9/11真相究明運動の批判者達: 彼らの言い分に理はあるか?
Paul Craig Roberts
2011年9月13日
"Information Clearing House"
話題の疑問に対する簡潔な答えは、否だ。
9/11真相追求を批判する人々は、人身攻撃的な主張しかしていない。
テッド・ラール、アン・バーンハートと、アレクサンダー・コックバーンが提示している、真相追求を主張している人々に対する論拠を検証してみよう。
だが最初に、真相追求を主張している人々というのが誰かを定義しよう。
インターネットのおかげで、誰でもウェブ・サイトを作ることができ、好きなだけ、わめき散らし、憶測できるようになっている。多数の9/11陰謀論者がいる。
この問題についての双方の多くは、同様に無知だ。いずれの側も、無知をさらけ出すのを全く恥ずかしいと感じてはいない。
いずれの側にも、陰謀論がある。個人が、内部の者による犯行であるとか、あるいは、一握りのアラブ人が、西欧世界のあらゆる諜報機関や、NORADと米空軍の作戦対応を出し抜いた気だと信じるのであれ、9/11は、陰謀なのだ。
一方の側が、他方を陰謀論者呼ばわりするのは、目くそ鼻くそを笑うがごとしだ。
この問題は、中傷ではなく、証拠次第だ。
9/11真相追求運動は、自分のウェブ上で、わめきちらしているブロガー連中が作り出したものではない。鋼鉄の高層ビルを設計した実績で知られている人も含めた専門の建築家や技術者が作り出したのだ。60本もの科学論文を発表している、コペンハーゲン大学のナノ化学者ニールス・ハリットや、物理学者スティーヴ・ジョンーズのような一流科学者達が作り出したのだ。飛行機操縦の専門家、米空軍パイロットと民間航空機のパイロットによって作り出したのだ。ツイン・タワーの中に入っており、地下2階での爆発を含め無数の爆発を、直接、聞いたり、経験したりしている消防士たちが作り出したのだ。一体どのようにして、9/11のような、起こりそうにもない事件が起こり得たのかを知ろうと強く願っている 9/11の遺族達が作り出したのだ。
専門家や科学者達は、長年の経験と、専門家としての知識を基にして話をしているのだ。更に、科学者達は、存在している証拠の入念な研究を基にして語っている。科学者によって構成される国際的研究チームが、タワーの粉塵やコンクリートや鋼鉄の溶解した破片の成分研究を18ヶ月行った際、彼らは自分たちがしていることが何か知っていたのだ。発燃剤や爆薬の明確な証拠があると彼らが発表したのであれば、それには証拠があることに、人生を賭けることもできよう。
ある物理学者が、第7ビル(階は他のビルによって覆い隠されていない)が自由落下速度で崩壊したことを証明すると、NISTが、彼は正しいと認めたので、物理学者が正しいことに、人生を賭けることもできよう。
消防署の署長や、片づけチームが、溶融した鋼鉄を報告しており、彼らの証言は、写真でも裏付けられているので、ビル崩壊後の瓦礫中に、何週間も、何ヶ月も 溶融した鋼鉄がそこにあったと、人生を賭けることもできよう。まさに同じ当局が、溶融した鋼鉄に、火炎抑制剤や、膨大な量の水を注いでも効果がなかったと報告している以上、ビル崩壊からずっと後も、温度が極めて高かった。いかなるビル火事で起きる温度よりも遥かに高かったことに、人生を賭けることもできよう。
建築家、技術者や、科学者達が話す際、彼らは、誰が9/11の責任を負うべきかについては、何の説も提示していない。彼らは、既知の証拠は、NIST報告も、9/11委員会報告も裏付けてはいないと述べているだけだ。彼らは、政府が行った説明は明らかに間違っており、我々に、事件に関する真実を発見する意志があるなら、捜査が必要なのだ。
彼らの説は、証拠を検証する陰謀論ではなく、証拠は、政府が行った説明を裏付けてはいないと述べているだけなのだ。
それが、9/11真相追求運動の立場だ。
真相追求運動を批判している人々の立場はどうだろう? テッド・ラールはこう言っている。“真相追求運動をしている人々のサイトで、私が読んだり、見たりしたものは、物理学と建築の基礎知識がある人なら誰でも、ことごとく容易に、片づけられる。(私は工学部で三年学んだ。) http://www.informationclearinghouse.info/article29113.htm
ワオ! 何とご立派な資格だろう。ラールは高層鋼鉄ビルを設計したことがあるのだろうか?ラールは、ナノ化学の教授との論議に加われるのだろうか? 大学の物理学者達との論議で、彼はニュートンの法則に反論できるのだろうか? ラールは、飛行機の操縦について何か知っているのだろうか? 100人の消防士、清掃作業員や、警官が、なぜそれまで聞いたことも、経験したこともないような爆発を聞いたり、体験したりしたのかという報告を、彼は説明できるのだろうか?
