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2012年4月23日 (月)

バーレーン: サウジ-カタールを隷属させるための鍵

バーレーンでネオコンが長年暖めてきた計画はサウジ-カタールを屈服させるためのレバレッジ・ポイント役を果たす

Tony Cartalucci

2012年4月11日

landdestroyer.blogspot.com

死刑の際、首の上方に置かれている斧のように、サウジアラビアとカタールの両専制世襲政権には、いつ誘発されても不思議でない、アメリカがあおる"アラブの春"の不安がのしかかっている。それを常に思い出させてくれるものは、サウジとカタールの権力の震央、バーレーンのスンナ派王家の不安定化だ。

画像: 島国バーレーンがカタールとサウジ本土の間に位置している事を示す東部サウジアラビア地図。サウジアラビアやカタール同様、専制的なスンナ派君主国バーレーンは、近隣諸国隣国を牽制し、他のアラブ世界をひっくり返す現在の"アラブの春"電撃作戦に同行させるための見せしめとして、西欧によって選び出されたのだ。(画像をクリックすると拡大)


バーレーンの抗議運動は、エジプト、リビア、シリア、ミャンマー、北朝鮮、タイや、その他のものと同様に、アメリカ国務省によって、訓練され、装備を与えられ、支援されている。バーレーン人権センター等の主要な反政府組織は、国際人権連盟(FIDH)のような、米国務省が資金援助しているフロント組織と直接提携している。知名度の高い自称抗議運動指導者アブドゥルハディ・アルハワジャは、フォード財団、フリーダム・ハウス、オープン・ソサエティー研究所が資金援助している"人権"擁護団体である"フロントライン・ディフェンダーズ"の地域コーディネーターだ。アルハワジャは獄中で"ハンガー・ストライキ"を実行している。

画像: 米国務省が資金援助しているネオコン系のフリーダム・ハウス、フォード財団、オーク財団や、シグリッド・ラウジング・トラスト等を含むフォーチュン500社の財団によって資金援助されているもう一つの陰険な"人権"擁護フロント組織フロントライン・ディフェンダーズのスクリーンショット。アブドゥルハディ・アルハワジャの右側の"自由の為のハンガー・ストライキ"バナーに注目。バーレーンの抗議運動は、チュニジア、エジプト、リビアや、シリアで見られたような西欧の不安定化工作と瓜二つだ。(画像をクリックすると拡大).

ツイッター・アイコンを滑稽にも"アルハワジャを救え"バナーに変更し、バーレーンにおける"民主主義推進"闘争に関し、最近も執拗にツイートしているフリーダム・ハウスを含めたフロントライン・ディフェンダーのスポンサーによる全面支援を、アルハワジャは受けている。上記の通り、フリーダム・ハウスは"人権"擁護団体などとはほど遠く、実際は露骨なまでに虫のいい大企業・資本家のグローバル覇権という目的のため、人権の大義を利用しているのだ。

ビデオ: 1993年、フリーダム・ハウスの上部組織、全米民主主義基金(NED)に関するノーム・チョムスキー発言: "それは、超党派民主主義キャンペーンから期待できる類の代物だ。つまり、いわゆる民主主義を、つまり大衆の干渉無しに、公式の選挙手順という枠組みの中で、金持ちと権力者による支配を押しつける企みだ。"

"NEDとフリーダム・ハウスは戦争挑発屋の帝国主義者達によって運営されている"で報じた通り、フリーダム・ハウスは、その上部組織、全米民主主義基金(NED)(バーレーン人権協会に直接資金援助している)と二人三脚で、考えられる限り最も露骨な戦争挑発屋と大企業・金融資本権益連中に運営されており、いわゆる"人権"と"民主主義推進"団体の枠内で、標的とする国家のあからさまな転覆のためにその立場を示威的に悪用してきた。

画像: 2012年4月11日時点のフリーダム・ハウスのツイッター・ページ・スクリーンショットを見ると、いつもはフリーダム・ハウス自身のロゴが置いてある場所に、"アルハワジャを救え"アイコンがある。悪名高いネオコンのフロント組織、フリーダム・ハウスは、ウィリアム・クリストルのネオコン・アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)の生まれ変わり、外交政策イニシアチブ(FPI)と協力して、最近は柄にもなくバーレーンに取り組んでいる。時を同じくして、サウジアラビアとカタールという隣接する二つの君主国への圧力は、最初は対リビアの、そして今度は対シリアの軍事作戦に対し、サウジとカタールによる支援を、ワシントンが要求しているのと同期しているように見える。

