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2013年3月11日 (月)

規制撤廃が、いかにしてアメリカの経済的不安定をよみがえらせたのか

Paul Craig Roberts

2013年3月6日

アメリカは大恐慌にあるわけではないかも知れないが、それでも経済的不安定がアメリカに戻ってきている。

著名な知識人でロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの政治哲学名誉教授ジョン・N.・グレイは“歴史の終わり”が人類を倫理的・経済的進歩への道を進ませているという見方には不同意だ。歴史は、より高度な段階へと進歩してはいないとグレイは考えている。そうではなく、人類は同じ愚行を繰り返しており、同じ災難に耐え忍ぶ運命にあるのだ。囲い込み、穀物法の廃止や、1834年の救貧法の繰り返しだ。

問題は、人間そのものにある。人間は探求的存在ではない。“人間は、既に抱いている価値観と目的を主張し、擁護するために、科学知識の力を利用する。”現在、我々は知識の増大と共に、倫理と政治が進化する代りに、ワシントンが、無人機と、7ヶ国への侵略で、人々を殺害し、他の国々を脅す中、国家テロと未曾有の規模の殺人を経験しているのだ。アメリカは、民主的な“世界への明かり”で、“欠かすことのできない国”だと主張しているが、自国の法律にも国際法にも違反して、中世ヨーロッパの、責任を負わない政府の拷問地下牢をよみがえらせたのだ。

アメリカの善に関するプロパガンダと、政府が行っている悪の間のずれが見えている人はまれだ。拷問は禁止された。そうした慣習は、戦争犯罪政府の行いということになった。だが、ブッシュとオバマの政権は、国家の犯罪を暴露した国民や、国家の武力攻撃に抵抗する人々に対して、国家を擁護する為、拷問をよみがえらせた。

アメリカ政府がアメリカ法と国際法に違反して拘留者を拷問していることを暴露したCIA職員ジョン・キリアコウは不法告訴をされ、実刑判決を受けた。拷問を承認した議員や拷問を行った人々は、あらゆる告訴から逃れたまま、再度拷問するにまかせている。

軍法の義務を果たし、上司達が無視したアメリカの戦争犯罪を暴露したアメリカ人兵士ブラドリー・マニングは憲法上のあらゆる権利を侵害され、現在、でっちあげられた冤罪で裁判されている。アメリカ政府は、マニングは真実を語ることによって“アメリカ合州国の敵”を助けたと主張した。

アメリカ政府は余りに腐敗していて、真実を宣言するのを自ら非難することが、自分に不利になることさえ理解できないのだ。ワシントンは何かしらの“世界に対する明かり”なのだろう。

アメリカ人が受け入れている神話が、アメリカ人の社会的、政治的、そして経済的破滅をもたらしている。『グローバリズムという妄想』という本の中で、ジョン・グレイは自由市場イデオロギーの破壊的な結果を説明している。

政府が、自由市場を抑圧し、我々から奪い去っているというリバタリアンの信念は、“自由市場は、国家権力が生み出すもので、自由市場は、安心と経済リスクの管理を求める人間の欲求が政治的表現の場を見いだすのを、国家が妨害し続けられる間しか持続できないという歴史的事実と矛盾する”ことをグレイは実証している。

自由な野放しの市場は、野放し市場の過大な要求を、国家権力と経済条件が助長するような、歴史上、極めて短い期間だけ存在した。野放しの市場は、ビクトリア朝時代のイギリスの一時期と、クリントン、ブッシュ、オバマ、サッチャーと、オーストラリアとニュージーランドの政治家達が、1980年代から現在まで、様々な経済活動から規制を取り除いてしまった間、存在している。

証拠は存在し、日々増大している。不安定性は増大しつつあり、それと共に、経済的不安定も増大した。ホームレスは増えつつある。過去十年で、ニューヨーク市ではホームレスが73パーセント増加しているのに、市長の収入は、270億ドルにのぼる。http://www.salon.com/2013/03/05/new_york_homelessness_sees_unprecedented_rise/singleton/ 金融制度の規制撤廃が、連邦準備金制度が、銀行に16兆ドル(アメリカの国家債務に等しい金額)貸し出さねばならない程巨大な不安定を生み出した。連邦準備金制度による毎年の米国債の1兆ドル購入は四年目で、ドル切下げとインフレの不安を高めている。かつては偉大な製造業の都市であったデトロイト等は激しく衰退している。本当の金利はマイナスで、退職者から利子収入を奪っている。経済回復とされるものにもかかわらず、最近の大学卒業生の高い失業率が、教育がもはや答えでないことを証明している。何百万もの雇用が消滅した。失業率は高い。食料配給券を受給するアメリカ人の人数とともに、貧困は増大している。かつて活気があったアメリカ中流階級は消え去りつつある。ブルー・カラー労働者階級はプロレタリアート化されつつある。国境を超えた労働の鞘取りが、何百万ものアメリカ製造業や、ソフトウエア・エンジニアリング等の専門サービス雇用を破壊した。かつては、何百万人ものアメリカ人の収入だったものが、中国人、インド人の収入、株主のキャピタルゲインや、アメリカ人の仕事を海外移転し、より安い労賃を利益として蓄えた大企業CEOの何百万ドルものボーナスへと変わってしまった。一つの結果は、アメリカの収入と富の不平等の膨大な拡大だ。現在のアメリカは、あらゆる先進国中で、最悪の経済的不平等で、世界中でも最悪の一つだ。この6分のビデオが、それをありありと示してくれる。http://www.youtube.com/watch?v=QPKKQnijnsM&feature=youtu.be もう一つの結果は、アメリカ消費者市場の縮小と、経済を回し続ける為の、所得収入でなく、借金への依存だが、この手段も、アメリカ家庭の多額の借金水準のおかげで、もはや枯渇した。

