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2011年3月

2011年3月30日 (水)

福島のメルトダウンが地下水に到達すれば、チェルノブイリより深刻

トム・バーネット博士

"Hawai'i News-" 2011年3月27日

福島事故は、チェルノブイリさえも、ささやかなものにしようとしている。レベル7の原子力災害が、ほぼ一週間続いているのに、日本政府は認めようとしない。

爆発して、核反応が停止したチェルノブイリとは反対の形で、災害は進行している。福島では、核反応は悪化しつつある。三つの原子炉はメルトダウン状態にあり、我々は、恐らくそのいくらかを浴びることになるだろうと、私は思っている。

もしも、第3号炉がメルトダウンすれば、 格納容器の下のコンクリートは溶岩のようになるだろう。だが、福島では、地下水面が遥か下というわけではない。自律的な反応を起こしている核物質の溶融した塊が、地下水面に至ると、単純に冷えてはくれない。爆発するのだ。核爆発ではないが、恐らくは、発電所施設にある残りの原子炉と燃料棒を巻き込むには充分だろう。

臨界状況にある原子炉に、コンクリートを注いでも無意味だ。ただ爆発し、更に多くの放射性粒子状物質を放出するだろう。コンクリートは溶け、問題は悪化するだろう。チェルノブイリは違っていた。臨界の原子炉は爆発し、核反応を停止した。福島では、炉心は依然として、メルトダウンを続けている。これを停止させる唯一の方法は、10キロトンの核分裂型爆弾を、各炉の格納容器内部で爆発させ、炉心が気化するのを願うことだ。これは、恐らく悪い解決法だ。

原発のメルトダウンというのは自律的な核反応だ。核反応を止める以外に、停止させる方法はない。そして、それには、核兵器が必要だ。実際、今進行中のことを停止させるためだけでも、格納容器一基につき、核爆弾が一発、必要だろう。しかし、これは厄介なことになるだろう。

非常用発電機の配置のせいで、福島の事故は起こるべくして起きた。もしも、非常用発電機が、津波で水浸しになって、一斉に故障していなければ、今の様な福島の事故は起きてはいまい。それでも、やはり原子力災害となってはいただろうが。世界中のあらゆる格納容器は、マグニチュード6.9の地震に耐えるように作られている。日本は、1896年に同様な地震が全く同じ地域を襲ったという事実を無視することを選んだのだ。

ともあれ、アメリカとしては公開して欲しくないと思っているらしい情報はここにある。また、ここには、大局観という点で、役立ちそうな表がある。

事をややこしくしているのは、第3号炉のMOXだ。MOXというのは、ウラン化合物に加えて、9%未満のプルトニウムを使用して、原子炉の燃料とする‘混合酸化物燃料‘の略だ。MOXが利用可能なのはこういうわけだ

問題は、これが厄介な代物だということだ。原子炉というのは、核分裂性物質を、水を沸騰させるのに充分な(軽水炉で)の熱さの温度にはさせるが、溶融して、超臨界(チャイナ・シンドローム、あるいはチェルノブイリ事故)にまでは至らないようにするものだ。もし、そうなったら、止められないので、原子炉は、決して暴走させるわけには行かない。

日本は、除染するのに、何日やら、何週やら、かかると、いまだに言い続けている。これは本当ではない。彼等は除染できない。そして、あの地域には、何十年、あるいは、何百年、再び住むことはできまい。

トム・バーネット氏は、地球科学と物理学で博士号を取得している。

記事原文のurl:hawaiinewsdaily.com/2011/03/when-the-fukushima-meltdown-hits-groundwater/

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海外の報道、日本国大本営広報部報道と違い、より重く見ているという例の一つだろう。

大本営広報紙コラムに、「高木仁三郎氏が氏がご健在ならばと思う」という文があった。

原発災禍で思う市民科学の大切さというweb記事、高木仁三郎氏の「市民の科学をめざして」1999年1月25日刊、朝日選書617を紹介している。プルトニウム、MOXについても詳しい本だ。問題は、入手がかなり困難なこと。

有名ネット書店では「市民の科学をめざして」古書が4800円!

Shiminnokagakuwo

桜井淳著『新版 原発のどこが危険か 世界の事故と福島原発』を4/8に刊行するなら、『市民の科学をめざして』も早急に重版すべきだろう。

高木仁三郎氏は亡くなられたが、小出裕章氏が、今、正論を発言しておられる。しかし、大本営広報紙も、国営放送も、商業放送も、決して登用しない。一貫して原発に反対してきた結果、小出氏は未だに助教。小出氏の説明・判断の方が、一流大学御用学者何十人の話より、よほど説得力があると、素人の小生には思える。小出裕章氏、もちろん著書もある。

隠される原子力 核の真実 原子力の専門家が原発に反対するわけ 創史社:発行 八月書館:発売 定価:本体1400円+税 2010年12月12日発行

Kakusarerugenshiryoku

東大で、大企業擁護の科学に逆らい、東大夜間自主講座で『公害原論』を講じておられた宇井純氏も「万年助手」に据え置かれた。日本のアカデミズムとは、そういうものだ。決して、市民のための科学、学者ではない。

高木仁三郎氏のやはり晩年の著書に『原子力神話からの解放-日本を滅ぼす九つの呪縛』がある。光文社カッパブックス 2000年8月30日刊。これも入手困難。是非とも再刊して欲しい。(追記:2011/5、講談社α文庫で再刊された。)不幸にして、高木氏の危惧、現実になってしまった。原発論議、こうした、読みやすい、包括的な本を読まれた上で、おこなわれない限り、充分な基礎知識に基づいた、まともな論点整理になるまい。

高木氏は原発の多くが「老朽化」していると言うが、政府はそれを「高経年化」と表現する。高級官僚、そういう奇妙な造語には、たけている。

見出しをいくつか利用させていただけば、「原子力産業は糸の切れた凧」で、「斜陽化症候群」が出ており、「今こそ脱原発政策が求められている」こと明白だろう。それすらも、既に利権にまみれているようだが。

高速増殖炉「もんじゅ」、巨大部品が落下したまま、とりだせない。

「文殊がお釈迦になった」のは、大局的には良いことで、事実上、廃炉だろうが、処理には、今後も大変な費用と手間がかかるだろう。

日本の大政治家について、66-68ページに以下の記述がある。

●ある青年政治家による強行突破

 それでは日本の事情はどうだったかというと、これとよく似た状況でした。日本では産業界もそうですが、とくに学術会議を中心とする学者たちの間で、軍事利用と明確な境界線が引けそうもない、あるいは軍事利用の方向へ流れていく可能性が強い原子力開発については、非常に抵抗が大きかったわけです。 一九五四年の三月二目、これは特別な日です。その前日の三月一日に、後に久保山愛吉さんが亡くなることになる、死の灰の惨状をもたらした、あのビキニの実験が行われています。それとほとんど時を同じくして三月二日に、突如として、国会に原子力関連の予算案が出されて、それが国会を通過したのです。

 その中心的な役割を担ったのは、当時、アメリカで勉強してきて原子力に非常に乗り気であった、中曽根康弘という青年政治家だったのですが、それはまさに、学術会議の学者たちにとっては寝耳に水の出来事でした。

 当時の学術会議の学者たち、茅誠司氏とか伏見康治氏とか藤岡由夫氏といった一連の人たちは学術会議内部でも原子力研究をどうするのかという議論をしており、日本が性急に原子力研究をやることには否定論が多かったのです。産業界にしても、お金を投資して、すぐにエネルギー源になるとか商売になるとは思っていませんでしたから、いわば、ちょっと腰が引けた状態でしたそういう状況のなかで、中曽根氏が政治的に原子力の導入を図りました。

中略

「三月二日に突如として原子炉予算が、予算修正案の形で衆議院に提出された。これは、当時の野党の一つであった改進党からの提案だった。この追加予算案は与野党三党(自由党、日本自由党、改進党)の共同修正案として、たいした議論もなく三月五日に衆議院を通った。

 その内容は、二億三五〇〇万円が原子炉をつくる費用、ウラン資源の調査費が一五〇〇万円、チタン、ゲルマニウムなどの資源や利用開発のための費用が三〇〇〇万円、図書、資料費が二〇〇〇万円、合計三億円であった。この予算案は参議院におくられ、自然成立の形で第一九国会を通過した。

 この原子炉予算案をつくったのは、当時の改進党所属の代議士中曾根康弘、斎藤憲三の両氏、ほか数名といわれている。中曾根氏は、後にそのころのことを次のようにのべている。

