主権国家を解体し、グローバル・システム管理者で置き換える
Tony Cartalucci
Land Destroyer Report - 2012-02-18
(注:リンクは原文通り、英語原文のもの)
第1部: 帝国主義は健在だ
2012年2月18日
大英帝国にはその覇権的意思を全世界に展開した艦隊が有っただけではなく、グローバルな経済力を統合する金融ネットワークと、遥かな国々からロンドンへ、そしてイギリスの富裕なエリートのポケットへと、天然資源の果てしのない効率的な流れを確保するシステム管理者達も有ったのだ。それは何世紀もの経験によって洗練された、しっかり油をさされた装置だった。
全ての学童が大英帝国について学ぶのだが、学校で習った歴史教科書で明確に書かれた章の通り、現実はきっちりと整理されているのだと成人が信じ込んでいるのは、ありふれた現代の政治的悪弊のようだ。これが人類の歴史で帝国主義時代は既に終わったことであるかのような、ありがちな誤解を生み出している。不幸なことに、これは真実からはほど遠い。帝国主義は絶滅していない。進化したに過ぎない。
帝国主義は健在だ。
帝国主義がいかに健在か、そして最新の呼び方で巧妙に偽装されているに過ぎないことを明らかにする幾つかの適切な例がある。今日我々が"自由貿易"として知っているものは、実際には、イギリスがたびたびその"砲艦外交"戦略の下、他の国々から脅し取ったもの、つまり外国の首都の沖に砲艦を停泊させ、もし特定の要求に応じなければ、砲撃と軍事征服するぞと脅した経済的特権に由来する。
1850年頃の植民地東南アジア。タイ/シャムは決して植民地化はされなかったが、様々な譲歩をした。
1800年代中期、タイ、当時シャム王国はあらゆる側面を植民地化された国々に包囲され、やがて1855年のボウリング条約でイギリスに 譲歩させられた。こうした"砲艦外交"で押しつけた譲歩のどれだけ多くが現代の"経済自由化"とそっくりかご覧あれ。
1. シャムはイギリス国民に治外法権を認めた。
2. イギリスはあらゆる港で自由に貿易ができ、バンコックに永住することができた。
3. イギリスはバンコックの土地を購入し、賃貸することが出来る。
4. イギリス国民は領事が発効する通行証を持って国内を自由に旅行できた。
5. 輸入・輸出税の上限は免税のアヘンと金銀地金を除き3%。
6. イギリス商人は個別のシャム人と直接売買することを許される。
更に現代的な例は、あからさまなイラクの軍事征服と、ポール・ブレマーの(CSR )この破壊された国の経済改革だ。"皆でガレージセールに行こう:もしも全てがうまく行けば、イラクは資本家の理想になるだろう。"と題する記事の中で、新植民地主義イラクの"経済自由化"をエコノミスト誌が列挙している 。
1. イラク資産の100%所有。
2. 利益の全額送還。
3. 現地企業と同等の法的地位。
4. 外国銀行が営業したり現地銀行の株主になったりすることを許される。
5. 所得税と法人税の上限を15%にする。
6. 関税が5%に低減される。
名称はともあれ、帝国主義者の"欲しいものリスト"に関する限り、1855年以来全く何も変わっていない。アメリカの経済誌エコノミストは、あらゆる18-19世紀の帝国主義者がそうしただろうように、イラク国家主権の空洞化と、彼らの資源の外国による管理(窃盗)を正当化し、遅れを取り戻すためには、イラクには外国の専門知識が必要だと主張した。シャムとは違い、イラクは現代のウオール街とロンドンの"砲艦"に譲歩するのを拒否し、イギリスが帝国"絶頂期"に良くやっていたのと同様、連中は脅したことを実行したのだ。
画像 : ズールー戦争。開戦事由 - ダイアモンドと帝国の拡張。
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そして、イギリスが1800年代末期に、ズールーランドの地下でダイアモンドを発見した際、急きょズールー王国破壊を正当化するための開戦事由をでっちあげたと同様、現代グローバル帝国主義の計画者連中も略奪を開始する前に 、イラク侵略の為の怪しげな口実をでっちあげた。
画像 : ズールー戦争。任務完了。ウランディの街は焼け、イギリスは、ズールーランドの、従順で素直な代理人が率いる14支配地域への分割に取りかかった。イギリスは、決して彼等が再度団結して、地域全体におけるイギリス覇権という野望に挑戦などせぬように、14の支配地域間でライバル意識を養成するよう十分配慮した。
