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2013年3月 3日 (日)

再度辱しめを受けたアメリカ:植民地国民

Paul Craig Roberts

2013年2月17日

アメリカ人は、臆病にも既得権者連中に屈し、アメリカ国民を裏切る議員達によって辱しめを受けてきた。しかし、アメリカ人を辱しめたという点で、上院議員チャック・ヘーゲルの国防長官指名承認公聴会における共和党上院議員連中の振る舞いに匹敵する恥ずべき振る舞い、過去に存在しない。

40人の共和党上院議員が、彼等はイスラエルへの奉仕より、アメリカへの奉仕を優先することを拒否したのみならず、イスラエルへの奉仕と同じレベルで、アメリカへの奉仕をしようとさえしないことを明らかにしたのだ。アメリカ人にとって実に恥ずかしいことだが、共和党議員は、世界中に、自分達がイスラエル・ロビーの完全子会社であることをさらけだした。(イスラエル・ロビーだけが彼らのご主人ではない。彼等は、ウォール・ストリートや軍/安保複合体等、他の有力利益団体の下僕だ。)

中でも最も当惑する振る舞いは臆病者リンジー・グラハムのものだ。イスラエル・ロビーの前で腹這いになり、徹底的な卑屈さを実演し、ヘーゲルに、アメリカ議会でイスラエル・ロビーを恐れている人物の名をあげるよう迫ったのだ。

私がヘーゲルだったら、指名を放棄して、こう答えていたろう。“あなた、グラハム上院議員と、あなた方、40人の臆病な同僚諸氏だ。”

実際、ヘーゲルはこう答えることもできたろう。「そうではないふりをしているものの、恐れているランド・ポールを含む、アメリカ議会全てだ」と。

本当に問われるべき疑問はこうだ。アメリカ議会の中でイスラエル・ロビーを恐れていないのは誰か?

ヘーゲルに対する悪意に満ちた中傷は、イスラエル・ロビーへの恐怖心が動因だ。

恐らく、アメリカ議員に対するイスラエルによる最悪の侮辱は、1967年のイスラエル空軍機と魚雷艇による米軍艦リバティー号攻撃の隠蔽工作だろう。イスラエルの攻撃は、リバティー号を沈没させることには失敗したが、乗組員の多くを殺傷した。生存者は沈黙するよう命じられ、その一人が12年後にはっきり物を言い、何がおきたかを暴露した(James Ennes、Assault On The Liberty)。海軍作戦部長で統合参謀議長トーマス・モーラ海軍大将ですらワシントンに事実を調査させることもできなかった。

事実は今では良く知られているが、ワシントンに関する限り、それも空文だ。出来事全て丸ごと、別世界に移されてしまっている。

なぜ共和党上院議員連中、イスラエルの為にヘーゲルを潰そうとしているのだろう?

答えは、まずヘーゲルがアメリカ上院議員だった時、イスラエル・ロビーに恫喝されるのを拒否して、“私はアメリカ上院議員で、イスラエル上院議員ではない”と宣言したことだ。言い換えれば、ヘーゲルは容認できないことをしたのだ。彼は、イスラエルの利害ではなく、アメリカの利害を代表していると言ったのだ。ヘーゲルの姿勢は、二つの国の利害関係が全く同じではないことを示唆しているが、これは異端派だ。

答えのもう一部は、ヘーゲルが、対イラン戦争を始めたり、イスラエルがそうするのをアメリカが認めたりするのは、アメリカにとって良い考えだとは思っていないことだ。

だが、アメリカの対イラン戦争こそ、イスラエル政府やそのネオコン工作員達が、オバマ政権に押しつけようとしてきたものだ。イランが南部レバノンのヒズボラを支援していて、イスラエルがその領土と水資源をを併合する邪魔をしているので、また、イランが、ハマスに有効な兵器を供与したことは決して無いにもかかわらず、イスラエルのパレスチナ窃盗に反対しようとしている唯一のパレスチナ人組織ハマスを支援しているので、イスラエルは、イランを処分してしまいたいのだ。

イスラエルの領土拡張に反対する二つの組織ヒズボラとハマスは、多くのアラブ人を代表している。にもかかわらず、この二組織は、イスラエルの命令で、イスラエルの利害より、アメリカの利害を優先したことなどないので実態は完全なイスラエル国務省と呼ばれるべき、卑屈なアメリカ国務省によって“テロ組織”だとされている。

言い換えれば、ヘーゲルは屈伏しなかったのだ。どれほどイスラエルを愛しているか、イスラエルの利害の為に、他の全ての利害を犠牲にすることが、彼にとってどれほどの名誉か、アメリカ国防長官として、イスラエルの為に仕える機会を人生ずっと待っていましたとは言わなかったのだ。

