クルチャトフ研究所ベリホフ所長:日本には福島原発の正確な情報がない
2011年4月25日
写真:ロイター
日本人は、東京の放射能レベルのデータは報道するが、福島については報じない。雑誌«イトーギ»のインタビューで、国立研究センター «クルチャトフ研究所»所長、エフゲニー・ヴェリホフが、これについて語っている。
«明かに、日本人自身にすら、信頼できる情報がありません。事態が始まってすぐ、原子炉のメルトダウンに関する問題について世界で最も詳しい専門家である、我が同僚ウラジーミル・アスモロフを日本に派遣しました。しかし議論はごくわずかなものでした。彼には連絡相手を教えず、この作業に責任を負っている人々と話をする可能性も与えてくれませんでした。問題は、単に日本的メンタリティということにはとどまらず、これが民間企業の原子炉だということにあります。彼等は会社がどうなるかを非常に心配しているのです。事故の後、ブリティッシュ・ペトローリアムがどうなったかは、皆が見ていますから»と、科学アカデミー会員は語っている。
彼によれば、現在日本人は、チェルノブイリ事故時のソ連政府より閉鎖的な動きをしている。
«アクトゥアリヌイェ・コメンタリー(この記事が掲載されているweb)»が書いている通り、昨日«福島第一»原発周辺20キロ以内の地域は、立ち入り禁止と発表された。政府指令により、この境界内の地域に居ることは違法となる。
3月11日、マグニチュード9 の非常に大きな地震が、日本沿岸への津波を引き起したことを想起しよう。日本政府は、地震は、日本の歴史上で、最も壊滅的なものだと発表した。
«福島第一»原発に対する天災によって、緊急事態が生じた。原発の原子炉冷却システムが故障したために、原子炉が過熱したのだ。原発で、数回の爆発が起こり、大気と水への放射能漏洩が起きた。事故後、事故が起きている原発から20キロの地域では、140000人以上の人々が避難した。
4月12日、日本政府は、原発の危険度を、最大の第七レベルに上げた。これまで、このレベルに該当したのは、1986 年のチェルノブイリ原発事故のみである。
記事原文:http://actualcomment.ru/news/23575/
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ロシアの著名な原子力研究所の所長が、日本の閉鎖性を批判しているという記事を見かけたので、再度知人に、原文検索と翻訳を依頼した。エフゲニー・ヴェリホフ所長による、より詳細な分析記事もあるそうだ。下記の4月18日記事だという。
http://www.flot2017.com/show/opinions/37672
厚かましい限りだが、その記事翻訳も知人にお願いしたいもの。納期指定はできない。
こういう時は、ブログを有料化し、翻訳代をひねり出したいもの、と夢想する。
夢想で終わることが、知人には申し訳ない。
サイババでさえ亡くなった。霞だけで生き続けられる人は少なかろう。
霞ではなく、人を喰うと、健康で長生きできるようだ。4/26、チェルノブイリ25周年の日に、朝日は、待望の「大勲位、ロンの使い走りポチ」中曽根インタビューを掲載した。怖いものみたさで読んでしまった。4/23は尼崎列車脱線事故7周年。労働組合を破壊し、社会党を弱体化させる狙いで、国鉄を民営化したのも中曽根。悪質な売国政治家にふさわしい不気味な記事だった。政治家も政治家、わざわざそうした放射性ゴミのような記事を載せる新聞。マスゴミなどという表現ではたりるまい。紙の形をした『放射性ゴミ』の塊。読んだ自分が情けない。
エフゲニー・ヴェリホフ所長なら、「なあに驚くことはありません。現代日本は、ソ連の新自由主義版で、新聞・テレビは皆プラウダかイズベスチヤなのです。」というかも知れない。
元気そうな政治家の笑顔で、ゴヤの『我が子を喰らうサトゥルヌス』を思い出した。
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