誰が勝利しようと、容易に予測できる選挙後の5項目
Shamus Cooke
Global Research
2012年10月30日
バラク・オバマとミット・ロムニーには多くの政治的な違いがあるというのは事実だ。しかし、二人は多くの極めて重要な政策では同意している。誰が勝利しようと次の四年間は容易に予想できる。ここにあげたのは、二人の候補者が共有する最も重要な信念に基づいた五つの予想だ。
1) 組合に対する戦争は続く。共和党は明確に反組合で、一方、民主党は言葉上は親組合だが、行動は反組合だ。オバマの大いに喧伝されている国家教育政策Race to the Topは、先任権を攻撃し、給料と福利を制限することで、アメリカで最も強力な組合、教員組合の心臓部を直接標的にしている。
また各州の民主党と共和党の知事達も、公務員から譲歩を勝ち取るか、あるいは労働組合員としての彼らの権利をすっかり取り上げようと狙っている。譲歩を求めるという(民主党)悪い二つの選択肢の中のよりまし策は、団体交渉権を終わらせる(共和党)ところまで、ほんの一息にすぎない。
不況が軋み続ける限り、誰が大統領になろうと、この超党派の反組合政策は激化する。労働者全般のため、組合が人為的に労働市場をゆがめているので、この反組合政策の狙いは、全労働者の賃金低下のだ。そこで、組合攻撃は、組織労働者であるか無いかとは無関係に、労働者の労賃を引き下げることによって、大企業が“収益性”を回復できるようにするための、全ての労働者に対する攻撃なのだ。
2) 環境に対する戦争は続く。両党とも環境には、組織労働と同じ様に対処している。共和党はあからさまに環境を悪化させているし、民主党は逆のことをしながら環境保護的な声明をしている。どちらが勝っても、巨大石炭会社への迎合を継続するだろうし、二人は危険な北極や、メキシコ湾岸原油掘削の擁護を続け、シェール“天然ガス”掘削で大規模破壊をもたらし、大陸横断キーストーン・パイプラインを建設しながら、気候変動対策として、人類に雇用と希望を与える、全体にとって必要な代替エネルギー・インフラを作るためには、ほんの僅かか、全く何もしないままでいる。オバマもロムニーも、そうすれば公害を引き起こしている大企業の利益を損なうことになるので、気候変動危機への対処に必要な行動をとるのを拒否している。いずれの大統領候補者も問題に関して率直な公開議論を始めるようなことはせず、確実に他の国々もこれ続き、我々全員にとって危険になる。
3) ウオール街は君臨しつづける。討論中に、対ウオール街の、いかなる行動も不要であることが明らかにされた。しかし銀行は、オバマの下で、ブッシュの下でよりも、大きくなっており、つまり銀行は依然“大きすぎて潰せず”将来の緊急援助も納税者達によって支払われるのは確実だ。連邦準備金制度理事会の政策は、共和党にとっても、民主党にとっても物議を醸すことはない。誰もが給料と福利厚生が削減されているのに、歴史的な低金利と膨大な量の追加紙幣印刷の併用、いわゆる“量的緩和”は、いずれもウオール街の銀行の利益に大いに役立っている。労働者が融資を受けるのは容易ではないのに、銀行と大企業は文字通り何兆ドルもの現金の準備金上にのんびり腰を下ろしている。
4) 選挙後の国の緊縮削減。財政赤字は、銀行救済、外国での戦争、何十年も金持ちと大企業の税を引き下げ続けてきた結果なのだ。オバマもロムニーもこうした事実を無視し、もし共和党と民主党が一体何兆ドルの削減をするかで合意できなければ、雇用や社会福祉制度の強制的大規模削減が実施される“トリガー条項による歳出削減”を支持している(オバマが提案した赤字削減計画では削減は4兆ドルだ。ポール・ライアンは6兆ドル削減を望んでいる。)
また、オバマは赤字を埋める助けとしての“金持ち課税”について色々言い立てており、前回も同じ約束をしたが、ブッシュの金持ち減税を延長し、結局水泡と帰した。労働者には課税するべきものがほとんど残らないのだから、金持ちへの課税こそ、赤字削減の唯一の代替策だ。ところが、オバマは赤字を利用して、メディケア、公教育、失業保険の、またおそらくは社会保障や他の制度でも、大幅削減を正当化するのだ。オバマ/ロムニーの赤字を巡る“対立”など、選挙運動のために違いが誇張されてはいても、実際は社会福祉制度をどのような焼き畑戦術で破壊するのが最善かについての上品な論議にすぎない。
5) 外国での戦争は続く。外国での戦争にかかわる、オバマとロムニーの論議を聞いていると、まるでペプシかコークか議論のようだった。両候補者とも、イスラエルを愛し、イランとシリアを憎悪し、アフガニスタンの“撤退時期”(アメリカが2014年にアフガニスタンから撤退すると信じているまともな外交政策評論家等皆無だ)について嘘をついている。両者とも、明らかな戦争犯罪である、パキスタン、イエメンやソマリアでの無人機爆撃を継続することに賛成で、両候補者とも善人ぶって、シリアの“人権侵害”を非難していた。要するに両候補者とも、中東と北アフリカを、そうしたことを非難されずに、地域戦争の瀬戸際に追いやるには、どうするのが最善かを巡って議論していたのだ。
