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2011年6月28日 (火)

AP記事、安全基準を緩和するよう原子力規制委員会が業界と共謀していることを暴露

2011年6月24日

democracy.now

フアン・ゴンザレス: 木曜日、三人の上院議員が、アメリカの老朽化している原発を巡る安全問題の議会による調査を要求しました。AP通信社による一連の新暴露記事後、カリフォルニア州の民主党上院議員バーバラ・ボクサー、ロード・アイランド州のシェルドン・ホワイトハウス、ヴァーモント州の無所属議員バーナード・サンダースが、この要求をしたものです。"老朽化する原子炉"という特別連載で、老朽化する原子炉を基準内に納めておくため、安全基準を緩和すべく、米原子力規制委員会や原子力発電業界が協力して動いていることを、AP通信は暴露しました。昨年、原子力規制委員会は、原子炉容器に対する放射線損傷の許容の安全限界を緩和しました。

エミー・グッドマン: AP記事は、65基のアメリカの商用原子力発電所中で、48基から、多くは、腐食した埋設された配管から、地下水へと、放射性トリチウムが漏れていることも暴露しました。これらの施設の少なくとも37カ所の漏れは、時には制限値の数百倍も連邦政府の飲料水基準を超える濃度のトリチウムを含んでいます。

ボストンから、ジェフ・ドンさんにご参加頂きます。彼はAP通信の暴露記事を書かれたAP記者で、AP調査チームのメンバーです。

ドンさん、デモクラシー・ナウ!にようこそ。暴露記事それぞれについてお話しください。福島で起きたことを踏まえて、何を発見されたのか。この国では一体何をしているのか?

ジェフ・ドン: 二点あります。一点は今要約された通り、老朽化する原子炉システム、部品、プラントが、これら基準や規則に違反しそうになると、原子力産業と政府監督機関が、安全基準の緩和に協力してきたのです。しかも、これはもう何十年も、お決まりのパターンでして、これら原発が益々老朽化するにつれて、それが一層増えているのです。

もう一点、原発には、下部に埋設された配管、地下に埋もれている非常に長い配管がありますから、きちんと検査することが出来ません。入念に目視で調べることは滅多にありません。滅多に掘り起こしません。非常に時間もたっていますから、そうしたものの多くは、腐食しており、漏れているのです。四分の三の原発で、そうであることを証明しています。実際、議会の調査部門である、米政府説明責任局が、我々の連載後、一日か二日前に、報告書を発表したのですが、その中で原子力規制委員会、連邦の監督機関が、なんと漏れが起きていると言っているのです。たぶん、多くは老朽化によるもので、中にはそうでないものもありますが、全ての原発で、トリチウムや、他の放射性核種の放射能漏れがあるのです。

フアン・ゴンザレス: ドンさん、今お話し頂いた、特に、これら原発のいくつかで起きていること、要するに、ひび、腐食のひどさですが。特定の原発で、こうした問題のいくつかを発見した際、具体的にはどのように基準を緩和しているのですか?

ジェフ・ドン: 連中が最初にするのは、業界が政府に行って言うのです。これがおきまりのパターンです。場合によっては、政府が業界に行って言うのです。"これらの部品や、システムが、皆、基準値に近づいている、場合によっては基準違反さえしている。どうしよう?" そこで、連中は一連の調査を始めます。政府が多少調査し、業界も多少調査し、もう何度も繰り返されていることですが、基準は緩和できることが判明するのです。我々が繰り返し、読まされ聞かされる決まり文句は "基準は余りに慎重に過ぎた"です。そこで連中は、こうした基準を緩和する正当化理由を考え出し、突然、基準に危うく違反しそうになっていた、あるいは実際、基準に違反していた、一連の部品やシステムが、基準内へと戻るのです。残りの問題は、監督機関は、場合によっては、システムや部品を、基準内にもどせないことがあり、その場合、連中は原子力発電所の運用続行を可能にする、制限免除やら、修正やら、特例を発令し始めるのことです。