明らかに、テッド・ラールは、彼の貧相な理解を遥かに上回る知識を持った専門家達の判断について、いかなる判断をする資格も持ち合わせていない。
アン・バーンハートはこう書いている。“お話ししなければならないことがある。9/11真相追求活動家連中に、私は別れを告げたところだ。もし、我々の実に病んだ文化の中に、人間としての我々が、どこまでひどく劣化し、決定的に破壊してしまったかを要約する一つの現象があるとすれば、それは9/11真相追求運動だ。これは、ほとんどすべてを包括している。自己嫌悪、反ユダヤ主義、初歩物理学についての知識がゼロで、論理的に思考することが全くできていない。”彼女は、以下で凋落の様を曝している。http://barnhardt.biz/
彼女には感嘆させられるではないか? 物理学教授が“初歩物理学に全く無知なのだ。” 国際的に認められている論理学者が“論理的に思考することが全くできていない”。科学的方法の訓練を受けた人々が、その手法を真実の追究に利用しようとするのは“自己嫌悪”なのだ。政府説明を疑う人は反ユダヤ主義だ。バーンハートは、読者に、物理学、構造工学や工学、熱とストレス下での鋼鉄の反応について講義をしてくれているが、想像できる限りの、全くのナンセンスだ。
明らかに、バーンハートは、自分が発言していることについて、全く何も分かっておらず、人身攻撃的な主張で、本物の科学者や専門家を片づける傲慢さに溢れている。彼女はその熱望を、自身でベーコンの切り身を、しおりにした、コーランのページを引きちぎり、そのページを燃やすビデオで飾っている。
そしてアレックス・コックバーンだ。彼は確かに愚か者というわけではない。私は彼を知っている。彼は気さくな人物だ。彼は興味深い、知的な会話ができる。私は彼が好きだ。しかし、彼も、9/11についての政府公式説明に反する証拠を提示している、極めて高く評価されている専門家達を傲慢にはねつけている。
アレックスは、実績を評価されている専門家が提示した証拠を避け、パロディに依拠している。陰謀論者は、ツイン・タワーが“ペッチャンコになったのは、ディック・チェイニーの工作員、しかも大人数が、解体用爆発物を入念に埋め込んだためだ。”と主張している、と書いている。 http://www.counterpunch.org/2011/09/02/the-911-conspiracists-vindicated-after-all-these-years/
広大なインターネット世界のどこかには、そういうことを言っているブロガーもいるだろうことに疑いの余地はない。しかし、それは公式説明は正しくないという証拠を提示した専門家達が言っているのは。専門家達は、単に証拠は公式説明を裏付けてはいないと言っているに過ぎない。最近では、科学者の国際的チームが、発燃剤や爆薬の明確な証拠を発見したと報告している。誰がそれを仕込んだのかについては、彼らは何も語っていない。実際、彼らは、自分達以外の科学者達が、この研究を繰り返して、彼らの結論を検証すべきだと言っている。専門家達を“陰謀論を主張する変わり者”呼ばわりした後で、アレックスは“陰謀とされるもののシナリオ”を提案していないと言って、彼らを非難している。
