ニュージーランドは、日本のTPP交渉への参加を望んでいない
プレス・リリース -ジェーン・ケルシー教授
新たに選出された安倍首相が、一年以上のはっきりしない臆測を終わらせて、来週、日本の正式な環太平洋連携協定(TPP)交渉参加希望を発表するものと予想されている。
2013年3月11日
Immediate release
宣伝にもかかわらず、ニュージーランドは、日本のTPP交渉への参加を望んでいない。
シンガポールで、最新のTPPA交渉を見守っているジェーン・ケルシー教授によると、新たに選出された安倍首相が、一年以上のはっきりしない臆測を終わらせ、来週、日本の正式な環太平洋連携協定(TPP)交渉参加希望を発表するものと予想されている。
‘日本の発表で、TPPはアジア太平洋自由貿易圏における金字塔的基準の実現に一歩近づいたという主張が飛び交うだろう。それは現実のごまかしだ’とケルシー教授は語っている。
ケルシー教授によれば、‘アメリカのオバマ大統領は、今年10月に協定をまとめたがっている。アメリカがルールを変えない限りは、それ以前に日本が交渉の席につける可能性はない’。カナダとメキシコが、オークランドでの交渉に参加することを認められるまで、一年以上かかったが、日本の参加は、それよりずっと複雑だと教授は語っている。
参加希望表明は、長く困難なプロセスの第一歩だ。安倍政権は、大規模な抗議行動、与党内の分裂の脅威と、7月の参議院選挙に直面して、重要な関心分野で可能な約束で、11の政党各党を説得する必要がある。彼の党の綱領は、米、牛肉、酪農製品や砂糖などの重要な製品を、交渉から除外すると約束しているが、これはオーストラリア・日本間の自由貿易交渉を長年行き詰まらせている問題だ。
カナダとメキシコ同様、日本は、自分達が受け入れようとしている法律文書を見ることを許されないまま、これまでに合意された全てのことを受け入れなければなるまい。
日本が全ての政党を納得させても、アメリカでは、更に、交渉90日前の議会への通知と、協議プロセスがある。日本参加に反対して、自動車産業や労働組合等の強力な組織が、議会の議場にどっと流入するだろう。
‘ニュージーランド政府は、日本の参加希望について、好意的に語ろうとはするだろうが、ケルシー教授によれば、実際には全ての重要な問題が解決されるまでは、日本を交渉の席にはつかせたくない’のだ。
これには理由が二つある。日本は経済大国で、本当の交渉力と、保護すべき多くの重要な国内の利益があることだ。日本の積極的な参加は、交渉を複雑化させ、10月に政治的に協定とりまとめをするという現在の目標を到底実現不可能bちしてしまう。
‘ニュージーランドにとって重要なことに、アメリカは、重要な農産物の特別扱いに対する日本の要求を支持することを示している。これは、アメリカ自身の交渉戦略を強化しよう。16回の交渉後も、彼等はいまだに、ニュージーランド酪農製品輸出の意義のある市場アクセスについて協議することを拒否している。’
‘同時に、主要経済・政治大国としての日本が、すでに決まったことに、そのまま署名するだろうとは思われない。まとまったTPPに、たとえ日本が同意したとしても、日本はいくつかの点の交渉再開を主張するだろう。’
終わり
Content Sourced from scoop.co.nz
元のurl
記事原文のurl:www.itsourfuture.org.nz/new-zealand-wont-want-japan-participating-in-the-tppa-talks/
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延々議論せず、早くTPP参加表明しろという類の発言をする江田けんじという人、日本の庶民の為の政治家というより、宗主国大企業の政治家に見えて不思議だった。
ご本人のページを拝見して納得。
ハーバード大留学時のルームメイトがオバマ政権の大統領補佐官、マイケル・フロマン。
「彼に一票を投じるのは、宗主国大企業に投票するのと同じ」に思えたのも不思議でなかった。
そして、共同通信配信のniftyニュースでは、とうとう予想通りのひどいことになった。
自民、TPP交渉参加を容認
『アメリカ・インディアン悲史』日本版が、いよいよ、これから始まる。
「完全植民地と放射能汚染と、侵略戦争への鉄砲玉派兵」を未来永劫子孫に残す凶悪犯罪集団が日本を運営している。テレビをみるたび、これが本物のエイリアンだと思う。
参院選で、自民・公明という与党、みんな、維新等(マスコミ、勝手に野党と呼ぶが純然たる右翼自民別動隊)の地滑り的議席減がなければ、日本は永久に地獄に落ちる。
自民党を始めとする売国政治家、ひどい連中だ。しかし、いくら大本営広報プロパガンダに洗脳されていても、いいかげん「いやだ」と声をあげ、本当の野党らしき弱小政党や、絶滅危惧種へ投票しない有権者も売国奴隷ということだろう。
TPPも、憲法9条破壊も、庶民には、百害あって一利なしなのに。
今回のシンガポール・ラウンドには、ジェーン・ケルシー教授、ロリー・ワラックさん、日本のアジア太平洋資料センターPARC事務局長の方もかけつけている。そして下記を発表しておられる。
大本営広報の虚報現地記事のデタラメさ・腐敗の極まりと、三人の方々の行動の格差!
