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2011年12月

2011年12月31日 (土)

ウオール街占拠運動と"アメリカの秋":これは"カラー革命だろうか"?第一部

Michel Chossudovsky

Global Research

2011年10月13日

アメリカ中で、社会変化の必要性を感じて、流れを逆転させようと固く決意している、あらゆる階層の人々、あらゆる年齢集団を含む、草の根の抗議運動が広がっている。

この運動の基盤は、アメリカ中で、失業と貧困をひき起こした、金融詐欺と相場操作という"ウオール街の企み"に対する対応なのだ。

この運動は、今のままの形で、アメリカにおける、意味のある改革や社会変化の手段になるのだろうか?

運動の組織構造はどの様なものなのだろう? 一体誰が主な事業計画立案者なのだろう?

運動、あるいは、この運動内部の一部は、体制にとりこまれているのだろうか?

これは、ウオール街占拠運動に参加している人々や、アメリカ中で、本当の民主主義を支持している人々が取り組むべき重要な疑問だ。

まえがき

歴史的に、進歩的な社会運動には、スパイが潜入し、非政府組織、労働組合や政党に対する、大企業による資金援助によって、その指導者達は取り込まれ、操られてきた。"反対派に資金提供をする"究極的な目的は、抗議運動が、経済エリートの正統性に異義申し立てをするのを防ぐことにある。

"極めて皮肉なことに、近年のウオール街の詐欺的な財務利益の一部は、エリートの財団や慈善団体の税金控除用に、再利用されている。こうした棚ぼた式に手に入れた財務利益は、政治家を抱きこむためのみならず、NGO、研究所、コミュニティ・センター、教会のグループ、環境保護主義者、非主流派メディア、人権団体等々にも注ぎ込まれている。

隠された狙いは、"反対派をでっちあげ"て、"政治的に正しい"反対派の限界を設定することだ。そこで、多くのNGOに、西欧諜報機関のために働く密告者が潜入する。しかも、インターネット上の進歩的な非主流派ニュース・メディアの、益々大きな部分が、大企業の財団や義援金に左右されるようになっている。

"大企業エリートの狙いは、大衆運動を、巨大な"自分でやろう主義"のモザイクに分断化することだ。" (ミシェル・チョスドフスキー"(抄訳版翻訳:反対派をでっちあげる": 大企業が資金援助する抗議運動、英語原文はこちら。Global Research、2010年9月20日を参照)

"マニュファクチャリング・コンセント(反対派をでっちあげる)"

同時に、"反対派をでっちあげる"ことは、政治的・社会的分裂(例えば、政党や社会運動内部、および諸政党、運動の間での)を促進することも狙っているのだ。更には、各組織内部で、分派創出を奨励するのだ。

反グローバル化運動に関しても、この分断と断片化の手口は、世界社会フォーラムの初期の時代にまで、さかのぼるものだ。(ミシェル・チョスドフスキー、"(抄訳版翻訳:反対派をでっちあげる": 大企業が資金援助する抗議運動、英語原文はこちら。Global Research、2010年9月20日を参照)

ヨーロッパ"左翼" を含めた、第二次世界大戦後時期の大半の進歩派組織は、過去30年間、変質させられ、再成形されてきた。"自由市場"体制(新自由主義)は、"左翼"の合意事項なのだ。これは、とりわけフランスやドイツの緑の党は言うまでもなく、フランスの社会党、イギリスの労働党、ドイツの社会民主党にも、あてはまる。

アメリカにおいて、二大政党主義は、議会の党派政治の相互作用による結果ではない。一握りの強力な企業ロビー集団が、共和党と民主党の両方を支配しているのだ。"超党派合意"は、陰で画策しているエリート連中が作り出したものなのだ。二大政党に対して圧力を行使している主要な企業ロビー集団によって、強制的に押し付けられいるのだ。

そして、AFL-CIO指導部は、アメリカ労働運動の草の根に対立すべく、大企業によって取り込まれている。

組織労働者の指導者達は、ダボス世界経済フォーラム(WEF=賢人会議とも)の年次集会に出席する。連中は、アメリカ大手企業の最高経営責任者が参加する経済団体ビジネス・ラウンドテーブルに協力している。しかし、同時に、草の根のアメリカ労働運動は、個々の労働組合の指導部を民主化するのに貢献する組織的変貌を行うようにつとめてきた。

TVネットワーク、商業マスコミや、インターネットの助けを得て、エリートは、マスコミ上で目立たせて、"反体制派という儀式"を促進するのだ。

主要な財団を支配している経済エリートは、歴史的に、既存の経済・社会秩序に対する抗議運動に参画してきた、無数の市民運動組織に対する資金援助も、監督している。多くのNGOの計画(ウォール街占拠運動に関与しているものを含め)は、特に、フォード、ロックフェラー、マッカーサー、タイズ財団等々の私立財団による資金援助に依存している。

歴史的に、1990年代に出現した反グローバル化運動は、ロックフェラー等が支配するウオール街や、テキサス州の巨大石油企業に反対してきた。しかし、ロックフェラー、フォード等々の財団や慈善団体は、究極的には、彼らの様々な活動を、監督し、方向付ける目的で、進歩的な反資本主義ネットワークや、環境保護主義者(大手石油会社に反対する)に対して、長年にわたり、気前良く資金を出してきた。

"カラー革命"

過去十年間に、"カラー革命"がいくつかの国々に出現した。 "カラー革命"とは、アメリカの諜報作戦で、民主主義運動支持という旗印の下、"体制転換"の引き金をひかせる目的で、抗議運動を密かに支援するものだ。

"カラー革命"は、とりわけ全米民主主義基金、国際共和研究所やフリーダム・ハウス等々によって支援されてきた。"カラー革命"の狙いは、社会不安を醸成し、抗議運動を既存政権を転覆するために利用することだ。究極的な外交政策目標は、従順な親アメリカ政権(つまり"傀儡政権")を権力に就かせることだ。

"アラブの春"

エジプトの "アラブの春"では、キファーヤ(たくさんだ)や、4月6日青年運動を含む主要な市民運動組織は、アメリカに本拠を持つ財団に支援されていたのみならず、米国務省の承認も得ていた。(詳細については、Michel Chossudovsky、エジプトの抗議運動: "独裁者は独裁せず、命令に従っている、Global Research、2011年1月29日を参照)

ワシントン DCにおける、エジプト人反体制活動家、フリーダム・ハウス研究員(2008)

"辛辣な皮肉だが、ワシントンは、ムバラクの独裁政治を、その残虐行為を含め、支援し、同時に、ムバラクを誹謗する人々を支援し、財政援助をしてきた... フリーダム・ハウスの催しで、、エジプトの反体制活動家や、ホスニ・ムバラクに反対する連中(上記参照)が、2008年5月、コンドリーザ・ライスと... そして、ホワイト・ハウス国家安全保障顧問スティーヴン・ハドリーとに迎えられた。" (Michel Chossudovsky、エジプトの抗議運動: "独裁者は独裁せず、命令に従っている、Global Research、2011年1月29日を参照)

翌年(2009年5月)、エジプト人反体制活動家の代表団が、国務長官ヒラリー・クリントンに迎えられた(下記を参照)

米国務長官ヒラリー・クリントン、"自由と民主主義を推進している"エジプト人活動家達と語り合う、2009年5月28日、ワシントンDC、国務省での会合前に。

二枚の写真を比較されたい。コンドリーザ・ライスと会見している2008年代表団の一部は、ヒラリー・クリントンと会見している2009年代表団の一部だ。

オトポールと応用非暴力行動・戦略センター(CANVAS)

数年間、常時、カイロのアメリカ大使館と連携していた、エジプトの4月6日青年運動の反体制活動家達は、フリーダム・ハウスとと全米民主主義基金によって支援されている"革命"を専門とする、コンサルティング・教育訓練の企業、セルビアの応用非暴力行動・戦略センター(CANVAS)によって、訓練されていた。

CANVASは、1999年のNATOによるユーゴスラビア爆撃を受けて、スロボダン・ミロシェヴィッチ失脚で中心的な役割を演じたCIAが支援するセルビア人団体オトポールによって、2003年に設立された。

1999年のユーゴスラビア爆撃終了から、わずか二ヶ月後、オトポールは、セルビアに米-NATOが後押しする"暫定"政権樹立において中心的な役割を演じる先陣をになった。こうした展開は、ユーゴスラビアからのモンテネグロ分離、ボンドスチール米軍事基地の開設、そして、最終的に、コソボにおけるマフィア国家の形成に向かう道をも開いたのだ。

1999年8月、CIAが、ブルガリアの首都ソフィアで、オトポール用の研修プログラムを企画したことが報じられている:

"1999年夏、CIA長官ジョージ・テネットは、ブルガリアのソフィアに、セルビア人の反対派を“教育する”ための事務所を設けた。昨年[2000年]8月28日、BBCは、ソフィアでも、オトポールの闘士達に対し、10日間の特別研修が行われていたことを確認している。

CIAの計画は、逐次的段階による計画だ。初期段階で、彼等はセルビア人の愛国心と独立精神をほめそやし、あたかも、こうした資質を尊重するがごとく振る舞うのだ。ところが、混乱を引き起こし、国家の統一を破壊した後に、CIAとNATOは、遥かにひどいことをするのだ。"

(ジェラード・ムゲマンガノとミシェル・コロン、"一部、CIAによって支配されることは、さほど問題ではない"、オトポール学生運動、国際行動センター(IAC)の二人の活動家のインタビュー、「CIAによって、一部支配されること」2000年10月6日。"CIA、セルビア人集団、オトポールを個別指導"、モニター誌、ソフィア、ヴラゴヴェスタ・ドンチェヴァによる翻訳、Emperors Clothes、2000年9月8日、も参照のこと)

"革命ビジネス"

オトポールの応用非暴力行動・戦略センター(CANVAS)は、"革命ビジネス"に携わる"指導者とコンサルタントの国際ネットワーク"だと、自らを表現している。全米民主主義基金(NED)により資金援助を受け、アメリカが支援する40ヶ国以上で、反体制集団に助言し、訓練するコンサルタント会社の形をとっている。

オトポールは、エジプトで主要な役割を演じた。

エジプト・タハリール広場: 一見、自然発生的な民主化プロセスに見えたものは、入念に計画された諜報作戦だった。下記のビデオを見る。

http://www.youtube.com/watch?v=lpXbA6yZY-8

エジプト。4月6日運動のロゴ

エジプトの“4月6日青年運動”同じ、こぶしのロゴ、出典:Infowars

4月6日運動も、キファーヤ (たくさんだ!)も、CANVASベオグラードで"非暴力革命の戦略"に関する訓練を事前に受けていた。"(アメリカの民間情報機関)ストラトフォーによれば、4月6日運動とキファーヤが用いた戦術は"CANVASの訓練カリキュラム、そっくりそのままだった"。(ティナ・ローゼンバーグ、Revolution U、外交政策、2011年2月16日より引用)

CANVAS-オトポールが支援した"カラー革命" に関与しているロゴと名称の類似性には留意する価値がある。エジプトの4月6日青年運動は、ロゴとして、握り拳を使っていた。キファーヤ ("たくさんだ!") は、オトポールによって支援された、グルジア語で、クマラ! ("たくさんだ!")という名称の青年抗議運動と同名だ。いずれの集団も、CANVASによって訓練されている。

グルジアのクマラ ("たくさんだ!")

CANVASの役割-ウォール街占拠運動における、オトポール

CANVAS-オトポールは、現在ウォール街占拠運動(#OWS)に関与している。

現在、ウオール街占拠(#OWS)運動に関与しているいくつかの主要な団体は、"アラブの春"で重要な役割を演じていた。特に重要なのは、ソーシャル・メディアの "ハッキング活動家"集団、"アノニマス"が、"アラブの春"の真っただ中、エジプト政府ウェブ・サイトにしかけたサイバー攻撃に関与していたことだ。(http://anonops.blogspot.comhttp://anonnews.org/も参照のこと)

2011年5月、"アノニマス"は、イランにサイバー攻撃をしかけたが、昨年8月、シリア国防省に対しても、似たようなサイバー攻撃をしかけた。これらのサイバー攻撃は、大半、イスラム教主義者によって統合されている亡命中のシリア人"反体制派"を支援して遂行された。(シリア防衛省ウェブサイト、'アノニマス'に不正侵入される、ハフィントン・ポスト、2011年8月8日を参照)。

シリアやイランでの "アノニマス" の行動は、"カラー革命"の枠組みと首尾一貫。彼等は政権を悪魔のように描き出そうとし、政情不安を生み出した。(シリアの反対派の分析については、Michel Chossudovsky、 (英語原文へのリンク)シリア: 抗議運動の背後にいるのは誰か? 米-NATOの"人道的介入"の口実をでっちあげる Global Research、2011年5月3日を参照)

CANVASもアノニマスも、今、ウォール街占拠運動に積極的に係わっている。

ウオール街占拠運動における、CANVASの正確な役割は、今後評価が必要だ。

CANVASのリーダーの一人、イワン・マロヴィッチが、最近ニューヨーク市のウオール街占拠抗議運動で演説した。彼の演説を、注意深くお聞き願いたい。(彼の組織CANVASが、全米民主主義基金に支援されていることに留意されたい)。

下記のリンクをクリックして、ニューヨーク市でのウオール街占拠運動に対するイワン・マロヴィッチの演説を聞く。

イワン・マロヴィッチのウオール街占拠運動への演説

http://www.youtube.com/watch?v=LkM3BBtc7N0

マロヴィッチは、前の方の発言で"革命的な出来事"の準備にあたっては、自然発生的なものは皆無であることを認めている。

"人々は漫然と街路に繰り出しているかのように見える。しかし、それは何ヶ月もの、あるいは、何年もの準備の結果なのだ。大衆抗議デモや、ストライキを組織できるほどの点に到達するまでは実に退屈だ。入念に計画すれば、それが始まる頃には、数週間で、すべて終わるようになっている。" (ティナ・ローゼンバーグ、Revolution U、外交政策、2011年2月16日、より引用)

オトポールの代弁者イワン・マロヴィッチによるこの発言は、アラブ世界の抗議運動は、西欧のマスコミが描きだしているように、ある国から他の国へと、自然に広がったものではないことを示唆していよう。全国的な抗議運動は、ずっと前から仕組まれていたのだ。これらの全国的抗議運動の時期配列や順番も、計画されていたのだ。

同様に、マロヴィッチ発言も、ウオール街占拠運動が、その戦術と戦略について、多くの主要組織による、入念な事前準備の対象であったことを示唆している。

オトポールの戦術の一つが、PR戦略として、"逮捕を避けようとしないこと"ではなく、むしろ "逮捕を誘発し、それを運動に有利なように利用する。" であることは注目にあたいする。(同上)

http://occupywallst.org にあるウオール街占拠運動の握り拳

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PORA; 潮時だ!

