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2012年2月13日 (月)

イランは攻撃されるのか?

Paul Craig Roberts

2012年2月8日

"Information Clearing House"

ワシントンは対イラン軍事攻撃の為に、途方もない準備を整えた。戦力を対イランに配備するために、ワシントンは、二つの最も長い、続行中の戦争--イラクとアフガニスタン戦争を--中止したのだと憶測されている。NATOの戦艦と共に、ワシントンの二つの艦隊がペルシャ湾に配備された。ワシントンの石油産出首長国と、中東の傀儡諸国中に、ミサイルが展開されている。アメリカ軍はイスラエルとクウェートに配備されている。

ワシントンはイスラエルに、困窮したアメリカの納税者からの贈り物、高価なミサイル防衛システムを寄贈したが、何百万人もの支援を受けないアメリカ人が家を失っているさなか、イスラエルのためには金が費やされるのだ。イスラエルの対イラン攻撃への報復を除けば、イランがイスラエルを攻撃するなどとは誰も予想しておらず、ミサイル防衛システムの目的は、イスラエルの対イラン攻撃へのイラン反撃からイスラエルを守ることだ。

フアン・コールは、ブログに、イランを取り巻く44の米軍基地を示す地図を載せた。

大規模な軍事的な準備に加え、ワシントンの傀儡、イランのシャーがイラン革命で打倒された1979年以来、対イランプロパガンダ戦争は継続している。イランは包囲されているのだが、ワシントンとイスラエルのプロパガンダは、イランを、威嚇的な侵略国家として描き出している。実際は、イランを軍事攻撃で絶えず威嚇しているワシントンとテルアビブ政府こそ侵略国家なのだ。

デイビッド・ゴールドマンの類のネオコン戦争挑発者連中は、イラン大統領をヒトラーになぞらえ、彼を止められるのは戦争だけだと言っている。

ワシントンの軍幹部達は、イスラエルの対イラン攻撃行為は既にに決まったことだという印象を作り出している。2月2日、ワシントン・ポストは、イスラエルは二ヶ月から四ヶ月中にイランを攻撃する可能性があるとペンタゴンのレオン・パネッタ長官は考えていると報じた。

また2月2日には、ギャレス・ポーターが、米統合参謀本部議長、マーチン・デンプシー大将が、イスラエル政府に、ワシントンが攻撃に事前承認をしていない限り、アメリカは、イスラエルの対イラン攻撃に加わらないと伝えたと報じた。

ポーターは、デンプシーの警告は、イランとの地域的紛争にワシントンを巻き込むことになる攻撃を阻止するための、オバマ大統領の断固とした動きだと解釈している。デンプシーの警告の別解釈は、世論調査で、彼が大統領選挙で負けそうなことがわかるまで、オバマはイラン攻撃を遅らせたいのだというものだ。愛国的な有権者は、戦争中の大統領を追い出さないのが通例だから。

2月5日、オバマ大統領は、自分はイスラエル政府と“足並みを揃えている”と宣言して、イスラエルに対するデンプシーの警告を取り消した。自らNBCに“彼ら[イラン]が、そういう意図[対アメリカ攻撃]や能力を持っているという証拠は見ていない”と語った事実にもかかわらず、オバマはイスラエルと足並みを揃えている。イスラエルと足並みを揃えると同時に“外交的解決”を主張して、オバマはイスラエル・ロビーと共和党の反戦集団の両方をなだめ、得票を増やしたのだ。

私が以前に書いたように、ロシアが、3月の選挙のおかげで、混乱状態になっている可能性が高いので、今春がイラン攻撃には絶好の時期だ。ロシアの反プーチン派は、ワシントンから資金を提供されており、ワシントンの声明、特にヒラリー・クリントン国務長官による声明で勇気づけられている。プーチンが勝利しようが、あるいは、はっきりしない結果となって、決選投票になろうが、ワシントンの金が、イランで大統領選挙に抗議をする“緑の革命”を生み出したのと同様、ワシントンの金が、何万人ものロシア人を街頭に繰り出させるだろう。

2月4日、元左翼のイギリス新聞ガーディアンが、モスクワでの、120,000人の反プーチン抗議デモ参加者達が行進し、“公正な選挙”を要求した選挙前の抗議行動を報じた。 言い換えれば、3月にプーチンが勝利すれば、それは不正選挙を示すものでしかないと、手先連中に主張させる用意が、既にワシントンにはできている。オバマにとっての問題は、この春では、自分の再選が共和党候補者によって、脅かされているのかどうかを見極めるには早すぎることだ。時期尚早に戦争を始めるのは、特にもしその結果、石油価格が法外に高騰すれば、再選の助けにはならない。