ヘーゲルはイスラエルの敵ではない。彼は単にこう言っただけだ。“まず私はアメリカ人です。” 彼が臆病なほど卑屈でないことが、彼に“反ユダヤ主義者”の烙印を押したイスラエル・ロビーにとって受け入れがたいのだ。

対照的に、リンジー・グラハムは、アメリカ国防長官として、イスラエルにとって完璧な選択となる全てを備えている。

グラハムなら、イスラエル・ロビーを喜ばせるよう格別な努力をするだろう。アメリカ合州国大統領と、彼が指名した、アメリカ議会と行政府は、アメリカの利害を優先すべきだと素朴に考えた退役軍人で、元アメリカ上院議員を困らせようと狙って、彼なら全力を尽くして、外国権力に対し、最大限卑屈に振る舞うだろう。

上院多数党院内総務レイドは上院規定を利用し、ヘーゲルの指名を有効のままにした。
もしリンジー・グラハムが、イスラエル・ロビーの汚れ仕事に成功していたら、イスラエルの命令通り、イランを攻撃しないアメリカ合州国大統領をおとしめた、イスラエル首相に、アメリカ大統領の敗北を差し出したことだろう。

アメリカ人は植民地国民だ。アメリカの政府は植民地勢力を代表している。ウォール・ストリート、イスラエル・ロビー、軍/安保複合体、アグリビジネス、医薬品、エネルギー、鉱業、そして材木業界の利害。

アメリカ国民の代理になろうとつとめた二人の議員、ロン・ポールとデニス・クシニッチは、代議政治というのは、アメリカ国民の利害を代表しようとつとめる少数の人々にとって住みにくい場所であると悟ったのだ。

ロン・ポール、デニス・クシニッチや、ジェラルド・セレンテ同様、アメリカが外国での戦争に関与するのに反対した我が建国の父たちを、私は支持する。関与を防ごうとして、建国の父たちは、宣戦布告の権力を議会に与えた。年月とともに、議会は次第に、この権力を大統領に譲り、とうとう議会の権力として、もはや存在しなくなってしまった。戦争は戦争ではなく、“時間限定、規模限定の動的軍事行動”だと単に宣言するだけで、大統領は、どこでも、いつでも戦争を始めることが可能だ。あるいは彼は何か他の馬鹿げた言い回しを使うことも可能だ。

21世紀の最初の数年間、行政府は二つの国を侵略し、軍事作戦で他の5ヶ国の主権を侵害し、中国のアメリカ大陸への経済進出に対抗し、アメリカとヨーロッパの大企業に資源を確保する為、アフリカに軍事基地を設置し、将来の戦争の可能性を高めている。もし共和党議員達がヘーゲル承認妨害に成功すれば、イランとの戦争の可能性は高まるだろう。

宣戦布告の権力を放棄したことで、議会は財政も制御できなくなった。議会の監督委員会に対し、行政府が益々多くの情報を隠すにつれ、議会は益々無力化してゆく。ワシントンの戦債が増大するにつれ、社会保障制度に対するワシントンの攻撃は一層激化するだろう。益々多くの税収が既得権益団体や外国での紛争関与へと向けられるにつれ、アメリカ国民に福祉サービスを提供する政府機関は萎縮する。

アメリカ政府と国民の利害の間の希薄な関係は、完全に断ち切られようとしている。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/02/17/america-shamed-again-a-colonized-people-paul-craig-roberts/

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ヘーゲル国防長官が、2006年のインタビュー中で、「親イスラエル派ロビーが議会の多数の人々を脅している」と発言したのに揚げ足をとって、「脅された人の名前を一人あげろ」「イスラエル、あるいはユダヤ・ロビーの圧力で、我々がさせられた馬鹿なことを一つあげてみろ」と迫ったのだ。答えは「知らない。」「特定の個人を意図していたわけではない。」だった。そこで更に、「馬鹿なことを言ったと思っているか」と畳み込み、「そうだ」「私は既にそう言った」という答えを引きだした場面だ。

この国で「ジャパン・ハンドラーに脅された人の名前を一人あげろ」「ジャパン・ハンドラーの圧力で、我々がさせられた馬鹿なことを一つあげてみろ」と迫る場面はありえまい。TPP推進議員連なる、とんでもない傀儡集団が堂々出現する国だ。

本当に問われるべき疑問はこうだ。国会の中でジャパン・ハンドラーを恐れていないのは誰か?