今や海外外注による税収入の喪失が、経済的安定を引き下げ、社会的一体性を強化するため何十年も前に作られた社会組織を脅かしている。社会保障とメディケアは攻撃を受けているが、アメリカの覇権と“民主的資本主義”を広めるための手段である戦争は攻撃されていない。経済的不安定さのペースのおかげで、失った仕事の代りを見つけられ次第、違う仕事に移るよう強いられるようになった為、職業キャリアという概念すら消滅しつつある。自由な野放しの市場は、経済活動を人間の幸福から切り離してしまう。グレイが言う様に、本来、人が市場が人の為に尽くすべきなのではなく、市場が人の為に尽くすべきなのだ。

アメリカだけに“民主的資本主義”の唯一本当の形があるというネオコンの信念は妄想だ。グレイは“民主主義と自由市場は仲間ではなく、ライバル”であることを示している。 自由市場は、安定性、安心と社会的一体性をむしばむので、自由市場は民主主義の中では持続可能ではない。“参加できる人々はわずかで、圧倒的大多数の国民が政治参加から排除される”ため、自由市場は、ビクトリア朝時代のイギリスで短い期間存在しただけだ。民主的政府の時代に、世界規模の自由市場を構築すという、アメリカのプロジェクトは、自由市場が生み出す不安定さと不安が、民主的な政治から守られ、修正や改革から隔離されることを必要としていると、グレイは結論している。

欧米のあらゆる場所で、支配している国民から、政治過程を隔離しようとする企みを、我々は目にしている。アメリカでは、二大政党は、選挙資金を提供している少数の強力な私的利益団体の代表だ。EUでは、ブリッセルが、公的債務危機を利用して、加盟諸国の主権をむしばみ、国民に対する諸国の責任を取り除いている。アメリカでは、国土安全保障省が10億発もの弾薬と、3,000輌の戦車を購入した。こうした購入は、稀だったり、存在していなかったりするテロリスト用ではなく、アメリカ国民用だ。購入は、規制撤廃がその舞台を作った社会的・政治的不安定度へのワシントンの対応なのだ。

グレイは、グローバル自由市場というのは、失敗する運命にあるプロジェクトで、その犠牲者名簿は長大なものになると結論づけている。あらゆる場所で、いかなる国も、組織も保存する責任を負っていない、減少しつつある天然資源を支配する為の、地政学的な相互の戦いへと、グローバリズムが、国々を向かわせるにつれ、不安定度は高まろう。歴史は巡り、ネオコンは、もし記憶されるとすれば、もう一つのユートピア運動、残忍な阿呆集団として記憶されることになろう。

グレイの結論は、ジェラルド・セレンテの予想傾向と一致している。通貨戦争、貿易戦争、政治的混乱、武力に訴える戦争。

縁故資本主義、悪徳資本家と経済的不安定の再来は、四半世紀の規制撤廃の直接結果であることを、リバタリアンは一番最後に理解する。新刊書、The Failure of Laissez Faire Capitalism And Economic Erosion Of Westで、私が明らかにした様に、これは我々に縁故資本主義を背負わせた、最新の自由放任主義実験の失敗だ。リバタリアンの涅槃ではなく、独占集中と少数による支配こそ、規制撤廃と見境のない貪欲が生み出すものなのだ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/03/06/how-deregulation-resurrected-american-economic-insecurity-paul-craig-roberts/

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3/11。原発:「ごみ問題、未来への投棄だ」 脚本家・倉本聰氏インタビューの一部を引用させていただこう。

毎日新聞 2013年03月04日 東京朝刊

◆原発にはいろいろな視点がありますが、ごみ問題が最大のテーマでしょう。事故が起きなくても使用済み核燃料の問題があるし、40年で廃炉にする場合も大量にごみが出る。廃炉に使うロボットも高レベルの放射能に汚染されたごみになる。処分については何も決まっていない。これからアジアで原発の新設が相次ぎ、日本がビジネスチャンスとばかりに参入しようとしているが、許されるのかという気がします。核のごみが出る責任を誰が取るのか。私たちは資本主義の中で、ごみを出すことに慣れきり、反省がなくなった。

