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2013年3月12日 (火)

天然ガス業界 水圧破砕の破壊的影響を記したオスカー候補ドキュメンタリー映画『ガスランド』を攻撃

水平掘削や水圧破砕法(フラッキング)を使った天然ガスの採掘に伴う環境汚染や人間の健康被害の危険性は米国ではこれまで何年もほとんど知られることがありませんでした。そこにこの問題を全米レベルで明るみに出したドキュメンタリー映画が登場しました。ジョン・フォックス監督のGasland(『ガスラン
ド』)は、フラッキングが行われている土地のコミュニティーが壊滅的影響を受けている様子と、この工程で使われる技術や化学薬品の規制に対する天然ガス業
界の影響力を描いています。同業界はこの映画を徹底して攻撃しました。その攻撃は2011年のアカデミー賞にノミネートされてからは特に激しくなりまし
た。

と日本のDemocracy Now!の番組紹介ページにある。天然ガスとはシェールガスのことだ。

残念ながら、この番組、日本語版字幕がないので、内容書きおこしを翻訳した。

2011年3月4日金曜日

エイミー・グッドマン: この素晴らしい映画でこの論議を引き起こした「ガスランド」の監督ジョシ・フォックスさんにも参加頂いています。ジョシさん、あなたのお話を伺う前に、あなたのドキメンタリー映画の一部をご覧頂きたいと思います。この映像はコロラド州出身下院議員ディアナ・ディゲットの質疑場面です。

    ディアナ・ディゲット議員: ここ西部では、様々な種類の採掘技術が、人の健康リスクや深刻な環境被害を引き起こした多くの経験があります。ジョンさん、あなたは水圧破砕は決して飲料水にとって危険ではないとおっしゃいますね。もしそれが本当なら、破砕プロセスで使用される化学物質の飲料水安全法の下での開示になぜ反対するのですか?

    マイク・ジョン: 先に述べた様に、我々が提出した情報パックは

    ディアナ・ディゲット議員: いいえ。なぜ反対するのですか? もし完全に安全なら、なぜ使用している化学物質の開示に反対するのですか?

    マイク・ジョン: 今日この聴聞の前に我々は公開したと私は申し上げたのです。

    ディアナ・ディゲット議員: どんな科学物質が使用されていますか?

    マイク・ジョン: はい。

    ディアナ・ディゲット議員: それぞれのプロセスで?

    マイク・ジョン: チェサピーク社が提出した破砕報告書に挙げてあります。

    ディアナ・ディゲット議員: その場合、私の法案に反対はしませんか。

    マイク・ジョン: 我々は、一部として、その情報を出しました

    ディアナ・ディゲット議員: 私の法案に反対しますか、既に情報を提出されたので?

    マイク・ジョン: 私はあなたの法案には、個人的に詳しくありません。

    ディアナ・ディゲット議員: その法案で、水圧破砕で使用されている化学物質は、飲料水安全法の報告要求の対象になります。

    マイク・ジョン: 先に申し上げた通り、現在の規制の枠組みは

    ディアナ・ディゲット議員: はい、ですか、いいえ、ですか?

    マイク・ジョン: 現在の規制の枠組みは

    ディアナ・ディゲット議員: すると、飲料水安全法の下で報告する必要があるとは思わないので、たとえ化学物質は安全だと、あなたが考えていても、あなたは私の法案には反対なのですね。そうですね?

    マイク・ジョン: そうです。

    ディアナ・ディゲット議員: OK、ケルさん? 水圧破砕用の液体は、国中で起きている水質汚染の原因となりえるはずはないとおっしゃっていますか?

    スコット・ケル: 6つの州に関してあるマスコミが報じた疑惑。石油とガス採掘活動のあらゆる状態を調査したわけではないので、誰もそうではないという声明はしません

    ディアナ・ディゲット議員: OK、議長、有り難うございます。

エイミー・グッドマン: コロラド州選出下院議員ディアナ・ディゲットさんでした。ジョシ・フォックスさん、彼女は誰に質問していたのですか。

ジョシ・フォックス: 彼女はチェサピーク・エナジー社のマイク・ジョンと、石油とガス業界から、様々な結果を分析して、莫大な金を得ている非営利団体、地下水保護委員会のスコット・ケルです。二人揃って水圧破砕は水に対し決して脅威ではないと言っているのです。

エイミー・グッドマン: ジョシさん、ところで、オスカー・ノミネーションお目出度う。アカデミー賞に出ておられたと思いますが。あなたの功績は国中にこれを知らしめたことですね。あなたが、国中で破砕(フラッキング)についての論争を引き起こしたのです。このニューヨーク・タイムズの暴露記事や、ウォルター・ハングが我々に語ってくれたことを全国的に伝えられますか? あなたは、そうしたわけです。"フラッキング"という言葉さえ聞いてもいないうちに、突然あなたが住んでいる所で、それをするつもりだと、彼等が言い出した、あなたの家の裏庭の懸念から、あなたは国中を回ったのですね。

ジョシ・フォックス: こうしたニューヨーク・タイムズ記事が出て、とても嬉しく思います。アカデミー賞ノミネーションを受けたことで、天然ガス業界がひたすら映画を攻撃し、映画の信頼性に疑念を投げ掛けていた時、必要だった大きな支援になりました。

