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2011年4月 9日 (土)

権力は、要求されない限り、何一つ譲歩しない

Chris Hedges' Columns

2011年3月14日

 

当時未決だった多数の州政府労働者から団体交渉権を剥奪する法案に反対する一連の抗議に際し、ウィスコンシン州マディソン州議会議事堂での抗議デモ参加者に演説するデイモン・テレル。先週金曜、スコット・ウォーカー知事が法案に署名し、法は発効した。

AP / Andy Manis

Chris Hedges

不寛容な連中を容認すると、一体何が起きるかを、リベラル・クラスは、今理解しつつある。憎悪発言で、放送が汚染されるにまかせておけば良い。アメリカの裁判所も、州や連邦の司法機関も、大企業に買収されてしまうにまかせておけば良い。イスラム教徒や、ペテン師どもが、ゲイや、知識人を悪魔のように見せかけ、科学への信頼を傷つけ、個人的な金儲けの道具にすべく、キリスト教という宗教を巧妙に利用するがままにしておけば良い。企業による攻撃の下、労働組合が衰えるのを放置しておけば良い。社会福祉も公教育も、財源をはぎとられるままにしておけば良い。ウォール・ストリートには、何のおとがめもなく、国庫を略奪させておけば良い。リベラルな組織を根底から揺るがせる為、低俗な詐欺師どもが、嘘と欺瞞を活用して、道義に反するおとり捜査をやるにまかせておくのは、ファシズム歓迎ドア・マットを敷いてやるのと変わらない。

リベラル・クラスは、包括性や、多文化主義や、公開論議ではなく、特定集団が影で牛耳る政治や、マーチン・ルーサー・キングが決して使わなかった言葉である「寛容」に対する骨抜きの探求に没頭するあまり、「公正」を忘れ去っていた。イデオロギー的な大企業権力が、民主国家を破壊しようと躍起になっているのを、リベラル・クラスは、無邪気にも、なだめようとしてきたのだ。アメリカのリベラル・クラスは、旧ユーゴスラビアの見当違いの民主主義者や、ワイマール共和国の哀れな特権階級の人々同様、鶏小屋に狼を招き入れてしまったのだ。カール・ポパーが“開かれた社会とその敵”で書いた通り“もしも、不寛容な連中にまで、無限に寛容的な対応をしてしまえば、不寛容な連中による猛攻撃に対し、寛容な社会を我々は守るのだという覚悟がない限りは、寛容な人々が粉砕され、それとともに寛容さも粉砕される。”ことを、リベラル・クラスは忘却していたのだ。

残虐な殴打、社宅や仕事からの大量排除、長期ストライキ、労組幹部の標的暗殺や、雇われ殺し屋ガンマンや州民兵との武力闘争を味わうことによって、この国の労働者達は、権利の代償を支払ってきた。ロックフェラー家、メロン家、カーネギー家やモルガン家は、当時のコッホ兄弟会社、ゴールドマン・サックスや、ウォルマートなのだ。連中は労働者のことなど全く気にしていなかった。彼等が気にしていたのは利益だけだった。一日8時間労働、最低賃金、社会保障、年金、仕事場の安全、有給休暇、退職金や健康保険は、何十万人もの労働者が、資本主義の搾取制度と物理的に戦ってくれたおかげで実現したのだ。彼等は“マザー”ジョーンズや、合同アメリカ炭鉱労働者組合委員長ジョン・L・ルイスや、“ビッグ”ビル・ヘイウッドや、彼の世界産業労働者組合員達や、社会主義者の大統領候補者ユージン・V. デブス等急進派の人々の下に結集していた。

ルイスは語っている。“自由人には、それを持つ資格がある権利を要求して、施し物を乞う貧弱な托鉢僧の震え声でなく、大軍の隊長の雷鳴のような怒鳴り声で、説教壇や演壇で、私は諸君の言い分を主張してきた。”

こうした権利を獲得するために戦った人々は、大変な苦難、痛み、貧困に耐え抜いた。我々中流階級の生活を可能にし、アメリカの民主主義を切り開いてくれたのは彼等だ。エリートは、暴漢や、犯罪的な民兵を雇って、ストライキ中の炭鉱夫を社宅から強制退去させたり、結成間もない労働組合に潜入させたり、組合幹部やシンパと目される人々を殺害したりした。労働者の反乱を鎮圧し、妨害する為、連邦保安官、州民兵、保安官代理、時には、軍の兵隊までもが、裁判所や立法府と並んで、繰り返し利用された。1887年、ルイジアナ州ティボドーでは、ストライキをした砂糖きび労働者達が射殺された。1892年に、ペンシルバニア州ホームステッドで、鉄鋼労働者が射殺された。1894年のプルマン・ストライキの鉄道労働者が虐殺された。1914年、コロラド州ルドローと、1920年、ウエスト・バージニア州メイトワンでは、炭鉱労働者が虐殺された。アメリカ国民の自由と権利は、彼等の勇気と血によって贖われたのだ。

