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2013年3月13日 (水)

日本の首相、訪米中に、軍事力強化を示唆

wsws.org
Alex Lantier

2013年2月26日

2月21-22日のワシントン訪問で、新たに選出された日本の安倍晋三首相は、アメリカ帝国主義と日本の軍事協力を強化し、ワシントンが計画している環太平洋戦略的経済連携(TPP) 自由貿易圏プロジェクトに参加すると約束した。これは、労働者階級への攻撃強化と、f帝国主義戦争と陰謀の世界的強化の約束だ。

12月に就任した右派の国粋主義政治家、安倍首相は、訪米前のインタビューで、ワシントン・ポストに、“日本とアメリカ合州国との間の信頼と信用”を回復することを目標にしていると語った。彼は、米日安全保障同盟と、日本経済を復活するための米日貿易の役割を強調した。特に、安倍首相は、日本が管理しているが、中国が所有を主張している、戦略的位置にある尖閣諸島(中国語では、釣魚)を巡る危機に言及した。

昨年、極右の東京都知事、石原慎太郎が諸島を巡る紛争を意図的に煽った。アメリカで、右翼のヘリテージ財団を訪れた際、島を一般の日本人個人から購入するよう、日本に求めたのだ。紛争は、中国と日本当局の、反動的・狂信的愛国主義な訴えの真っ最中、両国が艦船と戦闘機を諸島に配備するという危険な軍事的こう着状態へとエスカレートした。

アメリカ当局者は、米日同盟の条件の下で、アメリカは、諸島を巡る戦闘が勃発した場合、日本を支持して、介入すると述べた。

安倍訪米では、アメリカのバラク・オバマ大統領との会談もあり、その後、短時間の共同写真撮影、そして、戦略国際問題研究所(CSIS)で講演した。軍事問題に関する、影響力の大きい、ワシントンのシンクタンクCSISは、昨年8月、より緊密な米日軍事協力を要求する報告書を発表した。報告書は言う。そうしなければ、日本は“一流”国家であることを止めるだろう。

会談後、安倍首相とオバマ大統領は、“日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上、微妙な点が存在する”ことを認め、日本は“TPP交渉に参加する”という声明も発表した。この譲歩は、右派の安倍の自由民主党の主要な政治基盤である、日本の農業ロビーのTPP反対をなだめるのが狙いだ。

とは言え、オバマ大統領は、中国との関係について触れることはしなかった。安倍首相は、先月アルジェリアのアメナス人質事件で、10人の日本人が亡くなった後、日本はアメリカの“対テロ戦争”に、さらに肩入れするつもりだと手短に述べた。

CSISで、安倍首相は、アメリカに足並みをそろえる外交政策を、非常に詳しく述べた。米日同盟に関する2012年のCSIS報告書に明確に言及し、彼はこう約束した。“日本は、二流国ではなく、今後も決してそうなりません。重ねて 申し上げますが、私は戻ってきました。日本もそうなります。”

安倍首相は、日本は、特許や労働者の権利“規則”等を推進し、アメリカ軍が“世界的共有地(グローバル・コモンズ)”(海上交通路、国際空域や他の戦略的資産支配を指す婉曲表現)を確保するを支援し、アメリカ“対テロ戦争”の、より“堅固なパートナー”になると誓った。

安倍は“日本は強くあらねばなりません”と強調し、“それだけのために”日本の国防予算を増やしたと指摘した。実際、安倍政権は、10年以上ぶりに、初めて軍事支出増加を承認し、日本軍とアメリカ軍が、アジアでも世界中でも、より緊密な協力を可能にすべく、日本のいわゆる平和憲法の改訂に向かって動いている。

安倍首相は、尖閣/釣魚諸島は日本の主権領土だと、挑発的に主張した。“我々は、現在も将来も、いかなる異議にも決して我慢はしない。いかなる国も、我々の決心の固さに対して見込み違いをすべきではない”と彼は警告した。

首相は、金融マスコミによって“アベノミックス”と名付けられた、右派的経済政策概要も簡単に説明した。積極的な政府支出と、円価値を引き下げ、日本の輸出をより競争力のあるものにすることを狙った紙幣印刷と“構造改革”の組み合わせだ。ワシントンでは触れなかったが、日本の政治エリート全員が支持している、非常に不人気な計画、老化しゆく国民の年金と、社会支出削減が含まれている。

ワシントンは、TPPと、安倍の反動的、反労働者階級的な社会政策を支持しており、特に、インドとオーストラリアを含む、広範なアジア同盟の一環として、中国封じ込めを狙った日本軍国主義を推進するよう、一貫して努めてきた。とはいえ、日本の帝国主義が確実に“一流国”であり続けるようにする為の安倍首相の狙い全体を、どれほど積極的に支持するかを巡っては、多少別れている。

