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2011年5月

2011年5月30日 (月)

ベネズエラに干渉するな!

Cindy Sheehan

2011年5月29日

"Information Clearing House"

アメリカ合州国の対ベネズエラ経済制裁を我々は拒否する

2011年5月24日火曜日、アメリカ合州国国務省は、イラン政府と関係があるとして、ベネズエラの国営石油会社、ペトロレオス・デ・ベネズエラ,S.A.(PDVSA)に対し、一方的に経済制裁を課した。経済制裁は、南米のこの産油国に対する、一層の攻撃行為を正当化するために現在続けられているキャンペーンの一環として、イランの原子力発電計画にベネズエラを結びつけようという、自暴自棄のひ弱な企みだ。

アメリカ合州国の国民として、ベネズエラ政府を悪魔化し、ベネズエラ国民の活気ある民主主義を攻撃しようとする、アメリカ政権によるこの最新の企みを、私たちはきっぱり拒絶する。ベネズエラのウゴ・チャベス政権は、既に2002年、ワシントンが支援したクーデターの犠牲になっている。このクーデターは、短期間だけ、大統領を権力から排除した。ベネズエラの民主主義の繁栄にとって幸なことに、国民が反撃し、大統領を救出し、憲法秩序を回復させた。昔も、今も、ベネズエラの民主的に選出された政権に対する敵意への支援という点で、アメリカ合州国は無類だ。

ウゴ・チャベス政権は、石油による収益を、国民の福祉向上に大幅な投資をするのに使ってきた。現在、石油産業の利益の60%以上が、無料の医療、教育、職業訓練、地域メディア、草の根組織、食糧や住宅への助成金を含む、ベネズエラ国内の福祉政策に向けられている。結果は目ざましい。ベネズエラの貧困は、チャベス政権下で、50%以上低減し、文盲は根絶され、無料の国民健康保険と教育を、あらゆる国民が享受できるようになった。こうした社会的公正政策は、無料、値引き、あるいは助成金による灯油、石油を、アメリカ中の低所得地域、先住民社会や、ホームレス施設に提供するプログラムを通して、ベネズエラ国境をも超え、アメリカ合州国にも及んでいる。

25の州とコロンビア特別区の25万人以上のアメリカ国民は、これまでアメリカ合州国国内のPDVSA子会社、CITGOを通して運営されているベネズエラ政府による灯油補助金プログラムの恩恵を受けてきた。過去6年間、高騰する灯油に苦しむ低所得家庭に救いの手を差し伸べた、世界中の石油会社は、アメリカの企業を含め、CITGOを除いて他にない。アメリカ合州国の国民に対するベネズエラの連帯によって、この不況時期に、何千もの家族が生き抜くことが可能になったのだ。

利益より人々を優先し、我々の同胞を助けてくれている一つの企業、国家を、悪魔化しようと企むアメリカ合州国政府は、無法もはなはだしい。そこで我々は、これらの対ベネズエラ経済制裁を即座に中止するようワシントンにいる議員諸氏に要求する。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article28204.htm

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イラク、リビアの次は、ベネズエラ。

石油による収入を国民福祉に使う政権、ならずもの政権とされ、打倒される。

収入を国民福祉に使わず、宗主国に差し出す棄民国家は良い政権として支援される。原発も、基地も、国民の福祉には寄与せず、支配層の福祉に寄与するのみ。

素晴らしい宗主国をトモダチに持つ、原発と基地だらけの幸せな棄民国家日本。ソ連や北朝鮮を馬鹿にしてこられた賢明なる国民の皆様が、わざわざ選ばれた議員先生によって、作り上げられた誇れる国家だ。

この「棄民国家」、今週の「週刊現代」ぶち抜き大特集 捨てられた日本国民の冒頭にあった表現を利用させて頂いた。

「週刊現代」のこの号、新聞、テレビが無視を決め込んでいる、5/23参議院行政監視委員会の様子が書かれている。

しばらくご無沙汰していた「週刊現代」だが、3/11以来、毎週講読している。

今日の大本営広報紙Aの朝刊、シリーズ記事には絶句。

渡部が93年に自民党を飛び出した大義名文は、政権を担いうるもうひとつの政党をつくり、政官業の癒着構造を打ち砕くことにあった。民主党最高顧問となった今、渡部は自らの歩みをこう振りかえる。「二大政党は、大失敗だった」

中略

政権交替すれば、日本政治の行き詰まりを打開できる。これも「神話」だったのか。原発事故が問いかけているのは、数々の「神話」に乗っかって思考停止し、社会の進む道について他人任せにしてきたわたしたち日本の民主主義のありようだ。

そうではあるまい。テレビ・新聞、大手マスコミが、二大政党を推進プロパガンダに熱狂する中、あなた方の先輩、石川真澄氏は果敢に正論を説き続けた。極少数派として。

原発事故が問いかけているのは、自らが作り出す数々の「神話」に乗せ、思考停止させ、社会の進む道について他人任せの生き方をさせてきた、あなたたち日本のマスコミのありようだ。

2011年5月28日 (土)

原子力という狂気

Dr. Vandana Shiva

Navdanya International

2011-05-24

デッカン・クロニクル初出

福島の事故は、人間は誤りを免れないこと、人間のもろさ、自然を支配できると考えた人類の思い上がり、人間の傲慢さに関する永遠の疑問を、またもや提起している。地震、津波、日本の原子力発電所のメルトダウンは、自然がその力を思い出させる象徴だ。

科学・産業革命は、自然は死んでいて、地球は不活性物質であるという考え方に基づいていた。日本における悲劇は、母なる自然の警鐘であり、自然は生きており、強力であり、自然の進路にあっては、人類は無力であるということを告げる警告だ。破壊された港、町や村、荒れ狂う津波によって、まるでちっぽけな玩具のように押し流された船、飛行機や自動車は、技術、機械や、工業インフラによって、人間が自然を支配できるのだという考え方を改めるべきだということを思い出させる象徴だ。

福島事故は、我々が人間と自然の関係に立ち返ることを求めている。事故は、気候の危機とエネルギー危機に対する答えとしての、いわゆる"原子力ルネッサンス"についても、疑問を提起している。エネルギー・環境研究所理事長のアルジュン・マヒジャニは、公共環境法会議で講演し、"原子力ルネッサンス"には、毎週、300基の原子炉と、毎年、2乃至3つのウラニウム濃縮工場が必要になるだろうと語った。使用済み核燃料には、分離すれば毎年爆弾90,000発分のプルトニウムが含まれている。一日に10-2000万リットルの水が必要とされる。

福島事故の後、中国、ドイツ、スイス、イスラエル、マレーシア、タイとフィリピンが、原子力発電計画を再検討している。プリンストン大学の機械工学・空宇宙工学部准教授アレクサンダー・グレイサーは、"日本で地震と津波の後で次々と明らかになりつつある想像を絶する人災による影響の全貌を把握するには時間がかかるだろうが、グローバル原子力ルネッサンスという提案があの日に終わったことは既に明白だ。"と述べている。

インド全土で、既存・新規の原子力発電所に反対する運動が増大しつつある。原子力発電所は、ハリプール(西ベンガル州)、ミティ・ヴィルディ(グジャラート州)、マドバン(マハラシュトラ州)、ピッティ・ソナプール(オリッサ州)、チュトカ(マディヤ・プラデーシュ州)と、コヴァダ(アンドラ・プラデーシュ州)で計画されている。

マハラシュトラ州、ラトナギリ地方のマドバン村で、原子炉6基で構成される、9,900 MWのジャイタプール原子力発電所は、もし建設されれば世界最大の原子力発電所となる。2010年12月、フランス国営の原子力エンジニアリング会社アレヴァと、インド国営のインド原子力発電公社は、フランス大統領ニコラ・サルコジとインド首相マンモハン・シン出席の下、6基の原子炉を建設すると220億ドルの契約を調印した。

仏-印契約調印後、発注が急増するのを期待して、アレヴァは月に1,000人の雇用を開始した。

ジャイタプールは、地震がおきやすい地域だ。しかも、発電所が毎年生み出す300トンの放射性廃棄物の処理計画も皆無だ。発電所には、政府が"不毛の地"と主張している、5つの村にまたがる約968ヘクタールもの肥沃な農地が必要だ。

ジャイタプールは、ライガド、ラトナギリ、シンドフドルグ地方の肥沃な沿岸地帯の細長い一帯に予定されている多くの原子力発電所の一つだ。予定されている発電量総計は、33,000 MWだ。ここは、ユネスコの人間と生物圏計画の元、世界遺産として、インド政府が宣言したがっている地域だ。コンカン地域の住民は原子力発電所反対運動を続けている。彼らはコンカン・バチャオ・サミティと、ジャナヒト・セヴァ・サミティを結成し、強制土地収用に対する小切手の受け取りを拒否した。第73修正に対する違反に抗議して、10人の地方議員が辞職した。

ジャイタプールでは集会禁止令が発令されており、5人以上の集会は許されない。2011年4月18日、計画されているジャイタプール原子力発電所公園に反対する抗議デモ参加者に、警官隊が発砲した。一人が死亡し、8人が重傷を負った。ハリヤーナー州ファテーハーバード県に計画されている、2,800 MWの原子力発電所は、1,503エーカーの肥沃な農地買収が必要だ。80の村が反対しており、農民二人が抗議の際に死亡した。

以前、バルギ・ダムによって、162の村が立ち退かされたマディヤ・プラデーシュ州チュトカで、原子力発電所が計画されている。44の村が原子力発電所に反対している。物理学者で反核活動家の スレンドラ・ガダカル博士は、原子力は、きわめて長期間、環境から隔離しておくことが必要な、莫大な量の毒を生み出す、湯沸かし技術だと表現している。放射性廃棄物として生み出されるプルトニウムの半減期は24,000年だが、原子炉の平均寿命は21年だ。今のところ、安全と証明された放射性廃棄物処理の方法は存在しない。使用済み核燃料は、常に冷却し続ける必要があり、冷却装置が壊れれば、原子力災害になる。まさにこれが福島の第4号炉で起きたのだ。

CO2排出と気候変動で、化石燃料が問題視されたおかげで、原子力エネルギーが、突如として、"きれい"で"安全"という歌い文句で推進されはじめた。しかし技術として、原子力発電は、もし使用済み燃料を何千年もの間、冷却するためのエネルギーを考慮に入れれば、発電する以上のエネルギーを消費するのだ。インドでは、原子力発電所用に、土地を取得し、人々を立ち退かせる必要があるため、原子力エネルギーのコストは更に高くなる。デリーから、わずか125キロしか離れていないウッタル・プラデシ州のナロラ原子力発電所は、5つの村を立ち退かせた。1993年、ナロラで、大火災とメルトダウン寸前の事故が起きた。