KMARA たくさんだ!

OBORONA  防衛

KELKEL 新時代

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本論説の第二部では、NGO組織者の役割も含め、ウオール街占拠運動の大黒柱について検討する予定である。

Global Research Articles by Michel Chossudovsky

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記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=27053

記事原文では、新刊書の案内があり、注文できるようになっている。

The Global Economic Crisis
The Great Depression of the XXI Century

Michel Chossudovsky and Andrew Gavin Marshall (Editors)

Montreal, Global Research Publishers. Centre for Research on Globalization (CRG), 2010.

ISBN 978-0-9737147-3-9   (416 pages)

Special Offer $15.00 plus S&H (includes taxes where applicable) (List Price US$25.95 plus taxes)

$15.00 plus s and h

 

英文新刊はご購入せずとも、こういう記事を掲載してくれる組織へのご寄付はご無理ではないのでは?無料で、こうした良い情報を、えられるわけがない。インチキな翻訳なら誰でもできるはずだが、元の記事を書かれるのは大変なことだろう。

本記事の話題、10月に刊行された、ウィリアム・イングドール著、為清勝彦訳『ペンタゴン戦慄の完全支配』(徳間書店刊)で、非常に詳しく描かれている。

Wekanzenshihai

目次のごく一部をご紹介しよう。数字はページ。

  • 背後にいる群衆活用のシンクタンク・ランド社の高度洗練集団「キファーヤ」 34
  • GPS画像や携帯電話などのハイテクとマーケティング技術で勝利した「オトポル革命」 51
  • セルビアのオトポル革命からグルジアのバラ革命へ 62
  • 超大陸ユーラシアを睨むブレジンスキーの政治地理学 77
  • 中国捕獲の網-ミャンマーのサフラン革命 120

訳者為清勝彦氏のブログで案内が読める。【新刊案内】『ペンタゴン戦慄の完全支配』

また、ユーゴスラビアについては、専門でおられる岩田昌征千葉大学名誉教授の著書『20世紀崩壊とユーゴスラビア戦争 日本異論派の言立て』(お茶の水書房刊)の中に、ドウシャン・ヴィリチ/ボシコ・トドロヴィッチ著『ユーゴスラビア解体1990-1992』に書かれている、当時の工作情報が紹介されている。

141ページに、

スウェーデンのウプサラで、1978年8月13日から19日まで開催され、世界から5000人を越える社会学者と社会学研究者が参加した。アメリカ大統領国家安全保保障問題補佐官ズビグニェフ・ブジエジンスキは大会直前に世界情勢に関するアメリカの戦略家達の若干の諸見解を一定数のアメリカ人大会参加者にレクチュアした。

とあり、その内容が、142-143ページで紹介されている。

 以下にディズダレヴィチの『チトーの死から』とヴィリチ/トドロヴィチの 『ユーゴスラヴイアの解体』 に依拠して、ブジエジンスキがレクチェアしたアメリカの対ユーゴスラヴィア戦略を整理しておこう。
(1)ソ連に抵抗する力としてユーゴスラヴィアの中央集権勢力を支援するが、同時に共産主義の「天敵」である分離主義的・民族主義的諸勢力すべてに援助を与える。ソ連におけるロシア人とウクライナ人、 ユーゴスラヴィアにおけるセルビア人とクロアチア人、チェコスロヴアキアにおけるチェコ人とスロ ヴアキア人の間の緊張と不和が物語るように、民族主義は、共産主義より強力である。
(2)ユーゴスラヴイアにおける反共産主義闘争においてマスメディア、映画製作、翻訳活動など文化的・ イデオロギー領域に浸透すべきである。
(3)略
(4)略
(5)ユーゴスラヴイアの様々な異論派グループをソ連やチェコスロヴアキアの場合と同じやり方でシステマティックに支援すべきであり、彼等の存在と活動を世界に広く知らせるべきである。必ずしも、彼 等が反共産主義的である必要はなく、むしろ「プラクシス派」(チトー体制を左から批判していたユーゴスラヴィアのマルクス主義哲学者グループー岩田)のような「人間主義者」の方が良い。この支援活動でアムネスティ・インターナショナルのような国際組織を活用すべきである
(6)略

一九七八年にひそかに示された上記のようなアメリカの戦略家達の対ユーゴスラヴィア秘密方針は、的確な事実分析に立脚しているとは言え、特に天才的でも秀才的でもなく、ユーゴスラヴィアの現実を知っている誰でもその気になれば、すなわち政治的動機を持っているならば、書けるたぐいのものである。若干驚くべきことは、社会学者大会という最もアカデミックな知的活動の場を利用して、一部の世界的社会学者サークルにそれが直接提示されたことである。

帝国は、なんとも遠大な計画をたて、実行するものだ。ところで、有料・無料ということでいえば、新年番組に、ガヴァン・マコーマック・オーストラリア大名誉教授が出演される対談番組がある。

J.ダワー×G.マコーマック 震災後 日本と世界への眼

1月2日(月)放送
[BS1]後8:00〜9:50
ニュース中断あり

再放送
1月8日(日) [BS1] 後1:00〜2:50
※ニュース中断あり

永田浩三教授のブログ、隙だらけ 好きだらけ日記~映像 写真 文学 そして風景~ で、「J・ダワーとG・マコーマックの対論」という2012/1/6の文章が読める。


震災後の日本と世界 1/2  ジョン・ダワー ガバン... 投稿者 JKzappa


震災後の日本と世界 2/2 ガバン・マコーマック... 投稿者 JKzappa

2011年12月28日 (水)

ロシアにおける煽動の痕跡を不器用に隠すアメリカ

ロシアの抗議行動参加者のアメリカとのつながりを覆い隠すべくウオール街の宣伝機関連中、緊急発進

Tony Cartalucci

2011年12月11日

landdestroyer.blogspot.com

(ご注意:青い文字で表示してあるリンク先は、全て英文記事。原文の通りに、うまく画像を貼り付けられないため、重要ではあるが、一番上の写真と、下方のウェブ画面、二種、表示できていない。お手数ながら、英語原文を参照いただくようお願いする。)

ロシアの反政府運動を作り上げ、ロシアの街路を抗議行動で溢れさせている現在の騒動の背後にいるとして、益々違法化している西欧政府、大企業-投資家・占拠者達に非難の矛先を向ける証拠が増え始めている中、商業マスコミは既に、出来事の展開にあわせ、その書き換えを始めている。

原文にはネムツォフ写真があるが、urlが異常に長い為省略。ご興味ある方は原文でご確認頂ききたい。):全米民主主義基金から資金援助を受けたNGO指導者達や野党の一座が、明らかにもう一つの西欧の資金援助によるカラー革命を応援する中で"自然発生的な"抗議運動とされるもののさなか作り上げられた舞台に上がった、写真にある反政府派指導者、ボリス・ネムツォフの様な、抗議行動の組織者連中にインタビューしながら、ウオール街とロンドンの御用マスコミは、ロシアでの抗議行動には"指導者がおらず"、反政府運動によって組織されたものではないと主張している。

"選挙抗議がウイルス性となるにつれ、モスクワは身構えている" と題する、出来事の最中における修正主義の驚くべき記事は、抗議を"指導者がいない"ものとして描こうと必死に試みてはいるが、記事そのものが、"組織者達"のインタビューだ。匿名の、存在しない可能性が極めて高い抗議行動参加者の発言を引用して、シドニー・モーニング・ヘラルドの記事は、抗議行動参加者達が"私は自分からやって来た。ウェブで知った。"と主張したと断言している。だが記事は、次ぎに(強調は筆者による)、"そして、昨夜、ウェブのおかげで、先週日曜日の選挙結果が操作されたと彼らが考えていることに対し、非常に多くの人々が、フェースブック上で、用紙に署名して、態度を表明してくれているので、30,000人以上が抗議デモをするものと組織者側は期待している。"と書いている。

記事は、抗議参加者を集めている政党はないと言いながら、西欧マスコミのより以前の記事はこれと全く矛盾しており、全米民主主義基金から資金援助を受けている反政府派指導者ボリス・ネムツォフが、12月10日の抗議行動前にこう語っているブログ記事をロンドン・テレグラフがコピーしている。"拘留された人々が留め置かれている、ペトロフカ38 (警察本署)と、シンフェローポリ・ブリバールでのピケや、他の行動について、私はお話している。我々は今日から始める。私自身この全てに参加する。土曜日、12月10日、2時に、こうしたいんちきな選挙に反対して抗議するために、(モスクワの)革命広場で集会を開催する。"

デイリー・メイルは、またこう報道している。"そしてモスクワ集会の組織者、野党政治家ウラジーミル・ルイシコフは、12月24日にも次ぎの抗議行動をすると発表し、それは二倍の規模になると彼は語った"。そしてRIAノーボスチは報道している、"“権力を人民に返せ”というロゴがくっきりと描かれた舞台上で、ロシアで最も著名な反政府派の名士、ナヴァルニーや、反対派の音楽評論家アルテミー・トロイツキー等の文化的リーダーから、野党政治家ボリス・ネムツォフ、ウラジーミル・ルイシコフや、青年組織ソリダリノスチの指導者イリヤ・ヤシンに至るまでが、元気のいい群衆に向かって演説した。"

写真: 反対派の指導者ウラジーミル・ルイシコフの運動は、アメリカの資金援助の受給者であるのみならず、ルイシコフ自身、全米民主主義基金のワールド・ムーブメント・フォー・デモクラシー(WMD)の正式会員だ。WMDの"当組織について"ページは、この組織が米国務省の資金援助を受けている全米民主主義基金の下部組織であることをはっきりと示している。(原文では、クリックすると拡大)

ボリス・ネムツォフの政治顧問ウラジーミル・カラ-ムルザは、"活動家" イリヤ・ヤシンのソリダリノスチ・グループのメンバーでもあり、全米民主主義基金の資金援助を受けた最近の"ロシアにおける選挙: 投票と見通し"と題するセミナー出席者であり、 イリヤ・ヤシンのソリダリノスチ・グループは、全米民主主義基金、フォード財団、USAID(アメリカ合衆国国際開発庁)と、ソロスのオープン・ソサエティーの資金援助を受けているNGOであるモスクワ・ヘルシンキ・グループと協力して、全米民主主義基金の資金援助を受けた"ストラテジー31"キャンペーンを、先頭に立って率いていることに注目すべきだ。アレクセイ・ナヴァリヌィと全米民主主義基金のつながりも特筆すべきで、彼は、留学したエール大学・ワールド・フェロー履歴の項に書いている通り、全米民主主義基金が資金援助をしているDA! (デモクラティック・オルタナティブ)青年運動の共同創立者の一人だ。

"モスクワ・ヘルシンキ・グループ"のスクリーン・ショットは、明らかに、海外から資金援助を受けていることを示している。この集団と、その協力者連中が、抗議行動を率いていることの重要性が、まさしく外国の資金援助を受けた扇動者が、ロシアの街路で展開していることを示している。(原文では、画像をクリックすると拡大)

指導者無しどころではなく、組織化されていないどころでなく、現地で自発したものですらなく、舞台や、反対派指導者達やら、今後の抗議行動の呼びかけが、既に全米民主主義基金の資金援助を受けた世界民主主義運動の運営委員会メンバー、ウラジーミル・ルイシコフや、彼のパートナー、ボリス・ネムツォフの類によってなされている以上、抗議行動の自然発生的な性格やら、正統性やらという、シドニー・モーニング・ヘラルドの馬鹿げた主張のみならず、そんなたわごとが報道に適していると考える、ヘラルド紙のジャーナリズムとしての完全性自体に対する極めて深刻な疑念を抱かせられる。記事の一番末尾で、ヘラルド紙は、"ワシントン・ポスト"情報だと記しているが、この新聞名は、もはやウオール街とロンドンの企業投資家エリート達の計略と密接に絡み合った、プロパガンダと権益と同義語だ。

シドニー・モーニング・ヘラルドやワシントン・ポストは、USAID(アメリカ合衆国国際開発庁)と全米民主主義基金から資金援助を受けているゴラス、今やアメリカの資金提供者と、対ロシア指導部の共謀をして、e-メールをやりとりしているのを発見されてしまった選挙監視組織、によって"暴かれた" 選挙違反に反対するロシアの抗議行動を、自然発生的で、ノンポリの反乱として描き出そうと試みてはいても、これらの極めて本物で、中央集権化された指導部は、明らかに、政治的な動機のものであり、抗議行動は、既に、12月24日に次回の騒動を行おうと呼びかけている。抗議行動と、アメリカによって資金援助されたその指導部が違法であるのみならず、彼らのことを、外国から資金援助を受けた煽動とはほど遠いものと思いこむように、一般の人々のイメージを臆面もなく歪曲することによって、商業マスコミは、ウオール街とロンドンの大企業-投資家によって仕掛けられた計略の遂行を狙って、またもや、大衆を裏切ったのだ。

全米民主主義基金(NED)ウェブサイトのスクリーン・ショットは、彼らが"独立した" 選挙監視組織「ゴラス=投票という意味」に資金援助していることを示している。USAID(アメリカ合衆国国際開発庁)も、ゴラスに資金援助している。ゴラスによる金きり声の選挙違反非難が、外国による資金援助を受けた反政府集団のNED一座が、ロシアの街路にどっと繰り出すことを美辞麗句で正当化するものとして引用されている。(原文では、NED画像をクリックすると拡大)

....