安倍訪米についてコメントして、ウォール・ストリート・ジャーナルは、安倍首相は“万一[尖閣諸島]を巡って継続しているいざこざが、暴力化した際、日本をアメリカが防衛してくれるよう、日本当局が求めていた様な強力な公的約束を、オバマ大統領から引きだすことはできなかった”と書いている。ジャーナル紙は、これは“日本の悪名高い政治的不安定さで、一年以上、首相として留まれないような、もう一人の首相にすり寄るのを渋ったことを”反映している可能性があると憶測している。

安倍首相の政策は、他の帝国主義大国の反対を引き起こした。彼が円の価値を引き下げる動きを呼びかけたことで、各国が、通貨価値を低下させ、他国を犠牲にして、輸出競争力を高めようとする、世界通貨戦争の恐怖をかきたてた。

商業マスコミは、尖閣/釣魚諸島に対する、強硬な日本の姿勢をアメリカが支持することは、日本をつけあがらせ、中国との戦争を挑発させ、アメリカを引き込んで、第三次世界大戦へとエスカレートしかねないという懸念も示した(“アジアにおける戦争の危険”参照)。フィナンシャル・タイムズのコラムニスト、ギデオン・ラックマンは、アジア-太平洋の状況を、第一次世界大戦開始時の1914年の状況と比較している。

たとえ全面戦争を引き起こさないにせよ、日本の政策は、地域における、アメリカの重要な同盟国で、元日本植民地、韓国を疎んじるものだ。韓国にも、竹島(韓国では独島)を巡る日本との領土紛争がある。CSISで、安倍首相は、どのようにして韓国、右派の韓国次期大統領朴槿恵と良い関係を維持するつもりかと具体的質問をされた。

安倍首相は、見解の相違はうまく処理し、朴との良い個人的関係を維持すると主張し、質問をかわした。彼女は、1961年から暗殺された1979年まで、アメリカが支援した韓国の独裁者で、安倍首相の祖父、岸信介首相の良き友だった朴正煕の娘だ。1930年代、日本が支配した満州国の幹部で、第二次世界大戦後、戦争犯罪容疑でアメリカ占領軍によって、短期間拘留された岸は、自民党による戦後日本政治の支配と、不人気な1960年の米日安保条約の主要立案者となった。

しかしながら、ワシントンと安倍との意見の相違にもかかわらず、安倍訪米は、結局、この地域でのアメリカの帝国主義政策と、東京とソウルというアメリカの右翼同盟者の、腐敗と破綻を証明している。

オバマは、安倍の攻撃的な対中国対立を全面的に支持するのを避けたとは言え、この対立は、彼の政権の“アジア回帰”による論理的結果だ。ワシントン政策の重要な部分は、アジアの安全保障において、日本がより大きな役割を演じるよう奨励すること、つまり日本の再軍備と、中国との競争を促進することだ。

これは、完璧に度を失った支配階級の政策だ。商業マスコミが、そう認めることを強いられたように、これは必然的に、アジアと世界中の主要大国間の戦争という方向へと導く。それにもかかわらず、太平洋両岸の帝国主義支配層エリートは、この方向へと、まっしぐらに進んでいる。日本帝国主義に、中東を含め活動を拡大し、世界の海上交通路での警察活動を奨励することで、ワシントンは、より広範で、より壊滅的な紛争の種を蒔いているに過ぎない。

記事原文のurl:www.wsws.org/en/articles/2013/02/26/japa-f26.html
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医師免許がないのに、医師を装って、25,000人の健康診断をし、収入を得ていた人物がつかまった、のだそうだ。取り返すことができない深刻な被害があったとは報じていない。

国民生活を良くする政治力皆無なのに、政治家を装って、一億二千万人、そして未来世代を、永久に植民地の窮地に陥れ、宗主国大企業を助け、代々収入を得る国家反逆罪の売国奴はつかまらない。

4・28 主権喪失記念祝典敢行。屈辱の日を祝う異常な精神。宗主国に思いを寄せる政権。

大本営広報部記事は真面目に読んでおらず、テレビ報道もほとんど見ないが、こういう英語記事、読んでしまう。大本営は訪米時の「聖域なき」部分のみ繰り返し刷り込むのが任務。彼がCSISで、軍事面で踏み込んだ発言をしたことには決して触れない。

第三次ナイ・アーミテージ報告書を昨年8月に刊行したCSISにおいて、彼氏は、その報告書、つまり命令書の内容を復唱しただけの事実、大本営広報部、報道しただろうか?