インドにおける、原子力エネルギーの高コストは民主主義と、憲法上の権利の破壊だ。原子力は民主主義を蝕まずにはおかない。米印原子力協定の調印プロセスにおいて、我々はこれを目の当たりにした。国会における不信任動議の際の、"票買収"スキャンダルで、我々はこれを目の当たりにした。そして、新しい原子力発電所が計画される度毎に、至るところでこれを目の当たりにしている。物理学者ソウミャ・ドゥッタは、世界には、17テラ・ワットの原子力エネルギー、700テラ・ワット風力エネルギーと、86,000テラ・ワットの太陽エネルギーの潜在能力があると指摘している。原子力発電に対する代替策の方が、1000倍豊富にあり、しかも100万倍、危険性が少ない。福島事故の後で、原子力発電所を推進するなど、狂気そのものだ。

ヴァンダナ・シバ博士は、ナヴダニヤ・トラスト事務局長である。

記事原文のurl:www.vandanashiva.org/?p=752

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1974年5月18日インド初の核実験コード名、「微笑むブッダ」だったという。

サルコジ大統領演説場面を見ながら、変換ミスで「腐乱す」となったのを思い出した。

狂気腐乱す。

「最大限の透明性をもってすべての情報を国際社会に提供する」と心にもない言葉を語りながら、最小限の透明性をもってまともな情報を国民に提供しない棺首相。

IAEAに、地震が多い国用の原発基準作成を依頼してどうするのだろう?

IAEAは、核兵器拡散を防止する(不思議なことにイスラエルの核兵器保有については黙認している)一方、原子力発電を推進するのが組織目標だ。

もちろん、アメリカによる核廃棄物利用、膨大な劣化ウラン弾使用についても、全くとがめない。庶民が何万人放射能被害で亡くなっても一切気にしない原子力マフィア、支配層連中の組織。国際組織というと、国連を含め、自動的に良いもののように、我々は信じ込まされているが、そのほとんど、支配層連中のための組織に過ぎまい。

泥棒・殺人犯に、警官になることを要求するのは筋違いだろう。

仲間の犯罪を見逃すことはあっても、逮捕することなどあるまい。

『原発震災』という概念を、2005年2月23日、衆議院予算委員会公聴会(2005年度総予算)で警告したのは、石橋克彦神戸大学名誉教授であって、IAEAではない。

日本生産性本部の「日本創成会議」なるものも、火事場泥棒組織だろう。有識者?聞いてあきれる。繰り返しになるが、泥棒・殺人犯に、警官になることを要求するのは筋違い。

驚くべき記事を読んだ。

異常すぎる日本の「暫定基準値」 乳児に与える飲料の基準は国際法で定められた原発の排水より上

やがて削除されるだろうから、一部をコピーさせていただこう。

なんと国際法で定められた原発の排水基準値は1リットルあたりヨウ素40ベクレル、セシウムは90ベクレルまでとなっている。つまり、乳児の暫定基準値ですら、現在の日本では原発の排水より高い放射性物質が残留しても良いという設定値になっているのだ。

つまり政府が定めた数値を守るだけなら、原発の排水で作ったミルクを幼児に飲ませて良いということになる。ちなみにWHOで定められた平常時の飲料の基準は1リットルあたり1ベクレルまでなので、それに比べると乳児ですら100倍まで基準が高められているのである。

学童には、年間20ミリシーベルトの放射能を浴びせ、

幼児には、原発の排水基準以上の水で、ミルクを飲ませ、

国民には、高い放射性物質が残留している牛乳や野菜、ニクとサカナの常食を強いる国の国歌・国旗、どこが尊いのか、橋下知事にご教示頂きたいものだ。

将来・未来をになう子供たちを進んで病気にする国に未来はありえない。

国民を守るのが、「普通の」国の責務だろうと、疑いながらも思ってきた。

日本の政府・国家、国民をゆっくりと殺害していること明白だ。風評レベルのいい加減な情報しか出さず、晩発性の病気によっておきる、自国民の緩慢な大量殺戮完全犯罪を推進する国家に、敵意こそいだいても、敬意など全く感じられない。残留放射能があると知りながら食品を流通させたソ連政府と変わらない。いやそれ以下。ソ連政府ですら、これほど露骨な緩和はしていない。

室井佑月氏がNHKのテレビ番組で、「福島の子供に、地産地消といって、野菜を与えてよいものか」と至極もっともな発言をした。

彼女も、福島原発事故をめぐる政府対応を批判し、子どもたちを疎開させようと呼びかけ、降板させられた人物に続くのだろうか?

あのNHK番組、御用学者が放射能について、しっかり、もごもご?発言していた。

昨日深夜、NHK-BSで、FacebookやTwitterを活用した、チュニジア反政府運動ドキュメンタリーを見た。国民を虐殺する「とんでもない政府は許せない」というようなことを、在日チュニジアの方が語っていた。

国民をゆっくりと虐殺する「とんでもない政府は許せない」と、在日日本人の小生も思う。

(『在日日本人』という言葉、宮本政於著の書名。後に「弱い」日本の「強がる」男たち―お役所社会の精神分析 として講談社プラスアルファ文庫で刊行。この言葉、元々オーストラリア、ラ・トローブ大学社会学部、杉本良夫教授の著作「日本人をやめる方法」から取ったもの。亡国エリート官僚の生態を描いた名著『在日日本人』。残念ながら絶版。今こそ読まれるべきだろう。)

環境、食品の『暫定基準値』を緩和し、原発を稼働し続け、静かな脱原発デモをすると、警察がでっちあげ逮捕をし、渡部恒三を叔父にもつ佐藤雄平福島県知事が、御用学者代表、山下俊一教授を「県民健康管理調査検討委員会座長」に就任させる等、目・耳を疑わせることばかりのこの国、狂気そのもの。

中世代に地球を征服していたといわれる恐竜は、ある時期に突如として地球から姿を消した。
 「万物の霊長」たる人類からみれば、巨大であっても、まことに頭の悪い野蛮な動物であったというのが一般の見方であろう。しかし、その恐竜たちは一億年にわたって種を維持していたのである。
 恐竜の絶滅の原因については現在でもさまざまな議論が続いている。それを、宇宙からの巨大な隕石落下に求める説もあるし、進化の過程で巨大化しすぎ自らの生命体を維持できなくなったためとする説もある。しかし、恐竜からみれば、いずれにしても万やむを得ない過程を経て絶滅にいたったのである。それに比べ、人類の絶滅の決定的な要因は、人類が自ら蒔いた種によるのである。まことに自業自得というべきであるし、人類は恐竜以上に愚かな生物種であったというべきだろう。

放射能汚染の現実を超えて』小出裕章著 河出書房新社刊 10ページより

2011年5月25日 (水)

アメリカに文化はあるのか?

Paul Craig Roberts

Information Clearing House

2011年5月24日

アメリカ合州国の文化は若者文化だといわれている。この文化は、娯楽によって定義される。セックス、ロック音楽、あるいは、それに相当する現代版の、暴力的なビデオ・ゲーム、スポーツ、リアリティ番組。この文化は、アメリカを変容させてしまい、今にも世界中の国々を変容させようとしているかのように見える。宗教から離れ世俗化したアラブやイランの若者達は、解放されて、このポルノ・ロック文化を分かち合うのを待ちきれないことを示す徴候さえある。

アメリカのかつての文化、法の支配、推定無罪、他人や、原則、礼節を尊重する義務がある政府というものは、棚上げされてしまったのだ。多くのアメリカ人、特に若者達は、そもそも、それまで我々が享受していたものを知らないがゆえに、失ったものの重さに気がつかないのだ。

ホテルのメイドに性的暴行をしたかどで告訴されているストロス・カーン、(今では、元)IMF理事長は推定無罪を否定されたと指摘した私の最近のコラムに対する読者諸氏の反応によって、このことを私は、再度まざまざと思い知らされた。有罪だと証明されるまでは無罪だという法原則を、警察とマスコミが破り、ストロス・カーンは、裁判前のみならず、起訴前に、マスコミで有罪宣告されてしまったとを私は指摘した。

読者の反応のおかげで、公開の法廷で、証拠により、有罪であることが証明されるまでは、容疑者は無罪なのだということをご存じでない方々がおられるということを知った。“もしも、彼が有罪でなかったなら、彼は告訴されなかっただろう。”と書いてこられた人もいた。“推定無罪”という表現で、ストロス・カーンは無罪だと私が言っていると思われた方々もおられる。私は女嫌いだと非難され、男女同権論を説教された。アメリカ人女性の中には、我々の社会の基盤である法原理より、男女同権論のお題目に詳しい方々がおられるようだ。

多くの男性も、私が“推定無罪”を擁護したのを、“ストロス・カーンの擁護”と取り違えたか、あるいは“有罪だと証明されるまでは無罪”ということを、もし知っていたのであれば、そんなことはどうでも良いと思っている。右翼連中は、彼がフランス大統領選挙で、アメリカの傀儡サルコジを破りそうな社会党候補者なので、ストロス・カーンを排除したがっていた。ワシントンは、ようやく、サルコジという、独立した、あるいは半独立したフランス外交政策で得られるあらゆる利益を放棄してしまうフランス大統領を手に入れたのだ。もしアメリカが、サルコジを失えば、サダム・フセインを攻撃する必要があった際に、協力を拒否したように、フランスは、我が国の侵略に協力しない元の立場に戻りかねないことが、私には分からなかったのだろうか? サルコジがいるおかげで、フランスは、リビアで、アメリカの命令を実行してくれているのだ。一体全体、どうして私は、ストロス・カーンやら、“推定無罪”のようなつまらぬ原則やらのほうが、アメリカの戦争に対するフランスの支持より重要だなどと考えたのだろう?

