« 大虐殺と二重思考のオーウェル風戦争国家 | トップページ | CIAの現金がアフガニスタンの為に買ったもの »

2013年4月30日 (火)

7パーセントの回復

Paul Craig Roberts

2013年4月28日

“2009年の不況の終了から、2011年(国勢調査局の財産データが入手可能となった昨年)までに、純資産が836,033ドル以上あるアメリカの800万世帯は、資産総額が推計5.6兆ドル増えたが、一方で、純資産が、その水準、あるいはそれ以下の1億1100万世帯は、その資産総額が、推計6000億ドル減少した。”ピュー・リサーチ“不揃いの回復”リチャード・フライとポール・テイラーによる。

不景気が終わったと、2009年6月に公式に宣言されて以来、読者の方々に、回復などしていないことを確信をもって申し上げてきた。ジェラルド・セレンテやジョン・ウィリアムズ(shadowstats.com)等の人々も、回復とされるものは、本当の経済成長であるかのようなイメージを生み出す為、実際より少なく見せかけたインフレ率の人為的結果であることをはっきりと語っている。

とうとう、ピュー・リサーチ・センターが、かなりの額の株と債券を持っている上位7パーセントの世帯だけについて不景気は終わったという結論を出した。残りの93%のアメリカ国民は依然として、不景気状態にある。

ピュー報告書は、回復で、株と証券市場が上昇したとしているが、何故こうした市場が上昇したかについては語っていない。

株式市場の回復は、消費者の購買力や小売り売上高の上昇を反映したものではない。労働力人口は増大ではなく、縮小しつつある。雇用の増大は人口の増加より時間的に遅れ、生み出されたわずかな雇用は、主として、低賃金で将来性のない国内サービス業の仕事だ。インフレと、実際の平均世帯収入で調整した小売売上高は、2009年以来低迷している。

アメリカ企業の利益が増加していることについては、アメリカの雇用を外国に移し、就労ビザで働く外国人労働者を招き入れて、人件費を削減していることによるものだ。人件費を削減することによって、企業は利益を増大し、金融資産を大量に保有している7パーセントのキャピタル・ゲインを増大している。93パーセント中の、外国人労働者のおかげで仕事を失った人々は、所得が減少している。雇用の海外移転と、就労ビザによって、93パーセントの所得を、7パーセントに移転しているのが、アメリカの所得不平等が急増している理由だ。

もう一つの株式市場の上昇の原因は、米連邦準備理事会の量的緩和政策、つまり、大きすぎて潰せない銀行の貸借対照表を支え、国家予算赤字を賄なうため、年間1兆ドルを印刷することによるものだ。米連邦準備理事会が銀行に注ぎ込む現金は、事業や消費者金融に回るのでなく、銀行がデリバティブや株式先物市場で投機する為の資金になっている。そこで、少数の大き過ぎる銀行を破綻させずにおくことを狙った米連邦準備理事会の政策、は、そうした7パーセントの連中の株式ポートフォリオ価格を押し上げて、彼等にも利益をもたらしている。

債券価格がこれほど高く、実質金利がマイナスである理由は、米連邦準備理事会が、年間、1兆ドルの不動産担保“証券”と米国債を購入していることだ。米連邦準備理事会が金利を押し下げれば下げるほど、債券価格は上昇する。読者が7パーセントの一員でおられるなら、米連邦準備理事会は、読者の債券ポートフォリオに、キャピタル・ゲインをもたらしてくれる。しかし、読者が、93パーセントの貯蓄者の一員であれば、受け取る利子はインフレ率より少ないので、購買力を失うことになる。

ピュー報告はこういう書き方をしている。2009年6月に始まった“回復”以来、裕福な世帯は純資産が28パーセント増加したが、それ以外の全員が資産の4パーセントを失った。

これが政府が公共の利益の為に働くという民主主義の姿だろうか、それとも、国民から金を取り立て、踏みにじる為に政府を利用する金融貴族主義の姿だろうか?

