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2012年7月11日 (水)

福島: 資本主義によってもたらされた大災害

wsws.org

2012年7月10日

独立の国会事故調査委員会による手厳しい報告は、昨年の福島原発災害を引き起こした安全対策の欠如を列挙した。3月11日の地震と津波によって解き放たれた自然の力は制御不能ではあったが、その壊滅的影響は予測可能で、大幅に抑えることができたはずだった。

福島第一原発を運営していた巨大企業東京電力は、原子炉を必要な耐震基準に合致するように補強しなかった。監督機関、原子力安全・保安院は、耐震規準を施行する何の対策も打たなかった。東電も監督機関も、原発が津波を受けやすいことは承知していたが、何の対策もとらなかった。原発、東京電力本社、原子力安全・保安院と首相官邸のあらゆるレベルで、災害対策は不十分であるか、存在しなかった。

その結果が、地震と津波が襲った際の大混乱だった。原発は全ての電源を失い、予備電源が故障した。これだけの規模の災害に対処するよう訓練されていない技術者と作業員達は、不十分な装置とマニュアルで状況を鎮めようと苦闘した。一連の水素爆発は原子炉建屋を酷く破壊した。第1、第2、および第3号炉は部分的にメルトダウンし、高いレベルの放射能が海と大気中に放出された。原子炉を鎮めるのに何ヶ月もかかったが、損傷の全貌は不明のままだ。原発を解体し、周囲の地域を清掃するには、何十年も要しよう。

政府、原子力安全・保安院と東京電力による計画的対応の欠如が事故を悪化させ、報告書が慎重にも“更に恐ろしいシナリオ”と表現したものが起きる恐れがあった。現地住民の避難は混乱していた。何万人もの人々が十分に情報を与えられず、再三移動させられた、放射能の強い地域への移動も含め、避難地域は、次々と拡大されたため。人々の健康や環境に対する事故の長期的な影響は不明だ。

1986年のウクライナにおけるチェルノブイリ・メルトダウン以来最悪の核惨事は、何十年にもわたる、政府、原子力規制官庁と原発業界の癒着の産物だった。報告書は、原子力安全・保安院、原子力安全委員会 (NSC)と原発業界の関係を表わすのに“規制の虜”という言葉を使っている。言い換えれば、原子力安全・保安院とNSCは、公衆の安全ではなく、東京電力等の企業の権益を守るように機能していたのだ。

先週公表された国会東京電力福島原子力発電事故調査委員会 (NAIIC)報告書は珍しく率直だ。報告書は明らかに、国民の広範囲に及ぶ原子力産業に対する疑念、不信、反対を一掃することを狙っていた。委員会は、災害は“人災”だった、つまり怠慢と基本的な安全基準の意図的な軽視の産物だと結論したものの、誰一人、責任を問うていない。個人や東京電力を含めた団体に対し訴訟を起こすことを提案しておらず、勧告を規制改革の為の一般的な提案に限定している。

NAIICの黒川清委員長は、災害の責任を日本国民全員に負わせようとしている。報告書の前書きで彼はこう宣言している。“事故の根本的な原因は、日本文化の慣習に根ざすものの中にある。つまり、反射的な従順さ。権威を疑問視したがらないこと。‘計画を守り通そう’とする姿勢。集団主義。そして、島国根性”

この発言には現実の甚だしい歪曲がある。日本の専門家達は地震と津波の起こりやすい地域に置かれた原子炉の危険性を長年警告し、監督官庁と電力業界の間の近親相姦的な関係を明らかにしてきていた。彼らは、自分達の利益を守ることを狙う、強力で資金潤沢な原発村の圧力団体と対決しなければならなかったのだ。東京電力や他の電力会社内で、労働者を沈黙させているのは“集団主義”ではなく、いじめと脅しの経営体質だ。

福島災害の責任は一般の日本人にあるのではなく、公衆の安全よりも、巨大電力企業の利益を優先した支配階級にある。原子力産業の拡大は、日本帝国主義にとって、日本のガスと石油輸入への依存を低めるのみならず、必要とあらば核兵器を迅速に製造する手だてを用意するための戦略的課題でもあった。

大企業、政府と業界間の癒着は、決して日本だけに限られない。あらゆる国において、職場や地域社会における労働者の健康と安全は、当たり前のように、利益の後回しにされてきた。更に過去三十年間の市場再編により、かつて存在していたわずかな規制も、計画的に浸食されてしまった。多くの場合、監督官庁は削減されたり、企業の“自主規制”によって置き換えられた。

福島は、資本主義の犯罪的な性格を露呈した大災害の一つに過ぎない。一年前、メキシコ湾でBPが運営していた石油掘削装置ディープウォーター・ホライゾンの爆発で、11人の作業員が死亡し、アメリカ史上最悪の環境災害をもたらした。ブッシュとオバマの政権はプロジェクトを促進させ、大衆の懸念と反対にもかかわらず、環境影響調査無しに進めていた。原油漏洩直後、オバマ政権は、巨大エネルギー企業が経済的・政治的な悪影響を最小限にするのを助け、事実上のBP弁護士として機能した。ホワイト・ハウスは発端から、事故は、BPによるものを含め、今後の海底油田プロジェクトを妨げないことを明らかにしていた。