こうした修正主義者や、益々裏付けが薄弱な全く馬鹿げた主張さえ、マスコミによって行われていることに注意されたい。それぞれの名前を明らかにし、系列をたどり、組織を調査し、"当組織について"ページをクリックし、金の流れをたどり、商業マスコミが、大衆から故意に隠している真実を発見しよう。ロシアで遂行されつつある、この欺瞞的計略と、西欧マスコミ中で、それを広めている陰険な嘘つき連中の両方を暴こう。そして何より、そもそもこの計略を駆動している大企業権益をボイコットし、取ってかわろう。

記事原文のurl:landdestroyer.blogspot.com/2011/12/us-clumsily-covers-tracks-in-russia.html

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アレクセイ・ナヴァリヌィについては、例えば下記を。

rumafia.com/person.php?id=166(英文)

2005年に、創設者の一人となって、彼が立ち上げたDA(デモクラティック・オルタナティブ)には、著名な政治家、経済学者のエゴール・ガイダルの娘、マリア・ガイダルもいたという。ナヴァリヌィ、職業は弁護士だという。

弁護士で、既存の体制に反対するポーズで人気の高い政治家ということで、思わずナニワのファシストを連想して、暗い気分になった。似たもの同士?

WikiPediaエゴール・ガイダル記事の一部を抜粋しておこう。ショック・ドクトリン推進者だった。

ロシア共和国の経済担当副首相に35歳の若さで抜擢され、1992年1月「ショック療法」と呼ばれる価格自由化政策を断行した。

「ショック療法」はロシア経済に急激なハイパーインフレーションをもたらす結果となり、国民生活に大打撃を与えた。2009年に亡くなった。

ガイダルの夫人マリヤ、ロシアSF作家、アルカジー・ストルガツキーの娘。

エゴール・ガイダルの祖父、アルカジー・ガイダルは、児童文学作家とある。

国営放送、年末深夜、ソ連崩壊やロシアについてのドキュメンタリーを連続して放送してくれた。

反プーチン大規模デモは、たっぷり報道してくれるが、この文章にあるスポンサーについては全く触れていない。(明治公園反原発デモは、同じ熱意で報じてはくれなかった。毎回書くが、日本のマスコミに、政府批判の自由は、たしかにある。北朝鮮とロシア・中国政府批判ならば。)

以前見た、「アラブの春」報道番組で、ごく初期から重要な役を演じる若者の様子をずっと写していたような記憶がある。撮影を始める前から、大事件になること、重要な役を演じることが分かっている候補者を探さなければそういう芸当はできまい。

サーカシビリの戦争を報道するドキュメンタリーも深夜に放映されたが、同様に、紛争勃発の前から、紛争中、そして紛争後まで、サーカシビリに密着して、撮影していた。ロシア戦車が進攻する様子も、全てグルジア側から撮影されていた。

一方、ロシア側のプーチンの映像は、そのような密着取材のものではなかった。

「ロシアが一方的に悪い」というメッセージを与える代物だった。

ロシア側の攻撃で倒れているグルジア市民の姿がしっかり写されていた。

イラクやアフガニスタンで、アメリカの攻撃で虐殺された人々の映像を写してくれていれば、多少は信憑性も感じられたろう。アメリカの悪行は絶対に放映しない。そもそも、番組を企画しない。

ウクライナのユーシェンコ大統領当選に至るドキュメンタリーも、やはり選挙前、選挙中、選挙後まで、ユーシェンコに密着取材していた。

これまた、「ロシアが一方的に悪い」というメッセージを与える代物だった。

そして連続ドキュメンタリーの極めつけが反プーチン集会を紹介する番組だった。まるで大規模抗議デモが実行されることが前もって分かっていて編成された反プーチン報道スクラムに思われた。反プーチン番組、今後も続けて放送されるようだ。

プーチン側から見た番組も、是非制作して欲しいもの。

反ロシア・戦争推進国策プロパガンダ「坂の上の雲」など作らず、その予算を使えば、現代ロシア、いくらでも報道できたろう。

反ブッシュ、反オバマ番組を連続して制作してくれるのなら、貧しいながら、受信料、倍支払っても良いと思っている。かなわぬ夢だろう。

新聞も、基本的に、反プーチン・デモ報道一辺倒。違う意見は、ほとんど掲載されない。マスコミと異なる意見、ブログにはある。たとえば、

スロウ忍ブログ 2011年12月25日
プーチン復活を恐れる米英支配下の反共カルト勢力。「反プーチン・デモ」ばかりを垂れ流す日本のマスゴミ。

朝刊にモスクワ支局長が書いているコラムがあった。ソ連消滅20年「西側こそ冷戦思考脱せよ」という題名。上記テレビ番組と対照的な内容にびっくり。テレビ番組でなく、こちらが事実だろう。一部を抜き書きさせていただく。

日本の内閣府の親近感調査数値があった。米国には8割以上が親近感を持つのに対し、ロシアは1割程度。各国・地域の中で最低だ。

分離独立する親ロシアの南オセチアを最初に無差別攻撃してきたのはグルジア軍だったと、私は現地でグルジア系住民からさえ聞いた。欧米もそれを認めながら、最高指導者の責任は今も不問のままだ。

結局、今も冷戦思考から脱却できていないのは、我々「西側」の方ではないか。

2011年12月25日 (日)

金正日の死は、隣国にとってではなく、北朝鮮にとっての危機

Stephen Gowans

2011年12月20日

gowans.wordpress.com

今週、北朝鮮の指導者金正日が死亡した後、何が起きているのかを理解するために、踏まえておくべきいくつかの事実がある。

#1. 北朝鮮に対するアメリカ外交政策は、常に、アメリカに支配された韓国への北朝鮮併合のお膳立てをするため、後者の崩壊を強いることを目指すものであり[1]、しかも、平壌が核兵器開発を始めるまで、非常にうまくいっていた。北朝鮮に対するアメリカによる敵意は、決して核兵器に関するものではなかった。それどころか、北朝鮮の核兵器は、アメリカによる敵意の結果なのだ。ワシントンが、誤って北朝鮮マルクス-レーニン主義体制と呼んでいるものを終わらせる(マルクス-レーニン主義は、自立、北朝鮮の非市場体制と、北朝鮮の自律的経済発展という国産の教義、チュチェ(主体)イデオロギーに置き換えられた)という、今や70年目になる、アメリカによる敵意こそが、これまでずっと存在し続けているものなのだ[2]。これらのどれ一つも、北朝鮮を犠牲にして、アメリカが利益を挙げる自由裁量には不十分なため、北は解体対象として選び出されているわけだ。

#2. 1993年、アメリカ合州国が、戦略核ミサイルの一部を、旧ソ連から北朝鮮へと標的変更したと発表した後、北朝鮮は、ようやく核兵器入手を狙い始めた。それ以来、北朝鮮は、核能力を、かろうじて幼稚園レベルまでに開発できたにすぎない。[3] 北が2006年と2009年に実験したプルトニウム爆弾は、広島爆発の威力のわずか十分の一しか生み出せなかった。ミサイルの先端に装着できるよう弾頭を小型化したという証拠はない。しかも、北朝鮮のミサイル計画は色々な問題に悩まされてきた。[4]

#3. 北朝鮮は、軍事的に取るに足らない代物であり、軍要員の多くは農業に配置されている。北朝鮮の敵対者達、アメリカ合州国、韓国と日本の軍事予算と、兵器の精巧さが、北朝鮮のそれに対して、高くそびえている。もしペンタゴン予算が身長206cmのバスケット・ボール選手マジック・ジョンソンだとすれば、北朝鮮の軍事予算は2.5cmで、小さなネズミの身長程度のものだ。韓国の軍事予算は11.4cm、日本の軍事予算は9.9cmで、北朝鮮より何層倍も大きい。[5]

#4. ネズミが、バスケットボールのコートで、マジック・ジョンソンを打ち負かせないのと同様、北朝鮮は、アメリカ合州国に、挑発をしかけるような軍事的影響力を持っていない。北には、南の同胞に対し、内戦をしかけて、勝利する能力もない。北朝鮮は攻撃的脅威ではないのだ。“オバマの分析では”ニューヨーク・タイムズ記者 デーヴィッド・サンガーは書いている。“北は、ミサイルと核実験を連発し世界から守ろうとして、大統領の最高戦略中で繰り返されている‘守りの姿勢’にひきこもっている…絶えず飢餓にひんしており、軍隊は金欠でパイロットの訓練すらできない北は、アジアにおける大国になろうなどという幻想を抱いてはいない。北の主要目的は生き残りだ。” [6]

#5. アメリカ合州国は、北朝鮮と比べれば、軍事的な巨人であり、韓国と日本には、より装備の優れた軍隊があり、この三国は、支障なく、北への挑発をしかけ、防衛支出による国庫枯渇を平壌に強いて、北朝鮮を危機に陥れ、ことによっては崩壊させるというアメリカの狙いの実現に近づけることができる。一方、北朝鮮の支配政党労働党は、店じまいをして、韓国管理のもとで再開しろ、という要求に屈する以外のいかなる犠牲を払ってでも、対立は避けたいのだ。

#6. 挑発は、だから、全て反対側からのものだ。アメリカ合州国が、北朝鮮を戦略核ミサイルの標的にすることや、ペンタゴンは、北朝鮮を豆炭にしてしまうことができる、という元米国務長官コリン・パウエルの警告より挑発的なものは、ほとんどあるまい[7]。ワシントンが率いる、60年に及ぶ、対北朝鮮経済戦争も、同様に、挑発的であり、北朝鮮窮乏化の主因なのだ。何万人ものアメリカ軍兵士が北朝鮮の南部国境沿いに配備されており、アメリカの戦艦と核ミサイルを搭載した潜水艦が北の領海周辺をはいかいしており、アメリカの戦闘機が北の空域を脅かしている。平壌は、単に、北朝鮮の先軍(軍優先)政策の立案者にすぎない。ワシントンこそが究極の計画立案者なのだ。最後に、アメリカと韓国の軍隊は、定期的に作戦演習を実施しているが、その一つである乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアンというものは、北朝鮮侵略演習だ。一体誰が誰を挑発しているのだろう?

#7. 韓国の児童書の中で、文字通り、角と牙が生えた赤い悪魔として描かれている、最近亡くなった北朝鮮指導者金正日は[8]、自国民を飢えさせているとして、西欧マスコミでも同様に、悪魔のように描かれている。食糧不足で、北朝鮮が苦しんでいるというのは真実だ。だが、金を中傷する死亡記事は、何故北朝鮮が飢えているのかについては触れていない。答えは経済制裁だ。[9] アメリカ外交政策は、第一次世界大戦における対ドイツ連合軍の作戦同様、敵を飢えさせ、降伏させるというものだ。明白な理由から、これは広く認知されていない。第一に、そうすれば、自らの狙い達成に至るため、アメリカ外交政策が覚悟している、非人道的なほど長期間の制裁が暴露されてしまうからだ。そして、第二に、北朝鮮の飢餓を、有効な経済モデルとしての国有・中央指令型経済への信頼を失墜させるために活用しなければならないからだ。北朝鮮の人々が飢えているのは、社会主義が機能しないからだと反共産主義神話は言う。北朝鮮の人々が飢えているという事実の真相は、ワシントンがそうさせているためなのだ。最近では、金正日の息子、金正恩が後を継いだので、食糧援助を送るわけにはゆかないという口実の類の、いやになるほど沢山の奇妙な言い訳で、人道主義団体による、アメリカ合州国は食糧援助を送れという呼びかけが無視されているのも驚くべきことではない。[10]ええっ? 食糧援助が送られなかった本当の理由は、援助がアメリカ外交政策と矛盾するからなのだ。アメリカ合州国は、かつて、50万人のイラクの子供達の死で“あがなうに値する”と考えていた。[11] アメリカの指導者連中は、経済制裁による飢餓でもたらされる、同じ人数の北朝鮮人の死も、あがなうに値すると考えるだろう。

#8. 金正日の死はアメリカ外交政策にとっての恩恵となる可能性がある。指導部内での混乱や、内部抗争が、目標の一致をほころばせる結果になる可能性がある。外部の脅威に集中するかわりに、継承のことで頭がいっぱいの指導部分裂。もしそうであれば、これは、アメリカ合州国と韓国の視点からすれば、北朝鮮が崩壊に陥る可能性がある重要な瞬間だ。そこで、この時点で、一体誰が挑発をすると、読者はお考えになるだろう。平壌? それともワシントンとソウル? 順調な時でさえ、平壌は戦闘避けたがっていた。この極めて危機的な岐路において、北は絶対に戦闘を避ける必要がある。だが計算は、略奪者にとっては逆方向に機能する。今こそ、北朝鮮が略奪に最も弱くなっている時なのだ。

#9. 略奪者は、自分達自身が狩人であることは決して認めない。彼らはいつも、自分達は、危険な世界の複数の脅威に対して、自らの安全を守ろうとしているものとして描き出している。狡猾さや抜け目のなさで、ネズミも、マジック・ジョンソンの裏をかき、一度か二度はシュートをきめられるかも知れないのだ。そこでアメリカ合州国、韓国と日本は、北朝鮮が、韓国の哨戒艦天安沈没(それに対する北朝鮮関与の証拠は、ばかばかしい程希薄だ[12])のような、次ぎの“挑発”や、あるいは次ぎの延坪島連続砲撃(これは、国際慣習法の下、北朝鮮に属する係争水域に、韓国が先に迫撃砲を撃ち込み、韓国が引き起こしたものだ)をしかけた場合に備え、厳戒態勢をとっていると言われている。[13]

だが、これまで見てきた様に、北朝鮮側が始める挑発というシナリオが展開すると期待するのは理にかなわない。何故、アメリカ、韓国と日本の軍隊が厳戒態勢にあるのかということの最も適切な説明は、三国が、万一条件が好都合になれば、軍事的に介入する準備をしている可能性があるので、今こそ、平壌に対する圧力を強化するのに理想的なタイミングだということだ。

注:(5と11のみ訳した)

1. New York Times reporter David Sanger (“What ‘engagement’ with Iran and North Korea means,” The New York Times, June 17, 2009) notes that “American presidents have been certain they could … speed (North Korea’s) collapse, since the armistice that ended the Korean War in 1953.” At the same time, Korea expert Selig S. Harrison has written that “South Korea is once again seeking the collapse of the North and its absorption by the South.” (“What Seoul should do despite the Cheonan”, The Hankyoreh, May 14, 2010.)

