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2012年3月

2012年3月28日 (水)

"マインド・ゾーン": 兵士のアフガニスタン戦争トラウマを乗り越えるさせるセラピストを撮影した新しい映画

Democracynow!

2012年3月16日

書き起こし

フアン・ゴンザレス: 16人のアフガニスタン民間人を虐殺したとされるアメリカ人兵士の姓名も動機も依然不明ですが、兵士の精神状態に関して色々取り沙汰されています。件の兵士の本拠地は、自殺、兵士達による家庭内暴力や殺人の率が高いことを含め、精神衛生の問題対応ということで話題となってきた、ワシントン州のルイス・マッコード統合基地です。基地は手当たり次第にアフガニスタン民間人を殺害し、戦利品として、殺害した人々の指を収集していた兵士達の一団、悪名高い"キル・チーム"の出所でもあります。

兵士達の精神衛生と、そうした兵士達の面倒を見る人々が直面する難問が、近く公開予定の『マインド・ゾーン: 前線後方のセラピスト』という題のドキュメンタリー映画の主題です。映画は、兵士に戦争のトラウマを乗り越えさせるため、アフガニスタンに駐留しているセラピストが直面する倫理的ジレンマを表現しています。これは映画の中で、二人の兵士が彼らの精神的ストレスについて語っている場面です。

アメリカ人兵士1: カンダハル飛行場のような巨大基地にいる兵士達は多くのストレスを受けており、そうしたストレスは治療が必要だと思います。監獄にいるようなものです。

アメリカ人兵士2: 我々は疲れています。軍隊として。

アメリカ人兵士1: 9ヶ月もたつと、元気も尽きて、皆益々攻撃的になる。18歳の若者などが行く場所ではない。

エミー・グッドマン: 心理学者で、ルイス・マッコード統合基地のフォート・ルイスでの訓練から、アフガニスタン現地まで、軍セラピストに従軍したジャン・ハッケンさんが監督した『マインド・ゾーン: 前線後方のセラピスト』の一場面でした。ポートランド、オレゴン州から出演してくださいます。

ジャンさん、ご出演有り難うございます。フォート・ルイスについて、そこで、そして、アフガニスタンの前線で、ご覧になった心理学者の役割についてお話ください。

ャン・ハッケン: ええ、第一次世界大戦以来、心理学者や精神科医が交戦地帯に配置されてきましたが、80年代以来、とりわけ、こうした長期配置が反復する過去数十年間、アメリカ軍は、こうした戦闘ストレス管理部隊に多額の投資をしており、実際に心理学者や精神衛生ワーカー達を採用し、本格的に、彼等を兵役につかせるだけでなく、彼等も他の兵士同様に訓練を受けるのですが、更に、戦場や交戦地帯で、兵士を治療するための、様々なストレス管理と精神衛生手法についても訓練を受けます。

彼等には二つの矛盾する任務があるわけです。一つは精神病理上の犠牲者を防ぐことで、もう一つは戦闘部隊を維持することです。派遣と配備前訓練を経験するなかで、こうした矛盾する任務に関して、かなり論議がありました。ドキュメンタリー映画『マインド・ゾーン』の密かな狙いは、多くの人々が倫理的に矛盾する任務とみるものを、つまり普通であれば臨床医として精神的外傷を残すような状況にある人を治療するのではなく、そういう人々を、そうした状況そのものに戻らせるということを、一体どうやって彼等がこなしているのかを理解することです。ところが、それがまさに彼等がするように期待されていることなのです。

第一次世界大戦以来、セラピストの有効性は、主として原隊復帰率で評価されてきました。ですから、目的は、兵士を、原隊に出来るだけ近くで治療し、そうした兵士達に、原隊に復帰するよう期待されていること、彼等は問題ないことを伝え、彼等の態度を正常化させ、彼等を復帰させることです。交戦地帯に進出し、前年に駐留していた戦闘ストレス管理部隊と入れ代わって、その仕事を始めると、こうした圧力は明白です。けれども、そういうふうに期待されているのです。兵士達はかなり手短な応急処置を受け、原隊復帰するよう期待されていると言われ、兵士達は働けそうだと感じるかどうか聞かれます。

仕事ができそうだと感じれば、たとえ彼等に、戦争の影響で、ある程度の暴力への執着、殺人への執着、武器に囲まれていること等で現われていても、こうしたことは、皆知っている通り、戦争では良く見られる感情ですから。

フアン・ゴンザレス: ジャンさん、いかがですか?

ジャン・ハッケン: しかし、臨床的に、どこで線引きをするかは困難なことです。難しい線引きです。

フアン・ゴンザレス: ジャンさん、あなたのドキュメンタリー『マインド・ゾーン』の、あるセラピストが、軍の精神衛生ワーカー達が直面する倫理的葛藤について語り、違うセラピスト二人が、軍事任務にとって、戦略的に良いことだと言って実際に自分たちの役割を擁護する場面を見ましょう。その部分を映しましょう。

セラピスト 1: 軍の中で、精神衛生担当者であることの独特な課題の一つは、to do with多分我々の全員がどこかの時点で自問しているだろうと私が思っている問題に関連しています。兵士を部隊に戻すべきなのか、それとも、もっと頑張って、兵士を部隊から避難させるべきか、私たちの仕事には、こうした矛盾する使命があるのです。

セラピスト 2: 兵士を脱落させるために現地に我々がいるのではなく、兵士を脱落させないためにいるのです。

セラピスト 3: 兵士を国に送り返すために、私たちがここにいるわけではありません。私たちは戦力増幅係なのです。

フアン・ゴンザレス: 三人のセラピストでした。一人は軍セラピストの倫理的な葛藤について語っており、後の二人は、実際に自分たちの仕事の戦略的な価値を擁護していました。ジャン・ハッケンさん、あなたのお考えは?

ジャン・ハッケン: ええ、軍で働く精神衛生ワーカー、セラピスト、臨床医には、大事な営業業務があり、それが常にあるのです。セラピストは、ある種の女性化効果と結びつけられており、彼等は自分達が本気で兵役についていること、自分達の存在を示さねばなりません。これは常に論議を呼ぶもので、はるか第一次世界大戦にまでさかのぼりますが、セラピストは、ある種、人々を弱体化させることや、軍のミッションをむしばむことと関連付けられています。自分たちの存在意義を正当化するために、精神的不安定や、破壊的になってしまうような状況から、人々を守るというのが、私たちのトレーニングの一部ですから。兵士たちをまとめておくことに、交戦地帯で皆の心理的団結を維持することについて、セラピストに、軍はかなり大きく依存していますから、セラピストは自分たちが効率増幅係、兵力増幅係であることを証明しなければならないのです。言い換えれば、疲労した兵士達から、軍が更に多くのものを得るように、彼等が手助けできるのだと。軍は、過去数年間、心理学の手法を取り込み、戦場の指導部中級層訓練で回復力トレーニングをかなり行ってきました。

しかし彼等は仕事を誇大宣伝しすぎたのだと思います。極めて不安定な状況を制御するという臨床医の能力を誇大宣伝しすぎたのです。この軽度の外傷性脳損傷という問題でさえ、嫌な診断結果ですが、もし脳震とうを経験すれば前線からはずされるだろうと皆期待するでしょう。しかし脳震とうというのは交戦地帯では大変ありふれています。より重かったり、軽かったりの一連の脳震とうがあり、そうしたものの大半は数日間の休息で治療され、復帰することを、原隊復帰することを期待されているのです。しかもこれは戦争という領域の一部にすぎません。熟練した臨床医なら、情緒不安定さが一番ひどい兵士と、それほど情緒不安定になるほどの影響を受けなかった兵士とを見分ることができ、ストレス臨界点で、誰が道を踏み外すかを、必ず予測できると考えるのは、現実的にこうした戦闘ストレス管理部隊に期待可能なものを、遥かに越えた期待のしすぎだろうと思います。

エミー・グッドマン: もう時間がありませんが、ジャン・ハッケンさん?

ジャン・ハッケン: 彼等は、あり得ない仕事をしているのです。

エミー・グッドマン: ジャン・ハッケンさん、ごく手短に、特にルイス・マッコード統合基地、アメリカで最悪と呼ぶ人もある基地、危機に瀕していると言う人々もある基地と兵士の評価を? この殺人犯とされている人物だけでなく、"キル・チーム"の基地でもありますね。

ジャン・ハッケン: ええ、巨大な基地で、三つのストライカー(装甲車)旅団があります。多数の歩兵がいる巨大基地があれば、兵士達が戦場から持ち帰る諸問題があって当然です。私は、第113医療部隊と、彼等が準備をしているのを、配備前の訓練をしているところを一緒に仕事をしたというか撮影したに過ぎません。しかし、なぜ我々が精神病理である家庭内暴力や他の行為、あるいは騒ぎが、これらの基地と関係していることで、衝撃を受けるのか、こうした絶えず驚かされるような事件について、我々が注意を払うべき何かがあるように思います。そうしたものの中には勤務地につきものというものもありますから。

エミー・グッドマン: ジャン・ハッケンさん、ご出演有り難うございます。心理学者で、『マインド・ゾーン: 前線後方のセラピスト』の映画監督です。彼女は心理学者ですが、アフガニスタンに行った精神セラピストに従軍した映画制作者でもあり、セラピスト達を、殺人犯とされている人物も、やはりその基地から出ているフォート・ルイスでも撮影しています。

記事原文のurl:www.democracynow.org/2012/3/16/mind_zone_new_film_tracks_therapists

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いくら、兵士個人の経済的・心理的問題に逸らそうしたとて、宗主国による理不尽な侵略・占領が問題の根源なのは明らか。即時撤退以外に解はない。

アフガニスタン、イラク、沖縄、東京近郊の宗主国基地。

アーノルド・グリュンの本『人はなぜ憎しみを抱くのか』55ページに、まさに上記仕事の話題がある。

第二次大戦の最後の年に、アメリカ軍では心的外傷を受けた兵士が極端に増え、私たちの仲間で精神科医の訓練を受けた者が引き抜かれ、セラピストとして投入されました。それで大戦の最後の年には、私も戦争により心に傷を負った人たちのために働きました。戦争の恐怖は、どのように取り込まれるのでしょうか?たとえば、人間が吹き飛ばされ、引き裂かれるとします。一般的に見られる反応は二通りです。その瞬間、その時間、その日の意識が完全に消える、つまり記憶をなくす。あるいは代わりに他の何かが、そこを埋めます。手遅れにならないうちに、恐ろしい体験をしてからだいたい三十六時間以内に治療を開始した場合には、心に傷をもたらしたものを取り去り、傷を癒せることが多いのです。

北朝鮮の『人工衛星発射』騒動、そこに『核サミット』。余りにもタイミングが素晴らしすぎて、米朝八百長芝居としか、素人には思われない。

おかげで

  • 福島原発事故の話題が吹き飛ばされ、
  • 迎撃ミサイルという法外に高価な宗主国製殺人玩具が活用される。ミサイルというもの、本質は「先制攻撃」ミサイルだろう。

そして、宗主国・属国司令部の合体。

戦闘機部隊や北朝鮮の弾道ミサイル対処などを指揮する航空自衛隊航空総隊司令部が、空自府中基地(東京都府中市)から在日米軍司令部がある米軍横田基地(東京都福生市)内に26日移転した。移転は自衛隊と米軍の連携強化が目的。日米の司令部が近接して置かれるのは、神奈川県横須賀市の海上自衛隊と米海軍に続いて2カ所目となる。(毎日新聞 2012年3月26日 東京夕刊)

宗主国にとって、この北朝鮮衛星発射、棚からぼた餅、いや、棚から金塊。

属国搾取の仕掛けを推進するために、宗主国にとって、北朝鮮は大切な資産。潰すわけがない。原発汚染のまま、理不尽な宗主国の軍事侵略体制に、ますますとりこまれてゆくだけの属国。

もちろん、その経済版が、TPP。

どじょう氏、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、国内の原子力テロ対策について、人的警備体制や施設防護・装備、情報安全対策を抜本的に強化する考えを表明という。

見え透いた嘘。何が教訓だ!現在、福島原発事故、対国民、対隣国テロそのものになっている。それこそ教訓。ここでも即時撤退以外に解はない。

原子力テロ対策を施すまえに、脱原発を宣言すべきだろう。(独立国なら)

大阪市議会、原発住民投票条例案否決。反対・賛成の政党名は興味深い。

大阪市交通局労働組合の市長選支援職員リスト、 非常勤職員の捏造だった。
その非常勤職員は「正義感で」告発し、維新政治塾にも応募していたという。B級映画を超越したホラー状態。あれはホラーの歌と旗か。