多くの左翼連中も、全く同様、無実の人を守る法原理には無頓着だ。彼は体制の裕福な一員であり、IMF理事長として、ギリシャ、アイルランドや、スペインの貧しい人々に、金持ち連中の失敗の尻拭いをさせたので、彼らはストロス・カーンの血が欲しいのだ。“推定無罪”で、私は一体何を言いたいのだ? 支配体制の一員が一体どうして無辜でありえよう? 私は“元の姿に戻った”のであり、推定無罪について、ぐだぐだ言っているのは、私が依然レーガン支持者であり、金持ちが犯した犯罪の結果から、連中を擁護していることの証明だとまで書いている左翼の人士もいる。

男女同権論者、右翼や、左翼の方々は、もしも、彼らが、ストロス・カーンはそうだろうと思っている、体制の有力な一員たる人物が推定無罪を否定されるのであれば、自分たちの運命が一体どうなるかまでは、明らかに思いが至らないもののようだ。

自立した意見という概念は、非常に多くのアメリカ人にとって、身近であったり、居心地が良かったりするものではない。大半の人々は、自分たちの感情を、なだめてもらいたいものなのだ。聞きたいセリフを言って欲しいのだ。本人、自分たちの考えは、はなから分かっているのだ。作家の仕事は、そうした考え方が正当であることを認証することなのだ。もし、作家がそうしなければ、その作家は、読者のイデオロギー次第で、女嫌い、左翼がかったリベラル、アカ、ファシスト体制派の工作員にされてしまう。その作家はろくな野郎ではないことに全員が合意するのだ。

しばらく前に私が書いて以来、真実の尊重は、あらゆるものを引き連れて地に落ちてしまった。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article28178.htm

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読者コメントが既に67も書き込まれている。

一例をご覧いただこう。

素晴らしい記事だが、一点だけ、同意できない。

アメリカのかつての文化、法の支配、推定無罪、他人や、原則、礼節を尊重する義務がある政府というものは、棚上げされてしまったのだ。

そんなものは決して存在していなかった。特に労働階級にとって、あるいは非白人にとって(あるいは、現在、アメリカで、あるいは、アメリカ史のどこかの時点で、悪者扱いされた民族にとって)。ノーマン・ロックウェルのアメリカは神話だ。

原発作業関係者の被曝線量20ミリシーベルトを、自国の児童に適用する殺人国家に、「殺人文化」のようなものがあるということだけは自明。

再臨界の可能性がゼロではないかどうか、つまらない重箱の隅をつついている暇があるなら、そうそうたるメンバーの参考人が招かれた5/23参議院行政監視委員会の審議内容を報告すれば良いではないか。(ソフトバンクの孫氏も招かれた。完全逆風の中、原発の危険さを説き続けた三人の方々とは全く別の思惑をお持ちなのでは、と下司は、恥ずかしいことに、いまだに勘繰ってしまう。この方、じっくり見てみると、宗主国のお先走り的な大胆さで事業を拡大されてこられたようには見受けられても、宗主国の利益を冒すような行動はしておられないと、素人のメタボ・オヤジには見えている。機を見るに敏な方ではある。)

  • 小出裕章氏(京都大学原子炉実験所)
  • 後藤政志氏(元東芝、原子炉格納容器設計者)
  • 石橋克彦氏(神戸大学名誉教授・地震学、原発震災を主張されている)

宗主国大本営広報誌、今朝から、原子力村の連載を始めるようだ。

原発事故を問う』七沢潔著には、チェルノブイリ事故の際、ソ連政府とIAEAが、事の深刻さを糊塗した様子が描かれている。アメリカ政府も共謀している。

チェルノブイリ事故、国際原子力マフィアは、「操作員のミス」説で逃げきってしまった。

同じ顔ぶれの国際原子力マフィア、チェルノブイリの時と、違う結論を出すだろうか?911でも、政府が任命した委員会、説得力ある調査報告などまとめてはいない。311も同じ結果になるだろう。

世界には、原子力マフィアが許容する「文化」のみが流通するのだろう。

2011年5月22日 (日)

体制は危険人物を排除する

Paul Craig Roberts

2011年5月20日

"Information Clearing House"

警察と売女マスコミは、ドミニク・ストロース・カーンが公正な裁判を受けることを不可能にしてしまった。ホテルのメイドを性的に暴行した容疑で彼が逮捕されたという発表の瞬間から、彼が起訴される前から、警察がおこなった説明は、国際通貨基金理事長は有罪だという印象を作り出すためのものだった。例えば、大衆に対して、きちんと受け売りをしているマスコミに、ストロース・カーンは犯行現場からあわてて逃げようとした余り、携帯電話を忘れてしまったと警察は語っていた。警察はまた、航空会社に電話をかけ、乗客名簿を要求して、搭乗予定の飛行機がフランスへと離陸しようとするすんでのところで、逃亡中の強姦犯を逮捕できたという話を作り出した。

ニューヨークの判事は、彼はアメリカから逃亡するところを取り押さえられたという、警察による虚偽の陳述を理由に、ストロース・カーン保釈を拒否した。

彼を収監すると、ストロース・カーンは自殺しないよう監視されていると警察は発表した。これは、陪審による有罪判決により、公共の場で恥をかかされるのを避けるため、告訴された強姦犯は自殺する可能性があることを、世間に示唆する手口だ。

しかし、マスコミ報道から何か知ることができると仮定して、実際に起きたことをみると、ストロース・カーンは、予定していた便に間に合うようJFK空港に到着した際、携帯電話が無いのに気がつき、犯行現場とされているホテルに電話したのだ。犯罪で逃亡している人物が、犯行現場に電話をかけて、置き忘れた携帯電話のことを尋ね、自分が今どこにいるのか言う、などというのを信じられる人間がいたら、びっくり仰天させられるではないか。

そして立て続けに、仕組まれている匂いフンプンだが、あるフランス人女性が名乗り出て、十年前ストロース・カーンにすんでのところで強姦されかけたと発言した。ウオール街の強欲銀行幹部を追求していた、元ニューヨーク州知事の政治家エリオット・スピッツァーの売春疑惑でも登場したマンハッタンの売春宿のおかみ、クリスチン・デイビスが続けて名乗り出て、彼女のコールガールの一人が、ストロース・カーンは行為が余りに手荒なので、二度目の相手をするのを断ったと発表した。

猟期が始まった今、有名になることで恩恵を受けるような商売をしている女性や、損害に対し裁判所が命じる補償で銀行口座が増える可能性がある連中は、名乗り出て、ストロース・カーンの犠牲者であるとか、犠牲になりかけたと言い張れるのだ。

ストロース・カーンに過度の性的欲望があった可能性を否定するつもりはない。ずっと前から陪審は、メイドから話を聞いているか、あるいは"余りに精神的ショックがひどいため出廷できない"メイドになりかわって発言している検事から話を聞いており、陪審は彼は有罪だという判決を出すよう前もってプログラムされていると言いたいのだ。

犯罪をしていないのなら、なぜ逃げようとするのだろう?

彼が声をかけた女性全員を見てくれ!

お分かりいただけよう。

事件の異常な点について私は書いてきた。フランスとイギリスのマスコミで確認されている報道で最も衝撃的なことの一つは、ニュースがニューヨーク警察によって発表される前に、フランス大統領サルコジ派の政治活動家ジョナサン・ピネが、ストロース・カーン逮捕のニュースを、サルコジのメディア担当アルノー・ダシエにツイートしていた点だ。

どうして最初に知ることになったのかについてのピネ説明は、"犯罪とされるものが起きたソフィテル・ホテルにいるある友人"が、彼に話したのだというものだ。フランス大統領サルコジの再選に対する脅威であるストロース・カーンを排除するという課題を与えられた人物の親しい友人が、ソフィテル・ホテルにいたのは単なる偶然だろうか? 警察が公表する前に親しい"友人"に教えたのだろうか? もしそうであれば、なぜだろう?

ストロース・カーン事件で、私が気になっているのは、もしも警察に、彼が有罪だという警察の主張を裏付ける証拠があるのであれば、ストロース・カーン用に、警察がマスコミにお膳立てをするのは無意味であることだ。通常、このようなお膳立て、証拠がないか、証拠を捏造する必要があり、審問には耐えられない場合にのみ、おこなわれる。

ワシントン政界で働いた経験がある人間として、この事件では、他にも気になることが私には見えるのだ。ストロース・カーンは、体制に対する脅威として浮上していた。世論調査で、社会党の大統領候補として、彼は、次回フランス大統領選挙でアメリカが支持する候補者サルコジを打ち破る勝ち目のある候補者であることが分かっている。多分サルコジを破るための選挙用の行動に過ぎなかったのだろうが、ストロース・カーンは、金持ちの失敗を貧者に尻ぬぐいさせるという国際通貨基金の過去の政策を変えてゆくつもりだと語っていた。彼は、経済を、強欲な銀行幹部のみならず、大衆のためにもなるようにすべく、団体交渉力を強化し、住宅ローン、税、支出政策を再構築するすると語っていた。ストロース・カーンは、金融市場には、規制を復活させる必要があると語り、より均等な収入配分が必要だとも言っていた。

こうした発言と、フランス大統領選挙でサルコジに勝利する可能性で、ストロース・カーンは、二面から体制に挑戦する人物になったのだ。第三弾となったのは、世界第一の経済として、五年以内に、中国がアメリカをしのぐだろうと書いた最近のIMF報告書だ。

ワシントンの政界で暮らしたことのない人々には、IMF報告書中にあったワシントンに対する脅威が理解できないかも知れない。本当に値するかどうかは別として、IMFにたいする信頼性は高い。次期アメリカ大統領の任期が終わるまでに、中国がナンバー・ワンの経済大国になるといって、そのIMFが、アメリカ覇権の心臓に短剣を突き刺したのだ。ワシントンの権力は、アメリカの経済覇権に基づいている。IMF報告書は、この覇権がもう終わりだと言ったのだ。

この種の発表は、政界に対して、見出しにある通り"アメリカの時代は終わった"と語っているのだ。何十年もの間で初めて、他の国々に、アメリカの支配から抜け出せる可能性が見えてきたのだ。諸国が、傀儡国家、覇権帝国の一部でなくとも良くなるのだ。諸国にとって、ワシントンの権益ではなく、自国の国民や権益のために尽くせる可能性が見えてきたのだ。例えば、アフガニスタンやリビアで、ワシントンのために闘うことを強いられてきたヨーロッパ諸国にとって、トンネルの先に灯が見え始めたのだ。こうした国々は、今、拒否することを考え始めているのだ。

裕福で、体制の一員でありながらも、女性に対する彼の態度とは無関係に、ストロース・カーンは、彼が社会的良心の持ち主である可能性を明らかにするという過ちを犯してしまったのだ。この社会的良心か、権力による傲慢さのおかげで、彼はアメリカの覇権に挑戦してしまったのだ。これこそが、彼が今懲罰を受けている、許しがたい犯罪だ。

右翼連中からは共産主義者だと嘲られている、知的で、洗練された人物である、小生の友人、アレクサンダー・コックバーンには、小生のようなワシントン政界の経験がない。それゆえ、彼は、真実が明らかになると考えている。ストロース・カーンではなく、メイドにとって有利なものを望んでいるのだろうが。