『学術会議においては、(原子力の)研究開発にむしろ否定的な形勢がつよかったようであった。私はその状況をよく調べて、もはやこの段階に至ったならば、政治の力によって突破する以外に、日本の原子力問題を解決する方法はないと直感した。……国家の方向を決めるのは政治家の責任である。……』(日本原子力産業会議、『原子力開発十年史』、一九六五年)

そう、政治家の責任だ。ルイ15世だかポンパドール夫人だかの言葉を思い出す。「我が亡き後に、洪水よ来たれ。」大政治家は「我が亡き後に、地震よ来たれ」だったろう。タイミングがずれたようだ。

中曽根康弘元首相に聞く(下)原子力50年/政治の力で利用に道 もご覧あれ。(2006年3月20日東奥日報記事)

木村愛二氏の『原発は軍需偽装』も、是非ご一読を。「産学共同路線」の誤り、大事故が起きることで、証明されてしまった。

大政治家の系統をひく、民主党・自民党という傀儡二派閥、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)を、オトモダチならぬ宗主国に差し出す。国民は棄民するが、宗主国にはミカジメ料をお支払いする属国に旗も歌も不要だ。

大本営広報A紙の政治面に、過日、掲載された佐々木中という哲学者の素晴らしい発言の一部を再度引用させていただこう。

「仕方ない空気」どう突き崩す?という題名の記事。

 みんな、こんな世界は嫌なんでしょう。だけど変えようがないと思い込まされている。しかしそれには全く根拠がない。自民党から民主党、次はみんなの党ですか。つまらない順繰りゲームですね。ナチスが出てくる前にもそういうゲームがあった。ゲーム盤自体をひっくり返すべき時点に来ているのに、なぜコマが進んだだけで喜んでいるのか。私たちはゲーム盤をひっくり返すこともできる。それを初めから排除しているのは人間ではない。家畜です。

 「なぜ」と問いましょう。問い続けましょう。われわれは人間なのですから。

ACの洗脳広告が言う「日本は一つ」ではありえない。原発を推進する側と、される側の二つ。皆様には、これからの選挙で、あるいは集会、デモ、不買運動で、家畜でないことを証明して頂きたいもの。(大変申し訳ないが、個人的には、あるいは家畜ヤプーかも知れないと思っている。)

ところで、高木氏が様々な著書の中で警鐘を慣らし続けたプルトニウム、お上の広報活動では、以下のようになる。こうしたコマーシャル、せめて、高木氏の著書を拝読した上で見るべきだろう。さもないと脳が汚染される。AC広告で流されないだけよしとするか?

 

 

 

2011年3月26日 (土)

原子力開発体制の欠陥-V・レガソフ手記

ヴァレリー・アレクセーヴィチ・レガソフ手記

 

伝統的な原子炉建設は、なぜか私にはほとんど興味がなかった。もちろん、その危険度がどれ位のものか、当時としては想像もしなかった。不安な気持ちはあったものの、それでもまだ「しっかりした人たち」がいたし、大きな企業と経験に富んだ人材が揃っていたので、かれらがまさか異常を見逃すなど、思いもよらなかった。西側の機器とわが国のそれを比較検討することによって、現存の機器に安全上の問題は沢山あるとしても、なおかつそれらは伝統的な発電所より危険は少ないという結論を出すことができた。後者は大量の発ガン物質を大気中に放出し、石炭層からは放射性物質を大気中に放出しているのである。

 

RBMK炉についていえば、原子炉関係者の間ではできの悪いものと考えられていた。できが悪いと考えられたのは、安全設備のせいではなかった。安全設備の点から見れば、それはむしろよい方に属していると判断された。

 

悪かったのは経済性、燃料の大量消費、投下資本の大きさ、その設備が⊥業的基盤をもたないことなどについてであった。これらの機器で多量の黒鉛、ジルコニウム、水が使われていることが、化学者である私には心配だった。極限的な状況で作動すべき防護システムが、私の見たところ異常なほど不十分な作りであることも気がかりだった。つまり、非常用制御棒は、センサーの一つからの信号で自動的にか、または手動でか、運転員が挿入できるだけだった。機械というものはうまく働くこともあれば、働かないこともある。運転員から独立して、機器が設置された場所の状況と無関係に作動するような、他の防護システムはなかった。私は、専門家たちが事故防護システムの変更を設計者に提案した、という噂を耳にした。その提案は拒絶はされなかったものの、その開発は遅々としたものだった。

 

私は自分が信じているが、同僚たちとは意見を異にし、したがってわれわれの間で摩擦を起こしている視点について、話しておきたいと思う。西側には、ソ連の航空機産業や、発達した工業部門における「科学指導者」や「設計者」という概念がないということである。たとえば、航空事業を発展させる戦略問題についての科学指導部が存在し得ることは認めよう。しかし、飛行機の設計についていうならば、そこには一人の主人がいなければならず、それが設計者であり、計画立案者であり、科学指導者であり、権力と責任はすべてその手中になければならない。これは私には自明のことに思えた。

 

原子力利用がはじまったばかりのときは、誰もが理性的だった。これは核物理、中性子物理など、新しい科学の分野であったため、科学指導部という概念は、機器建造の基本原理は設計者にゆだねられるということになったのだった。科学指導者はこれらの原理が物理的に正しく、物理的に安全であることに、責任をもった。一方、設計者はこれらの機器の建造が物理法則に反していないかどうかを、物理学者らと常に協議しながら、これらの原理を実現した。原子力産業が生まれたばかりのころは、これらすべてのことが実現されていたのだ。だが設計組織が成長し、かれらが独自の計算、物理部門をもつようになると、同じ一つの機器に対する二重権力(実際には、官庁内および官庁間の数多くの審議会があるので三重権力)の存在により、機器の品質に対する集団責任体制が作られた。こうした状況は今日でも見られるが、私に言わせれば、それは正しいことではない。私は依然として科学指導者機構というのは、あれこれの計画に専門的な検討を加え、そのなかからすぐれたものを選び、原子力を発展させる戦略を定める機構だと信じている。そこにこそ科学指導者の機能があるのであり、特定の性質を備えた具体的な機器を造ることに、その機能があるのではない。これらすべてのことがごちゃまぜになり、機器の品質に対する個人的責任が欠如したシステムが出現したことが、重人な無責任体制をもたらしたのであり、またチェルノブイリの経験がそのことを示したのだった。

 

N・I・ルイシコフ(ソ連首相)は、7月14日の会議の発言で、チェルノブイリ原発事故は偶然のできごとではなく、原子力発電は一定の不可避性を持ってこうした重大なできごとに向かっていたように思われる、と述べた。当時、私自身は問題をそのように定式化することはできなかったが、私はそのことばの正確さに心を打たれたものだった。私はある原発の主配管を溶接継ぎ目に沿って正しく溶接せず、溶接工が簡単に電極を取りつけて、上から軽く溶接していたケースを思い出した。大口径配管の破断、冷却水の完全喪失や炉心溶融などをともなうRBMK炉の大事故が起こったかも知れない。要員が訓練された注意深くて正確確な人だったからよかったが、運転員が見つけた孔は、顕微鏡でも見えないほどだったのだ。審理がはじまり、これは単に配管の溶接がいいかげんになされただけと説明された。書類の検査もはじまったが、そこには必要な署名がすべてそろっていた。上質の継ぎ目溶接をしたという溶接工の署名、自然には存在するわけのない継ぎ目を検査したという非破壊検査員の署名があった。すべてこれらのことは、継ぎ目をより多く溶接するという労働生産性の名においてなされたのだった。このずさんな仕事は、われわれの想像に一撃を加えた。後に多くの原発で該当箇所の検査が行なわれたが、結果はすべてのところで良好というわけではなかった。

 

しばしば重要な連絡に欠陥があったり、不良動作でRBMK型炉の配水管構造から弁がはずれたりということは、毎年のように起こっていた。訓練の必要については10年間も話されてきたし、装置状態の診断システムを作ることについては、少なくとも5年越しに議論が交わされてきたが、何一つ実行されなかった。技術者および原発の運転にかかわるその他の要員の質が、しだいに低下してきたことが想起される。原発の建設現場に行ったことのある誰もが、こんなにも重要な現場でこんなにもいいかげんな仕事がされていることに、おどろいたことだろう。すべてこれらのことは個々のエピソードとして頭の中にあったのだが、N・I・ルイシコフ(首相)が原子力発電はチェルノブイリへの道を進んでいたと述べたとき、私の眼前にこれらすべての情景が現われ、原発建設分野で起こるすべてのことに、きわめて具体的に、きわめて慣習的に対処していた私白身のいる研究所の専門家たちが、眼前に立ち現われたのだった。

