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2012年9月 2日 (日)

国際法に対する欧米の猛攻

Paul Craig Roberts

2012年8月28日

新しい映画“コンプライアンス”は“お上につき従いたいという人間の願望”を検討している。伝統的に、何も疑わずに、お上に従うことを監視する装置として機能してきた、マスコミ、大学、連邦裁判所や人権団体等のリベラルな組織は、現代、権力側に移ってしまった。こうした組織は壊滅し、彼らは権力の番人から、権力の召使に変身してしまった。結果は、法の支配から、プロパガンダによって維持されている権力に依拠する責任を負わない当局へという、文化の変容だ。

お上への信頼を植えつける上で、プロパガンダは重要だ。プッシー・ライオット事件は、ワシントンのプロパガンダの力が、ロシアそのものの国内にすらおよび、ワシントンのプロパガンダが、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、王立国際問題研究所や、アムネスティー・インターナショナル等の主要な人権団体を教唆していることを明らかにしている。

プッシー・ライオットは、欧米マスコミでは、パンク・ロック・グループとして描かれているが、実際は、猥褻な、あるいはロシアの教会の中でのような、スキャンダラスな予告無しの興行や、博物館での乱交や、これや、あれやのイベントを演じるヴァイナー(戦争)として知られているグループのようだ。

教会の中で演奏した三人は逮捕され、起訴され、裁判され、成文法に違反したかどで有罪を宣告され、二年の実刑判決を受けた。最近、ボイス・オブ・ロシアはロンドン・スタジオから、事件にまつわる議論を放送した。ヒューマン・ライツ・ウォッチや王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)の代表達は、事件は実際、言論の自由問題であり、女性達はロシアのプーチン大統領を批判したことによる政治犯だと主張した。

この主張は不誠実だ。ロシアの教会での不敬な演奏ではプーチンの名は出なかった。プーチンへの言及は、犯罪を政治抗議に変えるべく、イベント後にインターネットに投稿されたビデオに付け加えられたものだ。

人権団体の代表達は、女性達の有罪判決は、プーチンのロシアでのみ起こりうるとも主張した。しかしながら、番組のホストは、実際、大半のヨーロッパ諸国にはロシアと同様な法律があり、多数のヨーロッパ人違反者達が逮捕され、より厳しく処罰されていることを指摘した。実際、私は最近、プッシー・ライオットを支援して、模倣した女性集団が同様な抗議行動を行い、逮捕されたというドイツからのニュース報道を読んだ。こうした問題の分析はここで読める。

人権団体の代表者達は、プーチンは、起訴を止め損なったことで、民主主義のテストに不合格なのだと考えているように見える。しかし国家には、法の支配があるか、無いかのいずれかなのだ。もしプーチンが法律を覆せば、プーチンが法律だということになる。

資金援助をしているロシアの反政府集団経由で、プッシー・ライオット事件に、ワシントン関与していようと、いまいと、ヒットラリー・クリントンは、実に素早くプロパガンダを行った。ロシアでは、言論の自由が脅かされていると彼女は言ったのだ。

ワシントンは、ワシントンのシリア破壊に反対していることで、プーチンに報復するのに、プッシー・ライオット事件を利用したのだ。見過ごされている法的問題は、ロシア内政に対するワシントンの干渉だ。人権団体がワシントンのプロパガンダとの、ぴったり一致しいることは、人権擁護の信ぴょう性を損なう。もし人権団体がワシントンのプロパガンダ援軍と見なされてしまえば、人権団体の道徳的権威は消滅する。

イギリスによる18世紀と19世紀の世界支配と、20世紀と21世紀最初の十年間のアメリカ支配による英語普及のおかげで、ワシントンは、説明を支配しやすい状態にある。他の言語には到底これと競合する影響力は皆無だ。

ワシントンには、冷戦時代に正義の味方を演じたという利点もある。ソ連帝国の構成部分だった国の国民や、多くのロシア人達自身さえ、いまだにワシントンを正義の味方と見なしている。ワシントンは、この利点を利用して、幾つかの国をロシアの勢力圏からワシントンの勢力圏に変えた“カラー革命”を資金援助した。