体制から意図的に締め出された人々が、自らの体を危険にさらして、公正を要求したおかげで、アメリカの民主主義が生まれたのだ。貧しい人々と労働者階級を、この国の権力制度から締め出すというのは意図的なものだった。建国の父達は、民衆による民主主義を深く恐れていた。彼等は最初から、エリートが有利になるよう、制度を不正に改変していたが、それも公教育では、ひどく歪曲され、商業マスコミが、本当の歴史を、神話によって巧みに置き換えてしまった。ゴミゴミしたスラムからアメリカに逃れてきたヨーロッパの貧困層や、17世紀、18世紀の救貧院の人々は、特権階層の人々からは、利用するための商品と見なされていた。奴隷、先住アメリカ人、年季契約奉公人、女性や資産の無い男性は、憲法制定会議に代表を出せなかった。アメリカ史というものは、ハワード・ジンが“民衆のアメリカ史”で、明らかにした通り、主流から取り残された人々や、権利を剥奪された人々による、尊厳と自由を求める一つの長い戦いだ。戦った人々は資本主義本来の残酷さを理解していた。

“人は、自分の製品を販売する場合には、自分の人格を保ち続けられる”と1880年代、マサチューセッツ州ローウェルでの工場ストライキの際に刊行されたパンフレットに書かれている。“しかし、人がその労働を売る場合には、人は自分自身を売り、自由人の権利を失い、人々を奴隷にして、弾圧する連中の権利に異議を唱えるような手合いはことごとくせん滅する、と脅す金持ち上流階級の巨大な体制の奴隷となる。工場で働く人々は、新商業的封建主義で、自由と権利、文明、健康、道徳や知性を下方へと押しやりながら、民主的土壌を、君主制原理で浸食する、民間の暴君達によって支配される機械のような立場でなく、自らを所有すべきなのだ。”

ノーム・チョムスキーが指摘している通り、ローウェルの工場労働者達が表現した心情は、マルクス主義に先行していた。

“アメリカでは一時、150年前、つまり19世紀中頃、賃金労働の為に働くことは、家畜扱いの奴隷と差ほど違わないものと見なされていた”チョムスキーは、デイヴィド・バーサミアンに語っている。“それは、とりたてて変わった立場ではない。それが、北部の労働者達が、その大義の下で、南北戦争の戦いに赴いた共和党スローガンだった。我々は、家畜扱いの奴隷や、賃金奴隷に反対だ。自由な人間は、自らを他人に賃貸するようなことはしないのだ。一時的に、そうするよう強いられる可能性はあるかも知れないが、それは、自由な人物、当時風の言い方をすれば自由人となるための過程として、唯一の方法だからだ。他人の命令に従うよう強いられない時に、人は自由人となる。これは啓もう主義の理想だ。ちなみに、これはヨーロッパのラジカリズムに起因するものではない。今私たちがいる場所から数キロ、マサチューセッツ州ローウェルに、そういう労働者達がいたのだ。あの当時、そう書いているニューヨーク・タイムズの論説すら読むことができる。自分自身を賃貸することは、正当なことだという考え方を、人々の頭の中に刷り込むには長い時間がかかった。不幸なことに、今やそれが、かなり広範に受け入れられている。だから、これは圧制の内部化なのだ。賃金労働者になることは正当なことだと考えている人は皆、150年前の工場の労働者には、耐えられないと感じられたであろう形で、圧制を内部化しているのだ。これは…[アメリカ文化における洗脳の] [不幸な]成果だ。”

アメリカの消費者社会と、有名人がもてはやされる文化が、恐るべき歴史健忘症を助長してしまった。“アメリカン・ドリーム”と呼ばれる代物について、我々は特に意識もせずにぺちゃくちゃしゃべっている。寡頭支配エリートが、あらゆるレベルの権力を掌握してしまった今、ドリームなるものは悪質な捏造であることが暴露され、我々は檻の中へと押し戻されつつある。かつての我々の立場にまで押し返すのは、かなり大変なことだろう。

