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2012年1月28日 (土)

オンライン海賊行為防止法SOPAと知的財産保護法PIPAとインターネットの自由

wsws.org

2012年1月19日

水曜日、何百万人もの人々が、現在アメリカ議会が検討中の二つのインターネット検閲法案に対するオンライン請願に署名した。この請願は、抗議の為に、当日サイトを閉鎖したWikipediaやReddit等も含む、何千ものウェブ・サイトによる要請に突き動かされていた。

この抗議行動と請願は、アメリカ下院でのオンライン海賊行為防止法案(SOPA)と、上院では、その対となる、知的財産保護法案(PIPA)への反対を狙ったものだ。

法案の直接の対象は、知的財産法の違反者となる予定で、両法案は、映画や音楽制作者達が強力に支援してきた。だが、これらの法律の背後にあるより根本的な原動力は、インターネットを規制する、アメリカ政府の権力を大幅に拡大するための、法的、技術的仕組みを作りたいという、アメリカ支配階級の念願なのだ。

両法案が万一成立した場合の、究極的な形は、まだ定かではないとは言え、SOPAもPIPAも、アメリカの検事総長に、該当ドメインへのアクセスを事実上停止させることができる裁判所命令を要求する権限を与えるのだ。検索エンジンや他のウェブ・サイトは、問題になっているサイトへのリンクを削除するよう要求され、ペイパルの様な企業は、融資を打ち切ることになろう。標的とされたウェブ・サイトは、事実上、抗議をする基盤を失うのだ。つまり、そうしたサイトは、いかなる適正手続きも無しに、基本的な言論の自由の権利を否定されてしまうことになる。

両法案の現状のままの形に反対して結集したグーグル、フェースブック、ツィッター等の数十億ドルのハイテク企業を含め、企業にとって非常に大きな利害関係があるのだ。

多くの大企業は、議会への書簡で、“‘ならずもの’ウェブ・サイトと戦う為の、更なる執行手段をもたらすという、両法案が言明している狙い”は支持すると強調している。ただし彼らは、“草案のままの法案では、アメリカの法律を順守するインターネット・ハイテク企業を、新たな、不明確な法的責任や、私的な救済請求権や、ウェブ・サイトの監視を必要とするような技術指令にさらすことになる。”と言い添えている。

多数の上院議員、主に共和党議員は、水曜日、それまで示していた法案支持を公的に撤回し、この行動に応えた。上院で1月24日に予定されていた投票は、法案に対する大企業からの批判の一部をなだめるための妥協を考え出す試みのため延期される可能性がある。

SOPAとPIPAの起草は、完全に超党派的な業務だ。民主党の支配下にある上院で、民主党上院議員パトリック・リーヒがPIPAを提案し、上院多数党院内総務のハリー・リードが法案への投票を引き延ばすことに反対するキャンペーンを行った。

一方、オバマ政権としては、インターネットの自由の支持者であるがごとき姿勢をとってはいるものの、今週、“今年は、アメリカの国境外に由来する、インターネット上での著作権侵害行為と戦うための新たな法的ツールを、検察官や権利者に提供する健全な法案を成立させる”と明言して、SOPAとPIPAの基本条項の支持を再確認した。

当面の結果はどうであれ、アメリカの支配階級は、開かれたコミュニケーションと、オンラインでの情報拡散を、深刻な脅威と見なしており、インターネットに対する、より強力な支配力を確立することに専心している。

両法案の最も重要な要素の一つに、著作権違反の容疑者に対するサービスを、自発的に停止したウェブ-ホスティング企業や、金融取引サービス企業や、他企業への法的な免責がある。

これは要するに、昨年、WikiLeaksがアメリカの戦争犯罪を暴露する機密書類を公開した後に、WikiLeaksに対して開始されたキャンペーンの法典化にほかならない。オバマ政権の圧力の下、アマゾンとペイパルは、内部告発サイトに対するサービスを自主的に停止した。これはその創設者ジュリアン・アサンジへの迫害と、ブラッドリー・マニングの軍事訴追も含む、政府の対WikiLeaksキャンペーンの一環だった。

昨年、インターネット利用を妨害することを狙った、政府による多数の行動がおこなわれ、大衆の抗議運動に油を注いだ。エジプトで、1月、アメリカが支援していたホスニ・ムバラクは、権力の座から陥落する直前、インターネットへのあらゆるアクセスを停止するという前例のない対策を講じた。同じ月、チュニジア政府は、フェースブックや、他のソーシャル・ネットワーキング・サイトを遮断する手段を講じた。一方、アメリカ政府は、国民をスパイするのに、インターネットを積極的に活用している。