トニー・カタルッチは“アムネスティー・インターナショナルは、アメリカ国務省の宣伝機関だ”と結論付けている。アムネスティーの代表は“人権擁護”をアメリカの世界覇権と融合させている元国務省職員のスザンヌ・ノッセルだとカタルッチは指摘している。

確かに、アムネスティーはワシントン・プロパガンダの拡声器のように見える。会員に対するアムネスティーの最新の電子メール(8月27日)はこうだ。“まるでプッシー・ライオットの三人のメンバーに対する最近の裁判と判決が十分恥ずべきことではなかったかのように、今ロシア警察はバンドの他のメンバーを追跡している。お間違えのないように。ロシア当局は容赦ない。反体制派の声を沈黙させる為に、ロシア当局は一体どこまでやるつもりなのだろう? ロシア政府に、プッシー・ライオット狩りは止めろ!と言おう”

会員に対するアムネスティー・インターナショナルの8月23日の電子メール“世界よ、目覚めよ”は全く一方的で、あらゆる武力衝突の責任を、ワシントンが武装させて、シリア国民に対して解き放ったアルカイダや他の外部集団ではなく、シリア政府のせいにしている。アムネスティーは、シリア政府の悪事を証明する映像を公表することにのみ関心があるのだ。“この痛烈な映像を、世界中のジャーナリストに手渡すべく私たちは努力している。我々の仕事をを支持し、我々が直接入手しているビデオがマスコミの有力な方々に必ず見て頂けるようご支援願いたい。”

少なくとも、プッシー・ライオットは裁判を受けた。戦闘任務で二度派兵された歴戦の兵士、元アメリカ海兵隊員ブランドン・ローブが会わされた運命より、ましだ。ローブは、フェースブックに、違法な目的のため、ワシントンに虐待されたという自分の意見を投稿した。地元警察、FBIとシークレットサービスが彼の家を襲い、彼を引きずり出し、社会事業相談員の許可を得て、彼を、監視の為、精神病院に入院させたのだ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ、アムネスティー・インターナショナルや、王立国際問題研究所からの抗議を私は全く目にしていない。その代わりに、ヴァージニア州巡回裁判所の裁判官、W. アラン・シャレットは、言論の自由の権利を行使したことを罰する以外に、ローブを収容し、拘留する理由は無いと述べて、ローブの即時釈放を要求している。

アメリカ人は、言論の自由の権利を行使したかどで益々罰せられるようになっている。占拠運動に対する警察の暴力を撮影した多数のビデオが、ユーチューブで見られる。ビデオは、暴漢ゲシュタポ警官が女性を殴打し、頭を下げて座っている抗議行動参加者達に催涙スプレーを浴びせ、警棒のきらめきで、アメリカ人の頭が割られ、憲法上守られている権利を平和裡に行使したかどで、抗議行動参加者達が殴打されて気を失い、手錠のまま無理やり引きずり去られる様子を映している。

ブラッドリー・マニングの違法拘留と拷問や、エクアドル大使館に侵入して、WikiLeaksのジュリアン・アサンジを引きずり出すというイギリス政府の脅しを巡るよりも、プッシー・ライオットを巡る抗議の方がずっと多い。

中国の反体制活動家が中国のアメリカ大使館で亡命を求めた際、中国政府は国際法に従い、反体制活動家のアメリカへの安全な通行を認めた。だが“自由と民主主義”のイギリスは、亡命を認められたアサンジの自由な通行を拒否し、国務省のクリントンからは何の抗議もない。

“中国の勃興、アメリカの没落”という文章の中で、ロン・アンスは、中国政府の方が法の支配をより尊重しており、統治している自国民に、ワシントンよりも敏感に反応しているという説得力ある主張をしている。現在、アメリカ政府は国際法を超越しており、アメリカが認めない国の政府を打倒する権限があるというワシントンの主張に異義を唱えているのは、イギリスやヨーロッパではなく、ロシアと中国なのだ。

今やアメリカとイギリスの政府の特徴となった無法さは、9世紀のアルフレッド大王の時代から、17世紀の名誉革命に至るまで、イギリスがその為に戦ってきた、人類の最も立派な成果、法の支配に対する大きな脅威だ。

英米が法の支配を破棄したことに対する抗議は一体どこで行われているだろう?