その大いに話題の『異神の怪』について、グリュンの本『人はなぜ憎しみを抱くのか』から再度引用する。人ごとではない。今日の日本を説明してくれている。

43-44ページ

最近ドイツで、フリードリヒ・エーベルト財団が、右翼過激派と暴力に関する調査を発表しました。それによると、ドイツ人のおよそ三分の二の人たちは、ドイツは強力な人物を必要としている、強い政党をバックにした断固とした人物のみが現在の諸問題を解決できると信じています。しかし強力な人物を模索すること自体、父親が子どもの心に刻み込んだイメージです。たとえば、どう行動したらよいか指示し、ルールを決め、服従を求める人物のイメージです。強力な指導者を求める人が三分の二もいるんですよ!それが政治的な結果となって現れています。ドイツに限ったことではありません。ドイツ人だけが従順なのだとは思わないでください。アメリカでも、カナダでも、南アメリカや中国、ロシアなどでも、同じことが見られます。文化が権力と所有の上に築かれている社会なら、どこにでも見られることです。

196ページの記述、そのまま日本の政府・自治体の政策。子供にとってでなく、体制にとって良い先生方を増やし、この記事の主題となっている、新帝国主義戦争の「砲弾の餌食」を生産するために。

子どもに敵対的な政治も問題です。政治プログラムを見ればすぐに分かります。経費削減で最初に犠牲になるのは、いつも子どもや青少年を対象とする施設、あるいは芸術関係の機関です。演劇をはじめ、文化関係すべての予算が削られ、創造性や人間性を大切にする場が真っ先に閉鎖されてしまいます。これは大問題です。他方、当然のことですが、幼稚園や保育園がもっと数多く必要です。これで母親の負担が軽くなります。どれもこれも重要ですが、素晴らしい幼稚園や学校の先生をもっと増やし、政治家の質も上げなければなりません。現在でも、素晴らしい先生や教育者は少なくありませんが、学校に一歩足を踏み入れるとすぐ分かるように、良い先生ほど現在の教育制度では邪魔者扱いにされ、思いどおりに動けません。今日の教育制度は、子どもを人間らしく育てるためでなく、経済の基本精神に奉仕するためにあるのです。どの分野にも要求されるのは効率性です。教育制度の官僚主義的な側面がもっとも重要視され、本当に子どもが生きるために何をしてやれるかは二の次になっています。

茶番については、本澤二郎の「日本の風景」(1022)<踊った南北の朝鮮ダンス>をどうぞ。

2012年3月24日 (土)

『タイム』: 我々は将来の99%だ。

2011年10月27日

Hollywood and Fine Reviews

偉大な映画というわけではなく、おそらく非常に良い映画ですらないだろう。しかし、アンドリュー・ニコルの“タイム”は、その本質、つまりウオール街占拠運動の基盤である、所得の不平等への反対論と同じ説を主張する政治映画として称賛されるべき作品だ。

ニコルが創り出した未来では、加齢プロセスは25歳で止まる。それ以後、人の余命は、わずか一年となる。時間が新しい通貨になっているのだ。労働者には分と時が支払われる。一日は大変に長い時間であり、一ヶ月など、とんでもない贅沢だ。そして、持ち時間が尽きると、人は文字通り時間切れとなり、ばたりと倒れて死ぬのだ。

理論上、一ヶ月単位、あるいは、分単位で、生き続けるに十分なだけ稼ぐことは可能だ。映画の始まりで、ゲットー“タイム・ゾーン”の労働者ウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレーク)が、母親(オリビア・ワイルド)の50歳の誕生日、あるいは、25回目の25歳を祝っている。ウィル自身は、25歳で、三度目の誕生日を迎えるのだ。

余命は、それぞれの人の腕の上に蛍光デジタル表示で表示される。人々はスキャナーの下に腕を差し入れて、言わば“元気を養ったり”、支払いをしたりする。映画で見るような、古代ローマの百人隊長達が友情の証としてする、お互い手のひらで腕を握る握手によって、持ち合わせの余命を与え合うことも可能だ。

もちろん、時間は、同じやり方で盗むことも可能だ。それで、意思の力でどちら側が相手の時間を奪うのかを決める、ストロング・アームと呼ばれる腕相撲の一種で勝負をする“ミニット・メン”という都会ギャングがいるわけだ。時間は分け合うこともある。

仕事を終えた後のある晩、ウィルがバーに立ち寄ると、腕に一世紀以上の余命時間表示がある、容姿端麗で身なりの良い男(マシュー・ボマー)が皆に酒をおごっていた。この男、このタイムゾーン、デイトンという名のゲットーには場違いだ。そこでウィルは、揉め事が起きる前に、彼をこの場から離れさせようとするが、手遅れだ。ミニット・メンが入ってきて、ミニット・マンの親分(アレックス・ペティファー)は、大金持ち氏に“ストロング・アーム”勝負をして、誰が彼の時間を自分のものにできるか見ようと強要する。

ところがウィルは余所者を救い、逃げ出すのだ。ヘンリー・ハミルトンという名前のその男は、救出されたことが嬉しくない。彼は100歳以上で、要するに、永遠に生きられるほどたっぷり時間を持っているのだ。更に重要なことに、彼は、ウィルに、世の中の仕組みはいかさまだと話してしまう。もし全員が永遠に生きれば、食料、土地、空気など、必要なものは足りなくなってしまう。そこで、裕福な人々は極めて裕福な人々を除いて、非常に長く生きるのに十分な時間を、誰も貯められないようにするために、時間を入手する機会を制限して、貧しい人々を寄せつけないようにし、絶えず物価をつりあげ、増税をしつ続けているのだ。

ウィルが目覚めると、ヘンリーが持ち時間を全部自分にくれてしまい、彼は死ぬと決めたことに気がつく。そこで、ウィルは、新たに得た富を持って、ニュー・グリニッチ(ニコルの映画では、センチュリー・シティーとマリブが使われている)へと向かい、そこで、トランプのギャンブル、時間の億万長者フィリップ・ワイス(ヴィンセント・カーシーザー)から、1000年以上の時間を勝ち取る。結局、彼はワイスの豪邸でのパーティーに行くことになり、そこで、ワイスの娘シルビア(アマンダ・セイフライド)を巧みに口車にのせ、法律が、時間監視局員レイモンド・レオン(キリアン・マーフィ)の姿となって、ヘンリー・ハミルトンの消えた持ち時間について尋問しようとして現われると、彼女を誘拐する。

ニコルの筋書きは、とりたてて独創的というわけではなく、アクションの大半は、よくある類のものだ。とはいえ、言外の表現、自分たちの人生が無頓着な超大金持ち連中に操られていることに対する貧困層の人々の高まる怒りは、実に効果的だ。“タイム”のゲットー住民と、ブッシュ政権の不注意な監視の下で、経済を破滅させたのに、オバマ政権を欺き、干渉しないようにさせ、何の教訓も学ばずにいることに対し、大企業に責任を取らせようという、中産階級や他の人々の運動の高まりである、ウオール街占拠運動を結びつけて、全容を明らかにするのも困難なことではない。

驚くべきことは、これがヒットTV番組(“マッド・メン”で有名なカーシーザー)で著名な俳優と、更に、イギリスとアイルランドの映画の華やかなスターの一人(マーフィ)とともに、今話題の若手スター・カップル、ティンバーレークとセイフライドが主演するメジャー娯楽映画作品であることだ。こうした人気俳優が、多額予算を投じる大手スタジオの映画にこぞって出演し、スリラーの魅力やティンバーレークが出演しているということだけで引き寄せられかねないティーンエイジャー向けに、宣伝されているのだ。

究極的な皮肉は、この映画が、彼が所有する企業、フォックス・ニューズ・ネットワークが、ウオール街占拠運動について、事実を歪曲して伝えたり、軽視したり、あるいは、中傷をあびたりすることに奮闘努力している、ルパート・マードックが所有する企業、20世紀フォックスによって公開されていることだ。

もし、ウオール街占拠運動の人々が戦略的に考えるのであれば、彼等は“タイム”を上映しているアメリカ中のあらゆる複合映画館に、案内所を設置するか、少なくとも、抗議デモをしていただろう。彼等は、若い(そして大半は、無知な)十代の観客達に、“タイム”が、どれほど詳細に、現在の我々の経済状況を描写しているかという、傾聴すべき一言を伝えていただろう。

マスコミを使った適切なキャンペーンさえあれば、“タイム”は、“アンクル・トムの小屋”が奴隷制廃止運動に対して与えたような影響を、ウオール街占拠に与えることができたろう。大企業の要求(そして、共和党のティー・パーティーにいる大企業の代弁者)に、政府が、揺るがずに服従していることを巡って、高まりつつある大衆の不満の導火線に、火をつけられたろう。

恐らくフォックスは、アンドリュー・ニコルが、スリラーポップコーンの売上増大に寄与する商業ベースのSFを作ってくれたと考えたのだろう。しかし、運が良ければ、ニコルは、占拠運動を奮い立たせることができる一斉射撃を“タイム”で開始できていたろう。

記事原文のurl:hollywoodandfine.com/reviews/?p=4375

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ブログを丁寧にお読み下さっている方から、『トゥルーマン・ショー』を作ったのと同じ人物(アンドリュー・ニコル)の作品であるこの映画をご教示いただいた。

ご本人はご覧になっていないそうだが、先月から上映しているので、上映が終わらないうちにと、あわてて見に行ってきた。(何故か夕方と夜の上映が多い。)

若い観客の方々が多かった。映画終了後、聞こえた両隣の若い男女の声「おもしろかったね」「すごかったね。考えさせられるね。」に嬉しくなった。

『ボニーとクライド』を、そして、ねずみ小僧を連想した。何より、ウォール街占拠運動を思いながら見ていた。筋を明かしては興ざめ。これ以上はかかない。納得できる説を展開している、この記事翻訳でお茶を濁す。

電通 洗脳広告代理店』苫米地英人著を購入したが、彼の最新作は『宗教の秘密』。内容紹介にはこうある。

宗教が支配の道具として人々を洗脳するメカニズムを説明し、伝統宗教の代表であるキリスト教と、現代人の心を支配する「お金教」の実態に迫る。また、教祖を作って宗教を興す方法も紹介する。

また、『人はなぜ憎しみを抱くのか』アルノ・グリューン著 集英社新書36ページにはこうある。

指導者と見せかけ

 見せかけが上手な人たちこそ、「指導的立場」に立つ「才能」に恵まれているらしく、どこでも求められています。たとえば、新興宗教の教祖を篤く信頼する人が少なくありませんが、あれはなぜなのでしょう? どうしても指導者が必要なのでしょうか。自分はどう考え、どう感じ、どう行動すればいいか指示してほしいのでしょうか? こうした指導者は、信奉者を意のままに動かして、暴力をふるわせ、人を殺させ、集団自殺をさせる力さえもちます。右翼過激派(ネオナチ)にあっても同じです。黙々と指導者の指示に従って、平気で人を殺します。
 毎日のように、そのような事件が報じられています。本来の自分を捨てて、盲目的に指導者に従う人がこんなに大勢いるのは、どうしてなのでしょう? よく言われることですが、そういう人たちは、新興宗教や過激派に入ると、ようやく自分が受け入れてもらったと安心するようです。そして、自分たちが「より良い」選ばれた人間であって、他の人間を苦しめ辱める権利があると感じるのですね。

宗教とは(政治も)そういうものだろうが、法王、アメリカ訪問をされる際は是非

新自由主義は時代遅れ」と言って、新体制への移行を促して頂きたい。

「TPP、原発推進、増税」という政・官大暴走、原発と属国政策推進の元祖、自民党・宗教政党が政権を奪還しようが、実質的に全く同じ異神の怪が影響力をまそうが、暴走は激化するだけだろう。絶滅危惧種政党が三分の一を越え、民主党の中のまともな人々と、連立与党を組む位に増えない限り止められまい。その可能性、わずかでも、あるだろうか?強力な大衆行動なしに、体制はかわらないだろうが、大衆行動だけでも、かわるまい。

韓国では、売国FTAを推進した与党、党名を変えざるを得ないほど追い込まれている。これからの選挙で更に弱体化するだろう。ドイツでは素晴らしい放送が、日本支配層のとんでもない嘘を暴いてくださっている。

こぞって異神の怪を持ち上げる、国営放送を含めたマスコミ、ほとんど死に体。小泉郵政破壊選挙の時と全く同じパターン。2000人もの受講者が集まったという。この国では選挙もマスコミも期待できそうもない。末法末世。

どじょう氏、TPPを、ビートルズに例えているという。全く理解不能。ひょっとして、大麻の影響では?と疑ってしまうではないか。TPPの効用を論理的に説明することが不可能であればこその、目くらましだろう。

先日逝去した大思想家氏の発言も、メタボ・オヤジには全く猫に小判だった。

郵政破壊、イラク出兵の属国政策を推進した人物はプレスリー・ファンだった。個人レベルなら、プレスリー・ファンでも、ビートルズ・ファンでもかまわない。全国民、そして未来のすべての国民の生活を左右する政策を、西洋音楽スター集団あつかいするのは正気だろうか?

