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2012年12月

2012年12月27日 (木)

元韓国独裁者の娘が大統領選勝利

wsws.org

Ben McGrath

2012年12月20日

与党セヌリ党の朴槿惠が、昨夜韓国次期大統領になった。彼女は相手の民主統合党(DUP)の文在寅に51.6パーセント対48パーセントという僅差で勝利した。75.8パーセントという投票率は、直近の過去の選挙よりは高いが、とりわけ若者の間での、民主派を含む政治体制全体に対して広がっている疎外感を反映している。

朴の選出は、韓国の企業エリートによる、労働者階級との対決に備えた、独裁主義的な支配への転換を示している。彼女は1960年代と1970年代の大半、韓国を支配していた今は亡き軍事独裁者朴正煕の長女だ。彼女の父親は、民主的権利や、労働者によるあらゆるストライキや抗議行動を情け容赦無く抑圧し、韓国のコングロマリット、財閥の急速な成長の基礎を築いた。

母親が1974年に北朝鮮工作員によって殺害された際、朴は父親の大統領夫人役をつとめた。彼は1979年、労働者や学生の騒乱という流れの中で、抗議行動参加者の殺害を巡る激しい議論のさなか、韓国CIA部長の金載圭によって暗殺された。1998年、彼女は国会議員になった。
文在寅 (上)と朴槿惠の選挙横断幕

朴は、貧困な韓国をアジアで四番目の経済に変えた功績は彼のものだと、マスコミと右翼政治家達によって語られることが多い、父親に関する見当違いの郷愁に基づいて、特に年配の韓国人達に訴えかけた。朴は選挙勝利後、支持者達に向け、経済回復を求める“国民の希望”の勝利だったと語った。

有権者に訴えかける為、朴も文も財閥の力を規制するための“経済的民主化”について弁舌巧みに語った。主要大企業は朴を支持した。彼女は、恐らく将来のより良い生活とされるものの為に、労働者階級の犠牲を要求するであろう父親のスローガン“より良く生きよう”を使った。

全国経済人連合会の副会長鄭炳哲は、先月書面の中で、韓国国民は“大規模な引き締めの取り組みに”備えねばならないと警告した。彼は政治家達は“経済危機を克服しようと自ら心を砕くのではなく、大統領選挙に先んじて、票を集める為、人気取りのための政策を進めている”と批判した。

過去、1961年の軍事クーデターによって“国を救った”父親を称賛して語ってきた朴ならば、緊縮策を強行するため、労働者階級に対する警察国家的抑圧をしかけることも辞さないだろうと大企業は判断したのだ。

朴は有権者に対し、韓国“初の女性大統領”を選出することによって“ジェンダーの平等”に向けた歴史的な“変化”を起こすよう訴えた。実際は、彼女は金持ちと貧乏人の格差を広げる自由市場改革の再来を表している。彼女は自らを、イギリスのマーガレット・サッチャー首相やドイツのアンゲラ・メルケル首相の韓国版になぞらえている。

労働者階級にとって、社会状況は悪化し続けよう。今年、韓国経済はおよそ2.4パーセント成長に鈍化し、韓国GMや巨大通信会社のKTを含むより多くの企業が従業員を削減している。学生達は膨大な借金を背負って大学を卒業するのに、五人に一人は仕事を見つけることができない。

民主党が大統領選挙に勝てなかったことは、韓国のいわゆる“リベラル”陣営の深刻な危機を反映している。財閥に対する文の穏やかな規制要求ですら、大企業エリートには容認できないものと見なされた。同時に、民主統合党に対する広範な不満ゆえに、文は若者の間の支持を得ることができなかった。

民主統合党とその同盟者達は、支持率が20パーセントの範囲に止まっていた退任する李明博大統領に批判的な綱領を掲げて選挙運動を行った。にもかかわらず、1990年代中と2000年代初期に権力の座にあった際の、自らの反労働者階級政策の結果、4月の国会選挙時にそうであったように、国民のこの反発を利用するのに、彼等はまたもや失敗した。

とりわけ金大中大統領は労働者階級の社会的地位を弱体化させる上で重要な役割を果たしていた。1997-98年のアジア金融危機の間、彼は国際通貨基金(IMF)の要求を断行し、大企業の終身雇用制度を終わらせ、低賃金臨時労働に道を開いた。金の後継者盧武鉉はこうした政策を継続し、2007年に李が広範な国民の反感に乗じて権力の座につくのを可能にした。

文の敗北は、民主統合党と“左派”支持者達、特に統合進歩党(UPP)と韓国労働組合総連盟(KCTU)の破綻した政策をも暴露した。いずれも文の選出を推進し、彼を朴に対する“進歩派”代替候補として押し出そうとしていた。統合進歩党の大統領候補者、李正は、文を支持して出馬を辞退するまで、しばらくの間、朴批判で見出しを飾った。ストライキ弾圧で、李政権に協力してきた韓国労働組合総連盟は、労働者をだまして、文は朴よりも、労働者階級の圧力に敏感だと信じさせようとしていた。

選挙は主として国内経済政策に焦点を当てていたが、迫り来る国際問題が、朴の大統領選出に重要な役割を演じたことは確実だ。朴も文も、李大統領の不人気な対決政策から自ら距離を置くため、北朝鮮に対し融和的な態度をとっていた。とはいえ、北への投資の機会を開拓することを狙って、以前の民主党政権が実施していた“太陽政策”に回帰することを主張した文と比較して、朴は、より強硬な姿勢を維持している。

朴の勝利がオバマ政権に歓迎されるのは確実だ。戦略的に中国を包囲するためのアジアへの“旋回”で、オバマ政権は韓国を重要な同盟国と見なしている。とはいえ、韓国の支配者集団は、アメリカとの軍事同盟と、中国との巨大な経済関係の板挟みになっている。財界エリートは既に韓国最大の貿易相手国である中国との緊密な絆を築きあげており、文等の政治家達も、同様に北朝鮮を低賃金労働の場として利用することを狙い、北朝鮮に対してより穏やかな態度をとって、関係を深めようとしている。

北東アジアにおける緊迫した状況は、安倍晋三の右翼自由民主党を政権に復帰させた日曜の日本での選挙によって更に悪化した。国粋主義的綱領を掲げて戦った自民党は、日本と中国の一層の対立を招くだろう。韓国の選挙も片づいたので、朴新政権はアメリカの外交政策と一層露骨に連携する外交政策を自由に推進することが可能だ。

朴の選出は、この地域における激しい政治的混乱と、韓国国内でのより激しい階級闘争の時代が始まったことを示すもう一つの目安だ。

著者は下記も推奨する。

韓国: 独裁者の娘、大統領選立候補を表明(英語記事)
[2012年7月18日]

記事原文のurl:www.wsws.org/en/articles/2012/12/20/kore-d20.html

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お隣もコワモテの先祖を持つトップ。こちらと同じ彼女も強力な原発推進派。

想像もしない大量アクセスを頂いた無人機記事に関連する話がニュースになっている。

韓国、無人偵察機グローバルホークをご購入。こちらもたくさん購入させられるだろう。殺人装置製造は宗主国最大の基幹産業。消費・需要を継続させ続けるには、戦争継続軍事ケインズ政策が必須。戦争の理由はすべてこじつけ。イラクには大量破壊兵器疑惑を理由に侵略した。シリアは化学兵器を理由に侵略予定だろう。

宗主国の為にならない医療・福祉予算より、宗主国に貢げる軍需、TPPこそ重要。

これから加盟するTPPという多国間協定、実態はステロイド版日米FTAだろうに、新政権はどう対応するのでしょう?と大本営広報放送、印刷物は垂れ流す。

自民党大勝利ばかりを報じて、小選挙区制度の不合理さに一切触れないのと全く同じパターン。TPP加盟の利点・問題点を報道する特集記事を、数日間かけて連載するだけで、結論は容易に出るだろう。一番重要なことに触れないのが死の商人御用広報の秘訣。

就任記者会見は御祝儀質問ばかり。

    • 「集団自衛権ということで、壊憲し、侵略戦争に参戦ですか?」とか
    • 「TPPで、医療も知的財産権もいいなりの、おいしい日本にするのですか?」とか
    • 「上関原発は即推進ですか?」という質問、誰もしない。

国民の利益のための主張は一切せず、強奪されるままの米日FTA(別名TPP)に加盟しようとしている日本に一歩先駆け、お隣の国は壊国条約米韓FTAを締結している。

政党政治も組合も、軍事も、日本の鏡像を見ているよう。

みこしは軽くて」を絵に描いたような二人の理想的ラップ・ドックlap dogを頂く両国。この国では、ワンフレーズ首相の秘書まで再抜擢。第二次腹話術内閣?

「折角の記事を載せても、末尾につけた駄文が全て台無しにしている。」あるいは
「折角の記事に、無理やりおかしな駄文をつけている」というご意見、中にはある。

本日夕刊の大見出し、防衛大綱見直し 米との連携強化 とある。
大本営広報部「皆様の孫子が宗主国侵略戦争に派兵される可能性が増えます」と具体的なことは書いてはくれない。そうしたいと思っていても、言ってしまえば票は逃げる。

上記のご意見の皆様は、ご自分で、尖閣やら竹島やら北方の島やら、中近東に宗主国の傭兵として出征されたいのだろうか? 防衛大綱見直し 米との連携強化とは、そういうことを意味すると想像する方が普通だろう。

アメリカの恐ろしい真実」という記事も実に大量のアクセスを頂いた。今でも多数のアクセスを頂いている。前回記事同様「あとがきのなかで、突然、憲法9条のことを言うのはおかしい」という様なご意見があり、大変不思議に思ったものだ。

あとがきの駄文、本当に、こじつけ妄想であって欲しいものだと思う。答えは皆様の目の黒い内にでるに違いない。

新刊の『原発をつくらせない人々祝島から未来へ』岩波新書を読んで思い出した。
危機突入内閣氏のおひざもと山口・上関原発建設計画では、鎮守の森を含め、自然を守ろうとして奮闘された宮司が解雇されていた。

鎮守の森を中国電力に売却するのを拒否した林春彦宮司、山口県神社庁によって解雇された。売ろうとしないのは職務怠慢だというのだ。
後釜にイエス・マンが送り込まれ、神社の森を中国電力に売った。

2002年5月発売の現代農業増刊「新ガーデンライフのすすめ 庭、里山、鎮守の森」に掲載されたものが、STOP!上関原発のウェブで読める。1ページ 2ページ 3ページ

たしか12月に裁判の結果がでると、新書にはあったが?

官邸前デモ何回かでかけたが、20万人集まっても原発容易にとまりそうもない。

「未着工原発の凍結、白紙」という今日の夕刊の見出しをみて気がついた。

神社庁は原発推進派なのだから、お賽銭を投げたり、有り難い縁起物?を購入するのは原発推進支援行為と言えそうだ。

そこで来年から、初詣はするが、お賽銭を投げたり、縁起物購入はしないことにした。

1000万人?のお賽銭が無くなれば、権勢をほこる神社とて真面目に考えざるをえなくなるかも知れない。官邸デモと違い日本中誰でもできる素晴らしい抗議行動に思えてきた。

神様がおられれば「脱原発のためなら、ただのお参りを許す」と言って下さるに違いない。

小選挙区制がとんでもない制度であるということは、客観的事実。たしか本澤氏が下記文章で触れておられるご本も拝読した記憶がある。残念ながら手元に見当たらない。拝読しながら「アフガニスタンには一体何人のアメリカ軍兵士が、一体いつまで駐留するのか?」の末尾に書いたChickens come home to roost.についての駄文を思い出した。

本澤二郎の「日本の風景」(1234)<小選挙区制と小沢一郎>2012年12月27日

2012年12月24日 (月)

無人機操縦者の苦悩

デア・シュピーゲル

Global Research
2012年12月16日
シュピーゲル・オンライン

Nicola Abe

ある兵士がクラス一番で卒業することを目指した。彼は成功し、ニューメキシコにあるアメリカ合州国空軍の特殊部隊に勤務する無人機パイロットになった。彼は何十人もの人を殺害した。ところが、ある日、もうこれ以上できないことに気がついた。

ブランドン・ブライアントは、エアコンで摂氏17度に保たれ、治安上の理由でドアを開けることができない長方形の窓のないトレーラーほどの大きさのコンテナの中で5年以上働いていた。ブライアントと同僚達は14台のコンピュータ・モニターと4つのキーボードを前に座っていた。ブライアントがニューメキシコでボタンを押すと、地球の裏側で誰かが死んだ。

コンテナは、コンピュータのブーンという音で満ちていた。それは空軍用語で言うコックピットとして知られている無人機の頭脳なのだ。だがコンテナの中にいるパイロットは空を飛んでいるわけではない。彼等は操縦席に座っているだけだ。

ブライアントはそうした人々の一人で、プレデター無人機が10,000キロ以上も離れたアフガニスタン上空で8の字型を描いて旋回していた時の、ある出来事を非常に鮮明に覚えている。陸屋根の泥作りの家のヤギを入れておくのに使われている小屋が標的になっていたとブライアントは回想している。砲撃命令を受け、左手でボタンを押し、屋根にレーザーで標識を付けた。彼の隣に座っていたパイロットがジョィスティックにある引き金を押し、無人機にヘルファイア・ミサイルを発射させた。命中するまでには16秒かかる。

“この瞬間はスローモーションのようなものです”と彼は言う。無人機に取り付けられた赤外線カメラで撮影した画像が衛星で送信され、2から5秒の時間差で彼のモニターにあらわれる。

あと7秒という時点では、地上には誰も見あたらえかった。その時点であれば、ブライアントはまだミサイルをそらすことができる。あと3秒になった。ブライアントは、モニター上のピクセルを一つずつ数えなければならないように感じた。突然、一人の子供が角をうろついていたのだと彼は言う。

ゼロ秒に、ブライアントのデジタル世界が、実世界のバグランとマザリ・シャリフの間の村と衝突した。

ブライアントは画面上で閃光を見た。爆発だ。建物の部分が崩壊した。あの子供も消えた。ブライアントは胃がムカムカした。

“俺達は子供を殺したのか?”と彼は隣席の男に尋ねた。

“ああ、あれは子供だったと思う”パイロットは答えた。

“あれは子供だったのか?”二人はモニターのチャット・ウィンドウに書きこんだ。

すると、二人の知らない人物が答えてきた。世界のどこかにある軍司令部に座っていて、彼等の攻撃を観察していた人物が。“違う。あれは犬だった”とその人物は書いた。

二人はこの場面をビデオで見直した。二本足の犬?