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ズールー戦争の終わりに、イギリスはズールーランドを強奪し、大英帝国の命令に従う代理人が率いる14の個別の支配地域に分割した。イギリスはこれら14の支配地域が、お互いに敵意を抱くよう手段を講じ、統一したズールーの脅威によって、イギリス権益が決して再び脅かされことのないようにするため、彼らの間でささいな内紛を助長した。今日、一見、軍事介入の"偶然の"結果のように見えるものが、悪質で長引く戦闘に、場合によっては内戦に至るのを、イラクで、現在はリビア(やはり同様に、文字通り代理人が首相としてしつらえられた )や、ズールーランド式に国を文字通り切り分ける計画があるパキスタン とシリアで目にしている。こうしたことは偶然でなく意図的なものだ。分割して統治というのは、ウオール街とロンドンの関心と注目を引く、典型的な軍事戦略なのだ。
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ビデオ : 1961年1月17日、軍産複合体を我々に警告したドワイト・D・アイゼンハワー退任演説。
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ビデオ : イラク売ります。ドワイト・アイゼンハワー大統領がアメリカ人に警告した軍産複合体を想起されたい。イラク戦争の究極的な結論は、そもそも決して戦うべきものではなかったということだ。
人々が、歴史に学び、現在の目にしている出来事が、帝国が何世紀にもわたって行ってきたことを、名前だけ変えて繰り返しているのに過ぎないことを見破れば、国民全体として、グローバル規模で行っているものごと、実際は搾取的で残忍な犯罪のやり放題が、 単なる正当化された介入として、我々に売り込まれていることに、あまり賛成しなくなるだろう。イラクがいかに強奪されたか、兵士もイラク人も同様に、心、体、血、不毛な運命や命という犠牲を払っている一方で、フォーチュン500企業が獲得した利益を見さえすれば分かる。
第II部: 大英帝国政権 (NGOの先祖)
イギリスの帝国主義政権を理解する上で、極めて有用な書物は"植民地ジョージア: 18世紀イギリス帝国主義政策の研究 "だ。ジョージア大学出版局刊、トレヴァー・リース著の本書は、"事実上、ジョージアを、ケース・スタディーとして用いて、イギリス植民地政策"のあらゆる側面を見事に描き出している。
現在はアメリカ南部の州となっているジョージア植民地は、本質的にNGOの祖先にあたるもの、この場合、"監獄改革"の為に設けられた組織によって築かれた。それが実際に行ったことは、イギリス国王の必要性を果たす為に、ジョージアに送ることが可能な相応しいロンドンにいる囚人を決定することだった。"ブレイ博士の仲間達"として始まり、後に"アメリカ・ジョージア植民信託団"、あるいは単にジョージア信託団となったが、これはエリートの利益の為に人々の悲劇を食い物にすべく、高貴な意図のネットワーク利用をカプセル化して完璧に取り込んでいた。
画像 : ジョージア信託団紋章の一つ。そこにはラテン語のモットー"ノン・シビ・セド・アリイス" があるが、つまり"自分の為でなく、人の為に"という意味だ。まさにNGOの祖先、"システム管理者"だ。イギリスの新植民地ジョージアが帝国を富ませるため、ロンドンに輸出しようとしていた桑の葉、蚕や、繭、絹の重要性。まさしく"人の為に" 。
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ロンドンの囚人達はジョージアに送られた方が幸せだったろうと、多くの人々は主張されるかも知れないが、基本的な事は、そのような搾取が、ジョージアでの豊かな新生活なり、新世界におけるイギリスの拡張を守って死ぬことなりに、なろうとなるまいと、他の人々の便益の為に、ある人々の運命を決定するということにある。奴隷制度についても、同じ費用便益分析は可能だが、奴隷制の本質的な不道徳さをものともしない計算なのだ。