巧妙な広報キャンペーンと、公教育の崩壊のおかげで、アメリカ人のほぼ三分の一は、読み書きができないか、ろくに読み書きができない。リベラルのふりをしながら、大企業の金に魂を売り飛ばしたビル・クリントンやバラク・オバマのような道徳心のない政治家が台頭したおかげで、我々はほとんど無防備にされてしまった。公営企業で働く労働組合に加盟している労働者にとっての最後の痕跡も、ウィスコンシンでは、団体交渉の権利、要するに、雇用主に適正な労働条件を要求する能力を求める抗議デモにまで落ちぶれさせられた。あれは、この国が、どれほど劣化してしまったのかを示している。しかも、この基本的な権利の要求も、また組合費によって資金を集めることすら、マディソンで見事に廃止されてしまったように見える。今や唯一の希望は、より組織的で、戦闘的な、権力体制の破壊だ。

大企業支配下の情報システムによって支配されている国民的論議は、労働者階級の着実な貧困化、大企業によって、増加しつつある詐欺や虐待を防ぐための司法や監督機関の欠如を話題にしない。放送電波は、大企業を擁護する人々で飽和している。、嘲笑的に“エンタイトルメント(受給権)”と呼ばれる非組合労働者や、中流階級の人々が享受できない恩恵が、一体なぜ公営企業職員には許されるのかと、連中は我々に問う。この議論は巧妙だ。これは、クズを目指す争奪戦の中で、労働者を労働者と闘わせるためのものだ。我々に先行した人々同様に、金持ちというものが常に我々を犠牲にして自らの身を守るのだということを理解し、あからさまな階級戦争という言葉で、我々が再び語り始めるまでは、我々は21世紀の農奴制で暮らす運命にある。

かつて、漸進的、部分的変革を可能にしていた、リベラル陣営の大黒柱は崩壊してしまった。リベラルな教会は、異教徒が存在しているのを忘れている。教会は、社会にいる人間のくずども(たとえば新手のニュート・ギングリッチを御覧じろ)が、イエス・キリストの教えの核心をあざ笑うような策略を押し進めるため、常に体を国旗で覆い、キリスト教の十字架を握りしめていることを忘れている。そして、テレビ宣教師連中が、偏見、憎悪と貪欲を押し進めるため、福音書を裏切り、利用しているのを、これらリベラルな聖職者は、神学校で長年の研鑽と聖書研究をしたのに、無言のまま傍観している。聖職位の授与式に、一体どういう意味があるたのか、私にはわからない。福音書の急進的なメッセージは、それを求めて戦うべき必要は全くないものだと、彼等は思っていたのだろうか? 大企業の寄付金にひざまずき、理事会がヘッジ・ファンドや投資マネジャーに牛耳られている学校や大学は、特殊な企業の利益に役立ち、ごくつぶしの様なシステム・マネージャー階級を生み出すための、狭い職業的技能の獲得へと教育を歪曲してしまった。彼らは、学生に、道徳規準を選択することや、公民道徳の為に立ち上がったり、意味のある人生を追求したりすることに備えさせる努力をほとんどしていない。このような道徳的、倫理的疑問は、問われたことがない。人文科学部門は、海洋の魚類資源同様、急速に消滅しつつある。

大半の電子、印刷媒体の報道機関は、権力者の破廉恥な代弁人、企業広告用の引き付ける道具と成り果てている。マスコミの力無しには、その声を人々に伝えることができない人々に演壇を与えようという努力を、彼等はほとんどせずに、有名人のメルトダウンやら、贅沢なライフスタイルについての記事やゴシップやらへと、方向をそらせてしまう。NPRやニューヨーク・タイムズ等の正統報道機関は、野獣を前にして、へつらい、わびるばかり。右翼集団が“リベラル”な報道機関を嫌悪するのは、なんらかの偏向ゆえでなく、そうした報道機関の論議が検証可能な事実を中心としているからだ。検証可能な事実は、秩序立っていない怒りと憎悪につけ込むことが狙いのイデオローグにとって不都合なのだ。

かつて一家言を持っていた芸術家も、エリートの飛び領土に引きこもり、抽象的な自己に言及するガラクタ、軽薄なエンタテインメントや見せ物に夢中になっている。広告代理店と広報担当者のために働いている有名人連中は、日々ミニ・ドラマを見せ、大企業スポンサーになりかわり、放送電波を嘘で満たしてくれている。民主党は大企業の金に目が眩み、働く人々を裏切った。民主党は、国家機関が企業の利害用に引き渡されるのを許してしまった。リベラルな機関は、もはや何も残っていない。報道機関、労働、文化、公教育、教会、あるいは民主党は、大企業の絶対的な力を押しとどめる努力を全くしていない。我々しかいないのだ。