見えない戦争

その日、ブライアントはコンテナを出ると、いきなりアメリカに踏み入った。乾いた草原が水平線まで拡がり、畑と液肥の香り。数秒毎にキャノン空軍基地のレーダー・タワーの光がたそがれの中で点滅していた。そこでは何の戦争も起きてはいない。

現代の戦争は思想のように目には見えず、距離によって、その意味を奪われている。それは自由な戦争ではなく、世界中の様々な場所にある小さなハイテク・センターから制御される戦争だ。新しい戦争(の遂行方法)は旧来のものよりも正確だと見なされ、それゆえに“より人間的”と呼ぶ向きすらある。それは知性の戦争で、アメリカ合州国のバラク・オバマ大統領が、彼の前任者の誰よりも推進している戦争だ。

この戦争の計画が行われているペンタゴンの廊下は、壁は暗色の木製パネルで覆われている。空軍幹部たちのオフィスはここにある。プレデターの絵画、キャンバス上の無人機が、軍指導者の肖像画の隣に掛けられている。軍の視点からすれば、“対テロ戦争”において近年のプレデター発明ほどの成功は他にない。

米軍は、アメリカ合州国内のいくつかの空軍基地と、東アフリカの国ジブチの一つも含めた海外の場所から、無人機を制御している。バージニア州ラングレーの本部で、CIAはパキスタン、ソマリアとイエメンでの作戦を制御している。

‘我々は命を救っています’

淡い色の目ながら敵の明確なイメージを持った人物、ウィリアム・タート大佐は、無人機を“距離が自然に発展したもの”と呼んでいる。

数カ月前、ラングレーのアメリカ空軍遠隔操縦航空機(RPA)タスクフォース司令官に昇進するまで、タートはラスベガスに近いネバダ州のクリーチ空軍基地の司令官で、そこで彼は無人機作戦を指揮していた。自分で無人機を操縦する時にはいつも、モニター脇のチェック・リストに妻と三人の娘の写真を貼っていた。

彼は航空機に意志や自我があるような含みがあるので、ドローン(無人機)という呼び方は嫌いだという。彼は“遠隔操縦航空機”と呼ぶのを好んでおり、飛行の大半は情報収集が目的だと指摘した。ハイチでの地震後、無人機を人道的任務に用いたことや、リビア戦争での軍事的成功について彼は語った。彼のチームが、いかにミスラタを標的にしたロケットを載せたトラックを攻撃したか、元リビアの独裁者モアンマル・カダフィと彼の側近が逃亡していた車列をどのように追跡したか。彼はアフガニスタン現地にいる兵士達が空からの支援に対して常に感謝の意を表している様子を説明した。“我々は命を救っているのです”と彼は言う。

彼は標的殺害については余り話さない。彼はクリーチでの作戦司令官としての二年間で、非戦闘員が死ぬのは見たことがないし、無人機は女性や子供がいない建物だけ攻撃するのだと主張した。指揮命令系統について質問すると、タートは3-09.3と呼ばれる275ページの文書に触れた。その書類は、要するに、空軍による他のあらゆる攻撃と同様、無人機攻撃は承認されることが必要と述べている。作戦が行われる国にいる将校が、作戦を承認することが必要なのだ。

“臨床的な戦争”という言葉を使うと彼は怒りだす。その言葉で、あなたは泥の中を歩いて渡ったことなど無いだろうとか、血の匂いを嗅いだこともないだろうと非難し、あなたが言っていることなどさっぱりわからないといったベトナム戦争退役軍人を思い出すのだ

それは本当ではないとタートは言い、仕事からラスベガスまでの一時間のドライブを仕事から離れるために使うことが良くあると言う。“我々は人々を何カ月も観察します。彼等が犬と遊んだり、洗濯をするのを見ています。我々は隣人の暮らし方と同様に、彼らの暮らし方も知っています。葬式にさえ行きます。”いつも簡単なわけではありませんと彼は言う。

無人機の逆説の一つは、標的への距離を広げるにつれ、近接さをかもし出すことだ。“戦争はどことなく、個人的なものになるのです”とタートは言う。

‘男達、女達や子供達が死ぬのを見ました’

モンタナ州の小さな町ミズーラのはずれに、山々や林や霧の塊を背景に、一軒の黄色い家が立っている。大地はこの季節最初の雪に覆われていた。現在27歳のブライアントは母親の家の居間で長椅子に座っていた。彼は軍を除隊し、今は故郷で暮らしている。彼は頭を剃り、3日間の無精ひげを生やしている。“四カ月も赤外線の夢をみていません”あたかも彼にとって、ちょっとした勝利であるかのごとく、彼は微笑みながら言った。

ブライアントは6年間の空軍生活で、6,000飛行時間を積んだ。“当時、男、女や子供が死にました”とブライアントは言う。あれだけ多数の人々を殺そうとは思ってもいませんでした。実際、私は人など殺せないと思っていました。”

不人気な職務

高校卒業後、ブライアントは調査ジャーナリストになりたかった。日曜には教会に行き、赤毛のチアリーダー達が大好きだった。大学の前期の終わりには、既に何千ドルもの借金を背負っていた。

彼が軍隊に入ったのは偶然だ。ある日、陸軍に入隊する友人に付き添った際、空軍には自前の大学があり、無料で大学教育も受けられると聞いたのだ。ブライアントは試験の成績が非常によかったので、情報収集部隊に配属された。無人機にとりつけられたカメラやレーザーの制御方法や、地上画像、地図と気象データ分析を学んだ。彼はセンサー技師となったが、これはおおよそ副操縦士に相当する。

イラク上空で最初の飛行任務を果たしたのは20歳の時だった。ネバダ州では暑い晴れた日だったが、コンテナ内は暗く、イラクは夜明け前だった。米兵の集団が前進基地への帰途にあった。ブライアントの任務は空の“守護天使”として道路を監視することだった。

彼はアスファルトの中に目の形を見つけた。“訓練で目の形がわかったのです”と彼は言う。道路に簡易爆発物を埋めるために、敵戦闘員は道路上にタイヤを置き、アスファルトを柔らかくするためにそれを燃やすのだ。その後は、上空から見ると、目のような形に見えるのだ。

兵士の車列は、目の形からまだ何マイルも離れていた。ブライアントは上司に報告し、上司は司令部に通知した。車両が現場に近づいて行くのを、彼は数分間じっと見つめていることを強いられたのだと、ブライアントは言う。

“何をすべきだろう?”と彼は同僚に尋ねた。

だが、そのパイロットも新人だった。

ジャミング機能の送信機を使っている地上の兵士達とは無線では連絡ができない。ブライアントは最初の車が目の上を越えるのを見た。何事も起きなかった。

すると二台目がその上を越えた。ブライアントは地上での閃光と、続いて車両内の爆発を目にした。

5人の米兵が亡くなった。

以来、ブライアントはその五人のアメリカ人のことが頭から離れない。彼はプレデターとミサイルのマニュアルを含め全てを記憶し始め、あり得るあらゆるシナリオも理解した。このようなことが二度と起きないようにすべく、最高の兵士になると固く心に決めたのだ。

‘人類から断ち切られたように感じました’

勤務時間は12時間にわたった。空軍ではイラクやアフガニスタンのリモコン戦争は要員不足のままだった。無人機パイロットは臆病なボタン押し係と見なされていたのだ。仕事があまりに不人気なので、軍は退役軍人まで引き入れざるを得なかった。

ブライアントは最初にミサイルを発射した時、二人の男を即死させたのを覚えている。ブライアントが見つめると、三人目の男が断末魔の苦しみにあるのが見えた。男の足は無く、男は足の付け根を両手で抱え、暖かい血が二分もの間地面に流れていた。ブライアントは彼は帰宅しながら泣いて、母親の家に行ったと言う。

ミズーラのシナモンとバターの香りが空気中に漂っているお気に入りのコーヒーショップに座って、“ほぼ一週間、人類から断ち切られたように感じていました”と彼は言う。人々を眺め、ニーチェやマーク・トゥエインの本を読んで、そこで長い時間を過ごし、時々立って席を変えた。もはや同じ場所に長時間座り続ける事ができなくなったのだという。そうしていると神経質になるのだという。

彼女とは最近分かれた。彼が抱えている苦悩について彼女が尋ねたので、彼はそれを話したのだ。だがそれは、彼女には対処することも、共有することもできない困難だった。

地元をドライブする時、ブライアントは操縦士用サングラスをかけ、パレスチナ風スカーフを着ける。クライスラーの内部は彼の飛行中隊のワッペンで覆われている。彼のFacebookページにコインと授与された非公式メダルの写真アルバムを作った。彼が持っているものは、この一つの過去だけなのだ。彼はそれと苦闘しているが、それは自尊心の源でもある。

2007年にイラクに派兵された時には、自分の略歴に“戦闘準備よし”という標語を掲げた。バグダッドからおよそ100キロの米軍基地に配属され、無人機を離着陸させるのが任務だった。

無人機が飛行高度に到達するとすぐに、アメリカ合州国のパイロットが引き継ぐ。プレデターは一日中滞空していられるが、非常に速度が遅くもあり、作戦地域の近くに駐留する必要があるのだ。ブライアントは砂色のオーバーオールを着て、防弾チョッキを着けて、無人機にもたれた写真用ポーズで写っている。

二年後、空軍は彼を特殊部隊に採用し、彼はニューメキシコのキャノン空軍基地に配属された。トレーラー、給油所と福音派教会ぐらいしかないクローヴィスというほこりっぽい町で、彼と仲間の兵士達はバンガローで共同生活をした。クローヴィスは一番近い町から何時間もかかるところにあった。

アフガニスタンでは昼にあたるので、ブライアントは夜勤が好きだった。春には、雪に覆われた山頂や緑の渓谷の景色が、生まれ故郷のモンタナ州を思い出させた。人々が畑を耕し、男の子達がサッカーをし、男達が妻や子を抱きしめるのを見ていた。

暗くなると、ブライアントは赤外線カメラに切り換えた。夏は暑いので多くのアフガニスタン人は屋上で眠ります。“連中が妻とセックスをするのも見ました。二つの赤外線の点が一つになるんです。”と彼は回想した。

武器を隠しているタリバン戦士や、軍、諜報機関や現地の情報提供者達が何かを知っている為に、リストに載っている人々を含め、何週間も人々を観察していた。

“連中を知っておかねばなりません。命令体系の上層にいる誰かが射撃命令を出す前に。”彼が父親を奪った子供達に、彼は良心の呵責を感じていた。“彼等は良い父親達でした”と彼は言った。

自由な時間には、ブライアントは、テレビゲームやインターネットの“ウォークラフト”で遊んだり、友人と飲みにでかけたりしていた。TVなど、もう興味がそそられたり、刺激的だったりしないので見てはいられないのだ。最近彼は睡眠障害を味わっている。

‘感情が入り込む余地はありません’

本名は黒いテープで覆われているバネッサ・マイヤー少佐はニューメキシコのホロマン空軍基地で無人機パイロット訓練用プレゼンテーションをしている。空軍は、2013年までに、需要を満たすだけの十分な要員を育成する計画だ。

34歳のマイヤーは、リップ・グロスを塗り、指にはダイヤを付けており、無人機パイロットになる前は、貨物機を操縦していた。緑色の空軍オーバーオールを着て、訓練用コックピットに立ち、シミュレーターを使って、アフガニスタン上空で無人機をどのように操縦するかデモをするのだ。モニター上の照準線は、泥小屋の集団にたどり着くまで、白い自動車を追従する。無人機の方向を定めるにはジョイスティックを使い、無人航空機の速度を下げたり上げたりするレバーを左手で操作する。コンテナの背後にある飛行場で、マイヤーは、細身で輝くプレデターと、四機のミサイルと爆弾を装備する兄貴分のリーパーを見せてくれた。“偉大な飛行機です”彼女は言った。“ただ天気が悪いときには動きませんが。”

マイヤーはラスベガス近くの、若者達がスポーツカーで出入りし、山脈が砂漠上を巨大な爬虫類の様にずっと連なるクリーチ空軍基地で無人機を操縦していた。ネバダ州で無人機パイロットをしていこ頃のことを説明して、マット・マーティン大佐は彼の著書“プレデター”の中で“時に、自分が遥か彼方から雷電を投げつける神の様に感じた。”と書いている。マイヤーはここで働きながら最初の子を産んだ。妊娠九カ月でも、彼女はおなかをキーボードに押しつけて、コックピットに座っていた。

攻撃準備をしている時には“感情が入り込む余地はありません”と彼女は語っている。もちろん、心臓がより早く鼓動し、アドレナリンが体中を駆け巡るのは感じたという。だが彼女は厳格に規則を守り、飛行機の位置調整に集中した。“決定がなされ、相手が敵で、破壊する価値がある法律上の標的だと判断された場合、発射するのにためらいはありませんでした。”

世の中の悪が入り込む余地無し

仕事の後、彼女はハイウエイ85を通り、ラスベガスに向かって、カントリー・ミュージックを聴きながら 見ることもなく平和活動家の横を通り過ぎて、家に向けてドライブする。コックピットで何が起きたかを考えることは滅多にない。だが時には、成績を上げたくて、頭の中で個々のステップを検討することもある。

彼女は買い物にもでかける。時にレジの女性がこう質問するのが奇妙に感じられる。“ご機嫌いかが?”彼女はこう答える。“いいわ。あなたは? さようなら。”落ち着けないと感じると、走りに出掛ける。地上の兵士達を助けられることが、毎朝起きる励みになっていると彼女は言う。

マイヤー家の世界には悪がつけいる余地はない。彼女と無人機パイロットの夫は仕事については話さない。彼女はパジャマを着て、TVでアニメを見るか、赤ん坊と遊ぶ。

現在マイヤーには二人の幼い子供がいる。“お母さんは働いて、良い仕事をしている”ことを子供に見せたいと思っている。自分が見た、従順で頭から爪先まで覆われたアフガニスタンの女性の様にはなりたくないと思っている。“アフガニスタンの女性は戦士ではありません”と彼女は言う。マイヤーは現在の教師としての仕事には非常に満足しているが、いつか戦闘任務に戻りたいと考えている。

すぐ切り換えて、普通の生活に戻ることができないんだ’

ある時点で、ブランドン・ブライアントは仕事を辞めて、何か他のことをしたくなった。彼は海外、今度はアフガニスタンで更に数カ月過ごした。だが、ニューメキシコに戻ってから、突然汗の匂いのするコックピットがいやになったのに気がついた。彼は悪臭を消すために芳香剤を撒き始めた。命を奪うのではなく、何か命を救う仕事をしたくなっているのにも気がついた。友人達は彼を思いとどまらせようとしたが、彼はサバイバル訓練のトレーナーとして働くのが望みにかなうのかも知れないと考えた。

そこでクローヴィスのバンガローで彼が毎日始めたプログラムは、パワー90エクストリームというブート・キャンプ式フィットネス計画だ。計画にはダンベル・トレーニング、腕立て伏せ、懸垂と腹筋運動が含まれている。ほぼ毎日バーベルも挙げた。

コックピットで平穏無事な日々には、こんな風な走り書きで日記を書いていた。“戦場に終わりなどなく、流血あるのみ。総力戦。あらゆる恐怖を目の当たりにした。目が腐って欲しいと思う。”

彼は考えた。体調さえ良くできれば何か違うことをさせてくれるだろう。問題は、彼は仕事が良くできたことだった。

ある時点で、友人と会うのを楽しめなくなった。女性とも出会ったが、彼は機嫌が悪いと文句をいわれた。“すぐ切り換えて、普通の生活に戻ることができないんだ”と彼は恋人に言った。家に帰って眠れない時には、運動をした。上官に口答えをし始めた。

ある日彼は仕事中に倒れ、体をよじって血を吐いた。医師は、家にいて、連続二週間、毎晩四時間以上眠れるようになるまで仕事に戻らないように命じた。

“半年後、コックピットに戻り、無人機を操縦していました”とミズーラにある母親の家の居間に座ったブライアントは言う。犬がくんくん鳴いて、頭を彼の頬に置いた。当面、彼は自分の家具を使えない。家具は保管されていて、保管料を支払う金がないのだ。彼に残されているのはコンピュータだけだ。

ブライアントは、インタビューの前の晩、Facebookに絵を投稿した。緑の草地に立って、手をつなぎあって、空を見上げているカップルが描かれている。一人の子供と犬が二人の横の地面に座っている。だが草地は世界の一部に過ぎない。その下には、最後の力を振り絞って体を起こそうとしている死につつある兵士達の海、死体と血と四肢の海がある。

退役軍人健康庁の医師達は、ブライアントを心的外傷後ストレス障害と診断した。心の傷無しに行える快適な戦争という一般的な希望は実現していない。実際、ブライアントの世界はアフガニスタンの子供の世界と融合してしまったのだ。無人機の頭脳で起きた短絡のようなものだ。

なぜ彼はもう空軍にいないのだろう? ある日、次回の契約には署名しないだろう気がついたのだと彼は言う。ブライアントがコックピットに入り、自分自身が同僚達にこう言っているのが聞こえた日のことだ。“おい、今日はどんな馬鹿野郎が死ぬのかな?”