小林よしのり著『反TPP論』、本論はよしとして、「不平等条約案を推進していた大隈重信が、玄洋社の一員、来島恒喜に、爆弾襲撃を受け、右脚を切断した」エピソードによる不気味な終わり方だ。いくら相手が無茶な売国政策を推進しているといっても、爆弾襲撃など解決になるはずがないだろう。

『タイム』、原題In Time、なるべく多数の方にご覧頂きたい映画だ。

映画『タイム』は、『映画「ゼイリブ」と小泉政権以降の日本』を拝読するまで知らなかった映画『ゼイリブ』と通底している。そして『トゥルーマン・ショー』とも。

2012年3月22日 (木)

アフガニスタンの虐殺事件は犯罪的戦争の産物

wsws.org

2012年3月20日

先週金曜、16人のアフガニスタン民間人を虐殺した罪で告発されている兵士が特定されて以来、マスコミは、戦争そのものの犯罪的本質を意図的に無視し、この恐るべき犯罪を、ロバート・ベイルズ二等軍曹の経歴をほじくり返し、個人的問題として解釈させようと務めてきた、。

カンザス州フォート・レブンワースのアメリカ軍刑務所地に容されているベイルズは、3月11日の夜明け前に、南部カンダハル州パンジャウィ地区の前哨基地から逃走し、二つの近隣の村の家に押し入り、うち9人は子供のアフガニスタン人を射撃し、突き刺し、殺害したかどで、軍により告訴されている。ある家では、犠牲者の遺体を積み上げて、火を放ったといわれている。

彼は現在、例外なく“ならず者”兵士と表現されている。バラク・オバマ大統領、ヒラリー・クリントン国務長官や、ジョン・アレン大将やアフガニスタン駐留アメリカ人司令官達等全員が、ベイルズの行為はアメリカ軍の価値観や態度を反映しているわけではないと世界に請け合う公式声明を出した。この公式説明によれば、答えを出すべき唯一の疑問は、彼はなぜ“キレた”のか?だ。

この説明の事実的根拠を、アフガニスタンの村人達、アフガニスタンのアメリカ傀儡大統領ハミド・カルザイと、アフガニスタン国会下院が設置した調査委員会が疑問視しており、全員が、この虐殺は、単独の殺し屋の仕業ではなく、15人から20人ものアメリカ軍兵士によるものだと非難している。週末に、国会議員委員会が調査結果を発表したが、それには、この虐殺で殺された女性の二人が凌辱されていたことも含まれている。

たとえ、こうした残虐な出来事に関するアメリカ軍の公式説明と、ベイルズが実際単独で行ったことが真実であることが判明したにせよ、アフガニスタン人の中での圧倒的な世論は、多数のアメリカ軍兵士が虐殺に関与していたというものだとい事実が多くを物語っている。明らかに、彼等はこれを狂人あるいは“ならず者”の行為としてではなく、何万人ものアフガニスタン民間人の命を奪った、十年もの長きにわたる戦争と占領の中の余りにありふれた出来事の一つと見なしているのだ。

これまでに明らかになったベイルズに関する情報は、一連のストレスと危機を示唆している。彼は、2001年、9月11日の攻撃から数週間のうちに軍に入隊したが、株式市場の低迷で、短期間の投資家という職を辞めた後でもあった。

既に三度の戦地勤務を経て、交戦地帯に再び派兵されることはないだろうと思うようになっていたところを、昨年アフガニスタンに派遣されたのだ。昇進を見送られ、莫大な借金を抱えて、自宅を売ることを強いられていたことを含め、深刻な借金問題に直面していた。彼はイラクで外傷性脳損傷を患っており、弁護士は、彼が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患っていたのかどうかが、裁判になった際に重要問題になるだろうと示唆した。

こうした要素のすべてが、アメリカ“全員志願兵”軍の何十万人もの人々が、中東と南アジアで、十年間も、二つの同時並行する戦争を戦った後に直面している状態を示している。既成政治勢力と二大政党は、外国におけるアメリカの帝国主義戦争への支持を確保する手段として、“わが軍を支援するよう”当然のごとく国民に指示するが、支配エリート層からは、軍のこうした兵士達は使い捨て商品と見なされているというのが本当のところだ。

ベイルズが犯人とされている事件が決して珍しいものでないのと同様、彼が犯したかどで告訴されている恐るべき行為は、決して単なる神経衰弱の産物ではない。

アフガニスタン国会の調査員達によれば、村人達は虐殺の明らかな動機を知っている。報復だ。村人達に、アメリカ軍が、数人の兵士を負傷させた爆弾爆破の報復に直面するぞと警告していたと村人達は証言している。ベイルズの弁護士によれば、虐殺の前日、二等軍曹は、道路脇に仕掛けられた爆弾で、友人の両足が吹き飛ばされるのを目撃した。

そのような報復行為は、アメリカ軍司令部が決して予想できなかったものではない。つい先月、コーラン焼却でひき起こされた大規模な騒動のさなか、前日、二人のアメリカ兵が殺害された、東部のナンガルハル州にある前進作戦基地での米軍兵士の集会で演説するアレン大将がアメリカのテレビ・ニュースに映った。“今は報復すべき時ではない。今は復讐すべき時ではない。”と大将は兵士達に語った。

兵士達が“怒りと反撃の願望”にとらわれている事実は認めつつ、アレンは兵士達に“規律を忘れぬよう、自分のミッションを忘れぬよう、自分が誰かを忘れぬよう”要請した。

こうした言葉は不注意に選ばれたものではない。アレンも他のアメリカの最高司令部は、あれこれの個人の精神障害というより、戦争の性格そのものに由来する、残忍な報復行動を、アメリカ軍兵士が実行する危険性を承知していた。植民地占領により、アメリカ軍は、打ち負かすことか出来ないことが証明された、益々増大する大衆のレジスタンスに立ち向かわされている。

このような報復行動は、更に破壊的なことが多い、爆撃、夜襲虐殺や、他の殺人行為等の他の無数のものとともに、ブッシュ政権が開始し、バラク・オバマ大統領の下で継続している帝国主義侵略戦争の必然的な特徴なのだ。

これらの戦争を正当化するために利用される嘘を広める上で大きな役割を果たしてきた商業マスコミは、今や戦争そのものについて、この最新の虐殺が語っていることを分析することには全く関心はない。政府同様、マスコミの主要な関心事は、そのような犯罪をもみ消すこと、そして、それが不可能な場合は、こうした行為の客観的重要性から注意を逸らせることにある。

ベイルズ二等軍曹や、カンダハルでのこの虐殺に関与した他のアメリカ軍兵士達は犯罪の責任を問われるべきだ。それはそれとして、遥かに悪質な犯罪人連中は、嘘を基にした戦争で殺人し、死ぬべく、彼等を派兵したブッシュ・オバマの政権の高官達だ。

こうした犯罪人達に裁きを受けさせることは、資本主義者による戦争と、その根源たる資本主義利潤制度に対する戦いの一環としての労働者階級の任務だ。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2012/mar2012/pers-m20.shtml

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理由もなく、爆弾を雨あられのように不当に投下し、占領した無謀な軍隊の兵士、いくら武力で勝っても、反抗するゲリラに苦しめられるだろう。当然、精神的に病む兵士が続々出てくるだろう。前線にはセラピストがいて、なんとか回復させ、前線復帰させようとしている事実を描く映画『マインド・ゾーン』を作った人物とのインタビューがデモクラシー・ナウにある。(英語)本質的に悪いことをしているがゆえに心を病む兵士を、何といって励まして、復帰させるのだろう?悪事を止めるという、正常な心理的ブレーキを壊すことにならないのだろうか?

外装工事の足場を固定しなかったために、幼い子供の命が奪われた。

担当工事会社に対して、早速、警察の捜査が行われている。当然だろう。

ストーカーをなんとかして欲しいと頼んでも、署員旅行が優先され、安全を無視した設計・運転基準で、金で流布した安全神話詐欺と、金で得た賛成派を駆使して、未曾有の放射能放出事故の原因解明を怠り、広大な地域を汚染し続け、非常に多数の人々を強制疎開させ、失業させたまま、平然と原発稼働を推進する政治家、電気会社、原発メーカー、監督官庁、労働組合、マスコミ、御用学者、司法組織等の、責任を問われるべき連中、一人として、捜査されたり、逮捕されたりしていない、決して当然でないクニ・ケン。

そういうとんでもないクニを押しつける連中、そういう組織を讃える旗をおがめ、歌を歌えと強制する。クニが丸ごとオウムになったようなもので逃げようがない。

理不尽な押しつけに反抗する、理性のある人間がいては困るのだ。

証拠隠滅を狙った瓦礫の全国拡散を、マスコミは幇助するばかり。絆!

「反対する連中は、思いやりのない非国民」という、プロパガンダ。

『冷温停止』したという真っ赤な嘘は、テレビ放送し、新聞記事にする。

一方、嘘をつき続けるとんでもない連中を鋭く批判するビナード氏の「セシウム咲いた」講演会は中止させられる。あまりにアンバランス。北朝鮮並の情報統制。

『チャイナ・シンドローム』のジャック・レモンの熱演をみながら、ビナード氏を連想した。

その北朝鮮の『人工衛星』発射の話題で、「いざ迎撃」とわくわくしているのは、宗主国・属国の与党政治家、官僚、そして何より、人類の幸福に全く無縁の、殺人装置製造を業とする殺人鬼業。

ジャーナリスト同盟通信 本澤二郎の「日本の風景」(1016)<軍人は玩具大好き>

ところで『自滅するアメリカ帝国 日本よ孤立せよ』伊藤貫著、文春新書は興味深い。

素人の妄想と思いながら書いている「宗主国・属国関係」、妄想ではないようだ。

78ページの一部を引用させていただこう。

アメリカの対日政策の本音は、「敗戦国日本が真の独立国となることを阻止する。日本人から自主防衛能力を剥奪しておき、日本の外交政策・国防政策・経済政策をアメリカの国益にとって都合の良い方向へ操作していく」というものであるが、これを公式の場で表現する時は、「価値観を共有する日米両国の戦略的な互恵関係をより一層深化させて、国際公共財としての日米同盟を、地域の安定と世界平和のために活用していく」となる。

あの名著、関岡英之著『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』も文春新書。巻末にも、宣伝が載っている。

宣伝ページで、隣に並んでいる二冊がすごい!全く反対の視点で書かれているであろう本。(もちろん、読んでおらず、読む予定もないので、単なる想像。)

『日米同盟vs中国・北朝鮮』アーミテージ、ナイご両人と春原剛著

『決断できない日本』ケビン・メア著

矛盾という言葉の語源を連想させられた。

どんな盾でも突き抜ける矛(ほこ)と、どんな矛(ほこ)でも、突き抜けない盾を売る中国の商人に、その矛(ほこ)で、その盾をついたらどうなるかと客が聞いたら、商人は答えられなかったというお話だ。売れさえすれば内容は問わない方針の悪徳商人の。

2012年3月19日 (月)

エジプト軍事政権、NGO工作員に対する渡航禁止令を解除

wsws.org

Johannes Stern

2012年3月3日

木曜日、軍事政権による渡航禁止令解除を受けて、数人のアメリカ人NGO工作員を乗せた米軍機がエジプトを飛び立った。この動きは、違法にエジプトの内政に干渉したアメリカ人を裁判にかける計画を進めると主張していた政権による譲歩だった。これは、何週間かワシントンから強い圧力を受けた結果だ。

米国務省のビクトリア・ヌーランド広報官は、アメリカは“非常に嬉しく思う”と述べたが、“我が国民の出国で、訴訟事件、あるいはNGOに関する、より大きな問題が解決したわけではない”ことを強調した。彼女は更に、アメリカは依然として“起訴を深く懸念しており”、“全てのNGO [...]が登録可能になるという形で、NGO問題が落着する”ことを期待すると述べた。