 

これは私の性格の特徴に由来することだが、私はこの問題を、より注意深く研究しはじめたし、またあちこちで以前に増して積極的に、次世代の原子炉はより安全な高温ガス冷却炉または溶融塩炉でなければならないという立場を取り、そう発言するようになった。これは異常に激しい怒りを呼び、それはまったく別の事柄だとか、私は何も分かっていない人間だとか、他人の領域に口を出すだとか、ある型の原子炉を他の型と比較してはいけない、などと言われたものだ。状況はこんなにも難しかった。代替原子炉の開発も静かに進められていたし、現在の原子炉にもそれとは言わずに改善が加えられていた。

 

が、最も残念だったのは、事柄の真の状態に関する真剣な、客観的な、科学的な分析がどうしてもできないことであり、できごとのサイクル全体を組み立てて、起こり得るすべての異常を分析し、それを避ける手段を見つけることができなかったことである。チェルノブイリ事故の前夜、事態はこのように進み、しかも、原発設備の各種部品の製造を委託されている企業の数も増加していた。

 

アトムマシ(注:原子力機械製造企業、ボルゴドンスクに工場がある)の建設がはじまり、多くの若者がそこにおもむいた。工場の建設には大きな失敗をともなった。

 

自らの職業的専門性を高めるべき専門家の質には、改善すべき余地が多く残されている。このことは原発においても同様だった。

 

チェルノブイリ原発の事故処理に従事した後、私は次のような明解な結論に達していた。すなわち、チェルノブイリ事故はドラマの結末であり、数10年にわたってわが国で行なわれてきた生産施設の誤った運用の頂点に位置するものだった。もちろん、チェルノブイリで起こったできごとには、抽象的でなく、具体的な責任者がいる。われわれは今日すでに、この原子炉の防護管理システムに欠陥があり、それは、それは多くの科学者には周知のことであり、かれらはその欠陥を除去する提案をしていたことを知っている。早急に余分の仕事をすることを欲しなかった設計者は、防護管理システムの変更を急がなかった。チェルノブイリ原発で長年の間行なわれてきたのは、きわめてぞんざいに、不正確に作られた計画による実験の実施であり、実験開始前に起こり得る状況についての洗い出しもまったくなされなかった。設計者や科学的指導者の意見に対する軽視がゆきわたっていたので、すべての技術的規則を正しく遂行するために、大いに努力する必要があった。定期点検が行なわれるまで、機器や設備の状態に対する注意はまったく払われなかった。ある原発の所長が率直にこう言ったことがある。「何を心配しているんですか?原子炉なんてサモワール(ロシアの湯沸器)ですよ。火力発電所よりはるかに簡単です。経験に富んだ要員がいますし、何も起こっちゃいませんよ。」

 

事故の一連の経過を眺め、なぜあの人がああふるまい、この人はこうしたかを見てみると、罪を犯した責任者、事件のきっかけを作った人を、ただ一人に特定することはできない。なぜならばそれは両端が閉じられた鎖だからである。運転員たちは実験を必ずやりとげようとして過ちを犯した。かれらはこれを「名誉なこと」と考えていた。実験実施計画は大変質が低く、大ざっぱで、専門家の承認を得る必要があったにもかかわらず、それを得てはいなかった。私の金庫には、事故発生前夜の運転員たちの電話による会話の記録が保管されている。この記録を読んでみると、背筋が寒くなる。

 

ある運転見が別の運転員を呼び出して尋ねる。「この計画にはやるべきことが書かれているが、後から多くの部分が消されている。いったいどうしたものかね?」そうすると相手は少しばかり考えた後、「じやあ、消してあるとおりにやればいい」と答える。

 

原発のような施設における重要文書の作成水準がこれなのだ。誰かが何かを削除する。運転員は削除部分が正しいか正しくないかいずれにも解釈でき、好き勝手な行動をとることができたのだった。といって、すべての罪の重さを、運転員にかぶせてしまうことはできない。なぜなら、誰かがその計画を作成し、その中のどこかを削り、誰かがそれに署名し、そして誰かがそれに同意しなかったのだから。原発の要員が、専門家の承認を得ていない何らかの行為を、自分だけの判断でなし得るという事実そのものが、この発電所と専門家の関係における欠陥なのである。発電所に国家原子力発電安全運転監視委員会の代表が駐在していたという事実、しかし、行なわれる実験の過程にも、計画作成の経過にも立会わなかったという事実、これは単にこの発電所の履歴上の事実だけではすまなくなるのである。

 

出典:

これを語るのは私の義務」ヴァレリー・アレクセーヴィチ・レガソフ(松岡信夫・訳)

 

本稿は1988年5月20日付け『プラウダ』に掲載され、「技術と人間」1988年7月号、8月号に訳出されたものの一部を、引用させていただいた。上記のリンク先で、pdfをダウンロードできる。

 

筆者の人となりがわかるプラウダ紙まえがきも引用しておこう。

 

「ヴァレリー・アレクセーヴィチ・レガソフは『プラウダ』のためにこの手記を書いた。現代科学技術の発展、とくに原子力発電についで思いを述べてくれるようかれに依頼したのは、昨年のことだった。当時すぐに同アカデミー会員は、自分で「回想記」と名づけたこの手記にとりかかった。レガソフは常に時間に追われていたので、かれは自分の考えをテープに吹きこんだ。

 

かれの悲劇的な死の直前、われわれはかれと話をする機会があった。「残念ながらチェルノブイリについての本はまだ少ない。あの事故のあらゆる教訓はまだ分析されつくしていない」とかれは述べた。

 

われわれはレガソフ・アカデミー会員を、チェルノブイリの核の炎を最初に消しとめた人の一人と呼んで、まちがいでないと思う。私の考えでは、かれがチェルノブイリで果たした功績は、まだ正当に評価されていない。Y・トレチャコフ・アカデミー会員は、レガソフのことをこう評している。「レガソフはドン・キホーテであると同時にジャンヌ・ダルクでもあった。かれは周囲の人たちにとってなかなか厄介な、気むずかしい人物だったが、しかし、人びとはかれがいなければ人生にとって誰か近しい人を失ったような、空虚な感じをいただいたものだった」。トレチャコフはここで、レガソフと面識をもち、レガソフとともに働く幸運を得たすべての人びとの感情と思いを、表現したのである。

レガソフがなぜ死んだのか─かれは人生の盛りの時に自ら死を選んだ─その理由を理解したり、説明したりすることは困難である。われわれのすべてがこの悲劇を教訓としなければならないが、またそれは、何ものにもまして平安と安泰のうえにあぐらをかいている人たちにとって、教訓とならなければならないだろう。

 

V・グーバレフ(「プラウダ」科学部長)

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引用させて頂いた上記の文章、あの大災害直後に現場に入り、対策の陣頭指揮をした本物の学者の手記。当然ながら、大変な被曝をし、健康をひどく害したという。テレビで、しきりに安全プロパガンダをする御用学者諸氏に、彼の爪のあかを飲ませたいもの。

 

チェルノブィリ事故災害発生二周年の日、自室で縊死しているのを発見された。彼はモスクワにある有名なノヴォジェーヴィチ墓地(第10区画)に葬られている。

 

火事場泥棒の民主党政権、自民党とともに、比例区80議席削減をとうとう実行する。

 

比例区80議席削減は、天災である地震、津波に便乗した、人災の大津波。日本国民全員が、将来も永久に立ち上がれなくなる。

「大災害の今、無駄な費用を削減する」というトンデモない偽りの理由で。

 

アメリカを見ればわかる通り、二大政党制度・小選挙区制度というものは、資本の意思にそぐわない政党を完全排除する仕組み。いわば、制御棒も、冷却装置も、緊急停止装置も、安全装置を始めから全て取り除いた仕組み、暴走、メルトダウン必至の制度。今が、まさに、暴走、メルトダウン中。大本営公報部のマスコミが、制御棒の機能を果たすはずはない。

二大政党制度批判、アメリカ:一党独裁国家をお読み頂きたい。

 

体制の支配者にとってのみ、有り難い制度。自らの首を絞める人々に投票してしまう方々が大多数というのが不思議でならない。高校生の時から、一体なぜなのか悩んでいる。

 