フォックス・ニュースの類のプロパガンダ報道機関から、キリスト教徒ファシスト、更には共和党から、ウォール・ストリートや大企業までにわたる、愚かな不寛容者連中を、我々は許容してしまい、今そのつけを払わされている。我々に唯一残された場所は街路だ。連邦政府と州政府の事務所を、我々は占拠しなければならない。我々はゼネストを打たなければならない。強者は、連中の強欲と犯罪行為に対する抑制が皆無となった為、夢中で金を貯め込み、せっせと我々の家を差し押さえ、労働組合の最後の残滓を破滅させ、医療経費をつりあげ、健康を損ねた人々と貧者を永久底辺層として釘付けにしている。14兆ドルの住宅資産や、給料や退職貯蓄を清算する際に、連中が犯した詐欺を、我々に償わせるべく、学校や消防士用の予算を含む、我々にとって最も不可欠かつ基本的なサービスや、子供や老人を援助するプログラムを、連中は削減している。我々に残されたものといえば、“ノー”という力だけだ。しかし、我々が十分な人数で“ノー”と言えば、我々が十分な人数で協力することを拒否すれば、暴君連中とて苦境に陥る。

“変革の哲学について、皆様に一言申し上げたい”1857年にフレデリック・ダグラスは語った。“人類進歩のあらゆる歴史が、威厳ある要求に対し、これまでになされたあらゆる譲歩は、戦いによってもたらされたことを示しています。... もし戦いがなければ、進歩は無いのです。自由を支持すると明言しながら、アジテーションをとがめる人々は、大地を耕さずに、作物を欲しがるっているのです。彼らは雷も稲妻もない雨を望んでいるのです。彼らは、多数の海域で、恐ろしい咆哮がおきない海、を望んでいるのです。戦いは道徳的なものかも知れません。あるいは、肉体的なものかもしれません。あるいは、道徳的、肉体的の両方かも知れませんが、いずれにせよ戦いには違いありません。権力は、要求されない限りは、何一つ譲歩しないのです。過去に譲歩をしたことはなく、将来も決して譲歩しないでしょう。...”

クリス・ヘッジズは、Truthdigの週刊コラム執筆者で、ネーションズ研究所・特別研究員。彼の新著は“Death of the Liberal Class”である。

記事原文のurl:www.truthdig.com/report/item/power_concedes_nothing_without_a_demand_20110314/

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宗主国の話というより、この国そのもの!

アメリカの恐ろしい真実』という記事、当ブログで、一番アクセスが多いと思える。筆者、匿名だろうが、内容、特に驚くほどのことはないだろうと思っているので、皆様が驚かれることに、驚いている。そのまま『日本の恐ろしい真実』だと思っている。しかし、それは、偏屈メタボ男の極論だとあきらめていた。

そこに、尊敬すべき人物による、それを裏付ける、この記事。しばしば翻訳掲載している、wsws.org、つまり第四インター、社会主義者の意見と見紛うような内容だ。

属国の政界・官界・財界・学界・マスコミの腐敗・メルトダウン、実にひどいものだが、それも、宗主国の支配機構、体制まるごとの、腐敗・メルトダウンの反映に過ぎないということだろう。大本営翼賛報道部のマスコミ、出鱈目安全委員長と、元TPP推進、現原発危険・不安院スポークスマン氏の発言垂れ流し。

地方選挙、そうした垂れ流し報道を真に受けた皆様による『痴呆選挙』に終わらないことを願いたいものだ。

メルトダウン状態にある日本の支配機構に対する、諸外国による、まっとうな疑問・批判、論理的には、そうした支配機構を追認、ないしは、積極的に、支持しつづける日本国民自体、メルトダウン状態にあるという疑問・批判に、やがては至るだろう。かつて企業が海に排出した毒物で生じたミナマタ病を、大企業、政府、官庁、学界、マスコミは、隠蔽しようとした。その世界規模版「フクシマ病」?を引き起こす・起こした国民として。

「東京電力の前で抗議をしている方が、今や、じっとしている都民に対して怒っている。」という記事をどこかで、みかけた。実に、ごもっとも。

皆様には大変に申し訳ないが、小生、『国家の品格』の下記記述、ひょっとして真実なのではないか、と長い間、不安を抱いてきた。

冷徹な事実を言ってしまうと「国民は永遠に成熟しない」のです。

東京で、老害天罰男が再選されるようなことがあれば、不安が確信になってしまう。今回ほど、結果(都民の品格、国民の品格)を知るのが恐ろしい選挙、人生最初で最後だろう。とんでもない結果になれば、有権者が、将来どれほど悲惨な目にあっても、誰かに「天罰だ」と言われてしまうのだろうか?