 −−私たちは電力を使っているのに、核のごみの処分はひとごとで、誰かがやってくれると思っている面があります。

 ◆未来というごみ箱に核のごみを捨てているわけです。それでは我々の子孫はたまらない。そもそも、そこまで人間という生き物は持たない仕組みになっているのでしょう。

 −−世の中はアベノミクスを歓迎し、多くの人々は景気回復を期待しています。経済成長を中心に考えると、原発は必要だという意見も出てきます。

 ◆安倍さんには、核のごみの問題をどうするのか、しっかり答えてほしい。経団連の会長さんにも。何の返答もなく、次のステップ、その次のステップというのはおかしい。便槽のあふれ出した家に住んでいるようなものなのに、どんどん原発を動かしていこうというのは理解できない。

 −−震災直後の夏は東京でも省エネ意識が進み、明かりが消えましたが、昨年の夏は違いました。

 ◆日本人は忘れっぽくなってしまった。私自身は、資本主義的な考え方とは決別しなければいけないと考えています。」

見るだけで不快な政治家、「憲法は独立国でない時に作られた。今は独立国家なのだから、戒厳令を作らなければならない。」と真っ赤な嘘を語っていた。実際は、もちろん、戒厳令とはいわず、「非常時に国民の権利を制限する緊急事態条項」と言っていた。連中にとって、不都合な言論・活動の完全統制を狙ったものに過ぎないだろう。

真っ赤な嘘を垂れ流す東大話法御用学者連中、大本営広報のデタラメを暴く活動を封鎖するものだろう。Independent Web Journalや、たねまきジャーナルでの小出裕章助教や、各所での、石橋克彦氏、後藤政志氏、田中三彦氏や、広瀬隆氏の発言、ETVで、現地の放射能を徹底的にしらべて地図化した「ネットワークでつくる放射能汚染」の木村真三博士や岡野眞治博士の活動、あるいは原発事故の政府事故調査委員会メンバー吉岡斉九大学副学長らの発言を封じる為の。

今はまだ属国なのだから、戒厳令を作ってはならない。憲法をいじってはいけない。」のが正解。下さった宗主国の暴虐への楯に利用するべきだ。

  • 本当に独立国家なら、国内に外国軍隊は駐留させな い。
  • 百害あって一利ないTPPなどに参加しない。

「耕助のブログ 賀茂川耕助のブログです」にもある。No.914 日本はアメリカの植民地

政府はTPPメリット説明に足る統計が出せないといっている。メリットが皆無なのだから、いくら頭の良い官僚が、いくら時間をかけても出せるわけがない。

歴史は巡り、傀儡支配層連中は、もし記憶されるとすれば、もう一つのユートピア運動、残忍な阿呆集団として記憶されることになるのだろうか?それにしては、余りに、連中の支配期間が長すぎ、人数が多すぎる。

アフガニスタンや、イラクや、リビアや、シリアの無辜の国民のみならず゛自国民を悲惨な状況においやり続けている国、破綻した国内、海外政策ばかり推進する、ならずものテロ警察国家の命令を、どうしていつまでも聞き続けなければいけないのだろう。

この文章の種本、『グローバリズムという妄想』は翻訳が出ている。

松岡正剛の千夜千冊『グローバリズムという妄想』を拝読すると、まるでTPP詐欺予告。

一番ぴったりの項目をコピーさせていただこう。太字は小生が加工。

(4)グローバル資本主義の生みの親は、どう見てもアングロサクソンによるものだ。アングロサクソンは「合意」のための「契約」が大好きな民族だから、その合意と契約による経済的戦略を非アングロサクソン型の国々に認めさせるためには、どんな会議や折衝も辞さない。その象徴的な例が、たとえば1985年のプラザ合意だった。
 こういう合意と契約が、各国に押しつけがましい構造改革を迫るのは当然である。ニュージーランドやメキシコや日本が、いっときではあれそのシナリオに屈服しようとしたのは、不幸というしかない。

固有名詞と年号を入れ換えれば、現状そのまま。

グローバル資本主義の生みの親は、どう見てもアメリカによるものだ。アメリカは「合意」のための「契約」が大好きな民族だから、その合意と契約による経済的戦略を非アングロサクソン型の国々に認めさせるためには、どんな会議や折衝も辞さないその象徴的な例が、たとえば2013年のTPPだ。
 こういう合意と契約が、各国に押しつけがましい構造改革を迫るのは当然である。ニュージーランドやメキシコや日本が、そのシナリオに屈服しようとしているのは、不幸というしかない。

末尾の一部も引用せていただく。同じことを、いつも妄想ししている。

グレイは日本が幕末維新で開国したことをもったいながっていて、江戸社会こそは「ゼロ成長経済が繁栄と文化生活を完全に両立させた希有な例」だとみなしたのである。なるほど、ゼロ成長モデルがこんなところにあったかと思わせた。

是非、記事全文をお読み頂きたい。本一冊丸ごと読んだような気になれる。

「内田樹の研究室」の二つの記事も、この英語記事と繋がっている。

貧しいメタボおやじも、両氏お勧めの『グローバリズムという妄想』を読みたくなった。

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