メルトダウンし、暴走しているアメリカ政府、実際に、広島・長崎に、核爆弾を落とし、イラクも放射能物質ウランを使った兵器で汚染している。これは、『内部被曝の脅威-原爆から劣化ウラン弾まで』に、しっかり書かれている。例えば、ブログ『薔薇、または陽だまりの猫』に書評がある。(アフガニスタン、パキスタンも同様だろう。あるいはバーレンもリビヤも、そうだろう。対テロ戦争なるものが、もし本当にあるとすれば(ありえないが)「アメリカ軍に対する戦争」だろう。

 

来る選挙、原発推進・輸出立国を目指す民主党は言うに及ばず、戦後長らく、この危険極まりない原子力発電計画を推進してきた自民党も、もろともに壊滅させられるのが、論理的帰結だろう。現代日本人を、長い年月をかけて、こうして放射能食品で生きるしかないようにさせたのは、彼等だ!水、米、野菜、魚。

 

メルトダウンした日本に、今必要なのは、大量の制御棒、ホウ素、軽水役を果たす政党・運動だろう。

 

与党民主党のみならず、背後に控える諸官庁(今回は特に経産省)、財界、マスコミ、御用学者らが構築している堅固な(実質的な機能はメルトダウン・脳死状態にある)戦後植民地支配体制という原子炉に、制御棒を差し込み、ホウ素を撒き、軽水冷却水を循環させ、放射能連中を封じこめるべきなのだ。

 

民主党、自民党、あるいは、そこから核分裂のようにして飛び出した「放射性物質」のような人々全員を落選させるか、彼等を許し、一億総懺悔で、国民が測り知れない打撃をうけるか、本当の瀬戸際。

 

目先の資金ばらまきや、おいしい言葉に騙されて、2万4000年先の子孫まで、プルトニウムの危険に曝して、恥じないのだろうか。彼等による権力維持を認めれば、代々、この国民の「事故責任」といわれるだろう。

 

事実を知られて、自分たちが不利になるのを恐れ、民主党、自民党、各種選挙は、延期せずに強行したい違いない。そんな心配は及ばないのに。

 

個人的には、天罰など全く信じない。天罰をうけるべき本人がのうのうとして、再出馬するのだから。

 

今回の選挙、おそらく現代のイースター島民が、目覚め、反乱できる最後の機会だろうが、放射能のようなマスコミ報道で脳内汚染され、ゆでガエル状態にある現代のイースター島民、進んで、南北アメリカ先住民の運命を選ぶだろう。しかし、それは、クリス・ヘッジズが言う『今度は地球丸ごと道連れ』の選択だ。ヘッジズの文章を、多少もじって、流用させていただこう。

 

“マヤの王達は、庶民や次世代の幸福よりも、自分達の権威(より多くのより巨大な寺院が必要だ)やら、次の戦争での勝利(より多数の支持者が必要だ)といった、目先の関心に夢中だった。現在、我々の社会において、政治判断上で最大の権力を持った連中は、通常、社会全体にとっても、彼等自身の子供達にとっても良くない可能性がある行為を通して金を儲けている。こうした政策決定者の中には、経済産業省、東京電力幹部、多数の土地開発業者や、金持ち減税賛成論者が含まれる。”

空想やら自己欺まんを提供するのが商売のマスコミや、御用学者連中は、連中が、私たち国民を、政治的に従順することができるがゆえに、大企業や寡頭政治勢力から潤沢な資金援助を得て、勢いづいている。そして、最後には、その多くが民主党・自民党首相指名を受けようと行列しているかに見える、愚か者や精神錯乱者連中によって、我々は嬉々として崖から飛び下りさせられるだろう。

 

ところで、有名な怪獣「ゴジラ」、1954年11月3日、同年3月1日にビキニ島の核実験によって起きた第五福竜丸事件をきっかけに製作された“水爆大怪獣映画”だった。今度は、原発輸出に代わり、輸入品ではない純国産新ゴジラ・シリーズとして、日本文化輸出の目玉になるかも知れない。とはいえ、フィルムやDVD、日本産というだけで、輸入を拒否する方々が増えそうだ。日本発カワイイ文化、日本発コワイ文化に変わるのだろうか?

 

ベストセラーを書いた東大の先生、原発を受け入れておられたそうなので、次の御著書の題名は『それでも日本人は「原発」を選んだ』になりそうだ?

2011年3月23日 (水)

北方四島は返却すべきだ(モスコフスキー・コムソモーレツ)

モスコフスキー・コムソモーレツ紙 № 25594 2011年3月18日

主婦の目で見る暮らし

日本に北方四島を返却すべきだ。今すぐ、ポンと贈呈しよう。無償、無条件で。日本人が四島の権利を持っているからではなく、我々が、一種の圧力に屈するわけでもなく、あるいは、そういう方法で、何らかのものを引きだそうというわけでもない。そうではない。四島、いかなる含みをもたせることなく、返還すべきなのだ。ひたすら思いやりの印として。多少なりとも、日本人を慰めるために。せめて、日本人を襲った災禍を、なんとか軽減し、和らげるために。

   
写真: RIAノーヴォスチ

これまで日本人は何一つ不自由なく繁栄していたので、率直に申しあげて、何も返却する必要などないと私は確信していた。一体どういう理由があるだろう?四島は我々のものなのだ。島々が、誰に、いつ、所属していたり、引き渡されたりしたのかなど、どうでも良い。現在、四島は我々のものであるということが重要だ。島々は我々のものであり、何かに役立とう。土地を引き渡す必要など無い。それは国家的利益に反するのだ。

だが、地震と津波のおかげで、すべてが変わったのだ。大災害に比べれば、国家利害など些細に思え、そんなことは口に出すことさえ、恥ずかしいほどだ。今は、涙が出るほど、日本人がお気の毒だ。日本人のあらゆる幸せが、床に落ちる皿のように、瞬時に、粉々になってしまった。一万人以上の死者も、家族ごと、家ごと、道路ごと、人々が亡くなってしまった為に、正確に一体何人なのか計算すらできない。狭い国にとって、天文学的な損失だ。一体どれだけの建物、通信、幹線道路が破壊されたのだろう! もちろん、そうしたものは、将来全て再建されるだろう。日本人は勤勉なのだから。しかし、どうしても再建することができないものもあるだろう。放射能で汚染された原子力発電所周辺の立ち入り禁止区域だ。30キロ、50キロ、あるいは80キロ。

日本の領土は狭いのに、今や、それが実際に、一層狭くなってしまったのだ。

一方、我が国の領土は広大だ。限りなく、果てし無い。1775万キロ平方メートルだ。恐ろしい打撃に、日本人が対処するのを助けるであろう四島の面積は6000平方キロだ。我が国の面積何千万キロ平方メートルの0.035%だ。

0.035%と別れるのは、惜しいだろうか?慈善のために、島々を寄贈できないものだろうか。そういうことは、どうしても不可能なのだろうか?

人類は、より多くの、実物の有形資産を貯め込むことを、その生存の主要目的にして、生きている。お金、土地、石油、ガス、全てだ。つかみ取って、しまい込み、両側に、見張りを立て、誰にも、何も、与えずに、“おれのものだ!”と低く唸り声をあげている。

だが、我々の運命とは、そういうものだろうか?そうした単純な課題を遂行するためならば、人間は人間である必要などない。他の動物を喰って生きている、原始的な仕組みの動物で充分なのだ。

だが、人間は、決して、そう原始的に作られてはいないのだ。人間は、我々の中で、何が、どのように機能しているのかを、我々自身が最後まで解明できないほど、複雑に作られている。一体なぜ、我々は、素晴らしい、全き“万物の霊長”なのだろう? 一体何のために?物をかき集めるためだろうか?

