米英マスコミ、女性が前線で戦闘することを認める'リベラル'政策を称賛
Cem Ertur
Indybay
2013年1月25日、金曜 1:14 PM
新年に、アジアやアフリカ中で更に多くの国々が英米の戦争の犠牲となる中、ニューヨーク・タイムズとタイムズは、続行中の大量殺りくに女性兵士を直接携わらせるという、それぞれの政府の計画を称賛している。
タイムズ、2013年1月25日
ニューヨーク・タイムズ、2013年1月24日
米英マスコミ、女性達が前線で戦うことを可能にする'リベラル'政策を称賛
propaganda alert
Cem Erturにより編集
2013年1月25日
記事「前線での平等: ペンタゴンは、女性を戦闘任務につけることに対する禁令を解除することになっている」からの抜粋 (*)
エリザベス・バミラー、トム・シャンカー、ニューヨーク・タイムズ、2013年1月25日
[アメリカの]レオン・E・パネッタ国防長官、女性[兵士]の戦闘に対する軍の公式禁止を解除し、それにより女性兵士には、更に何十万もの前線任務の機会が拡がろうと国防省幹部は水曜日に語った。
現実には、女性がイラクやアフガニスタンの戦闘の場に派兵されることが多いとは言え、この画期的決定は、女性が、砲兵、装甲車兵、歩兵や他のそうした戦闘任務につくことを禁じる1994年のペンタゴン規則を覆すものだ。ペンタゴンによれば、何十万人もの女性達が、こうした戦争に派兵されている。昨年時点で、800人以上の女性[兵士]が二つの戦争で負傷しており、130人以上が亡くなった。[…]
明らかにこの決定は、特にオバマ大統領が今週の就任演説で打ち出した、機会均等という問題をめぐる、広範で野心的なリベラルな狙いとしっくり合う。(**)
(*) 印刷物での記事題名
(**) バラク・オバマ大統領就任演説
ホワイト・ハウス・ウェブサイト、2013年1月21日
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2013/01/21/inaugural-address-president-barack-obama
記事「女性部隊、前線での戦闘に向かって行進中」からの抜粋
英国国防軍、2017年までにアメリカの範に習うことを決定
デボラ・ヘインズ、タイムズ、2013年1月25日
イギリス軍の女性は、前線への女性兵士配備禁令を解除するというアメリカ合州国の画期的な決定に続いて、戦闘部隊で軍務に就くことが認められるようになる可能性が高い。
イギリスは、女性兵士がある種の任務に応募するのを禁じる政策を、4年以内に見直さねばならない。[…]
[労働党の]影の国防相(*)ジム・マーフィー議員は、[保守党]政府に、女性が戦争の前線に参加することに対する、イギリスの禁令を見直すよう強く要求した。[…]
"我々イギリス人は、我が軍の為、全員の素質と勇気を最大に活用しなければならず、イギリスの政策を見直さねばならない" [とマーフィー議員は語った。]
女性兵士、水兵や航空機乗組員達は、既に、衛生兵、諜報部員や戦闘機パイロット等、彼女達を最前線の立場におくような広範な任務に取り組んでいる。彼女達は間もなく潜水艦での軍務にもつく予定だ。
(*) 影の大臣とは、党が政権に着いた際、閣僚となる予定のイギリス議会第一野党議員
関連記事:
Obama's inauguration、rhetoric versus reality. "I the people still believe in war"
What does this new 'liberal vision' actually mean?
by Richard Becker、Global Research、23 January 2013
http://www.globalresearch.ca/obamas-inaugural-speech-rhetoric-and-reality/5320244Inaugural hypocrisy
by Stephen Lendman、SteveLendmanBlog、23 January 2013
http://sjlendman.blogspot.com/2013/01/inaugural-hypocrisy.html
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propaganda alert:
UK tabloid: First British woman soldier to kill an enemy fighter
by Cem Ertur、Indybay、2011年12月10日
http://www.indybay.org/newsitems/2011/12/10/18702411.php
記事原文のurl:www.indybay.org/newsitems/2013/01/25/18730796.php
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2013/1/27夜の「日本人は何を考えてきたのか」第12回は、女たちは解放をめざす ~平塚らいてうと市川房枝。最後の部分で、市川房枝が戦争を警戒していたことが紹介された。慧眼。日本の男女平等指数ランキング、101位、先進国中最低とあった。
アルンダティ・ロイの「資本主義:ある怪談」に、男女平等をうたう人々の運動にふれる部分があった。
女性運動のNGO化は、西欧のリベラル・フェミニズムを、それこそフェミニズムの旗手だと規定するようになった(最もふんだんな資金援助を得たブランドのおかげで)。戦いは、一方ではボトックスを、もう一方でブルカを追い出すことで、例によって女性の体を舞台に展開された。(そしてボトックスとブルカの二重苦を味わう人びともいた。)最近フランスで起きたように、女性が自分がしたいと思うことを選べるような状況を創り出すのではなく、女性にブルカを脱ぐよう強要する試みがなされる場合、それは女性を解放するのではなく、裸にするのと同じことだ。それは、屈辱と文化的帝国主義の行為に変化する。それはブルカ問題ではない。無理強いだ。女性にブルカを脱ぐよう強要するのは、ブルカを着けろと強要するのと同じ位悪いことだ。このようにしてジェンダーを見ると、そこから社会的、政治的・経済的文脈を剥奪し、アイデンティティや小道具や衣装の戦いの問題にしてしまっている。
フェミニズムだかジェンダーだかの話題で、夫を「主人」と呼ぶのはまずいのではという説、何かで読んだ記憶がある。ごもっともだろう。
男性・女性は、自然現象の差異で、50:50の比率。ジェンダーというのは、その生物学的な性差に起因する、社会的・文化的なあり方を言うのだろうか? 素人には良くわからない。
性差についての言語研究があるなら、権力の差に関する言語研究ないのだろうか?