無視されることの多かったバーレーンでの抗議行動に対し最近急激に注目が高まる中、フリーダム・ハウスに加わったのが、あらゆる意味でアメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)最新の生まれ変わり「外交政策イニシアチブ(FPI)」だ。悪名高いネオコン連中、ウィリアム・クリストル、ロバート・ケーガン、ダン・セノア、エリック・エーデルマン、エレン・ボークやジェイミー・フライら、この組織の前に、まさにPNACがそうしていたように、彼等全員、ブルッキングス研究所やハーバードのベルファー・センターや外交問題評議会 (CFR)等、フォーチュン500社が資金援助しているシンク・タンクの内外で活動し、FPI会員として、主として戦争支持言説を量産している。彼等の最新の仕事は、NATOが率いるリビアの骨抜きと、アルカイダのリビア・イスラム戦闘(LIFG)へ引渡し推進への関与だ。連中は現在シリアでの再演を狙っている。

ビデオ: "未完の2月14日蜂起:バーレーンは今後どうなる?"アメリカが仕組んだ"アラブの春"におけるバーレーンの将来を巡って陰謀を企てるべく、米国務省が資金援助するPOMEDとFPIのネオコンおせっかい屋連中が合流したのだ。

2012年2月、FPIは全米民主主義基金が資金援助しているプロパガンダ・フロント組織の中東民主主義プロジェクト(POMED)と協力して、"未完の2月14日蜂起:バーレーンは今後どうなる?"という題名のイベントを開催した。発表者には、CFRのネオコン、エリオット・エイブラムスや、チュニジア、エジプトやシリアの不安定化において極めて重要な役割を果たしたインターナショナル・クライシス・グループ(ICG)のジュースト・ヒルターマンがいる。

画像: FPIの2012年4月11日、NEDが資金援助しているPOMEDと協力して、アメリカが支援するバーレン人反政府運動指導者アルハワジャの監獄からの釈放呼びかけに関するツイートのスクリーンショット。偶然にも、新たな対シリア行動に対するサウジとカタールの支援がまさに必要な時に、FPIは、NEDやフリーダム・ハウスと協力して、最近は柄になくバーレーンに関心を深めている。バーレーンは、この二つのスンナ派君主国家に対するワシントンのレバレッジ・ポイント(わずかな力で変化を起こさせるつぼ)なのだ。(画像をクリックすると拡大)

90分のFPI-POMEDイベントを聞いて感じるのは、バーレーンの紛争をできるだけ長く引き延ばし、究極的に隣国サウジアラビアを脅そうとしているということだ。またバーレーンは、リビア、シリアやエジプト同様に、街頭紛争に、治安部隊の徹底的な暴力行使で対応したにもかかわらず、バーレーンは、リビア、シリアや、エジプトがそうであったのと同様な"悲惨"で"緊迫した" 表現で語られてはいない。イベントでのパネル・メンバーは、バーレーンの運命はサウジの運命と直接繋がっており、バーレーンのハリーファ王家の存続は"実存的に"サウード家に結びついていると述べた。確かに、アル・ハリファ家を打倒するのに十分なほど激しくなったアメリカによる転覆工作は、今度は、何十年間にもわたる専制支配に由来する、不安定性という火薬だるの上に自ら腰掛けているサウド家への"実存的"脅威となるだろう。

サウジアラビアの安定は、アメリカ合州国によって作り上げられ、武器を買わされ、資金援助されている、サウジの巨大な安全保障機構に依存している。多くの場合、アメリカは、国内秩序の維持という点で、サウジ治安部隊と作戦上協力してきた。特にバーレーンがすっかり崩壊するにまかせた後、単純にサウジの足をすくうのは朝飯前だろう。そうなった場合、そのようなカードが出されるのを防ぐ見返りとして、サウジは一体何を支払うのだろう? フリーダム・ハウスとFPI内部のネオコン戦争挑発屋の一体どこから、バーレーンの人道的懸念に対する"感受性"が生じたのだろう? イラク、イラン、リビアや、シリアの場合には、むき出しの軍事侵略の為の粗野で不細工な口実だったことが極めて明らかだ。バーレーンの場合は、ずっと微妙だ。

写真: サウジ軍はバーレーンへ入り、アメリカが支援する反乱の鎮圧を支援することを"許された"。あらゆる西欧マスコミで、ごく僅かか全くふれられなかったのは、主として、サウジ・アラビアとカタールが既にリビヤでの西欧の野望を全面支持を約束していたからだ。....

チュニジアから始まり、リビアやエジプトを覆いつくし、今やシリアを混乱させている西欧の"アラブの春"電撃作戦に、サウジアラビアもカタールも膨大な資源を提供してきた。カタールは、リビアのテロリストが政権を権力から追い出す中、テロリスト連中に軍隊、飛行機、兵器と現金を提供し、カタール政府経営の報道機関になりすましたアル・ジャジーラで、"アラブの春"の間中、24時間/7日間のプロパガンダを提供した。効果的なことに、サウジ王家を標的にする"怒りの日"が計画されているというニュースとともに、アメリカが率いる対リビアNATO作戦に対する、サウジによる武器と支援の"要求"があらわれた。サウジアラビアとカタールが対カダフィ策の全面的支援を誓った後に、予定日は到来し、ごく僅かの影響しか及ぼさずに去った。

同様にシリアでも、両王国は兵器と現金と、武器を取りシリア政府と戦うシリア人テロリストの"給料"さえ提供していた。シリア対策の次のステップで、ワシントンが指図するリビア式エスカレーション用の"安全な避難所"と"人道回廊"を、NATO加盟国のトルコが設置するのを支援する段になると、西欧は予想通り、バーレーンに一層圧力を加え始めた。

画像: 当初から、バーレーンにおける反乱は、アラブ世界を襲ったアメリカ仕込みの"アラブの春"の印をまとっていた。CIAが資金援助している"オトポールの拳骨マーク"すら、バーレーンの抗議行動参加者達によって使われている.