経済危機、地球温暖化、中東における革命、そして、制御不能状態となって、どうしたら良いのか、誰にもわからない、日本の原子力発電所での、この恐ろしい大事故等は、もう、詰め込むのを止めるべき頃合いだという兆しだ。政治家達の個人的野望、政治的、経済的狙いをもった、武力の誇示と使用、軍拡競争、物質的成功を目指した、全体的な競争。こうしたもの全て、過去の時代のものだ。ある国民の、他国民に対する支配の時代。人類が子供だった時代だ。

新時代は全く違う。より大人なのだ。より賢明なのだ。より人間的なのだ。そして、この新時代は既に発芽しているのだ。既に最初の新芽は現れている。インターネット、科学技術の急速な発展、信じられないほどの医療技術の進歩、生産のグローバル化、西も東も、社会主義も資本主義も、既存政治体制に対する広範な批判。

もし、ロシアが今日本に四島を返還すれば、ロシアは、古い世紀から新世紀という飛躍的進歩の先頭に立てる。これは、旧世紀から新世紀への移行の上で、政府レベル事業の第一歩となるだろう。あらゆるものを尻の下に貯め込む必要はないという、初めての例だ。人類は、そのために造り出されたわけではないのだから。人類には、より重要な仕事があるのだ。

ユリヤ・カリーニナ

記事原文のurl:www.mk.ru/politics/russia/article/2011/03/17/573539-kurilyi-nado-otdavat.html

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本当に普通の主婦なのだろうか?ロシア版クリス・ヘッジズ?実現の有無は別として、掲載してくれるだけでも有り難い話。

中日新聞記事「北方四島を日本へ返そう」ロシア大衆紙が異例で、北方四島は返却すべきだと、ロシアの新聞に載ったというのを読んだので、ロシア語を読める知人に、原文検索と翻訳を依頼した。文体は、確認の上、小生の調子に変えてある。

「トモダチ作戦」とやらのため華々しく出動した米空母ドナルド・レーガン、ヘリコプターで、ほんのお印に(乾パンだか何か知らないが)何箱か輸送した際、ヘリコプターが被爆し、危険だということで、遥か沖だか日本海だかに退避したという。そのあとパッタリ報道が途絶えている。なんとも高価についた支援物資。

小話を思い出す。熊と旅人(狩人というのもある)。Wikipediaのものを引用させて頂く。

2人の男が旅をしていた。ある大きな森の中の道を歩いていると、目の前に1頭の熊が現れた。

1人の男はすぐに近くの大木によじ登ったが、もう1人の男は逃げ遅れ、仕方なく地面に倒れて死んだふりをした。熊はその男の耳元に口を当てていたが、しばらくすると森の奥に姿を消した。木の上の男は、安心したので降りてきた。

逃げ遅れた男に「熊は君の耳に何かささやいていたようだが、何て言っていたんだね?」と聞いたところ、男は答えた。「ああ、言っていた。危ない時に友達を捨て、自分だけ逃げるような薄情な相手とはもう別れろ、と」。

チェルノブイリで核汚染除去で活躍された、ニコライ・アンドレーエフ氏もいっておられる。

緊急事態対応には、独創力、ある種の想像力や臨機応変のようなものさえ必要なのです。

そこで小生も、無い想像力を働かせてみよう。北方四島の面積、6000平方キロだという。

一方、在日米軍基地の面積、なんと、324,696平方キロだという。(「情報公開法でとらえた在日米軍」梅林宏道著)そして一部基地では、家族が退避し、もはや人影もないという。

三陸から関東に至るまで、太平洋側海岸地帯は沈下、日本の面積、大幅に減った。

ここは、ロシアからは、お言葉通り、御厚意に甘えて、北方四島を頂きたいもの。

そして、アメリカ様には、全ての基地を返却していただこう。

宗主国は、終始「テロに対する戦いを支援しろ」と強要している。

これに呼応して、「中国が攻めてくる」「中国が尖閣諸島を取ってしまう」「北朝鮮が核ミサイルを撃ち込んでくる」等々、言い募る人々がおられる。

しかし、今回の大地震、大津波、原発災害で、日本が恐れるべきものは、大自然と、無謀な原発拡張政策であることが明白になったではないか。もはや「国防費」も大幅削減せざるを得まい。ミサイル防衛からは離脱する。イージス艦もAWACSも売却する。代わりに、急きょ、ブルドーザーや、高層ビルにコンクリートを流す装置や、放水車、放水艇などに振りかえる。今回も献身的活動をしておられる消防関係の皆様こそ、予算増加。原発がある地域の消防当局についても、予算を大幅に増強して、放水車等を強化していただく。もちろん、給与増強。さしあたり政党助成金全額、全て返還させて、原発被害対策・原発廃止・暴走対策に振り向ける。それで生きられない政治家、政党、今の日本に不要だ。

「日米安全保障条約」というものも、米空母が退避してしまったことでわかるように、いざという時には、熊と旅人そのままであることが、わかったではないか?助けにおいでになった時だけ、散々報道しておいて、退避されたことについては、全くしらばっくれている。知りたいことは知らせず、知りたくないことを、知らせてくれるのが、大本営報道部の仕事であることは、今回も証明された。

ここで、尊米愛国者の皆様は、涙を飲んで、「日米安全保障条約」を破棄させていただきたいと申し出てはどうだろう。熊と旅人そのままで「実は助けにならない」などという本当の失礼な理由ではなく、実際に、国民が住む場がないのだ。「背に腹は代えられないのです。ごめんなさい。お帰りください」とお願いするしかない。国民が難民になっているのに、広大なパラダイスのような米軍の基地や住宅が空っぽでは余りにもったいない。全ての基地を、無条件即時返還して頂き、そこに、自然災害である大津波と、金儲け主義の企業や為政者による人災、福島原発災害の被災者の方々用施設を建設するのだ。

人類は、金儲けのために造り出されたわけではないのだから。人類には、より重要な仕事があるのだ。

TPP論議も、日本が完全復興する時点、たとえば10年先まで、完全に棚上げ。とはいえ、「野菜や水が危険」というのは、「だから、アメリカの水と野菜を自由に入れられるようにすべくTPPに加盟する」口実に使われるだろう。「医療も、郵便局も、このままでは足らないので、アメリカの病院や、宅配便に、どんどん入っていただく」ことになるだろう。アメリカの医療産業、金持ちしか相手にしないことには触れない。

最強の友人だと、オバマ大統領もおっしゃっておられる。まさかの友は真の友。

弱った政治・経済につけこむ火事場泥棒など決してしない宗主国であって欲しいもの。

困ったことに、あのベストセラー「エコノミック・ヒットマン」の著者ジョン・パーキンスが書いた「The Secret History of the American Empire」には、全く逆の例が書いてある。例えば、第一部アジア篇の8章はTsunami Profiteering。2004年のスマトラ島沖地震津波災害につけこむ金儲けの様相が描かれている。是非、各自お読み頂きたい。

大地震から一年後のハイチを見ても、全く同じ繰り返し。より詳細については、藤永茂先生の『私の闇の奥』を是非お読み頂きたい。そういう御国が、日本だけ例外扱いをして下さるとは、凡人の小生には、どうしても想像できない。

阪神大震災の後、アメリカ産建材の日本への輸出を可能とすべく、アメリカの命令で、建築基準が緩和(強化ではない)されたことも、マスコミは決して報じない。『拒否できない日本』には書かれている。この関係、宗主国・属国関係といわずして、どのように表現するのだろう。

ユリヤ・カリーニナさんの配慮、益々神々しく感じられてくる。

ところで、時々拝読しているブログに以下のような文章があった。原発を許した代償だとおっしゃるのだ。多少、語調は変えさせていただいたが、趣旨は歪めていないつもりだ。

「結局みんなが原発を望んだのだ。
原発が増えることに異議申し立てしたのはほんの僅かの人だけだ。
反原発論者の自分も、原発阻止デモに参加したことさえない。
だから、この原発事故に対して、怒りを東電にぶつける資格はない。
いまさらデモを呼びかけているが、デモなどしても遅い。」

丁寧な言葉で書いてあるものの「原発導入反対デモをしなかったお前らに、文句をいう資格などない。デモなどせず、一億総懺悔するしかない」という総懺悔プロパガンダ・為政者をかばう屁理屈・恫喝にしか思えない。

福島飯坂温泉、花水館という素晴らしいホテルに泊まったことがある。(2007年に破産したようだ。)福島には、たしかフルーツ・ロードという地域もあり、桃も絶品。地元の女性が案内してくれたお店でかった桃よりおいしい桃、食べたことがない。それが風評被害にあってしまうかも知れないのだ。いや、実害にあってしまう可能性が高いだろう。

2011/8/10追記:東京新聞 福島産のモモ、出荷ピーク 天候に恵まれ高い糖度

くだんのブログ主、「地域の方も、原発でおいしい思いをしておいて、いまさら何をいう」と読めそうな文章を書いておられる。(もちろん、実際は、今の福島県知事を批判しておられるのだが)飯坂温泉や桃農家の皆様、原発の恩恵を被ったことなどないだろう。

