湾岸戦争文書: サダム・フセインと駐イラク米大使エープリル・グラスピー会談
1990年7月25日、1990年8月2日、イラクのクウェート侵略8日前
Global Research
Global Research、2013年3月17日
Global Research、012年5月30日
湾岸戦争文書:サダム・フセイン-エイプリル・グラスピー駐イラク・アメリカ大使会談
サダム-グラスピー会談
イラク大統領サダム・フセインとエイプリル・グラスピー駐イラク・アメリカ大使会談の記録 - 1990年7月25日(1990年8月2日のイラク・クウェート侵略8日前)
1990年7月25日 - 大統領官邸 - バグダッド
グラスピー・アメリカ大使 - 私はブッシュ大統領から、アメリカとイラクとの関係を改善するよう直接指示を受けています。我々は、あなた方のクウェートとの対立の直接原因ですが、あなた方が石油価格値上げを目指しておられることに、大いに共感しております。(ポーズ)。ご存じの通り、私はここに長年暮らしており、お国再建等、あなたの並ならぬご努力を尊敬しております。あなた方が資金を必要されていることを承知しております。私どもはそれを理解しており、我々の考えは、あなた方は、お国を再建する機会を持つべきだというものです。(ポーズ) 膨大な数の兵士を南に配備されていることを存じております。通常であれば、我々には関係のないことでしょうが、お国はクウェートに対して脅威になっているという文脈で、これが起きているので、我々が懸念するのも当然だろうと存じます。その理由で、対決ではなく、友情の精神から、あなたのご意向について伺うよう指示をうけています。お国の軍隊が、クウェート国境すぐ近くに結集しているのは何故ですか?
サダム・フセイン - ご承知の様に、クウェートとの紛争解決に至るべく、私は長年、あらゆる努力を払ってきました。二日以内に会談を予定しています。交渉に、私はもう一度だけ、短いチャンスを与えるつもりです。(ポーズ) 我々(イラク)が(クウェートと)会った際、希望があると思えれば、何も起きません。もし、解を見いだせない場合、イラクが死を受け入れつもりがないのは当然のことでしょう。
グラスピー・アメリカ大使 - どのような解なら受け入れ可能ですか?
サダム・フセイン - もし我々が、シャット・アル・アラブ全部を維持できれば、それは イランとの戦争上の我々の戦略目標ですが、我々は(クウェートに)譲歩するでしょう。しかし、もし我々が、シャットの半分と、イラク全土(つまりサダムの見解では、クウェートも含まれる)の維持との選択を迫られたなら、我々は、イラク全土を我々がそうあって欲しいと願う形で維持すべく、クウェートに対する我々の領有権の主張を守るために、全シャットをあきらめるでしょう。(ポーズ) これについて、アメリカ合州国の意見はいかがですか?
グラスピー・アメリカ大使 - あなた方アラブ人、あなた方とクウェートとの紛争の様な、アラブの紛争には何の意見もありません。(ジェームズ)ベーカー(国務)長官は、1960年代のクウェート問題は、アメリカとは関係がないという、最初にイラクにさしあげた説明を強調するよう、私に指示しました。(サダム笑う)
1990年8月2日、結集したサダムの軍隊は、クウェートに侵略し、占領した。
バグダッド、1990年9月2日、アメリカ大使館
一カ月後、イギリス人ジャーナリスト達が、上記の1990年7月29日、サダム-グラスピー会談録音テープと書き起こし記録を入手した。がくぜんとした彼等は、バグダッドのアメリカ大使館を去るグラスピー大使と対決した。
ジャーナリスト 1 - 書き起こしは(高く掲げ)本当ですか、大使?(グラスピー大使は答えない)
ジャーナリスト 2 - サダムだ(クウェート)を侵略するつもりだったのをご存じだったのに、あなたは、そうせぬよう彼に警告しませんでした。彼にアメリカは、クウェートを守るつもりだとは言われませんでした。あなたは彼に逆のことをおっしゃいました。アメリカは、クウェートとは関係がないと。
ジャーナリスト 1 - あなたは、侵略を、彼の侵略を奨励されました。何を考えておられたのですか?
グラスピー・アメリカ大使 - どう見ても、私も、そして誰も、イラクが、クウェートを全て占領するつもりだとは思っていませんでした。
ジャーナリスト 1 - 彼は一部だけ占領するだろうと思っておられたのですか? しかし、一体どうしてそう思われたのですか? サダムはあなたに言いましたよ。もし交渉が失敗したら、我々がそうあって欲しい姿のイラク全部の為には、イラン(シャット・アル・アラブ川)の目標をあきらめる。あなたは、それが、イラクが常に、歴史上イラクの一部と見なしてきたクウェートを含むことはご存じだったでしょう!