Paul Craig Roberts氏が、わざわざ前書きをつけて、彼のブログに掲載した、(日本を、一流国家でありたいなら、さらなる軍事協力をしろと恫喝する)第三次ナイ・アーミテージ報告書の誘いにのるなという記事日本に、中国との対決をけしかけるアメリカと、この記事、イデオロギーは全く違っているのだろうが、内容は繋がっている。

日本に、中国との対決をけしかけるアメリカが危惧していた結果になったわけだ。百害あって一利ないTPP参加も含めて。

大本営広報部テレビで、TPP反対デモの光景が珍しく映されている。

あくまで農業・関税の話題に意図的に誘導。参加者コメントも、もっぱら関税。

(TPPでの)アメリカの狙いは、関税よりずっと重大な邪魔者であり続けている非関税施策を日本に解除させることにある (米国議会図書館議会調査局文書)

という公表されている事実には決して触れない。報道機関ではなく、犯罪組織。

山田正彦 前衆議院農林水産委員会委員長 元農林水産大臣/衆議院議員のブログ、重要なことが書かれている。彼の様に、国民生活を良くする政治家が落選してしまう国!

安倍、オバマ会談を受けて米国労働総同盟はTPPに反対する 2013/3/8

後半だけ引用させていただこう。太字は当方で加工。

日本では、安倍政権になって全く情報も開示されず、メデアの意図的な誘導もあってか、国民の5割から6割はTPPに賛成している。
 自民党の反対議員も黙ってしまった。この2年余、必死に日本の交渉参加を阻止してきた私としては残念でならない。
 さらに心配なのは、昨年12月米国議会の公聴会でマランチェスが「TPP参加国の中では、すべての環境基準や労働基準は同じものとする」と述べています。今年になってワイゼル主席交渉官も同じようなことを述べています。

 そうなると米国ではILOの基本条約8項目の中で強制労働禁止と児童虐待労働禁止の2項目しか認めておらず、スト権も団結権も批准されていない。
 日本では解雇権の乱用が判例によって積み上げられ、4条件が満たされる場合、例えば会社の賞与とか余剰資産などを売却したうえで、やむを得ない場合、すべての労働者を平等に扱うとされてき場合だけ解雇が認められるとした判例法が意味をなさなくなる。
 事実、安倍政権の下で竹中平蔵、財界人らによる競争力会議でも企業は金銭の賠償さえすれば自由に解雇できることが真剣に話し合われている。

 こう考えると日本の労働者にとってはTPPに交渉参加することは、大変深刻な状況に立たされるといわなければならない。

連合は何をしているのだろう。労働者から組合費をとり、労働者をアメリカに売る組織。

(TPPでの)アメリカの狙いは、関税よりずっと重大な邪魔者であり続けている非関税施策を日本に解除させることにある とは、こういうことだ。

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋 2013年3月12日の記事は衝撃的。前原議員の質問だ。これは必読。

天木直人氏のブログでもこの件について書かれている。

これだけ重要な国会論議が完全に報道管制されている。北朝鮮も顔負けの大本営報道。

1999/9刊『「ひとり勝ち社会」を生きぬく勉強法』中山治著を久しぶりに読み返した。

第二章 良質で役に立つ情報を集めるかしこい方法

  • 日本社会は「大本営発表」体質 35ページ

この記述が頭に刷り込まれて、毎回の「大本営広報部」という表現になった?

第六章

    • 海外における、信じがたいほどの「いくさ(戦争と外交)下手」が日本の特徴 169
  • おろかな人を指導者に選ぶという愚を繰り返す日本人 173

ともあった。まさに、今のおろかな首相によるTPP植民地化のことではないか?

第二章 良質で役に立つ情報を集めるかしこい方法 には

    • 非公式メディアと外国メディアを上手に活用するのがかしこい人 37
  • 情報分析は必ず異なる視点からの分析と対立させる 45

という項目も!残念ながら、この本、絶版なのか、購入できないようで残念。

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ritajiri海外左翼マスコミは、こんな報道も。「安倍首相とオバマ大統領は、“日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上、微妙な点が存在する”ことを認め、日本は“TPP交渉に参加する”という声明も発表した。」 http://t.co/uWqnK3Xzek03/13 09:05ritajiri独立回復の日 講和条約で北方四島は放棄した千島列島に含まれず。竹島も放棄した「済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮」に含まれず。しかし北方四島はロシア、竹島は韓国に不法占拠さ... [続きを読む]

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