ヨアニ・マリア・サンチェス - 国務省とCIAのお雇いブロガー
Nil NIKANDROV
2013年3月1日
Strategic Cultural Foundation
欧米のあらゆる報道機関は団結して、キューバ出国の許可を得た37歳のキューバ人ブロガー、ヨアニ・マリア・サンチェス・コルデロのニュースを報じている。彼女は5年間の出国許可を得ようしていたが、ようやく取得したのだ。サンチェスは、自分の出国が衆目を集める出来事とほど遠いことにいらだっているようだった。劇的な動きは皆無だった。尋問もなく、検査もなく、<カストロ兄弟政権>を中傷するのに利用できるものは皆無だった。
ヨアニの80日間歴訪先はスペイン、スイス、ドイツ、イタリアとアメリカ合衆国を含む10ヶ国だ。ブラジルが最初の訪問国で… 現地での初舞台は失敗だった。<独裁政権>に支配されている国々における言論の自由の抑制に専念する<キューバ-ホンジュラス・コネクション>と題する誹謗中傷ドキュメンタリー上映に、左翼の抗議参加者の集団が、反対デモをした。ヨアニ・サンチェスは役に立つのだ。彼女は、キューバにおける民主主義の為の戦い、若者を結びつける為のソーシャル・ネットワーク活用について語る人物だ。彼女は、キューバでの生活と、<全員の為の本当の民主主義>という夢を嫌悪しているのだ。
ブロガーは、<ブラジル国内のカストロ兄弟政権支持者達>が上映を妨げた事実にいらだっていた。彼女は、ディルマ・ルセフ政権に、ラウル・カストロ政権の人権問題に対処すべく、<より精力的>で<断固とした>姿勢をとるよう呼びかけた。彼女によれば、<キューバの人権の話題を語る際、タフさや率直さが足りない。皆沈黙しすぎている。人々は忘れない>。最初の出来事の後、彼女の警護は強化された。ブロガーのツアーを妨害するためなら、ハバナはどんなことでもする用意があるとマスコミは報じた。ブラジル外務大臣パトリオタは噂を否定した。彼はブラジル訪問に何の障害もないと述べた。ヨアニは、アメリカ国民にとって最も安全なホテルという評判の、最も人気のあるホテルに滞在した。彼女の滞在はブラジル・ホテル協会の(無償受け入れ)負担によるものだ。
ソーシャル・ネットワークのおかげでヨアニが獲得した名声は入念な検討に値する。一体どのようにして、ハバナの地域社会のサービスや運輸問題に批判的な普通のブロガーに過ぎない人物が、アメリカ国務省とCIAが、キューバで立ち上げた宣伝攻勢の重要人物になれたのだろうか? 彼女は2002年に偽装結婚した後、スイスに移住した。恐らく、そこで、アメリカの諜報機関が、有望な影響力工作員として、彼女に目をつけたのだ。スイスで暮らす中南米の人間は多く、CIAは現地では常に強いコネを持ち、非常に強い立場にある。彼女は、この仕事に必要な全ての素質を持っていた。哲学科を卒業した彼女は大志に満ち、分析と即興の特別な素質があった。ブロガーは、肉体的魅力の欠如を、優れた知的能力、政治とジャーナリズムでの実績で補おうとした。CIA工作員はこうしたこと全てを利用し、<順調な出世街道>、国際的名誉と、キューバ政府による<弾圧>からの保護を彼女に約束した。
彼女は、スイスでコンピューターに精通するようになり、プログラミングや他の技術を学んだ。研修は後に役立った。数々の機会に、外国人向けのホテルで、インターネット接続をするのに、ドイツ人旅行者のふりをしたと彼女は語っている。パーティーで、必要な情報を得る為に、一度ならず、見分けがつかない程変装したことがある。このブロガーは、監視されたり、尾行されたりした場合、アメリカ合衆国ハバナ公館の連絡相手と会う為、姿を消す名人だ。だが彼女は、アメリカ人との運営会議に、いつも謀略を弄するというわけではない。多くの場合、彼女は白昼、自分のアパートで会う。<私には何も隠すものはないので、堂々と行動する>振る舞いだ。
サンチェスは2004年の夏、キューバに戻った。2007年4月、彼女は、キューバ生活についての単刀直入な思いを書く、Generation Yブログを立ち上げた。(発音はヘネラシオン・イグリエガ、だと思う)ブログは最初から主に若者向けだった。ヨアニは自分自身を<困難な生活>条件で、善悪の問題をあれこれ考える若いキューバ人だとしている。彼女は、かつて、あるインタビューで、自分には<新聞やテレビでは決して論じられない多くの問題や話がある。それは皆、懐疑心と強く混じっている …、ブログで、多くの悪魔を乗り越えることができるようになった。無気力、恐怖、不活性。ブログ・セラピーは、同じ悪魔にとりつかれた多くの人々の心をつかむ方法を編み出したのだ>と語っている。
国務省とCIAは、できるだけ短期間でブログを宣伝するよう最善を尽くした。ブロガーの投稿記事は20の言語に翻訳された。文章はまとめられ、話題別に分類され、本として刊行された。四冊の分厚い本が2010-2011年に刊行された。
網羅された多くの問題は、時と共に大きくなった。キューバの経済状態、世論、トップ交替の可能性似ついての噂。欧米マスコミによって、このブログは最も信頼できる情報源だとされた。ハフィントン・ポスト、マイアミ・ヘラルド、ニューヨーク・タイムズ、スペインのエル・パイスや、アルゼンチンのクラリンが彼女に協力しはじめた。高名な国際的な賞を続々受賞するようになった。2008年4月、彼女は、スペイン語日刊紙エル・パイスのオルテガ・イ・ガセット・ジャーナリズム賞を得た。短期間の内に、彼女は、約20の賞、合計25万ドル以上を得た。アメリカのタイム誌は、すぐさま、その年の地球上で最も影響力のある100人のリストに彼女の名前を載せ、フォーリン・ポリシーは彼女を、主要な中南米知識人の一人と呼んだ。