ヒューマン・ライツ・ウォッチや、アムネスティー・インターナショナルや、王立国際問題研究所は、一体なぜ、この問題に対応しないのだろう?

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2012/08/28/the-western-onslaught-against-international-law-paul-craig-roberts/

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プッシー・ライオット事件、ロシアのプーチン大統領イメージ破壊作戦だというこういう記事を読むと、

垂れ流し報道が続いているシリアにおけるジャーナリスト殺害事件、日本からの軍資金や、国軍派兵を引き出す作戦と、思えてしまう。

マスコミ、大学、連邦裁判所や人権団体等の組織が、何も疑わずに、お上に従うことを監視する装置として機能してきた記憶、残念ながら皆無。物心がついた時には、全て、宗主国の権力側だった。こうした組織とうの昔に壊滅し、権力の召使だった。

「法の支配があるという建前から、プロパガンダによって維持されている権力に依拠する責任を負わない当局という総メルトダウンの実態が暴露された」のが3/11以降の日本。

暴露されても、もちろん何も変わらない。選挙の傾向も結果も未来も。

尖閣紛争で、異神の怪をあおって選挙にもちこみ、事実上、日米二国間FTAである、TPPへの加盟で完全属国化が永久に保証される。

ポンコツ原発だらけ放射能まみれの不沈空母上を自由自在にオスプレイが飛ぶ。

書店に行けば、米韓FTAの恐ろしさを解説する本『恐怖の契約 米韓FTA TPPで日本もこうなる』が買えるのに、マスコミはTPPのモデルとも言える、米韓FTAの恐ろしさは決して報じない。

ヒューマン・ライツ・ウォッチや、アムネスティー・インターナショナルや、王立国際問題研究所は、永久にアメリカの日本差別、日本の沖縄差別には対応しないだろう。

ところで、パラリンピックの開幕式?、空からおりてきた人物にびっくり。

アフガニスタン侵略で両足を失った元兵士を登場させる、あざといイギリス、それをそのまま報道する大本営報道。

「アフガンで視覚障害の負傷兵、不屈の金メダル 競泳男子」という記事もある。

テロ戦争を推進する国家には、こうして戦傷者をねぎらい、英雄化する舞台は必要不可欠だろう。

「アフガニスタン侵略」そのものが現代の巨悪テロ。

パラリンピック、帝国主義テロ戦争の宣伝舞台に見えて、関心は消滅した。

国営放送で、吉田茂マンセー番組が放送されるという。

吉田茂やら、白州次郎やらのプロパガンダに興味は全くない。

司馬遼太郎の戦記モノや、歴史モノ番組同様、歪曲した情報で洗脳する番組だろう。

吉田茂の英雄像の仮面を剥いだ孫崎享氏の名著『戦後史の正体』がベストセラーになっても、国営放送プロパガンダ番組の視聴者数にはかなわない。

数少ない素晴らしいキュメンタリーETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」様々な賞を受賞している。

  • ギャラクシー賞 2011年5月度月間賞、第49回上期入賞
  • 文化庁芸術祭賞 大賞
  • 石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞
  • 日本ジャーナリスト会議大賞

ところが局内では制作スタッフ、取材規制を遵守しなかった違反者、そうした経緯を『ホットスポット』の中で明記したとして、「厳重注意」を受けているという。

「厳重注意」を受けるべきは局幹部。その放送局にして、このプロパガンダあり。

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コメント

ご無沙汰しています。
いつも拝読しています。


大阪と言うより既に全国と言いなおした方がいいかもしれませんが、
イシン・イシン、橋下の連日紙面・画面・週刊誌登場ですね。
それに、バッチを付けたいだけで寄りつく卑しい「国会議員屋」が出てきました。
つくづく、誰のために代理で政治をしているのかが明らかになり、
自分の野望のためと、自分の保身と利権のためとがよくわかるのですが。
おおくの国民には、まだまだ解ってもらえないのかなと思ったりもします。
東京でのオリンピックパレードに水を差すことを言えない雰囲気が怖いです
知らず知らずに洗脳される。
遅い読書ですが
孫崎氏の「戦後史の正体」読み終えました。

親分を頭において物事を見てみると
維新の橋下人形の主張が簡単に理解できます。
橋下もただの指先人形で動かす堺屋も自ら操り人形となっているのでしょう。

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