イギリスにとって、プロテスタントは現代NGOの先駆者でもあった。宗教の宗派は、18世紀ヨーロッパの政治路線にそのまま沿って分けられており、何隻ものプロテスタント教徒がジョージアに送り込まれた時に、彼等が代表する政治ネットワークもそれに続いた。またしても、高貴な意図は、過去にも、そして今日に至るまでも、こうした政治的職務に専念する多くの人々の先頭にあり、その名のもと多くの善行もなされたとは言え、各帝国教会の究極的な狙いは、自分達は高貴で崇高な意図を遂行しているのだと信じながら、実際にはそれぞれの帝国のエリートに仕えているに過ぎない人々の、ボトム・アップ・ネットワークを確立することだった。不幸にして、これらの人々の多くの高貴な意図と偉大な業績にもかかわらず、国家の為に働く時がやって来ると、決して高貴な大義ではないことに人々を集結させるため、こうしたネットワークを利用した組織的洗脳が使われた。まさに現代のNGOと同様、プロテスタント組織は、地域の主要な管理者と直接やり取りし、支援した。ジョージアの場合はジョージア信託団だ。
リースは著書の21ページで、"ジョージア・プロジェクトを是認する際、イギリス政府は、信託団が鼓舞動されていたような慈悲深い意図で動機付けられていたわけではない。省庁は破産して失業した債務者達の窮状には、ほとんど関心はなく、帝国の防衛を懸念していた。"とまでで書いている。"信託団" がそうであったのと同様に今日もNGOは本当に"鼓舞された"献身的な人々なのだが、究極的には彼等もほぼ必ず、ジョージ・ソロス、OCED、米国務省の全米民主主義基金や、他のグローバル大企業やら、つまりファシスト帝国主義の御用商人にたどり着く出資者連中のために仕えているのだ。
植民地を満たし、管理するために利用された煽動は利他的だったが、ジョージアにおける大英帝国の権益は経済的なものだった。帝国主義に特徴的なもう一つの性格は、臣民を従属状態に留めることだ。リースは27ページで言っている。"これらの[私有や勅許地区]危険性は、独立権力を建設する為に彼等が与えた適用範囲にあり、これは植民地化の原則と矛盾していた。"
これは重商主義という文脈の中で - 本質的に植民地から原材料を輸出し、それをヨーロッパで精製し、更にそれを製品として植民地に再輸入することは、当時でさえ、植民地で"民主主義"の多くの特徴を見いだすことができたという事実にかかわらず、政治的にも経済的にも卑屈なほどの依存を意味した。現代の"自由貿易" 協定という概念は、国家はもちろん、いかなる州や地方でさえ、経済的に完全に独立することを可能にする技術が存在している事実にもかかわらず、資源、製造、精製と、消費の、地球的規模での均一な相互依存を保証する。
画像 : 善意、宗教上の大義と、王室への忠誠にもかかわらず、こうした念入りに作り上げられた全ての善意の究極的な目的は、イギリス植民地からロンドンへの富の絶えざる流れを管理する"商務省"だった。
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今日のNGO同様、大英帝国を構成していた管理ネットワークは、現地の寄付が決して十分ではなかった為、多くの場合、ロンドンからの助成金に完全に依存していた。リースは39ページで、"常に資金を必要としているため、植民信託団は恒久的に議会に依存しており、議会の支援無しには、イギリスの植民地は維持しえなかった。"と書いている。大英帝国は、そのネットワークが、目的をまっとうするには十分であるが、独立するには決して十分ではない資源だけを確実に受け取るよう慎重な綱渡りを続けていた。財務政策は帝国の基準に適合し、現地政策は現地の管理者によって設定されるが、それはロンドンの商務省と連動していた。現代において、現地NGOが国際組織によって規定された規則と規範に従い、国際組織と連動しているのと全く同様だ。
エピローグで、リースはヴィンセント・ハーロウを引用している。ハーロウは、大英帝国からのジョージアの最終的独立についてこう語っている。"実に人間の知性は、古くからの考え方と 長い伝統のある特質による大きな影響の下で、新しい思想を思いつき、新たなプロジェクトを計画するものだ。"
第III部: 21世紀の帝国主義再考
ここまで、帝国主義がいかに大いに健在であるかという幾つかの例を検討した。イギリスによって、どのように帝国主義が実行されたかも検討したが、現在、具体的には一体どのように導入されているのだろう? また、なぜ人々は進んで従うのだろう?