インターネットの自由に対する脅威は、社会的抗議運動の増大に対応して強化された、アメリカの民主的な諸権利に対する広範な攻撃の一環なのだ。これは結果的に、昨年末、アメリカ国民でも、外国人でも同様に、告訴や裁判無しの、無期限の軍事拘留することを公式に承認する国防権限法(NDAA)へのオバマ政権による署名に至った。

Wikipediaや他のサイトは水曜日に閉鎖し、地元出身の議員に、二つの法案には反対するようと促す手紙を書くよう、読者に勧めた。しかしながら、インターネットの自由は、民主的な諸権利の類と同様、二大企業政党や、二大政党を支配する大企業に訴えることによって確保されることはありえない。自由の確保は、労働者階級の、独立した政治動員にかかっている。

WikiLeaksに対する攻撃と、SOPAとPIPAを巡る議論は、政府と密接に協力している極めて少数の大企業の、今のインターネットの大部分に対する役割が、支配的で、しかも増大しつつあるのを浮き彫りにした。この事実は、インターネットの自由に対し、途方もないリスクをもたらす。極めて重要な社会的インフラであるインターネットは、主要企業の手にゆだねられてはならない。こうした資源は、私利でなく、社会の需要にとっての利益のため、国有化され、民主的管理のもとにおかれるべきだ。

Andre Damon

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2012/jan2012/pers-j19.shtml

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海賊で連想するのが、ソマリアで人質になっていた人々を、米軍のシールズが解放したという『朗報』。

オバマの一般教書演説で、わざわざ「シールズ賛美」をしていることに、非常に奇異な感じ(もちろん、ビン・ラディン殺害とされる事件での活躍を称賛しているわけだが)を覚えたが、要するに選挙キャンペーンの一環で、伏線をはっていたのだ、と今になって納得。

「インターネットの新しいツール、フェースブックやツィッターの類によって『アラブの春』が起き、以後、中東の人々は幸せにくらしましたとさ。」というお話、エジプト政権転覆から一年過ぎた今、眉唾ものということは、普通に考えればわかるだろう。

フェースブックやツィッターの類、アメリカが周到に用意したものだという記事をいくつか翻訳し、それを扱った本もご紹介したが、さすが、元外交官原田武夫氏による最近の本『最もリアルなアメリカ入門』には書いてある。残念なことに、メタボ・オヤジの妄想ではなさそう。

原田氏、この本の前に、『アメリカ秘密公電漏洩事件 ウィキリークスという対日最終戦争』という、興味深い本を出しておられる。いつもの通り、不思議なことに、マスコミ書評の対象にはならず、ベスト・セラーにもなっていない。

元外交官の孫崎享氏と原田武夫氏、良い本を書かれ、講演もしておられるが、「マスコミ」に登場されることはまずない。

田中宇氏の2012年1月25日記事は必読。

米ネット著作権法の阻止とメディアの主役交代   

ところで、テレビで国会雛壇にずらり居並ぶ幹部の皆様を拝見する際、頭の中で、獄門さらし首というのだろうか、あのイメージに置き換えている。というよりも、テレビにでてているほとんど全ての皆様を、頭の中では、そのイメージに置き換えようと務めている。そうでなければ、耐えられないではないか?傀儡犯罪人連中に支配されるメタボとしては。

記事に戻ろう。こういう話題、当然マスコミはとりあげない。宗主国支配層も、属国支配層も同じことを狙っているのだ。

宗主国でも、属国でも、忠実な太鼓持ちであるマスコミによる「インチキ言説」を、ネット上の雑魚がしつこく批判するのは、大きな影響力などないにせよ、権力には目障りだろう。

そうした雑魚連中を叩き潰す手段が何としても欲しい大企業・権力者の意を汲んで、マスコミは、こうした法案、推進活動こそするだろうが、問題点を指摘するはずがない。

余談ながら、アメリカ体験も長い友人から聞いた言葉「日本は金魚のフン」、座布団百枚に値すると思う。「宗主国金魚と属国金魚」という、同じでありな がら、大きいものと、小さいものという対比ではないのだ。実態は「金魚とフン」なのだ。フンに主体性は皆無。意思などあってはならない。ただユラリ、ユラリついてゆくだけの運命なのだ。

