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2013年2月22日 (金)

専制の制度化

Paul Craig Roberts

2013年1月18日

共和党員と保守派のアメリカ人達は、福祉国家という姿の大きな政府と、依然として戦っている。どうやら彼等は、大きな政府の姿の軍事化した警察国家というものを聞いたことがないもののようだ。また、もし聞いたことがあるとすれば、彼等は、それに違和感が無く、全く異存がないのだ。

下院・上院議員達を含め、共和党員は、大きな政府が、宣戦布告あるいは議会の承認さえ無しに、戦争を始めても、ワシントンが戦争状態に無い国々の国民を、無人機で殺害しても、満足している。共和党員は、連邦“治安”機関が、アメリカ国民を令状無しでスパイし、あらゆる電子メールを記録し、インターネット・サイト、フェースブックの投稿、携帯電話の会話、クレジット・カードでの買い物を覗いても気にならないのだ。議会の共和党議員は、この情報を蓄積するユタの巨大施設の予算に賛成投票までした。

だが天は、大きな政府が、貧しい人に何かをすることを禁じている。

フランクリン・D・ルーズベルト大統領が、1930年代に法制化の署名をして以来、共和党員は、社会保障制度と戦っており、リンドン・ジョンソン大統領が、「偉大な社会」計画の一環として、1965年に法制化の署名をして以来、メディケアとも戦ってきた。

保守派は、リベラル派が“慈悲を制度化した”と非難する。クロニクル誌の2013年2月号に書いた記事で、ジョン・C・サイラー,Jr.は、ジョンソンの「偉大な社会」は“共和党のささやかな自由を享受していた国を、現在、我々が耐えている、中央集権化し、官僚化し、堕落し、破綻した国に変えた主要な力”だと罵っている。

ヨーロッパでは、民主主義、自由、福祉、裕福な人々、国家による公共医療サービスが全て共存しているのに、なぜかアメリカでは自由は実に脆弱で、老人だけが受けられる限定された医療サービスで破壊されてしまっていることに、保守派は思い至らないのだ。

保守派の共和党員は、慈悲を制度化する方が、専制を制度化するより遥かに良いことにも気がつかないもののようだ。

専制の制度化は、21世紀のブッシュ/オバマ政権による実績だ。「偉大な社会」ではなく、これこそ、アメリカの伝統からの決定的な決別だ。建国の父達が打ち立てた、憲法によるほぼ全ての自由の保護を、ブッシュ共和党員が破壊した。ブッシュの憲法廃止を、オバマ民主党員が成文化し、法の適正手続きなしに、政府によって殺害されることから国民を守る保護を消し去った。二人の大統領にとって、アメリカ人を、あらゆる先進国の中で、実際には、おそらくあらゆる国の中で、最も自由でない国民にするには、十年間あれば十分だった。一体他のどの国々の最高責任者が、法の適正手続きなしに、国民を殺害する権利を持っているだろう?

連中自ら拷問を制度化し、人身保護法に違反して無期限拘留し、嫌疑や立証されていない告発だけで、国民を殺害し、プライバシーを完璧・完全に侵害し、訳の分からない“搭乗拒否”リストや道路検問所で、旅行する権利に介入し、国民や抗議する権利を行使する人々に対し、警察による残忍な扱いをし、評論家を冤罪に陥れ、言論の自由の範囲を狭めていながら、保守派が、慈悲による自由の破壊を嘆くのを聞くとはらわたが煮えくり返る。

現在、ファシスト的アメリカにおいては、連邦政府の行政府にしかプライバシーはない。プライバシーは組織のものであり、個人にはないのだ。CIA長官ペトレイアスの運命がそれを証明している。行政府は、あらゆる個人のプライバシーを破壊しながら、自らのプライバシー特権だけは主張する。行政府を、その犯罪行為から守るため、国家安全保障が引き合いにだされる。連邦の検事は、実際、被告に対する証拠を機密情報化し、被告の弁護士にはそれが公表されない形の裁判を行う。弁護士依頼者特権に違反しろという連邦検事命令に従わないため、リン・スチュアートの様な弁護士達は投獄されている。

おかげで“イスラム教テロ”から守られるき思いこんでいる為、保守派は怪物のような警察国家が作り出されるのを容認している。今度は政府によるテロに襲われやすくなっていることに気付く才知、彼等にはない。

例えば、ブラドリー・マニングの場合をお考え頂きたい。戦争犯罪を明らかにするのは、あらゆる兵士の責務であるという事実にもかかわらず、アメリカ政府の戦争犯罪を暴露する機密情報を漏らしたかどで、彼は告訴されている。事実上、ありとあらゆるマニングの憲法上の権利がアメリカ政府によって侵害された。彼は拷問された。マニングに、認める様強要し、またWikiLeaksのジュリアン・アサンジを巻き込むことを狙って、でっち上げた罪状のおかげで、マニングには迅速な裁判を受ける権利があるのに、ほぼ三年間の裁判前拘留や、政府の検事により繰り返された裁判先延ばしによって、権利を侵害された。そして今、公正な裁判官というより、告訴側の一員として立ち現れた裁判官のデニス・リンド大佐は、証拠漏洩された情報が国の安全保障を損ねていないという政府自身の報告を、マニングは使うことが出来ないと裁定した。リンドは、犯意という法的原理も投げ捨て、アメリカの戦争犯罪に関する情報を漏洩したマニングの動機を、彼の裁判で、証拠として提示することはできないと裁定した。http://www.armytimes.com/news/2013/01/ap-judge-limits-motive-evidence-wikileaks-case-bradely-manning-011613/