素人は、性差より、1:99の貧富・権力の、完全に人工的な差別こそ大問題に思う。
集団自衛権を認めた後、やがて、こうした機会平等が実践されることになる。
女性も宗主国の為に戦闘する機会を享受できるようにするリベラル政策、有り難いものだろうか?
「希望は戦争」「失うものがない若者は、戦争では失わずに、何かを得る可能性がある。」という不思議な言説を護持して行く末は、こういう未来だろう。
「失うものがない若者は、戦争では失わずに、何かを得る可能性がある」ことが実際に、頻繁に、起きていれば、宗主国、とうの昔に平等な国になっていたろう。
若桑みどり著「戦争とジェンダー」でマリヤ・ギンブタスの研究が紹介されている。
ギンブタスによれば、ヨーロッパにおいて、紀元前9,000年前ごろから4,500年ころの間、社会のしくみや宗教において、母系的なものが尊重され、戦争を好まず平和に暮らし、貧富や階層の差が少なく、男女の協調関係が保たれている独特の文化が形成されていた
と言う。平塚らいてうの有名な文章を連想させられる話だ。家父長制とともに、それが変わってしまった、ということだろうか。
反・ギリシア神話 失われた女神たちの復権 というウェブがこの説について詳しいようだ。
「戦争とジェンダー」に刺激され購入したリーアン・アイスラー「聖杯と剣」、本の山にまぎれたまま。〈支配者形態社会〉から〈協調形態社会〉への転換の可能性を追求して人類の未来への展望をひらく、というのだけれども、少なくとも、この国は逆方向を驀進中。
ポール・クレイグ・ロバーツ氏、再三「マトリックス」のセリフを引用して、歪曲された社会の実態を説明している。例えば、アメリカ人をシステムから切り離すことは可能だろうか?の冒頭。
"ネオ、マトリックスというのはシステムだ。そのシステムは我々の敵だ。しかし、その内部に入りこんで、あたりを見回すと、何が見えるだろう? ビジネスマン、教師、弁護士、大工。我々がまさに救おうとしている人々の心だ。だが、我々が救い出すまでは、これらの人々は依然としてそのシステムの一部だ。それで彼らは我々の敵になっているのだ。こうした人々の大半は、システムから切り離される用意が、まだできていないことを、君は理解しなければならない。そして、彼らの多くは余りに慣らされ過ぎていて、絶望的なほど、このシステムに依存しているために、彼らはそのシステムを守ろうとして、闘おうとするのだ。" - マトリックス (1999)
人は、自分が持ってもいない株価上昇やら、大本営広報が提供してくれる幻覚やらによって、本当の人生を生きることはできない。清の国民は阿片におかされていた。この国の人々はマスコミにおかされて滅亡する。
2013年01月29日 本澤二郎の「日本の風景」(1265)<安倍支持率にメディアの貢献>
女たちは解放をめざす ~平塚らいてうと市川房枝のお二人、「日本人は何を考えているのか?」と今の状態を見ておられるに違いない。
平塚らいてう、「敗戦によって、明るい世界がひらけた」と書いていた。
数年間(実際は、明治以来、戦争は続いていたが)続いた悪夢の戦争の後、たしかに、一時は、与えられた偽の束の間の自由、あったのかも知れない。
しかし、現代の我々、間もなく、完全属国として組み込まれる。
第二次世界大戦、太平洋戦争の場合は、敗戦後、束の間の自由幻想があった。
しかし、現代の我々は、宗主国が崩壊するまで、永遠の完全属国のままだ。
何十、何百世代も先には、春が訪れるかも知れない。放射能が消え失せるころ。
名画「猿の惑星」フィクションではなかったようだ。
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