クリストファー・サルタンによるドイツ語からの翻訳

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/the-woes-of-an-american-drone-operator/5315869

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ベストセラーの一冊(2012/10/25は一位)、The Pantherという最近出た小説、イエメンで、無人機が影の主人公?として大活躍する。625ページにおよぶ長編。トレーラーのような管制室も登場する。宗主国最大の国営事業虐殺すら人気小説になるお国柄?

そういうお国に、いよいよ完全属国化して組み込まれる。「発言権を持つ州」の一つとしてではない。発言権皆無で、孫子たちの金と命を無条件で永遠に差し出す完全属国として。

最近書店で見かけ、二度目の購入をした本(一冊目は行方不明)、世代の近さゆえか納得して読んだが、最後の言葉に大いに共感しながら、むなしくなった。はかなく消えた美しい夢に。もちろん著者が悪いわけではない。あとがき217-218の最後の文章を引用させていただこう。カリスマ首相については、終章180ページあたりで触れられている。

マルクスの逆襲』三田誠広著、集英社新書 2009/5/20第一刷発行

革命や武装蜂起がなくても、マルクスの夢は実現できる。経営者から労働者まで、すべての国民が良識をもち、共通の理念をもつということは不可能ではない。もしそれが実現できれば、いまのままの民主主義のシステムで、国家のあり方を修正することも可能だ。

ただし、規制緩和や構造改革をスローガンにして選挙で大勝利した、あのインチキなカリスマ政治家に騙されてしまうような国民が今後も大多数を占めるのであれば、この国に未来はない。

もちろん、今回の選挙結果、決して、騙されてしまうような国民が大多数を占めたわけではなく、小選挙区制度によって歪曲されたがゆえに得られた結果だ。しかし、小選挙区制度はもちろん、衰勢の中にあって、主導権の維持と、属国体制恒久化を狙った宗主国・属国支配村の強い意志と権力と金力によって実現されたもの。豪腕政治家主導のもとで。

そこで再度、五十嵐仁の転成仁語 12/20小選挙区制にこのような害悪があることはとっくの昔から分かっていた

追記: 2015/7/31

英語学者で、実際に翻訳書も何冊もだしておられる方が、この拙劣な翻訳文章について、丁寧な批判を書いてくださっている。具体的な模範翻訳も提示してくださっている。

上記翻訳文の読みにくさにあきれた方あるいは、他記事の翻訳のひどさにあきれた方は、是非、この記事を味読頂いた上で、それぞれ翻訳をされるよう、お願いしたい。

ご専門が素人には理解困難なので、残念ながら、翻訳書は購入できないが、今後、先生が、同じような趣旨の記事や本の翻訳を刊行されたら是非購入させて頂きたいと思っている。

メモ:ちょっとした翻訳処理の TIPs: 情報提示の順番を保とう

2012年12月22日 (土)

キャスリン・ビグローのゼロ・ダーク・サーティ:“暗部”を奉じるハリウッド

Bill Van Auken

2012年12月20日

ゼロ・ダーク・サーティ

12月19日に一部の映画館で公開された、CIAのオサマ・ビン・ラディン狩りを記録したキャスリン・ビグローの新作映画、ゼロ・ダーク・サーティは広く絶賛され、今年最高の映画だという多数の賞とノミネーションを獲得している。これは恥ずべき作品であり、この歓迎は、映画そのものというより、マスコミとアメリカの大衆文化産業の状況について遥かに多くを物語っている。

感情的に非常に疲れる9/11の消防士達の無線交信や、ツイン・タワーの上層階からの助けを求める死に物狂いの叫び声による暗い画面とサウンドトラックによる導入部から、CIAの“ブラック・サイト”、両腕を縛られて天井からつり下げられ、顔を切られ、乱打された抑留者が、要求された情報を提供しそこねれば“痛めつけてやるぞ”と請け負うアメリカ人尋問官と対決する場面に変わる。

9/11のサウンドトラックと悲惨な拷問場面の並列は、原因と結果として提示され、一方がもう一方を正当化している。

尋問者(ジェイソン・クラーク)を他の人々が手伝っているが、彼等の顔はスキーマスクで覆われている。拷問の合間に助手達の一人がマスクを取るが、“現場に”初めて配備された新任職員マヤ(ジェシカ・チャステイン)だ。主任尋問官に、拷問室の外で、モニターで残虐行為を見ていてはどうかと問われるが、マヤはそうせず、戻って陰惨な仕事を再開しましょうと主張する。

これによって、用語を大雑把に使い、彼女が最終的に勝利するまで、男性が支配的なCIA指導部全体の抵抗と果敢に戦い、ビン・ラディンの行方につながる手がかりをひたむきに追求するマヤを追うというドラマの大筋が紹介される。

出来事についてのこの信じ難い見解によれば、2011年5月1日のパキスタン、アボタバードの屋敷襲撃、ビン・ラディンを暗殺し、無防備の他の数人の男性、女性と子供の射殺に至った情報の手がかりを、若手女性専門家が単独でもたらしたのだ。

アメリカの軍-諜報機関とその犯罪の映画による準ファシスト的な支持に、ビグローはうっすらとフェミニストの装いを施したので、評論家の中には、主人公とオスカー最高監督賞を受賞した初めての女性、ビグロー自身を比較までしているむきもある。

ほぼ二時間の映画は長く、暗く退屈だ。マヤを含め、誰一人成長せず、冒頭に我々が知り得た以上のことは、最後になっても得られない。タイム誌のインタビューで、ビグローは登場人物に深みを与え損ねたことを弁護し、“勢いを貫いています。”と主張した

ここにある“勢い”というのは、拷問と耳をつんざくようないくつもの爆発だ。映画は9/11のみならず、2005年7月7日のロンドン爆破事件、2008年のイスラマバード、マリオット・ホテル爆破攻撃、2009年12月、アフガニスタン、ホストの基地で7人のCIA工作員を殺害したヨルダン人二重スパイによる自爆攻撃や、2010年のタイムズ・スクエア自動車爆弾未遂まで盛り込んでいる。

実質的には、こうした行為の全ては、ビン・ラディンと何の関係もない、アフガニスタンやイラクの戦争における民間人虐殺や、誘拐やグァンタナモ、アブグレイブやCIA“ブラック・サイト ”でのイスラム教徒拷問で過激化した連中によって実行されたのだ。

監督と脚本家マーク・ボールは、映画を巡る論争を明らかに歓迎し、最初の25分間、無力な抑留者が水攻めされ、打たれ、性的に侮辱され、床を犬の首輪と鎖をつけて引き回され、無理やり食事を与えられ、棺桶より狭い箱に閉じ込められる場面に焦点を当てている。CNNの国家安全保障専門家ピーター・バーゲンによれば、元の版で囚人をコテンパンに殴打していた脚本の暴力描写を“和らげる”ようビグローとボールを説得する必要があったという。

映画は、拷問が8年後ビン・ラディンを探り当てるに至った重要な最初の諜報情報を引き出したとはっきり主張しているが、共和党右翼の一部やCIA自身の内部が行った主張は徹底的に反論され、ごく最近この問題に関する6,000ページの報告書が、先週上院諜報委員会で承認された。

ビグローは彼女の映画は拷問賛美ではないにせよ、謝罪でもないと否定している。彼女はこの問題について態度を明らかにせずにいる。“映画に何かの意図があるわけではありません。映画は善悪を判断するものではありません”とニューヨーカー誌に語っている。“私は現場体験をしたかったのです。”

同じインタビューで、自分とボールは“映画製作にあたり、ほとんどジャーナリスト的手法”を採用したと主張している。自分自身“マルコによる福音書の配信システムです”と主張する発言は、彼女がどれだけ深く軍国主義文化に耽溺しているかの例証だ。

かつてヴィレッジ・ボイスローリング・ストーンプレイボーイに執筆し、ビグローのハート・ロッカー(2008)の脚本を書いたボールは、2004年、アメリカ軍に“埋め込まれた”記者としてイラクで働いていた。CIA職員やシールズ・チーム・シックスのメンバーに対して、これまで前例のないアクセスが許可されたビグローは、軍隊と諜報機関とのある種象徴的な関係を確立した“埋め込まれた監督”として登場し、必然的に後者が要求する類のプロパガンダを生み出した。

特に事実と関係者の説明に基づいているという映画冒頭の主張を考えれば、拷問が果たす役割に関する歪曲は深刻だ。ボールは最初に拷問されていた抑留者から、情報尋問者と一緒に昼食を食べながらの威嚇的でない尋問で得られたと主張して言い繕おうとしている。

これは良くて不誠実としか言えない。情報は拷問の結果起きた抑留者の記憶喪失を利用することによって、マヤと尋問官が得たのだ。映画は拷問について複数言及しており、マヤは天井から吊るされ、無理な姿勢でかがみ、恐怖にたじろいで、情報の断片を差し出す抑留者達を写したDVDを探し回り、それを彼女がつなぎ合わせる。彼女はパキスタン人助手に彼を殴るよう命じ、ある男性を尋問するが、別の男性がまた拷問されたくないので話しをすると語る。

もちろん事実の歪曲や“拷問が有効か”否かについてのCIA拷問を巡る基本的問題の深さを精査する議論はほとんど始まらない。何よりも、それは上はアメリカ大統領からはじまる高級官僚達が命じた戦争犯罪であり、二大政党の主要政治家達に是認されているのだ。この犯罪を命じ、実行した人々はオバマ政権によって無条件に守られてきた。

映画のこの点に対するリベラル派の批判は痛ましいほど弱い。ゼロ・ダーク・サーティは“ビン・ラディンの死に関して、左翼が望んでいた映画ではないが… (拷問は何も達成できないという主張に訴えることはせずに)拷問に反対する道徳的論拠にすることができようし、評判、政治的資産や名誉をトレードオフするに値しないという費用対効果の論拠にさえできるだろう”と認めるスレートの上級編集者エミリー・ベイズロンが代表だ。

映画の最後の見せ場であるビン・ラディンや一緒にいた他の数人の殺人はどうだろう? ビグローとボールが、自分たちは拷問問題については中立だと主張するのは可能だとしても、二人は国家による超法規的殺人、要するに暗殺に他ならないシールズ・チーム・シックス活用を賛美してはばからない。

政権がビグローとボールに対し自由にアクセスできるようにしたことと、“最高司令官”としての実績に対する共和党による攻撃をかわすため、ビン・ラディン殺害を現役大統領による政治的利用からして、ゼロ・ダーク・サーティは、バラク・オバマ再選キャンペーンの手段になるだろうと広く予想されてきた。

映画は選挙前に公開しそこね、オバマはパキスタンのCIA施設におかれたテレビに束の間映るだけだ。インタビュアーに、拷問を否定し“世界の中で、アメリカの道義を取り戻す”ことを誓うオバマの発言に、室内にいる工作員は落ち着いた反応をし、皆政治的なたわごとには無頓着で、仕事を続ける。

オバマはさておき、自分には告訴も裁判も無しに、アメリカ国民殺害を命令する権利があると勝手に決め、ホワイト・ハウスで、暗殺対象のいけにえが選ばれる“恐怖の火曜日”会議の議長を務める大統領の下、こうした行為がアメリカ政策の恒久的な特徴となっている時代にあって、国家による暗殺の賛美は、それ自体極めて大きな影響を与える。

ビグローはビン・ラディン殺害は“叙事詩”で“一生に一度の物語”だと表現した。ニューヨーカー誌に“このような出来事は千年に一度か二度しか起きません”と語っている。

500年間で最も重要な出来事というのは本当だろうか? 十年間も隠れていて、どう考えても、積極的役割をごくわずか、あるいは全く果たしていないこの病身の老人殺害によって正確には一体何が変わったのだろう?

かつてはイスラム教テロリスト集団に対し、CIA工作員達と協力していた政権、リビアのカダフィやシリアのアサドを打倒するために、アメリカがお膳立てしている戦争の中で、ワシントンが、アルカイダ分子を支援し、武装させているという状況下で、アメリカ国民はこの“生涯に一度の物語”とは一体何の事か問う権利を認められていない? ビグローの映画に答えは見つかるまい。

オスカーを受賞した彼女の映画「ハート・ロッカー」の“現場に入る”手法が、社会全体を掠奪し、何百万人もの命を奪ったイラク戦争の正当化に役立ったのと同様、彼女の最新作は、アメリカという国家とその支配者集団階級に浸透した国際的犯罪政策の正当化と、憲法の核心的原則と民主的権利の拒絶に役立つのだ。

一年前、ニューヨークの現代美術館は、1975年に製作された「不正規戦争を支援する心理作戦」と題するビグローの初期映画プロジェクトの一つを上映したが、作品にはアメリカの対反乱手法と暗殺部隊の利用への批判があった。37年後、彼女は暗殺部隊を賛美し、アメリカ政府によって、暗殺部隊メンバーに自由にアクセスすることを認められたのだ。

初期の映画を製作した頃でさえ、彼女はコロンビア大学のポストモダニズム教育を受け、社会主義と労働者階級に徹底的に敵対的な厭世的雰囲気を存分に吸収していた。

ビグローがハリウッドで億万長者になり、このイデオロギーが階級的利益に根を下ろしたのだ。彼女は自分達の富と特権が、海外においては略奪目的の戦争を行い、国内では社会的不満を抑圧することができる強力な国家と深く結び付き、依存していることを暗黙のうちに認め、帝国主義に迎合した元“左翼”とリベラルという社会階層全体の代表だ。

彼等の一部は、恐ろしい犯罪がその実行過程で、黒人大統領によって命じられ、女性CIA工作員によって実施されるという事実に慰めを見いだすのだ。

これがゼロ・ダーク・サーティのようにグロテスクな映画を生み出す階級の力学であり、醜い政治潮流だ。

著者は下記記事も推奨する。

映画制作者キャスリン・ビグロー アメリカ軍暗殺部隊へのアクセスを許可される

ハート・ロッカー: 嘆かわしい傾向の一環 英文

ハート・ロッカー、アカデミー賞受賞とイラク戦争の名誉回復作業 英文 日本語訳

ハート・ロッカー、アカデミー賞受賞とイラク戦争の名誉回復作業”に対する意見 英文

記事原文のurl:www.wsws.org/en/articles/2012/12/20/dark-d20.html
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いくら謝礼をもらっても見る気力がわかないこういう映画が作られるのには驚かないが、興行として成立することには驚く。

米国支持、やむを得ず イラク戦争で外務省 2012年12月21日 東京新聞

外務省は21日、2003年のイラク戦争で日本が米国の開戦を支持した経緯を検証した報告書の概要を発表した。「イラクが大量破壊兵器を隠し持っている」と信じ込んだ経緯に関し「存在しないと証明する情報がなかった」と結論付け、事実を誤認したのはやむを得なかったとの見方を示した。イラク戦争への対応を検証したのは初めて。

概要は「イラクが大量破壊兵器を隠匿している可能性があるとの認識が国際社会で広く共有されていた」とも述べている。米英両国などは当時、イラクによる大量破壊兵器の隠匿を開戦の大義名分に掲げていた。

(共同)

素人でも書ける報告。イラクが大量破壊兵器を隠匿しているなどというたわごと、小生共有した覚えはない。大義なき侵略戦争で殺された人々は帰ってこない。属国の政策の神髄は