エミー・グッドマン: トリチウム入りの水に話をもどします。この危険さと、一体どうしてこういうことが、アメリカ中で起きてしまうのか、また、その真の意味は何か、漏れを無くすには何が出来るのか、お話しください。ヴァーモント原発がありますね。彼らは、この原発を閉鎖する態勢にあります。

ジェフ・ドン: はい、大変良い質問です。一般人には、いささか紛らわしいので。トリチウムそのものは、今漏れているレベルでは、おそらく、深刻な健康への害はないでしょう。皮膚に良く浸透するわけではありません。日本で語られているガンマ線とは違います。トリチウムの深刻な健康への害は、それを飲んだ場合のことです。EPAは、飲料水中にどれだけ許容できるかの上限を設定しています。漏れは、今のところEPAの上限を超えるほどの量飲料水中に入り込んではいません。

問題の一部はそれです。お話している、政府説明責任局報告書は、これを指摘していますが、問題の一部は、業界も監督機関も、配管や地下室や、すべての地下の機器等、しっかり調べられる技術が彼らに無い部分で、一体何が起きているのか、本当は良く分かっていないということです。ですから、米政府説明責任局報告書は、漏れがどれだけ深刻か分からないと言っているのです。これが問題の一部です。別の面は、公衆衛生の問題です。

もう一つ、これは原発の完全性、冷却装置の完全性についての疑問をひき起こすということです。全部ではありませんが、この配管の一部には原子炉冷却用の水が流れています。そこで、緊急の場合、日本の事故でわかるように、原子炉冷却に、是が非でも水が必要なのです。放射能は莫大な熱を発生しますから、それを冷やさなければなりません。ですから、それが問題の残りの半分です。こうした漏れが、配管や、より広い意味で、原子力発電所中で、簡単には調べることができない多くの部分の、原発下に埋設されている長さ何キロもの電源ケーブル等の完全性について、一体何を示しているのかを、原発で何が起きているのかを見るため、運営業者は知る必要があるのです。

フアン・ゴンザレス: ドンさん?

ジェフ・ドン: こうしたことが、技術者を悩ませる沢山の疑問をひき起こします。

フアン・ゴンザレス: ドンさん、トリチウムが存在するということは、おそらくは、ストロンチウムや、セシウムなどの他の放射性物質も出ている、これら原発から漏れている可能性があるということ意味するのですか?

ジェフ・ドン: そうです。ちなみに、トリチウムは、水素の放射性同位体物質で、それゆえに、水の中に入りやすいのです。H20。トリチウムは、他のいくつかの放射性物質よりも容易に土壌中を移動しますから、我々は、それを最初に目にするということが多いのです。そして、トリチウムを検知した後、健康にもっと害がある、同様量の、他のより強力な放射性物質も検知されることが多いのです。おっしゃる通りです。それがなぜトリチウムが問題かという理由の一つです。

エミー・グッドマン: 原発の名前を言ってもらえますか? 例えば、何千万人もの人が暮らす、ニューヨーク. ニューヨーク市の郊外にある、原発が、今どうなっているかお話しくださいますか?

ジェフ・ドン: 問題は余りに沢山あって、全部を列挙することはできません。例えばインディアン・ポイントの使用済み核燃料プールで、放射能漏れがありました。使用済み核燃料プールというのは、原子炉で使用した後の核燃料を保管する場所で、燃料は長い将来にわたって、熱を発生し、放射能を出し続けますから、原子炉中の燃料同様、冷却し続ける必要があるのです。インディアン・ポイントの使用済み核燃料プールから漏洩があったのですが、この原発は、ニューヨーク市の北約40キロにあります。日本の福島第一原発で、大気中に放出された大量の放射能の中に使用済み核燃料プールからのものがあったので、万が一の場合、使用済み核燃料プールがどんなに重要か我々は知っています。ですから、最近は使用済み核燃料プールに注目が集まっています。原子力規制委員会のグレゴリー・ヤツコ委員長さえもが、アメリカ合州国内の使用済み核燃料プールを調査し、使用済み核燃料をどれだけ安全に保存しているか見る必要がありそうだと最近言い出しています。