原発、中曽根や正力らが勝手に決め、導入したのだ。その過程で少数意見は押し潰された。監督省庁(旧通産省つまり現経済産業省)、電力会社、メーカー、マスコミが、「絶対安全」という、ありえない嘘をついて、犯罪行為を推進してきたのだ。我々が原発を止めようとして、敷地に入れば逮捕されるだろう。権力者の詐欺は許され、だまされた庶民が悪いというのが、インチキな一億総懺悔。
この人の言い分「長いものには巻かれよ」でしかないだろう。出身大学、またしても東大。算数も理科もできない「馬鹿」なので、東大を受けられなかった小生、ただ唖然。(追記:ふと思って、この方のサイトを調べてみたところ、東京電力関係プロジェクトにも参加しておられることが明記されていた。スポンサーを擁護するのは当然だろう。できすぎた語るに落ちる話だが、本当。)

素人なりに、長年、原発・地震にまつわる本も読んできた。投票時には、原発推進をしないであろう政党に投票してきた。機会あれば「原発は、トイレのないマンションで危険だぞ」と言い続けてきた。しかし一億総懺悔勢力の理屈は「東電や国会を囲むデモをしなかったお前が悪い」というもののようだ。「水道水は飲まないほうがよい」と政府に言われている乳幼児や、これから生まれてくる子供たちは、「原発を望んだ」のだろうか「東電や国会を囲むデモをしなかったから事故責任」なのだろうか?

プルトニウムの半減期、2万4千年。今後生まれる人々、「東電や国会を囲むデモをしなかったから事故責任」だろうか?一方、導入に奔走した、正力松太郎、永遠に死の灰を浴びずに済む。奇怪な総懺悔理論。こうした考えを敷衍すれば、イラクやアフガニスタンの人によるテロに仮に見舞われても、「侵略戦争反対のデモをしなかった牙を抜かれた日本人」、文句が言えなくなってしまう。

武田邦彦中部大学教授による、増刊!たかじんのそこまで言って委員会原子力保安院の大ウソ暴露!(関東エリア未放送)をご覧あれ。

夏になると消費電力が大幅に増すのだという。貧乏人には全く分からない。
高校野球一度も見たことがない。室温40度をこえることが頻繁な自室、クーラーがない。ステテコで上半身裸。夏は宅配便がきても出られず、居留守。後で、配達票の電話に連絡し、暑いのに着替えて待っている。Dekapan

 

「配達の方に往復させるのは無駄だから、クーラーをつけろ!」といわれるのだろう。
今年の夏からは、公式はかりゆしウエアだが、自宅ではステテコに節電マークを貼れば、上半身裸でも失礼ではないという国策を決定・周知して頂きたいと切に思う。おんぼろ日本家屋に住む貧乏人、頑張っても、これ以上倹約しようがない。ステテコも脱げ!と言われれば、協力、やぶさかではない。しかし、これこそ国家証明がなければ、セクハラで逮捕されるだろう。

ともあれ、この方のブログ、しばらく拝読することはないだろう。一億総懺悔論の対極にある正論は、たとえば、本澤二郎の「日本の風景」(716)<大震災と科学人災>

少なくとも東京都民については、都知事選の結果次第で、今後も同じ原発政策を支持しようという現代のイースター島民を目指す特攻隊精神の世界的英雄なのか、それとも、未来の子供を思う想像力をもった賢明な人々なのか、が明らかになってしまう。チュニジアや、エジプトと違って、無血で独裁者を倒せるのか否か。もちろん、神奈川県も同様。

今になって、原子力安全委員会なるものの会見が放送されている。不安院も、官房長官も、テレビも、わやくちゃ。日本の中央制御部門そのものが、福島原発と同時並行して、メルトダウンしているのがよーくわかる。もちろん、国家・企業の中央制御部門の崩壊が、福島原発の崩壊の原因であって、逆ではない。

出たい人より、出したい人を。責任逃れが仕事の電力会社、不安院、官房長官、テレビ局はいらない。やむにやまれず名乗り出て、状況をわかる限りで、明確に説明しておられる、後藤政志氏にこそ、対策本部長になって、全体指揮をお願いすべきだろう。もちろん、失敗しても、責任は問えない。記者たちが、後藤政志氏にする様々な質問は、本来、政府や、メーカー、御用学者、原発推進をしてきた連中に質問し、彼等が答えるべきものだろう。自己責任ではなく、事故責任。龍馬伝も、白瀬伝も、御用学者も、もうたくさん。金銭も、名誉も無関係に発言する、本当の救国の英雄がおられるではないか?

政府も、自衛隊も、消防隊も、対策の為には、彼の様に透明性のある人の指揮下で動くべきだ。明確なメッセージ、明確な方針が、迷走ダッチロール日本に必要だろう。「彼が指揮し、彼が答える」以外の体制、想像できない。

いまだに、社長がお詫びせず、失礼なお詫びコマーシャルを流している会社が一流企業だという国、先進国とはいえないだろう。タイトルも給料も返上して、首相と共に四国遍路をしていただいた方がいいだろう。マスコミ報道なしで。(一億総懺悔説ブログの方とは考え方が全く違うので、言わせていただく。)

現代のイースター島民、日本人は信じても、それを見つめている世界は、日本政府、企業、御用学者、マスコミの共謀プロパガンダ、決して、信じないだろう。

国民総「トゥルーマン・ショー」。つまらないプロパガンダを見て、時間と電力を無駄にするより、DVDレンタルで、この映画をご覧頂きたい。

「お前は嘘をいった。つまらない映画だから弁償しろ」と言われる方がおられれば、先着一名に限り、レンタル料金を弁償させていただく。もちろん、お名前(住所は除いて)は公開させていただくが、あしからず。

ユリヤ・カリーニナさんが言う立入禁止ゾーンをテーマにしたソ連映画、タルコフスキーの『ストーカー』を思い出している。あれは現実とは無縁な、SFの世界だと思い込んでいたのに。

2011/3/29追記:尊米派の皆様が尊敬しておられる、自称オトモダチ国支配者様のありがたいお言葉を見つけたので、貼り付けておこう。つまり、ここに書かれていることの、逆の行動をしないと、日本は一層ひどい植民地状態に追いやられるのだが。この記事の本質、宗主国による「直接支配宣言」だろう。属国史にとって、記念碑的記事。2011.3.25 02:55 MSN産経ニュース

【正論】ジェームス・E・アワー 不屈の精神で三度日本の奇跡を

 ヴァンダービルト大学日米研究協力センター ジェームス・E・アワー

 3月11日、日本は史上稀(まれ)にみる巨大地震に見舞われた。現在、群馬県で英語教育助手をしている27歳になる娘が、フェイスブックに「地震!!!!」と地震発生時に書き込んできたため、私は即座に今回の大惨事を知った。

 東北沿岸部ですでに夥(おびただ)しい数の人命が失われ、不幸にも犠牲者数は今後もっと増えるだろう。東日本大震災に伴う東京電力の福島第1原発の損傷は財務上の深刻な問題を引き起こし、日本全土でのエネルギー供給を困難にするであろう。しかし、幸いなことに、現場の運転作業員や自衛隊、消防隊員の職務に徹した対処により、死者は出ない見通しである。

 自衛隊は迅速かつ任務に徹して対応し、米国は、最大で3隻の空母と沖縄の重輸送ヘリコプター多数をはじめ米海軍、海兵隊を中心にかなりの人道支援、災害救援の部隊を惜しみなく派遣している。

 今回の悲劇はなお現在進行形だとはいえ、1945年の終戦直後の荒廃に続いて、昭和天皇とマッカーサー元帥が行ったように、日本の政府、民間企業の指導者たちには、この機を逃すことなく前面に出て日本国民を結集してもらうことを、私は大いに期待する。以下、いくつか提言する。

 ◆安全な原発建設への決意示せ

 第一に、日本は、さらに安全な原子炉をもっと建設するという決意を表明すべきである。

 東芝は、小型モジュラー原子炉をはじめとする高度に安全な原子炉にかけては、世界のトップ企業だ。もちろん、今回起きたことから学べる教訓は適用されるべきだが、原子力施設の新規建設は復興のエンジンになるはずだ。日本、米国、オーストラリアの共同の取り組みは、現在のエネルギー危機からクリーンで安全かつ安定的なグローバル・エネルギーの供給へと世界を導けるだろう。