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ビデオ : トマス・バーネットは、アメリカのグローバル軍が "戦闘空間"を征服する一方で、"平和な空間"に進出する為の"システム管理者"(別名、市民社会)軍団の設置を語っている。ソロスのレベニュー・ウォッチは、全米民主主義基金と共に、まさにそうしたNGOの軍団を生み出した。そして兵士達が自分達は"自由"の為に戦っているのだと信じて気の狂ったように帝国主義を推進するのと同様、これらNGOは自分たちは"人権"を推進しているのだと信じて、ウオール街とロンドンのグローバル覇権を拡大するのだ。
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"システム管理者" という用語は、"ペンタゴンの戦争と平和新地図 "という題名の2008年のTED会議で、おしゃべりをしている聴衆を前に、アメリカの軍事戦略家トマス・バーネットが使ったものだ。演説の18分あたりで 、軍隊を二つの別個の部隊、"アメリカが使えるリバイアサン軍"と"、システム管理者"に改編するという概念説明を始めている。
一方は、標的にした国の既存ネットワークを、空爆、特殊作戦、あるいは侵略によって、破壊するものであり、装甲車両、戦闘機や爆撃機等を含む軍の資産で構成されている。もう一つは、その後、"リバイアサン部隊"が残した廃虚、あるいは、外国が支援する不安定化によってひき起こされた混乱状態の上に構築をするシステム管理者で構成されている。システム管理者は、NGO、国際組織や、傭兵から、民事部隊将校(心理戦)、そして必要であれば兵隊と海兵隊員に至るまで、あらゆるもので構成される。
バーネットは、もしも誰かが、西欧の "システム管理者" ネットワーク建設を邪魔しようとすれば、"海兵隊員がやってきてお前たちを殺す"と警告している。これは、おそらくイギリス守備隊が植民地の不満分子鎮圧でしたのと同様だろう。
画像 : ボストン虐殺事件。"システム管理者"に抵抗する人々は気をつけよ。連中を止めようとすれば、"海兵隊員がやって来て、お前たちを殺す。"
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講演は2008年に行われたものだが、既に、まさにそうした部隊を拡張し利用する為のしっかりした措置がとられているのを我々は目にしている。バーネットは特殊作戦のことを"引き金を引く連中"と呼び、規制は"出来るだけ緩くしたい"と語っていた。つい最近、コルベット・レポート と、メディア・モナーキーが、軍の"エリート"部隊向けに提案されている任務の拡大を報じた 。特殊作戦軍のウイリアム・マクレイヴン大将は"インテリジェンス情報とグローバルな出来事が、彼らが最も必要とされていることを示している"場所"に、彼の部隊と彼等の武器を配置する一層の自治を求めていると言われている。
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ビデオ : 特殊作戦軍は、"インテリジェンス情報とグローバルな出来事が、彼らが最も必要とされていることを示している"場所に配備す際に、一層の"自治"を求めている。この"規制緩和"は新帝国主義的征服の諸刃の剣、グローバル軍隊とシステム管理者構築の一環だった。
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更に、アラブの春が勃発する前の2008年から2011年までの間、米国務省とそのグローバルな世話役達のネットワークは、文字通り、政権打倒を開始し、バーネットがTEDで述べた、極めて世界的な政権のネットワークを建設するためのNGOと反政府集団の軍隊をたちあげるキャンペーンに乗り出した。つい最近、"大企業が資金援助するソロス・ビッグ-ビジネス・アカンウタビリティー・プロジェクト "という記事で、標的とされた国々の資源管理に焦点を当てたシステム管理者をたちあげるために、同様なNGO軍団が動員されていると報道された。それは「レベニュー・ウォッチ」と呼ばれており、主にアフリカと東南アジアを対象としており、アフリカにおけるアメリカ・アフリカ軍AFRICOM による攻勢とアジアにおけるアメリカの "太平洋の世紀"宣言 を補完する"システム管理"手法だ。
バーネットの提案は、アメリカが資金を提供したアラブの春 で見られたように、標的とするネットワークを破壊する為、必ずしも"アメリカが使えるリバイアサン部隊" を必要としないことは極めて明白だ。バーネットが"引き金を引く"で述べている、特殊作戦等のリバイアサン部隊や民事部隊やNGOや、システム管理者側からの民間業者といった工作手段を活用して、公然の軍事介入にまでは至らない武装反乱を含めたレベルまで騒乱を醸成するのだ。