チャック・ヘーゲル国防長官の政策想定については下記記事を翻訳してある。

オバマの閣僚任命が意味するもの: 軍は人員削減されるが... 秘密作戦は強化される

3月3日のひなまつりは忘れないが、3月1日ビキニの日であるのは忘れていた。韓国三一節を忘れていた。三一書房、そこから名前をとったと聞いたことがある。その三一書房から、田中正造翁余録上・下が今月再刊されるという。

「アメリカはイスラエルの植民地」ということであれば、「日本はイスラエルの植民地であるアメリカの植民地・属領」ということになる。

第一湾外戦争当時、莫大な戦費をまきあげられた時には、宗主国から相当な圧力があっただろうと想像した。しかし、宗主国は直接前面には出てこなかったような気がする。

小泉政権時代、中曽根政権をも越える属国政権と思ったが、宗主国は、ことさら目立つ行動をとっていたようにも思えない。背後であやつっていたように見える。

しかし、原発事故以来の属国支配層のまだるこしさにあきれたか、宗主国、とうとう傀儡支配層を利用した間接支配をやめ、直接支配に乗り出したように見える。完全属国化。

黒船時代、テレビも新聞もインターネットもないので、属国傀儡支配者の服従ぶり、一般人の目には見えなかったろうが、今は素人にも見える。

原爆を落として平然としている支配者、日本国民がかわいそうだ等思って直接支配に乗り出すわけはなく、単純に直接支配、搾取したほうが効率的という判断だろう。

傀儡青年政治家達が、傀儡ぶりをいくら露骨にしても、国民の多数、喜んで傀儡政治家を支持する不思議な皆様。

秘密保全法案、そして、マイナンバー法案、続々と警察国家、ファシズム体制への準備が整いつつある。究極のショック・ドクトリン。Paul Craig Roberts氏、宗主国はすっかり警察国家、ファシスト国家になっていると毎回のようにおっしゃる。第一属国も当然そうなる。

CSISでの首相演説、昨年夏に発行された第三次ナイ・アーミテージ報告書の棒読み。「一流国家でありつづける」という出だし、まさに報告書の引写し。完全属国であることを、見ている日本人にはっきり示すことを狙っているだろう。

Independent Web Journalがその報告書翻訳を公開している。属国政治理解用の必読文書。これを読んでいれば、原発再開も、集団的自衛権も、TPP加盟も全てとっくに指示されており、決まったコースの通り進んでいることがわかる。

2013/02/03 【ブログ記事】「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載

傀儡であれ、何であれ、首相が、主要政治家でもないジャパン・ハンドラーの皆様のお名前をあげて、報告書よるご指導・ご鞭撻のお礼と、誓いの言葉をのべた悲しいセレモニー。小学校時代の総代答辞を思い出した。傀儡ロボット宣言。恥ずかしいにも程がある。

ともあれ、彼が名前をあげた皆様が事実上の日本支配者。

第三次ナイ・アーミテージ報告書で、重要な政策が明確に指示されているのに、大本営広報部は決して第三次報告書の詳細を論じない。政策を手取り足取り指示される国が一流国家のはずはない。一流自治領。TPPで、日本の自治領化改造が一気に進む。

これから我々や子孫が投げ込まれる地獄世界、知らないで投げ込まれるより、知って投げ込まれた方が、楽になるとは思わないが、地獄の概要、多少とも想像できるだけましだろう。ご命令の項目には、下記が含まれている。

  • 原発再開の支持
  • 集団的自衛権
  • 宗主国軍への協力強化
  • TPP参加
  • シェールガス購入

第三次報告書と、対中国包囲網でもあるTPPとの関連については、Paul Craig Roberts氏が紹介してくれた興味深い記事を翻訳してある。

日本に、中国との対決をけしかけるアメリカ

与党自民党、公明党、そして、維新、みんな、民主等の諸氏、すべてリンジー・グラハム議員クローン人間。

TPP推進議連なるものがあるらしく、大本営広報部は、野党議員による議連と報じているが、与党が推進するTPP加盟という売国政策を推進する連中が「野党」のわけはないだろう。虚報。与党分派売国議員連盟。

チャック・ヘーゲルのように、“まず私は日本人です。” といったり、
「アメリカの利害でなく、日本の利害を代表している」と発言する政治家、首相になれない。

日本人は植民地国民だ。日本の政府は植民地勢力を代表している。ウォール・ストリート、イスラエル・ロビー、軍/安保複合体、アグリビジネス、医薬品、エネルギー、保険、鉱業、そして材木業界の利害。

自民党、公明党、そして、民社党、維新、みんな等の議員ことごとく、世界中に、自分達がアメリカ政財界の完全子会社であることをさらけだした。(アメリカ政財界だけが彼らのご主人ではない。彼等は、属国の原子力ムラ、兜町、国内の軍/安保村等、他の有力利益団体の下僕でもある。)

宗主国の戦債が増大するにつれ、社会保障制度に対する属国政府の国民攻撃は一層激化するだろう。益々多くの税収が宗主国の大企業や外国での紛争関与へと向けられるにつれ、日本国民に福祉サービスを提供する政府機関は萎縮する。

日本政府と国民の利害の間の希薄な関係は、完全に断ち切られようとしている。

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