    • 泣く子と地頭には勝てぬ
    • 無理が通れば道理が引っ込む
    • 亭主の好きな赤烏帽子

だ、と書く方がましだろう。

原発推進もTPP加盟も、憲法改悪も侵略戦争参戦や完全属国化もやむを得ず、となる。
常に傀儡支配層は責任から免れ、イラク人も属国民も、利用され捨てられ続ける。

イノシ氏、オリンピックを東京でやる意義をアピールするという。是非説明して欲しいものだ。

「取り過ぎ、虎網」という漁業紛争をあおる記事やら、尖閣近辺を航行する中国船舶やら、北朝鮮ロケット発射報道にのみ熱心な大本営広報活動をみていて、『木霊の宿る町』のOnomar氏の下記記事「下界は曇り」を連想した。(太字は小生が加工したもの)この属国、現在確実に戦前状態。やがて支配層の計画通り、無事?戦争に突入するだろう。ラジオと新聞だけの昔より、テレビもTwitterもFacebookもある現代の方が制御の効率はより高いだろう。

昭和初期の新聞を二、三年分ぜんぶ読んで世相の好戦度がどう変わっていくかを分析する作業に参加したことがあります。日米戦争は語られるだけで現実味はまだ
ない時代でしたが、朝日新聞が読者を日米戦争へ導いていく様がわかり目がさめる思いをしたものです。日本のみなさまにおかれては、戦争屋とカルトに騙され
やすいのが善人(おひとよし)と知りもっと悪人になりましょう(笑)。

そこで、何度でも、五十嵐仁の転成仁語 12/20小選挙区制にこのような害悪があることはとっくの昔から分かっていた

2012年12月20日 (木)

意図的なニュース-小学校乱射事件

Paul Craig Roberts

2012年12月19日

アメリカのニュースは意図的なものだと長らく思ってきた。今晩(12月18日)アメリカの意図的なニュース報道が、他の世界のニュースにどれほど大きく影響しているかを私は思い知らされた。

私にはわからない理由から、ロシア・トゥディ・モスクワが、児童20人と大人数人が亡くなったコネティカット州ニュートン小学校乱射事件について、スカイプを使ったライブTVインタビューを申し込んできた。モスクワが乱射事件の何に関心があるのか興味があったので、私はインタビューに同意した。

RTモスクワの関心が、乱射事件に関するアメリカの公式説明を広めることにあり、結果的に“攻撃用武器”が禁止されるようになると思うかどうか私に尋ねることだと知って私は驚いた。

非常に多数のものが攻撃用武器となりうる。野球のバット、ナイフ、こぶし、足、22口径単発銃ライフル銃、二連式ショットガン、暖炉の火掻き棒、6連発拳銃、レンガ、剣、弓矢、槍。誰でもこのリストに多くの品目を追加できるだろう。

銃規制論者は“攻撃用武器”とは、軍用兵器民需版、AR-15や、軍用M-16やAK-47のセミオートマチック民需であると規定している。クリントン政権時代、こうした武器の民需版は、様々な機能がライフル銃の外観を軍用風にするので、そうした無害な機能を備えることは許されず、武器の弾倉は10発以下に制限された。

現在、20発、30発弾倉が購入可能だ。専門家にとって、弾倉の容量は無意味だ。慣れれば、弾倉などすぐ交換できる。ボタンを押せば、弾倉は落下し、新品が挿入される。理解しがたい理由から、銃規制論者は、10発弾倉が“攻撃用武器”を何か別物に変えると考えているのだ。

私は、RTモスクワに、アメリカ合州国は、人類の歴史中、最も完璧な警察国家だと言った。現代技術のおかげで、ワシントンは臣民をスパイするのに、ヨシフ・スターリンやアドルフ・ヒトラーをはるかに超えた権力を持っている。ジョージ・オーウェルのディストピア小説「1984年」中の想像力すら、ワシントンが現在実践している内容にはかなわない。“対テロ戦争”というのはアメリカという警察国家の口実だ。

武器をもった国民は、警察国家にはそぐわないので、潰された他の全ての憲法修正条項同様、唯一残った修正条項、憲法修正第2条も、そう長くは持たないだろうと私は言った。

しかし RTモスクワは一体なぜ“攻撃用武器”にばかり注目するのだろう? 容疑者アダム・ ランサは、即座に有罪と宣言された。AP通信によれば、コネティカット州ニュートンの監察医、H. ウエイン・カーヴァー博士は“コネティカット小学校銃撃の犠牲者全員が複数の近接したライフル射撃で死亡した”と語っている。 http://www.staradvertiser.com/news/breaking/183651631.html

ところがフォックス・ニュースは http://www.fox5vegas.com/story/20346133/reports-of-multiple-dead-including-1-child-from-ct-elementary-school-shooting こう報じている。“CNN記者は、警察が現場で三種の武器を発見した。拳銃のグロックとシグ-ザウエルと、223口径ブッシュマスター・ライフル銃だ。ライフル銃は武装した男が小学校に乗り付けた車の後部座席にあり、拳銃は小学校内にあった。”

同じフォックス・ニュース報道はこう言っている。“今年サンディ・フック[小学校]で導入された治安対策では、授業時間中にはドアをロックし、中に入るにはブザーをおさねばならない。建物に入る人を監視するカメラがあった。”この報道が正しいのであれば、武装したランサは一体どうやって小学校に入ったのだろう?

私は、RTモスクワに、こうしたニュース報道は、実際に犯人だったのかどうか、誰も尋問することができない死亡した武装した容疑者は、児童を、車に残された“アソールトライフル”ではなく、拳銃で殺害したことを示しているが、監察医は児童はライフルの銃撃で殺害されたと述べていることを指摘しようとした。

矛盾は明白だ。ニュース報道が正しくないか、監察医が間違っているか、アダム・ランサでない誰かが児童を射殺したのだ。

これはRTモスクワのニュース・キャスターの手にはおえなかった。彼女は私を遮り、児童は、なんらかの銃によって亡くなったと述べた。それなのに番組の焦点は“アソールトライフルなのだ。”インタビュー後の質問のため、そのままオンラインでいて欲しいと頼まれた際、この焦点は更に強化された。

RTモスクワの質問は、攻撃用武器が禁止されることになると思うかどうかというものだった。あらゆる銃は禁止されるだろうと思うと私は答えた。TVキャスターには、全ての銃はアメリカ臣民から取り上げられるだろうが、禁止令の効果は疑わしいと思うとあらかじめ言っておいた。私はニュース・キャスターに、20世紀初頭、アメリカには、あらゆる英知をもって、禁酒法があったが、いたるところで酒は入手できたと言った。アルコール禁止令は、犯罪組織の財産の根源だった。現在、何十年も前からアメリカでは麻薬が禁止されている。その結果、麻薬はいたるところにあり、麻薬組織は何十億ドルも稼いでいる。銃砲禁止令でも大差はあるまい。イギリスには銃砲禁止令があったが、犯罪人連中は銃を持っていたし、現在では、かつて銃を携帯しなかったイギリス警官も重装備だ。イギリスに暮らしていた頃、銃は禁止されておらず、警官は小火器ではなく、警棒を持っていた。

“攻撃用武器”にばかりへの集中は別の理由でも困惑ものだ。ニュース報道によればランサは変人、つまり精神疾患があったというが、あるいは人と違っていただけかも知れない。

ともあれ彼は薬を飲んでいた。すると銃が問題だったのだろうか、それとも薬だったのだろうか?

狙いは、銃砲禁止なので、銃が責められることになる。

先のコロラドの映画館での大量射殺事件では、目撃者の説明は公式説明と違っていて、ニュース報道によれば、容疑者はある種のマインド・コントロール実験で政府と関係しており、射殺事件後、映画館の駐車場に停まっていた自動車の中に座っているのが見つかった。

同様に、コネティカット小学校乱射にも不可解な面がある。警察へのリアルタイム報告で、ある教師は“二つの影が体育館を通りすぎた”のを見たと言っている。 http://sgtreport.com/2012/12/so-many-questions-too-few-answers-was-the-sandy-hook-massacre-an-organzied-false-flag-operation/ 警察無線記録も小学校に停まっていたバン中の二人の男と、拘留を報じており、様々なニュース源が、警察が近くの森で男を逮捕したと報じている。男は“私はやっていない”と主張しているというが、森の中にいた男が一体どうやって起きたばかりのこことを知れるだろう? 森の中ではTVなど見られない。ところが、その男は射殺を否定しているのだ。実に奇妙だ。

よくあるのは、当初の間違った報道が多数あるということだ、コネティカット事件の場合の、ランサの母親はこの小学校の教師で、小学校で殺害されたやら、ランサは父親も殺害したやら、ランサの兄弟が関与している可能性があるというものだ。公式説明のあらゆる矛盾は、間違った報道とともに捨てられる。マスコミというのは、公式説明にそって報道するだけで、調査をするわけではないので、実際に一体何が起きたのかを知るのは不可能だ。人は公式説明を受け入れるしかない。

とはいえ、例えば、旧ソ連の共和国だったグルジアが始めたのに、ロシアのせいにされたあのグルジア-ロシア戦争でのアメリカ・マスコミの意図的な誤報を経験した後で、公式説明報道の上で、RTモスクワが無批判にアメリカ・マスコミに習っているのは奇妙に思える。RTモスクワは、ロシアを取り巻くアメリカのミサイル基地は、イランに向けられたものだというアメリカのマスコミを本当に信じているのだろうか?

アメリカ人は数世紀も銃を所有し続けてきたのに“銃による暴力”は新しい。なぜだろう?

精神障害者の人々が多増えたのだろうか? 投薬を受けている人々が増えたのだろうか? アメリカ人は自制心、道徳心をを失ってしまったのだろうか? アメリカ人は暴力的な映画やテレビゲームや、11年もよその国の国民を虐殺し続ける政府によって作り替えられてしまったのだろうか? アメリカ人は他者への共感を無くしてしまったのだろうか?

フランス陸軍士官学校の講師トム・マクナマラは問うている。“アラブ人も自分たちの子供の為に泣くのだろうか?” http://www.counterpunch.org/2012/12/18/do-arabs-cry-for-their-children-too/print

コネティカット小学校乱射事件は様々な意味で悲劇だ。児童は命を失い、家族は子供を失い、悲劇は権力と脅威を増大しつつある警察国家に直面したアメリカ人から武器を取り上げるのに利用されている。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2012/12/19/agenda-driven-news/

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著者が出演したRTの番組は下記でもみられる。約6分。英語版、字幕はない。

Going After Guns: Confronting Violence in America

選挙後、この陰険な小選挙区制導入の旗ふりをした大本営広報部、「小選挙区制の徹底解剖」というような記事、死んでも書かない。小選挙区制度という欠陥商品を意図的なニュースで売り込んでおいて、その原発並の欠陥のひどさがばれても、大本営広報部は、何の罪もとわれない。スポンサーの為に機能しているから。実においしい、そして恥ずかしい商売。

わかる人はわかっていた。本も書いておられた。そういう専門家には大本営広報部番組からは声がかからない。大本営広報部の意図を汲み宣伝する御用学者、評論家でないと。

五十嵐仁の転成仁語 12月20日(木)小選挙区制にこのような害悪があることはとっくの昔から分かっていた

『テレビはなぜおかしくなったのか』〈原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって、金平茂紀、永田浩三、水島宏明、 五十嵐仁著、が来年早々刊行される。1680円高文研刊

大本営広報、イノシシ知事よいしょの提灯記事が目につく程度。選挙前にまして、大本営電波、印刷物への興味、薄れるばかり。空っぽの頭脳にこれ以上嘘を詰め込む余裕はない。

双葉町井戸川町長の不信任が可決したという記事にびっくり。迷走しておられるのかも知れないが、それも本当に町民を思ってのことだろうと思える。

佐藤雄平福島県知事の不信任が可決していれば素晴らしいことだが、それは起きない。

ところで銃規制についてのアメリカの人々の主張、読んでいて、全くわけがわからない。

個人が銃を持つことが、「良い」民主主義の基本であれば、宗主国、とっくに世界の見本になっていただろう。個人が銃を持っても、決して良き民主主義など実現せず、ひたすら剣呑なばかりと素人には思える。

警察国家が民衆から銃をとりあげると、よりひどい警察国家になるのだろうか? そして、世界中でもっと暴力をふるうのだろうか?

禁止しても、密売で暴力組織が儲けるだけというが、本質的な対策を考え、主張している人はいないのだろうか?

想像してみよう
殺すことも誰かに殺されることもない
宗教もない世界のことを

2012年12月18日 (火)

エジプトの新たな専制君主

クリス・ヘッジズのコラム

2012年12月16日投稿

Chris Hedges

14年間の亡命生活後、1979年2月1日にイランに帰国すると、アヤトラ・ルーホッラー・ホメイニは、シャー打倒に貢献したイラン共産党を含めた非宗教的反政府勢力の破壊を開始した。ホメイニのイスラム教政府宣言は、国民投票で支持を得、彼は憲法を書き換え、反体制派新聞社を閉鎖し、国民民主戦線やムスリム人民共和党を含む反体制集団を禁止した。シャーの下で悪名高い残虐なイラン刑務所の中で長年過ごした反体制派の人々は、新政権によって再び収監された。新政権に勤務することにした、かつての看守達に迎えられて、房に戻った人々もいた。

それが現在エジプトで進行していることだ。これは大半の革命の筋書きだ。大衆や国外の多くの人々からの支持を獲得する上で不可欠な穏健派は独裁権力強化の妨げとなった。リベラルな民主主義者、知識人、中産階級、非宗教主義者やコプト派キリスト教徒を含めた宗教的少数派は、ムハンマド・ムルシ大統領や、ムスリム同胞団の事実上の政治部門である自由と公正党によって、常に“便利な間抜け連中”と見なされてきた。こうした勢力は、ホスニ・ムバラクの独裁政治を打倒する広範な運動を構築するのに不可欠だった。彼らは欧米ジャーナリストが、反政府勢力を欧米自らのイメージにあわせて描き出すのを許していた。だが今や連中は、一党支配の妨げとなり、現在粉砕されている。

新憲法投票二日間の初日は土曜日だった。日曜の報道によれば、文書は承認されつつある。次ぎの土曜の第二回目の投票は同胞団の支持基盤となっている多くの地方が含まれており、必要なエジプト5100万人の有権者の50パーセント以上によって憲法は批准されて終わるものと予想されている。反政府勢力は、第一回投票は賄賂、脅迫、一貫性のない投票時間や有権者に投票のやり方を教えた選挙担当者達を含め不正投票によって損なわれていると非難している。13,000箇所の投票所のうちのかなり多くに、独立した監視員がいない。多くの裁判官達が、草案起草過程を巡る抗議として、投票を監督するのを拒否した。

国民投票はムスリム同胞団の手中にある本当の権力の中心を覆い隠している。同党はこの権力を弱めるつもりも、あきらめるつもりも毛頭ない。例えば、最高憲法裁判所が、同党メンバーが多数押し込まれている新憲法の草案を書いていた委員会を解散させようとする様子が見えた際、同胞団は裁判官達を裁判所庁舎から締め出した。非宗教主義者、コプト派キリスト教徒、リベラル派やジャーナリスト達を含む委員会メンバーの30人以上が、抗議して辞めた。残ったイスラム教徒達は、裁判官達を無視して、11月29日に徹夜会議を行い、公式に63ページの文書を承認した。

憲法草案は、民主的権利、市民的自由、女性の義務やマスコミの役割に関する気味の悪いほど曖昧な表現に満ちている。これはイスラム教の宗教当局に、立法過程や日々の個人的生活の多くの側面を管理する権限を与えてしまうことになる。憲法が成立するだろうと予想されている理由の一つは、不正投票の他に、多数のリベラル派や、非宗教主義者やコプト教徒達が、うんざりして選挙参加に背を向けているという理由もある。