例えばリビアでは、2011年2月に、NGOと民事顧問団が騒動を始め、カダフィ政権を打倒する為に戦士を武装するべく兵器が密かに持ち込まれた。NATOが全面的空爆の準備を始める中、ICC等の国際組織は、NGOから提供される情報を活用して、対リビア政府世論を悪化させた。ひとたび爆撃が始まってしまえば、あとは単にNATOの容赦ない空爆で残された空白状態を埋める為の特殊作戦部隊や武器や他の世話役達の奔流を、徐々に増やすだけの問題でしかなかった。かくしてリバイアサン部隊とシステム管理者部隊は協力して働き、一方は旧来の方法で道を切り開き、もう一方は、長期にわたる米国居住者で、石油研究所理事長のブドゥルラヒム・アル・キーブを首相 として据えるのを手助けするべく新たなネットワークを構築する。
例えばタイのように、こうした軍事オプションが選択肢とはならず、その正当化が不可能ではないにせよ困難な国家においては、標的にした主権のネットワークが破壊できた場合、あつらえ向きの代理人になりそうなシステム管理者と、適切な反体制運動の後押しに、ウオール街とロンドンのあらゆる支援が向けられた。
タイの場合、その代理人は、元カーライル・グループ顧問 で、カーライルの一員ジェームズ・ベーカー と彼の事務所ベーカー・ボッツ 、ブッシュのイラクへの個人的特使であるバーボー・グリフィス & ロジャーズ のロバート・ブラックウィル 、そしてPNAC署名者であるエーデルマン のケネス・エーデルマン 等によるロビーイングを含め、豊富なアメリカ支援の受取人である、タクシン・シナワトラだ。2001年から彼を追い出した2006年のクーデターまでの首相在任中、彼は前夜も文字通りニューヨークの外交問題評議会 に報告し、アメリカのイラク侵略へのタイ軍参加を約束し 、CIAが忌まわしい引渡しプログラムにタイを利用するのを認めていた のだ。
西欧軍ではそういう主張できないため、彼は現在バーネット占領軍の代役である"カラー革命"軍団を率いている。これには2010年の未遂に終わった反乱の際の、確認されている武装民兵利用 も含まれている。彼等は"赤シャツ"、あるいは反独裁民主戦線(UDD)として喧伝されており、2011年4月ワシントンD.C.訪問時、ソロスのオープン・ソサエティーの資金援助を得ているヒューマン・ライツ・ウォッチ、国際問題民主研究所(NDI)、全米民主主義基金 (NED)、および米国ASEANビジネス協議会(U.S.ASEAN Business Council)と会見した 。
画像 : 多くの人々が、自発的な、土着の、独立したものだと信じているNGOや反体制運動は実際は、グローバル・システム政権を押しつけ、維持することが唯一の目的のより大きなネットワークの一部でしかないことは明らかだ。これは、手の込んだ曖昧な団体が絡み合ったものというわけではない。いずれの場合、彼等の為に政策を立案し、全てウオール街とロンドンのフォーチュン500社によって資金援助を受け、そうした企業の人物が議長を務める西欧の財団やシンクタンクへと 至る直接の資金援助経路がある。(画像をクリックすると拡大)
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主権を持ったタイ土着のネットワークを弱体化させ、打倒する取り組みを支援するために仕立てられている学究的世界もあり、その最たるものが"ニティラート" つまり "啓蒙された弁護士達"で、その支持者はタクシンの赤シャツ部隊のほぼ全員であり、最前列には、タクシンのアメリカ登録ロビイスト、ロバート・アムステルダム さえ含まれている。
更には、プラチャタイのようなプロパガンダ組織NGOがあり、これは全米民主主義基金、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティーやUSAIDを経由して、米国務省から年間何十万ドルも受け取っている。NEDは 人権キャンペーン委員会、クロス・カルチュラル財団(CrCF)や、環境のための法的正義プロジェクトにも資金を提供している。こうした団体は共通の外国スポンサーを分け合うだけでなく、お互い仲間同士で投稿しあい、それぞれお互いの為に請願書に署名し、同一の計略をお互いに永続させようとしている。こうした組織の綱領は"自由"、"民主主義"と "人権"の推進を謳っているものの、彼らが連動している出資者や"国際"組織の背景と、彼等が推進していると称する大義、彼等が実際に遂行している仕事の折合いを、彼等が一体どうやってつけているのか不思議に思わざるを得ない。