もしもアレックスが、いわれている通りにボリシェビキなのであれば、体制のために尽くしている高官が、エイズ患者用のビルの中にあるまた貸しされたアパートに住んでいる移民のメイドの発言に基づいて、失脚させられるはずなどないことぐらい分かっているはずだ。アメリカの体制派連中が、これほどまでに公正を熱望しているのだなどという考え方そのものが、全く馬鹿げている。アメリカ人が不正に全く無頓着なので、アメリカ国民は、イラク、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、リビア、ソマリアや、他の場所で、アメリカ軍によって、殺害され、不具にされ、財産を奪われ、立ち退かされた、何十万、何百万人もの女性、子供や、村の長老を無視するのだ。ワシントンと軍/防衛複合体は、権力と儲けを増大させながら、アメリカ人を "テロリスト" から守り、邪教徒に民主主義をもたらしているのだと主張できるのだ。

アメリカの犯罪的な司法制度は、誤った有罪判決や、不正の悪臭にまみれている。アメリカの受刑率は、中国等、独裁的政権とされている国々よりずっと高く、若者や、幼い子供の母親たちの生活を、麻薬使用のかどで、日常的に破壊している。

ストロース・カーン起訴は、体制派の狙いのみならず、保守派、左派や、男女同権論者達の情緒的要求にとっても、役に立つのだ。保守派は、アメリカのイラク侵略をしなかったので、フランスが嫌いだ。左翼は裕福な白人や、IMF幹部が嫌いだし、男女同権論者は女道楽をする連中が嫌いだ。しかし、たとえ政府の主張が、法廷で粉々になろうとも、ストロース・カーンはフランスの大統領選挙戦からも、IMFからも排除されてしまったのだ。移民に対する公正ではなく、これこそ、この事件の狙いだ。

当局者というのは、でっちあげをしたてて、危険人物を排除するものだということを、多くのアメリカ人は理解できまい。しかし、もっとひどいことが起きているのだ。元イタリア大統領フランチェスコ・コッシガは、1960年代、70年代、そして80年代、ヨーロッパでおきた、共産主義者によるものとされていた爆破事件の多くが、実際は有権者に恐怖をいだかせ、共産党に投票しないようにするため、CIAとイタリア諜報機関が実行した、"他組織を装った謀略"であったことを暴露した。コッシガの暴露により、国会で審査がおこなわれることとなり、そこで諜報機関工作員のヴィンチェンツォ・ビンシグエラ(Vincenzo Vinciguerra)はこう証言している。"あらゆる政治ゲームと全く無縁の民間人、人々、女性、子供、無辜の人々、無名の人々を攻撃することが必要だった。理由は極めて単純だ。大衆が、より確実な治安を求めて、国に頼るよう強いるためだ。"

もし民主的な政府が、政治的な理由で、無辜の人々を殺害するのであれば、誰かを罠にはめても不思議はなかろう。無罪であれ、有罪であれ、ストロース・カーンは、裁判の前に、罠にはめられたのだ。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article28153.htm

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今や時の人、前福島県知事の佐藤栄佐久氏も、北方領土問題で投獄されている鈴木宗男氏も、あるいは、経済学者の植草一秀氏も、宗主国の大方針に挑戦したがゆえに、国策捜査で排除されているのだろう。そして、地震予知など不可能だ、という本を書かれたがゆえに、冤罪にはめられた島村英紀氏も。(『地震予知は嘘だらけ』『私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか』を参照。)

日本を放射能汚染された原子力不沈空母にしてしまった大勲位政治家や、郵政を破壊し、退任前に、プレスリーのパフォーマンスをするような人物こそ属国に相応しい。

放射能で、『菊と刀』ならぬ『ニクとサカナ』壊滅状態の日本、おトモダチの牛肉や小麦で生きるよう構造を開放するため、TPPに参加します、原発は継続します、という政党、首相でないと、ストロース・カーンと同じ疑惑や、隠し子疑惑や、献金疑惑で、必ず排除されるだろう。「脱原発」など、属国政治家には恐怖の禁句。「発送電分離」志向を言うだけなら、乗っ取れるので、宗主国は大歓迎。

国策捜査も原子炉同様、この国の発明ではなく、宗主国の発明を教えていただき、流用しているのだろう。

元イタリア大統領フランチェスコ・コッシガの暴露については、以前、記事を翻訳してある。大衆を国家に頼らせるべく、無辜の民間人、女性、子供を攻撃せよ<グラディオ作戦>

この問題については本格的な英語書籍も刊行されているが、日本語訳は当然刊行されない。時期的に、下山事件、三鷹事件、松川事件等も同根だろう。反共神話、原発の危険を繰り返して指摘している今も見事根付いている。コワイのは原子力より共産党、社民党。

そして、いみじくも、「日本は、既に武器弾薬を用いない『市民戦争』に突入している。。。」やがて、体制が完勝し、非暴力市民は敗北する。

何十年もの間で初めて、この国に、アメリカの支配から抜け出せる可能性が見えてきたのだ。この国は、傀儡国家、覇権帝国の一部でなくとも良くなるのだ。この国にとって、ワシントンの権益ではなく、この国の国民や権益のために尽くせる可能性が見えてきたのだ。例えば、不沈空母として、広大な基地をおかれ、イラクやアフガニスタンで、ワシントンのために後方支援を強いられてきたこの国にとって、トンネルの先に灯が見え始めたのだ。この国は、今、拒否することを考え始めているのだ。

などと言ったら正気を疑われよう。

体制は属国の危険人物も排除する。この国が、支配から抜け出せる頃には、放射能も消滅している可能性が高い。フィンランド・オンカロの放射能廃棄物保管期間並の長時間。その頃には、「武器弾薬を用いない国民殺戮作戦」のおかげで、普通の人間は死に絶え、元人間のようなものが生息しているかも知れない。

2011年5月18日 (水)

アメリカ人をシステムから切り離すことは可能だろうか?

延々続くビン・ラディン武勇伝

Paul Craig Roberts

"ネオ、マトリックスというのはシステムだ。そのシステムは我々の敵だ。しかし、その内部に入りこんで、あたりを見回すと、何が見えるだろう? ビジネスマン、教師、弁護士、大工。我々がまさに救おうとしている人々の心だ。だが、我々が救い出すまでは、これらの人々は依然としてそのシステムの一部だ。それで彼らは我々の敵になっているのだ。こうした人々の大半は、システムから切り離される用意が、まだできていないことを、君は理解しなければならない。そして、彼らの多くは余りに慣らされ過ぎていて、絶望的なほど、このシステムに依存しているために、彼らはそのシステムを守ろうとして、闘おうとするのだ。" - マトリックス (1999)

2011年5月17日

"Information Clearing House"

変幻自在で、膨らみ続けるビン・ラディン物語は、益々ばかげたものになりつつある。卑怯なビン・ラディンが、今や、座って、自分のビデオを見る以外することがないテロ首謀者、無価値なビン・ラディンだ。

ワシントンは、自画自賛にふけるビン・ラディンとされる人物のビデオを公開したが、音声がない。一体なぜだろう? ビデオは音抜きで撮影されたのだろうか? ワシントンが音声を消したのだろうか? ビデオには、ビン・ラディンとされる人物が、部屋の中の誰かに向かって話しているのが映っているようだ。声はビン・ラディンのものではないのだろうか? ビン・ラディンとされる人物は、画面上の第三者を指して、自分ではないと言っているのだろうか? 一体なぜ、ビン・ラディンは、自分のビデオを見ている自分をビデオ撮影したのだろう? 一体なぜ、ビン・ラディンを見ているビン・ラディンのビデオがトップ記事になるのだろう? 死体がないのを穴埋めしようというつもりなのだろうか?

ある読者が書かれている通り“政府は、我々をもてあそんでいるのだ。人々が信じようとしない大ぼらが、一体あるのかどうかを調べる実験をしているのだ”

“ビン・ラディンの屋敷”が、百万ドルの豪華マンションであったのかどうか、インターネットや通信が使えたのか、あるいは宅配業者に頼っていたのかについて、物語は変化し続けている。連載物語の最新回では、ビン・ラディンは、オンラインで活動していたことになっている。襲撃によって、ビン・ラディンの電子メールと日記を入手したと、ワシントンは言っており、元気なビン・ラディンが、テロ・ネットワークに、更なる策謀を遂行するよう指示していたことを示していると、ワシントンは主張している。もしビン・ラディンがオンラインで活動していたのなら、なぜオバマは、宅配業者を尾行して、彼を見つけたのだろう?

どういうわけか、海軍特殊部隊は、ビン・ラディンの日記と電子メールを入手したのに、パキスタン人の手中におちたとされる、他のあらゆる種類の文書を置いてきてしまった。これら残された文書は、パキスタンとの更なる紛争の口実やら、パキスタンの主権を侵害して、アメリカがパキスタン国内で遂行している軍事作戦に対するパキスタンの抗議を無視する新たな言い訳として使えるだろう。

一体なぜ海軍特殊部隊それほど多数の貴重な文書を置いてきたのだろう? まず連中は、テロの世界を明らかにすることができたであろう首謀者を理由もなく殺害したのだ。そして、連中は、テロの記録を残したまま立ち去ったのだ。これは典型的なアメリカ政府の無能の例だという人々もいるだろう。それなら、一体どうして、そのように無能な政府がビン・ラディンを発見できたのだろう?

後に残されたあらゆる文書は、ワナとして、海軍特殊部隊によって持ち込まれた可能性が極めて高い。ワシントンから独立している誰かが、ビン・ラディン日記とされるものを検証し、ビン・ラディン自身の手になるものか確認したのだろうか? こうした類の疑問、かつてアメリカにマスコミが存在していた時代ならば、問われていた質問なのだ。

ビン・ラディン物語は、もはや余りに多くの矛盾する細部に満ちたお話と化しているので、人々は自分の語る物語に相応しい部分をより好みすることができる。タイム誌は、全能を有するビン・ラディンが、いまだに主導権を握っており、“アラーの敵を無差別に殺すのに使う回転刃をトラクターにとりつけましょう。’という手下たちの提案”を拒否したという部分を除いて、全てがお気に入りだ。タイム誌は、アメリカ海軍海軍特殊部隊によって命を奪われる前に、自分の“歴史的重要性”が失われてしまったという自覚から、動揺していたビン・ラディンがお気に入りなのだ。

もしもビン・ラディンが重要性を失ってしまったのであれば、ビン・ラディンを見つけ出し、殺害したと主張したオバマに、世論調査の支持がこれほど高まったのは一体なぜだろう?