 提言その二は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を批准せよ、というものである。

 津波で多くの日本農家が命を落とし、生き残った者も非常に苦しんでいるのは間違いない。TPPが批准されれば、日本経済全体を後押しするであろうし、ずっと延び延びになっている、意味ある日本農業改革をもたらすこともできるだろう。日本は、現在困難な状況にある東北地方の人々に対し、農業を改革し活性化する義務を負っており、TPPに参加することで引き起こされるであろう日本経済の強化は、農業改革を支える手助けになり得るだろう。

 ◆国家安全保障法を成立させよ

 次に、2006年に日米で合意した普天間飛行場の名護市辺野古への移設をはじめとする沖縄の米軍再編計画を実施せよ。

 前述のように今回の危機においては、現在、普天間を拠点とする重輸送ヘリ部隊を含む沖縄の海兵隊が即応力と機動力を発揮した。06年の合意を実行することで、沖縄の海兵隊員数を劇的に削減し、海兵隊のヘリ部隊のような迅速対応戦力を辺野古近くのキャンプ・シュワブに確保できる。

 これらの部隊はそのキャンプ・シュワブから、将来、起き得る災害に対応できると同時に、北朝鮮による冒険主義を抑止でき、尖閣諸島と、沖縄そのもの(いずれも中国が第一列島線支配の一環として喉(のど)から手が出るほどほしがっている)に対する日本の主権維持を確固たるものにできる。

 四番目の提言が、日本の合法的な国防部門としての自衛隊の地位をはっきりとさせ、日本が集団的自衛権を行使する権利を明確なものにする、日本の国家安全保障法の成立である。恐らくはそれこそが、日米同盟の長期的な有用性を確実なものにするまさに最も効果的な方法かもしれない。

 ◆世界第二の民主主義経済大国

 東日本大震災に先立つ日本政治は、外相が外国籍であることを多分自覚していなかったであろう、長期の日本在留者からごく少額の献金を受けたせいで辞任したり、首相も同様の問題を抱えているかもしれないとの話が流れたりするといった問題に支配されており、親日的外国人たちは、そんな状況に非常に失望していた。

 幸いにも、今回の大震災の身の毛もよだつような悲劇はそうした些細(ささい)な出来事を、少なくとも一時的には脇へ押しやった。

 震災前、菅直人首相の支持率は20%以下に落ち込んだ。私の印象では、それは、首相がしたことが理由ではなく、しなかったことが理由なのである。例えば、TPPの批准を推進せず、日本の領海に不法侵入し海上保安庁の巡視船に体当たりした中国船の船長を起訴せず、そして、米国との沖縄での移転合意の実行をめぐって煮え切らないことなどである。

 外国人として、私は菅氏の宣伝者になるべきではない。だが、彼あるいは他の能力ある指導者が、民主党内ないしはある種の大連立の中から進み出て、不屈の精神で日本を率い、世界第二の民主主義経済大国である日本には、明治天皇の下での維新の後や太平洋戦争の後に起きた、目を見張るような“奇跡”が三度(みたび)可能であるというところを見せてくれることを、望んでやまないのである。

2011年3月21日 (月)

今度は地球丸ごと道連れ

Chris Hedges

2011年3月7日

truthdig.com

今は堆積した泥に埋もれている、イラクのバビロンや、古代ローマ都市、ローマ帝国シリアの首都アンティオキアの、荒涼とした遺跡の中を歩いたことがある。現在は、トリポリ南東の荒涼とした流砂の中で孤立している、かつてローマ帝国で最重要な農業中心地の一つであったレプティス・マグナの大理石遺跡を訪れたこともある。夜明けに、ティカルの古代寺院に登ったことがあるが、下方では、ジャングルの木の葉をぬって、鮮やかな美しいオオハシの群れが飛び交っていた。大地の上に砕けて横たわる偉大なエジプトのファラオ、ラムセスII世像を見つめながら、ナイル川にある古代エジプトの都市ルクソール遺跡で佇んでいた際、パーシー・シェリーの詩“オジマンディアス”が頭の中を巡った

    “我が名はオジマンディアス、王の中の王なり。
    我が造りしものをとくと見て、神よ、絶望されよ!”
    傍らには何も残らず。朽ちた巨大な廃墟の辺り一面
    広大で、何も無い、平らな砂漠が遥か広がるばかり。

文明は、勃興し、堕落し、死滅する。時間というものは、古代ギリシャ人達が論じていた通り、個人にとっても、国家にとっても、循環的だ。社会がより複雑になると、社会は必然的に一層不安定となる。社会は益々脆弱になる。そして、社会が崩壊し始めると、おびえて、混乱した国民は、現実から奇妙な逃避をして、自明の脆弱さや、迫り来る崩壊を認めることができなくなってしまう。終末時のエリートは、現実とは関連のない言葉や専門用語で話すようになる。彼等は、ベルサイユや、紫禁城の宮殿なり、あるいは現代の宮殿のような私有地なり、隔離された屋敷に逃避する。エリートは、歯止めの利かない快楽主義や膨大な富の蓄積と浪費にふけるのだ。益々激化する獰猛さで、抑圧されている大衆の苦悩などに、連中は耳を貸さない。資源は一層容赦なく、枯渇するまで使い尽くされる。そして、最後に、空洞化した殿堂が崩壊する。ローマ帝国もシュメール帝国もこうして滅びた。マヤのエリート達は、森林を伐採し、川を沈泥や酸で汚染した後、未開状態に後退し、逃避した。

食糧と水の不足が世界中に広がり、中東、アフリカ、ヨーロッパで、悪化する貧困と窮状が街頭抗議デモをひき起こす中、エリートはあらゆるエリートが行うことを実行している。連中はさらなる戦争をしかけ、自分たちの為により巨大なモニュメントを建造し、自国民をどっぷり借金漬けにし、こうしたすべてが崩壊する中、連中は労働者と貧乏人に背負わせ、八つ当たりするのだ。40兆ドルという膨大な富を消滅させた、世界経済の崩壊は、アメリカのエリート達が、アメリカの製造基盤を破壊し、莫大な量の詐欺的な不動産担保証券を、年金基金、個人投資家、銀行、大学、国や外国政府や株主に売りつけた後でひき起こされた。エリート連中は、彼等の損失補填の為に、投機を再開しようとして、国庫を略奪した。連中はまた、緊縮財政という名目で、基本的な社会福祉を取り壊し始め、労働組合最後の痕跡も破壊に着手し、仕事の口を大幅に削減し、賃金を凍結し、何百万人もの人々を家から追い出し、失業者やパート雇用者という永久底辺層を生み出しながら拱手傍観している。

最後には、マヤのエリートは、人類学者のロナルド・ライトが“A Short History of Progress(「進歩小史」)”で書いているように“… 過激派や超保守派となり、自然と人類から、利益の最後の一滴を搾り取った。”我々自身の文明を含め、全ての文明は、このようにして、硬化し、死ぬのだ。差し迫った死の印は否定すべくもなさそうだ。常識が、新たな根本的対応を強く要求しても良いはずだ。しかし、自滅へと向かう競争は、知的、道徳的麻痺のおかげで、加速するばかり。ジークムント・フロイトが、“快楽原則の彼岸”や“文明への不満”で洞察した通り、人間社会は、性的満足の探求に夢中になり、目がくらんだまま、死と破壊へとまっしぐらだ。

中東での騒乱、アイルランドやギリシャ等の国々における国家経済の内部崩壊、アメリカ国内で、つのりつつある怒り、困窮する国外の労働者階級、必死の移住が増加していること、生命がそれに依存している生態系を、容赦ない破壊を人間が止めようとしないこと等は、アメリカ自体の崩壊と、アメリカのエリートの馬鹿さ加減と、グローバリゼーションの愚かさによる結果の兆しだ。不可避の事態を、未然に防げるのは、帝国と法人国家の迅速な廃絶を含む、アメリカ社会の完全な再構築を中心に築かれた抗議活動しかない。より良い条件を求めて交渉するのではなく、アメリカの腐敗したエリートを権力の座から排除することを目指す、新たな、何者をも恐れない根本的変革主義の誕生によってのみ、我々は救われるだろう。

グローバル経済は、人間の強欲さを見抜ける市場が、人々の行動を決定すべきであり、経済は永遠に拡大が可能なのだという、誤った信念の上に構築されている。膨大な二酸化炭素を放出しても、深刻な影響をひき起こすことなしに、生態系をボロボロにし続けることが可能だという想定の下でこそ、グローバリズムは機能する。そして、グローバルな経済拡大のエンジンは、豊富で安い石油が常に存在するという保証に基づいている。人間の本性や自然界に関する単純な真実に直面することができないエリートが、新たな社会的、経済的、政治的パラダイムをまとめることなど不可能だ。彼等は、死につつあるシステムを永続させようとつとめているに過ぎない。