ジャーナリスト 1 - アメリカが、侵略にゴーサインを出したのです。少なくとも、あなたは、サダムに、ある程度の攻撃は認めると、イラクが自分の領土だと主張している、アル-ルメイラ油田、紛争中の国境地帯と、湾岸の島々(ブビヤンを含め)強奪にアメリカは反対しないとゴーサインを出すのを認められたのではありませんか?
(グラスピー大使は無言のまま、リムジンのドアが閉じ、車は走り去る。)
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罠にかけた前段部分は知っていたが、後段は知らなかった。
代表的属国大本営新聞、3月19日社説、とんでもない妄言。目の毒だが、引用させていただこう。正気の沙汰ではない。こういうプロパガンダ広報誌を、お金を払って講読する皆様の心理、理解できない。(それを言うなら、小生が講読している新聞も同類だが。)安倍支持者、自民、公明、みんな、維新支持者や、憲法破壊に賛成する方が多い背景、わかる気がする。ハーメルンの笛吹新聞。
戦争は、苦い教訓を米国に残した。占領統治は混乱し、4500人近い米兵の命が失われ、巨額の戦費で財政赤字は膨れあがった。開戦の理由とした大量破壊兵器が見つからず、威信は揺らいだ。揺らぐどころではない。
「コストに見合わない戦争だった」との批判は絶えない。殺人経済学
国際社会の足並みも乱れた。米英の武力行使に、仏独露などが反対した。イラク戦争への評価は、今なお定まらない。定まっている。戦争犯罪そのもの。
留意すべきは、米国が開戦に至った本質的な問題が今も未解決だということである。何が未解決なのだろう?
中略
日本は、北朝鮮の増大する脅威に直面するだけでなく、軍事・経済の両面で膨張著しい中国とも向き合わなければならない。宗主国こそ日本攻撃中。
対イラク開戦を巡り、小泉首相が日米同盟重視の観点から、米国の武力行使を支持する一方で、民主党など野党は「大義なき戦争だ」と反対に回り、国論は割れた。反対派が正しかったのは明らか。
だが、日本が、米国との同盟を堅持する必要性は10年前から少しも変わっていない。むしろ強まったと言える。馬鹿を言え!
イラクの大量破壊兵器計画を米英が過大に評価した反動で、国際社会が北朝鮮やイランの核開発能力を過小に見積もるようでは危険だ。米国が武力行使に慎重になり過ぎれば、北朝鮮の脅威に対処する選択肢を狭める恐れがある。 テロ国家を放置しておくことこそ危険だろうに。
日本に必要なのは、米国との関係に安住せず、集団的自衛権の行使を可能にするなど同盟強化へ具体的な手立てを講じることだ。属国化強化?
イラクでは、選挙実施など民主化が進み、原油生産も回復して産油地の北部や南部は繁栄に沸いている。フセイン独裁政権の崩壊なしには難しかったろう。 真っ赤な嘘。
最後は略。
孫崎享氏も、八面六臂の活躍にもかかわらず、地獄への道をひた走る日本を慨嘆しておられる。冷静に考えれば、テレビ視聴者の数とくらべれば、孫崎享氏の読者、講演聴講者、nicovideo視聴者、0.0%だと。悪貨は良貨を駆逐する。
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墓参りに行くつもりが、昨日から腰の調子が思わしくなく、ちょいと天気も渋りそうだ [続きを読む]
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米国のシナリオ通りに演じる役者ども、ですね。
日本の民衆が立ち上がらないのは、職を得て生活出来ている労働者層がその生活を守りたいがために現状維持を良しとしているからでしょう。社会全体の危機を見ようとしないのです。実は既に多くの大事な物を失いつつあることを自覚していない民衆は、日々の生活をつつがなく送るのを選択したのです。連帯すべき原発問題、福島・沖縄問題、TPP問題などで盛り上がりが欠けるのはそのためと思います。
既得権を手放したくないのは民衆を含めた全ての層で認められます。もっと大きな物を失ってようやく日本の民衆は立ち上がろうとするのでしょうが、その時は既に遅し。マルティン・ニーメラーの詩の最後の段にいることを気づくのです。
投稿: 海坊主 | 2013年3月20日 (水) 12時17分
まるであの国が元締めの八百長プロレスに踊らされる悲しい道化師どもに飼いならされた羊の群れがこの国。能天気にも筋書き通りにぶざまに踊って終局へ。与えられるだけで何の不満も言わ(え)ない、言うオツムもない。むしゃむしゃ大食らいして満足した豚みたいだ。
投稿: 不満足なソクラテス | 2013年3月20日 (水) 00時31分