しかし、この記事でわかるように、繰り返し繰り返し、科学が、現地の市民達が語っていること、言っていることを裏付けているのです。市民は、科学データの第一レベルなのです。タイムズがここで示しているのは、今起きていると思っている全てについて、市民達は間違ってはいないということです。こうした廃水は違法に河川に廃棄されていたのです。住宅付近の道路上に撒き散らされていたのです。EPAのエイミー・バーグデールはこれを良く知っていて、「ガスランド」を司法省の環境関連全部局向けに上映した際、彼女は実際にプレゼンテーションしました。EPA第3地域のエイミー・バーグデールが現れて、ニューヨーク・タイムズで読めるのとまったく同じプレゼンテーションをしたのです。

これは実に憂慮すべき情報ですが、明らかにこうした行為は、ペンシルバニアで見た、ペンシルバニア環境保護局長ジョン・ハンガーがしているように、かたくなに隠蔽されているように見えます。しかし、我々は、これと同じ類の行為が、コロラド州でも、ワイオミング州でも、テキサス州、ルイジアナ州で行われているのを見ています。アメリカ中で行われているのです。これは実に恐ろしいことです。

河川に投棄されているのは単に廃水だけではないことを補足したいと思います。この廃水は逆流してきた水です。頁岩層や、硬質砂岩や、炭層を破砕するため、最初に井戸の地下深く注入される調整された水なのです。この有毒物質の50パーセントから85パーセントは、実際は土壌中に残されます。彼等はそれ取り出せないのです。ですから、問題は、実際に廃棄すべき廃水だけでなく、その有毒物質が、こうしたガス井戸それぞれの土壌中に残されたまま、地表に注入されたまま、恐らく時間とともに移動してゆくことです。ニューヨーク州環境保護局の「環境に対する影響調査」のある検討によると、何十年もすると、[聴取不能]に残された液体が、 [聴取不能]に移行することを示しています。

エイミー・グッドマン: 我々はあなたと特別なコネがあるわけではありませんが、お聞きしたいと思うのですが、あなたの映画について、石油とガス業界が、あなたの映画は嘘のかたまりだといって、アカデミー賞委員会に訴状を提出しているという噂が広がっています。あなたのご感想は?

ジョシ・フォックス: げんこつを振り回すような、子どもじみた組織的中傷です。天然ガス業界は、映画をなんとか思い付くまま中傷しようとして、文書をアカデミー賞tに送りつけて、今回は本当にやり過ぎていると思います。連中は、これを一年やってきましたす。私たちのウェブ、gaslandthemovie.comに、我々の映画に関する連中の嘘のそれぞれに対する我々の反論を載せています。連中がしようとしてきたのは、地球温暖化現象に疑念を抱かようとする人々がしてしてきたことと非常によく似た戦術です。

連中がしているのは、極めて明白に虚偽であることが証明できる事を言っているのです。連中はたとえばこう言うのです。“我々は、飲料水安全法から免除されてはいない、だからジョシの映画は間違えで、皆が言っていることは間違いだ。”あるいは、“連中は、我々がたどり着く前に、水に火をつけることができたろう" 全く馬鹿げたことで、事実を見て、法律を見て、科学を見れば、簡単に誤りであることが証明できるのです。連中は、何の対策もとられないようにしようとして、マスコミで、我々に対する疑念を作り出そうとしているのだと思います。

しかし明らかに、ウォルター・ハング(訳注:全米で環境汚染物質の漏出や放出を追跡している調査会社トクシックス・ターゲティングの社長)が言っている通り、あなたが先に紹介された、私の偉大なヒーローの一人、ティム・クリストファー(訳注:ガス掘削を止めさせるため、入札でユタ原野を買い占めて妨害し、裁判にかけられている)が言っている通り、EPA内で、議会内で、経営幹部レベルで、また確かに国民の間でも、まさに今こそ行動すべき時なのです。

エイミー・グッドマン: ガスランドの監督、ジョシ・フォックスさん、ご出演ありがとうございます。アカデミー賞ノミネーション、あらためてお祝い申し上げます。

ジョシ・フォックス: エイミーさん、有り難う。出演できて光栄です。

エイミー・グッドマン: サンダンス映画祭で、ドキュメンタリーで、特別審査員賞を受賞されました。

記事原文のurl:www.democracynow.org/2011/3/4/natural_gas_industry_attacks_oscar_nominate

日本版デモクラシー・ナウの紹介ページ:http://democracynow.jp/dailynews/20110304
残念ながら、この番組、日本語字幕にはなっていない。
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Paul Craig Roberts氏の記事「汚染されたアメリカ」の中で、フラッキングによる被害として紹介されているのは、このことだろう。

この「ガスランド」BSドキュメンタリーで、何度か放送されていた。

「ガスランド」本編ではなく、二分ほどの宣伝トレーラーなら見られる。日本語字幕つき。

台所の流しに火をつけると燃えあがり、住民達はひどい健康被害を訴える。

超強力宗主国ガス村。トップが9/11で陣頭指揮をとったあの元副大統領とは知らなんだ。
日本の原発再開も、宗主国原発村からのご命令。シェールガス輸入命令も。先日首相が大演説を行ったCSISの第三次ナイ・アーミテージ報告に明記されている。

 

BSをご覧になった方々の感想、色々書かれている。例えば下記。

ブログ竹林軒出張所 『ガスランド』(ドキュメンタリー)

そして、藤永茂氏の「私の闇の奥」Idle No More (6) 2013/02/09、アメリカのシェール・ガスではないが、カナダのオイルサンドと、先住民にたいする被害について。両国で、全く相似形のできごとが起きていることがわかる。

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