画像 : あきらかに 、 NGOプラチャタイには 、 いつものように、職を与え、支援し、タイの"独立ジャーナリスト"に賞を与える、全米民主主義基金やフリーダム・ハウスからの資金援助という"ひもが付いている" 。タイ用としてえり抜かれた帝国の代理人、タクシン・シナワトラ支援 に、こうした同じ権益がいかに関与しているのかも明白だ。(画像をクリックすると拡大)
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全米民主主義基金や、その下部組織フリーダム・ハウス は、現職や、元の議員、米国務省、大企業ロビー、エクソン、ボーイング、フォードや、ゴールドマン・サックス等を含む一部の世界最大企業の重役が、政府、ビッグ・ビジネスやNGOの役職に年中出たり入ったりする、回転ドアに非常によく似た理事会を特徴にしている。彼等は、イギリスがそうであった様に、彼等が資金援助しているプラチャタイのようなNGOの大義に鼓舞された善意の人々が引き込まれるように"決してそうした慈悲深い意図に動機付けられているわけではない" 。
連中の願いは、最終的に、タイ自身の土着ネットワークの力と影響力を縮小させ、ウオール街とロンドンのシステム管理者の能力を、次第に強化することだ。ジョージアの場合と全く同様、無知と善意がこれらネットワークの兵卒を増やすのに利用され、ジョージアにおいてと同様、現地の寄付は、ほとんどまず十分ではない為、彼等はウオール街とロンドンが提供する不断の大規模支援に意図的に依存させられ続ける。そして、こうした人々の多くは、自分達は"崇高な大義" に身を投じていると信じているのかも知れないが、彼等は何世紀もの試行錯誤によって完成された帝国体制内のただの別種の兵卒にすぎない。
現地の活動家達は心から善意なのかも知れないが、自分達の建前のミッションと海外から自分たちに資金を援助している連中の偽善的な意図との間の矛盾を自覚している人々も必ず存在している。軍隊同様、このNGOのシステムは、一般大衆の無知、つまり高貴な大義だと自分たちが信じることのために貢献したいという善意から引き込まれる人々や、彼らの本当の狙いが一体何かを全く知らないまま、これらのネットワークが世界中に蔓延してゆくのを見過ごしている世界中の人々につけこんで、永続しているのだ。
トレバー・リースは、18世紀帝国主義の状態について、現在も依然として良くあてはまる、もう一つの適切な所見を示している。
"18世紀、イギリスの政治生活上、植民地問題は副次的問題だった。「イギリス国民は放心状態のうちに帝国を建設したのだ」というジョン・シーリー卿の金言は、帝国の拡大が国民の注目を引くことは稀であるという意味で真実だ。イギリスには常に、反帝国主義感情を表明し、帝国植民地が、究極的に、本国の支配から、離脱してしまうのを恐れる少数の批判者がいたとはいえ、そういう人々はほんの一握りに過ぎない。通常、人々が植民地について考える場合が頻繁にあるわけではないが、人々は植民地をそこそこ認め、ほとんどそれについては何も知らないにもかかわらず、帝国の利点を信じていたのだ。"
現在も同様に、ウオール街とロンドンが海外で行っていることについては、多くの人々が良く分からないままにある。軍事介入はマスコミに大きく取り上げられ、大半の人々にとっては、短期間ながら、紛らわしい一時的な目くらましになる。大半の人々はNGOという概念についてはほんの僅かしか知っておらず、まして、こっそり忍び寄る戦争機構と協力して活動し、その間チュニジアからタイに至るまで、ありとあらゆる場所で前進しているかなど全く知ってはいないのだ。
現代のマスコミは、NGOとは何かという我々の認識を形成すべく、USAIDの米袋をしっかり握って微笑するアフリカ人や、繁栄する野生生物や、発芽して露に覆われた苗木等を描き出してくれるが、実際は、NGOとは、旧世界を解体し、新しいもので置き換える為に作られた集中制御装置なのだ。それは、そこに暮らす人々に対しては、最も表面的なレベル以外のことには答えず、これまで常にそうして来たように、競争相手を残酷に、ひどく獰猛に自らの胃袋へと注ぎ込み、テーブル上に残された場所へと喜んで進出して、庶民を支配する人々、金持ちのエリートに対して答える組織だ。
第IV部: 帝国の弱点は独立だ
帝国には臣民が必要だ。臣民なしには、帝国は存在しない。艦隊はなく、海兵隊はなく、帝国の管理者もいない。集めるべき労働者も、精製するために送り返す天然資源も、それを工場で精製し、送り返す人々も皆無で、これらの製品が到来した際に、それを購入する人々も皆無だ。
帝国には無知で容易に操れる臣民が必要であり、自らの必要な機能を帝国内で確実に遂行するよう動機付けできような形で、臣民は洗脳しやすい状態でいるのが望ましい。彼らは帝国を信じる臣民が必要で、最も重要なのは、どうしようもないほど帝国に依存する臣民を彼等は必要としているということだ。だから、国々が自由を求めて、イギリスからの自らの"独立"を宣言したのは偶然ではない。