WikiLeaksによって公にされた、アメリカ・ハバナ公館の報告は、カストロ兄弟が去った後、キューバの社会的・政治的生活に影響を与えることができる、ヨアニ・サンチェスのような有望な若い<従来とは異なる反体制派>に触れている。それこそが、なぜオバマ大統領が、サンチェスの振る舞いに、それ程気を配るのかという理由だ。2007年に、彼はこのブロガーの7つの質問に回答した。一見そう見えるようにできている。アメリカ・ハバナ公館は、質問を得て、大統領の名前で回答した。彼等は国務省とホワイト・ハウスの承認を得るため、それをワシントンに送付した。その後、文書はアメリカ・ハバナ公館に返送され、サンチェスに再送されたのだ。
2011年、サンチェスは、アメリカ国務大臣・国際的に勇敢な女性賞を受賞した。ミシェル・オバマと、ヒラリー・クリントンが式典に出席した。彼女によれば、キューバ当局にどのように迫害されようと、他の人々が語ろうとはしないことを語るという自分の道を進むつもりだ。
2012年、このブロガーはスペインの進歩民主連合党(スペイン語ではUnion Progreso y Democracia)によって、ノーベル平和賞にノミネートされた。賞は欧州連合が受賞した。間違いなく、彼女はまたノミネートされるだろう。キューバ政府が弾圧すれば、彼女が受賞する可能性は高くなろう。だが、このブロガーから、間欠的な情報戦争をけしかけられても、キューバ指導部は控えめだ。彼女はキューバで支持を得ているのだろうか? たいしてありはしない。キューバ人は社会主義を否定した他の国々の例を良く知っている。
記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2013/03/01/yoani-maria-sanchez-blogger-on-state-department-and-cia-service.html
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ニュース、オリンピックIOCの開催国選考委員来日の話題。揃い踏み英語演説。
福島の被災者の方々のお世話を済ませ、無限にたまる水を含む事故をなんとか収束した後、孫の世代に、招致をすべきだろう。
深刻な事態が続いているのに、報道管制で、情報だけもみ消しても、放射能は消せない。日本全国の原発、停止していても、大地震がおこれば、同じ事故が起きる。そういう所にお客様を呼んではいけない。マイケル・サンデル教授、なんと答えるだろう。福島での講義番組で始めて彼の授業を見た。質問が仮定の設定ではないので。
全く知らず興味もない人の話。読みとばして頂きたい。題名には共感した。
大本営広報部の力で簡単に人気者が作り上げられる見本に思える。つまりこの属国の
xxxx - 国務省とCIAのお雇い政治家
xxxxには、お好きな名前を。ソ連ジョークがそのまま流用できる国になった。
ある男が赤の広場で、「スターリンの大馬鹿野郎!」と叫んだ。
早速秘密警察に逮捕され、強制収容所送り。刑期は二十五年。その内訳は
国家元首侮辱罪で五年。国家機密漏洩罪で二十年。ある男が皇居前広場で、「xxxxの売国奴野郎!」と叫んだ。
早速警察に逮捕され、刑務所送り。刑期は二十五年。その内訳は
国家元首侮辱罪で五年。国家機密漏洩罪で二十年。
しかし
ブロガーは、肉体的魅力の欠如を、優れた知的能力、政治とジャーナリズムでの実績で補おうとした。
とは、余りに手厳しい。
この国の傀儡与党や野党を装う与党分派の人気者皆様、製造工程、ヨアニ・マリア・サンチェス・コルデロと同じだろう。宗主国留学経験者の皆様、特にあてはまるだろう。あの方も、この方も。
政治家は、劣った知的能力と、政治での実績の欠如を、肉体的魅力で補おうとした。
方が多数に見える。肉体的魅力も欠如している方もおられる。「みこしは軽くて」。
彼・彼女は日本で支持を得ているのだろうか?
かく言う小生、肉体的・性格的魅力の欠如では、決して人後に落ちない。
宗主国なり、属国なりの支配層のご下命・お支払いで、大本営広報部が一斉宣伝すれば、人気者、たい焼きのように簡単にできる。ただし資金元は国民の税金。
60年の歴史を誇る電気装置の、唯一証明された機能。
欧米のあらゆる報道機関は団結して、キューバ出国の許可を得た37歳のキューバ人ブロガー、ヨアニ・マリア・サンチェス・コルデロのニュースを報じている。
というが、関係の薄いこの国で、記事はなかろうと思ったが、さにあらず。
几帳面に報じている大本営広報機関いくつかある。見出しは、
反体制ブロガーが出国=政府が海外渡航認める-キューバ
たい焼きのように皆同じパターン、サンパウロ発。リンクが消えているものも多い。
皆様の時間を泥棒したくないので引用しない。報じるべき大事な話があるだろうに。彼女のブログ、日本語版もある!
真摯なブログの方が的確な記事を書いておられる。
「キューバ研究室」反体制派ブロガー、ヨアニ・サンチェス 2010年4月18日 (日)
そして、尊敬する藤永茂氏のブログ「私の闇の奥」
2011/05/04 ものを考える一兵卒(a soldier of ideas)(2)
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