更に、専門家の一人として、タワーが“ペッチャンコ”になったと信じてはいない。これは、NISTが一時的に提示はしたが、ビルの崩壊速度や他の問題のために、放棄せざるを得なくなった初期の説明だと私は思う。
ラールやバーンハートとは違って、アレックスは証拠に言及しているが、それは、また聞きか、2人の仲介者を経た人づての証拠で、そもそも馬鹿げている。例えば、アレックスは、チャック・スピニーが“私に‘突入場所のすぐ隣にある、ペンタゴンのヘリポートにある監視カメラで撮影された、ペンタゴンに突入した757便の飛行機について撮影されたAREの画像がある。私は静止画と動画の両方を見た。私自身は見損ねたのだが、南駐車場の外で出会った小型トラックの運転手は、非常にしっかり見たので、窓に乗客達のおびえた表情が見えたと言っていた。’”と書いている。
もしも、ペンタゴンに突入した飛行機の写真かビデオが何かあれば、何年も前に公開されていただろう。9/11委員会に提供されていたはずだ。一体、政府に、10年間も自分たちの主張を証明する画像の公表を拒否する理由があろうか? FBIは、あらゆる監視カメラのすべての映像を没収した。誰もそれを見た人物はおらず、ましてスピニーのごとき、ペンタゴン評論家が見られたはずがない。
もし、彼が時速約800キロで飛行している飛行機のあの小さな窓を通して、乗客の顔の表情が読み取れたのであれば、その小型トラック運転手は、ワシよりも良い目の持ち主に違いないと言うしかない。お試し頂きたいものだ。ご自宅の玄関先に座って、時速60キロで通りを過ぎて行く自動車の、ずっと大きく見やすい窓を通して、自動車に乗っている人々の表情を識別しようとお試し願いたい。それから、速度を13倍の時速約800キロにあげて、ぼやけたもの以外の何が見えるか、ご報告願いたい。
9/11真相追求活動家達が変わり者だという、アレックスのもう一つの証拠は、元構造工学技術者と称するハーマン・ソイファーが、“第1、第2ビルの崩壊を簡潔に”要約して彼宛てに書いた手紙だ。これは“建設中のタワーの図面と作業を調査した”ソイファーがアレックスに書いてきたことだ。“タワーは、基本的に、チューブ状であり、本質的に空洞だ。”この作り話は、もう何年も前に打ち破られている。もしも、アレックスが、ビルの図面をグーグルで検索さえしていれば、壁の薄い空のチューブなどは存在せず、莫大な数の、とてつもなく太い鋼鉄の梁を発見していただろう。
時速約800キロで動いている乗客達の、おびえた顔を見たという、小型トラック運転手の主張やら、ビルの構造的な完全性について全く何も知らない人物からの手紙にあった、とてつもないたわごとに依拠して、無数の定評ある専門家を、変わり者だと片づけるのをいとわないアレックスを見ると、彼は私より遥かに大胆な人物であるようだ。
鋼鉄の高層ビル建築を長らく専門としてきた建築家を、変わり者と呼ぶ前に、私だったら、話題に関して自分が現在知っている以上に、もっと知りたいと思うのだが。ナノ化学者や物理学者をからかう前に、少なくとも、彼らの論文を読んで、その主張の中に、科学的な欠点を見つけられるようになりたいものだと思う。
ところが、9/11事件を懐疑的に思っている人々をあざ笑っている連中の誰一人として、これが出来てはいない。例えば、ラール、バーンハートや、コックバーンは、40年間の経験や、60本の科学論文があるナノ化学者を、どうして批判することができようか?