2. According to Dianne E. Rennack, (“North Korea: Economic sanctions”, Congressional Research Service, October 17, 2006) many US sanctions have been imposed on North Korea for reasons listed as either “communism”, “non-market economy” or “communism and market disruption.”

3. In an article on Newt Gingrich’s fantasies about North Korea or Iran setting off a nuclear device far above US territory in order to unleash an electromagnetic pulse attack, New York Times’ reporter William J. Broad cites a US military expert who characterizes “the nations in question (as being) at the kindergarten stage of developing nuclear arms.” (“Among Gingrich’s passions, a doomsday vision”, The New York Times, December 11, 2011.)

4. Keith Johnson, “Pyongyang neighbors worry over nuclear arms”, The Wall Street Journal, December 20, 2011

5. 年間軍事予算(単位10億ドル): アメリカ合州国、700; 北朝鮮、10; 韓国、39; 日本、34。ペンタゴン予算を除いて、年間軍事支出は、それぞれの国のGDPに、CIAの推計と、CIAのWorld Factbookでの報告による、GDPのパーセンテージとしての軍事支出をかけて、推計した。ペンタゴンの軍事予算の情報源は、トム・シャンカーとエリザベス・バミラー、“Weighing Pentagon cuts, Panetta faces deep pressures”, The New York Times, November 6, 2011.

6. David Sanger, “What ‘engagement’ with Iran and North Korea means,” The New York Times, June 17, 2009.

7. “Colin Powell said we would…turn North Korea into a ‘charcoal briquette,’ I mean that’s the way we talk to North Korea, even though the mainstream media doesn’t pay attention to that kind of talk. A charcoal briquette.” Bruce Cumings, “Latest North Korean provocations stem from missed US opportunities for demilitarizaton,” Democracy Now!, May 29, 2009.

8. David E. Sanger, “A ruler who turned North Korea into a nuclear state”, The New York Times, December 18, 2011.

9. See Stephen Gowans, “Amnesty International botches blame for North Korea’s crumbling healthcare”, What’s Left, July 20, 2010. http://gowans.wordpress.com/2010/07/20/amnesty-international-botches-blame-for-north-korea%E2%80%99s-crumbling-healthcare/

10. Evan Ramstad and Jay Solomon, “Dictator’s death stokes fears”, The Wall Street Journal, December 20, 2011.

11. 経済制裁で、五歳未満の500,000人のイラクの子供達が亡くなったという国連推計について質問されて、当時の米国務長官マデレーヌ・オルブライトは、恥ずかしくもこう答えた。“大変難しい選択だと私は思いますが、あがなうに値すると思います。” 60 Minutes、1996年5月12日. http://www.youtube.com/watch?v=FbIX1CP9qr4 2011年6月19日検索。

12. See Tim Beal’s Crisis in Korea: American, China and the Risk of War. Pluto Press. 2011.

13. See Stephen Gowans, “US Ultimately to Blame for Korean Skirmishes in Yellow Sea”, What’s Left, December 5, 2010. http://gowans.wordpress.com/2010/12/05/us-ultimately-to-blame-for-korean-skirmishes-in-yellow-sea/

記事原文のurl:gowans.wordpress.com/2011/12/20/kim-jong-ils-death-is-a-danger-for-north-korea-not-its-neighbors/

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アメリカ、北朝鮮があればこそ、その脅威を理由に、韓国・日本、両国の属国状態を維持できるのだから、北朝鮮を崩壊させるわけなどないだろう。こっそり、てこ入れしていて不思議はない。もちろん、生かさぬよう、殺さぬよう。

元米国務長官マデレーヌ・オルブライト女史はチェコ、プラハ生まれ。元の名はマリエ・ヤナ・コルベロヴァー。1950年にアメリカ移住。コルベロヴァー、コルベルの(娘)という意味。

ジョージタウン大学でソ連外交を教えた時の教え子に河野太郎衆議院議員がいる。

父のジョーゼフ・コルベル(ヨゼフ・コルベル)Josef Korbel は、教育家・外交官であり、コンドリーザ・ライスのデンバー大学時代の恩師である。

とWikiPediaにある。

この一行で、河野太郎衆議院議員の発言を信じるのを、やめたくなった。

宗主国のご意向通り、対中国戦争で、醜の御楯となるべく、東北大震災や、我々が生きている間に収束できるはずのない原発災害なども加わった財政破綻の中、開発途上のステルスを大量購入し、中国包囲網と日本搾取の一石二鳥政策、TPPという仕組みに、飛んで火にいる冬のどじょう。

  • 6万人?集まった東京・明治公園の反原発集会翌日、講読している新聞には小さな囲み記事が掲載された。反原発集会には、宗主国からの支援は一切ない。
  • 8万人?集まったモスクワでの反プーチン集会翌日、講読している新聞には巨大な写真と記事が掲載された。反プーチン集会に外部支援があるのは明らか。たとえば、GlobalResearch記事。Russia's Elections. Who is Calling the Shots at the Duma?

日本の新聞には、北朝鮮の新聞と異なり、「政府を批判する自由」、間違いなくある。

もちろん、北朝鮮・中国・ロシア「政府を批判する自由」であるのは、御承知の通り。宗主国や自国政府は、間違っても、批判対象にはならない。

宗主国は、1%の支配層ために、帝国主義を推進し、属国は、その1%の傀儡支配層ために、宗主国の御下命を推進する。いずれにおいても、99%は餌食に過ぎない。

以下の記事も、興味深い。

2011年12月25日 本澤二郎の「日本の風景」(940)
屈米・松下政経塾政権の対中外交

ざまぁみやがれい!
八ッ場ダムを作ると僕らの税金が東京電力に入る仕組みになっている アーサー・ビナード

2011年12月22日 (木)

イラク戦争の現実

2011年12月21日

wsws.org

火曜日朝、バラク・オバマ米大統領は、メリーランドのアンドリューズ空軍基地で、イラク戦争の終結に区切りをつけ、イラクにおける米軍の最高司令官、ロイド・オースティン大将の帰還を祝う式典を主催した。大統領が同意を表してうなずく中、オースティン大将はこう宣言した。"わが軍が、ほぼ9年間にわたって、イラクで達成したことは、実に素晴らしい。我々の同盟諸国と、献身的な民間人団体と共に、彼らは残忍な独裁者を排除し、イラク国民に自由を与えた。"

ゲーリング元帥も、ポーランド“解放”について、これ以上うまくは語れなかったろう。

イラクからの最後の"戦闘”部隊撤退、決してアメリカの対イラク介入が終わる区切りになるわけではない。とはいえ、それは現代における最大の犯罪の一つを見極める機会にはなるだろう。"成功"と“自由"という胸の悪くなるような偽善的まじない文句など、どうであれ、戦争と占領は、イラク国民にとっての大惨事であり、アメリカ合州国の国民にとっての悲劇なのだ。

統計によって、アメリカ軍が押しつけた破壊の規模を、多少は推し量れるだろう。

・ 2007年に行われた科学的推計によれば、侵略と占領の結果、100万人以上のイラク人が殺害された。2008年に、国連は、470万人、つまり国民の約16パーセントが、難民と化したと推計している。

・ 電力システムを含むイラクのインフラは徹底的に破壊された。国連のState of the World's Cities(=世界の都市状況)、2010-2011年報告によれば、公衆衛生や水道等の生活にとって基本的なものが使えないものとして定義される、スラムで暮らすイラク人の都市人口比率は、2003年の20パーセント以下から、2010年の53パーセントへと増加した。

? 実際の失業は、50パーセント台にあり、インフレは50パーセントを越える。医師や他の専門職が大量出国しており(戦前のイラクにいた人々の40パーセントと推計されている)、教育制度は荒廃している。

・ イラクでは幼児や子供の死亡率が驚くほど増加している。2007年報告は、子供達の28パーセントが慢性的栄養失調に苦しんでいると推測している。2007年、あるイラク政府機関は、イラクの子供の35パーセント(約500万人の子供)が孤児だと報告している。一つの世代丸ごと、両親が殺害されたか、不明になっているのだ。

・ 戦争と占領の中で、4,500人以上のアメリカ兵が死亡し、30,000人以上が負傷した。これには、深刻な精神的な傷を抱えたままイラクを去った何万人もの人々は含まれていない。

・ 資源という点では、イラク、アフガニスタンとパキスタンでの戦争は、直接経費と、医療や経済成長に対する長期的な影響を含め、およそ4兆ドルかかったと推計されている、。数千億ドルが、国防関連契約業者や悪徳業者に注ぎ込まれ、少なくとも160億ドルは、単純に、失われたか、盗まれてしまったのだ。

イラクでの戦争は、この言葉の本当の意味で、犯罪的企てだ。この戦争は、"大量破壊兵器"を巡り、国際社会に対し、厚かましく語られた嘘を基に売り込まれたのだ。なんら挑発行為もなかったのに、またアメリカ合州国や、世界中での大衆の反対に逆らって、始められた侵略戦争だったのだ。この戦争は、国際的な山賊行為の、アメリカ石油会社の利益のために、世界で最も石油資源の豊富な諸国の一つを支配し、中東におけるアメリカ合州国の立場を強化し、競争相手の大国に対する影響力を増すことを狙った行為だった。

イラク戦争で記憶されるべき、あらゆる残虐行為は、戦争の帝国主義的な性格に帰するものだ。アブグレイブや他の監獄におけるイラク人の大量投獄と拷問。ファルージャ壊滅。ディーサにおける、一般市民24人の虐殺。マハムディヤにおける、14歳の少女強姦、殺害と、彼女の家族の虐殺。検問所での、夜襲での、そして、ジェット機や攻撃型ヘリコプターからの爆弾やミサイルによる、ありふれた殺人行為。

アメリカ帝国主義とイラクとの恐ろしい出会いは、終わったどころではない。世界最大、イラクのアメリカ大使館は、15,000人を擁している。占領において主要な役割を演じた、CIA職員と民間企業の傭兵は、イラクに残るのだ。何万人もの兵士は、依然として近隣地域に留まり、必要であれば即座に配備される。

最初の侵略からほぼ9年間、イラクは、不安定で、益々独裁的な政権によって支配され、あからさまな内戦を引き起こしかねない宗派抗争があふれている。

戦争は、アメリカ社会にも大きな影響を与えた。何万人もが死亡し、負傷したのみならず、何兆ドルもが浪費されたのだ。アメリカ国内の政治生活を巡る軍隊の権力強化や、アメリカ人の民主的な権利に対し、生死の危機をもたらしている軍-警察機構の発展の上で、戦争が果たした役割は決して小さくない。

戦争は、ブッシュ政権によって始められ、遂行されたのだが、反対勢力を挫折させ、方向をそらせる上での主要な役割は、民主党と、その"左派"支持者によって演じられた。侵略直前に、アメリカで、ベトナム戦争以来、最大の反戦抗議行動がおこなわれ、何十万人ものアメリカ人に、世界中の何百万人が加わって、差し迫る残虐行為に反対した。

戦争を終わらせようというアメリカ人の再三の試みは民主党に阻止され、2008年のオバマ選出に終わった。オバマの勝利のかなりの部分は、皮肉なことに、候補者のオバマが訴えかけた大衆の反戦感情によるものなのだ。

公式 "反戦"組織は、2004年と2006年の民主党選挙運動へと向かわせ、反戦の組織的運動を弱体化させ、オバマの勝利につけこんで、抗議行動を終わらせた。ところがブッシュの政策から離脱するどころではなく、オバマ政権は、その本質的な部分を全て継続したのだ。オバマは、イラクとアフガニスタンの占領を継続したのみならず、アフガニスタン戦争をパキスタンにまで拡大し、もう一つの石油が豊富な国リビアで新たな戦争を始めた。