シンガポール交渉にて、米国の「日本の参加問題」発言リーク!
日本はTPP交渉に参加しても、交渉内容に何の影響も与えられない!
TPP参加表明を絶対に許さない! 緊急声明文
TPPのシンガポール交渉の周辺を、アメリカNGOパブリック・シチズン・メンバーとして見てこられたアジア太平洋資料センター(PARC) 事務局長内田聖子氏インタビューは非常に重要。
インディペンデント・ウェブ・ジャーナル(略称:IWJ)インタビュー
アジア太平洋資料センター(PARC) 事務局長 内田聖子氏 緊急インタビュー
無料期間に見逃された方は、会員として、ご覧頂けるよう。
1時間49分。長いと思われるかも知れないが、決してそんなことはない。
パブリック・シチズンのロリー・ワラックさんが日本参加を懸念するビデオも。
「四丁目でCAN蛙」様による彼女の発言字幕書き起こしを引用させていただく。
私たちはTPP交渉が行われているシンガポールにて日本政府がTPPに参加しようとしていると聞き、大変心配しています。
日本が、ルール作りに参加する権利も、何に合意するのかを知る権利すらないのに、参加しようとしているからです。
日本はこれまでのすべての合意を受け入れると言った、私たちはそう理解しています。
それは900ページもあるルールに、日本の既存の、および未来におけるすべての法制度を合わせなければならないということです。
貿易だけでなく、医薬品の価格やアクセス、食の安全や食品表示、郵便の規制やエネルギーや輸送サービス、銀行、消費者の権利保障などの分野においてです。
数多くの、貿易に全く関係のない国内政策が指図されていくのです。
何が書かれているのかを見ることが出来ず、たった一文字の変更も許されないままに、このルールを受け入れること、それが日本がTPPに参加する際に要求されます。
つまり、日本は「交渉」に参加するのではなく、「すでに条項の定められた協定」に参加するわけです。
なぜ安倍政権が、日本にとって、こんなにも無礼で危険なプロセスに合意しようとしているのか、とても不可解です。
しかし、それが私たちの聞いたところです。既に協定に参加している国では、強力な反対運動がいくつも起こっています。
しかし、それらの国は、すでに規定された条項が押し付けられているわけではありません。
日本の人々にとってTPPの参加は二重の危険であり、二重の侮辱なのです。
岩月弁護士が書いておられる記事も必読。大本営広報紙・テレビは無視しよう。今も、ムシズガハシル・アメリカ国務省高官が「日本の参加は、アメリカにとって良いことだ」と素直な発言を宣伝してくださっている。当然、日本にとって良いことだとは言っていない。
ところで、Paul Craig Robert氏が記事「規制撤廃が、いかにしてアメリカの経済的不安定をよみがえらせたのか」で参照している本、ジョン・グレイ 『グローバリズムという妄想』(1999年に翻訳が出た)に、日本についての記述部分がある。
原書刊行の1998年当時は、ワシントン・コンセンサスというもので攻撃されていたようだ。宗主国は、ずっと非関税障壁の破壊、日本の破壊をねらってきたのだ。素人、全く記憶はないが。ワシントン・コンセンサスをTPPに置き換えれば、そのままかも。 ジョン・グレイの他の翻訳書は購入できるようだが、この本は、品切れか絶版のようだ。それで、一部をコピーさせて頂こう。
237ページ 「第一の開国」というお話。宗主国お決まりの砲艦外交。
独自の近代化:日本のパラダイム
一八五三年、ペリー提督が日本に一六四一年の鎖国以来初めて外国との通商に門戸を開かせた時、彼は二百年以上も変わっていなかった日本人の生き方を混乱させる以上のことをしたのだった。彼は人類の歴史でもユニークなものかもしれない実験を終わらせた。江戸時代の日本は、近代初期の軍事技術を放棄し、鉄砲から刀に後戻りした。日本の支配エリートは、科学的進歩に関する西欧の理論を不可能事であるとみなすよう仕向けた。すなわち技術進化の逆である。
ペリー提督の黒船の到着は、緻密で用心深い日本のエリートたちに、二百年以上も続いた外界から隔絶された平和な暮らしには未来がないことをはっきりさせた。彼らは阿片戦争における中国の運命を観察し、西欧列強によってもたらされ得るものが何であるかを知った。ペリー提督は将軍宛ての手紙の中で、日本が通商を開放しなければ、春にも「大型戦艦」の訪問を受けるだろう、と脅した。ペリーの黒船によって日本の孤立とロー・テクノロジーの実験は終わった。それは「ゼロ成長経済が繁栄と文明化された生活と完全に両立する」ことを証明した実験だった。ペリーの黒船は同時に、日本を野心的な近代化コースにつかせた。その結果、日本は一九〇三年に対馬でロシア帝国艦隊を壊滅させた海軍を持って二十世紀を迎えることになるのである。