世界中の人々が、自らの国の忠実な国民ではなく、ワシントンの傀儡に進んでなろうとすることが、なぜ現代、西欧が世界を支配できているのかという理由だ。自国の権益に対する忠誠の為に働くより、むしろワシントンの金を好む外国の指導者連中は無限に現われるもののようだ。

カール・マルクスが言ったように、金はあらゆるものを、買ったり、売ったりできる商品に変える。他のあらゆる価値は金に敗北してしまう。名誉、品格、真実、正義、忠誠、親族さえも。汚らわしい金銭以外、何も残らない。金は確かに、イギリスのトニー・ブレア首相を政治商品に変えた。

私は大昔に、金の力を痛感した。私の博士号論文の指導教官が、ニクソン政権の国際安全保障問題担当国防次官補になってしまったのだ。援助計画を運営するため、ベトナム行ってみないかと、彼は私に聞いた。通常、援助計画の狙いを挫折させる腐敗に、耐える気骨が、私にはあると思ってくれたことを嬉しくは思ったが、その仕事は断った。

あれは一生忘れられない会話だった。ウォーレン・ナッターは、知的な清廉潔白の士だった。戦争が必要であるか否かとは無関係に、我々はごまかしによって戦争に引き込まれたのだと彼は考えていた。彼は、民主主義は欺瞞とは共存できないと考えており、アメリカ国民に対して正直でない政府幹部には反対だった。ナッターの立場は、民主的政府は、策略でなく、説得に依拠すべきであるというものだった。そうでなければ、結果は民主的ではなくなるのだ。

ナッターが理解していた通り、アメリカは戦争中で、南ベトナム人を巻き込んでいた。したがって、アメリカには彼らに対する義務があったのだ。もし我々が無責任であることが証明されてしまえば、結果的に、アメリカは、ソ連帝国を封じこめるよう努力すると、他の国々にした約束を損なうことになる。ソ連は、“テロの脅威”と違って、本当の脅威となる可能性があったのだ。ソ連崩壊後に成人した人々は冷戦時代を理解できまい。

会話の中で、一体どのようにして、ワシントンは、これほど多くの他国政府を、アメリカの命令通りにさせているのかと、私は聞いた。彼は答えた。“金だ。”

私は尋ねた。“対外援助のことですか?”

彼は答えた。“いや、金袋だ。指導者達を抱き込むのだ。”

彼はそれに賛成ではなかったが、それについては何もできなかった。

敵国の指導部、あるいは潜在的な脅威を、金で抱き込むのがローマの手口だった。ティモシー・H・パーソンズは、彼の著書『帝国のルール』で、ローマ人を“ソフト・パワーの非常に巧みな実践家”と表現している。ローマは、ローマが征服し、潜在的に敵意を抱く可能性がある連中を、“元老院が‘ローマ国民の友人たち’と遠回しな言い方をしていた、半自治的な隷属した王達によって支配するのを好んでいた。ローマ人は、貨幣や財を直接支払って、協調的な専制君主が政権を維持するのを手助けした。これらの報酬金を受け取ることは、同盟者が帝国当局に服従したことを意味し、自分たちの意思に対する、いかなる反抗も、ローマ人はあからさまな反乱と受け止めた。彼らは現地の継承紛争にも自在に介入し、不適任な子分の首をすげかえた”。

これがワシントン流の支配方法だ。ワシントンが他の国々を支配する方法こそ、なぜ“エジプトの春”など存在せず、ワシントンが切り捨てた傀儡ホスニ・ムバラクの代わりの軍事独裁なのか、なぜヨーロッパの傀儡諸国が、中東、北アフリカや中央アジアで、ワシントンの覇権戦争を戦っている理由なのだ。

ワシントンの全米民主主義基金が、よその国々の内政に干渉する非政府組織(NGO)に資金を提供している。ワシントンが、バルト海諸国や東欧諸国と共に、旧ソ連の共和国グルジアをワシントン帝国に加えることができたのは、NGOによる工作のおかげなのだ。

