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2011年9月24日 (土)

無人機という戦争技術の世界

ボリス・ヴォルホンスキー

2011年9月21日 "VOR"

アメリカの当局者は、無人機を、更に東アフリカに配備する計画を明らかにした。セーシェルのリーパー(=死神)無人飛行機基地は、2009年9月から、2011年の春まで存在していた。今、アメリカは、それを再開すると決めた。ジブチに既にある基地に加え、もう一つの基地がエチオピアに建設される予定だ。

無人飛行機を更に配備する必要性は、オサマ・ビン・ラディン抹殺後、アルカイダ・ネットワークは、陣地から、素早く散会し、アルカイダ基地が東アフリカに移動しつつあるという、ワシントンの懸念が増大していることで、説明されている。近年、イエメンは、アルカイダの主要な隠れ家と見なされてはいるが、イエメンの将来を巡っては、不安定さがあるので、テロリスト・ネットワークは、アメリカ諜報機関の制御が及ばない他の場所を探す可能性がある。

セーシェルに配備予定の無人機は、諜報監視機能を遂行するのみならず、ヘルファイア(=業火)ミサイル(各々、爆薬8kgが装填されている)と衛星誘導爆弾を装備する予定だ。

ここ最近、アメリカは、少なくとも、イラク、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、ソマリアとリビアの6ヶ国で、テロリスト容疑者や、タイプが違うアメリカの敵に対して、無人機を使う十分な経験を得た。今や、新規基地配備と、かつてあった基地の再開とにより、東アフリカとアデン湾全域が、アメリカの無人機によって、覆われることになる。この比較的新たな種類の戦闘が行われる地域は拡張しており、一体、これに終わりがあるのかどうか、疑問に思うばかりだ。

いくつかの主要なアメリカの新聞に対する、同時の複数インタビューで、アメリカ当局者が明らかにした計画は、軍事的、倫理的、両方の観点から、憂慮すべきであり、問題が多い。過去の経験が示すように、無人機攻撃の、最も一般的で、倫理的に疑わしい結果の一つは、その無差別、無選択な性格だ。アフガニスタンとパキスタンで、無人機攻撃は、民間人戦闘員と民間人の比率を判断するのが困難な状況で、無数の民間人死傷者を生み出している…

政治的な結果も良く知られている。パキスタンと、常にアメリカの子分と見なされているハミド・カルザイが率いるアフガニスタン現政権という、この地域の長期にわたる同盟国との関係を、アメリカは台無しにしている。

提案されている、東アフリカとインド洋西部での無人機作戦に関しては、過去の経験から、別の考察を導くことも可能だ。世界中のいかなる新たな地域の、テロリスト容疑者と、その基地に対する、より緊密な監視と、攻撃の激化が、対アルカイダ戦争上、本当に有意義な成功をあげられるのだろうかについては、深刻な疑念がある。ネットワークは緩やかな構造なので、作戦や基地を、ある地域から、アフガニスタンとパキスタンが、絶えず戦火にさらされるようになった時、そうしたように、容易に、他の地域に移動できる。それゆえ、戦火を東アフリカに移動することは、テロリスト・ネットワークを更に広げるだけに過ぎない。

これら計画が明らかにしたことは、それがアメリカ軍が用いる新たな戦術で、21世紀の戦争技術の中で、最も広範に用いられる戦術となる可能性が高いということだ。無人飛行機と、例えばF-16戦闘機との違いは、前者は、実際の戦場から、何百、あるいは、何千マイルも離れた場所にあるコンピューターで操縦されることだ。これにより、米軍兵士の死傷者数は減らせるが、現地住民の死傷者数は減らせない。どのアメリカ大統領にとっても、これは疑いなく、世論上、付加的な利点であることを意味する。

しかし、一方では、こうしたこと全てが、本当の戦争(それは常に悲劇だ) を、ある種のコンピューター・ゲームへと転換し、無人飛行機操縦者が、ヴァーチャルな映像を、現実と容易に混同するように思われる。かくして、いかなる新たな戦争も、 決して、そうではないにも関わらず、たやすくゲームと化してしまうことになる。

そして、それこそ、まさに憂慮すべきことだ。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article29177.htm

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属国は、世界最大のテロ国家や、国連なるものへ参勤交代にでかける度に、とうてい正気と思われない、大盤振る舞いのお土産を献上する。

    • 原子力の安全性を世界最高水準に高める(一体どうやって?)
    • 新興国や途上国への原発輸出を推進する
    • 侵略・攻撃用基地を維持・強化する
  • トモダチ作戦に感謝する

感謝するべきは、宗主国。

地震・津波・原発事故で、疲弊した属国から、堂々とみかじめ料をまきあげる。

トモダチ作戦への報奨金として、五年間、年1850億円の「思いやり予算」を、アメリカに提供する特別協定案が可決されているではないか。

文中にあるジブチには、日本軍として初めての海外拠点が建設されているのは、皆様御承知の通り。

原発安全神話は崩壊しても、みかじめを目の前にしながら安保神話は堅持される不思議。この属国に暮らす人々、本当に、宗主国に保護されていると思っているのだろうか。66年間「恫喝されている」と思うのならわかる。国連演説中の愚劣さの極めつけが以下。IQが異常に低いか、異常なほど悪辣な詐欺師か、いずれかでない限り、こういう暴言、思いつくまい。

  • エネルギーは経済の「血液」であり、日常生活の基盤だ。子々孫々の幸福の礎石だ。

原発の核廃棄物は、経済の「永遠の排泄物」であり、日常生活の障害だ。子々孫々の不幸の礎石だ!

本澤二郎の「日本の風景」(835)<対米従属派の松下政経塾>

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コメント

アメリカの郊外にある米軍基地のコンテナハウスの中で、プレステのようなゲーム機のコントローラーを握り、テレビ画面を見つめた若き兵士たちが、テレビゲームをする感覚で、地球の裏側の中東諸国に飛ばした無人戦闘機を操作し、搭載したミサイルを発射し、その命中と爆発を喜んでいるのを、以前ドキュメンタリー番組で見た。
非人道的だ、と見てすぐに感じた。無人戦闘機は痛みを伴わない危険な行為だ。

こんな国に思いやる我が国の末路を思いやる。

パレスチナ問題に対処できない我が国。アメリカに遠慮してイスラエルを賛同するのか、見ものだ。スタンスが問われている。

野田首相が、国連で中東・北アフリカ地域に、約10億ドル(約760億円)の円借款を実施する方針を表明したらしいが、普通は大震災に遭った自国が優先じゃないのかね?世界の人々だって、この数年位は集中しての復興投資を容認するはずだし、原発災害だって収束していない。まあ、宗主国が言ってきたんだろうけど「俺らの息の掛かった企業が儲けるから、お前ら金を出せ」って。

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