6月、エジプト暫定政府は、違法な、登録されていない外国の資金援助を受け取っているかどで、エジプトで活動している、いくつかのNGOと政治組織を告訴した。米国国際開発庁(USAID)が、エジプトの新聞に、エジプトで、“民主主義を支持する”イニシアチブを支援していると語った後、対NGOキャンペーンが始まった。

マスコミ報道によれば、昨年11月に行われたエジプト議会選挙前に、オバマ政権は、エジプトに約2億ドル注ぎ込んだ。ムスリム同胞団(MB)の政治部門であるイスラム教の自由と公正党(FJP)と均衡させるため、アメリカはエジプトの親西欧派諸政党を補強しようとしていたと伝えられている。

10月、エジプトのムハンマド・アブドルアジーズ・エルグンディー司法大臣は、12月29日武装した軍と警察の部隊が、カイロにある17のNGOの事務所を捜索し、閉鎖したという主張を捜査するために、二人の判事を任命した。家宅捜索された組織には、アメリカの共和党国際研究所 (IRI)、民主党国際研究所(NDI)、フリーダム・ハウスと、ドイツのコンラート・アデナウアー財団等が含まれている。

ところが、2月26日に開始しようとした、アメリカ人16人を含む43人の裁判の矢先、エジプト当局は延期を発表した。渡航禁止令の解除によって、レイ・ラフード運輸長官の息子で、エジプトIRI理事長のサム・ラフードを含む被告人達が、エジプトを出国することが可能になった。

裁判延期の前に、アメリカ政府は軍事政権に対する圧力を強化していた。IRIのトップで、共和党上院議員のジョン・マケインを含むアメリカ高官が、エジプトを訪れ、危機の迅速な解決の必要性を強調していた。ヒラリー・クリントン国務長官や他の主要なアメリカ人政治家達は、もしもエジプト当局が引き下がらなければ、13億ドルの軍事援助の年次割り当てを削減すると脅したのだ。

火曜日、クリントンは上院聴聞会でこう述べた。“非常に骨の折れる交渉を何度も行っており、解決に向かいつつあると思う。”カイロは、エジプトへの支援を止めるというワシントンの脅しは本気だということを“理解しつつある”と彼女は言い足した。

アメリカがエジプト軍事政権への援助を停止するなどありそうもないことだが、アメリカ統合参謀本部議長のマーチン・デンプシー大将は、そのようなステップはアメリカの権益に反するだろう?アメリカとカイロ政権との間で、ある種の緊張が、ここ数ヶ月高まっていたと、最近語っていた。

当初、エジプト・ブルジョア国家とアメリカ帝国主義の権益を守るため、労働者階級による抗議デモとストライキをやめさせるよう、アメリカとエジプト軍は協力して行動した。昨年2月11日、アメリカは、長年の同盟者で、エジプト独裁者ホスニ・ムバラクを、ムバラクの下で国防相を勤めていた軍最高評議会(SCAF)を率いる陸軍元帥ムハンマド・フセイン・タンタウィに置き換えることを承認した。

ストライキが続いていた間、軍事政権は、西欧が支援するNGO、“独立”労働組合や、4月6日青年運動や、革命的社会主義者(RS)の様なエセ左翼政治組織を含む裕福な中流階級連中に“より広い民主的空間”を与えることを強いられた。見返りに、こうした組織は軍事政権を擁護し、5月と7月の大衆抗議運動に際して、労働者と青年達が提起した“第二次革命”要求に反対した。

しかし、これら組織に対する活動の場を認めるというこの戦略には、将軍達にとって、リスクが無いわけではなかった。11月の選挙前後に、階級闘争は再度激化し、エジプト革命一周年に、政権崩壊を要求する、100万人強の抗議行動にまで至った。アメリカと西欧が支援するNGOと、彼等のエセ左翼同盟者連中は、“第二次革命”を防ぎ、軍隊により迅速な権力移譲をするよう圧力をかけるには、背後から軍隊によって支配されている名目だけの文民政権が、より効果的であることを確信するようになった。

昨年の革命運動の高まりに直面して、ワシントンを忘れてはいなかった軍事政権の将軍達は、ムバラク打倒と、彼を他の軍人で置き換えることを下支えするため、そうした勢力を奨励していた。ムバラクの運命を避けようとして、軍事政権は、労働者階級のみならず、西欧が支援する組織のいくつかも手荒に弾圧した。同時に、“外国の干渉”に反対するという名目での対NGOキャンペーンは、SCAFの将軍達が反帝国主義感情に訴えて、自分達がワシントンに服従していることを目立たなくさせることを可能にした。

NGOの取り締まりは、当初ムスリム同胞団に支持されていた。イスラム教徒達は、当初から軍事政権と密接に協力しており、軍支配反対の抗議行動には反対していた。彼等はムバラク排除に反対する超反動的な湾岸君主諸国と密接なつながりがあり、自らの専制主義支配が弱体化させられかねないという恐怖心から、民主的な考え方へのいかなる譲歩も恐れている。

湾岸諸国は、エジプトのイスラム教徒MBやアルジェリアのイスラム教過激集団サラフィ派への資金援助を増加した。サウジアラビア、カタールとアラブ首長国連邦が、軍事政権に対し、100億ドルの対外援助を約束し、将軍達が6月にIMF借款を断ることを可能にした。

ところが、11月の選挙で、エジプト議会における議席の47パーセントを獲得した後、MBはゆっくりと方針を変え始めた。幾つかのアメリカ高官代表団が、イスラム教徒より緊密な関係を確立するため、カイロの本部でMB指導者達と会談した。2月20日、同胞団の政党自由公正党(FJP)は、“民主的プロセスの支援における、非政府組織(NGO)の役割を支持する”という声明を発表した。

マケイン上院議員は、NGO議論における主要仲介者の一人で、タンタウイ将軍や、MB指導者達等と会談した。渡航禁止令が木曜日に解除された直後に、彼は報道発表を行い、ムスリム同胞団とその政党に“先週果たした、建設的な役割”に対して感謝し、“2月20日の彼等の声明は、最近の危機解決を支援する上で重要だった”と述べた。

アメリカとエジプト軍事政権との間の対立は、エジプト経済の危機が深化するという背景の中で展開した。国際格付け機関が、何度かエジプトを引き下げ、国際金融市場は、エジプト人労働者階級に対する更なる攻撃を要求した。12月、エジプト軍事政権は、IMFに向きなおり、新規借款を要求した。これはFJPに支持された動きだが、エジプト大衆は大反対した。

労働者階級に対する反革命を推進するためにより洗練された政治機構の確立を可能にすべく、エジプト軍事政権に対する圧力を強化するため、アメリカがIMFへの支配力を行使したように見える。

月曜日、FJPは統一政府を求める呼びかけを再開する声明を発表した。声明はこうだ。“エジプトがエスカレートする経済・安全保障の危機に苦しんでいることは、政府の失敗を立証している”。この呼びかけは、西欧“左翼”寄りで、NGOと密接なつながりを持つ、エジプト社会民主党を含めたエジプト議会の5政党に、即座に支持された。

水曜日、記者会見で、大統領選挙最高評議会は、以前延期された大統領選挙の第一回投票は、5月23日と24日に実施すると発表した。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2012/mar2012/ngos-m03.shtml

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既に旧聞に属する話題だろうが、この記事でも、NGOによる反政府運動の実情、新聞・テレビでは報道されていない事実がわかるかも知れない。シリアも...

政府・大本営広報機関公式発表も、司法判断も、決して鵜呑みにはできない。

アラブの春も、原発安全神話も、基地問題(つまりは、日米安保神話)も。

事実隠蔽、続いたままであること、TVドラマ『運命の人』にすら描かれていた。

孫崎享氏の新著『不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換』(講談社現代新書)の中で、「日本は対米追随で、本当に繁栄してきたか」どうかも、しっかり検証されている。安全保障を考える上での、耳が痛い指摘が山盛り。良薬は国に苦し。

原発、全く未知の分野なので、きちんとした英和単語帳をと思い、つい最近「学術用語集 原子力工学編」というものを購入した。

昭和53年初版発行

平成7年8版発行

とある。

Gakujutsugenshiryoku2

普通の辞書で、8版とあれば、8度目の改訂を意味する。初版と第8版、相当内容が改訂、追加されているものだ。ところが原子力村では?意味が違うようだ。

いくら冒頭(序文、前書き、主査の言葉)を読んでも、改訂したとは書いてない。

8版とは、いわゆる8刷をいうようだ。つまり「学術用語集 原子力工学編」、1978年の出版以来、内容は改訂されていない、と思われる。

原子力工学の進歩・発展、1978年で停止したままなのだろうか?

そういう素晴らしい発展をとげつつある工学の見地から、政府、大本営広報機関のご尽力のおかげで、「現地の除染」と「瓦礫の全国拡散」が推進されている。

もちろん、福耳氏のお説の通り「ただちに健康に影響はない。」

チェルノブイリ ある科学哲学者の怒り』の中に、気になる記述があった。

92ページから94ページで、イギリス作家チェスタートンの探偵小説の一節を引用して、「瓦礫広域処理の狙い」を説明してくれている。

ブラウン神父シリーズの中でもっとも深遠な話の一つは、「折れた剣」と題されるものだ。これは一人ならずの作家や映画監督にインスピレーションを与えている。物語の冒頭で、ブラウン神父は、相棒に一連の質問を投げかける。一見、彼らが解決せねばならない問題とは関係のないものだ。

「知恵者なら、小石をどこに隠すかね?」

「浜辺です」とフランボーが答える。

「知恵者なら、木の葉をどこに隠すかね?」

「森の中です」

「では、森がなかったら、どうするだろう?」

フランボーは黙ってしまった。ブラウン神父は続ける。

「森をつくるんだよ、木の葉をそこに隠すために。恐ろしい罪ではないか」

犯人は、自分が犯した罪を隠すために何百人もの男たちを死に追いやったことが明らかになる。死体は、死体の森の中に隠されている。チェルノブイリの事故から四〇〇〇の死者が出たであろうとする専門家たちは、自分たちが死者のリストに書き落とした何万人もの死者を隠すために死体の森を動かす必要もなかった。彼らの背信行為を隠蔽するために必要だったものを、親切にも自然が提供してくれたのだ。彼らは、人目から隠したかった死体を、広大な汚染地域の中で「自然な」癌で死んだ、もしくは死んでいく人々の肉体の中に紛れ込ませるという暴挙をおかした。彼らは、この大量の犠牲者の中に、チェルノブイリの烙印を押された呪われた部分は認められないと主張したのだ。恐ろしい罪ではないか。

放射能汚染物質を隠そうとした時には、どこに隠すのが良いか?専用廃棄物処理場だ。

専用廃棄物処理場がないときはどうすれば良いか?専用廃棄物処理場を作るのだ。全国に拡散してしまえば、どこで何が起ころうと、うやむやにできる。

さんざん嘘をつき続ける政府、民主党、官僚、マスコミの主張プロパガンダ(東京に続け!)はさておき、プロパガンダと無縁な専門家で、懸念を表明する方々は多い。

原子力工学の進歩・発展、1978年で停止しているかどうかは知らないが、少なくとも、統治技術・プロパガンダ技術、格段に進化していることは確かだろう。

いや、それは愚鈍な素人の発想。万一の場合に日本の原子力発電所から放出される放射能・放射性物質粒子は、日本の素晴らしい原子力工学の進歩・発展により、国歌を歌いながら飛散し、おのずから、必ず県境を認識する知的放射能に改良されている。したがって、万が一、「信頼の大飯発電所」から放出された場合でも、全ての放射能・放射性物質粒子は、ぴったり滋賀県の県境手前で、降下する。

そこで、藤村官房長官は「(理解を求める)地元の範囲は数値的、機械的に判断できるものではなく、再稼働と防災の30キロは内容的に違う。連動していない」と語り、滋賀県が再稼働に当たって理解を求める「地元」ではないとの認識を示して済ますことができる、というわけだ。

2012年3月16日 (金)

SOPAが航空母艦だったとすれば、ACTAとTPPは原子力潜水艦

Martin Carstens: Staff reporter

2012年2月2日

SOPAは当面棚上げされており、法案は死んだという人もあるが、 警戒を続ける必要があろう。とはいえ、政府が貿易協定と称して、インターネットでの言論の自由とプライバシーを脅かす新法律を秘密裏に生み出す場合は、それも困難だ。

模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)を巡っては多くの議論がある。これは次ぎなるSOPAだと称する人々もいれば、それほど陰湿ではないと見るむきもある。反ACTA騒動の大半は、実際には、条約の初期草稿の解釈による波及効果だが、確かに懸念すべき重要な問題もある。

ACTAとは何か?