同胞団は、皮肉なことに、ムバラクを打倒した2011年2月の18日間の抗議行動を率いた前衛の中には入っていなかった。十年間厳しく弾圧され続けた後で、タハリール広場を埋める抗議行動参加者を支持することに消極的だった。当初、彼らは大統領選挙で競うつもりも、本格的に国会議員候補者を立てるつもりもないと語っていた。だが敵対する非宗教主義者達の間で競合する三人の大統領選候補者を立て、言い争いをする混乱状態を見て取るやいなや、その機に乗じたのだ。

“エジプト人家庭の生粋の特質を維持することに国は極めて熱心である”やら“戦時、大衆動員時”を除き、国は出版・報道の自由を保障するといった憲法案の数節は、ムスリム同胞団が、女性の権利を厳しく抑圧し、マスコミによる批判を情け容赦なく沈黙させるのに十分なほど曖昧だ。11月22日のムルシの絶大な大統領宣言は、先週の街頭抗議行動後に彼が撤回するまで、事実上彼は法を超越する状態に置いていた。とはいえ布告撤回は党が独裁権力を獲得することを妨げるものでもない。

同胞団は殺傷力の高い武器利用も恐れていない。先週の大統領官邸外での何千人もの政府支持派と反政府抗議行動参加者との間の暴力的衝突では、死者10人と約700人の負傷者が出た。反政府抗議行動参加者の中には、同胞団が官邸近くに設置した臨時拘留拷問センターで殴打されたと主張する人々もいる。ムルシは何の反省の色も見せていない。全国向けテレビ放送で、反政府抗議行動参加者達は“金をもらっている殺し屋だ”と自白したと彼は宣言した。そして新政府、アレクサンドリアで今週末起きたものを含め、街頭での抗議行動を阻止するため、軍が一般市民を逮捕することを承認した。

ムスリム同胞団は、旧体制と置き換わるあらゆる革命政党同様、伝統的な権力構造で生きている。政府の各大臣や閣僚達が任命された。国会議員達も選出された。裁判官達も任命された。だが実際の権力は、大半の革命後の社会同様、並列する党組織が保持している。実際には二つの権力組織があるのだ。一つは公的で儀礼的なもの。もう一つは秘密で難攻不落だ。これが実現した以上、正式な権力の地位はもはや何も意味してはおらず、数人の大統領顧問を含めた、30パーセントの憲法制定会議メンバーの脱退が起きた。公式の役割をこなす公人達は単なる見せかけに過ぎない。

クレーン・ブリントンが書いているように、成功する革命家は“非常に高邁な理想と、他の人々にとって理想として機能している抑制や原則に対する完全な侮辱を、様々な程度で兼ね備えている。彼らはプラトンの快い構想の奇妙な変種だ。つまり彼らは哲人王ではなく、哲人殺人者なのだ。彼らには、穏健派の指導者達のごく少数しにかない現実的、実務的才覚があり、しかも彼らには、近い将来に新しいエルサレムを期待する信奉者達を惹きつけるのに十分な預言者の情熱がある。彼らは常識に束縛されない実務家であり、美と善に仕える権謀術数家だ。”

レオン・トロツキーは、1917年には明らかな少数派であったと彼が認めたボリシェビキの役割を記述した際、この考え方を説明している。

彼は書いている。“ボリシェビキは、民衆は、それまでの歴史が生み出したもの、革命を実現すべく召集されたものとして受け取った。ボリシェビキは、こうした民衆の先頭にたつことが自分達の任務だと考えた。ボリシェビキ以外のありとあらゆる連中’は反乱に反対だった。だがボリシェビキは、その民衆だった。”

要するに、革命派エリートは、彼らがそれに値すると見なす連中だけ自由にさせるのだ。そしてあらゆる革命は、たとえボリシェビキ革命のように非宗教的とされるものであっても、本質的には宗教的体験なのだ。彼らは壮麗なユートピア構想を掲げ、歴史の力、人種的純潔さ、天命を利用していると主張する。彼らは世界を善と悪に二分する。革命家として、彼らは日々の平凡な道徳規範から免除される。彼らは絶対的真理の権化なのだ。異なる意見を許容するのは、悪をほう助することになる。心得違いをした連中が命を無駄にすることは認められる。枢機卿ロベルト・ベラルミーノは、これを1600年にドミニコ会修道士で天文学者のジョルダーノ・ブルーノを神への冒とくのかどで火あぶりの刑に処するよう命じた際に主張していた。異教徒は長生きすればする程、益々多くの天罰を積み上げると彼は主張したのだ。

革命政府は、道徳と法の支配を逆転させる。彼らは、マクシミリアン・ド・ロベスピエールが書いているように、自分達は、自由の専制で専制政治に対抗するのだと信じていた。これが、なぜムルシが、彼が置き換わった独裁者に益々似てきたかという理由だ。

“あらゆる革命家は、実際の責任を引き受けた瞬間、一種の保守主義者となる”とG.M. トレヴェリアンは書いている。“ロベスピエールは無政府主義者をギロチンで処刑した。[イギリスの] 国王殺し最初の行政行為は水平派を沈黙させることだった。”

革命政府は、階級的憎悪や熱狂的な信者の独善につけ込むのが巧みだ。あらゆる革命と同様、中流階級はエジプト革命にとって極めて重要だった。だが大半が非宗教主義の中流階級と特に上流階級は、エジプト国民の大半を構成する貧困大衆から憎悪されている。非宗教的なムバラク政権に対する唯一効果的な抵抗方法は、正統派イスラム教の厳格な教義に引きこもることだった。正統派イスラム教信奉は、多くの貧しい人々にとって自分そのものとなり、希望の唯一の源となる。インバダのようなカイロの貧しいスラムでは、正統派イスラム教の服装規定や道徳観を押しつける必要は皆無だ。だが旧政権が経済的により寛容だった、ザマレクのようなカイロでも上流階級の居住区域では、たとえ上流階級の女性達がヒジャーブを被り、正統派イスラム教が経済エリートに食い込んだにせよ、正統派イスラム教は決して同様な威信にはなり得ない。

この革命も、あらゆる革命同様、党に反対する人々と戦うべく、貧しい信者達を街頭へと駆り出した。反対派は革命の敵、あるいは、より不気味には、イスラム教の敵という烙印を押されている。反政府抗議行動参加者は、ムルシの言葉によれば、外国大使館やイスラエルのカモだ。そして貧者、ルンペンプロレタリアートは、聖なる信仰を擁護し、栄光とパンという約束された未来の為に進んで突撃隊をつとめたがっている。現在抗議集会の対象にされている連中を彼らは既に憎んでいる。国家によって伝統的な形の抑制から解放さえされてしまえば、群衆は進んで凶暴になるだろう。

過去三週間の街頭での暴力行為は血と弾圧の時代の前兆だ。当初は国民投票への参加を拒否しようとしていた反対派は、追い詰められて、国民投票を打倒しようという取り組みを開始した。戦線は張られたのだ。ムルシと同胞団は、新たな装いをした、古い独裁制の相続人であることが露顕した。開かれた社会を求める戦いは、裏切られた人々によって、エジプト中の都市の街路で戦われるつつある。これは死闘となるだろう。審理中の憲法を支持するエジプト中に貼られた同胞団ポスターは、“正当性とシャリア[イスラム法]の支持”に賛成投票するよう国民に促している。正当性とイスラム法に反対する連中は、言うまでもなく異端者だ。

記事原文のurl:www.truthdig.com/report/page2/egypts_new_pharaoh_20121216/
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大本営広報部が喧伝するものほとんど怪しい。『アラブの春』今や『アラブの冬』。アラブと違って、神様は、まさに世俗そのものの権力と金権というこの国では、大本営広報部が喧伝して導入された小選挙区制度と、自分の首を絞める大胆な皆様により『日本の永久冬』実現。内田樹氏が『従者の復讐』で主張しておられる「抱きつき心中」の開幕だろうか。

良き物事、作り上げるのに膨大な労力と時間がかかる。一方誰でも、あっと言う間に破壊できる。日本史の時計、今回選挙で少なくとも80年逆回転したように思える。『組曲虐殺』を見たせいだ。井上ひさしの戯曲『組曲虐殺』再演中。パンフレットに演出の栗山民也氏の文が載っている。冒頭を引用させていただこう。

初演の幕を開けた2009年の秋に、三年後の、今のような日本の現状を予想できた人が果たしていただろうか。井上さんには近い未来が見えていたように思えてしかたがない。閉塞感に満ち、先行きの見えない時代に出口を求めて右傾化する世相。弱者を切り捨てることで保身を図るお偉方、劇中で小林多喜二が立ち向かった暗い時代、当時の社会にはびこる歪みは、初演時よりむしろ今の日本に重なって見えてくる。

『組曲虐殺』から警官の古橋のセリフを一部ご紹介しよう。18-19ページ。

挨拶がわりに、組合つぶしのコツをあかしておこうか。なに、簡単なことなのさ。戦旗の所持者とみたら問答無用でしょっぴく。それだけで組合はつぶれる。組合の中心にいる連中はみんな戦旗の愛読者だからね。中心を抜いてしまえば、組合はただの烏合の衆になる。この手で神戸港の沖人足組合から浜人足組合まで、港中の組合という組合を片っ端からつぶして回っていた。まさに戦旗さまさまですよ。

そして、瓦礫焼却反対運動の下地真樹氏の不当逮捕。現代の異端派弾圧。

反対運動つぶしのコツをあかしておこうか。なに、簡単なことなのさ。中心を抜いてしまえば、反対運動はただの烏合の衆になる。この手で国中の反対運動という反対運動を片っ端からつぶして回っていた。

もはや反対運動つぶしも不要だろう。宗主国支配層と属国傀儡、憲法破壊も侵略戦争への派兵も全てやりたい放題。全て小選挙区制度導入時から計画されていた通りのとんでもない狙いがこれから着々実行される。確実でない項目といえば、実施日程だけだろう

庶民ができる対策と言えば、遥か彼方の見知らぬ国の侵略戦争に派兵される愛人、夫、父親、兄弟、息子、孫の無事を祈る、水垢離やら千人針程度しかなくなるのだろうか。昔と違って、ネット上のバーチャル水垢離やら千人針だろうか。それも当局から厳しく監視され、非国民!と、ネットでつるし上げられることになるのだろうか。
愛人、夫、父親、兄弟、息子、孫達は戦死で靖国か、負傷・PTSDで帰国し、宗主国の多くの兵士の様な結末となるのだろうか。そういう人生、これから延々続く。それが「普通の国」、とりもどすべき「新しい属国」なのかも知れない。

 

耕助のブログに、No.1020 TPPは日本略奪ゴールという新記事。掠奪されに、わざわざ来年早々ご挨拶にお伺いする豚の耳ならぬ、腹痛の耳に念仏。

2012年12月16日 (日)

アフガニスタンには一体何人のアメリカ軍兵士が、一体いつまで駐留するのか?

ボリス・ヴォルホンスキー

Voice of RussiaとStop NATO

2012年12月13日

訪問と議論された話題によって、かって発表されていた、アフガニスタンからのアメリカ軍兵士の“完全撤退”は、そもそもの始めから、だまされやすいアメリカ国民専用の情報だったことに疑問の余地は無くなった。

一つ念頭に置くべきことがある。アメリカはアフガニスタンから撤退する意図は(全く無かったし) 今も全く無いのだ。アフガニスタンは、アメリカの“大中東”戦略にとって極めて重要であり、イラン、中央、南アジア等へに戦略的な近さにある為、広大な地域に圧力をかけるのに便利なのだ。

できる限り長く、更により長く、アフガニスタンに駐留しようとアメリカは決めている。だが問題はこういうことだ。アフガニスタン国民や隣人たちは一体どれだけ占領に耐えられるのだろうか?

2012年12月12日、アメリカ国防長官レオン・パネッタは、予告なし訪問でアフガニスタンに到着した。二日のアフガニスタン滞在初日に、現地の米軍最高指揮官達と、NATOの任務が2014年に終わった後、アフガニスタンに一体どれだけの兵員を駐留されるかという選択肢について会談した。
この問題に対するバラク・オバマ大統領の判断は、数週間のうちに出されよう。

公式には、アメリカがアフガニスタンに駐留させておきたい兵員数は開示されていないが、現在の66,000人から68,000人に対し、6,000人から10,000人ではと専門家達は推定している。

いずれにせよ、アフガニスタン撤退後に駐留する兵員数は、アフガニスタンの重要部にある五つの基地を維持するのに十分でなければならない。

提案されている基地には下記が含まれる。

- カーブル近くのバグラムの基地;

- イラン国境に近い西部のシンダンドの基地

- 北部のマザリシャリフの基地 ;

- 南部の一つ、または二つの基地(カンダハルと/またはヘルマンド).

訪問と議論された話題によって、かって発表されていた、アフガニスタンからのアメリカ軍兵士の“完全撤退”は、そもそもの始めから、だまされやすいアメリカ国民専用の情報だったことに疑問の余地は無くなった。

一つ念頭に置くべきことがある。アメリカはアフガニスタンから撤退する意図は(全く無かったし) 今も全く無いのだ。アフガニスタンは、アメリカの“大中東”戦略にとって極めて重要であり、イラン、中央、南アジア等へに戦略的な近さにある為、広大な地域に圧力をかけるのに便利なのだ。

戦略的目標が容易に達成されるか否かについては疑問が残っている。

レオン・パネッタがアフガニスタンに到着するや否や、アメリカ軍幹部の他に、アフガニスタン大統領ハミド・カルザイとも会談する予定だと広く喧伝されていたにもかかわらず、木曜昼を過ぎても、そうした会談を報じる記事は皆無であることは注目に値する。

もちろん、たとえそのような会談が行われていたせよ、現在のアフガニスタン指導部とアメリカとの関係には、容易には克服できない問題山積なのだ。ハミド・カルザイは、アメリカによって、卑屈な操り人形として、アフガニスタン大統領に据えつけられたのだ。しかしたとえそうであれ、アフガニスタン社会全体を敵に回してしまい、タリバンとのみならず、国民達とも戦う羽目に陥った占領軍の傲慢さを彼は完全には無視できない。

タリバンを打ち負かせなかったのみならず、逆に、タリバンは力を増して、今や現在のアフガニスタン当局は、タリバンが連立政権に参加できること、アフガニスタンの一部、つまりアフガニスタン東部と南部を支配することにまで合意を強いられている。

レオン・パネッタのアフガニスタン到着当日、カルザイ大統領がトルコでトルコとパキスタン指導者達との3カ国協議に参加していたことは注目に値する。この協議は、戦後の和解過程の主な調整役として、ワシントンをイスラマバードに置き換えようとする試みとして広く見なされている。

将来のアフガニスタンでのアメリカ軍駐留という問題については、ハミド・カルザイは恐らく抵抗はできまいが、様々な機会に、米軍兵士がアフガニスタン管轄下におかれ、アフガニスタン裁判所で裁判されるよう表明してきた。イラク当局も同様な要求をして、結果的に、イラクからアメリカの完全撤退を強いたことも留意すべきだ。

また、カルザイは、アメリカに、バグラム刑務所に拘留されている全被収容者の身柄を引き渡すよう要求しており、彼の政権は将来のアメリカ軍に関わる交渉を中断する可能性もあると警告した。

これだけの条件が、依然親欧米派と見なされている政府によって出されているのだ。2014年は欧米軍兵士撤退の年であるのみならず、アフガニスタン総選挙の年でもある。だから、アメリカが、もう一度不正な選挙を実施し、次の従順な操り人形を埋め込むのに成功できるかどうか、あるいはアメリカの戦略家連中が大好きな“カラー革命”実践が、彼らにとって裏目に出るかどうかは誰も断言できない。

そこで、レオン・パネッタや他のアメリカ政府最高幹部達による、アフガニスタンの状況をバラ色に描こうとする企みは、またもや、希望的観測の一例でしかない。もちろんできる限り長く、更により長く、アフガニスタンに駐留しようとアメリカは決めている。だが問題はこういうことだ。アフガニスタン国民や隣人たちは一体どれだけ占領に耐えられるのだろうか?