NHK、チェルノブイリ原発事故関連の番組で、事故10年後と、20年後、素晴らしい番組を放送してくれている。そして、チェルノブイリ原発事故25年後の番組も、制作されており、4月放送の予定だった。諸般の事情で、放送は、5月に延期だという。まさか、真実の情報を知ったら、地方選挙が、痴呆選挙でなくなり、政治的sea-change(大転換)が実現してしまうのを恐れ、民主、自民という「八百長」集団が、放映を延期させたのでは、と勘繰ってしまうではないか。クリス・バズビー氏も、「放射能に対しては、sea-change(大転換)が必要です。」とおっしゃっている。それは日本の政治にこそあてはまるだろう。

原発はいらないと明言しながら、自民党や民主党や、その亜流を支持する人々は、大地を耕さずに、作物を欲しがっているのです。彼らは雷も稲妻もない雨を望んでいるのです。戦いは道徳的なものかも知れません。あるいは、肉体的なものかもしれません。あるいは、道徳的、肉体的の両方かも知れませんが、いずれにせよ戦いには違いありません。権力は、要求されない限りは、何一つ譲歩しないのです。過去に譲歩をしたことはなく、将来も決して譲歩しないでしょう。

放射能については、御用学者総出演の大本営報道テレビを一週間見るより、下記の松本市長 菅谷昭氏 2011/3/22 定例記者会見を見る方が、遥かに為になるだろう。彼は、チェルノブイリに実際に何度も出かけられ、放射能対策をしてこられた医師。

 

 

 

 

 

 

原発推進は、政府、企業、マスコミ、学界ぐるみで、強烈に推進された。決して、我々、唯々諾々と、原発を受容したわけではない。その強引な推進の実態を、内橋克人氏が語っている。35%の電気は原発製だから、お前への供給は、35%削減すると言ってくれれば、実行してくれれば、もちろん喜んで受け入れる。話の中で言及された本『原発への警鐘』も、読んだ記憶はあるが、手元にない。残念なことに絶版のようだ。講談社には、復刊をお願いしたいもの。復刊されたら、10冊程度購入し、知人に配りたい。(復刊されるというコメント頂いた。日本の原発、どこで間違えたのか 朝日新書4/20原発神話はいかに作られたか、経済評論家 内橋克人 NHKラジオ

 

 

 

 

 

 

朝まで生テレビ!、何度かみたことがあるが、強引な司会ぶりにあきれて、最近全くみていない。しかし、朝まで生テレビ!時として、素晴らしい記録を残してくれることもある。朝まで生テレビ!「原発」第2弾! No.01 1988-10-28は必見だろう。推進側、さながら殺人犯総出演。

 

 

25年前のドイツ映画『核分裂過程』、まさに住民たちの闘いによって、権力が譲歩し、ドイツ、バイエルン州ヴァッカースドルフの核燃料再処理工場建設が中止となった様子を記録したドキュメンタリー。

「安全性」にまつわる政治家の嘘、法を楯にした警察の暴力、住民運動の実体を報道しようとしない公共テレビなどを通して、住民たちが、正しくも体制不信に至る様子、さながらフクシマ以後の日本を想起させられる。

原子炉廃絶への過程を着実に進めるドイツと、大事故進行中でも、原発維持・推進をうたう政治家が多数当選する日本、25年という時間差だけによる民度の違いとは思えないことが残念。

続編である20年前の映画、「第八の戒律」は、ドイツ、フランス、イギリスの再処理工場を取り上げ、さらに核実験からスリーマイル、チェルノブイリまでを俯瞰し、原子力利用の歴史と意味を問うた作品。
登場する老哲学者が「我々は彼ら(原子力マフィア達)から攻撃を受けているのだ」と激烈な言葉をはく。3.11後の今、その言葉は一層リアル。あらゆる国の当局、御用学者のセリフ、判を押したようにソックリ。庶民が被害を受けるのも。

「耳が痛い話は聞きたくない」といくら言っても、放射能は人を選ばない。砂漠に頭を突っ込む茹で蛙日本、万歳!

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コメント

こんばんは様
内橋克人さんの本『原発への警鐘』が、別名『日本の原発、どこで間違えたのか』で刊行されるという情報、大変に有り難うございます。早速、本文を改めました。
一度読んでいるはずなのですが、出たらまとめて購入します。

もうご存じかもしれませんが、内橋克人さんの『原発への警鐘』が、4月20日に『日本の原発、どこで間違えたのか』という題名で朝日新聞出版から出版されるようです。

T/Bありがとうございます。 「支配層」に対して負けてたまるかという気持ちです。
本当の民主主義のために燃える1日にしたいものです。

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