エミー・グッドマン: インディアン・ポイントのような場所の避難計画はどうなのでしょう? それから国中の原発で。

ジェフ・ドン: それについては、月曜日により詳しく報道予定です。月曜日に記事になります。わが社の報道を先回りするつもりはありませんが、アメリカ合州国で約65基の商用原子力発電所ができて以来、過去30年間で、どれだけ人口が増えたかについてかなり詳しく書く予定です。地図化ソフトを使って、歴史的な地図分析をしました。原発周辺で必要となった場合、コミュニティーが、避難するために、一体どこに避難するかという計画、どこに弱点があるのか、人口の増加が、最新状態になっていないのはどこか、を。

フアン・ゴンザレス: ドンさん、あなたの記事は、原子炉を囲んでいる原子炉格納容器の問題についても扱っていて、重要な問題を発見されていますね。入手した文書、政府から入手した監督文書で?

ジェフ・ドン: はい。大変に興味深いものです。経年劣化問題で、最大の課題は、原子炉周辺の鋼鉄のいわゆる脆化です。その意味は、これらの原子炉内部で起きているような、連鎖反応で発生する中性子のようなもので、鉄鋼が攻撃されると、非常に長い年月、中性子で攻撃し続けると、鋼鉄は次第に脆化するのです。例えば、海岸のアシを摘んで家に持って帰った場合のように、鋼鉄が脆化すると、脆くなり、そこに力がかかると、突然砕け散ったり、壊れたりする可能性が高まるのです。原子炉格納容器というのは、そういうものです。格納容器というのは、連鎖反応、核燃料を取り囲む巨大な鋼鉄の槽で、連鎖反応、核燃料を遮蔽し、閉じ込めておくのです。それが周辺を安全に保ってくれているのです。年月がたつにつれ、益々脆くなります。1990年代初期、西マサチューセッツのヤンキー・ロウ原子炉は、主に、容器が脆化している懸念から、閉鎖せざるを得ませんでした。

かなり前から、実際に、業界、政府と監督機関は、原子炉は、格納容器の脆化基準限界に近づきつつあるということに気がつき始め、場合によっては、基準違反さえしているのです。"よし分かった。どうすれば、原子炉を基準範囲内に戻せるのだろう? 焼きなましという手順を施して、脆性を低めることは可能だろうか? 交換することは可能だろうか" と言うかわりに、業界と政府がやってきたことは、一連の調査を行っての判断です。"なあ、我々は基準を少々引き下げられるぞ。容器が一層脆くなるのは認めよう。" これが続いているのです。二度目のこの作業が行われました。何年かかかります。昨年、または一昨年に完結し、安全基準をまたもや変えたのです。またしても同じパターンの言い分で。"そこまで厳しくする必要は無かった。" 言い換えれば、"それほど安全にする必要はない。充分に安全だ。" 政府も業界も、あらゆる変化があっても、原子炉は今でも安全なままだと主張するのです。以前ほど安全ではないかも知れないが充分に安全だ。それが彼らの主張です。

エミー・グッドマン: 今回はここで終わります。ジェフ・ドンさん、AP通信社の記者で、AP調査チームメンバーが、このシリーズ、"老朽化する原発"を書かれました。我々はあなたのお仕事を報道し続けます。ドンさん、ボストンからご報告有り難うございます。

記事原文のurl:www.democracynow.org/2011/6/24/new_expos_reveals_nuclear_regulatory_commission

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今回記事もデモクラシー・ナウのもの。デモクラシー・ナウは会員募集もしておられる。無料で、良い報道が維持できるはずはありえない。

田中克彦著『漢字は日本語をほろぼす』を読んだ。漢字文化圏というもの、良いものと思い込んでいたので、びっくり。日本語、音を主体とするようにして、漢字ならぬトゥラン(ツラン)文化圏をこそ構築すべきということのようだ。過激なようにみえるが、本質的なご意見だろう。海外からわざわざこられた看護士希望者の方々を、わけのわからない漢字病名の試験で追い返すこともなくなるだろう。