ボリス・ヴォルホンスキーはロシア戦略研究所上級研究員。

Stop NATO website and articles:
http://rickrozoff.wordpress.com

記事原文のurl:english.ruvr.ru/2012_12_13/How-many-US-troops-will-stay-in-Afghanistan-And-for-how-long/

記事原文のurl:rickrozoff.wordpress.com/2012/12/13/how-many-u-s-troops-to-stay-in-afghanistan-and-for-how-long/

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国名を入れ換えればこの国そのまま? いやこの属国、アフガニスタンに及ばない。

選挙は毎回憂鬱だ。まともな人を選挙するのでなく、まともな人を消去するシステムに思える。異常な人士がこぞって選ばれる奇怪な制度。大本営広報部は徹底したプロパガンダばかり。まるで犯罪組織としか思えない。家にやってくる某宗教?団体のおばさま。そしてなにより毎回ひどくなる政党議席比率。つまりは属国化深化。
宗主国の日本支配担当諸氏、人生最高の日、最高のクリスマスを迎える。属国化完成。

本澤二郎の「日本の風景」記事でも選挙については厳しい単語が目立つ。勝手につなげて要約させて頂くと、ワシントンの罠にはまった無教養な愚民による審判

明日から、原発推進、増税推進、TPP推進、侵略戦争推進、確実に深化・激化する。

TPPで、銃所持が自由化され、宗主国並虐殺も頻繁に起きるようになるのだろうか?

木公下生計、組織そのものが存続しなくなるのだろうか。政治「ブランド」を装って長年隆盛?を続けたが、とんでもないニセ・ブランドであったことがばれた後、そして財界・先輩からの引きが今後期待できなければ、入塾者、消滅するだろう。資金源?のご本社も揺らいでいる。人の幸福を願って、身を粉にすることを、生身の人間に数年で教え込める等と期待するほうが無理だろう。政治家も庶民も権勢に尻尾をふることこそ、この属国で楽しく生きる方法だ。

銃と言えば、日本も資金提供しているアフガニスタン警察、警察官の中には、国(正確には地域共同体だろう)を大切に思うあまり、激烈な英雄的行為をする方々が時折あらわれる。

傀儡として大統領に据えられたハミド・カルザイ大統領でさえ、現在や次期政権の傀儡売国首相を考えると、立派な政治家に思えてくる恐ろしさ。

侵略基地には思いやり予算を支払い、侵略戦争戦費を貢献し、明日から、宗主国侵略戦争の手先となり、砲弾の餌食になることまで買ってでるであろうこの国より、アフガニスタンは国家として、人間として、まっとうに見える。

藤永茂氏の『私の闇の奥』記事「Jesterとしてのマイケル・ムーア(3)」で、Ward Churchillと彼が使った英語表現を知った。

roosting chickens Chickens come home to roost
(マルコムXが、ケネディ暗殺事件の際に使った表現だと、Wikipediaにはある。)

"Chickens come home to roost"日本語では「人を呪わば穴二つ」ということのようだ。
人に害を与えようとすれば、やがて自分も害を受けるようになるというたとえ。
Curses, like chickens, come home to roost.(呪いはひよこがねぐらに帰るように我が身に返る)

このワード・チャーチル氏、9/11の際にこの表現を使った。
遥かに離れた国々で残虐行為を推進させる政治家のみならず、イラク経済制裁等を座視していた国民、倒壊したビルにいた人々とて、無罪とは言えまいとまで発言した。
こうした事実の指摘、多数の宗主国民の耳にいたかろう。この発言を最初に載せ、「平和を愛する国」による侵略史と「法治国家」による法律蹂躙史をまとめた本、2003年刊、注は保険契約書注意書きのように微細な文字。ユリ・コチヤマという日系活動家に捧げられている。下図は刺激的なカバーだが、原発再稼働推進が方針のこの国にもふさわしいだろう。On the JUSTICE of ROOSTING CHICKENS

On_the_justice_of_roosting_chickens

そうしたことから、2007年、終身保証があったコロラド大学を解雇された。
今年、州最高裁でも、解雇は支持された。残るは連邦最高裁。この属国のゆがんだ司法同様、宗主国での結果、容易に予想できる。

アメリカやイギリスでまとも学者が正論を主張し続けるとどうなるかは「サイエンティスト」でも良くわかる。同じ学者でも、御用提灯持ちの生活は素敵だ。登場人物の一人、ノールウェー人分子生物学者トラーヴィク氏、遺伝子組み換えを研究する学者の5%が自立派で、95%は政府派ではと懸念を表明する。いや、0%と100%だと。

豪腕政治家氏、宗主国の意も汲んで、諸悪の根源、小選挙区制導入に尽力した。
それで、郵政破壊選挙での画期的結果が実現した。むろん大本営広報部尽力もあった。
そして、実質は派閥交替でしかない「疑似」政権交替さえ実現した。
そして最終的に、永久属国をめざす異常政権が見事に確立する。制度の目的達成だ。

彼がかつて率いた党、今率いる党の党勢、"Chickens come home to roost"「人を呪わば穴二つ」というのだろうか?

今回恐るべき選挙結果を生み出す多くの有権者の方々、その子々孫々にまでも"Chickens come home to roost"呪いはひよこがねぐらに帰るように我が身に返るのは確実。

ゆがんだ投票結果を生み出す最悪の制度「小選挙区制」は廃止すべきだ。

2012年12月14日 (金)

“国際競争力”推進に利用されたニュージーランドのホビット・プレミア試写会

wsws.org

John Braddock

2012年12月13日

11月28日、ニュージーランドのウエリントンで、J.R.R. トールキンのファンタジー小説三本の映画化の第一作ホビット: 思いがけない冒険の世界プレミエが始まった。ジョン・キー首相は、これにまつわるマスコミのばか騒ぎの好機をとらえて、“国際競争力”と、映画産業の賃金と労働条件に対するより激しい攻撃の正当化を、それとなく、より広範に求める支配層エリートの要求を強調した。

ラジオNZのインタビューで、映画監督ピーター・ジャクソンは、ホビットがニュージーランド以外の国で製作されかねない“きわめて差し迫った危機”があったと語った。ジャクソンは、どこで巨額予算の映画を製作するか決める際には“感傷の余地など”ないと語った。“ニュージーランドが映画製作事業を続けたいのであれば”と彼は強調した。“他の国々やアメリカの各州が提示している条件に注意を払うべきです。”と。

二年前、ワーナー・ブラザーズ幹部のウエリントン訪問を歓迎した後、キーはホビット向けの戻し減税と助成金を大幅に増やし、総計約1億900万米ドルにすると宣言した。プロジェクトの5億ドルという制作費に対する大きな貢献だ。同様の取引で、ジャクソンのロード・オブ・ザ・リング三部作に、前の労働党政権は1億5000万ドル提供した。

 

ワーナー・ブラザーズや他の裕福な映画プロデューサーに与えられた何百万ドルは、庶民に与えられている仕打ちとはきわめて対照的だ。国民党政権は、世界中のご同類と足並みを揃えて、労働者階級に世界的経済危機のつけを払わせようとして、“金が無い”という理由で、医療、教育や公共サービスの削減、消費税増税や雇用と賃金の削減等を含め、緊縮政策を押しつけている。

政府は2010年、“緊急事態体制の下、基本的に映画産業の全労働者を“契約社員”とする法律も制定した。これにより、俳優達、技術者、メーキャップ・アーティストや“映画製作作業に従事する”あらゆる人々の、病気休暇、有給休暇、労災保険や不当解雇に対する保護を含め、従業員は享受できる限定的な法的保護をはぎ取られた。

今や映画労働者には、団体契約交渉をしたり、賃金や条件を巡って示威行為したりする法的権利が無いのだ。キーは当時ニュージーランド・ヘラルドに、法律改革が無ければ“こうした映画はニュージーランドで製作されないでしょう”。個人資産5億NZドルで、全国ビジネス・レビューの“長者番付”20位のジャクソンは、条件を守ろうとした俳優達を悪魔の様に描き出し、政府はワーナー・ブラザーズの要求に応じるべきだと主張して、反動的で国粋主義なキャンペーンの先頭に立った。NZ俳優労働組合によると、俳優達はニュージーランドでも最も低収入労働者で、平均賃金は年収わずか28,500ドル(NZ22,670米ドル)に過ぎない。

ホビット・プレミア試写会開催の演説で、キーは雇用法改革を一応“支持してくれた”ことで国民に感謝した。実際、この動きの支持を駆り立てたのは、恵まれた企業寄り評論家連中と、法律が導入されるのに反対しなかった労働組合だ。この法律が強引に通過させられる迄に、米映画俳優組合、カナダ俳優労働組合やイギリス俳優労働組合が呼びかけた国際的ボイコットは既に崩壊していた。組合は“非就業”通知を撤回し、労働協約の要求を取り下げた。俳優労働組合とニュージーランド労働組合評議会は、撮影中はいかなる示威行動も許さないという無条件の保証を出した。

ジャクソンは、ラジオNZに、ワーナー・ブラザーズはロケハン部隊をイングランドとスコットランド中に送り、ニュージーランドでの経費が増えた場合には“すぐそちらに行って、映画を撮影することができると確信できるよう”提案されたロケ現場写真に合わせて、ホビットの脚本を各場面に分割してあったと語っている。

ジャクソンによると、映画スタジオは、為替レートから政府が提供する奨励金に到るまで、ありとあらゆる経費項目を計算に入れている。“アイルランドかユーゴスラビアで、より安く作れるということになれば、そこで撮影するでしょう”と彼は力説した。言い換えれば、国境を超えた、経費削減という過酷な“底辺への競争”、納税義務、就職する権利、賃金と条件等があるのだ。

ジャクソン自身、製作費を引き下げ、利益を増加するという国際的な動きの中心的存在だ。十年経過したロード・オブ・ザ・リング三部作は、全世界で、約36億NZドルの収益をあげた。現地の映画産業を支配している低賃金と劣悪な条件のおかげで、他の同等などの国でより、ニュージーランドでずっと安く製作されていた。ニュージーランド映画委員会は、当時アメリカから“逃亡してきた”100億ドル映画産業の大半を惹きつけていたカナダでより、ニュージーランドで映画を製作するほうが、30パーセント安い理由として、“規制緩和された”労働力を指摘した。製作は経費がハリウッドで支配的な金額を下回る他の場所にで行われたのだ。

ニュージーランドの支配層は、ロード・オブ・ザ・リングの世界的成功を、ホビットが繰り再現できるか否かに大きくかかっていると懸念している。政府観光予算の大半が、ニュージーランドを“中つ国”として売り込み、外国から何千人もの観光客を映画ロケ地に引き寄せることを目指して向けられている。エアNZ等の企業はこのテーマで大規模なブランド作戦を展開している。ニュージーランドの観光産業は、外国為替収入の点で、酪農製品輸出に次ぎ、国内総生産のほぼ10パーセントを占める。

とはいえ、ジャクソンの作品を巡る熱狂もさめ始めている兆しがある。ウエリントンでの盛大なプレミエ式典は約20,000人のファンを集めたが、太鼓持ちのマスコミが予想した100,000人を大幅に下回った。時代は変わったのだ。社会的惨事の深化とエジプトから、アメリカ、ヨーロッパや他の地域に到る地域での階級闘争の勃発の中、牧歌的で、美化して描かれた過去を支持して、現代生活の現実からの全面的な引きこもりを奨励するような三作のファンタジー映画は、一般大衆に受けなくなる可能性もある。

著者は下記記事も推奨している。

トールキンと現代生活からの逃走  (英語)

[2002年3月21日]

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2012/dec2012/hobb-d13.shtml
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こういう記事を読むと、あの映画気軽に見に行く気になれない。原書は昔読んだが。

先に翻訳したTPPAとは何か?TPP Watch
でも、政府はワーナー・ブラザーズの圧力で労働法を変えた事が書かれている。

労働法のみならず、こうした著作物に対する宗主国の強欲さ、ご承知の通り。
TPPの目玉には、宗主国にとって好都合な著作権法の押し込みも含まれている。

赤松健(漫画家、Jコミ代表取締役)
吉見俊哉(社会学者、東京大学大学院情報学環教授)
野口祐子(弁護士、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事)
八田真行(駿河台大学経済学部講師、MIAU幹事会員)
福井健策(弁護士、日本大学芸術学部客員教授、thinkC世話人) ほかによる

TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラムが、12/12開催された。

今になって、以前購入していた福井健策氏の著書を拝読中。TPPを扱った新刊も。

フォーラムは既に終了しているが、ニコビデオ?で放映されており、ログインすると今からでも見られるもののようだ。

2012年12月12日 (水)

THE CENTURY OF THE SELF-自我の世紀

Information clearinghouseの記事で久しぶりにこのビデオを見かけた。この記事のページで英文版ビデオが見られる。

以下はBBCの説明記事。

アダム・カーティス製作の高い評価を受けている本シリーズは、フロイト王朝を背景に、すべてを費やそうとする自我の勃興を検討するものだ。

政治、実業の世界にいる多くの人々にとって、自我の勝利は、権力が最終的に大衆へと移行した民主主義の究極的な表現だ。確かに、大衆は自分達が仕切っていると感じている可能性があるが、本当にそうだろうか? The Century of the Selfは、イギリスとアメリカ合州国における大量消費社会の進展の秘話や、場合によっては、論争を呼びそうな話を語っている。すべてを費やす自我は、一体誰により、誰の利益の為に作られたのだろう?