連中にはそれはできないのだが、それにもかかわらず、判断をしているのだ。自分たちに全く知識がなかったり、理解できていなかったりする物事についての判断を、彼らはためらわない。これは研究と分析に値する興味深い心理現象だ。
もう一つの興味深い現象は、ほとんど情報も持っていない事件である、9/11に対して、彼らが抱いている、強い情緒的反応だ。9/11委員会自身の主要メンバーすらもが、彼らへの情報提供は抑制され、委員会は失敗すべく設置されたと語っている。大挙してNIST擁護をしている人々は、NISTが結論を出す上で依拠しているシミュレーションの詳細公表を拒否している以上、自分たちが一体何を擁護しているのかさえ分かっていないのだ。
9/11論議など存在していない。一方の側には、公式説明中の問題点を論証した実績を認められた専門家がおり、もう一方の側には、専門家を、陰謀論を主張する変わり者だとして非難する非専門家がいるのだ。専門家達は、発言することについて、注意深く慎重であり、彼らを誹謗する連中は慎重さや配慮など、かなぐり棄てている。それが論争の現状なのだ。
記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article29114.htm
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[9・11テロ完全解析]10年目の「超」真実 菊川征司著 ヒカルランド刊。2000円+税を昨日購入。
死せる新聞が死せる記事を載せ、死せる社説を掲げます。ただ「全面広告」のページのみが、活き活きと経済の「現在神」の花の顔容(かんばせ)の輝きを見せている─。すでにその「現在神」の祠(ほこら)として、すべての「家族」が眠りに就いた後も青白い輝きを放っている、消し忘れられたTV受像機に……また"分割・民営化"された国鉄電車の中吊り広告に─その新聞のコマーシャル・メッセージが犇(ひし)めき、溢れます。ああ、知里さん─"言論の自由"とは、すなわち私たちの国にあっては「言論の無力」「言論の無意味」と表裏一体となった─"その場合にのみ流通可能な概念なのではないでしょうか?
手元にある本『テレビと戦う』山口泉著の236ページ冒頭にある文章。1992年6月号「世界」初出。『「新しい中世」がやってきた!』として94年12月刊行。
病気の治療は、病気を正しく診断し、適正な処方、手術をすることで行う。
対処の余地がある癌患者に、風邪や頭痛ですと言って、風邪や頭痛の薬を処方しても、治療にならない。告知するか否かはまた別の話だろうが。ところが、この国、本当の診断を、本人ならぬ、被災地について言うと、当人ならぬ周囲の連中が起こりだし、本当の診断をしている医者を追い出す国だ。馬を見て鹿と言え、という国。
本当のことを言うと、大臣が辞任させられる国は、本当の意見を言うと、国民が逮捕される国だ。マスコミは腐敗の極み。警察権力も腐敗の極み。マスコミ記事を読むと、平穏な反原発デモをした人々、不逞の輩のごとし。反原発デモをした人々を非難する連中を、警察、あたかも保護するがごとし。
スターリンのロシア、金正日の北朝鮮より、顔のない官僚主義日本の方が重病だろう。最高支配者が死んでも、代わっても、独裁官僚主義という制度は無傷で無限に永続する。
北朝鮮から、亡命希望の漁船が流れ着いた。人ごとではないだろう。久しぶりに会った友人、「家族は、日本以外の国で暮らさせたい」と真顔で言っていた。
『報道されない重大事』『非国民のすすめ』『「心」と「国策」の内幕』を購入した。『非国民のすすめ』の一から五章の題目を列記しよう。全く同感。
- 第一章 なぜこんな国になってしまったのか
- 第二章 あなたは国家に監視されている
- 第三章 あなたも参加している戦時国家ニッポン
- 第四章 あなたも差別されている
- 第五章 権力のプロパガンダに堕したマスメディア
『非国民のすすめ』の25ページに下記文章がある。
反対運動への態度
二〇〇三年の、クリスマス前の買い物日和。家族連れで賑わう銀座のデモには少しずつ飛び入りが加わり、先頭が目的地の日比谷公園に近づく頃には総勢七百人ほどの人の波へと膨らんでいた。
これだけの集団が動けば当然、道路交通は通常通りには動かない。歩行規制に苛立ったサラリーマンが振り向きざまデモ隊に、
「迷惑なんだよう」
と吐き捨てた。言われた側の一人がすかさず、
「恥を知れ!」
とたん、「警視庁」と背中に縫いこまれたユニフォームに身を包んだ、機動隊員とおぼしき一人の警察官が突進してきて、
「検挙!」
叫ぶが早いか、デモ隊側の声の主の胸倉に掴みかかった。いくらなんでも、これだけのやり取りでそれはない。
岩上安身氏がレポートされている、今回の反原発デモ参加者逮捕のケースそのまま。
ただ上記文章には、下記が続いている。昔は良かった!
デモの実行委員たちはもちろん、他の警察官らも駆け寄って、その場はなんとか収まったという。
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