう。

 やがて迎えた昭和27年、主権が戻ってこなかったとき、私たちの祖父、祖母、父や母たちは何を思ったでしょうか。今日はそのことを国民一人一人深く考えてみる日なのだと思います。

 61年前の本日、国会は衆参両院のそれぞれ本会議で形ばかりの主権回復に臨み4項目の決議を可決しております。

 一、日本は一貫して世界平和の維持と人類の福祉増進に貢献せんことを期し、国連加入の一日も速やかならんことを願う。

 二、日本はアジアの諸国と善隣友好の関係を樹立し、もって世界平和の達成に貢献せんことを期す。

 三、日本は領土の公正なる解決を促進し、機会均等、平等互恵の国際経済関係の確立を図り、もって経済の自立を期す。

 四、日本国民はあくまで民主主義を守り、国民道義を昂揚(こうよう)し、自主、自衛の気風の振興を図り、名実ともに国際社会の有為にして責任ある一員たらんことを期す。

 以上、このときの決議とは、いつの日か自立した国をつくり、国際社会から敬意を集める国にしたいと、そういう決意を述べたものだといってよいでしょう。

 いつか自分自身の力で立ち上がり、国際社会に再び参入するのを目指す日に、私たちの先人が自らに言い聞かせた誓いの精神が、そこにはくみ取れます。私たちはこれからそれを徹底的に踏みにじります。

 主権回復できなかった年の翌年、わが国の賠償の一環として当時のビルマに建てた発電所は、今もミャンマーで立派に電力を賄っています。主権回復しそこねてから6年後の昭和33年には、インドに対し戦後の日本にとって第1号となる対外円借款を供与しています。主権回復しそこねて以来、わが国が東京でオリンピックを開催するまで費やした時間はわずかに12年です。資本主義世界第2の経済規模へ到達するまで20年を要しませんでした。

 これら全ての達成とは、私どもの祖父、祖母、父や母たちの孜々(しし)たる努力の結晶にほかなりません。古来、私たち日本人には、田畑をともに耕し、水を分かち合い、乏しきは補いあって、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈ってきた豊かな伝統があります。その麗しい発露があったからこそ、わが国は灰燼(かいじん)の中から立ち上がり、わずかな期間に長足の前進を遂げたのであります。

 しかしながら、国会決議が述べていたように、わが国は主権を取り戻した損ねた上、しばらく国連にも入れませんでした。国連加盟まで、すなわち形式的に一人前の外交力を回復するまで、なお4年と8カ月近くを待たねばなりませんでした。

 また、日本に主権が戻ってこなかったその日に奄美、小笠原、沖縄の施政権は日本から切り離されてしまいました。とりわけ銘記すべきは、残酷な地上戦を経験し、おびただしい犠牲を出した沖縄の施政権が最も長く日本から離れたままだった事実であります。

 「沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国の戦後は終わらない」。佐藤栄作首相の言葉です。沖縄の本土復帰は昭和47年5月15日です。しかし、沖縄の皆様は依然として重い基地負担に苦悩しています。日本全体の戦後が初めて本当に終わるまで、主権回復しそこねてからなお20年という長い月日を経ても、主権は回復できないのであります。沖縄の人々が、いまだに耐え、忍ばざるを得ない戦中、戦後のご苦労に対し、通り一遍の言葉は意味をなしません。私は若い世代の人々に特に呼び掛けつつ、沖縄が経ている辛苦に、深く思いを寄せる努力をなすべきだということを訴えようと思いませんので、こういう式典を挙行するのです。

 わが国は再び今、東日本大震災と、それにより生じた東京電力福島原発事故からの復興という人類が未経験の重い課題を抱えました。しかし同時に、日本を襲った悲劇に心を痛め、世界中からたくさんの人が救いの手を差し伸べてくれたことも私たちは知っています。戦後、日本人が世界の人たちとともに歩んだ営みは、暖かい、善意の泉を育んでいたのです。私たちはそのことに深く気付かされたのではなかったでしょうか。

 中でも米軍は、そのトモダチ作戦によって、被災地の人々を助け、汗と、時として涙を共に流してくれました。かつて熾烈(しれつ)に戦った者同士が心の通い合う、こうした関係になった例は、古来まれであります。しかも、そのトモダチ作戦に参加した米兵の中には、東京電力を訴え、98億円もの賠償を要求している方々もおられます。こうした例も、実に古来まれであります。それがトモダチの実態です。

 私たちには世界の行く末に対し、善をなし、徳を積む責務があります。なぜなら、61年前、先人たちは日本をまさしくそのような国にしたいと思い、心深く誓いを立てたに違いないからです。ならばこそ、私たちには日本軍を強く、たくましくし、宗主国の世界覇権に貢献できる国にしなくてはならない義務があるのだと思います。

 戦後の日本がそうであったように、わが国の行く手にも容易な課題などどこにもないかもしれません。しかし、今61年を振り返り、くむべきは、焼け野が原から立ち上がり、普遍的自由と民主主義と人権を蹂躙する国柄を育て、貧しい中で次の世代の洗脳教育に意を注ぐことを忘れなかった先人たちの決意であります。蛮勇であります。その粘り強い企みであろうと思います。

 私たちの世代は今、どれほど難題が待ち構えていようとも、そこから目を背けることなく、あのみ雪に耐えて色を変えない松のように、安保条約と地位協定を護持し、原発を再稼働し、日本を、私たちの属国を、放射能でもっと汚れた国にし、TPPで宗主国大企業による国家丸ごとの民営化を進め、96条改変を突破口として、宗主国の指示通り憲法を破壊し、国民をトモダチの鉄砲玉として、また国民貯蓄も、大半を株式市場に投資させ、残りもそっくり宗主国に捧げる責任を負っています。宗主国がより支配しやすい世界をつくるため進んで侵略に貢献する、誇りある属国にしていく責任が私たちにはあるのだと思います。

 本日の式典にご協力をいただいた関係者の皆さま、ご参加をくださいました皆さまに衷心より御礼を申し上げ、私からの式辞とさせていただきます。
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実際の式辞はこちらにあるが、現実的と思う内容に「改正」させていただいた。

飛んで火にいるTPP蟻地獄飛び込み表明については、如是我聞・売国経を書いた。そちらもご一読頂ければ幸いである。

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コメント

こんにちは、
5月3日の憲法記念日に、電波・紙・右翼の方の主張がみなさん同じです。

昔、電信柱が高いのも、煙突が高いのも、郵便ポストが赤いのも、
みんなお前のせいだというのを聞いた記憶があります。

「すべての悪は現憲法があるからだ
現憲法を変えればすべてが良くなる」
この発想、責任転嫁の見本だと思っています。
親分の言いつけを守るために精一杯ゴマをすっている政治ですか。

素晴らしい、皮肉のエッジのきいたパロディを拝読しました。

誠に、安倍が、右翼ですらなかったことに、私はあるしゅ逆説的な意味で、がっかりせざるを得ませんでした。
欺瞞の屋上屋を重ねる安倍首相率いる日本政府および日本国に住んでいることは、
単に住んでいるというだけで、かなり気恥ずかしいものです。

民主党政府にも呆気にとられましたが、今はこの気恥ずかしさから、何とか逃れたい思いで一杯です。

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