心を惹きつけずにおかないこの社会史の中心はフロイト王朝だ。心理分析を創始したジークムント・フロイト、PRを発明したエドワード・バーネイズ、ジークムントの献身的な娘アンナ・フロイト、そして現代PRの第一人者でジークムントのひ孫マシュー・フロイト。

ジークムント・フロイトによる泡立つ不透明な潜在意識世界の研究は世界を変えた。無意識を調べる技術を導入することにより、フロイトは大衆の隠された欲望を理解するのに便利な道具をもたらしたのだ。図らずも、彼の研究は、政治情報歪曲の専門家や、マーケティングの大御所に満ちた、満足と幸福の追求こそが人間の究極の目標だという社会的信念の世界への先駆となった。

シリーズ詳細:

第一部: 幸福製造機
第二部: 同意の捏造
第三部: 全員の脳内に駐在する警官: 破壊されるべきもの
第四部: ケタリングでワインをちびちび飲む8人

翻訳記事原文のurl(注:このリンクではビデオは見られない。):http://web.archive.org/web/20110514032526/http://www.bbc.co.uk/bbcfour/documentaries/features/century_of_the_self.shtml
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北朝鮮ロケット、実質ミサイル発射を、危険だと大騒ぎ。沖縄や本土の基地外強姦やら暴行・強盗について、同じように抗議できる日、くるのだろうか。TPP交渉も内容に一切触れずに「来年中には妥結する」のに「参加表明しないのはまずい」という出鱈目。大量殺人容疑者、あっけなく自殺。原発推進犯や売国奴ほど偉くなる属国、何が起きても不思議ではない。

属国国民を苦しめ続けているのは北朝鮮ではない。どじょう氏や腹痛氏を後ろからコントロールしている宗主国・属国支配層だ。本当に恐ろしいのは、属国の選挙後の未来。

大本営広報、見れば見るほど、読めば読むほど、洗脳される。益は無い、と日々思う。庶民にとっては、電気(化石燃料資源)と森林資源の莫大な浪費にすぎない。

今年の文字「金」、その通りかも。「金」で変える民主主義。(「金で買えるアメリカ民主主義」というグレッグ・パラストの良書があるが、これも入手困難。)

さて、この作品、映画ではなく、テレビ向け2002年作品。大本営広報を考える際、必見。

"本シリーズは、大衆民主主義時代の群衆を支配しようとして、権力者達がいかにフロイト理論を駆使してきたかについての作品です。" 監督アダム・カーティスによる第一部紹介

皆様に朗報。日本語字幕をつけた方がおられる!画像が削除される前に是非ご覧を。

「好きになった」
第一部
フロイト精神分析発「電通の陰謀」行 大衆操作プロパガンダの歴史ドキュメント「自我の世紀(1)」

第二部
精神分析発大衆操作の歴史ドキュメント「自我の世紀(2)合意の捏造」

第三部
僕が僕であるために頭脳警察を粉砕せよ!フロイト精神分析発大衆操作プロパガンダの歴史ドキュメント「自我の世紀(3)」

第一部は、フロイトの甥で、PRを発明?し、駆使したバーネイズがテーマ

バーネイズの著書、翻訳されているものが一冊ある。内容はふるびない古典。

プロパガンダ 新版
エドワード・バーネイズ (著), 中田安彦 (訳・解説)
税込価格:1,680円

バーネイズのPR技術を大企業や政府が駆使した様子は下記に詳しい。

PR!世論操作の社会史
S.ユーウェン:著, 平野秀秋:訳, 左古輝人:訳, 挾本佳代:訳
税込価格:7,245円

権力者と広報部の総力作戦のおかげで、今回選挙で完全属国化無事完了。

属国 米国の抱擁とアジアでの孤立』を書かれたガバン・マコーマック氏に『空虚な楽園─戦後日本の再検討』という著作もある。残念ながら新刊は入手不可能。氏の先見の明が証明される世界史的な選挙というのに。

2012年12月 9日 (日)

「フード・インク」: アメリカ大手食品業界の内情

投稿: 2012年12月4日

grtv

大半のアメリカ人にとって理想的な食べ物とは早くて、安くて、美味しいものだ。「フード・インク」は食物に価値と便利さを加える費用や環境に対する影響を検討している。

ロバート・ケナー監督は、様々な著者、支持者、農民や、CEO達、共同製作者エリック・シュローサー(「ファストフードが世界を食いつくす」)、マイケル・ポーラン(「雑食動物のジレンマ」)、ゲーリー・ヒルシバーグ(ストーニーフィールド・ファーム)や、大腸菌で二歳の息子の命を奪われて以来、より厳格な基準を求めて運動をしているバーバラ・コワルシク達と語りあい、主題をあらゆる角度から検討している。

映画制作者は、鶏が余り早く成長しすぎるので、ちゃんと歩けなかったり、牛が毒性のある化学物質を無理やり食べさせられたり、不法滞在者がこうした食品を手頃な価格で市場に送り出すため、命や四肢を失ったりする食肉処理場や工場飼育場にカメラを持ち込んだ。硬いエコ・ドキュメンタリーは、どちらかと言えば既に(自然食品志向に)改心した人々向きのものだとすれば、ケナーは見いだした事を、実に人を惹きつけずにはおかない形で見せてくれるので、「フード・インク」なら、これを見て一番を恩恵を受けるはずの人々、あらゆる本を読んだり、非遺伝子組み換え製品を毎日食べたりする時間も収入もない人々、悩める労働者の目に入る可能性もありそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

記事原文のurl:tv.globalresearch.ca/2012/12/food-inc-inside-americas-corporate-food-industry

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映画は英語版。一時間半。さすがに疲れる。日本語版も今春公開されており、DVDも発売されている。(公式ページもある。)

GRTVのこの記事には、Grobal Researchから刊行されているウィリアム・イングドール著Seed of Destruction、為清勝彦訳『マネーハンドラー ロックフェラーの完全支配 【アグリスーティカル(食糧・医薬)】編』の広告がある。TPPの悪辣さを知るための必読書の一冊では?

宗主国の皆様の体、基本的にとうもろこしでできているもののようだ。あとは大豆?

関連内容で非常に興味深い下記映画がある。

    • 「サイエンティスト」
    • 「暴走する生命」
    • 「パーシー・シュマイザー モンサントとたたかう」

ご興味のある方は、小林大木企画のウェブでご確認を。

TPP加盟により、こういう食物をたっぷり輸入し・食べさせていただけることになる。その結果、より安全と思える日本の食物生産、徹底的に破壊される。 病気になると、TPPのおかげで、医薬品はもちろん、医療制度そのものやら、保険も徹底的に宗主国なみの恐ろしいものになっている。

こういう食物を食べたあとでも、元気であれば、この国の若者達、宗主国の侵略戦争の傭兵として、見知らぬ外国の土地で、砲弾の餌食にさせられる。ほぼ未来永劫。それが憲法改正(改悪に決まっているが、大本営は、そう呼ぶ)集団的防衛権導入。それが腹痛氏の言う国軍、もちろん、その実、属国軍。宗主国の侵略戦争の鉄砲玉。

自眠、高名、眠主、異神を支持して、そういう地獄のような未来「新しい」をこれから招こうとしておられる、過半数の不思議な人々、気は確かなのだろうか?

本澤二郎氏「ジャーナリスト同盟」通信「日本の風景」(1217)、<愚民か狂人の日本列島>と題する文章を書いておられる。小生も含め、前者ではないかと懸念する。

「ジャーナリスト同盟」通信では、様々なスポンサー広告が表示される。

下記の様に、大本営広報部と同じ大スポンサー様というタイミングもある。虚偽広告かも知れないのではと、素人として、いぶかしく思う。

2012年12月 7日 (金)

TPP = 絵に描いた餅と引き換えに、我が国の主権を引き渡すもの

12月3日

報道発表 MANA党

報道発表 MANA党副代表ジョン・ミント TPP交渉 = 絵に描いた餅と引き換えに、我が国の主権を引き渡すもの 月曜日 12月3日  MANA党は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉を国民の審査を受けるべく公開するよう政府に要求している …報道発表

MANA党副代表ジョン・ミント

TPP交渉 = 絵に描いた餅と引き換えに、我が国の主権を引き渡すもの

12月3日、月曜日

MANA党は、今日オークランド首相お気に入りの会場スカイ・シティ・カジノで、第15回目交渉が始まるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉を、国民の審査を受けるべく公開するよう政府に要求している。

“TPPは廃棄されて欲しいのですが、政府と国際企業との間のこうした秘密交渉を暴露するには、明るい日光が最良の武器です。”と MANA党副代表ジョン・ミント。

“決定は、わずか数人の右翼の国民党閣僚達によってなされるには余りに大きすぎます。民主主義には、コミュニティーでの討議と、そこからの入力が必要です。我が国の政府が署名してしまう前に、議会での討論もされないのは侮辱です”

“様々な漏洩から、これまで知り得た限りでは、TPPはちよっとした未来の絵に描いた餅と引き換えに、政府が我が国の主権を引き渡してしまうものです。”

“主要な懸念には以下がある。

1. TPPは、現在やっているより、一層容易にニュージーランド経済を略奪する為の多国籍大企業にとっての権利章典である。

2. 条約は、将来のあらゆるニュージーランド政府が、ニュージーランド国民の利益の為に、ニュージーランド経済のあらゆる分野で規制することを酷く妨げてしまう。

3. 政府が外国企業の利益を減らすような形で規制を行うと、我が国の政府が、国際法廷に訴えら易くなってしまう。

4. 薬品、エンタテインメント消費等の購入にずっと費用が高くなることを意味する。

“交渉は、29章あり、商品の貿易に関するものは、そのうちのわずか5章しかありません。残りは、外国の(主としてアメリカの)大企業による要求項目です。”

“映画ホビットを巡る対ワーナー・ブラザーズ降伏など、この協定で企まれていることと比べればささいな変化です。我が国のあらゆる経済部門が、ワーナー・ブラザーズによると同様の扱いを受けるのです。”

“ジョン・キー首相は、彼にはニュージーランドにとって、まともな取引をる能力がないことを示しています。あらゆる企業にとって、彼は良いカモです。”

“将来、アメリカ市場に、ニュージーランドの乳製品を売り込めるようになるかも知れないという哀れを誘うよう期待から、ニュージーランドは、これらの譲歩に合意しようとしています。ところが、たとえアメリカが、いつか将来、多少の売り込みの可能性に合意したにせよ、アメリカへの乳製品輸出は、オーストラリアにリンゴを輸入するのにかかったのと同じ位、長い時間がかかるでしょう。”

“絵に描いた餅と引き換えに、我が国の主権を引き渡そうとしているのです。”

ENDS

情報源はscoop.co.nz

元のurl

記事原文のurl:www.itsourfuture.org.nz/tppa-giving-away-sovereignty-for-pie-in-the-sky/

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タケノコのように新党や合併のおかげで、「やたら政党がある今回選挙は難しい」と大本営広報部は宣伝し続けている。

素人にとって、毎回選挙は極めて簡単。財産も血統もない(血糖ならある)貧しい中高年の生活を脅かさない政策を言う政党に投票している。

それも豪腕政治家氏の奮闘により実現した小選挙区制度で、死票になってしまうが。

日米同盟強化反対、消費税増税反対、TPP加盟反対で、原発廃止を訴える政党が大きくならなければ、貧しいメタボ・オヤジは苦しくなるばかり。未来の孫子の生活も。

大本営広報部は流さない英語記事、精神衛生に良いと思って読んでいる。

残念ながら、そうした記事は断片的で、日本の政治・経済について、まとまった解説を提供してくれるわけではない。著者達が日本人ではないのだから止むを得ない。まとまった記事は日本人が書いたものでなければ読めるはずはない。とはいえ大本営広報部御用達、御用学者の言説は、期待するだけ労力の無駄。

昨日、駅前書店に入ったところ、いつもはエセ愛国プロパガンダ本が並ぶ店頭の特等席に異色の本があった。天井かどこかに監視カメラがあって、誰が日本の独立を主張する「危険な」本を買うのかモニターしているのではないか?と一瞬頭上を見回した。重大な監視の危険も省みず早速購入。往復車中で拝読。頭がすっきり。

渡辺治の政治学入門』新日本出版社 1500円

教師向け月刊誌に連載された記事をまとめたもの。驚くのは、様々な政治事象を取り上げて解説した過去記事をそのまま載せ、必要なものに「現在の時点からの長めの解説」を加えている点。とんでもない分析をしていたら、時間とともにデタラメは明らかになる。著者の分析、ハズレはなく、どの分析もかなり的を得ている。

目次は以下の通り。

第1回 政治における「政治家」の役割と限界-鳩山由紀夫論の試み
第2回 菅直人と菅政権の間
第3回 みんなの党はなぜ伸びた?-保守新党論
第4回 小沢一郎はなぜマスコミから叩かれたか?
第5回 現代日本のマスコミ論
第6回 衆・参両議員定数削減は何をねらうか
第7回 橋下大阪府知事、河村名古屋市町はなぜ、注目を浴びるのか?
第8回 保守二大政党制 そのねらいと矛盾
第9回 保守二大政党と大連立の衝動
第10回 衆・参両院議員定数削減は何をねらうか
第11回 橋下大阪府知事、河村名古屋市長はなぜ、注目をあびるか
第12回 被災地東北地方の被害はなぜ深刻化したのか
第13回 原発の政治学
第14回 野田政権の発足
第15回 原資料に当たることの大切さ
第16回 一体改革はなぜ出てきたのか
第17回 構造改革政治の焦点に浮上した一体改革
第18回 「肩車型社会」では、消費税引き上げは仕方ないか?
第19回 社会保障にも新たな削減のメス
第20回 橋下への期待と橋下のめざすものの合致と落差
第21回 新自由主義政治家としての既視感と新鮮さ
第22回 私たちはどこまで来たのか、どこへ向かっているのか

豪腕氏の考える方向や検察やマスコミが彼を叩く理由も納得できる気がする。

第3回 みんなの党はなぜ伸びた?から、48-49ページを引用させていただこう。

私は小選挙区制の定着による保守二大政党の得票寡占率を「七割のお風呂」と名付けてきました。この一〇年、自民党と民主党の間で票は行ったり来たりしていますが、自民と民主を足すと、ほほ七割で安定してきたからです。政治を変えるには、この「七割のお風呂」を壊すことが重要だと言い続けてきましたが、今回民主党が減ったのに、自民党への揺り戻しもなかったから、保守二大政党の得票寡占率は減少し、五五・六%に落ち込みました。国民は明らかに前に進んだのです。
 では、民主党から離れた票は、七割のお風呂に対抗する反構造改革、反軍事大国のお風呂へ移ったかというと、そうはなりませんでした。社民党も共産党も、その受け皿にはならず、それどころか、得票・議席ともに減らしたのです。これが第三の特徴です。
 では民主、自民から離れた票はどこへ行ったのでしょうか。みんなの党をはじめとする新党がそれを吸収したというのが第四の特徴です。

更に、

第20回 橋下への期待と橋下のめざすものの合致と落差
第21回 新自由主義政治家としての既視感と新鮮さ
を読めば、今回異神がみんなの党の役割を担っているのだろうとわかる。

異神の会やら日没氏が、大本営広報部から称賛される理由、よーく分かった。社会保障等を地方レベルにおいても大幅削減する構造改革推進の旗手なのだ。これから日本全国で推進される苛斂誅求政策の大切な旗頭なのだから、財界も大本営広報部も熱心に推進し、決して足を引っ張らないわけだ。

もちろん、少数派の著者の意見、大本営広報部印刷物、別名マスコミに載ることなく、白痴製造電子箱、別名テレビの討論番組にも登場はしない。

毎回拝読している『五十嵐仁の転声仁語』に彼らの実態を表す記事があった。

本当はゴミやガラクタをかき集めた「日本復古の会」ではないのか

雑食動物の小生、貧しいながら様々な方の講演を拝聴し、著作を拝読している。「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」と思う。

中丸薫氏最新ニュース・レター、「TPPに踊る毒虫たちの宴」末尾に大賛成。

ご本人、おそらく他の党をさしておられるのだろうけれど。

「原発、増税、TPP」に反対する候補者は、決してメディアに登場することはない。入れる党がないと諦める前に、正義を貫こうとする勇敢な候補者を探しだすことから、私たち有権者の責任は始まっている。

2012年12月 4日 (火)

ニュージーランド国民の大半が秘密TPP交渉を終わらせたいと考えていることが世論調査で判明

2012年12月2日

報道発表  ジェーン・ケルシー教授

“TPP反対派で、世論調査を委託したジェーン・ケルシー教授によると、11月中旬に行われたコンシューマー・リンク世論調査で、環太平洋戦略的経済連携協定案を巡る秘密主義は圧倒的に拒否された。”世論調査は、大半のニュージーランド国民が、政府にTPPA交渉の秘密主義を止めるよう望んでいることを示している。

TPP反対派で、世論調査を委託したジェーン・ケルシー教授によれば“11月中旬に行なわれたコンシューマー・リンク世論調査で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)案を巡る秘密主義は圧倒的に拒否された”。