イラク戦争への反対を主張した同じ諸組織が、リビア侵略を支持したのだ。これらの中産階級組織や、ネーション誌等のマスコミは、オバマ選出に乗じ、帝国主義と和睦した。

イラクからの戦闘部隊撤退は、新たな、更に残酷な戦争の前奏曲だ。資本主義の危機は、新たな段階に入りつつあり、それとともに、主要大国間の緊張が高まりつつある。アメリカ合州国の支配階級の一部には、占領を、イランのような地域大国や、中国のような勃興中の世界的大国という、より重要な脅威から、資源と注意をそらしてしまった軽率な冒険と見なすむきもある。

アメリカ支配階級は、アメリカ国内の労働者の職や、社会福祉削減を攻撃する際には、国際的に、自らの権益を主張する際に行っているのと同様の無慈悲さで行動するだろう。

アメリカ合州国における、あふれるばかりの反戦感情が、資本主義制度に反対する労働者階級の社会的・政治的運動の一環として、再び表出されるべきだ。

Joseph Kishore

著者は下記記事も推奨している。

アメリカのイラク戦争と占領、一つの社会の殺害(英語原文へのリンク)

[2007年5月19日]

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2011/dec2011/pers-d21.shtml

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宗主国も、属国も、トップによる「ほら吹き大会」だらけ。ほらがうまいほど出世する。

次期戦闘機、予想通り、机上のモデル、F35ステルス戦闘機に決定したという。

おもいやり予算であり、傭兵化推進の一環。

敵の防空レーダーに気づかれることなく敵地に侵入し、攻撃を加えるために、ステルス=見えにくい機能を重視するのだろう。

防衛ではなく、攻撃のためにこそ、ステルス機能は必要なはずだ。

そして、「相互運用性の点でも好ましい」のだという。

相互運用性とは、ご主人様のご指示の通りに動かされる機能が高いことを意味するだろう。犬は尻尾を振るのが当たり前で、尻尾が犬を振るわけなどありえない。尻尾は、ひたすら、消費税を上げ、人殺しの装置に膨大な金をかける余裕を生み出すのだ。

IBMメイン・フレームの全盛期には、「IBM製品を買ったことが理由でクビになった者は1人もいない」と言われていた。

属国では、「米製兵器を買ったことが理由でクビになった者は1人もいない」。

属国は宗主国に貢献することが使命であることが、ステルス=見えにくいどころか、見え見えの機種決定ではある。

飛ばし行為のオリンパスに、家宅捜査が入ったという。一千億円以上の損失で、顧客、社員、株主には、甚大な損害を与えているとは言え、結局は「自己責任」の世界だろう。

一方、気の遠くなるような損害・被害をもたらし、いつになったら収束するか全く見当がつかない世界最大の事故をおこした東京電力、原子力保安院、通産省、資源エネルギー庁、原子力関連の学者諸氏、そして、原子力村のやりたい放題を赦してきた司法にも、マスコミにも、家宅捜査は決して入らない。国策の原発を推進し、大事故が起きると、収束できずに、値上げすればよい。

属国では「原発を推進したことが理由でクビになった者は1人もいない」。

そして、八ッ場ダム推進。建設中止は、民主党政権の唯一の成果になるだろうと思っていた、小生、甘かった。「ゼネコンと政治家の為のダム」という構造、二大政党という名前の一党独裁体制下で、かわるはずもないのだ。

属国では「ダムを推進したことが理由でクビになった者は1人もいない」。

「民主、自民、公明党に投票したことが理由でクビになった者は1人もいない」

現実にあわせて、自ら変化を進める力が皆無で、衰退する宗主国に、資産を吸い上げられながら、ひたすら永久属国化方針や、侵略戦争についてゆくのが専門という国。

戦争中、やがて「神風」が吹いて、救われる、という信仰があったのだろうか?いわゆる、デウス・エクス・マキナ。

今も、豪腕政治家が、権力を握れば、救われるという信仰があるように見える。豪腕神風、本当に吹くのだろうか?

2011年12月20日 (火)

マリキとイランが、いかにしてアメリカに軍撤退で一杯喰わせたか

Gareth Porterによる分析

2008年12月バグダッドでの、当時のアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領とイラクのヌリ・アル-マリキ首相

クレジット:Eric Draper撮影のホワイト・ハウス写真(パブリック・ドメイン)、Wikimedia Commons経由

 

ワシントン、2011年12月16日

IPS

イラクでのアメリカ軍駐留終了は、アメリカ軍のサクセス・ストーリーの一環であるというレオン・パネッタ国防長官の発言は、ジョージ・W. ブッシュ政権とアメリカ軍が、イラクにおける半永久的軍事駐留継続を計画していたという事実を無視している。

アメリカ撤退の背後にある本当の物語は、イランと協力して、ヌリ・アル-マリキ首相が採用した、ごまかしと外交の賢明な戦略が、いかにブッシュとアメリカ軍指導部の裏をかき、アメリカ合州国に、米-イラク撤退条約に署名するようにさせたかというものだ。

マリキ-イラン戦略の中心要素はマリキと、イランと、反米聖職者ムクタダ・アル-サドルの共通の関心事であり、それ以外の問題を巡る意見の相違にもかかわらず、アメリカ占領を終わらせるという点では一致していたことだ。

マリキは、当初、イラクからのアメリカ軍兵士撤退予定表を手に入れるというマリキの約束がその基盤とする、サドルの支援が必要としていた。

2006年6月始め、イラクの政治集団の間で回覧された国民和解計画の草案には、イラク軍の構築と共に、"軍隊をイラクから撤退する予定表"に対する協定が含まれていた。だがバグダッドを短期間訪問した後、ブッシュは撤退予定表という考え方を拒否した。

マリキの国家安全保障顧問ムワファク・アル・ルバイエは、ワシントン・ポストの論説欄で、マリキは外国軍隊を、2006年末迄には、30,000人以上削減し、100,000人以下にし、2007年末迄には、"残りの軍隊の大半"を撤退させたいと考えていることを明らかにした。

国民和解計画の全文が、2006年6月25日に発表された際には、ところが撤退予定表の約束は消えていた。

2007年6月、ブッシュ政権幹部達は、記者達に、ニューヨーク・タイムズが、四カ所の主要基地の支配を含む、イラクにおける"ほぼ恒久的な駐留"と表現したものを維持する計画を漏らし始めた。

マリキは即座に外務大臣ホシャル・ゼバリをワシントンに派遣し、当時の副大統領ディック・チェイニーの前で、軍隊に係わる条約という気を引くような餌をちらつかせた。

リンダ・ロビンソンの"Tell Me How This Ends"に詳しく書かれているように、ゼバリは、チェイニーに、イラン人を有利にしてしまう、突然の撤退という可能性を下げるために、アメリカ軍駐留の交渉を始めるよう促した。

ボブ・ウッドワードの "The War Within"によれば、2007年9月、当時の国務長官コンドリーザ・ライスとの会談で、国家安全保障顧問ルバイエは、マリキは、アメリカ軍の駐留継続を可能にするが、"イラクの主権を明らかに侵害している刺激的な部分は無くすような""地位協定" (SOFA)を望んでいると述べた。

マリキの国家安全保障顧問も、マフディ軍団を、大規模攻撃の標的にしようとするアメリカ軍の計画から守ることを狙っていた。ブッシュのイラク戦争取りまとめ役、ダグラス・リュートとの会談で、ルバイエは、アメリカの特殊部隊がそうするよりも、イラクの治安部隊が、サドルの民兵と戦う方が良いだろうと言ったのだ。

彼は、ベーカー-ハミルトン委員会に、サドルは依然として、政府の一員なので、サドルが軍事力を使用することは、マリキにとって、問題ではないと説明した。

公的には、マリキ政権は、ブッシュ政権に、長期的な軍駐留を期待して良いと請け合い続けていた。2008年1月24日、NBCのリチャード・エンゲルに、条約はイラクにおける長期的な米軍基地を提供するのかどうか尋ねられて、ゼバリはこう述べた。"これは軍事支援を継続する条約だ。兵士たちはどこかに駐留しなければならないことになろう。彼らは空中には駐留できまい。"

韓国型SOFAが勝ち取れるものと確信していた、ブッシュ政権は、2008年3月7日イラク政府にアメリカ軍兵士の人数や、その駐留期限に対する制限のない草案を示した。アメリカ軍の作戦に対する、イラクのいかなる支配をも与えてはいなかった。

だが、マリキは、ワシントンが思いもかけないことを用意していたのだ。

以後数ヶ月の、マリキとイランによる一連の劇的な動きは、アメリカ軍が対マフディ軍団の大規模作戦をしかけることを防ぎ、マリキがアメリカ軍の完全撤退を要求するという保証と引き換えに、マフディ軍団の役割を終わらせるという、サドルとの合意に達するという、しっかり練り上げられた了解が両国政府の間にあったことを示している。

2007年3月中旬、マリキはチェイニーの個人的訪問による、マフディ軍団の解体に協力するようにという圧力を無視し、逆にバスラのマフディ軍団に対する大規模作戦というアメリカ軍の計画に突然反対した。マリキはイラク軍にたてこもったサドル軍への攻撃を命じた。

予想通り作戦は困難に陥り、数日のうちに、イラク当局者がイランのイスラム革命防衛隊のクッズ部隊司令官スレイマニ将軍に、仲介し、サドルとの停戦交渉をしてくれるよう依頼したところ、彼の軍隊は敗北状態からほど遠かったにもかかわらず、将軍は同意した。

数週間後、マリキは、サドル・シティーのマフディ軍団に対し、またもやアメリカ合州国が最大の作戦を仕掛けようとするのを再び阻止した。そして、元マフディ軍団の牙城で、政府軍兵士が警らすることを認める交渉をサドルとまとめるのに、またもやスレイマニがかつぎだされた。

スレイマニの仲介には言外の意味があったのだ。スレイマニが、まさにバスラでサドルと停戦交渉をしていた頃、元IRGC司令官モフセン・レザーイーに関連したウェブサイトは、イランはイラク政府と国民を弱体化させるだけであり、占領者に口実を与えてしまうので"、"強行派部族"による行動に反対だ"と述べていた。

この協定締結後の日々、イラン国家のマスコミは、バスラにおける、イラクの取り締まりは、違法で"犯罪的な"勢力に対するものとして描き出していた。

マリキによる、それぞれの政治的・外交的な動きのタイミングは、マリキとイラン首脳部との間での打ち合わせで決定されていたもののように見える。

2008年6月、テヘラン訪問から帰国してからわずか二日後、軍事基地の無制限な利用、イラク空域の支配や、アメリカ軍や民間請負業者の刑事免責等のアメリカの要求に対し、マリキは公に不満を述べた。

7月、イラク政府はアメリカ軍兵士の予定表通りの完全撤退を要求していることを彼は明らかにした。

ブッシュ政権はショック状態にあった。7月から10月、撤退要求の受け入れは単純に拒否できるふりをしながら、マリキに無駄な圧力をかけ、主張を撤回させようとしていた。

ところが、結局、ブッシュ政権幹部達は、当時、世論調査で、共和党の大統領候補者ジョン・マケインを遥かにしのいでいた民主党の大統領候補者バラク・オバマなら、同じか、あるいはもっと早期の撤退線表を受け入れるだろうと悟ったのだ。10月、ブッシュは、2011年末までにアメリカ軍兵士が撤退することを誓う協定案に署名することを決定した。

中東を、軍事的、政治的に支配するために、イラクを利用しようというアメリカ軍の野心的な計画は、まさにアメリカ合州国が据えつけた政権によってくじかれたのであり、アメリカの構想の背後にいた幹部連中は、もはや遅すぎる状態になるまで、一体何が起きているのかさっぱりわからずにいたのだ。

(おわり)

記事原文のurl:ipsnews.net/news.asp?idnews=106244

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TPPは国益の為という真っ赤な嘘をついている御仁、今度は、冷温停止、原発事故収束という、真っ黒な?嘘をぬけぬけと語った。

平然と報道するテレビ・新聞の素晴らしさ。これこそ日本の「ジャーナリズム」。昨夜の国営放送の原発ドキュメンタリー、地震そのもので、原発が壊れてしまった可能性には全く触れず、もっぱら「水位計の表示が不正確なのに気がつかなかった人為的ミス」に話を誘導する、ひどいもの。ヒューマン・エラー説であれ、復水器原因説であれ、地震原因説を隠すためのものにしか見えない。

原発事故収束にまつわるテレビ放送も新聞記事も一切読む気にならない。

無意味なプロパガンダにつきあう時間は皆無。頭が変になるだけのこと。無意味な政治・経済・原発プロパガンダとは全く異質な、「プロメテウスの罠」と「原発とメディア」のために新聞購読料を払っていることは言っておかないと、それぞれの記者に申し訳ないだろう。「原発とメディア」にあった、編集権と人事権のくだりは忘れられない。(個人的に、意味も利益もある仕事の推進と、人事権、不幸にして一致しないこと、十分体験した。)

現地の様子を死の町と描写した大臣、本当のことをいったがゆえに首になった。

冷温停止、原発事故は収束したという真っ赤な嘘を言う首相をマスコミは追求しない。

真実を言うと、首がとび、嘘をつくと、偉くなれるのだ。

国家まるごと、ほら吹き大会!究極の道徳教育、生きる力の見本。

本当のことは「王様の耳はロバの耳」のように地面に穴を掘って叫ぶしかなさそうだ。お話では、叫び声、最後は世間に広がってしまうが、実際は、どうだろう?