画像 : イギリス体制をボイコットすることで、建国の始祖は、独立宣言に署名する頃には既に自由な独立人だった。それから起きた戦争は、その自由を守るためのものだった。
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アメリカ革命の偉大な戦いが起き、それに勝利する前に、建国の始祖達は、独立宣言を書物によるのみならず、行動によって、自ら引き受けた。我らが建国の始祖は、イギリス商品輸入を止め、自前の通貨制度を生み出し、自前の民兵を招集したが、最も重要なことは、彼等はジョージ国王の利益でなく、自分たちの価値観に基づく自前の政府を作ったことだ。
独立は自由であり、独裁からの自由は勝利なので、この本当に重要な独立が、彼等の成功の鍵となった。彼等が戦った戦闘は、自らを解放するためのものではなく、彼等が既に実現していた自由をイギリス体制から擁護する為の戦いだった。
記事"社名を列挙する: 政府の実態 "に、最も良く知られている、おなじみの企業投資家や、連中がその政策を創り出し、推進し、公開し、実施するために起用しているシンク・タンクのリストがある。記事は下記の文言で終わっている。
"これらの組織は地球上最大の企業連中の集団的権益を代表している。連中は、自分達の計画を明確に述べ、内部で合意形成をするための政策通や研究者の軍団を抱えているのみならず、マスコミ、業界、[NGOの世界ネットワーク]における彼らの膨大な量の不当な影響力を行使し、虫のいい合意を国際的に創り出す為の資金援助をしている。
この大企業-資本家オリガーキー達が、彼らの計略や運命を大衆の気まぐれな投票の支配下におくだろうとなどと信じるのは、よく言っても、考えが甘い。連中は苦心して、どの国で、誰が大統領になろうと、銃、石油、富と権力が連中の手中に必ず永久に流れ込み続けるよう仕組んでいるのだ。"
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ビデオ : 投票という選択肢はない。1993年、ノーム・チョムスキーはNEDについてこう語った。"これが超党派の民主主義キャンペーンに期待できるものです。民主主義と称されるもの、つまりは大衆の干渉無しに、公式な選挙手続きという枠組みの中で、金と権力のある人々による支配を押しつけようとするたくらみです。"
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ノーム・チョムスキーが1993年に行った講演でこれは確認されている。彼は全米民主主義基金の事業についてこう語っていた。"大衆の干渉無しに、公式の選挙手続きという枠組みの中で、民主主義と呼ばれているもの、つまり金と権力のある人々による支配を押しつけようとする企みです。" 実に明らかに、それはオープン・ソサエティーや世界中に構築されつつあるシステム管理者の膨大なネットワークと共に、NATOと無分別な協力をして、破壊の跡地に建設をし、大企業-資本家が運営するグローバル帝国の一様な仕組みを残して行くのです。
もし世界が本当に、大企業-資本家の権益によって動かされていて、投票は単に無意味なだけでなく、人々にいつわりの安心感を与えるものであるなら、現代の帝国からの独立を宣言する為、我々に何ができるだろう?
日々、世界中で何十億もの人々が、愚かにもこの帝国に金を払い込み、連中の製品を購入し、TV、ラジオや劇場等、連中が提供する娯楽に目を向け、"ジョージア植民信託団" のような制度、組織や大義に参加しているのは、監獄改革の為に働きだしているのと同じで、帝国に、搾取可能な繁栄するもう一つの植民地を手渡す結果にしかならない。大規模選挙運動、選挙、集会や、抗議デモは、このシステムを解体するに当たって必ずしも必要ではないし、あるいは、実行可能な選択肢でさえない。 これら大企業をボイコットし、TVプラグを引き抜き、ラジオを消し、劇場を空にし、国内、国際のそれぞれのレベルで大企業が支援する団体や組織の正統性を認めなくするという我々の日々の決断が大切だ。
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ビデオ : ファブラボ。生産技術、オープン・ソース協力と、イノベーションによって消費者は生産者に変えられる。ファブラボは、不誠実な議員達によって解決されるのを待つのでなく、一緒に働いて、自らの問題を解決する共同体への道をも開いている。