アメリカ帝国はビン・ラディン無しではやっていけないのだ。次回のお話は、ビン・ラディンは、影武者を残して逃亡しており、外国で更なるテロの策謀を遂行しているというものになるだろう。

お話が続く中、メモリー・ホールから、我々が、遺骸の無い死を知らされたということ、そして、一体なぜ、テロリスト情報の源泉だった、非武装で、無防備な、虚弱な人物が殺害されてしまい、逮捕されなかったのかを、ワシントンは全く説明していないという事実を取り戻したいものだ。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article28109.htm

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メモリー・ホールとは、この筆者が、別の文章で語っている、アメリカ人はオーウェルが描いた『1984年』に生きているという話で、『1984年』の中で、歴史改竄を職務とする主人公が、政権に不都合な記事を切り取って、差し替え、不都合な記事を焼却するために放り込む記憶消滅口、メモリー・ホールのことを指している。

ウィキペディアにはメモリー・ホール英語記事しかない。

しかし現代日本、同じオーウェルの作品でも、『動物農場』の世界の上に『1984年』が重なった状況だろう。豚の指令のもと、農場支配者だった人間を追い出して、安心したのもつかのま。豚は、元の支配者の人間になりかわって、農場に暮らす動物の搾取を推進する。

小選挙区制を導入した二大政党なるフィクションに騙されているこの国の人々、『動物農場』はお読みになったのだろうか?それを言うならば、この文章の著者の御国そのものが、『動物農場』だろう。

  • 911の嘘
  • 対テロ戦争の嘘
  • ビン・ラディンの嘘

に、この属国では、

  • 原発は安全、経済的で必要という嘘
  • 安保条約・基地は後生大事の嘘

まで加わる。

放射性物質が入った膨大な汚染水を太平洋に流したのは、宗主国の指示だったと、平田オリザ内閣官房参与なる人物が、ソウルで語っているという。(5/19、この人物、「他のことと混同した」というような言い方で、発言を撤回しているという。以下は、「最初の発言」の記事から、発想したもの。

それが本当ならば、浜岡原発一時停止も、同じ理由では、と想像してしまうではないか?自国兵士さえ、平然と劣化ウラン弾の危険にさらす宗主国、属国臣民の命に配慮するわけがないだろう。単純に、浜岡原発が同じ事故を起こせば、横須賀や厚木の基地が維持できなくなり、侵略戦争遂行に差し支えるからだろう。

膨大な汚染水を太平洋に流したのが本当に宗主国の指示であるというので、アメリカ先住民を民族浄化するため、天然痘患者が使った毛布を贈り、発病させ、せん滅しようとした歴史的事実を思い出した。

子供の頃、そうした光景、映画かテレビ西部劇でみた記憶がある。むごさに驚いたが、当時は事実と知らなかった。

日本人は、牛肉ではなく、大量の魚を主要タンパク源としている。膨大な量の放射能に汚染された水が流れ込み続ける日本近海の魚、今後食べられなくなる可能性が高かろう。汚染されつづけるのだから、単なる風評被害ではすむまい。

魚の放射能で病気になるより、狂牛病の牛肉で病気になるほうが、より安心だから、アメリカ産牛肉、ポテト、トウモロコシ、牛乳をどんどん学校給食に使うことにしよう、ということになるのだろうか?究極のアメリカ産食糧輸出拡大施策!

貯金・保険をまきあげることができ、侵略基地さえ使えれば、属国民の生活など、後は野となれだろう。

宗主国の指示を拒否する属国幹部にはIMFストロスカーン容疑者の運命が待っている。セクハラ容疑で、民営化推進に反対した植草教授事件を思い出す。あくまでも抵抗すれば、サダム・フセインやカダフィの運命。そういう抵抗をするような正常な精神の人ならば、始めから属国管理をするための権力を握ろうなどとはしないだろう。

「TPP推進でも、完全属国化でも、何でも呑みます。推進します。」という人々だからこそ、属国の間接支配担当者の地位につかせてもらるのだろう。手先となって、自国民の生命・生活を危険にさらして何が楽しいのだろう。国民を虐げる手先になりたがる心境、貧乏人には全く理解できない。どう考えても、精神構造が歪んでいるとしか思えない。それを言うなら、そうした方々に清き一票を投じる皆様の・・・。

大昔に聞いた、某ハイテク企業日本支社長の講演を思い出した。

「皆様のご要望はよくわかります。けれど、私など、しょせん世界市場の10分の一を占める国の支店長に過ぎないのです。本国の会議で、懸命に皆様の声を届けようと頑張っても、なかなか通じないのですよ。」

しかし彼が運営する会社、比較的割高とはいえ、日本人が購入して喜ぶ商品を販売していた。ハイテク企業、日本人を不幸にして儲けていたわけではない。

日本人を不幸にして儲ける「世界最強のテロ国家にとってカワイイ属国」の国民であり続けるのは大変なことで、不本意ながら不沈空母上で生活させられているメタボ男、原発鬱になっているカモ?

2011年5月14日 (土)

"福島"事故後の影響を調査するためロシア調査隊出発

2011年04月22日

マクシム・ボリソフ

今日、ウラジオストックから日本海へ、ロシアの地理学協会の調査隊が出発した。航海の期間は約一ヶ月。科学調査船"パーヴェル・ゴルジエンコ"号には、14人の学者が乗船している。任務の中には、"福島第1"原発事故後の放射能状態の調査がある。調査隊員には、全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社の撮影班もいる。

調査隊には、気象庁、ロシアの国営原子力企業ロスアトム、ロシア民間防衛問題・非常事態・自然災害復旧省と、連邦消費者権利保護・福利監督局の専門家が参加している。日本の北海道と本州を隔てている津軽海峡から始め、更には千島列島の太平洋岸沿いに、カムチャッカに至るまで、学者たちは、放射能状況についてのモニタリングを行う予定だ。

"我々は真実を知らねばなりません。事故後に起きた、ロシア沿岸にまつわるあらゆることについて、この状況にまつわる全ての真実を全員が知らねばなりません。"と、ロシア地理学会第一副総裁、ロシア連邦・北極・南極国際協力機構理事長特別代理で、調査隊長のアルトゥール・チリンガロフは語っている。

調査課題は、地震と、その結果としての放射性放出物が、大気、海水、動植物にどの様に影響したのか、とりわけ、極東ロシアで暮らす人々に危険はないのかを究明することだ。このために、調査船には、ウラジオストックで、特別な機器が搭載された。

"現場用の半導体スペクトロメーターは、バックグラウンドのガンマ線のスペクトル組成を調べることができ、高分解能なので、それが福島に由来するものか否かを判断することが可能です"と、サンクトペテルブルク放射線衛生研究所の体内被曝研究室室長、ゲンナジー・ブルクは語っている。

調査航海は、記録的な短期間で編成された。調査基地の役割を果たすのは、極東水文気象学研究所の船"パーヴェル・ゴルジエンコ"だ。

"調査隊は、突然編成され、25日間の食糧、燃料、飲料水の補給を5日間で素早く完了した。船は、技術的に準備が済み、乗員も準備完了です"調査船"パーヴェル・ゴルジエンコ"の船長、エフゲニー・スクリズコフは語っている。

調査隊参加者達は本格的な研究を期待している。学者のみならず、全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社の撮影班も乗船している。ジャーナリストも撮影隊員も、日本の事故地域に既に行ったことがある。調査の際、彼らは、観測結果について、オンライン体制で放送をしてくれる。

"どの地点からでも放送ができる衛星通信装置を我々は搭載しています。専門家の作業を、段階的に観察することが可能です。我々が何も見逃すことのないことを、そして視聴者の皆さんが、この研究作業がどのように行われるかを、ご覧になれることを願っています。"と、全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社特派員のヴィタリー・アキーニシンは語っている。

科学調査船"パーヴェル・ゴルジエンコ"による調査期間は25日間で、船員と学者たちは、千島列島に沿って、北から南、そして逆方向に、三千海里の航海をすることになっている。"パーヴェル・ゴルジエンコ"は、5月16日にウラジオストックに帰港する予定だ。

記事原文のurl:www.vesti.ru/doc.html?id=447122

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このいささか古い記事も、ロシア語を解する知人によるもの。記事選択もおまかせ。ただ働きに文句は言えない。

結局、メルトダウンしていたではないか。水は穴からジャジャ漏れ。ネットの流言蜚語などとお上はくさすが、お上(東電も含め)が、こうして、デマ発表ばかりするから発生するのだろうに。

原子力安全委員会の班目春樹委員長、毎日新聞によると、12日の会見で「燃料溶融は早い時点から予想していたので驚きはない。」と発言。

デタラメ委員長と呼ばせていただきたいと思う。ご本人以外は、異議がないだろう。毎回ながら、有名な小話を思い出す。ソ連で、スターリンは阿呆だ!と赤の広場で叫んだ男、秘密警察に逮捕された。機密漏洩罪で。

出てくる情報がいつも出鱈目なのは、政治家・官僚・東電・御用学者・マスコミ、そして、労働組合は、国民ではなく、悪の六角形による国家体制の保身を計っているからだろう。(学者だけ「御用」とつけては申し訳ないが、煩雑なので略しているに過ぎない。)第二次世界大戦までの日本と、敗戦後の属国日本、本質は変わってはいないようだ。

世界各国の政府、官僚、企業、学界、マスコミ、そして、労働組合は、日本の政府、官僚、企業、学界、マスコミ、を心からうらやましく思っているだろう。

どんなにひどい政策を推進しても、全く抵抗せず、黙々と受け入れる国民が、自分の国にいたらよかったのにと、うらやましがっているに違いない。属国政治家も、属国官僚も、属国国民の品格を反映するものだろう。戦後66年たった今、文部殺人省が、こどもを無理やり、放射線に「竹槍で戦う」特攻隊隊員にしたてているも同然の国の。ただちには全員が死なない特攻隊、やがて、何人かが癌を発症しても、フクシマが原因と証明できないだけ。

実際には、I・F・ストーンの言う通りなのだろう。ジャーナリズムを勉強している若者に、ストーンは言った。「ひとつだけ覚えておくように。政府は嘘をつくものです。」

オトモダチは、みかじめ料をまきあげるやいなや、早速基地問題で牙をむいた。TPPでも同じこと。強引に加盟させ、地獄に突き落とすだろう。どんな地獄におちても、抵抗せず、黙々と受け入れる国民が暮らす国にとって必然的結末。

大本営広報部の新聞の一つに、今秋から、米、官民一体で復興支援(つまり本格的日本再占領だろう)が始まるという記事がある。経団連がお先棒をかつぐ。もうひとつの大本営広報部紙、今朝の新聞、原発対策、ことごとく宗主国の指示のもとで行われていることをうかがわせるもの。いずれの新聞にも同じようなジャパン・ハンドラーがメンバーが登場。「属国」状態、残念ながら、メタボオヤジの妄想ではないだろう。