属国のTPP、原発を巡る嘘同様、宗主国でも、きまりがわるい退却は、サクセス・ストーリーの一環にされてしまう。

グリーン・ゾーンを守る傭兵部隊は依然駐留しているにせよ、「地位協定」を拒否したマリキ首相の爪の垢、首相や外務大臣を含め政権幹部に煎じて飲んでいただきたいもの。

故チャルマーズ・ジョンソン氏の最後の本、Dismantling the Empireの翻訳『帝国解体―アメリカ最後の選択』、12月14日刊行予定とあったが、突然来年1月28日に延期となった。

Dismantling the Empire中で、普天間基地のみならず、「地位協定」も、触れられている。

「戦後日本と締結したのと極めてよく似た地位協定を、イラクと結んだ」と193ページにある。

194ページには、米軍、兵士の為に、世界中に桃色遊技場を作り出し、悪行をしても相当程度保護してやっていると言って言い過ぎではなかろう、というきつい文章がある。

米軍がイラクから撤退したところを見ると、戦後日本並の地位協定をアメリカは延長することができなかったのだろう。一方、日本では、特権に守られて駐留を満喫している。

予定通り、12月14日に刊行されなかったのは残念。原書については下記を書いた。ご興味あればどうぞ。Dismantling the Empire-チャルマーズ・ジョンソン著 2010/9/2

宗主国・属国外相会談で、「基地」「駐留軍」「地位協定」の話題、果たして出るのだろうか?と思っていたところに、あまりに偶然な、隣国のできごと。

宗主国・属国外相会談の話題、TPP推進、軍事従属深化ばかりだろう。

2011年12月17日 (土)

ロラとグルナラとの同盟

Craig Murray

2011年12月6日

ボンでのアフガニスタン会議は茶番だ。占領に反対するアフガニスタン抵抗組織の代表は参加していないのだから、和平交渉をしているわけでもない。大規模な選挙違反によって実現した、カルザイの腐敗し退廃的な大統領の地位は2014年に満了する。それが、NATO軍撤退の直後にあたるのは偶然ではない。カルザイ一家の一人としてアフガニスタンには留まらず、イギリスとアメリカの納税者からの資金から略奪し、ヘロイン密売で稼いだ何十億ドルを持って、スイスに隠退するだろうことは確実だ。

パキスタンはもちろん会議には出席していない。既にパキスタン領土で、約6,000人のパキスタン人が、アメリカの爆撃によって殺害されたが、更に25人が一瞬にして殺害され、全員若い兵士だったので、パキスタンの無頓着で腐敗した政府ですら、言い繕うことができなかった。そこで、今のところ全てのNATOの地上補給は、ウズベキスタン経由で輸送されている。この経路によるNATO補給の比率は、既にほぼ50%に増大しており、政策上、今も急速に増大しつつある。

ヒラリーがカリモフ大統領が新しい親友にしたのは幸いなことだ。

こうしたこと全てが、何故イギリスの連立政権が、ウズベキスタンにおける人権侵害を、一言も批判しない理由なのだ。イギリス政府が、先月ウズベキスタンの公式国会議員・貿易代表団をもてなした際、人権、児童の奴隷労働、政治犯、自由投票、野党禁止の解除、集会、言論、信仰の自由には一言の言及もなかった。こうした話題のどれに対しても、公的にも、私的にも、一言もなかった。

現在のイギリス政権はカリモフを愛しているのだ。イギリス政権はごく穏やかな批判すらしていない。人を生きたまま釜茹でにしたり、政敵を拷問で殺害しても、連中は気にしないのだ。イギリスは、極上の反体制活動家を、彼のもとに送り返し、そういう施策を実施できるようにしてやってさえいる。イギリス政府、8歳児童の労働奴隷が摘んだウズベキスタンの木綿に対する新たな特恵関税を、EUで、まんまと押し通した。

イギリスの権力者集団の情事は、この政権だけに留まらない。労働党にとって、保守党のアシュクロフト卿にあたる、新たな主要資金援助者は、アンドリュー・ローゼンフェルドなる人物だ。彼はスイスにある家を、カリモフの娘ロラに、市価の三倍の値段で売却した。そのような市価を超えた高額支払いは、何かの引き換えに、余計な金を支払うという、マネー・ロンダリングの現場であることが極めて多い。

金は双方向に流れている。以前報告したように、カリモフの長女グルナラは、ウズベキスタン経由のあらゆるNATO補給の輸送から、かなりの分け前を得ている。

だが、カリモフ一族との最近のラブ・インには、皆様びっくりされよう。ウイリアム・ヘイグ外務大臣は、ウズベキスタンで最も嫌われている人物、グルナラ・カリモワが、ウズベキスタン大使として、ロンドンに来て、暮すことに合意しようとしているのだ。彼女を受け入れる要求(外交用語ではフランス語で“アグレマン")が出されて久しい。残された唯一の障害は、グルナラの7人のボディーガードのうち、一体何人に、ロンドン市街で半自動火器の携帯を許すか決定することだ。

イギリス主要政党、カリモフ一族同様、倫理観を事実上失なってしまったもののようだ。

クレイグ・マレーは、作家、放送タレント、人権活動家。彼は2002年8月から2004年10月まで、駐ウズベキスタン・イギリス大使で、2007年から2010年まで、ダンディー大学学長を勤めた。 www.craigmurray.org.

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article29900.htm

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宗主国とお仲間、二枚舌の使い分けは巧妙。言う通り振る舞う政権なら、いくら腐敗していようと、親子で政権相続をしようと、おかまいなし。お隣の北、その典型だろう。宗主国の、御要求に応じて、悪役を演じ、テポドンを発射したり、島を攻撃したりして、危機を煽るのが仕事。

言う通り振る舞わなければ、忠実な属国の傀儡政権であれ、反抗的な独立国家の首長であれ、屁理屈をつけて、爆撃し、殺害する。

世界最先端を行く属国では、宗主国、カリモフのような腐敗した走狗すら、もはや不要。

66年にわたり、宗主国の思い通りに構築した、官僚機構、政界、財界、司法、学界、マスコミが自動的に属国政策を推進してくれる。言うことをきかなくなったら、交替させるだけで良い。

議席配分は、プロパガンダ洗脳漬けの自由投票によって、思い通り。

野党禁止する必要など皆無。誰も本格的野党になど投票しないのだから。(そもそも立候補すると、とんでもない金額の供託金を取られる。貧乏人は立候補できない巧妙な制度、小選挙区制度や、政党補助金と同じで、それを推進するマスコミ、決して触れない。)

集会、言論、信仰はもちろん自由。体制にとって不都合な集会、言論、信仰は巧妙に抑圧すればよいのだから。集会があっても、記事にしなければよい。そもそも、そういう発言をする連中、まず、テレビや新聞に出さない。

以下は皆様にとって、全くの余談、無視頂きたい。(「通りがけ」様に宛てた文章)

「通りがけ」様が、地位協定さえ廃止すればすべて解決するという、翻訳記事とあまり関係のないコメントを再三寄せられている。(余所のブログで、「通りがけ」様の、同内容の書き込みを拝見できる。)

地位協定、安保条約のサブセットなのだから、地位協定を廃止するには、そもそも安保条約を廃止しなければならないだろうと素人は思う。安保条約こそが、日本国憲法の上位にあって、日本そのものを規定している法規だろう。

「地位協定も安保条約も、堅持・推進します。憲法は破壊します。」という諸政党が大多数を握っている(野党のふりをしている)状態で、彼ら地位協定を廃止するわけがないだろう。

二大政党、宗教政党の政治家が消滅し、独立志向の政治家が多数派にならない限り。

そういうわけで、通りがけ様による、「地位協定さえ廃止すれば、解決する」という趣旨のコメント、今後も一切公開する予定がないことを、通りがけ様には、再度お断りしておく。

「通りがけ」様、地下原発推進派でおられるようだ。この点でも小生、意見を全く異にする。

通りがけ様がブログをお持ちで、アドレスをご教示いただければ、関係ある本文中で、一度ご紹介するのはやぶさかでない。

2011年12月15日 (木)

新同盟誕生: 革命途上の中南米

Eva Golinger

2011年12月8日

chavezcode.com

世界の多くが危機的状況にあり、ヨーロッパ中やアメリカ合州国で抗議行動が頻発する中、中南米とカリブ海諸国では、合意を形成し、社会的公正を進展させ、地域における積極的な協力を推進している。ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、ニカラグア、ウルグアイ、アルゼンチンとブラジル等の国々では、民主的プロセスを通して 過去十年間にわたり、社会的、政治的、経済的変革がおこり、貧困と地域の所得格差の激減、社会福祉、生活の質や、政治過程への直接参加の大幅な向上をもたらした。

今世紀における、進歩的な中南米諸国政府による重要な取組の一つは、近隣諸国の統合、協力と団結を推進する新たな地域組織の設立だ。キューバとベネズエラが、2004年に米州ボリバル同盟(ALBA)を設立して、このプロセスを開始したが、この同盟には今やボリビア、エクアドル、ニカラグア、ドミニカ、セントビンセント・グレナディーンとアンティグア・バーブーダが加盟している。ALBAは当初、この地域全体に、米州自由貿易地域(FTAA)を押しつけようというアメリカ政府による失敗した企みに対応して立ち上げられた。現在、ALBAは、国と地域に対する政治構想を共有する加盟諸国によって構成された好調な多国間組織であり、経済、社会、文化の領域で無数の協力協定を結んでいる。ALBA加盟諸国間の、基本的な貿易基盤は、団結と相互利益だ。競争、搾取も、ALBA諸国の間で覇を競おうという企みも存在していない。ALBAは、加盟諸国の間で、米ドルに依存しない貿易を可能にする仮想通貨スクレさえ想定している。

2008年、南米諸国の地域機構として、南米諸国連合(UNASUR)が正式に設立された。ALBAは、統一した政治勢力として、より強く団結しているが、UNASURは、政治的姿勢、経済モデルや地域に対する構想などの多様性を代表している。しかしUNASUR加盟諸国は、地域統合に向けて取り組むことと、平和的な外交手段による紛争解決を保証するという目標を共有している。UNASURは、既に、ボリビアにおいては、とりわけ2008年のエボ・モラレス政権に対して企てられたクーデターの際の紛争の平和的解決で重要な役割を演じており、コロンビアとベネズエラ間の深刻な紛争も見事に調停し、2010年の関係修復をもたらした。

200年前、ベネズエラ出身の南米独立の英雄シモン・ボリバルは、地域統合を築き上げて、中南米に“パトリア・グランデ”(大祖国)を生み出すことを夢見た。ベネズエラ、ボリビア、エクアドルとコロンビアの独立を実現し、いくつかのカリブ海諸国で植民地主義者と戦った後、ボリバルは、この中南米の統合という夢を現実に変えようと試みた。彼の試みは、堅固な地域ブロックの創設に反対する強力な権益によって妨害され、最終的に、アメリカ合州国の助力により、ボリバルはベネズエラ支配の座を追われ、数年後、コロンビアで、隔離状態の中、没した。一方、アメリカ政府は、中南米とカリブ海の新たに解放された諸国を巡る、アメリカの優勢と支配を確保するために、ジェームズ・モンロー大統領が1823年に、初めて宣言した掟であるモンロー主義を推進した。

中南米諸国に対し、アメリカ政府が仕掛けた、ほぼ200年間の侵略、介入、侵略、クーデターと敵対行為が、19世紀と20世紀を覆っていた。20世紀末には、キューバを除く、アメリカの狙いに従属的な中南米・カリブ海の諸政府に、ワシントンはまんまと付け入っていた。モンロー主義は実現され、アメリカは自分の“裏庭”に対する支配に自信を持っていた。

21世紀始めの、ワシントンにとって元来、最も不変の従属的パートナーの一国であったベネズエラにおける予想外の方向転換は、アメリカに衝撃を与えた。ウゴ・チャベスが大統領に選出され、革命が始まった。地域全域でのボリバル革命の進展と革命的情熱の広がりを覆すための2002年クーデターという企ては失敗した。間もなくボリビアが続き、更にニカラグアとエクアドルが続いた。アルゼンチン、ブラジルとウルグアイは社会主義者の大統領を選出したが、彼らのうち二人は元ゲリラ戦士だ。この広大で多様で豊かな大陸の人々が権力を握り、意見を反映させるようになると地域中で大きな変化がおき始めた。

人民の力に発言権を与えた、ベネズエラにおける社会的変革は、アメリカ帝国主義に対するチャベス大統領の果敢な挑戦と同様、地域の他の国民にとっての模範となった。アメリカの権益や、多国籍企業の支配に同調する政府の国々の人々ですら、中南米の主権と独立に対する強い気持ちは強化された。

2011年12月2-3日、大陸の圧倒的な総勢ほぼ6億人という、中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)が誕生し、200年越しの統合の夢が実現した。CELACの33の加盟国全てが、自分たちの権益を代表し、アメリカとカナダという威圧的存在を排除した地域組織を構築する必要性には疑いの余地がないことに同意している。CELACが強固なものになるには時間がかかろうが、33ヶ国がベネズエラのカラカスでの発足式に出席したということで証明された、並外れた献身ぶりを見くびってはなるまい。

CELACは、その発展と持久力を妨害し、無力化しようとする企みを乗り越えねばならず、共同体に対する脅しや、加盟諸国を分裂させようとする意図は無数かつ、再三にわたろう。しかし、ほぼ200年間にわたる帝国主義者による攻撃の後、この統合と独立の道を取り戻した中南米とカリブ海の人々の抵抗は、強力な力がこの地域を、社会的公正や本当の自由を目指している世界中の人々を鼓舞するものにさせたことを実証している。

記事原文のurl:www.chavezcode.com/2011/12/union-is-born-latin-america-in.html

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ボリバルをネットで見ると、彼の興味深い言葉があった。元のスペイン語は、どうやら下記のようだ。いい加減な訳をつけておこう。

Los Estados Unidos parecen destinados por la Providencia para plagar la América de miseria en nombre de la Libertad.