だから、アメリカが仕組んだ"アラブの春"をサウジとカタールが支持したのは、利他主義や連帯感によるものではなく、最近の失敗を克服するため、対シリア策に大量の支持が必要な決定的時点に、少なくともサウジアラビアでは、西欧によって既に騒乱がひき起こされ、奨励されつつあり、またバーレーンでは、西欧によって一時的にあおられて、怒りがじわじわ高まるのを甘受するしかないという、自己存続への恐怖によるものであることはきわめて明らかだ。自国民にして来たのと同様に、ウオール街とロンドンに成り代わり、近隣諸国に対する裏切りをこれだけやりつくしてきたカタールやサウジアラビアに共感するのは困難だ。アラブの同胞達に対する甚だしい裏切りをする中、果たして彼等はシリアとイランが崩壊すれば、次ぎが自分たちの番であることを理解しているのだろうか?

ウオール街やロンドンのテーブルに、カタールとサウジアラビアの専制政権用の席はない。自らの改革と、身近な所への外国の干渉を手助けするのではなく、干渉を阻止することこそが両国の究極的な自己防衛となろう。

記事原文のurl:landdestroyer.blogspot.jp/2012/04/bahrain-key-to-saudi-qatari-servitude.html

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「F1ラリー」の話題には注目されても、バーレーン王室を思い浮かべられる方は少ないだろう。

「アメリカ第五艦隊の母港であり、飲酒が許されているイスラム国なので、ホテルのロビーには、へべれけに酔った伝統的衣装のアラビア人紳士と、適当に酔っているであろう米軍兵士達が行き交っている」と思う。

宗主国は、属国において、支配に好都合な政治体制(王室、政党、政治家など)を維持する。支配に不都合になれば、そのいずれでも、好きなように処分する。

興味深い電子版記事がある。アメリカの新聞記事をかいつまんだものだ。

「ここ数年で最も賢明」 米紙が首相の手腕評価   日本経済新聞 2012/4/21 0:08

いつ消滅するかわからないので、恐縮ながら転記させていただこう。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は19日、野田佳彦首相へのインタビューに関連した「日本は難しい決断ができるか」と題した記事で、首相を「ここ数年のリーダーで最も賢明だ」と評価した。その理由として消費税率の引き上げや原子力発電所の再稼働、在日米軍再編、環太平洋経済連携協定(TPP)参加問題への取り組みを挙げた。一方で今月30日の日米首脳会談が成功したとしても内閣支持率の低下を背景に野田政権は「続かないかもしれない」との見方を示した。(ワシントン支局)

賢明というのは、sensibleの訳だろう。日本の支配機構が誰のためにあるのかが良く分かる記事だ。宗主国広報誌でなければ載らない本当の記事。

元記事 Can Japan make the tough decisions?

  • 日本という部分を「現代版満州国」に
  • 首相という部分を「国務院総理」におきかえれば、

実態、さらにわかりやすくなるように妄想している。

  • かつて日本は「満州国」を設立し、宗主国として支配した。
  • 現在日本は「新満州国」となり、宗主国に支配されている。

日本の無条件降伏の際、統治制度が無傷で残された。伝統ゆえに壊すことができなかったからという理由ではなく、間接支配に便利と判断したからだろう。

以来、60余年、官庁は宗主国現地支部として、総理大臣は新満州国「国務院総理」として、機能している。

イラクでは、バース党も政府機構も徹底的に破壊された。国家が潰れても、石油さえ搾り取れればよいのだから。

一方、この国の場合、石油が自然に湧くわけではない。属国国民になんとか働かせ太らせ搾り取るためにも、世界支配の基地を配置し、整備機能を享受するためにも、属国としての国家、一定程度安定していなければならない。

放射能にまみれても、属国民の健康・福祉などなんのその、TPPで、郵政、保険、医療等を徹底的に絞り尽くす。

再度原発事故が起きれば、三沢・厚木・横須賀等、本土の基地こそ撤退するかも知れないが、搾取は続けるだろう。(さすが沖縄に原発はない。)

ウオール街やロンドンのテーブルに、最も忠実な属国政権用の席はない。自らの独立と、身近な隣国への外国の干渉を手助けするのではなく、干渉を阻止することこそが、究極的な属国自己防衛となろう。

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