ACTAというのは、知的財産権侵害に対処するための国際的な計画だ。より具体的には、模倣品、ジェネリック医薬品や、我々ネチズンにとっては最も重要なのだが、インターネット上の著作権侵害等、に対処する、調印国の国内法による微調整を受ける、ガイドラインとなる。

アメリカにより貿易協定として意図されたこの条約は、昨年10月、オーストラリア、カナダ、日本、モロッコ、ニュージーランド、シンガポール、韓国とアメリカ合州国で調印された。今年1月、欧州連合とその22の加盟国も署名したので、調印国の総数は31にのぼる。残った加盟国(キプロス、エストニア、ドイツ、オランダとスロバキア)それぞれの国内での手続き完了次第、調印するものと期待されている。これは今年3月31日以前に行われる予定だ。6月には、最終的に、ACTAの運命を決定する、欧州議会での最終討論がある。

インターネットに影響するACTAの問題に焦点を当てたい。

ACTAの重要な問題点1 - ビッグ・ブラザー

27.3項は、加盟国に“業界内で、効果的に、商標権と著作権や、関連する権利侵害に対処することを推進する 正当な競争を維持しながら、言論の自由、公正なプロセスや、プライバシー等の基本原則を維持しつつ、参加国の法律と調和させる”様に要求している。

ISPに、ユーザーのあらゆる行動を監視することを強制するという主張にもかかわらず、27.3項が、オンライン・ポリシー上、実際に意味しているように見えるのは、著作権を侵害しているユーザーがいるISPに対するセーフハーバーを作る可能性だ。フランスのHADOPI法案、あるいは、アメリカのデジタルミレニアム著作権法(DMCA)における、セーフハーバー条項を想定頂きたい。

アルス・テクニカのティモシー・リーが指摘しているように、加盟国が対応が可能な、無難な、ネット以外での手法も用意されている。こうしたものの中には、著作権の励行に関する会議の開催、著作権や、著作権を尊重することを奨励する文書の各社への送付、または商標権侵害容疑に対する匿名電話回線の開設、等がある。

たとえそうであっても、現在まだそうした法律がない調印国、特に国民が物事に対して一切発言権がない場合に、この規定に対する抗議の可能性があることは容易にわかる。そこで、二番目の重要な問題が現われる。機密性だ。

ACTAの重要な問題点2 - 機密性

ACTAは、過去三年間、極秘裏に交渉されてきた。条約が洩れるまで、これについて誰も、何も知らなかった。航空母艦のように、誰でもそれがやってくるのが見えるSOPAとは違って、ACTAは、非民主的な手法で選ばれた代表達によって、公開された立法過程の外部で交渉された原子力潜水艦だ。一体どうしてそのようなことになったのだろう? ACTAは“行政協定”だということにされており、それにより、交渉担当者が通常の議会批准プロセスを省略することを可能になっている。実際、ACTAは、新たな管理機関を生み出し、世界貿易機関、世界知的所有権機関、あるいは国連等の既存の組織を無視するものだ。

条約が、自国で法律となるのか否かについて、国民には一切発言権はない。我々に見えない場所で、生み出され、調印されたのだ。ポーランド国民が政府がACTAに参加したのに気づいて、250,000人の市民が請願に署名し、何千人もが抗議行進した。

ある欧州議会議員は、検証プロセス丸ごと“見え透いたまねごと”だと結論して、条約を精査する報告者という役職を辞任してしまった。

ここに、透明性は存在していない。民主主義ではない。

もし、ACTAが国際法の拘束力を持った一部となれば、この秘密の立法手法が、未来の条約の前例となりかねない。

ACTAが存在する世界においては、“我々の側でなければ、我々の敵だ”という原理は、条約を採用しない諸国にも影響を与えかねない。調印を拒否する国々は、その国の知的財産保護対策が劣っているかのように見なされるという危険を冒す可能性がある。

太平洋横断戦略的経済連携協定(TPP)(日本政府・マスコミでは、「環太平洋」)

ACTA同様、TPPも、アメリカによって秘密裏に生み出され、ほぼ5年間、発展しつつある。およそ10カ月前に、デジタル鍵、ISPの法的責任と、ISP切断に係わる、アメリカのデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の規則を、調印した国々が採用することを認める条約草案が漏洩された。

またもや、条約に調印した国の国民の目には、この法律が到来するのが見えないのだ。ACTA同様、パブリック・コメントを得るために交渉者達が公開する頃には、ほとんど重要な変更は不可能だ。

結論

こうした新たに浮上する脅威を警戒し、透明性と民主主義の基本原則を主張しよう。我々全員に影響を与えるこれらの法律は、決して秘密交渉されるべきではない。秘密交渉された場合、疑念を生み出し、たとえ法律がそういうことを狙っていなくとも、憶測に油を注ぐことになる。あるEUのACTA交渉担当者が、在スウェーデン・アメリカ大使館職員に語った通り、“機密性の問題が、スウェーデンにおける交渉環境に対し、悪影響を及ぼした… 交渉にまつわる機密性が、制定過程全体の正当性が疑問視される結果を招いたのだ。”

記事原文のurl:memeburn.com/2012/02/if-sopa-was-an-aircraft-carrier-acta-and-tpp-are-nuclear-submarines/

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不都合なブログ、ウエブは切断するという対策を盛り込んだ条約が、いとも簡単に、知らないうちに成立している。人ごと、杞憂とは思えない。

おりしも、人気ブログ「ネットゲリラ」(http://shadow-city.blogzine.jp/net/)が、3月12日昼すぎから、アクセス不能という。

阿修羅という掲示板?も、数日前、全くアクセス不能状態だった。偽のトップ画面がでて、クリックすると、アメリカのわけのわからないサイトだった。閲覧者のドメインほか、皆、その、おかしなサイトに収集されただろう。

アメリカの外交、ジャパンハンドラー諸氏の行動、属国内で、従属一辺倒の政治家、高級官僚、御用学者、マスコミ等々の皆様の姿勢を問題だと批判する掲示板のアドレスが、comであることが、そもそも素人には非常に不思議に思える。

ともあれ『ミクロネシアの小さな島・ヤップより』の、これは偶然とは思えない…
という記事、お説の通り。
マスコミは痛くもかゆくもないので全く触れない。内心喜んでいるのかも?

政府は必ず嘘をつく-アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること」堤未果著を拝読した。素晴らしい本だ。当然ながら、あちこちのブログで絶賛。高価な本ではないので、是非購入されるようお勧めしたい。

個人的に不思議なことに(皆様にとっては、もちろん不思議でもなんでもない)まさに、その言葉が語られている彼の講演『ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語る』翻訳記事へのアクセス、増えていないようだ。
実はココログの当ブログ、3/12以降カウンター停止で、アクセスはわからない。

「ひとつだけ覚えておくように。政府は嘘をつくものです。」ハワード・ジンの講演の中に出てくるが、実は、ジャーナリスト、I・F・ストーンの言葉。
"Just remember two words: governments lie"
文字通り訳せば「単語を二つだけ覚えてください。政府というものは嘘をつく」ということだろうか?日本語では、単語二つではないので、「ひとつだけ」とした。

故加藤周一氏も、「夕陽妄語」でこの言葉を二度引用しているという。(連載も、単行本も読んでいるのに、恥ずかしながら、まるで記憶にない。)
I.F.ストーン「すべての政府は嘘をつく」

以前、当ブログ、二度、突然閉鎖されたことがある。理由のメールが送られてきたが、何が問題なのか全く意味がわからなかった。突然、閉鎖が解かれ、アクセスが可能になった。
ゴミのような当ブログでも、二度あることは、三度あるだろう。

こうした法律や、日本の情勢を考えれば、三度目は、閉鎖されたままになるかも知れない。万一ご興味ある記事がおありならば、突然の閉鎖に備えて、お手許に保存されるようお勧めしたい。

2012年3月12日 (月)

なぜアメリカ人は民主主義を獲得できないのだろう?

Paul Craig Roberts

2012年3月3日

シリアでは、アメリカ侵略前のイラク同様、政府は非宗教的だ。スンナ派とシーア派の分裂があるアラブ諸国では、非宗教的な政府が重要だ。非宗教的な政府が、分裂した国民がお互いに殺し合うのを防ぐのだ。

第二次世界大戦後にアメリカが設定したニュルンベルク基準のもとでは戦争犯罪にあたるアメリカ侵略が、サダム・フセインの非宗教的な政府を打倒すると、イラクのスンナ派とシーア派同士が戦うようになった。イラク人同士の内戦がアメリカ侵略を助けたのだ。それでも、十分な人数のスンナ派がイラクを占領するアメリカ人と戦うのに時間を割いているため、武力行使において、アメリカがいかに乱暴で、無差別であろうと、アメリカは決してバグダッドを占領することなどできない。ましてイラクをや。

アメリカ侵略の結果は、イラクにおける民主主義と女性の権利ではなく、まして始めから、武器査察官が完璧に明らかにしていた通り、存在していなかった大量破壊兵器の破壊でもない。結果は、スンナ派からシーア派への政治権力の移行だ。イスラムのシーア派版とは、イラン版ということだ。かくして、ワシントンの侵略は、非宗教的な政府から、イランと同盟するシーア派へとイラクにおける権力を移行させた。

現在ワシントンは、この愚行をシリアでも繰り返そうとしている。アメリカ国務長官、ヒラリー・クリントンによれば、ワシントンは、アサド政権を打倒するためなら、アルカイダと手を組むことさえ辞さない。今やワシントン自身がアルカイダと繋がっているということで、ワシントンの政府は、反テロ法規のもとで逮捕されるのだろうか?

アサドに対するワシントンの敵意は偽善だ。2月26日、シリア政府は、将来の大統領に任期を設定し、バース党が享受した政治的独占を無くすシリア新憲法の国民投票を実施した。

シリアの投票率は57.4%で、2008年オバマ当選時の投票率に匹敵する。(シリアで武装した西欧が支援する反乱があったにもかかわらず) 1972年から2004年までの九回の米大統領選挙より高い投票率だった。新シリア憲法は89.4%の得票で承認された。

だが、ワシントンは民主的な国民投票を非難し、シリアに民主主義をもたらすため、シリア政府は打倒されるべきだと主張している。

この地域におけるワシントンの同盟者達、サウジアラビアやカタールのような、国民から選出されたわけではない石油君主国は、自国内では決して認めようとはしていない民主主義を、シリアにもたらすために、反政府イスラム教徒に進んで兵器を提供するという声明を発表している。

ワシントンにとって“民主主義”は大量破壊兵器だ。ワシントンがある国に“民主主義”をもたらすというのは、リビアやイラクの様にその国を破壊することを意味する。民主主義を意味してはいない。リビアは大混乱し、実効的政府のない人権の悪夢状態だ。

ワシントンはヌリ・アル-マリキをイラク大統領に据えた。彼は選挙で敗北したのに権力の座に居すわっている。マリキは副大統領はテロリストだと宣言し、逮捕を命じ、スンナ派の政治家を逮捕するのに国家警察を使っている。シリアのアサドはイラクのマリキよりは民主的だ。

十年間、ワシントンは、そのむきだしの侵略戦争を“中東に民主主義と人権をもたらす”ものといつわり続けてきた。ワシントンは中東に民主主義をもたらしながら、アメリカでは民主主義を破壊している。ワシントンは中世の拷問地下牢や自己負罪を蘇らせた。ワシントンは適正手続きや人身保護令状を消滅させた。アメリカ国民が、裁判や、証拠の提示無しに、無期限に投獄されることを認める法律を、オバマの要請で、議会は圧倒的多数で可決した。令状無しの捜索やスパイ行為は、21世紀の変わり目には違法で違憲だったが、今や日常茶飯事だ。

万一、いかなる証拠を提示することなく、その人物が、アメリカ政府にとって脅威であると、行政府が判断すれば、いかなるアメリカ人でも、どこにいようと殺害する権利があると、オバマは主張している。そんな成文法はないのだが。アメリカ政府唯一の部門と益々化しつつある行政府の主観的意見を基に、アメリカ人の誰が、何処にいようと、殺害しうるのだ。他の“同格”二部門(訳者注:司法・立法)は“対テロ戦争”のもとでしぼんでしまった。

ワシントンは、一体なぜ、中東(サウジアラビア、バーレーン、カタールと首長国を除き)、アフリカ、イラン、アフガニスタン、ロシアや中国に民主主義をもたらそうと固く決意しながら、アメリカ国内では憲法で規定されている権利に強く反対するのだろう?