「アメリカ合衆国は、摂理により、自由の名においてアメリカ大陸を災難まみれにする運命にあるようだ。」

(さすがのボリバルも、世界中、災難まみれになるとは想像していなかった!)

属国モデルの世界最先端を行く日本が、政財界マスコミを挙げて、永久植民地条約たるTPP加盟に専念する中、同じ宗主国の横暴を200年味わった国々による、中南米カリブ海諸国共同体が立ち上がった。

当然なことに?「中南米カリブ海諸国共同体」に関する詳しい報道を見た記憶皆無。

失敗におわったFTAA(米州自由貿易地域)、TPPの別地域版だったのだろうか?

筆者が言う通り、中南米カリブ海諸国共同体の前途、必ずしも安穏としたものではなかろうが、同じ時点での、地球のあちら側と、こちら側の、独立精神の水準、あまりに対照的。

アメリカ側に領事裁判権があり、日本に関税自主権がなかった1858年の日米修好通商条約。修好通商条約という名の不平等条約締結から153年。(実際は、1899年の日米通商航海条約発効で、日米修好通商条約は失効。)

臥薪嘗胆、苦節41年で、不平等条約は改訂された。不平等条約の期間は41年

敗戦以来、同じ国の正式属国として66年

41年と66年を足すと107年。中南米諸国の苦節、約200年のほぼ半分。

わざわざ関税自主権を返還する、平成の大政奉還。

百年後には傀儡政党も消滅し、中南米カリブ海諸国共同体に加盟を申し出ることが可能になるのかも知れない。

全くどうでもよいことだが、今年の漢字、「絆」だという。

「競争、搾取も、ALBA諸国の間で覇を競おうという企みも存在していない。」というALBA諸国の関係は、「絆」かも知れない。

傀儡二大政党が、こぞって永久属国を目指す関係、「絆」ではなく、「軛」だ。

2011年12月13日 (火)

ニュースに対する、ジョージ・オーウェルの手引書

ロシア・トウディ

2011年11月29日、16:37

ジョージ・オーウェルの小説『1984年』は手引書として書かれたわけではなかった...

西欧の主流マスコミは、ニュースを改竄するにあたって、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』中の最高(最悪)スタイルの婉曲語法や半面の真理と嘘を用いている。我々は皆、グローバル・パワー・エリートが、我々の心を支配する為に用いている“ニュースピーク”による非現実的な世界に暮しているのだ。

自分の周辺や、自分に対して起きていること、あるいは自分の名において行われていることを、適切に把握したり、理解したりできないと、人は混乱する。通常、そうした混乱は無為を招く。森の真ん中で迷子になっても、星が見えていれば、多少の天文学の知識で、少なくともどちらが北かはすぐ把握できる。だが、曇っていたり、星空の星座について無知だったりすれば、たき火を焚いて、夜明けまで、まんじりもせずにとすごすしかなくなり…。迷子になる!

現在、金権ご主人連中が、あらゆる主要な政治、経済、あるいは財政プロセスの“公式説明”を支持しろと命じると、大手マスコミ報道は、計画的な歪曲、混乱や、あからさまな嘘さえ用いる。だが良く見てみると、物事の“公式説明”なるものは、不正確で、事実と異なっていて、実に愚かななものではないにせよ、到底信じがたいことが多い。

例を挙げよう。イラクへの侵略と破壊を引き起こした、存在していなかったイラクの大量破壊兵器。納税者の資金による、世界的巨大銀行の緊急救済。イスラエルの狙いに対するアメリカの、理不尽な外交的、軍事的、財政的、イデオロギー的連帯。“我々はオサマ・ビン・ラディンを殺害し遺体を海に沈めた静めた”というヨタ話、そして、ニューヨークとワシントンの9/11や、ロンドンの7/7地下鉄事件、1992/1994年ブエノスアイレスでのAMIA/イスラエル大使館攻撃、そして、もちろん、あの一番のお気に入りの、誰がJFKを銃撃したのか…等を巡る、様々な“真犯人探しのミステリー”

こうしたものは、少なくとも、何百万人もの人々を目覚めさせ、大手マスコミ報道の通りでなく、自分の頭で考えるようにさせるのに役立った系列的な例のごく一部にすぎない。だが、不幸にして、そうしたケースの圧倒的大多数は、それほど明快なものではない。圧倒的大多数のニュースピークの嘘は、ゴルディオスの結び目のように、えらく複雑に仕組まれていて、ほどくのが容易でない結び目のようなものだ。また、すべてのゴルディオスの結び目同様に、ズバリ断ち切る必要があるのだが、それには素早い正確な行動と、そのうえ知的勇気も必要だ。

お話していることの一例を挙げるため、“ニュースピーク”作戦がどのように機能するかをザッと見てみよう。逐次的な計画が必要だ。時間が必要だ。適切な事業実行が必要だ。公的・私的分野において“信頼できそうに見える”代弁者が必要だ。適切な時期に、適切な状況で、適切な用語と画像を、選ぶことが必要だ。

そこで、言わばグローバル・パワー・エリートが、連中がしっかり埋め込まれているアメリカや、イギリス政府や、EU、様々な、マスコミ、兵器会社、石油会社、警備保障、建設会社との合弁事業や、強力なロビーを通して、取り組んで、特定の国家…例えば、リビアを、侵略して、破壊しようと決めることになるわけだ…

連中は、(連中に対し、ますますわめきちらす、依然比較的少数派の声を除いて)“国際社会”が、座視したままでいる状況を、どうやって確保しているのだろう?

主流マスコミによる国家破壊ガイドの七段階

1. 最初に、連中はまず“体制転覆”の機が熟したある国を標的にし、“ならずもの国家”とレッテルを貼り付ける。次に…

2. 彼らは、CIA、MI6、モサド、アルカイダ (CIA作戦の一環)、麻薬カルテル(CIAの作戦であることが多い)を通して、現地テロ集団に武器を与え、訓練し、資金を与え、連中を“自由戦士”と呼び、次に…

3. 連中の自称“一般市民を保護するための国連経済制裁”なる、何百万人もの一般市民に死と破壊を雨あられのごとく降り注ぐ、まがいものの国連安全保障理事会決議がでっちあげられる。次に…

4. 連中は“ニュース編集室”やら、お雇いジャーナリストを駆使し、ひどい嘘を広め、それを"権威ある代弁者や専門家が示した国際社会の懸念…”と呼び、次に…

5. 連中は標的国家の爆撃、侵略、支配を始め、それを“解放”と呼び、次に…

6. 標的の国家が完全に自分たちの支配下に落ちると、“自分たちの目にかなった類の民主主義”を押しつけ(2011年3月10日ヒラリー・クリントンのエジプトやチュニジア訪問前にしたように)、そして最後に…

7. 連中は、食欲をそそる石油、鉱物や、農業資源を盗み取り、それをグローバル・パワーエリート大企業に引渡し、不必要な民間銀行債権を課し、それを“外国による投資と再建”と呼ぶ。

連中の基本方針は、いつでも“自由”、“民主主義”、“平和”“人権”の名において、何度となく、国をすっかり破壊するのに用いてきた、戦力と偽善だ。連中の目的・目標をを実現するために、最大限の武力と暴力が使われる。

連中の長老達は、何十年も前に、いにしえの陳腐な手描き原稿に記した世界支配の青写真で、これを推奨していた…

“今何て言われました…?‘解放され’‘民主化され’たいと思わないですって?!?

“それなら、これを御覧じろ。広島、長崎、ハノイ、ベルリン、ドレスデン、バグダッド、バスラ!! これもご覧あれ。東京、ガザ、レバノン、カーブル、パキスタン、トリポリ、ベオグラード、エジプト、エルサルバドルと、グレナダだ!! お次ぎはこれ。パナマ、アルゼンチン、チリ、キューバ、ドミニカ共和国、ソマリア、アフリカ!!”

いつでも、人を爆撃し、木っ端みじんにする… いつでも、もちろん“自由”、“民主主義”、“平和”と“人権”の名において。

Adrian SalbuchiによるRT用記事

Adrian Salbuchiは、アルゼンチンの政治評論家、著者、講演者、ラジオ/TVコメンテーター。www.asalbuchi.com.ar

記事原文のurl:rt.com/news/media-lies-global-elite-447/

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筆者は『1984年』のニュースピークというが、詐欺的メディアの実態、むしろ『トゥルーマン・ショー』を連想する。ありとあらゆる物事、すべてフィクション。主人公は、それを、現実だと思いこまされている。

あらゆる主要な政治、経済、あるいは財政プロセス、とは、すぐに下記を思い付く。

  • 日米安保条約
  • 在日米軍基地
  • 原発・核燃料サイクル推進
  • 除染という名の原発関連企業救済策(実態は、移染に過ぎまい)
  • 消費税増税
  • TPP加盟

ニュースは、走狗役の二大傀儡政党政治家、売国省庁高級官僚、財界、御用学者らが推進するあらゆる宗主国の指示を、朝から晩まで、良いものとして、刷り込んでくれる。

“自由民主主義”や“民主主義”の名において、宗主国への一層の貢献を目指し、

  • TPPという平成の開城を実施し、
  • 消費税増税という搾取を推進するために

ドジョウ内閣、結局この二つによる、日本の壊滅的破壊が任務なのだろう。支持率は、さすがに下がっているようだが、所詮属国ミッションは宗主国への貢献でしかない。

存在しない戦闘機でもなんでも言い値で購入させられる。前金、しかも想定外の値上がりもするに違いない。やがて中国か北朝鮮と戦争をさせられるのに使うのだろうか。

自民幹事長、アメリカにでかけ、対中国強硬策を叫び、同盟強化を謳っている。

「アメリカで、反中国を叫ぶ」傭兵化強化の主張なら猿でもできる。

猿並の行動に、税金、政党助成金は使って欲しくはない。

「世界の中心で、独立を叫ぶ」なら別。

2011年12月 8日 (木)

ビルマのクリントン: 米対中国戦略のもう一つの動き

wsws.org

Peter Symonds

2011年12月3日

今週の米国務長官ヒラリー・クリントンの三日間のビルマ(ミャンマー)訪問で、反政府派指導者アウン・サン・スー・チーとの派手な会談や、“民主的な権利”に対するアメリカの支援を巡る、大量の偽善的誇大宣伝が特集報道された。だが、クリントン訪問の本当の狙いは、アジア全体への中国の影響力を弱体化させるためのオバマ政権の組織的攻撃を推進することにある。

50年以上の間で初めての、米国務長官訪問は、南シナ海での紛争を巡り、中国に対する圧力をオバマが強化した東アジア・サミットで、僅か二週間前に発表された。オバマは、ビルマ軍事政権が、ビルマ政権と北京との密接な経済的・戦略的な絆を緩めたくて、アメリカとの和解を求めるしぐさに飛びつくことにしたのだ。

ある支援会議でのビルマ到着前の辛辣な発言として、開発途上国は“買い物上手”になり、“皆様の能力を築くより、皆様の資源を取り出すことに、大きな関心を抱いている”中国のような援助資金供与者からの支援を得るのにあたって、慎重であるべきだと、クリントンは語っている。この発言は、明らかに、誰よりもまず、中国の経済援助と投資に大きく依存しているビルマに向けられたものだ。

クリントンは、軍事政権の“本当の意図を試すため”に訪問したのであり、ワシントンは大幅な譲歩をするつもりはないと説明した。ビルマのテイン・セイン大統領と、木曜日に、ビルマの人工新首都ネピドーで会談し、最近の政治的進展を歓迎するが、それは“始まりにすぎない”と彼女は警告した。過去数年間、ビルマ政府は、スー・チーを自宅監禁から解放し、名目的な権力を民間人大統領に与え、スー・チーと彼女の反政府政党、国民民主連盟(NLD)が、来る補欠選挙に立候補することを認めている。

ビルマ政府は、ワシントンとの関係改善を実現したがっており 北京に対する過剰な依存を改善するであろう西欧の経済制裁を終わらせ、ビルマを新たな点賃金労働の基盤へと転換したいのだ。テイン・セインは、クリントン訪問を“両国関係の新たな章を”開く“歴史的節目”だと表現した。

タイム紙に報じられた発言で、大統領政治顧問Nay Zin Lattは、いくつか軍事政権の動機を指摘している。“以前は、好むと好まざるとにかかわらず、我々は中国が提供してくれるものをそのまま受け取るしかなかった。経済制裁が解除されれば、ミャンマーの誰にとっても、状態は良くなるだろう”と彼は語っている。

“中国のネピドー抱擁はきつすぎた”と題するアジア・タイムズ記事は、ビルマ政府の転換を、“中国の手先”と見なされていた、当時の首相キン・ニュンの汚職を理由にした排除という2004年に起きた権力闘争にまでさかのぼっている。記事は、2009年の、北部ビルマ内の中国国民に対するビルマ軍の扱いを巡る中国の怒りや、中国が資金を出している主要ダム・プロジェクトを棚上げするという最近の決定を指摘している。

こうした緊張にもかかわらず、ビルマ政権は北京とうまくつきあっていたいのだ。月曜日、クリントン到着前に、ミン・アウン・フライン総司令官は北京を訪問し、中国幹部に、軍事政権の政治・軍事指導者達は、協力を継続することを請け合った。中国に原料を提供でき、インド洋に直接アクセスできるという経済的・戦略的関係を発展させるべく、北京は相当な資源を投資してきたのだ。