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そうでなく、地元でできる解決策を探し出し、自給自足、自立を目指し、現在、我々が大企業に依存しているものを、明日は自分でできるよう、技術を活用しよう。今日から始めることができる。自分のサイフで地産品に"投票しよう"。ハリウッドではなく、本当に独立したメディアを、読み、見て、聞くことに"投票"しよう。もっと良いのは、コンテンツを我々自身で創り出すことだ。ニュースにも同じことが言えるだろう。紐付きのドキュメンタリーや、歪曲された報道や、視聴者に対する真っ赤な嘘がある連続詐欺番組に呑み込まれている、BBCに出演するプロの嘘つき連中に調子をあわせるのは止めよう。既に、より多く、より良く、すべてを自分達で作る利点を証明している元気な代替メディアが存在している。
"本当の革命 "の結論にある様に、
"連中は我々を必要としているが、我々は連中を必要としていない。これが大きな秘密だ。食料、水、安全、通貨制度、権力と、生産に対する我々の責務を取り戻せば、すぐに自由を取り戻せる。それが独立だ。独立は自由であり、自由は独立だ。我々の生存をフォーチュン500社に依存している限り、我々は自由になれない。
海外で展開しつつあるこうした問題の解決は、まずは身近な場所における問題の解決から始まる。グローバル主義者をボイコットしよう。連中の支援をやめよう。連中の制度を弱体化させよう。そうすれば連中はこうした残虐行為を犯す力を失う。それこそが本当の革命であり、今日から始めることが可能だ。都市を燃やしたり、覆面をした反逆者が旗を振り回したりするのでなく、我々全員が終わらせるしかないことが分かっている腐敗した体制に我々の共同体が依存したり、体制を勢いづけたりするのを止めるべきなのだ。"
記事原文のurl: landdestroyer.blogspot.jp/2012/02/empires-double-edged-sword-global.html
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トマス・バーネット講演の元とおぼしき同じ原題の本、翻訳はあるが絶版のようだ。邦題は原題とは違うが、むしろ的確な?『戦争はなぜ必要か』。 宗主国の支配者のお考えを勉強するのに良い本に思えるが、搾取されるか、抹殺されるかしかない属国の中高年にとって、全く楽しくはない本だ。 翻訳では「システム管理者」でなく、「システム・アドミニストレーター」。 「第六章 地球規模取引戦略」をざっと見て、TPPも支配戦略の一環と勝手に納得。 解説を書いておられる先生も、システム・アドミニストレーターのお一人に思えてくる?
宗主国から大いにおほめいただいた傀儡首相の凱旋帰国後、属国の従属度はますます進化している。
アヒルがガーガーいっている「ガン保険」、宗主国が7割のシェアだという。TPPで、邪魔だと指摘されているので、郵便会社、「ガン保険」には手をだしません。といって、TPP参加を側面援助している。宗主国が牛耳る、ガン保険市場、自由競争どころではないのだ。TPPで、あらゆる部門で同じことが起きるだろう。
一見、国のような形のもの、もはや国などではなく、完全植民地へと最終メルトダウン中。国歌は属国をたたえる歌。国旗は属国をたたえる旗。
家人が楽しみしている連続ドラマは、我慢して付きあっているが、ニュース番組は極力見ないようにしている。もちろん民放のニュース番組も。なんども書いているが、重要度の高い問題、まず主題にしない。しても、本質は説明しない植民地放送ばかり。放送は、拝聴を強いる。新聞なら、馬鹿らしい記事、読まずに済むが。新聞を読んで、頭を良くする?検定の宣伝が載っているが、逆だろう。
わざわざ購入した雑誌『世界』、有名評論家氏の恫喝文章を読んで、他のまともな皆様の文章を読む気力を失って、眠ってしまった。沖縄についての記事を読みたくて購入したのだったが。
宗主国の核の傘に守っていただいていながら、原発をやめたい、などという発想は許されない。というような趣旨だった。怒りのあまり?雑誌そのもの、読まないうちに行方不明。もったいないことをした。
この評論家の本、以前数冊読み、人さまにお勧めした恥ずかしい体験があることを告白しておく。いまにして思えば、氏の所属先・勤務先をみれば、彼が原発推進総本山の重要なメンバーであることは、あきらか。
ハリウッドの下請けではなく、本当に独立したメディアを、読み、見て、聞くことに"投票"しよう。もっと良いのは、コンテンツを我々自身で創り出すことだ。ニュースにも同じことが言えるだろう。紐付きのドキュメンタリーや、歪曲された報道や、視聴者に対する真っ赤な嘘がある連続詐欺番組に呑み込まれている、準国営放送に出演するプロの嘘つき連中に調子をあわせるのは止めよう。既に、より多く、より良く、すべてを自分達で作る利点を証明している元気な代替メディアが存在している。
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