ニュージーランド国民のほぼ三人に二人は、交渉が完了し、協定に署名する前に、最新かつ最大の自由貿易協定の内容を公表すべきだと考えている。

意見を述べた人々の中では四倍もの人々が、ニュージーランドが環太平洋戦略的経済連携協定に向け他の十ヶ国と交渉中の文書を、事前に公開することに賛成だった。

コンシューマー・リンクが行った世論調査では、65%のニュージーランド国民が、政府は交渉が完了し、条約が署名される前に条約内容を公表すべきだと考えており、14%はそうならなくともかまわないという意見で、21%は意見無しであることが分かった。

ケルシー博士は、交渉担当者達に対し、月曜日、スカイ・シティで秘密裏に今回の会合で集まる際に、これら交渉の秘密主義的手法は、民主的な正統性に欠けていることを認め、選挙で選ばれた我が国の指導者達が提案している文書と関連書類を、国民が読み、分析し、議論できるよう、公開することを要求している。

“交渉担当者達の主張に反して、これに前例がないわけではありません。大いに批判されている世界貿易機関(WTO)でさえ、TPPと比べれば透明性の星です。”

草案文書の公開要求は再三拒否されてきた。

“こうした要求は、市民社会団体からのみならず、交渉担当者達は、協定の影響を受けるであろう何千万人もの人々を代表する、あらゆるTPP加盟諸国の組織からも要請を受けています。”

“ニュージーランドの野党各党も、政府を将来無期限に束縛するようなルールに関する秘密交渉によって自分達の民主的な機能が侵害されることに反対しています。”

カナダ、オーストラリアとニュージーランドの緑の党は、TPPは“根本的に非民主的で、不透明だ”と烙印を押した。ニュージーランド・ファースト党のウィンストン・ピーターズは、ニュージーランド国民が主権に対する影響について議論できるよう、交渉を保留するよう要求しており、マナ党は、あらゆる詳細の公開を要求した。

重要なことに、先月の労働党大会で圧倒的多数で採択された付託は“協定文書草案の通常の一般公開を含む、全面的な公開協議”を条件として、TPPを支持している。

米議会は更に強く主張している。過去四ヶ月間、オバマ大統領はTPPを可決するのに支持が必要な民主党と共和党からの手紙で責めたてられている。

今年3月、ロン・ワイデン上院議員は、アメリカの交渉上の立場の開示や、知的財産権に対する提案や、インターネットに関する提案を入手可能にすることを要求する法改定を提出した。文書が開示されない限り、国家安全保障上の脅威となる。これは極めて意義深い。ワイデンは過去のあらゆるアメリカの自由貿易協定を支持してきた保守派の自由貿易支持派指導者で、上院の国際貿易・税関・ グローバル競争に関する小委員会委員長だ。

“世論調査は、ニュージーランド国民は、TPPが闇から出て、民主的な精査をしっかり受けることを望んでいることを示しています。ニュージーランド政府も、他のTPP加盟十ヶ国の政府も耳を傾けるべきです”とケルシー教授は話を結んでいる。

ENDS

情報源はscoop.co.nz

元のurl

記事原文のurl:www.itsourfuture.org.nz/poll-shows-most-nzers-want-to-end-secret-tppa-negotiations/

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中野剛志氏の新刊『官僚の反逆』幻冬舎新書冒頭を引用させて頂こう。7-8ページ。

 米通商代表部(USTR)のカトラー代表補は二日、環太平洋連携協定(TPP)への日本の参加問題で、日本政府OBからの働き掛けがあったことを明かした。
 野田佳彦首相が、TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入る方針を表明した十一月十一日までの国内協議の最中、数人の元日本政府関係者が訪ねてきて同代表補に「少しガイアツをかけて、TPP参加が日本にとってよいことであると伝えてもらえないか」と、TPP参加を日本に促す働き掛けを求めたという。代表補は、関係者の具体名は明らかにしなかった。
 同代表補は要請について「日本経済の将来にかかわるような大きな決定に、通商相手国がどうこう言うべきではない」との判断を強調。「米政府は日本の国内協議に一切介入しなかった。決定は日本自身の決断だ」と述べた。
             (東京新聞朝刊、二〇一一年十二月四日)

 外国が何かを要求してくるだけであれば、それはあらゆる外交にみられる通常の行為であることは言うまでもない。しかし、「外圧」とは、より強大な外国が自国の利益のために相手国に要求を突き付けるだけではなく、その強力な政治力を背景にして、事実上、強制しようとすることを意味する。外圧を受け、しかも、それに従わざるを得なくなるというのは、独立国家そして民主国家にとっては耐えがたい屈辱であるはずだ。
 ところが、この報道によれば、日本の方から、その屈辱的なはずの外圧をアメリカにお願いに行ったというのである。しかも、そのことをアメリカ側から暴露され、さらに恥ずべきことに、「自分の国の将来のことは、自分でお決めなさい」と諭されている。

日本語では、「支配層エリート」は「売国奴」を意味するもののようだ。

沖縄基地問題について、外務省幹部がどうしたかは、先日の西山氏講演にもあった。クリントン、アメリカのグローバル経済攻勢概要を説明 の終わりに載せた聴講メモを転記しておく。

日米同盟体制に依存して生きている連中。巨大な組織が、すさまじいものができている。オバマが広島に行きたいと言った時、日本の外務事務次官が訪問を阻止した。
鳩山首相の辺野古に対する案にも、絶対に方針を転換しないでくれとアメリカにアドバイスしたのは日本の外務事務次官だ。

また、副島隆彦氏の新刊『隠されたヨーロッパの血の歴史』KKベストセラーズ刊にも、実に興味深い文章がある。

258-259ページ

 日本の徳川氏(江戸幕府)が、何故、やむにやまれず鎖国(アイソレーショニズム。1613年に初めのキリシタン禁令。1627年までバテレンやキリシタンの処刑を続けた。1637、8年、島原の乱)を断行したのか。それは、日本側が、八幡船(ばはんせん)と呼ばれる黒塗りの十字架のついた大型スペイン船で、買って集めた日本人の少女たち(色白で高く売れた)を大量に積んで、スペインとイエズス会が、東南アジアにどんどん売っていた。この事実を幕府が知ったからだ。同族の女たちが外国に売られてゆくのを見過ごすことはできなかった。だから鎖国をやったのだ。ローマ・カトリック教会の「人類への愛を説く」教えとは、まったく真逆の悪魔の所業を、彼らは隠れてやっていたのだ。
 いま現在の日本にも実は、奴隷売買はある。竹中平蔵と小泉純一郎がやった「規制緩和」と「労働基準法の改悪(破壊)」がそれである。竹中平蔵らが唱えた「自由化」は、奴隷売買を認める思想だったのだ。それで企業は、正社員をばさばさと切り捨てて、派遣や長期アルバイトに切り替えていった。コンビニ店やファミレス店の店長でも正社員ではなくて、長期アルバイトの者に店長をやらせている。1日18時間ぐらい働かせて、店長の名前だけ与えて5万円ぐらいの店長手当てだけやって、死ぬほどこきつかって、そして過労死させていく。みんなアルバイトだから奴隷労働なのだ。

260-261ページ

人材(本当は労働者)派遣法の「労働(力)の自由化」という美しいコトバの陰に隠れたこれが真の姿だ。まさしく現代日本に復活、再生したユダヤ思想である。ネオ・リベラリズム、略称して"ネオリベ"と呼ばれた、このコトバはアメリカにはない。イギリスにだけ存在する。「ネオ」は「ニュー」と違って悪い意味を含む。「ニューリベラリズム」のほうはフリードリヒ・ハイエクが『ニューリベラリズム』(1986年)という本を書いたときに出現した。
 ネオ・リベラリズムというのは"鉄の女"マギー・サッチャーの思想だった。自由化、自由化といって、サッチャーはロンドンのシティの金融市場の自由化をやった。古くからの(17世紀からの)イギリスの金融法人のベリアリング銀行とか、シュローダー証券とかを叩きつぶした。そしてアメリカ・ロックフェラー家のニューヨークの金融資本が「シティ」を乗っ取っていった。マギー・サッチャーはアメリカの手先だった。ネオ・リベラリズムというのは、このときに出てきたコトバで、だからこの「ネオリベ」は間違った使い方で、本当は彼らは「ネオ・コンサバティブ」だ。ユダヤ系アメリカの凶暴な知識人たちが作った思想だ。軍事侵略も厭わないのがネオコン思想だ。竹中平蔵たちはこの日本における片割れだ。16世紀のヨーロッパ近代(プロテスタント・レボリューション)を勝ち取った偉大な到達点である「奴隷労働、奴隷売買を許さない」という美しい気風を大きく切り崩す、人類の歴史に対する巨大な反動だ。絶対、阻止しなければいけないものだ。これは大きな思想的な闘いだ。
 だから、小泉純一郎と竹中平蔵そしてその後継者である橋下徹は、人身売買、奴隷売買を認める恐るべき人間たちである。ヨーロッパの血の中の黒い血の、劣性の思想の手先になって動く悪辣な人間どもだ。

これも、中野氏の文章同様、自眠、高名、眠主、異神の怪やら、やつらの党等の名前を思い浮かべてしまう文章ではないか?

2012年12月 2日 (日)

ニュージーランド社会信用民主党、TPPA交渉からの即時離脱を要求

2012年12月2日

報道発表 社会信用民主党

“もしコーヒーを一杯注文して、コーヒーは17%で、漂白剤が83%という代物を出されたら決して嬉しくは無いでしょう”と、ニュージーランド社会信用民主党の外務担当スポークスマンのジョン・リングは語っている。DSCはTPP交渉からの即時離脱を要求している。

“もしコーヒーを一杯注文して、コーヒーは17%で、漂白剤が83%という代物を出されたら、決して嬉しくなど無いでしょう”と、ニュージーランド社会信用民主党の外務担当スポークスマンのジョン・リングは語っている。“もし提案されている環太平洋戦略的経済連携協定が採択されれば、国民はそう感じるはずです。”

ニュージーランド、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、シンガポール、ブルネイ、ペルー、メキシコ、アメリカ、カナダとチリの間の環太平洋戦略的経済連携協定の第15回目交渉が、12月3日から12日にかけて、オークランドで行われる。

“通商協定として売り込まれていますが、29章のうち貿易に関連しているのはわずか5章だけです”と彼は言う。“我々もブラジルに習って、通商協定だと主張しながらも、貿易に関係ないことを含んでいるもの等には署名することを拒否すべきです。”

“中国に対する防壁だとも言われていますが逆効果になるでしょう。ここ数十年アメリカの平均所得は低下しており、協定は加盟諸国にも同様な失敗をすることを強いるでしょう。”

“とりわけ、この協定は、外国企業と政府との間の紛争が、他の裁判では弁護士をしている連中が非常勤裁判官をつとめる腐敗した臨時法廷によって裁判されることを可能にします。役割が逆になった時は、彼らが勝訴の判決をすると言って弁護士連中が裁判官と取引をする可能性があるのです。”

“あからさまな利害の対立があります。ある裁判では、裁判官の一人は原告の株を所有する企業の取締役会のメンバーでした。”

“裁判所に不当な役割を果たさせるような、道義に反する金銭的誘因まで組み込まれているのです。”

“裁判が長引けば長引くほど、弁護士も裁判官達も所得が増えるので、裁判は延々と続き、非常に高くつきます。裁判一件の平均裁判費用は800万ドルですが、3000万ドルを軽く越える可能性もありますから、裁判は小企業や大半の農民には全く役にたちません。”

“しかも、もし多数の企業が裁判で政府に勝てば、勝てる可能性が高いというので、企業が政府を訴える可能性が高まります。これで裁判官や弁護士を供給する法律事務所にとって仕事が増えますから、彼らが大企業勝訴の判決を下す誘因があるわけです。”

“ニュージーランドは交渉から即座に撤退すべきです”とリング氏は語っている。

ENDS

情報源はscoop.co.nz

元のurl

記事原文のurl:www.itsourfuture.org.nz/dsc-demands-immediate-withdrawal-from-tppa-negotiations/

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お断り:ニュージーランド社会信用民主党、日本語で検索しても見つからない。カタカナで延々綴ってもチンプンカンプンな為、勝手に訳したもの。正式名称をご存じの方にご教示をお願いする。また原文ではTPPAだが、文中は日本での呼称に合わせた。

もちろん英語名Democrats for Social Creditという政党は実在する。

「多数の議員がいて、政党名が日本語になっている」ことが、その政党が良いものである証明にはならない。ツイッターでフォロワー数最大という人物の発言が有意義なものかどうかわからない。日本では知名度がほとんどないハワード・ジンの言説、貴重な正論と思う。数と質、必ずしも一致しない。

「多数の議員はおらず、政党名が日本語になっていない」ことが、その政党がインチキなものである証明にはならない。

日本の政党、基本的に、人数に比例して、内容が劣化するように思える。

もちろん「多数の議員はおらず、政党名が大本営広報で掲載されない」ことが、その政党が優れている証明にはならない。三つ子の魂百まで。売国政党から分離した連中、結局元の党の売国精神を信奉し続ける。そこで、絶滅危惧種野党に投票するしかないと思っている。

「絶滅危惧種野党が候補を立てるのは、与党(自民・公明・民主・異神や有象無象の自民別動隊)を利する勝手な行動だ」というもっともらしい論がある。前回選挙で「第一党野党に集中して与党を倒せ」で政権交替をさせて、どれ程素晴らしい結果になったのか考えれば、一方向への熱狂的行動には賛成しかねる。

そもそも小選挙区制導入の主な推進役は豪腕政治家氏だったろう。

新聞に大きくTPP反対論者の説が載っていて驚いた。反対論の説得力、十分あると思うが記者は承服できないそうだ。社方針に逆らって、承服したとは口が裂けても言えまい。

素人のメタボ・オヤジ、大本営広報部が、わかり易い明確な解説無しに、TPP推進論を説いていることに承服できない。

何度もしつこく繰り返して書くが、大本営広報部は、おかしい迷惑なものばかり推進してきた立派な実績をお持ちだ。大本営広報部、宗主国のご要望の拡声器。

    • 宗主国崇拝
    • 日米同盟
    • 北方領土歪曲報道(嫌ロシア感情の醸成)
    • 原子力発電
    • 小選挙区制
    • 郵政解散選挙での郵政破壊派、つまり売国派称賛
    • イラク戦争参戦

今大本営広報部が力を注いでいる項目の例としては、下記が思い浮かぶ。

    • TPP
    • 消費税増税
    • 憲法破壊
    • オスプレイ配備推進
    • 集団的自衛権宗主国用パシリ侵略傭兵拝命権の婉曲表現)
    • 対中国感情の醸成・悪化
    • 尖閣紛争をわざわざ起こすアルツハイマー的三文文士称賛
    • 最低賃金制まで破壊する異神府知事・市長(第二小泉)称賛

オスプレイや普天間基地問題や高江の状況については、全国向け大本営広報部、全く見て見ぬふりで、憲法破壊、集団自衛権という名前の宗主国パシリ侵略傭兵拝命を推進している。沖縄の基地を一時間も見学すれば、憲法破壊、集団自衛権など言い出す気分がうせるだろうに。

北朝鮮ミサイル発射も、毎回のごとく、宗主国がそそのかしているのだろう。韓国・日本の選挙にを良い影響をあたえるべく。もちろん宗主国による両国の売国派支援特別対策。

さすがに沖縄のメディアは違う。これはTPPも同じで、全国紙は皆推進派、地方紙はこぞって反対しているように見える。スポンサーの違いだろう。TPPで儲けようとしている大企業をスポンサーにすれば、当然TPP賛成になり、TPPで大損害を受ける地方企業をスポンサーにすれば、当然TPP反対になるだろう。

そこで全国紙、全国向けネットワーク報道については眉に唾をつけることに決めている。いくらつけてもそのかいはなく、毎回選挙の度毎に大本営広報部が尽力する方向、地獄への道を進んできた。今回もそうなるだろうか?

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