多数のロシア人が、ソ連という過去への敵意持っているがゆえに、ロシアはワシントンの策謀にはまりやすいのだ。

ドルが支配する限りは、ワシントンの権力が支配する。

ローマがデナリウス銀貨を鉛に改鋳するにつれ、ローマが従順さを購入する力も衰退した。もし“ヘリコプター・ベン”バーナンキが、ドル購買力をふくらませて破裂させれば、ワシントンの権力も共に溶け去るだろう。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムwww.paulcraigroberts.orgは世界中の支持者が読んでいる。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article30477.htm

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異神の怪政治家、傀儡の正体を表した。参院廃止。憲法の破壊も、 二分の一で可能にする。走狗そのもの。TPP推進派でもあるという。坂本龍馬、武器商人グラバーの使い走りではないかと疑念をもっていたが、少なくとも平成の龍馬?は正真正銘、武器商人、ジャパン・ハンドラーの使い走り。線虫八策。馳せ参じる皆様3000人を越えるという。「ハーメルンの笛吹男」を思い出す。

「冷温停止」という真っ赤な嘘をついておいて、温度が上がると、温度計が異常ということにする。そうであって欲しいが、これまで政府、官僚、東電、学者、マスコミが築き上げた、壮大な嘘の山を考えると、素直に信じられまい。

次々低劣な嘘を考え出す政治家、高級官僚、電力会社、原発製造メーカー、御用学者、マスコミ、つまり支配層総体が異常だろう。嘘は自由につけるし、日本人は容易にだませるが、放射能は自由に制御できない。今の支配層の滅亡後もしっかり残る。

大飯、安全評価妥当の審査書公表。安全、安全と主張し続け、福島事故をおこした当事者達が、合格するに決まっているインチキ・テストを実施し、「安全です」という茶番。そういうインチキ基準で、運用した結果が、福島事故、もんじゅ事故、六ヶ所村再処理工場のフン詰まり状態だろう。

罪深い与太話を信じる人々、今の日本におられるのだろうか?根っこまでは崩壊していないのだろうか?言っている本人、信じているのだろうか?言っているうち、やがて自らも信じる原子力村話法?いや東電話法?

『検証福島原発事故記者会見』、恥ずかしながら未読。

ところで、Information Clearing Houseの元記事には、読者thirdworlder氏コメントがある。


PCR氏よ、金だけではなかったろう。あえて帝国主義者に挑戦した世界中の指導者達の露骨な暗殺が常にあるではないか。チェ・ゲバラ、パトリス・ルムンバ、サデム・フセイン、ムアンマル・カダフィ,..等々。そして、600回を越える、カストロ暗殺の試みも。
以下略。

基地撤去を主張したホンジュラス・セラヤ大統領、ホンジュラス軍に拉致、国外追放された。ホンジュラス軍幹部もちろん「アメリカ陸軍米州学校 US Army School of the Americas」卒業生。属国の傀儡政治家同様、属国の軍は米国の権益を守るためにある。

セラヤ拉致のニュース、日本が独立国になることを願う商業マスコミがあれば連日キャンペーンをしていたろう。不都合な真実は全く報道されていない。そこで、関連記事翻訳の中から、一例をあげておく。

普天間では、基地撤去を主張した候補者、拉致はされなかった。僅差で傀儡派に負けた。そういうものだ。

ティモシー・H・パーソンズの著書『帝国のルール』、主語を変え、時制を現在形にすれば、そのままこの国の説明。

アメリカは、アメリカが征服し、潜在的に敵意を抱く可能性がある連中を、“議会が‘アメリカ国民の友人たち’と遠回しな言い方をしている、半自治的な隷属した首長達によって支配するのを好んでいる。アメリカは、貨幣や財を直接支払って、協調的な首長が政権を維持するのを手助けしている。これらの報酬金を受け取ることは、同盟者が帝国当局に服従したことを意味し、自分たちの意思に対する、いかなる反抗も、アメリカはあからさまな反乱と受け止める。彼らは現地の継承紛争にも自在に介入し、不適任な子分の首をすげかえている”。

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コメント

Thomas Sankaraも…

宜野湾市長選挙は、学会員が沢山飛行機に乗って沖縄に上陸、応援活動をしていました。容認派を応援する学会員の数は、前の選挙の比ではありませんでした。期日前投票への動員も凄かった。会社でマイクロバスを出し、投票に行かせるのも多かった。本当にクリーンな選挙が日本で行われる日が来るのか。

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