238ページ-239ページ 彼等が非課税障壁というのは、歴史的な文化の差異。
日本の企業は、中世から引き継がれた制度への接木として発達した。日本が十九世紀の最後の数十年の間に発達させ始めた近代的な工業経済は、そのもっとも重要な部分にあった社会秩序を破壊しないまま内包させていた。武士階級、すなわちサムライ層が先導した日本の近代化は、その出発点だった封建的秩序が崩壊しなかったからこそ可能だったのである。
技術の絆が古い社会構造に作用し、それを崩壊させるというマルクス理論は、日本の場合にはほとんど適用されなかった。知識の成長とアイデアの革新を通じて社会が進化するというリベラル的な通説についても同じである。西欧の歴史をモデルにした近代化物語は日本の経験には通用しない。
新古典派経済学の理論は、今日の日本経済の現実に光を投げかける上で、限られた価値しか持たない。日本の企業が市場をめぐって激しく競争しているのは、世界のほかの国と同じであるが、日本の資本主義とアングロ・サクソン型の市場個人主義とは大きく違っている。偉大な社会理論家のほとんどは資本主義論のモデルを後者に基づいて構築し、そこからワシントン・コンセンサスも生まれているのである。
従業員や外の社会との関係において、日本の市場制度は契約の文化よりは信頼のネットワークに依存している。アメリカの企業に比べれば、日本の組織は周囲の社会構造から切り離されている度合いがはるかに少ない。国家組織との関係は密接で連続的である。日本の資本主義が示す倫理性は個人主義的でなく、そうなる兆しも見せていない。
日本の資本主義とイギリス、アメリカの資本主義との間にあるこの深い、いつまでも続く相違は根本的な真理を示すものだ。
240ページ
日本の政策決定者はあまり目立たないように、最近では以前よりははっきりと、近代化が西欧的な制度や価値と同じものに帰着するという考え方を退けてきた。ワソウも言っているように、日本の政策決定者は、「いわゆる収斂の仮説、すなわち、工業主義には全世界に共通する論理があり、それは最初に工業化する国に見られる社会関係(個人主義、自由労働市場、その他)は必然的に他の国でも発達するという理論を拒絶した」のである。
この収斂の仮説の一変形がもちろんワシントン・コンセンサスの基礎の一つである。しかし日本ではどこの国よりも明らかに、経済発展に関するワシントン・コンセンサスは、歴史の証拠によって覆されてきた。
242ページ-243ページ 全くうまくいっていない自分のモデルをおしつける不思議。
日本の経済を社会の働きと一体化させている相互連結は、この何十年か、アメリカ政府の交渉者や多国間機構による攻撃の的となってきた。こうした相互連結は保護主義の防波堤という汚名を着せられ社含まとまりを維持する上でそれらが果たしている役割は理解されないままできたか、あるいは拒絶されてきた。都市を維持するのに力がある、社会的制度としての街角の小さな商店の機能は、ワシントン・コンセンサスには姿を現さないのである。社会のまとまりを守る上で、街角の商店のほうが大量の刑務所収容よりも有効に機能するかもしれないという可能性は、奇怪なものとして片付けられてしまう。そもそもそのような可能性は考慮の対象にすらならないのである。
ある明敏なイギリスの観察者は次のように述べている。
アメリカ司法省の報告によれば、最新時点で百十万人が刑務所に入っている。これは男、女、子供も含め全人ロのうちおよそ二百人に一人という割合である。アメリカがこのような社会を作り出しているのだとしたら、規制撤廃から機関投資家の力、福祉事業に至るまで、われわれはどうしてアメリカを社会的、経済的に模範にしようとするのだろうか?ところがアメリカは、すべての国際機関にとっての青写真になっているのだ。OECDは(日本に関する年次報告書の中で)小規模商店の保護を終わらせるようさらに規制緩和を要求している。OECDは、過去十五年間に日本では十五の商店につき一つが廃業したと勝ち誇ったように満足している。小規模商店はかつてない早さで姿を消している。大きな社会的混乱という犠牲を払って、わずかばかりの効率の向上が得られているのである。
ワシントン・コンセンサスの日本に対する要求は、小規模商店の廃業だけではない。貯蓄率を低下させること、完全雇用文化を放棄すること、市場個人主義を採用することなどが含まれる。全体として見れば、ワシントン・コンセンサスの要求は日本に日本であることを止めよと要求しているに等しい。
243ページ
もし日本の政策決定者がワシントン・コンセンサスの要求に屈するなら、日本は大量失業、氾濫する犯罪、社会的まとまりの崩壊という解決法のない問題を抱えるすべての西欧社会の仲間入りをするだろう。
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