ところで、オーストラリアで刊行されているTPPについての論集、No Ordinary Deal 表紙、TPP参加の結果を端的に示す図だが、日本にとっては余りに印象的。(アマゾンの洋書では、アメリカに不都合なこの本、見つからない。素晴らしい情報統制ぶりが確認できる。お試しあれ。)

Noordinarydealcover

属国政府発表も、オトモダチ宗主国政府発表もあてにならない中、あるいは隣国政府なら、極東にくらす自国民のためになら、本当の情報を発表してくれるかも知れない、と期待をいだいてしまう記事。理解するためには、ロシア語を勉強しなければいけないのが難点。

足柄のお茶もオチオチのめない。そもそも水自体が以前から怪しい。

山下俊一長崎大教授なる人物による、福島での、放射能安全論ばらまき講演行脚の話をあちこちでみかける。国、企業、マスコミ、学者共謀で遂行する完全犯罪確信犯。
一方、チェルノブイリで甲状腺癌治療に奮闘されてきた、素晴らしい医師、現松本市長、菅谷昭氏の講演全文がNHK かぶんブログで読める。

茨城の牧草も汚染されている。それを食べる牛肉や牛乳も汚染されるだろう。汚染された水がジャジャ漏れであれば、海草や魚貝類にも、汚染は及ぶだろう。チェルノブイリでは、農業が壊滅的打撃を受けた。ウクライナの平野、畑や川はあっても、海はない。フクシマでは、淡水魚のアユ、ワカサギ、更にはシラスも汚染された。

ラ・アーグやウインズケール(セラフィールド)再処理工場近辺の沿岸では、魚を多く食べた子どもほど白血病にかかりやすい傾向が確認されているという。風評ではなく、真面目な調査結果。六ヶ所村に先駆け(あるいは並行して?)フクシマ海岸周辺で同じことが起きても全く不思議はないだろう。水はジャジャ漏れ。ただちに影響がなくとも(あったら大変)、やがて影響は現われる。広範囲でおきるだろう。原因がフクシマだといえる証拠を提示できないにすぎない。核のミナマタ?

この話題の本では、たとえば、農文協『海と魚と原子力』水口憲哉著がある。水口憲哉氏による六ヶ所村再処理工場にかかわる記事、「放射能を海に棄てないでください」テキスト版全文が公開されている。本質はフクシマも同じこと。おとなしい日本人、一億カスミを喰って生きるしかなくなりそうだ。

岩波『世界』6月号 特集◎原子力からの脱出 にも水口憲哉氏、寄稿しておられる。題して「海のチェルノブイリ」。この号、5月号とならんでお勧め。

第二次大戦時、日本占領時のための研究として、アメリカの人類学者ルース・ベネディクトがまとめたのが、有名な本『菊と刀』。

フクシマ後の日本にTPPを押しつけるため、誰か同じような研究しているだろう。本も出すかもしれない。書名は違うだろう。『ニクとサカナ』。

2011年5月11日 (水)

A Hard Rain:原子力論議の‘裏側’を扱った豪州映画

これは制作されるべくして制作されたドキュメンタリーだ! 二度、アカデミー賞(ドキュメンタリー部門)候補となり、AFI(アメリカ映画協会賞)を五回受賞した、デヴィッド・ブラッドベリー監督の最新作A Hard Rainは、原子力論議の‘裏側’を取り上げている。

各国政府や大半の大手マスコミは、今や化石燃料に対する魅力的な代替手段で、我々全員を地球温暖化から救ってくれる魔法の様な解決策だとして、原子力を売り込んでいる。チェルノブイリ・メルトダウンが起きた20年前の最悪の時期以来、原子力は、きれいで、環境にやさしいという、連中に好都合な意味あいを持つようになっている。

中国、フランス、イギリス、日本、そしてオーストラリアと五カ国を巡り、ブラッドベリー監督が以前制作した三本の原子力関連ドキュメンタリー映画(『公共の敵ナンバーワン』、『ジャビルカ』、『風に吹かれて』)から学んだことを活用し、A Hard Rainは、ウラン採掘から、原子力発電所、そして放射性廃棄物や兵器製造に至るまで、世界中の原子力産業全体を詳しく吟味している。原子力推進というオーストラリアでの最新の動きの背後にある隠された狙いを、この映画は暴露している。

カナダのロザリー・バーテル博士、イギリスのクリス・バズビー博士、オーストラリアの(元豪州科学・工業研究機構)、ニュー・サウス・ウェールズ大学・環境研究所、マーク・ディーゼンドルフ博士、オーストラリア環境保全基金理事長、イーアン・ロウ教授、モナシュ大学工学部、ギャヴィン・マッド博士等、世界最高の科学者や環境運動家達の、この話題にまつわるインタビューもある。

映画には、それぞれの国で起きていることについての真面目な協議から締め出されている古くからの所有者へのインタビューもある。

原子力を推進している諸外国の経験を検討することによって、A Hard Rainは、原子力は安全で、安価で、健康で、環境に優しく、次のチェルノブイリ事故が起きる可能性などほとんどない、といった原子力業界の神話が偽りであることを証明している。

この問題を理知的に議論し、ウラン採掘推進派の圧力団体が、マスコミや、政府や、労働党に、実に見事に植えつけた、原子力神話を打ち破るための、重要な、事実に基づいた情報を知りたいとお考えであれば、このドキュメンタリー映画は必見だ。

記事原文のurl:www.frontlinefilms.com.au/videos/hardrain.htm

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官邸での記者会見で、首相は「エネルギー基本計画」(10年6月18日に閣議決定)について、「いったん白紙に戻して議論する必要があるだろうと考えている」と発言した。至極当然。

一方では、アメリカ・日本が、モンゴルに原子力発電所を建設し、放射性廃棄物を引き受けてもらう極秘計画が明らかになった。毎日記事 重みは後者にこそあるだろう。人間の智恵では、人間が無理やり生み出した放射性廃棄物、処理不能なのだ。人類が滅亡した後も、放射能は出続ける。

日本国内に、原発ならば無理やり作れても、放射性廃棄物の永久保存施設、オンカロは作れない。今回地震で起きた大事故でわかるように、日本全土、永久保存施設を建設するには、地盤が余りに不安定なのだ。あの広大なアメリカでさえ、ユッカ・マウンテン永久保存施設計画、宙に浮いている。

トイレがつまったままでは、マンションには暮らせない。放射性廃棄物を日本の外に捨てない限り、日本の原子力発電は早晩行き詰まる。わかりやすいが、ひどい話。

ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)広島国際大会でブラッドベリー監督が講演した記事『ウラン兵器なき世界をめざして』で、この映画の要約が見られると知った。150-153ページ。(そこには7分とあった。)この本には劣化ウラン兵器に関する小出裕章氏講演記事もある。108-110ページ。

A Hard Rainは2007年公開。オリンピック・ダム・ウラン鉱山での露天掘り採鉱過程で、ガス、粉塵が、風に吹かれて、オーストラリア中に広がる危険を扱っている。

該当ページで、約25分のA Hard Rain要約版を見ることができる。(英語)DVDも購入可能。海外ということで、郵送料は、余計にかかるが。

A Hard Rainについての、より詳しい情報は、

えこ&ピース ウラン鉱山開発に警鐘を鳴らすドキュメンタリー『A Hard Rain』にある。

『公共の敵ナンバーワン』とした映画、原題はPublic Enemy Number One。

日本敗戦直後、取材にきたが、米軍の意図に逆らい、密かに広島を訪問、原爆投下後の広島に始めて入った西欧ジャーナリストとして、45年9月5日、デイリー・エクスプレス紙に「世界への警告として、これを書く」で始まるスクープ記事を書いたオーストラリア人記者ウイリアム・バーチェットについての映画。朝鮮戦争やベトナム戦争についても、辛口記事を書いたバーチェット記者、オーストラリアでは悪者扱いされており、この映画、様々な賞を受けたにもかかわらず、テレビでは放映されていないという。

「公共の敵ナンバーワン」とは、本来FBIの凶悪指名手配犯10人リストNo. 1のこと。

デヴィッド・ブラッドベリー監督が初めて広島を訪問したのは、1981年。

ウイリアム・バーチェット記者については、下記翻訳記事が詳しい。

隠蔽されたヒロシマ:いかにして陸軍省のタイムズ記者はピューリッツア賞を勝ち取ったか」byエイミー・グッドマン

アカデミー賞ドキュメンタリー部門候補とされたブラッドベリー監督作品は、Frontline、オーストラリア人カメラマン、ネイル・デービスの視点から捕らえたベトナム戦争を描いたものと、Chile: Hasta Quando、ピノチェト独裁を描いたもの。

『ジャビルカ』原題、Jabilca。オーストラリアのウラン鉱山開発にまつわる問題を扱ったドキュメンタリー。1997年。

『風に吹かれて』原題、Blowin' in the Wind

劣化ウラン弾兵器問題を扱った映画。ショールウォーター湾にある軍の共同訓練施設にまつわる健康問題、戦場での劣化ウラン弾使用の影響を取り上げている。

ブラッドベリ監督の日本取材については、下記ページがある。

映画『ジャビルカ』のデヴィッド・ブラッドベリ監督が人形峠と方面地区のウラン残土を取材 ウラン残土訴訟を支える会 土井淑平

土井淑平氏、小出裕章氏と、共著『人形峠ウラン公害裁判』批評社刊を書いておられる。土井淑平氏の著書には、他に『原子力神話の崩壊-ポスト・チェルノブイリの生活と思想』等ある。

映画『ジャビルカ

小出裕章氏、この映画の日本語版制作協力者の一人でもある。

ウランなり、プルトニウムなり、こうした放射性物質、

  1. ウラン採掘
  2. 核兵器原料・原子力発電燃料用への濃縮・加工
  3. 世界各地での核兵器実験
  4. 二度の核兵器実践使用
  5. 原子力発電
  6. プルトニウム抽出再処理
  7. 戦場での、劣化ウラン弾使用
  8. 放射性物質の最終処分場

あらゆる過程で膨大な被害をもたらしつづけるのは明白。パンドラの箱。

O・J・シンプソン-プルトニウムファイル、そしてチェルノブイリ極秘で触れた、アメリカによる恐るべき実験の本「プルトニウム・ファイル」再刊して欲しいものだ。「プルトニウム・ファイル」には、水爆実験に参加したアメリカ兵士の話はあったが、現地の人々については触れていない。現地の人々の被害については、下記の本が詳しい。