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能だ。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/04/28/recovery-for-the-7-percent-paul-craig-roberts/

--------

大本営広報部、アベノミックスの成果を誇る首相の様子を伝えてくれる。

先日の参院予算委員会中継で、共産党大門実紀史・参院議員の質問で、アホノミックスによる株価上昇で膨大な利益を得た企業リストを見た記憶がある。

委員会の質問では、個人名は伏せられていた。日刊ゲンダイは氏名も載せた。

株主名 ・ 主な保有銘柄 ・ 11/14時価 ・ 4/22時価 ・ 増加額

柳井正/(株)ファーストリテイリング/3835億円/7882億円/4047億円
孫正義/ソフトバンク/6367億円/10230億円/3863億円
藤澤信義/Jトラスト/354億円/1232億円/868億円
三木谷浩史/楽天/1367億円/2234億円/867億円
里見治/セガサミーHD/595億円/1079億円/484億円
石橋寛/(株)ブリヂストン/426億円/900億円/474億円
田中仁/(株)ジェイアイエヌ/306億円/571億円/265億円
伊藤雅俊/(株)セブン&アイHD/394億円/649億円/255億円
山内溥/任天堂/1444億円/1649億円/205億円
安田隆夫/(株)ドン・キホーテ/340億円/523億円/183億円
上原昭二/大正製薬HD/623億円/747億円/124億円
稲盛和夫/京セラ/404億円/524億円/120億円

アホノミックスも、宗主国同様、93パーセントの所得を、7パーセントに移転する細工だろう。

日本の場合、対応する正確な金額がいくらか知らないが、「純資産がxxxx千万円以上あるかどうか」と大いにかかわっているように思うのは気のせいばかりではないだろう。

先日、花見で会った裕福な知人「株もあがった」と上機嫌だった。世界中を御夫婦で旅行している。もう一人も、退役サラリーマンながら、税務申告が必要な年収で、現状を大いに肯定しておられた。

時折酒を飲む同期生も、現状を大いに肯定する与党支持者ばかり。以後その飲み会にいかないことにした。金を使って、酒を飲んでストレスが溜まってはかなわない。

わが抱く思想はすべて. 金なきに因するごとし。

宗主国の悪質コピー的自爆「失言」で、五輪をトルコに譲ったのは、ポチ知事らしからぬ善行。

2013/03/27 「原発不良債権を隠すアベノミクスこそ、劇場型政治」―原発ゼロノミクスキャンペーン立ち上げシンポジウム 原発ゼロノミクス~脱原発は経済成長のチャンス~


2013/03/30 【愛知】第2回 地域経済再生講座 アベノミクスと私たちの暮らし 青木秀和氏講演

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

« 大虐殺と二重思考のオーウェル風戦争国家 | トップページ | CIAの現金がアフガニスタンの為に買ったもの »

アメリカ」カテゴリの記事

ポール・クレイグ・ロバーツ」カテゴリの記事

新自由主義」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1335849/51438245

この記事へのトラックバック一覧です: 7パーセントの回復:

» 『トリクルダウン』と『サックアップ』 [街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋]
あたし知ってるの。 金融緩和すれば、景気がよくなるなんてウソ。金融緩和したら、株価が上がったとテレビは囃し立ててる。あたし、株なんかもってないもん。毎日、ころころ転がすおカネがあるひとはいいわよね。あたしなんか、スーパーのチラシと睨めっこ乏しい旦那の給料で、旦那の小遣いリストラしても一円でも安いお店を探してるの。 あたし知ってるの。金融緩和したら、賃金が上がるなんてウソ。テレビは言うの。金融緩和し... [続きを読む]

» マチベンがTPPに反対する訳   『弱き者は死ね』のグローバル経済の世界観 [街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋]
マチベンがTPPに反対するのは、国境を超えた資本の移動が自由になればなるほど、金融所得層が所得を吸い上げ、中間層が薄くなるという実感を持っているからだ。何より、贅沢品である弁護士は、中間層に依存している。中間層の減少は、マチベンにとって、打撃的な影響をもたらす。マチベンだけではないだろう。大方の弁護士もそうだし、大方の産業もそうに違いない。 ユニクロが全世界の従業員の賃金体系を統一することを目指す... [続きを読む]

« 大虐殺と二重思考のオーウェル風戦争国家 | トップページ | CIAの現金がアフガニスタンの為に買ったもの »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

無料ブログはココログ