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2013年3月22日 (金)

福島: 原子力擁護者達は、放射能に関する悪い知らせをもたらす伝令を撃っている

批判者達に対する原子力業界の猛烈な攻撃

Helen Caldicott

Global Research、2013年3月12日
The Age and Global Research 2011年4月26日

福島: 原子力の擁護者達は、放射能に関する悪い知らせをもたらす伝令を撃っている

記事は2011年4月に公開

チェルノブイリから25年、もし福島の原子炉メルトダウンが、いわゆる“原子力ルネッサンス”を停止、あるいは減速させれば、何十億ドルもが危ういことになる。批判者達に対する原子力業界の猛烈な攻撃で、これは明らかだ。

とりわけ、ウラン輸出を継続することで得られる莫大な利益を、何者にも決して邪魔させないようにするため、どんなことでもする宣伝攻勢を業界が行なっているオーストラリアで、これが目立っている。つまり、工場からノーザンテリトリーのマッカティ・ステーションでの放射性廃棄物処分場開設。そして大陸に原子炉を点在させるという業界の欲求のために。

原子力の良い影響とされるものへと、ダマスカス途上の聖パウロのような神秘的改宗をしたジョージ・モンビオを含め、原子力の擁護者連中は、私や他の人々を ”データーをえり好みして”放射能の健康的な影響を誇張していると非難している。ところが、事態はそれほど酷くないと人々を安心させることで、モンビオや他の連中は、放射能被ばくの有害な影響の科学的証拠を、ごまかし、歪曲しているのだ。

連中の偽情報の最初の目玉は、外部被爆と内部被爆の影響の混同だ。前者は、1945年に、広島と長崎上空で原子爆弾が爆発した際、人々が曝されたものだ。

内部被爆は、それとは対照的に、呼吸、摂取や経皮摂取で体内に入った放射性元素から放射されるものだ。福島周辺の海や大気に放出されている有害な放射性元素は様々な食物連鎖の各段階で濃縮される(例えば、藻類、甲殻類、小魚、より大きな魚、そして人; あるいは、土壌、草、牛肉と牛乳、そして人)。体内に入ると、こうした元素、体内放射体と呼ばれるものは、甲状腺、肝臓、骨や、脳等の特定の臓器に移動し、アルファ、ベータおよび/またはガンマ放射能を、わずかな量の細胞に、継続的に大量の線量で放射し、長年の間に癌を引き起こすことが多い。

更に多くは、長期間にわたり、環境中で放射性であり続け、未来世代への脅威となる。

体内放射体の重大な影響は福島での最も深刻な懸念だ。実際、チェルノブイリでそうであり続けているのと同様に。内部放射線量の評価に、”許容外部放射能レベル”という用語を使うのは、誤りであり、誤解を与えるものだ。そうすることで、誤りを広め、放射能の害についての真実を求める世界中の人々やジャーナリストに誤解を与えてしまう。

更に、原子力業界の擁護者達は、低い放射線量は悪影響をひきおこさず、それゆえ安全だと主張している。だが、米国科学アカデミー報告書が、2007年に結論を出した通り、バックグラウンド放射能を含め、いくら少なくとも、放射能線量は安全ではない。被ばくは累積するので、各線量(例えば医療用x-線であれ、間もなくオーストラリアの空港に導入予定のホール・ボディー・スキャナーを通り抜けることであれ)が、その人が生きている間に癌になるリスクを増大させるのだ。

チェルノブイリについては、1986年の放射能惨事に起因する罹患率と死亡率に関して、一見立派な様々な団体が様々な報告を発表している。2005年の世界保健機構WHO報告は、災害に直接起因するものは、わずか43人の死亡者だとし、更に4000件の致死的がんを予想していた。対照的に、ニューヨーク科学アカデミーが発行した2009年の報告書は非常に異なる結論を出している。著者の科学者達は、チェルノブイリ・メルトダウンに起因する死亡者数を、約980,000人と推計していた。

モンビオは、不当にも、報告書はあっさり無価値だと片づけているが、文献丸ごとを中傷し、無視するのは、傲慢かつ無責任だ。

最後に、世界保健機構WHOと、国際原子力機関IAEAの役割について、広まっている混乱がある。モンビオ WHOの様な国連傘下の機関が原子力業界の影響下にあり、原子力関連事項に関する報告が偏ったものになりかねないことに驚きを表明している。ところが、まさに実際そうなっているのだ。

原子力初期の頃、WHOは下記の1956年の警告等の様な、放射能リスクについての率直な声明を発表していた。”遺伝遺産は、人類にとって最も貴重な資産である。遺伝遺産が、我々の子孫の命、健康と、未来の世代調和のとれた発展を決定する。専門家として、原子力業界と放射能発生源が益々進展することで、未来の世代の健康が脅かされていると我々は確信している。”

1959年以降、この機関は、健康と放射能について何も声明も発表していない。

何がおきたのだろう?