アメリカ人が18世紀にイギリス王ジョージ3世に対する革命を成功させて獲得した権利は、21世紀にブッシュ/オバマによって全て奪い去られた。これはニュースの話題になるはずだと思われる向きもあろうが、そうではない。

真理省が、それについて何か言ってくれるなどと期待してはならない。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムwww.paulcraigroberts.orgは世界中の支持者が読んでいる。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2012/03/02/why-cant-americans-have-democracy/

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真理省、御承知の通り、オーウェルの小説『1984年』に由来する。インチキ・プロパガンダを業務をする省。著者、マスコミのことを言っているのだろう。平和省は、もちろん国防省。

宗主国にして、この状態。まして、属国において、まともな状態であるわけがない。子は親の鏡。お笑いタレントが洗脳されているという愚劣な報道で、原発犯罪が放置されていることから、国民丸ごと洗脳する体制マスコミ。地震、津波、原発事故の被害者の方々がご苦労されていることを報じるのはもちろん仕事だろう。そうした災害を悪化させた、あるいは、原発をいまだに推進している責任を追求するのが、本来のジャーナリズムという仕事だろう。もちろん、

真理省が、それについて何か言ってくれるなどと期待してはならない。

カレル・ヴァン・ウォルフレン氏の新著『日本を追い込む5つの罠』に、簡潔でわかりやすいTPP解説があった。インチキ素人ブログ中の引用を読むだけでなく、是非とも、本をご購入の上、ご自分で内容を判断頂きたい。第四章に書かれた、沖縄米軍の実態も的確で、日本人の常識となるべき情報。

第一章 TPPの背後に潜む「権力」の素顔

ここであらためて強調しておきたいのは、TPPとは市場に関する協定などではない、ということだ。これは権力に関するとり決めなのである。さらにはきりと言うならば、TPPとは、おもにアメリカの巨大企業の権力についてのとり決めなのである。

TPPという構想の元は、

1995年、経済協力開発機構(OECD)の多国間投資協定(MAI=Multilateral Agreement on Investment)。

このMAIの目的は歴然としていた。経済協定という体裁をとってはいるが、その実、これを構想した人々が考えていたのは、以前、このような協定を通じて商人たちが獲得した

と同じ自由を、投資家たちにも与えることであった。そうなれば先進国の有力企業と開発途上国をも含む世界中の政府との関係は変化するだろう。

中略

MAIが頓挫したあと、WTOのドーハ・ラウンドに形を変えて浮上したが、これまた暗礁に乗り上げた。

そしていま、これはTPPとして復活したのである。

第四章 「国家」なき対米従属に苦しむ沖縄、169ページで、氏は、日本を保護国と呼んでいる。

2012/3/11、有楽町イトシア前広場『TPPを考える国民会議』演説会で、皆様、ウォルフレン氏と同趣旨の発言をされている。

  • ジェーン・ケルシー教授は「TPPAは、Taking Peoples Power Away(人々の権限を奪い去る)と言われている」と紹介された。(あちらでは、TPPではなく、TPPAという略語で呼ばれている。)更に、ニュージーランドもひどいことになるが、日本の場合は、もっとひどいと。なぜなら加盟国は、全てが決まった後に日本をいれろと言っている。つまり、日本の意見など、全く反映されないのですよ。政府が民主主義を守らないのであれば、政府を変えましょう、と。マオリの格言?で話を締められた。「絶対に戦い続ける!」というような趣旨だったが、全く未知な言語の原文、全く記憶できなかった。
  • ラッセル・ノーマン議員は「ニュージーランドの議員でありながら、何らTPPについての情報は知らされずにいる。TTPは、単なる貿易問題ではない。」
  • 韓国権永吉議員は米韓FTAの惨状を語り、米韓FTAとTPP断固反対を訴え、1%による、99%の搾取に反対するウォールストリート占拠運動にも触れられた。FTA参加で、韓国は良くなると与党は嘘宣伝をし続けた、と。
  • 首藤議員「26項目の中、貿易は2項目しかない」と。「理不尽な条約に反対して、世界の人々が集まっている。こういう、人々の連帯をこそ、我々は目指していた。」と。
  • ロリ・ワラック氏は、アメリカ国民も、秘密裏に進められたNAFTA(北米自由協定)で膨大な失業者を出し、賃金低下がおきるという深刻な影響を受けており、TPPには反対だ、と言われた。
  • ピーター・メバードック氏は、医薬品、医療が脅かされると警告。「父親が外交官だったので、世界中で暮らした。いつも父親の仕事を誇りに思っていた。しかし、いまこのTPP推進をしているアメリカ人外交官を恥ずかしく思う。」

TPP、加盟国の99%の人々を犠牲にして、ウォール・ストリート支配者達、アメリカ大企業の1%と属国におけるその子分の利益を極大化する仕組みだろう。

民主党元代表の被告、禁錮3年を求刑され、論告で「共謀の成立は明らか。刑事責任回避のために不合理な否認を繰り返した。規範意識が著しく鈍っていると言わざるを得ない」とされたそうだ。

すると、福島原発事故、そして、TPP加盟策謀で、民主党幹部全員が、虚偽報告・処理事件で、起訴され、被告となり、

終身刑を求刑され、論告で「共謀の成立は明らか。刑事責任回避のために不合理な否認を繰り返した。規範意識が著しく鈍っていると言わざるを得ない」とされるのだろうか。

TPP加盟が決まれば、売国奴諸氏は、罪を受けるどころか、地位を高め、更に美味しい生活を楽しむことになり、99%の一人、小生の人生、益々暗くなるだろう。

2012年3月 8日 (木)

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』: 何を考えて制作したのだろう?

wsws.org

Chris Marsden

2012年1月10日

監督:フィリダ・ロイド、脚本:アビ・モーガン

元イギリス首相マーガレット・サッチャーの栄枯盛衰のフィクション物語『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』は、少なくとも興味深かったはずで、重要な作品でさえありえたろう。メリル・ストリープの、サッチャーとしての実に素晴らしい演技を唯一の例外として、一体なぜ、これほどの甚だしい失敗に終わったのだろう?

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』

これは駄作だ。ストリープの中心となる演技と、それを支えるきら星のごときキャストの演技が無ければ、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』は、ホールマーク・チャンネルのテレビ映画に見られる感情への訴えかけと芸術的整合性の塊でおわったろう。

あるレベルで、そのような一連の救いようのないほど恥ずべき判断が、一体いかにして、制作の主導者、監督フィリダ・ロイドと、脚本家アビ・モーガンによって、なされたのか不可解に思える。

イギリス国内のみならず、国際的にも、劇的な社会的・政治的変化と、強烈な階級間の対立の時期と密接に関連した人物を主人公をにしておきながら、その全てを、ほとんど支離滅裂で、無批判的に提示される状況へとおとしめている。そして同じ様な手法で、かつての実力者が今や認知症に苦しむもろさと、サッチャーと、夫デニス(ジム・ブロードベント)との間の一連の想像上のやり取りのラブ・ストーリーという形に絞って提示される。

この仕組みは、サッチャーを人情味あふれる人物にするのに利用されている。フィリダ・ロイド監督が、ガーディアンに語っている通り、この映画は“喪失感、自我同一性、老年、忘却されることへの直面についてのものなのです。… 私たちの話なのです。我々の母親の話です。我々の父親の話です。そして我々の。私たちはどうなってゆくか。… 人々が、違った方向に投票するように要求しているわけではありません。人は死すべき運命にあることの思索に過ぎません。これは政策に対する寛容の願いです。偉大な人生の代償の思索です。”

もしそれが『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』が狙っていたことの全てであれば、実に浅薄な事だ。どのみち、サッチャーは人間で、人間の脆さをもっていることを我々は知っている。だが一体何故、元首相を、公人としての生活の詳細にのみ興味がある人物を、人間に共通する経験の化身として選んだのだろう?

彼女の政治的見解や政権での行動の描き方を含め、映画が概してサッチャーを共感して扱っていることで、事態はさらにひどくなる。“大きな困難を乗り越えて、権力の座についた強力な指導者で、他の連中が信念を失う中、立場を譲らず、世界的スーパースターとなり、そして、自らの傲慢さ、あるいは、彼らの見方によれば、取り巻く全員の裏切りによって、屈辱的な結末へと失墜した”と、ロイドはサッチャーをかなり称賛に満ちた言葉で表している。

自身がフェミニストであるロイドは、サッチャーの1979年選挙戦勝利に対する自分の反応は“そう! 彼女は初めてドアを入った女性だ。”と語っており、ちょっとしたフェミニストの偶像として、サッチャーを描いている。

モーガンの脚本は同様な情緒に基づいている。彼女はエンパイア誌に語っている“私の中の一部は彼女に敬服していて、私の一部は、彼女は幾つかの事を台無しにしたと考えています。… 悪いことをせずには、良いことはできないのです。”

更に、彼女はテレグラフに説明している、“フィリダには、マーガレットのものの見方で、物事を見ようという強い意思がありました。”

少なくとも、その点では映画は成功している。サッチャーは、大部分、彼女がそう自分を見たであろうように描かれている。無節操な妥協が基本方針という意気地のない男性連中で、全面を包囲されている強い信念の人物だ。

他の唯一実質的に優れた人物、デニス・サッチャーの表現として、ブロードベントが陽気な、扱いにくいじいさんを演じているのは、とりわけ馬鹿げている。夫サッチャーは、かなり恐ろしい人物で、億万長者の反共主義者で、南アフリカのアパルトヘイトの称賛者で、南ロンドン・ブリクストン地区の住民のことを“縮れ毛の黒人”と表現していた。この現実からして、彼を冷たく厳格なサッチャーのサッカリン、憎めない引き立て役に使っているのは、時に不愉快になるほどだ。

デニスはさておき、他の登場人物の大半は、美化された端役で、彼等と比較すれば、サッチャーがましに見えるようにするという唯一の明白な目的のため。実際、サッチャーは、右派の名目上のリーダーとして、保守党内で名をなしたのだ。彼女には、政策と方針を教示する後援者の同志がいたのだ。

とはいえ、映画制作者によって、彼女に何らかの影響を与えたとされるもう一人の人物はエアリー・ニーヴ(ニコラス・ファレル)で、この極右の人物は英雄の様に描かれている。サッチャーは、概して独立独歩の自然児女性、栄光の孤立の中で輝く星として描かれているが、なぜ、これほど明らかにあつれきをひき起こす人物が、保守党や支配層エリート全体によって、“社会主義の前線を撃退する”という連中の狙いを実現するため、指導者として選ばれたかということについての説明は皆無なままだ。

多少詳しく描かれる唯一の労働党の人物は、マイケル・フット(マイケル・ペニングトン)で、ある場面で、彼はサッチャーの逆行的な経済・社会政策を非難する。労働者階級の存在については、1984-1985年の炭鉱夫ストライキや反人頭税暴動の様な出来事を短く描き出す際、ロイドは、警官隊との様々な戦いのニュース画面に大半を依存している。

大いに注目されている唯一政治的な出来事は、フォークランド-マルヴィナス戦争だ。サッチャーについてのもっとも露骨なごまかしがここにある。ドイツ空軍がグランサム爆撃した当時は子供で、IRAの手によるテロの犠牲者として、彼女を描き出した後、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』新たなウインストン・チャーチルとしての、イギリス首相の別バージョンを我々に提示する。チリの独裁者アウグスト・ピノチェト将軍の崇拝者であることを隠さないサッチャーが、アルゼンチン軍事政権の“ファシスト”を打ち負かすという彼女の決意を熱烈に誓う様が見せられるのだ。1982年5月、イギリスが宣言した立入禁止区域外にいて、そこから離れ去るところだった巡洋艦ヘネラル・ベルグラノ撃沈で、323人のアルゼンチン人が死亡したことを、軍がサッチャーに、巡洋艦はすぐ引き返して、挟撃作戦を遂行しかねないと言って、映画の中では正当化されている。

後で、勝ち誇ったサッチャーが彼に、今やあら探しではなく、国家として結束すべき時だと語る際、フットは、唖然として、野党議員席に座っている。労働党と労働組合と、サッチャーの本当の関係、フォークランドの火遊びで、フットが彼女を支持したことには決して触れない。労働者階級に対する彼女の勝利は、主として警察の暴力や法的弾圧によったわけでなく、労働組合の裏切りと、フットの後継者ニール・キノックの下で、労働党が、サッチャーの自由市場経済教理を多少手加減した改変版を採用することによって得たものだ。