犯意というのは、犯罪とするには、罪を犯そうする意思が必要だということだ。この法的原理を放棄することで、リンドは、マニングが、彼の動機が軍法上の義務を果たすことであり、戦争犯罪の証拠を明らかにすることであることを示すことを妨げたのだ。これにより、裁判官が、正しい行為を、機密情報を暴露して敵を助ける犯罪へと変えてしまうことが可能になる。

もちろん、戦争犯罪で苦しめられた敵は、既にそれに気がついているのだから、マニングが暴露したとされるものいずれも、いかなる形でも、敵の幇助などしていない。

忠誠なアメリカ人兵士がその道徳心ゆえに起訴されていることに、オバマ民主党員は保守派の共和党員同様、何の懸念もしていない。マニングの裁判で、政府による勝利の定義は、正義が勝利することとは全く無関係だ。ワシントンにとっての勝利とは、道徳心を撲滅し、腐敗した政府を、その戦争犯罪を公にされることから守ることを意味している。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/01/18/the-institutionalization-of-tyranny-paul-craig-roberts/

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著者、Paul Craig Roberts氏、人が書いた日本関係文章をわざわざ紹介しておられる。
日本に、中国との対決をけしかけるアメリカ」John V. Walshの文。
原発再開・推進、集団的自衛権、TPP加盟等に注意するよう日本の警戒を促している。

マニング氏の裁判、もちろん軍事法廷。

この国でも、自民党、異神、みんなの尽力で、安保ではなく、憲法を放棄し、国防軍も軍事法廷も愛国者法も実現する。

お気づきと思うが、Paul Craig Roberts氏、再三アメリカにおける憲法の停止を批判し警鐘を鳴らしておられる。

宗主国において、まともな憲法が邪魔だということで停止されてしまうのであれば、まして属国において、まともな憲法が停止されないはずがない。宗主国は本気で潰しにかかっているだろう。

「壊憲」「尖閣」「竹島」を高らかにうたう政党、ことごとく傀儡。マスコミはダマスコミ。

連中が唱導してきたこと、ことごとく庶民を不幸にするものだった。「壊憲」に限って幸せをもたらすはずが無い。

憲法を停止している世界最大の軍隊を持った宗主国、国民の皆様どれだけ幸せでおられるのだろう。主力産業の軍産複合体・金融業の幹部諸氏が幸せだろうことは想像できる。

この国の人々も、宗主国並の侵略軍や高価な医療を享受?できるようになるだろう。

属国の軍産複合体・金融業幹部諸氏の幸福度は増すだろうが、庶民の暮らし、確実に、不幸度が増すだろう。

宗主国で数少ない知性派、正義派の彼氏が憲法の停止を警告する。事実だろう
宗主国で憲法が停止されるのは人ごと、と思われる向きが大多数ではと思う。

宗主国で憲法を停止するのに、属国の優れた憲法の存続を許すはずがない。
それが実はTPPの意図するところ。日本改造計画。外からの憲法破壊。

TPPは「聖域」に限る大本営広報部。日本を自治州に変える道具「ISD条項には触れない」申し合わせがあるのだろう。

岩月氏ブログ「ISDの罠 番外 TPPを慎重に考える会学習会(第44回)」記事が書かれている。冒頭のリンクで、当日配布された詳細レジメと、末尾のリンクで参考資料が、ダウンロード可能になった。

 

このレジメ、資料、是非ダウンロードされることをお勧めする。 下記IWJインタビューも必見。

2013/02/21 「TPPは現代の植民地政策」 米韓FTAの惨状からTPPを考える ~郭洋春氏(立教大学経済学部教授)緊急インタビュー

与党・大本営広報部が言い立てる「聖域」などごく手始め。本当の狙いは、非関税障壁を大企業の都合にあわせてぶち壊すことにある。上記インタビューで、「入札書類や会話が日本語では意味がわからない。我々がわかる英語にせよ!」と言われる可能性すらなきにしもあらずという話もあった。よその国に日本語を押しつけた国、英語を押しつけられる。TPP、日本満州国化策のようなものか。旗と歌のメロディーは残る。歌詞は英語。

明日という日、第三の植民地化・自治区化が始まる「国辱の日」として歴史に残るだろう。愛国という名の売国行動で。

「タタールのくびき」という言葉を世界史で聞いたことがある。
現在のロシア人などの祖先であるルーシ人のモンゴル=タタールへの臣従を意味するロシア史上の概念である。とWikipediaにある。
「アメリカのくびき」という言葉、日本史で聞けるようになる日、くるのだろうか?

しつこくTPP関連記事の一部をあげておく。

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