『非核太平洋 被爆太平洋―新編 棄民の群島』前田哲夫 筑摩書房 1991
隠されたヒバクシャ―検証=裁きなきビキニ水爆被災』前田哲夫編 凱風社 2005

アメリカでの化学廃棄物被害については下記が詳しい。

環境レイシズム  アメリカ「がん回廊」を行く』本田雅和、風砂子・デアンジェリス著 解放出版社 2000.7

劣化ウラン弾による各国国民の被害の様子、森住卓氏のwebで瞥見できる。

気の遠くなるような大規模施設での、気の遠くなる期間にわたる放射性廃棄物保管の試みについては、フィンランドで建設中の巨大施設オンカロ関係者のドキュメンタリー映画『100,000年後の安全』がある。

英語ページはここ

ヴァッカースドルフでの再処理工場建設を中止させた住民運動の様子を描いた映画『核分裂過程』、その後の、ドイツ、フランス、イギリスの様子を描いた『第八の戒律』も、上映が続けられている。マスコミは、住民運動によって、お上の政策がひっくり返される様子など報じない。「法はあんた方の側かもしれないが、正義は我々にある」と語る住民達を見て、「祝の島」の皆様を連想した。広瀬隆氏の『恐怖の放射性廃棄物-プルトニウム時代の終わり』集英社文庫の、第三章は「こうしてヴァッカースドルフの森は守られた」。まさに、この話題の現場で、当事者の方々に会って、書かれた記事。元々は、1994年7月、『ドイツの森番たち』という題名で刊行されたもの。すごいものだ、と当時読んだ時に思ったが、今読むと、ドイツという国のすごさがわかる。

原子力は「麻薬のようなもの」と評した学者の言葉が印象的だった。国家は、国民に、大麻や麻薬を固く禁止しながら、為政者、役人、御用学者、企業、労組、マスコミは、原子力という名のもっと危険な麻薬に、すっかりどぶ漬け。今さえ・自分さえよければよいという利己主義の極地。彼らの世界、グレッグ・パラストの書名そのもの。Armed Madhouse=武装精神病院。テレビでのコメントを見ていて、とうてい正気と思われない御用学者・政治家の皆様、早急に収容・隔離が必要かも知れない、と何度思わされたことか。

超一流と思われている大学の教授連中、大半その実態はほとんど太鼓持ち。わずか数人の助教、つまり助手の方々だけが、真実を語るという状況、北朝鮮を笑えないだろう。共産主義ロシア時代ですら、体制の意志に逆らう一流学者は存在した。日本の超一流大学、実態は、超一流幇間製造工場だったようだ。

批判いただく前に書いておこう。

赤の広場で、「スターリンは馬鹿だ」と叫んだ男、名誉棄損ではなく、国家機密漏洩罪のかどで逮捕された。という小話がソ連にはあったという。

日本で原発を推進する「政治家、役人、学者は幇間だ」と書いているメタボ、同罪だろう。

日本人監督による映画。

ヒバクシャ―世界の終わりに』鎌仲ひとみ監督 本もある。『ヒバクシャ

六ヶ所村ラプソディー』鎌仲ひとみ監督 本もある。『六ヶ所村ラプソディー・ドキュメンタリー

ミツバチの羽音と地球の回転』鎌仲ひとみ監督

祝の島』(ほうりのしま)纐纈あや監督 

ナージャの村』本橋成一監督

アレクセイと泉』本橋成一監督

NHK番組:

BS<シリーズ チェルノブイリ事故 25年>

永遠のチェルノブイリ

被曝(ひばく)の森はいま

見えない敵

汚された大地で、チェルノブイリ20年後の真実

チェルノブイリ原発事故その10年後

チェルノブイリ原発事故・終わりなき人体汚染

NHK特集 調査報告 チェルノブイリ原発事故

被曝が危険か否か、という論議には、『隠された被曝』が参考になる。矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授著、新日本出版社、2010年刊

この本については、ちきゅう座blogに、米核戦略と放射線「科学」という書評記事がある。属国のエセ学者、政治家、官僚、一人として宗主国の方針に反する意見、いえるわけがない。言えば、体制内での社会的生命はたたれるのだから。

もちろん、属国体制外で、真実の発言を続ける、本物の学者、評論家も、わずかながられ、おられる。そうした貴重な発言、ただで読んでばかりいては申し訳ないので、時々、貧者ながらも、ご著書を購入させていただいている。

しかし、フクシマ災害、一般の人々に本当のことがわかるころは、手遅れだろう。

日本の姿が時々刻々、世界に報道されている状況、リアルタイム本物の「フクシマ・トルゥーマン・ショー」、国民丸ごと「モルモット状態」、日本人による、二度とできない、人類への貢献だろう。

2011年5月 7日 (土)

チェルノブイリがもたらしたもの、福島が脅かしているもの

2011年4月17日

チャリャビンスク市の非政府組織«プラヴァサズナーニエ=法意識»の専門家、ナターリヤ・ミローノワと、非政府組織«プラニェータ・ナジェージドゥィ=希望の惑星»のメンバー、ナターリヤ・マンズーロワが、原子力災害の影響について語っている。

以下は、サイト、agendaonlife.com、«ボイス・オブ・アメリカ»の情報による:

"«福島»の損害は、我々の文明に、ずっと残りつづけると、団体«原子力の安全を目指す運動»の理事長、ナターリヤ・ミローノワは確信している。この専門家は、«平和な原子力»というものなど存在せず、存在するのは、地球上での生活か、原子力か、いずれかの選択だけだと確信している。

ナターリヤ・ミローノワは、隠された«福島»の真実に関して、国際原子力機関を、«核への愛と、世界のプルトニウム市場における主導的立場を占めようという願望»に関して、ロシア首相ウラジーミル・プーチンを、批判している。

放射能レベルが高いと、機械は頻繁に止まってしまうため、作業は人間にしかできない。チェルノブイリで、そうした作業をする人々は«バイオ・ロボット»と呼ばれたが、彼らは原子炉でのわずか一分間の作業で«火傷した»。ナターリヤ・マンズーロワは、事故から数日後にプリピャチに派遣された研究所の同僚のうちで唯一の生存者だ。彼女は«ボイス・オブ・アメリカ»に、«放射性廃棄物»が人々にひき起こしたこと、事故処理作業員達の破壊された人生や、壊された家族、チェルノブイリの忘れられた教訓について語っている。

ナタリヤ・ミローノワ医師は、«原子力の安全を目指す運動»の創始者で、理事長である。彼女は、ソ連政府に、チェルノブイリ事故の情報を公開するよう始めて要求した人々の一人だ。チャリァビンスク州立法会議で働いていた時期、ミローノワは、プルトニウム製造工場«マヤク»における1957年の大事故の結果を含め、ロシアのプルトニウム製造における500,000人の犠牲者に関する情報を公表した。

1997-2006年、ロシア連邦議会高等生態学評議会のメンバーとして、ナターリヤは、放射性廃棄物の埋設地問題について、公開討論を組織した。2002年 ナターリヤ・ミローノワは、ロシア連邦最高裁で、ロシア政府に対する訴訟で勝訴した。裁判所は、ロシアにおける、保管と再処理のため、ハンガリーから、370トンの高放射性廃棄物を輸入することの中止を決定した。何冊かの本と、70以上の論文の著者である彼女は、核兵器拡散の根源、および、大量破壊兵器、特に核兵器廃棄における非政府組織の役割を研究した。

ナターリヤ・マンズーロワは、チェルノブイリ原発事故後の処理における主任技師として、5年以上働いた。放射能によってひき起こされた重い病のため、核物質に対する研究を、彼女は中断せざるを得なかった。マンズーロワは、放射能で苦しむ人々の権利を守るため«チェルノブイリ同盟»を設立した。現在、彼女は、非政府組織«プラニェータ・ナジェージドゥィ=希望の惑星»のメンバーだ。ナターリヤは、放射線生態学の分野における様々な研究論文の著者である"

ナターリヤ・マンズーロワは、チェルノブイリ原発事故後の処理における主任技師として、5年以上働いた。放射能によってひき起こされた重い病のため、核物質に対する研究を、彼女は中断せざるを得なかった。マンズーロワは、放射能で苦しむ人々の権利を守るため≪チェルノブイリ同盟≫を設立した。現在、彼女は、非政府組織≪プラニェータ・ナジェージドゥィ=希望の惑星≫のメンバーだ。ナターリヤは、放射線生態学の分野における様々な研究論文の著者である"

記事原文のurl:http://pravosoznanie.chel.org/32416/

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上記は、ロシア語を解する知人が、選択し、翻訳したもの。ミローノワ、マンズーロワは、それぞれ、ミローノヴァ、マンズーロヴァという表記の方が、発音の点で、より正確だそうだ。

知人によると、ビデオ(残念ながらロシア語)では、かなり手厳しくIAEAを批判していたり、遺伝子への深刻な影響や、彼女自身を含む、事故処理にあたった人々のPTSDについて語っていたり、日本人が良く食べる海草の汚染、さらには、日本だけでなく、韓国、中国など、周辺に汚染が及ぶ問題などを論じていて、聞くべき意見は多いという。日本のテレビよりは、当然、中味があるだろう。

英語一辺倒のこの国、ロシア語を理解する日本人が極めて少ないことは、属国政府にとって、何ともありがたいことだろう。国民にとっては、極めて残念なことだが。

≪平和な原子力≫というものなど存在せず、存在するのは、地球上での生活か、原子力か、いずれかの選択だけだ。

活断層の上にあるから危険なので、すぐ止めろ!といわれている浜岡原発、「堤防建設が完了するまで、稼働停止」になんの意味があるだろう。活断層の上にあるという問題は、大堤防建設で、解決するわけがないだろう。生肉事件同様、とんでもない目くらまし。全ての原発を停止してこそ、根本的対策だ。

そしてユッケ騒ぎ。生肉、店にいって、選択して、食べなければ、危険はない。

放射性物質は、日本中、どこにいても、音も、匂いも、味もなしに、こちらが選ばずとも、体内に入り込んでくる。どちらが大問題か、放送しているアナウンサーの皆様もお分かりだろうが、逆らえば首。太鼓持ち芸人は、金さえもらえれば、何でもするだろう。プルトニウムさえ、なめるだろうか?