中国は、中東やアフリカからの石油輸入に対するマラッカ海峡への依存を限定しようという北京の取組の一環として、ビルマを経由して、南部中国に到るエネルギー・パイプライン建設を始めた。この戦略は、マラッカ海峡のような“要衝”を支配し、中国に対する海上封鎖を実施する能力を持とう、というペンタゴンの計画を無効にすることを狙ったものだ。

中国中央電視台で話した、学者Gao Zuguiは、北京の懸念を強調して、こう述べた。“アメリカは、ミャンマー、カンボジアやラオス等のメコン河下流諸国との関係を強化したがっている。この意図は強いものであり、明らかに中国を標的にするものだ。”

ビルマ大統領顧問Nay Zin Lattも、中東の出来事は、アメリカとの関係を改善するもう一つの動機だと指摘した。“この国でアラブの春は経験したくはない”と彼は述べた。政府は、ビルマ政府が過去冷酷にも弾圧してきた大規模反政府抗議行動の可能性のみならず、アメリカがリビアの社会不安につけこみ、軍事介入して、親米属国政権をしつらえたやり方にも懸念しているのだ。

クリントンは、スー・チーが率いる反体制派ブルジョアに対する政治的自由の拡大、ビルマの少数民族との長年にわたる紛争の終結、国際原子力機関による、ビルマの限定された核計画査察等を含む、一連の要求項目リストを携えてビルマを訪問した。

それと引き換えに、クリントンはほとんど何も差し出してはいない。“もし改革がその勢いを維持するならば、我々は更に先に進む用意はある。しかし、歴史は、より慎重であれと教えている”と述べ、経済制裁解除は“まだ論議する態勢にはない”と補足した。アメリカは、ビルマとの完全な外交関係確立を提案したわけでもない。クリントンは、アメリカはもう、世界銀行や国際通貨基金などの国際機関からの融資を妨害することはせず、医療や小企業向けの国連開発補助金の拡大を支持することのみ示唆した。

重要なのは、クリントンが、北京との絆を弱める手段として、メコン河下流域開発へのビルマの参加を招請したことだ。カンボジア、ラオス、タイとベトナムを含むこの組織は、この地域に対するより強い影響力を行使する手段として、2009年にワシントンによって作り出されたものだ。このイニシアチブの名称選択は実に意図的だった。メコン河“下流”地域は、当然、中国内のメコン河“上流”を除外する。アメリカは、メコン河での中国ダム・プロジェクトの影響を含め、中国に対する怒りにつけこもうと狙っているのだ。

クリントンは、第二次世界大戦中にビルマで亡くなった約600人の兵士の遺骸収容へのアメリカとビルマの協力も提案した。提案はベトナムにおける、行方不明のアメリカ兵士を探すためのアメリカの共同活動と似通っている。これは、ビルマ軍とアメリカ軍との直接的関係を結ぶための好都合な口実になる。

クリントンは、反対派勢力の指導者スー・チーと、木曜と金曜の二度、ラングーンで会談した。オバマ政権は、アメリカの権益により密接に連携する政権を作り出すことを狙って、ビルマの反政府派と密接に協力している。オバマは、クリントン訪問を発表するわずか二週間前に、バリからスー・チーに電話をしたのだ。

スー・チーは、アメリカの戦略を丸ごと支持し、普通の労働者の民主的な権利に対する配慮が、ビルマの反政府派の動機ではないことを、またもや、はっきり示した。むしろ、スー・チーは、何十年間もの軍事支配で隅に追いやられているビルマの支配エリート層を代表して、西欧大国との密接なつながりや、外国投資に対するビルマの開放を得ようと務めているのだ。

昨年は、軍事政権の不正な選挙をボイコットしたが、スー・チーは、今や彼女もNLDも、補欠選挙の反民主主義的な性格にもかかわらず、選挙に参加することを示した。外交問題評議会とのテレビ会議で、スー・チーは、元将軍で、ずっと昔からの軍事政権の政治局員であるテイン・セイン大統領を信頼していると宣言した。

スー・チーは、それによって、NLDがより大きな政治的発言力を持つようになり、反対派を支持している実業界にとって、より大きな経済的機会となる、軍事政権との提携を実現するのに、アメリカの支持を活用しようと願っているのだ。軍事政権そのものと同様に、スー・チーもビルマにおいては“アラブの春”があってはならないという懸念を表明している。つまり労働者階級や地方の大衆による大規模抗議運動があってはならないのだ。

“各企業は、ミャンマーを次ぎのフロンティアと見なしている”と題するウオール・ストリート・ジャーナル記事は、ビルマの経済開放に対して大企業が期待する恩恵を挙げている。潜在市場や、ガスと石油を含む豊富な天然資源の開拓に余念のない財界代表団は、既にビルマに流れ込みはじめている。記事は、ビルマの利点は“製造業賃金が低く”、英語が話せる知的階級がおり、イギリスの習慣法を起源とする法制度のある、低賃金労働の基盤であることだ、としている。

経済的な配慮も明らかに動機の一つではあるが、オバマ政権の主要目的は、地域全域で、反中国同盟を作り上げようと狙う中で、中国のビルマとの関係を切り崩すことにある。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2011/dec2011/burm-d03.shtml

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ジョージ・オーウェルというイギリス人作家は、学校卒業後、父親の職業(アヘン生産監督官?)に似たインド警察の職につき、ビルマ、マンダレーに赴任した。

1984年』『動物農場』が有名だが、『ビルマの日々』という小説も書いている。

「オーウェルは素晴らしい預言者だ。『1984年』も『動物農場』も現在のビルマそのままだ。」と言うビルマのインテリがいるというのをどこかで読んだ。

『動物農場』、スターリンソ連・共産主義批判の本として、宗主国でも属国でも、もてはやされている。しかし、名作は、本人や周囲の意図をはるかに越えて生きる。『動物農場』、今読み返すと、二大政党交替のインチキさを描き出していると読める。政治学者により『オーウェル動物農場の政治学』という本が最近刊行されたこと自体、この本の意義決して減少していないことを示しているだろう。

『1984年』も『動物農場』も、日本そのままだと、メタボ・オヤジは思う。

『1Q84』という本は読んだことがないが、『1984年』こそ読まれるようお勧めする。

2011年12月 3日 (土)

‘著作物一時保存’も複製と見なす…営利目的がなくとも処罰対象に ハンギョレ新聞

TPPの予行演習、米韓FTA、予想してはいたが、色々な面で大劇薬のようだ。大変に興味深い記事なので、「そのまま全文」貼り付けさせていただく。当ブログの近未来も、想像がつくような気がする。

2011年11月28日07時48分

提供:ハンギョレ新聞

原文入力:2011/11/27 22:14(1524字)

ク・ポングォン記者

知的財産権条項 インターネットに足かせ

検索事業に複製物活用してきた

NAVER・DAUMなどポータル 安心できず

米国企業 民事訴訟 乱発憂慮

米国の知的財産権制度をほとんどそのまま受け入れた韓-米自由貿易協定(FTA)により国内インターネット業界と使用者は不安に震えることになった。一日でサイトが閉鎖されたり不法複製容疑で訴えられ刑事処罰と共に巨額の損害賠償金を出さなければならないこともある。

韓-米協定の不法複製関連付属書簡は著作権を侵害するサイトだけでなく、著作物の無断複製、伝送を許容するインターネット サイトも閉鎖することができるよう定めている。 ナム・ヒソプ弁理士は27日「付属書簡で名指ししたウェブハードやファイル共有サイト(P2P)だけでなく、ネイバー、ダウムのようなポータルサイトも含まれる」と話した。国内ポータルは一時期、事業者または使用者による不法複製を通じて膨大なコンテンツを構築してきたし、それをデータベース化して検索事業に活用してきた。ネイバーの知識人コーナーのように問答型情報サービスが代表的なもので、記事や写真など著作権のあるコンテンツをそのまま転載することはブログやカフェでは珍しくない。あるポータル関係者は「対応策の準備を議論しており、変わった内容を利用者らに公示することも検討中だ」と明らかにした。

韓-米協定と共に通過した著作権法改正案はインターネットで広く使われている‘一時的保存’を明確に‘複製’の範囲に含ませた。インターネット サービスは一つのファイルを細かく分けて移動させるため、コンテンツをなめらかに見るためにはバッファリングやキャッシュのような‘一時的保存’技術が使われてきた。 情報を使用者PCに永久保存せず、電源が切れれば情報が消される臨時メモリー(RAM)に情報を閉じ込めておく技術だ。‘コンピュータで円滑で効率的な情報処理のために必要だと認められる範囲’内でのみ例外を認めるという但し書が付いているが、‘一時的保存’が複製として規定されたことにより多様なサービスが危険になった。例を挙げれば、インターネットで音楽、映画、ゲームなどデジタル著作物を所有せずに一回きりで利用することは幅広く許されてきた。だが、法が発効する来年からは一時的保存も複製として規定され、著作権者の統制下に入る。

また、改正された著作権法は著作権侵害訴訟対象を拡大して手続きを簡素化した。刑事処罰対象を‘営利のために(and)常習的な’場合から‘営利を目的にまたは(or)常習的な場合’に拡大したのだ。これまでは営利目的が立証されなければ刑事処罰が難しかったが、これからは反復的著作権侵害だけで刑事処罰を受けることになった。インターネット利用者が自分も知らない間に刑事処罰対象になり得る状況だ。

‘法定損害賠償制度’を導入したことも問題だ。著作権者が実際に損害を立証せずに、侵害事実だけを立証すれば裁判所が適正な賠償額を判断するためだ。 著作権を前面に掲げた米国企業らの民事訴訟乱発が憂慮される内容だ。これはまた、民法の実損害賠償原理とも衝突する。実際の損害を立証する必要なしに著作物当たり1000万ウォン、営利目的による侵害の場合は5000万ウォンの法定損害賠償請求が可能になったためだ。

ク・ポングォン記者 starry9@hani.co.kr

原文: http://www.hani.co.kr/arti/economy/it/507381.html 訳J.S

記事原文のurl:news.livedoor.com/article/detail/6067183/

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郵政破壊を推進した人物が、「TPPはメリットがある」といっているという。100%本当だろう。

もちろん宗主国にとって、メリットがあるという意味で。売国奴推薦の政策は売国政策だ。エセ学者の文、いくら読んでも、植民地の貧乏人にとっての利点はわからない。

200万人、宗主国の人の仕事が増えるのは、属国側の仕事がそれだけ減るからだ。

トロイの人豚作戦による日本完全攻略の鍵は、非関税障壁に決まっている。

TPP推進論者、すなわち、属国・植民地を丸裸にするのが職業のBKDにほかなるまい。TPP推進・売国マスコミが重用するのは、そういう、エイリアン・インベーダーばかり。

2011年12月 1日 (木)

爆撃遠征: 600人のリビア人‘既にシリアで戦闘中’

RT

2011年11月30日

"RT"

リビア政府は、カダフィ政権打倒の成功体験を、志を同じくするシリア人と共用したがっているもののようだ。マスコミ報道によれば、リビア政府は、現地の反アサド政権戦士を支援するため、600人の軍隊を派兵した。

シリア政府軍攻撃を実行している戦闘集団、自由シリア軍に、戦士達が加わったと、エジプトのニュース・ウェブサイトのアル-レイ・アル-アラビが、情報源を引用して報じている。軍隊はトルコ領土経由でシリアに入ったと記事は報じている。

侵入とされているものは、リビア暫定国民評議会(NTC)議長のムスタファ・アブドルジャリルの同意の上で行われた。NTCは志願兵が増派に参加するのを歓迎しているといわれている。

先週金曜日、NTC特使と、反政府シリア人の秘密会談がイスタンブールで開催されたとイギリスのマスコミが報じた。リビアの統治組織は、シリア人に、武器、資金と戦士を提供すると約束したと言われている。

バッシャール・アサド政権は、外国勢力が、武装集団や兵器をシリアに密輸して、進行中の武力衝突をあおっていると、再三非難している。

10月中旬 リビアNTCが、反政府派のシリア国家評議会を、シリア国民の正当な代表であることを承認する最初の政府となった。

リビア国民は、内戦中に、軍兵站部からの略奪、密輸、あるいは、NATO加盟諸国や、ムアマル・カダフィ追放に参加したカタールなどの国々からの援助として入手した゛多くの兵器を所有している。NTCは、自衛手段なり、生計の手段なりとして、銃器を手元に置きたがっている元反政府リビア人達を、武装解除するるに苦労している。

11月、リビアの首都トリポリで、NTCに自分たちの給料を支払うよう要求する、元反政府リビア人による集団抗議行動が起きた。要求が通らなければ、前政権にしたのと同様、新政府を打倒すると威嚇する連中までいた。

武装した、失業中の、戦いたくてうずうずしている若者を、他国に注ぎ込むのは、NTCにとっては、うってつけの戦略かも知れない。しかし、シリア政府は、彼らを、国連安全保障理事会の制裁決議なしには実行不可能な、全面的軍事作戦の代替案として、NATO加盟国のトルコが、シリアへの潜入を認めた傭兵だと見なしている。

記事原文のurl:http://rt.com/news/libya-syria-fighters-smuggled-475/

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中東にご関心があれば、血の国境 より良い中東とはどんな姿なのかを、お勧めしたい。

メタボの攪乱で更新頻度減。マイコプラズマではないだろうが、選挙結果やら、茶番党首討論を見聞きすると、益々悪化する、様な気がする。

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