ロイドは、サッチャーの失脚とその後の運命を、リア王になぞらえている。彼女は最終的に、1990年11月、首相立候補から排除された際、傲慢さのあまり、ほとんど狂ったように描かれてさえいる。実際、サッチャーは、その頃までに、はなはだ不人気になっていたため、保守党は選挙での敗北を恐れていたのだ。彼女は親ヨーロッパ派の政敵からは狙われ、提案されていたヨーロッパ単一通貨に全面的に参加するか否かを巡って、徹底的に分裂した党内の多くの元同盟者達から見捨てられた。十年後、75歳で、サッチャーは、認知症の最初の兆しを表しはじめた。

このどれをとっても大きな悲劇ではない。サッチャーはリア王ではないのだ。彼女の子供、マークとキャロルは、ゴネリルとリーガンではなく、ついでに言えば、ジェフリー・ハウ副首相(アンソニー・ヘッド) もマイケル・ヘーゼルタイン国防相(リチャード・E・グラント)もそうではない。

そしてここに、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』の本質的欠陥がある。あらゆる脚本家も監督も、サッチャー時代を包括的にの政治表現するよう試みるべきだ。芸術家が、サッチャーを悪者扱いすることなど、必要でもなければ、望ましいことでもなく、監督と脚本家とがそういうことは避けたいと表明していたとおりになっている。とはいえ、真摯な表現は、少なくとも、正直な、首尾一貫したもので、感情的、心理的洞察を可能にするような、ある程度の歴史的事実に基づくべきだ。ところが、結果はどうだろう? 依然として贅沢な暮らしをし、雇い人達が仕えるサッチャー晩年の描写に、ストリープの多大な努力にもかかわらず、熱中させられることもなく、心を動かされることもない。

トニー・ブレアもゴードン・ブラウンも、サッチャーのことを鼓舞されるような人物だと語り、1997年の次期労働党政府の下でも衰えずに続いた、階級間の妥協と、階級対立に対する限定された社会改革に根ざす政策からの、支配階級の転換と、束縛を解かれた投機と、サッチャーとは、決して消し去れない関係にある。

最終的な結果は、歴史的に類がない、寡頭金融勢力の手中への社会的富の移動だった。

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』は、サッチャーの歴史的名声が依拠している、自由市場というインチキ処方によって促進された崩壊に対し、労働者につけを払わせるために、デービッド・キャメロンの保守党-自由民主党連立政権が、残酷な緊縮政策を押しつけている時期に、公開される。そうした条件の下で、彼女の生涯をテーマにするにあたって不偏不党の姿勢をとるというのは、とうてい芸術的選択たりえない。彼女の国葬を計画していて、非常に緊張した政治的・社会的環境の中で、彼女の遺産を詮索されることを嫌っている支配層エリートに広く納得してもらえる作品を作りたいという願いを示唆している。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2012/jan2012/iron-j10.shtml

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日本を原発密集地にしてくださった元祖、大宰相氏がメリル・ストリープと握手する写真を見て、以前の記事を思い出した。彼氏の政策、彼女の政策の日本版。

労働者階級に対する彼らの勝利は、主として警察の暴力や法的弾圧によったわけでなく、労働組合の裏切りと、後継者達の下で、エセ野党の成り上り与党が、彼等の自由市場経済教理を多少手加減した改変版を採用することによって得たものだ。

いつものことだが、体制側によるプロパガンダ映画、見る意欲も、時間も、気力もないので見ていないままのインチキ翻訳、お金を払って鑑賞される皆様のご参考になるかどうか定かではない。

同じメリル・ストリープ主演の映画として、今日本人が見るべき映画は、『シルクウッド』。原発の問題を調査していて、不審な交通事故死をとげた女性の物語。当然のことながら、宗主国ではDVDが購入できるが、ここでは購入不能。

DVDで購入可能な『チャイナ・シンドローム』にも、交通事故場面があらわれる。これも、日本人必見の映画だろう。

日本の労働組合のひどい裏切り、本澤二郎の「日本の風景」(1004)<労働貴族の死>に、まざまざと描かれている。

本澤二郎氏、身近で実態をご覧になった上で書いておられる。当ブログのような、メタボの歯ぎしりとは比較にならない迫力。

労働組合の裏切り、今もしっかり続き、原発推進・TPP加盟推進という、自由主義・市場主義教にもとづく、自滅・売国政策を推進している。

本澤二郎氏、大勲位氏についても触れておられる。

2008年06月10日 本澤二郎の政治評論「大勲位・中曽根康弘」:本澤二郎

上記記事のなかでは、原発事故を懸念しておられる。

2011年05月17日 本澤二郎の「日本の風景」(768)<「平成の妖怪」に原発反省ゼロ>

2011年11月14日 本澤二郎の「日本の風景」(919)<松下政経塾のTPP抱き合い心中>

2012年02月18日 本澤二郎の「日本の風景」(990)<橋下徹の真実>

2012年3月 5日 (月)

ロシア大統領選に先立ち、不正報道するアメリカ・マスコミ

不正マスコミ、これから行われる選挙を巡り、既に非難を開始。

Tony Cartalucci

Land Destroyer Report

2012年3月1日

(注:リンク先は原文通り、つまり英文)

リビアの場合のように、主権国家の本当の指導部が、アメリカが率いるNATO作戦によって殺害される前に、テロリスト集団を正統な国家政府と認めたのと同じ姿勢で、西欧マスコミは既に、ロシアの今回の大統領選挙を、選挙が実際に行われる前から"不正"だと非難している。先制攻撃的マスコミ報道を先導しているのは、フリーダム・ハウス理事長のデビッド・クレイマーと、フリーダム・ハウス副理事長のクリストファー・ウォーカーによる記事を目玉にした「外交政策」(FP)誌だ。

"クレムリンの大博打:ウラジーミル プーチンの偽りの民主主義、再度不正選挙を生き抜けるか?"という題のFP記事は、題名自体が既にして、世論調査で以前からプーチンが勝つだろうと圧倒的に見なされている選挙が"不正だ"とほのめかしている。この記事自体が、これから展開しようとしている出来事の結論を報じる"不正"報道だ。

一回目の"不正選挙"という呼びかけがされたのは、昨年12月、フリーダム・ハウスもその下部機構である、全米民主主義基金(NED)経由で、米国務省から資金援助を受けている "活動家達" によるものだったのだから、クレイマーの記事はとりわけ皮肉だ。

2011年12月の"アメリカ、ロシアの選挙に干渉している現場を目撃される"で、アメリカ全米民主主義基金 (NED)から資金援助されている「ゴラス」が、ロシアの大統領選挙を"不正なもの"として描き出そうという企みから、あらゆる西欧マスコミによって、主要な"監視団"として言及されていることに触れた。ゴラスが存在していられるのは、アメリカ政府のおかげであり、つまりは、長年、ロシアのウラジーミル・プーチンを権力の座から引きずり降ろそうと無駄な試みを続けているウオール街とロンドンの金融独占資本のおかげだ。

画像:NED公式ウェブ・サイトのスクリーンショットは、「ゴラス」を米国務省から資金提供を受けているNEDからの資金の受益者としてあげている。特にNEDの下部組織との、この明白な利益の衝突にもかかわらず、国際共和研究所の理事長ジョン・マケインは、"アラブの春"の動乱でロシアをあからさまに脅し、"ジャーナリスト"もフリーダム・ハウスも一様に、彼等のことを"独立した"選挙監視団として言及し続けている。(画像をクリックすると拡大する。)

....

クレイマーは彼の記事の中で、アメリカが資金提供しているNGOやら、"チェンジを求める要求の明らかな指標"だとして連中が支援している野党のわめき声に言及している。ゴラスは明らかに独立などしておらず、米国務省から資金援助を得ている代理人だという事実にもかかわらず、クレイマーは臆面もなく、「ゴラス」の名前をだして、彼等は"唯一独立したロシアの選挙監視組織"だと主張している 。

どうやら、これを指摘することで、それが"中傷キャンペーン"だとクレイマーは主張したいもののようだ。クレイマーは更に、"不正の証拠"により選挙結果は拒否され、アメリカがでっちあげた、あらゆる"アラブの春"にみられたと同様の不安定さが正当化される、という結論を出す前に、彼自身の組織の怪しげな政治的動機の事業を、ロシアがどれほど"非民主的"かという証拠だとして言及している。フリーダム・ハウスは、ニューヨーク・タイムズによってさえ、"アラブの春"動乱のスポンサーとして言及されていることは注目に値する。

また、そのような"不正の証拠"を考える場合、昨年12月、ロシアで騒乱をひき起こすのに、アメリカが資金援助する「ゴラス」が西欧マスコミと協力して用いられた類の、捏造された不正投票ビデオという主張を、既にロシア当局は調査中だ。FP記事で、西欧マスコミが既に、ロシアの選挙をどのように進展させるか決めていて、明らかにアメリカがたくらんでいる動乱を正当化する為、影響を受けやすい視聴者の心に口実を刷り込んでいることがわかる。

来る日曜の選挙中、西欧マスコミによって、まさに全く同じテーマが繰り返されるのを聞く際に、全米民主主義基金もフリーダム・ハウスも自分勝手なペテン師連中であると知った上で、フリーダム・ハウス理事長デビッド・クレイマーの言葉を忘れずにいることが重要だ。

記事原文のurl:landdestroyer.blogspot.com/2012/03/us-media-rigged-ahead-of-russian.html

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「ゴラス」、声、または投票、という意味のロシア語だという。

明日テレビ・新聞の海外ニュースを見聞きされる際には、どうぞ、この文を念頭に。

中野剛志・三橋貴明著『売国奴に告ぐ!』徳間書店刊の28ページで、中野氏は

日本の政党で怖いと思うのが「みんなの党」です。(中略)本当は相反するはずの政策をずらりと並べてみせる。

 この前講演で、「みんな間違いの党」と言ったら、すごくウケました。

といっておられる。

81ページには、

国民を欺く売国マスコミの大罪」という見出しがある。1400円。ご購入をお勧めする。

お二人の意見にうなづきながら読んだが、正常な血圧の小生も血圧がかなり上がった気がする。もちろん、お二人の意見にではなく、お二人が指摘する連中の売国奴ぶりで。

そして苫米地英人著『電通 洗脳広告代理店』という新刊、入手困難らしい。洗脳の専門家がこういう本を出すのは驚くべきことではないが、入手困難はなぜか?

あのネット書店、古本が新刊より高い。

たよりにしている別のネット書店では、現在入手不可。

本は買わずとも、書店を覗く頻度だけは多い小生も、この本、不思議なことにみかけた記憶がないのだ。

もっとも最寄りの書店、入り口一等地には従米本しか置かない。しかし、書店が従米イデオロギーを押しつけているのではなく、そういう本を求めるお客様が圧倒的に多いという日本文化の素直な反映かもしれない。

『電通 洗脳広告代理店』のスポンサー、本澤二郎の「日本の風景」(1002)<財閥・1%富豪>

 

福島原発事故の様子を前に、平然と真っ赤な嘘を騙る東大教授等の病理?を分析した『原発危機と「東大話法」傍観者の論理・欺瞞の言語』の安冨歩教授による『ハラスメントは連鎖する』光文社新書も示唆にとんでいる。なぜかこの本も入手困難。大変残念。とりあえず『生きる技法』で我慢いただくしかない?太字部分は小生による加工。

2007/4刊『ハラスメントは連鎖する』39-40ページの記述、小泉郵政改革の焼き直し、威信の怪市長を思い出した。都知事、名古屋市長や、テレビで『東大話法』を駆使する学者・政治家・評論家・タレント諸氏も。

 ミラーの描くところによれば、アドルフ・ヒトラーは父親の厳しい闇教育を受けており、しばしば鞭で殴打を受けた。ところがヒトラーは、その殴打を父とともに平然と数え上げて見せた、という自慢話をしている。これは、自分の受ける理不尽な取り扱いと、それが引き起こす苦痛という感情を、自ら否定する行為である。

 この恐るべき自己の感覚の否定により、ヒトラーは父への尊敬を維持することができた。同時に、父への憎悪を認識することができなくなった。ミラーはこの二重の激しい抑圧、すなわち父から受ける抑圧と、それに対する自分の感覚の抑圧によって、世界中を破壊してみせたようなヒトラーの激しい憎悪と、極度にハラスメント的な人格が形成されたと見ている。