豪腕政治家氏の資金問題はうるさく批判するが、自分たちも全力を尽くして推進した、彼最大の政治的功績(庶民にとって大災厄)、小選挙区制と政党助成金は一切批判しない。

今回の民主党による比例代表80議席削減提案でも、自民、民主、財界あげての洗脳キャンペーン・太鼓持ちマスコミ、議席削減はもちろん、決して二大政党の虚妄は論じない。大阪や東京の自治体政治家が新党を作るというが、これも、本質的には、二大政党の枠内、属国の枠内、コップの中の目くらまし。本質的な批判勢力・運動に、人々の目がむかないようにするしかけに過ぎない。

詐欺・犯罪人・偽善者が支配する日本、法治国家でなく、放置国家いや痴呆国家

「隗より始めよ」で、消費税増税の前に、自らの身を切るなどと、とぼけたことを民主党幹事長代行は言っている。

本気なら、小選挙区制度政党助成金を撤廃するが良い。比例代表80議席削減案、自らの身でなく、「絶滅危惧種」野党の身を切り、「絶滅種」に変えることが狙いに決まっている。

小選挙区制導入キャンペーン、今思い出しても腹が立つ。テレビ報道番組の人気キャスターで、当時『小選挙区制導入』に真っ向から反対した人物、記憶にない。

社会党の裏切りで小選挙区制導入が決定した時、「ニホンは終わった」と確信した。小選挙区制度は、弱小野党を切り捨て、二大政党を実現しやすく、そうなれば、永久属国が完成し、宗主国にとって邪魔な9条も簡単に廃棄できるのだから。

不幸にして、これもメタボ・オヤジ(当時はメタボでなかったし、メタボの概念もなかった)の妄想ではなさそうだ。そこで、しつこく、いい加減なメタボ・オヤジの法則:

  • マスコミがこぞって言い立てることは、ことごとく庶民にとって有害だ。
  • マスコミが決して触れようとはしないことこそ、庶民にとって重要だ。

「喉が乾いたら、水を呑め」やら、「寒ければ、暖かくしろ」といった、誰でもわかる当たり前のことは、大金や時間をかけて宣伝・洗脳する意味が無いので、マスコミは言わない。王様は裸だとは、マスコミは言わない。「王様は裸」の童話、実に至言だと、今にして思う。

本来必要のない嘘情報を流すことこそが、マスコミの仕事のように見える。

  • 郵政民営化
  • 基地強化(宗主国が財政難で予算を削減すれば、自動的に属国負担になる)
  • 安保条約(日米同盟という呼び方に変えて誤魔化している)
  • 壊憲
  • 原発推進
  • 八ッ場ダム
  • 消費税増税
  • TPP

等々、百害あって一利ない物事を、こぞって言い立て、教化するのがマスコミの本業。

(ただし、『プロメテウスの罠』と『原発とメディア・容認の内実』は読んでいる。)

『原発とメディア・容認の内実』、際どい話題・原発を扱う際の編集権の話など、実に興味深い。つまり会社が「賛成」と決めているテーマについて、「反対」する内容の記事をかけば、その記事はボツになり、記者は冷遇される可能性が高いことが書いてある。今もしっかり原発を推進している有名記者についての記事も多い。

  • 『ストレステストとメディア・容認の内実』
  • 『IAEAとメディア・容認の内実』
  • 『小選挙区制とメディア・容認の内実』
  • 『基地問題とメディア・容認の内実』
  • 『安保条約とメディア・容認の内実』
  • 『消費税増税とメディア・容認の内実』
  • 『TPPとメディア・容認の内実』

等のテーマでも、是非書いて頂きたいものだ。

ナレーションは英語だが、『洗脳: 大量説得兵器』という短いビデオがある。ごく少数の大企業が掌握するテレビは、『洗脳: 大量説得兵器』。アメリカ人は平均して、一日四時間テレビを見ているという。見れば洗脳される。見るのはやめよう、と訴えかけている。

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昨今、新聞などを賑わせている大学の秋入学の件も、誰が得をするのでしょうか?単純に秋へ移行しても、それをもって学生がグローバル化や国際化する事はない。これは外国から日本の大学へ留学しやすくなる事で、優秀な学生を獲得、少子化での大学閉鎖を回避するための方策ではないか?それともスパイ的な人物を送り込み易くする(まあ、現状でもスパイし放題な気はしますがね)?
大多数の日本人には関係ないはず。ただ、大学サイドから言い出して、政府も賛成というマッチポンプぶりをみるに、国民を欺く何かを隠している?と勘ぐりたくはなる。

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とうとう弥生3月がめぐってきた。 暦に合わせたかのように、今日はすっかり春めいて暖かくなり。 2月24日に初音を告げて以来鳴りを潜めていた鶯が、再び鳴き声を聞かせてくれるようになっている。 昨年...... [続きを読む]

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