最初は菅直人首相の下、現在は野田佳彦首相の下で、日本政府は、それと同様なサービスを、東京電力に対して行ってきた。東電には莫大な緊急援助を与え、事故で生活に打撃を受けた中小企業や個人に対する支払いは制限した。先月、野田首相は、極めて限定されたいかなるチェックも無しに、一つの原子炉に再稼働の許可を与えた。NAICC報告書が発表されたまさに同じ日に、きわめて地震の起きやすい位置にある大飯原子力発電所の第3号原子炉が操業を開始した。

報告書による暴露から引き出されるべき本当の教訓は、資本主義と、健康と安全な環境に対する人間の最も基本的なニーズは両立しないということだ。福島災害のような悲劇を防ぐ唯一の方法は、世界中のな労働者階級による利潤制度の廃止と、世界的に計画された社会主義経済の樹立にある。

ピーター・シモンズ

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2012/jul2012/pers-j10.shtml

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大政翼賛マスコミが推奨する選択肢や大多数のブロガーの皆様の選択肢より、偏屈メタボには、この説のほうが当たっているように思われる。

鹿児島県知事の結果を見れば、大政翼賛マスコミが推奨する選択肢や、大多数のブロガーの皆様の不思議な選択、つまり投票で世の中は動くのだから、福島災害のような悲劇も、まさに人災でしかないTPP加盟による苦難も、防ぐことはできず、蟻地獄の中へずるずると落ち込み続けることになるだろう。

人はどうして、自分の首を絞める人、足を引っ張る人に、嬉々として投票するのだろうというのが高校生時代からの疑問だ。

いじめと脅しのおかげで、自分を困らせる人に投票しているのだろうか?

昨日の女性タレントの尖閣論議の国会中継、電気が無駄なので早々スイッチを切った。同じ情熱を、沖縄・本土の基地返還に、TPP加盟反対に向けてくれるなら、一票をささげるのにやぶさかではない。しかし犬は飼い主を咬むまい。

ニュースは五歳幼児死亡の話題ばかり。美男・美女がプロパガンダ・ニュースを読むたびに、北朝鮮テレビのおば様を思い出す。年齢と言葉と年収が違うだけで同じ内容のお仕事。

どうやら五歳幼児の親は悪いのだろうが、途方もない人数の日本人ほぼ全員が、これから大人になる子供たちや、これから生まれる人々は、選挙権がないがために、とんでもない目に合わされる。

五歳幼児の親やオウムどころではない独裁政権、政党、労組のショック・ドクトリン暴走を追求してくれるなら、受信料どころか、貧者の一灯喜んで寄付もする。

近づくお盆に、ふと考えた。

現在存在していない為に投票できない未来世代の日本人、はたして先祖の我々を許してくれるだろうか

うるさく飛び回る軍用機が時々墜落する、強化された知的財産権のおかげで、ネット生活も不自由な汚染不沈空母住民として生まれ、ごく運良く定職についても、40歳になると放り出され、あるいは宗主国の戦争に派兵され、いつまでも無限に搾取され、消費税ばかりとられるのに、病気になっても病院に行けない社会になった原因は、日本文化の慣習に根ざすものの中にある。つまり、反射的な従順さ。権威を疑問視したがらないこと。‘計画を守り通そう’ことする姿勢。集団主義。そして島国根性”にあるといって先祖を許してくれるだろうか?

2012/7/13追記:以下記事があることをコメントでご教示いただいたので、本文中でご紹介させていただく。

英語版と日本語版の内容が違う 国会事故調報告

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コメント

こんばんは、
先の国会事故調の報告書全文入手できていませんが
「人災」を強調する黒川委員長でしたが、
福島事故よりずーと疑問に思っていたことは
東電の情報しか報道されない
なぜ刑事責任が問われないのかです。

国会で東電の刑事責任を問うように質問してくれ~と
言っているのですが(ある議員に)
人災だと言っても
誰も責任を追求されないのでしょう。

その先にあるのは
弱肉強食の社会。

権力者は罪を免れるですか。

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いまや、すっかり、東京名物である。 花金、仕事帰り、ちょいと官邸前まで再稼働反対デモに。 いつものように、サービス残業を返上し、おっとり刀で 地下鉄丸ノ内線で「国会議事堂前」駅まで駆けつければ。 改札口から通路まで、ものものしい警察官の警備。 3番出口は封鎖され、4番出口へとの指導。 食ってかかる人もなく、僕もまたおとなしく、従いました。 ここが、すごい。んなとこで、食ってかかっても、しようがねえもん。 みんな、かどうかは知らない、心得てる。こ度の戦さは、我慢くらべだ。 ... [続きを読む]

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