究極的にオバマ大統領とミット・ロムニーの間に社会政策上の差異はない。ところが、上記の政策はアメリカ合州国の全労働者に大きく影響する。アメリカは典型的な不況にあるのではない。ほとんどの経済学者は、最善の場合でも、アメリカ経済は景気停滞の“失われた十年”、最悪の場合には、二番底不況/不景気になるだろうことで一致している。
上にあげた政策は、資本主義が再度安定化するには、アメリカにおける権力を、労働や環境や他の規制によって全く拘束されずに、情け容赦なく利益を追求するに違いない銀行と大企業へと更に移すには、我々全員にとっては不利益な“新たな常識”が必要だという理解の下、最悪事態を想定して立案されている。
大企業の利益は、我々を犠牲にすることで実現するのだから、全ての労働者にとって忌まわしい同じ“大局的”計略を民主党も共和党も共有しているのだ。労働者が、シカゴの教師達がした様に、戦うために自ら団結せざるを得ないと感じるようになりさえすれば、民主党に対するあらゆる幻想は薄れ始め、人々が自らの目で見れば、シカゴの教師達に対してした様に、民主党は彼らを人々を助けするのを拒むだけでなく、彼らに積極的に反対するのだ。このような進展が、二大政党・大企業支配の計略に異議を申し立てられる本当の運動の出現を可能にするだろう。労働、地域社会組織が、上記の超党派計略に反対して、独立した行動で広範囲で団結できるまでは、我々は永久に、二人のいずれも我々の基本的な利益などに配慮しない候補者達の応援に引きずりこまれ続ける。
シェイマス・クックは社会福祉労働者で、労働組合主義者で、Workers Action (www.workerscompass.org)の筆者 shamuscooke@gmail.comで連絡できる。
記事原文のurl:www.globalresearch.ca/five-easy-post-election-predictions-no-matter-who-wins/5310098
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国民に損害を与える政策ばかり平然と推進するどじょう氏や、横田基地を返せという代わりに尖閣問題を引き起こしたタチガレ老人垂れ流しのテレビ報道を見ていると不快感が募るばかりだが、おかげで東京タレント合戦が始まった。タレント人気で投票した結果が都民の幸せをもたらすはずもない自己責任選択。国政選挙とて同じ。
原発がある県や村で脱原発派知事や市長や村長が当選したというニュース、寡聞にして知らない。原発推進派知事達がリコールされたという話も。
藤原正彦 『国家の品格』 新潮新書に、的確な表現がある。
主権在民には大前提があります。それは、「国民が成熟した判断をすることができる」ということです。
冷徹なる事実を言ってしまうと、「国民は永遠に成熟しない」のです。
「国民は永遠に自分の首を絞めるのです」ということか?同書にはマスコミについての表現もある。
主権在民とは「世論がすべて」ということです。そして、国民の判断材料はほぼマスコミだけですから、事実上、世論とはマスコミです。言い方を変えると、日本やアメリカにおいては、マスコミが第一権力になっているということです。
そこで、誰が勝利しようと容易に予測できる大統領選挙後・日本の国政・都知事選挙後の5項目
- 組合に対する戦争は続く。(日本には労働者の為の労働組合、もうほとんどないだろうが、対米独立を夢想するような絶滅危惧種政党への戦争は続く。絶滅するまでは。)
- 環境に対する戦争は続く。宗主国からも原発推進厳命はあるようで、汚染不沈空母上で、真実は隠蔽されたまま、瓦礫全国処理、汚染度不明な産品の推進、再処理も再稼働も進む。
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ウオール街は君臨しつづける。そして日本の飛んで火に入るTPP加盟。
- 選挙後の国の緊縮削減。宗主国に貢納すべく、増税攻勢と緊縮策は激化する。
- 外国での戦争は続く。集団的自衛権という名前で、宗主国傭兵として、日本からも理不尽な侵略戦争に出征するのは確実。それで属国傀儡政治家は靖国神社参りを続ける。暴行事件が続発しようが米軍を歓迎し、オスプレイを購入さえしようという世界一従順な属国。
藤原正彦氏、「管見妄語」という記事で、TPPをバッサリ切り棄てておられる。
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