田中先生によると、学者やお役所、下々を脅すのに漢字を使うという。騙すのにも使う。

お役所、「老朽化」とは死んでも言わない。「高経年化」。すごい発明。

話題の玄海でも、その他の原発でも、中性子照射脆化の話は再三繰り返されている。もちろん属国の政府、事業者、監督当局の態度、宗主国と全く同じ。

ヘッケルの法則にいわく、「個体発生は系統発生を反復する」

「属国の事故発生は、より大規模に、宗主国の系統発生を反復する」

宗主国、フランス、日本の三ヶ国の技術のにわか結晶、高濃度汚染水浄化システムなるもの、復旧の目処は全くたたない。いつか出る、311事故調査委員会の結論は、無残にも「失敗学」の見本になるだろう。911調査委員会報告と同じ。JCO臨界事故報告も、チェルノブイリ報告同様、操作員にその責任を押しつけるものだった。

今日の東京電力他の電力会社株主総会で、当然ながら、脱原発は否定された。

事故の真犯人達、経済産業省、原子力完全不安院、原子力不安全委員会、政府、民主党、自民党政治家たちのスクラム態勢、びくとも揺るがない。宗主国は広く、逃げる空間があること、不沈空母を操作する嘘つき支配者達の頭にない。いや、いざとなったら、属国傀儡達だけは、宗主国が助けてくださる約束かも知れない。

そういう、犯人どものホラではない情報は例えば、以下。

脆性破壊に関する検討原子炉の照射脆化,特に、玄海1号炉pdf 高木仁三郎市民科学基金 第10回公開プレゼンテーション 2011年3月11日

地震動を考慮に入れた原発老朽化の検討pdf

原発の老朽化と寿命延長 第75回原子力安全問題ゼミ 1999年7月7日

数日前に読んで、実に感心した本がある。佐藤栄佐久・福島県前知事の本。平凡社新書594 『福島原発の真実』 本当の悪は、(自民党・民主党政治家、東電ではなく)経済産業省だとはっきり言っておられる。

ブログ『きまぐれな日々』の最新記事原発を推進した経産官僚と闘った佐藤栄佐久・福島県前知事、この本が話題。しかし、ここは新書そのものをお勧めしたい。素晴らしい政治家が実際におられるのだ。民主、自民幹部連中のどうしようもない売国奴ぶりを見ていると、こういう素晴らしい政治家がおられることは奇跡に思える。素晴らしいがゆえに、国策捜査で排除されてしまったわけだが。彼が現役知事であられたら、福島原発は停止していて、世界産業史上、最悪の惨事(ミチオ・カク氏の表現)は避けられたろうとレバ・タラ夢想。

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コメント

米国も核破局に直面した

(1)米国の37の老朽原発で配管の腐食から放射性トリチウム=3重水素が漏れ出ており、それはガンを起こす。米国農業が大打撃だ。Newsland.ruは「米国は放射線破局の瀬戸際にある」と書いた。
(2)ミシシッピー川が大雨で氾濫して、ネブラスカ州の2ヵ所の原発が浸水直前にあり、クーパー原発では、一時使用済み核燃料棒集合体の冷却システムが停った。近くの堤防の決壊必至で、時間の問題だ。冷却システム再停止、メルトダウン、スルーダウンと格納容器底への落下、Fukushima daiichiの二の舞になる。
(3)ロックフェラー独裁の傀儡オバマが続行中の5ヵ国―アフガン、イラク、イエーメン、パキスタン、リビアでの侵略戦争を即時止めて撤退しないと、米国の放射線破局は益々拡大すると、宇宙情報だ。

詳細は:http://gold.ap.teacup.com/tatsmaki/84.html

玄海町長が再稼働を了承との報道。町長は中性子照射脆化の件も分かっていての事だろうか。少なくとも1号炉は、このまま廃炉という決定も無し?毒まんじゅうの毒が全身に回っているのか、何か脅されているのだろうか。だが、おそらくは未だ信じているのかもしれない、安全神話とやらを。九州が終了しない限り分からないのかな、青森に続いて絶望的な気分になる。

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