タクシーを襲って、海に逃げた兵士のニュース。オサマ・ビン・ラディンや、アルカイダより、近くの米軍基地の兵士、あるいはその家族の方が、アブナイ?
オサマ・ビン・ラディン殺害を怒った、アルカイダ・メンバーが、そうした理不尽な行為をする宗主国にみつぎ、基地を使わせている属国に対し、核攻撃・原発攻撃をしても不思議はないだろう。

オサマ・ビン・ラデンやアルカイダとて、宗主国にすりよらない属国であれば、攻撃する理由は皆無。もちろん、オサマ・ビン・ラデンもアルカイダも、宗主国が、戦争・侵略継続の為に、念入りに開発した仕組みだと確信しているが。

ナタリア・マンズーロヴァさんは、下記ダイヤモンド・オンライン記事の語り手。
「政府発表を鵜呑みにせず自分の身は自分で守れ」
チェルノブイリ事故処理班の生存者が語る
凄惨な過去と放射能汚染への正しい危機感

2011年5月 4日 (水)

オサマ・ビン・ラディンの好都合な死

Paul Craig Roberts

2011年5月3日

"Information Clearing House"

アメリカは必ず勝つという勝利主義の匂いがプンプンするプロパガンダ記事で、AP通信の、というよりは、ホワイト・ハウス真実省の、二人の記者とされる連中、アダム・ゴールドマンとクリス・ブラミットは書いている、というか、ホワイト・ハウス、あるいはCIA報道発表を丸写ししている。“激しい銃撃戦で、海軍特殊部隊ネイビー・シールズによって殺害されたテロ首謀者のオサマ・ビン・ラディンは、最初何年も前に(強調は筆者)東欧にある秘密のCIA監獄の囚人達から探り出した情報に基づいて、追い詰められたと、当局は月曜日に発表した。”

一体何人のアメリカ人が、“報道”の第一段落が、CIA監獄と拷問を正当化していることに気づくだろう? 秘密監獄と拷問無しでは“テロ首謀者”は、2001年に腎不全で亡くなっていたにもかかわらず、自由に動き回っていただろうというのだ。

CIAとFBIだけではなく、アメリカの諜報機関16の全てを、イスラエルのモサドやNATOの諜報機関とともに打ち破り、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)、国家安全保障会議、ペンタゴンも、統合参謀本部も、アメリカ空軍も、アメリカの空港で、同じ日の一時間の間に、セキュリティー手続きを四度も打ち破り、航空管制も敗北させ、最新式のペンタゴン防空システムを打ち破り、飛行機の操縦法を知らないパイロットを使って、三機の旅客機を、三棟の建物に突入させた、“テロ首謀者”が、ほぼ十年もの間、他の攻撃を一切やってのけていないのは一体なぜかと疑う分別を、一体何人のアメリカ人が持っているだろう? カッター・ナイフを持ったわずかな人数のサウジアラビア人に直面した際に、これほど完璧に駄目になってしまうような政府の防衛体制が、一夜にして、完全なものとして更新できると、アメリカ人は本当に信じられるのだろうか?

183回も水責めされた後で、“9/11の首謀者”であることを白状したグアンタナモの囚人ハリド・シェイク・モハメドによって、追い出された後、長らく行方不明だった“テロの首謀者”ビン・ラデンの復活に、一体何人のアメリカ人が気づくだろう?

アメリカ人は祝賀に忙しすぎて、考えることができないのだ。アメリカ人の教育では、この能力、除外されてしまっているようだ。

アメリカ人は、ビン・ラデンの死を巡って夢中になりすぎていて、一体なぜ何年も前に情報を得たのに、パキスタン陸軍士官学校の隣の、あらゆる最新の通信機器を備えた百万ドルの住宅に住んでいたとされる人物を探し出すのに、それほど長くかかったのか不思議に思えないのだ。“最重要指名手配犯”は、辺鄙な山地の隠れ家から隠れ家へと渡り歩いていたわけではなく、白昼、高級住宅街に身を隠していたのだという。ところが、見え見えの住み処にもかかわらず、CIAは、秘密監獄の囚人から、彼の居場所についての情報を得たと主張してから、彼を見つけ出すのに何年もかかった。これは無声映画時代のドタバタ警官隊喜劇キーストン・コップス新版という、CIAイメージだ。

ネイビー・シールズとCIA傭兵は、交戦規定に従い、称賛すべきやり方で行動したのに対し、砲撃が起きた際、ひきょうなビン・ラデンは女性を楯にし、陰に隠れたという発表の直後、売女マスコミ(英語はprestitute)からこう聞かされた。“アメリカ当局は、新たな攻撃のリスクがあることを認めた。テロリストは、ほぼ確実に、ビン・ラデンの死に対して報復しようとするだろうと、CIA長官レオン・パネッタはメモに記している. . . . 数時間後、国土安全保障省は、ビン・ラデンの死は、‘地元の暴力的過激派’にとって、攻撃の動機となる可能性が高いと警告した。”

ホワイト・ハウスの対テロ対策顧問、ジョン・ブレナンは、記者団に“隠れ家が、軍隊が多数存在する都市で、六年前に特注されたものである以上、テロリスト逃亡者が、パキスタン国内で支援を受けていなかったとは考えられない。”

そこで、アメリカが交戦しているわけではない、主権を有する外国における、アメリカによるビン・ラデン殺害とされるものは、国際法の下で犯罪であるのに、虫のいい可能性を三つ捻り出した。

テロリストはビン・ラデンの死に報復をするだろうと、CIAは言って、軍/防衛複合体に、儲けが流れ込み続け、権力が、責任を負わないCIAに流れ込み続けるため、偽装ヤラセ攻撃を仕込んでいる。

国土安全保障省は、国内的に警察国家を拡充し、旅客を嫌がらせ、反戦抗議デモ参加者を逮捕する。

そして、パキスタンは、ビン・ラデンを匿ったことで、侵略と奪取(もちろんインドによる)の瀬戸際にある。

米国議会におけるイスラエル・ロビーの代理人達も、即座に計略に合流した。上院軍事委員会の委員長、カール・レヴィン上院議員は、パキスタン軍と諜報機関には“場所、期間、そして、これは実際に、この施設が、実際、ビン・ラデンのために建てられたという明白な事実、そしてパキスタン軍中心部への近さを考えれば、説明すべきことが多々ある。”と言明した。

二人の記者は政府のプロパガンダには何の質問もしなかった。それどころか、二人の記者は祝賀に加わったのだ。とは言え、“ブレナンが、決して‘誰も彼の死を否定しようとする根拠をもてなくするため”の取り組みと呼ぶものの一環として、ビン・ラデンの死体を写した少なくとも一枚の写真を、公表すべきかどうか、当局は熟考した’”と二人は、うっかり漏らした。

ガーディアンやヨーロッパの新聞が暴露した様に、死亡したビン・ラデンの写真は偽物だ。遺体とされるものは、海に水葬され、残っているものと言えば、イラク大量破壊兵器やアルカイダとのつながりや、イエローケーキや、イランの核兵器について、そして何千人もの専門家によれば、9/11についても、嘘をついているアメリカ政府のセリフばかり。政府が突如、ビン・ラデンの死亡について真実を話し始めるものだろうか? 万一、読者がこれを信じられるのであれば、小生がブルックリンに持っている橋を、良い価格でお譲りしよう。

ビン・ラデンのいかさまの死に対する、小生の最初の解釈は、アメリカの財政赤字に対処するために、オバマアフガニスタン戦争と占領を終わらせる必要に迫られているというものだった。これに続いたオバマ政権幹部の声明から判断すると、狙いは、盛り上がらない国民の意欲を押し上げるべく、ちょっとした戦勝をアメリカ人に与えるためであった可能性もある。軍事/防衛複合体は、益々豊かに、強力になり、アメリカ人には、敵に対する勝利という代償としての喜びが与えられるというわけだ。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article28016.htm

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属国日本の支配層にとっては、フクシマ記事を吹き飛ばしてくれる絶好の朗報だろう。

狙いは、盛り上がらない国民の意欲を押し上げるべく、ちょっとした戦勝を日本人にも与えるためであった可能性もある。軍事/防衛複合体は、益々豊かに、強力になり、日本人には、敵に対する勝利という代償としての喜びが与えられるというわけだ。

  • 原子力発電も、
  • 憲法の上にそびえる安保条約(それをもとにした米日軍事主従同盟)も、

政治家、官庁、御用学者、マスコミ、財界、こぞって「国民のためになる」という真っ赤な嘘を、言い続けてきた。ほんとうは、どちらも「支配者のためになる」が、永久に「国民のためにはならない。」

フクシマ事故で暴露されたのは、原発安全神話だけではない。

アメリカの世界侵略の為に、膨大な基地を提供し、みかじめ料を支払って、展開していただいたトモダチ作戦、いったいどれほどの効用があっただろう。侵略が本務の人々が、人を救えるはずがないだろう。存在目的、はじめから、違うのだ。

オトモダチ(核の傘すらあるかどうかわからない)など、羊の皮をかぶった人食い狼でしかないことも、暴露されたろう。津波、原発事故報道の陰で、沖縄での基地建設のための作戦は着実に進んでいる。

とうとうあのWikiLeaksまで、基地問題のインチキさ、日本の官庁が、宗主国官庁の出張所であることを暴露してくれたではないか。

国家は無法で、庶民は無力だ。しかし、あきらめてはなるまい。25年前のドイツ映画『核分裂過程』、まさに住民たちの闘いによって、権力側が譲歩し、ドイツ、バイエルン州ヴァッカースドルフの核燃料再処理工場建設が中止となった様子を記録したドキュメンタリー。

「安全性」にまつわる政治家の嘘、法を楯にした警察の暴力、住民運動の実体を報道しようとしない公共テレビなどを通して、住民たちが、正しくも体制不信に至る様子、さながらフクシマ以後の日本を想起させられる。

原子炉廃絶への過程を着実に進めるドイツと、大事故進行中でも、原発維持・推進をうたう政治家が多数当選する日本、25年という時間差だけによる民度の違いとは思えないことが残念。ヴァッカースドルフの住民たち、問題を「フランスのラ・アーグに押しつけて終わり」にしようとはしない。闘い続けている祝島の方々にも、ヴァッカースドルフのような良い結末を迎えて頂きたいもの。

続編である20年前の映画、『第八の戒律』は、ドイツ、フランス、イギリスの再処理工場を取り上げ、さらに核実験からスリーマイル、チェルノブイリまでを俯瞰し、原子力利用の歴史と意味を問うた作品。

登場する老哲学者が「我々は彼ら(原子力マフィア達)から攻撃を受けているのだ」と激烈な言葉をはく。3.11後の今、その言葉は一層リアル。あらゆる国の当局、御用学者のセリフ、判を押したようにソックリ。庶民が被害を受けるのも。

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