1959年5月28日、第12回世界健康会議で、WHOは国際原子力機関IAEAと協定を締結した。この協定の一項目に、WHOが行なったり、報告したりするあらゆる研究への事前承認の権利を、事実上、IAEAに対して与えると書いてある。IAEAは、多くの人々が、ジャーナリストを含め、中立的な監視機構と考えているが、実際は原子力業界支持の団体だ。その基本綱領にはこうある。 ”本機関は、原子力が、世界の平和と健康と繁栄への貢献を促進し、増大することを目的とする。”

WHOのIAEAへの従属は、放射能科学コミュニティー内では広く知られているのに、モンビオは無視を決めこんだ。しかし、これは明らかに、最近、放射能に関する膨大な科学的情報を三日ほど精読した後も、彼が無知でいる単なる問題ではすまない。彼や他の原子力業界の擁護派連中が放射能リスクに関して振りまいている混乱は、タバコ業界が、喫煙の本当の影響について虚報を提起し、嘘を言ったのと実にそっくりだ。

彼らの主張にもかかわらず、”人間の健康に対する放射能の影響に関して、世界を”惑わしているのは、”反核運動”ではなく、彼等だ。

ヘレン・カルディコット博士は、Physicians for Social Responsibilityの創設者・理事長で、「Nuclear Power is Not the Answer」を含む7冊の本の著者。

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/fukushima-nuclear-apologists-play-shoot-the-messenger-on-radiation/24563
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Global Researchの再掲記事。

国営放送アナウンサー堀潤氏の退職、「原子力擁護者達が、放射能に関する悪い知らせをもたらす伝令を撃っている」を絵に描いたような典型。

福島対策に関連し、再三WHO報告が引き合いにだされている。リスクは少ないと。
本当なら良いニュース。
頭から信じる前に、大本営広報部が解説しないこうした視点も考慮すべきだろう。

1959年のWHO-IAEA協定文書・翻訳、市民放射能測定所にある

この条項のことだろう。

3. Wnenever either organization proposes to initiate a program or activity on a subject in which the other organization has or may have a substantial interest, the first party shall consult the other with a view to adjusting the matter by mutual agreement.

3. いずれかの機関が、他方の機関が重大な関心を持つか、持つ可能性のある計画または活動を企画するさいには、常に、前者は後者と協議し、相互合意にもとづく調整を図らなければならない。

他にも同じ意見の人はいる。

WHO 独立性回復を IAEAに従属『被害隠蔽の共犯』 東京新聞 こちら特報部 2012/5/26

スイス・バーゼル大学名誉教授のミシェル・フェルネクス医師は話す。

原子力産業が台頭してきた1957年に米国主導で設立した国産原子力機関(IAEA)や国際放射線防護委員会(ICRP)は、事故による死者数を急性被ばくなどの数十人と公表。いまだ小児甲状腺ガンの増加しか認めていない。

一方、ニューヨークの科学アカデミーの後援で編集され、2009年に刊行された本では、事故による死者は、98万5000人と推定した。
『被害実態を明らかにした研究者からの報告を黙殺し続けている。それに異を唱えないWHOは、被害の矮小化に手を貸しているといってもいい」

WHOは、緊急時にも適切な医療技術を提供する役割を負う。
ところが、59年にはIAEAとの間で、「WHOは国連安全保障理事会に従属するIAEAの了解なしに情報を公開したり研究したり、住民の救援をしてはいけない」との趣旨の合意をし、事実上「放射線分野での独立性を失った」と続ける。

記事の中にある「ニューヨーク科学アカデミーが発行した2009年の報告書」チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクトによりようやく、『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』として、2013/4/26 岩波書店より刊行。

岩波書店から刊行された『熊取六人組』、読み始めると止まらない? 日本中の原発御用学者を束にしても、この方々にはかなわない。教授・助教といった肩書と、人物・業務水準、必ずしも同期しない。

原発事故収束に、今後何世代もかかるだろうが、定年が遠い先ではないお二人に続く国家公務員の専門家はいない。国立大学・官庁は御用学者・官僚養成所。企業はまして。

退職を発表した堀潤氏の元職場、国営放送の方針、原発、増税、選挙、TPP、彼等の報道は、権力者の為にワンワン吠えるもの。犬HKとよばれる方々もいる。大多数の国民の為になる、本当の情報は流さないというのが、日本の全大本営広報部の社是だ。

貴重な情報を伝えた画期的番組、ETV特集「ネットワークで作る放射線汚染地図」担当の方々も、危険な地域に入るなという会社方針を守らなかったかどで処分された。

大本営広報方針に反して真実を伝えると、冤罪になったり、処分されたり、首になったりする。あるいは命すら危ういのかも知れない。

IWJ岩上安身氏、まさにTPPに触れた直後に、長く出演していた番組を突如下ろされた。

それで、上司、同僚ほぼ全員の意見に逆らう製品を企画した知人を思い出した。商品は、ユーザーの為に企画したものだった。

ほぼ社員全員の意見に逆らう製品、爆発的に売れた。

知人、その製品企画をする前、「欧米日・新製品開発会議」で問題発言をしたという。以下その伝聞。

「わが社にとって、アメリカ市場が最大なのだから、アメリカ向け製品開発に技術者全員を振り向けろ」とアメリカ人が発言した。知人は、下記反論をした。

「残念なことに、製品の性質上、アメリカ向け新製品は、ヨーロッパでも、日本でも決して販売することはできない。誰も購入してくれない。無理な要求だ。」 

日・欧・米、で票決をとった結果、アメリカの主張は通らなかった。

会議終了後、会議参加者全員、飲み屋で宴会をしていると、上司があたふたやってきて、こう言ったという。

「お前、会議で一体何を言った。今、アメリカ子会社社長から、お前を首にしろと電話がかかってきたぞ。」

結局、知人は仕事を干され、首になった。

典型的な二国間関係のエピソードに思える。悪い知らせをもたらす伝令は撃たれるのだ。

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