ヒトラーは、自分に対する裏切りのもっとも極端な事例である。

 このような者は、自分の感覚をまったく信じなくなっており、それゆえ自分自身の意思決定を、近視眼的な利益や、他者との優劣によって迷うことなく行うことができる。

 また、自分自身の言っていることの一貫性の欠如をまったく感じないので、その場で都合のよい屁理屈を平気でふりまわすことができ、それに躊躇がない。それがゆえ、他人をハラスメントにかけて支配する達人になることがある。

 グリューンも、ミラーも、イルゴイエンヌも、このような人物は、他人の精神を支配するのが巧みであって、社会的に成功をおさめ、政治家・官僚・企業家・教育者・学者などとして高い地位につくことが多いとしている。チャールズ・ライト・ミルズが『パワー・エリート』で描いたような、権力を持つ人々の姿がその典型である。

2010年12月6日 講談社G2の記事と連続するだろう。

同和と橋下徹(大阪府知事)(森功)愛想を尽かした「親弁」
師事した弁護士と実母が語ったスター知事の“ルサンチマン”

冒頭部分は下記の通り。

「すべてを支配しているのは、ルサンチマンではないでしょうか。彼の行動をよく見ると、そう思えてなりません。とにかく複雑なんです」

かつて橋下徹が師事していた弁護士の樺島正法(68歳)は、そう分析する。橋下が司法修習を終え、弁護士登録する際に入ったのが、大阪の樺島法律事務所だ。当時の橋下は、軒を借りて活動をする居候弁護士で、斯界でいうところのイソ弁。親弁が樺島であり、人権派として知られる樺島法律事務所には、先輩弁護士である兄弁や姉弁などもいた。

広辞苑によれば、哲学者ニーチェが使った「ルサンチマン」は、「弱者が強者に対する憎悪や復讐心を鬱積させていること」とある。

『ハラスメントは連鎖する』64ページの

  • 「植民地というハラスメント」を読んで、常々感じている抑圧感は、
  • 「属国というハラスメント」なのだと納得した。今なら差し詰め、TPPハラスメント。

*植民地支配というハラスメント

 ハラスメントは家庭や職場に限られるものではない。社会全体にハラスメントの悪魔がとりつく場合もある。その典型的なケースは軍国主義や植民地支配といった問題である。 これらは、公的な権力によって社会全体がまるごと公式にハラスメントに掛けられるケースとみなすことができる。

そして、より具体的には、『ハラスメントは連鎖する』216-217ページ

日本で顕著に表れている症状は、ハラスメントを受けながらもその正体が見えづらいことにある。

 日本は少なくとも明治維新以降はイギリスの傀儡国家であり、最近はアメリカの言いなりであるとしばしば指摘される。より大きな枠組みでは西洋近代の価値観によって縛り付けられている。

 日本は制度としてはどこの国の植民地でもなく、宗主国は存在しない。しかし、姿なき植民者がいるという状態が、植民者の姿が見える場合よりもまずいこともある

 ハラスメントをしかけてくる存在がわかっているならば、押しつけられている劣等感がどのようなものかがわかるし、その劣等感に根拠がないこともわかる。

 ところがハラッサーがどこにいるのか見えづらい場合、劣等感の原因自体を発見することができないし、なまじ経済的に豊かだと自分たちが幸せだと思いこんでしまう

このような情況では、ハラッサーが見える場合に比べて呪縛されやすい

傀儡支配者が考え出した『秘密保全法案』なるものが、この国が属国である事実、放射性ゴミとウソにまみれた属国だという事実に触れる発言を未来永劫封殺するだろう。もちろん放射性ゴミは、法律で禁止して、無毒化するという手品など不可能だ。

2012年3月 2日 (金)

ポーランド政府、労働者階級への新たな攻撃を計画中

wsws.org

Christoph Dreier

2012年3月1日

欧州委員会によれば、ポーランド経済は2012年、欧州連合のどの加盟国より高い成長率2.5パーセントで成長する。失業と不完全就業が増大する中、ドナルド・トゥスクの市民プラットフォーム(PO=プラットフォルマ・オビヴァテルスカ)政権は、労働者に対する新たな攻撃を準備している。

これらの攻撃は、年金制度の差し迫った見直計画に重点を置いている。定年は、男性65歳、女性60歳から、全員67歳へと延長される予定だ。現行法の下では、仕事によっては、仕事がきついという理由で、早期退職が認められている。新法は、そうしたあらゆる法規を廃止し、一部の労働者の定年年齢を10年以上延長する。

この大規模な攻撃を説明する口実はポーランド国民の老齢化だ。しかし年金制度への資金流入が滞っている主因は、10パーセント以上もの失業率という理由による、若年労働者の西ヨーロッパへの大量脱出だ。

年金大幅削減の社会的影響は壊滅的だ。既に、55歳以上の人々の大多数が常勤職につくことができなくなっている。この層の人口のわずか36パーセントしか常勤職についていない。

この法律を導入するにあたって、ポーランド政府は欧州連合(EU)が構築したガイドラインに従っている。2011年2月、ユーロ圏諸国が合意した“競争力強化に向けた協定”は全ヨーロッパで67歳定年導入を要求している。トゥスクは2015年までにこの要求に応える予定だ。

今年早々、政府の医療“改革”が発効した。これで公共医療サービスと医療労働者の条件とが大規模に悪化することになろう。この法律は、地方自治体に不採算の病院を民営化するよう強いている。スタッフは、もはや公共の雇用法規によって守られず、雇用主は、賃金を引き下げ、労働時間を増やすが認められる。

更に、政府が多くの薬品に対する助成を削減したり、廃止したりしたため、多くのポーランド人は、もはや薬品も買えなくなっている。

これらの攻撃は、ポーランド経済が穏やかなペースで成長している状態の下で行われている。2000年以来、ポーランドの輸出は倍増した。昨年だけでも、2010年と比較して輸出は10.5パーセント増えた。輸出される商品の大半(1400億にのぼる)は未完成品で、西欧や、特にドイツ産業向けの主に部品や補給品ではあるが、成長水準は著しい。

ポーランド人労働者は、この経済の上向きを享受し損ねた。そうではなく、失業は上昇しており、益々多くの労働者が、一時的な仕事や不安定な仕事に頼るようになっている。1月、公式失業率(全ての求職者を含んではいない)は、0.7パーセント増え、13.3パーセントとなった。EC統計局によれば、国民の14.2パーセントが貧困線以下で暮している。これらの数値は、近年仕事を求めてポーランドを出国した約2百万人の労働者は統計に含まれていないという事実からして、一層並外れてたものだ。

ポーランドにおける貧困の残忍な実態は、寒さの為に亡くなる人々の月間統計に現われている。今年2月、警察は72件の凍死を報じているが、単純な対策で防げたはずの死亡だ。暖房装置の不良による一酸化炭素中毒で、更に23人が亡くなった。

同時に、金融エリートの富は急速に増大している。EC統計局によれば、ポーランドの社会的不公平はEU平均をはるかに越えている。クレディ・スイスのグローバル・ウェルス・レポートでは、2011年、ポーランドには48,000人の大富豪があげられている。Dデロイト・LLPの調査は、2020年までに、この数値は倍以上になると予想している。

ポーランドの状況は、ヨーロッパ中の労働者の社会的権利に対して行われている攻撃が、単純に経済状況によって影響されているものでないことを明らかにしている。経済成長をしている国にもかかわらず労働者は攻撃されているのだ。攻撃は、あらゆる国々の労働者の社会的権利を一掃するためのヨーロッパと国際資本による作戦の一環なのだ。

ポーランドの例は、こうした社会的権利を解体する上でEUの諸組織が果たした中心的な役割をも明らかにしている。かつて1990年代、EUは、EU加盟の条件として、ポーランドに様々な“構造改革”を実施するよう要求したが、そうした施策は広範囲にわたる窮乏をもたらした。

今やユーロ圏加盟で、全く同じプロセスが起きている。年金改革は、競争力強化に向けた協定と繋がっているが、他の削減や民営化は、財政赤字は国内総生産の3パーセントを越えてはならないという、ユーロ圏の安定基準に適合するために必要だとして正当化されている。ギリシャ、そのような“ショック療法”は景気低迷と労働者階級の大量窮乏化を招くだけだという良い見本だ。

ギリシャや他のヨーロッパ諸国同様、ポーランド国内でも抵抗は高まっている。およそ140万人のポーランド人が政府年金改革反対の請願に署名した。世論調査では、与党の市民プラットフォーム党の支持率は、一ヶ月の間に約9ポイントも低下し、わずか28パーセントだ。回答者の約77パーセントが政府に不満だ。

ポーランドでは、国中で何百万人もの若者が文化にアクセスするのを断ち切るであろう国際的な条約、模倣品・海賊版拡散防止条約 (ACTA)批准反対の大規模デモも起きている。

ようやく最近になって、PKP鉄道とTK テレコムの労働者が、もし政府が国有鉄道の民営化計画を進めれば、UEFA欧州選手権2012期間中にストライキをすると脅している。

大衆抵抗運動は、政府と緊密に協力している労働組合によって、押しとどめられている。彼等が労働者の戦いを組織的に妨害しているのだ。最近、ポーランド中央統計局は、2011年にポーランドでは、19,000人以下の労働者しか参加しておらず、わずか53件のストライキしか起きていなかったことを明らかにした。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2012/mar2012/pola-m01.shtml

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TPP加盟後の日本、ポーランドがうらやましく見えるような植民地になるだろう。

「アラブの春」なるものの行方、鳴り物入り大宣伝されたワレサ(ヴァウェンサ)『連帯』の結果として今あるポーランドの現状を見れば、想像できるだろう。

(2012/3/5追記:ポーランド鉄道大事故、下山、松川、三鷹事件を思い出すではないか?)

野田・谷垣密約連帯も、維新を騙る異神・カルト宗教連帯も、永久属国に通じる道でしかないこと誰にでも想像できるのではと思う。

安保条約、国鉄民営化、原発推進、小選挙区制、郵政改革、政権交替。

マスコミが大宣伝するもの、ほとんど必ず食わせもの。庶民にとって有り難いことを宣伝してくれたことがあっただろうか?1%のために、99%をたぶらかすのが仕事。

連中は今、原発再稼働と、TPP推進宣伝に忙しい。

原発については、民間事故調なるお手盛り組織がホラを吹いている。政府、関係官庁の対応が子供のサッカーだというが、東電自身を調査対象にしない報告書そのものが子供日記。

宗主国世界戦略大御所ブレジンスキー氏の新刊Strategic Vision、175ページに下記記述がある。TPP、やはり宗主国様のご意向、属国政治家にとっては規定路線なのだ。原文は英語。東大話法のバリエーション?自分たちがしかけているとは言わない。

アメリカが推すTPPへの加盟を強く促す優れた日本人諸氏が現われた。(中国の専門家達は、東アジア共同体に対する陰謀だと非難している。)

アフガニスタンで、反ソ連ゲリラ(ムジャヒディン)援助を推進したのはこの御仁。日本をアフリカに出兵させろというこの方のご指示のもと、日本からのソマリアへ向け出兵が行われたのは周知の通り。

ブレジンスキー氏の『セカンド・チャンス』邦題『ブッシュが壊したアメリカ』2007年9月徳間書店刊の帯には日本をNATOに組み込み、中国の独走をゆるすな!とある。日本のソマリア向け派兵、ブレジンスキー氏の弟子を自認する民主党長島昭久議員が率先して言い出したものだ。具体的内容は下記に書いた。

大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキ

また、ヌーベル・オブゼルバトゥールで、79年7月カーター大統領がムジャヒディン秘密援助命令に署名したのは、彼の意図によるものであることを、ブレジンスキー氏が得々と語っておられる様子は下記記事中で翻訳した。

アフガニスタンにおける女性の権利

宗主国は、ソ連を崩壊させた様に、中国を崩壊させようと狙っているのではと素人は思う。この属国は、もちろんその作戦で放射能汚染済み不沈空母役。

正体不明な組織や高級官僚氏らがTPP興国論を出版し始めた。出版社名を見れば読まずとも内容は想像可能。ユニークなヘアスタイルの伯母様が帯に載っている本もある。そういう本を買う金はない貧乏人の小生だが小林よしのり著『ゴーマニズム宣言SPECIAL反TPP論』は購入した。ベストセラーになることを願っている。

ニュージーランドのケルシー教授による興味深いTPP論文を翻訳された方がいる。必読文献。東アジア共同体に対する陰謀ではないという戦略大御所の主張より、対中国作戦のかなめだというケルシー教授文章の方が説得力がある。

米国の反中国戦略の要としてのTPP その1

米国の反中国戦略の要としてのTPP その2

米国の反中国戦略の要としてのTPP その3

まとめたPDFもあるようだ。

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