グローバリゼーションというのは、金儲けの為に、国民を奴隷に、自然界を荒廃地に変える為に、過去のエリート達が使ってきた、古代イデオロギーの現代版表現なのだ。こうしたエリート連中にとって、神聖なものなど皆無なのだ。人類も自然界も、枯渇するか、崩壊するまで搾取されるのだ。エリートは、公益を守ろうという素振りさえ見せない。グローバリゼーションというのは、要するに、理性的思考の敗北であり、人道主義の死だ。自滅に向かう行進は、既に海洋の大型魚類の90パーセントを滅ぼし、地球の肺ともいうべき、成長した熱帯林の半分を壊滅させた。この勢いで行くと、2030年までには、地球の熱帯林は、わずか10パーセントしか残らない。汚染した水によって、地球上で、毎日25,000人が亡くなり、栄養不良によって、毎年約2000万人の子供が健康を損なっている。空気中の二酸化炭素は、現在、350 ppmを越えており、大半の気候学者は、これは我々が知っている生命を維持するための最大レベルだと警告している。[編者注: 上記の文章は、記事がここに初めて発表された後、改訂されている。] 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2100年までに、測定値が、541から970 ppmにまで至る可能性があると推測している。現時点で、地球の膨大な部分が、人口過剰、干ばつ、土壌の浸食、異常な暴風、穀物の大凶作や、海面上昇に悩まされており、人類の生存には適さなくなるだろう。

ジャレド・ダイアモンドは、エッセイ“最後のアメリカ人”で、エルナンド・コルテスが、ユカタン半島に到着した頃には、数百万人のマヤ臣民が消滅していたと書いている。

    “一体なぜか”ダイアモンドは書いている“王侯貴族は、こうした問題に気がつかず、解決しなかったのだろうか? 一つの主要な理由は、自分たちが金持ちになること、戦争をしかけること、モニュメントの建造、お互いの競い合い、そして、こうした活動支える為、農民から充分な食糧を取り立てること、といった短期的な関心事に彼等の注意が明らかに集中していたことだ。”

“石油を汲み出し、木を切り倒し、魚を捕ることは、それで金や権威が得られるエリートにとっては利益になっても、長期的には、(エリートの師弟を含めた) 社会全体にとっては良くないのだ”ダイアモンドは更に続ける。“マヤの王達は、庶民や次世代の幸福よりも、自分達の権威(より多くのより巨大な寺院が必要だ)やら、次の戦争での勝利(より多数の支持者が必要だ)といった、目先の関心に夢中だった。現在、我々の社会において、政治判断上で最大の権力を持った連中は、通常、社会全体にとっても、彼等自身の子供達にとっても良くない可能性がある行為を通して金を儲けている。こうした政策決定者の中には、エンロン社幹部、多数の地開発業者や、金持ち減税論賛成論者が含まれる。”

イースター島も全く同じだった。五世紀、166平方キロの島に初めて住民達が定住した際には、豊富な淡水と樫の大きさにまで成長するチリ・ヤシが生い茂る森林があった。魚、アザラシ、イルカやカメなどの水産物や、巣をつくる海鳥も豊富だった。貴族、僧侶と庶民という精巧なカースト制度でわかれていた、イースター島の社会は、5あるいは6世紀の間に人口は約10,000人に膨れ上がった。天然資源はむさぼり尽くされ、消滅し始めた。

    “作物栽培のための森林伐採によって、人口は増大することになったものの、土壌浸食と、肥沃度の低下を招いた”と、ポール・バーンと、ジョン・フレンリーが“イースター島、地球島”の中で書いている。“次第により広大な土地を切り開かねばならなくなった。高木も低木も、カヌー造り、薪、家造りや、像の運搬と建立に必要な材木とロープ用に切り倒されることになった。ヤシ果実は食糧にされ、ヤシ再生は低減した。食料として持ち込まれたネズミも、ヤシ果実を餌に、急速に繁殖し、ヤシの再生を完全に妨げた。豊富な海鳥資源の乱獲により、沖合の小島を除き、海鳥資源は完全な絶滅に至ったろう。卵を食べることによって、ネズミがこの過程を助長した可能性もある。漁業、海鳥やネズミによって実現された豊富な食糧が、最初の急速な人口増大を促進した。無制限な人口増大によって、後に土地取得への圧力が高まり、紛争を、そして最終的には戦争を招いた。材木とロープがもはや得られなくなると、それ以上の像を彫刻するのは無意味となった。住民達の要求に応えてくれるはずの巨像信仰の効能に対する幻滅によって、この狂信的な宗教を放棄するに至った可能性もある。不十分なカヌーのため、漁業は沿岸と岸辺の海に限定され、タンパク質の供給は更に乏しくなった。その結果として、大飢饉、戦争や、経済全体の崩壊、著しい人口減少となったのだろう。”

イースター島文明の後期には、各部族は益々巨大な切り出した石像を建立して、先祖を讃える為に競争したが、それは島の材木、ロープや人的資源の最後の残りを必要とするものだった。1400年までに森は消失した。土壌は浸食され、海へと流された。島民達は古い材木を巡って争いはじめ、飼い犬を、そして間もなく、巣を作る鳥を、全て食い尽くすまでに落ちぶれた。

自暴自棄になった島民達は、建立した石の神々モアイには生命がやどり、自分たちを災厄から救ってくれるのだという信仰体系を作り上げた。こうした呪術への最後の逃避は、最終局面に陥ったあらゆる社会の特徴だ。これは、制御不能と絶望と無力さに対する、死に物狂いの反応なのだ。こうした呪術への絶望的な逃避から、チェロキー族の亡霊の踊り、ペルーでの、スペイン人侵略者に対する、絶望的なタキ・オンコイの反乱や、1530年代のアステカ族の予言がもたらされた。文明は、最期の瞬間には、受け入れるには余りに暗くなってしまった現実を前にして、現実からの完全な断絶を信奉する。

聖書には書かれていない携挙、つまり、この世の終わりに、キリストが天から再臨する際、キリスト教徒は不死の体となり、裸で天へと浮揚しキリストに会うという福音派キリスト教徒による信仰は、地球温暖化や、進化論を否定することを可能にする、正しい人々は全員救われるという不条理な考え方同様に、空想的だ。道徳的に中立で、人類の熱望に役立つ科学技術が、世界を丸ごと造りなおしてくれるのだという信念も、同様に妄想的だ。世俗面でも、宗教においても、こうした呪術思考に我々は祈りをささげている。

我々は、過去の欠点から何とかまぬかれているだろうと考えている。我々は、先人たちよりもより賢明で、偉大だと確信している。我々は必ずや救済されるのだと、我々は素朴にも信じている。特に、事態が悪化する中で、こうした偽りの希望を提供する連中は、我々からの、お世辞や称賛を享受する。アメリカ合州国に暮らす、世界人口のわずか5パーセントの我々が、世界のエネルギーの25パーセントを浪費する消費水準を維持するという権利など神から授かってはいないのだと、もしも誰かが言おうとすれば、アメリカ人は激怒する。そのような消費は恐らく良くないことだろうと、ジミー・カーター大統領が提言した所、彼は全国的なあざけりの的になった。事態が悪化すればするほど、人は架空の明るい話を一層欲しがるのだ。空想やら自己欺まんを提供するのが商売の連中は、連中が私たち国民を、政治的に従順することができるゆえに、大企業や寡頭政治勢力から潤沢な資金援助を得て、勢いづいている。そして、最後には、その多くが共和党大統領指名を受けようと行列しているかに見える愚か者や精神錯乱者連中によって、我々は崖から嬉々として飛び下りさせられるだろう。

    “ちっぽけな孤島における300年前の出来事が、世界全体に対して、何らかの意義があるのだろうか?”バーンとフレンリーは問うている。“我々は、あると考えている。イースター島は、地球全体のモデルとなる小宇宙だったと我々は考えている。地球同様、イースター島は、孤立したシステムだった。島の住民は、他の全ての土地は海面下に沈んでしまっていて、自分たちが地球上で唯一の生存者だと信じていたのだ。無制限の人口増加、資源の浪費、環境破壊と、将来面倒を見てくれるはずだという自分達の宗教への限りない確信を許容するという実験を、私達の為に彼等が行ってくれたのだ。その結果、生態学的災害から、集団的消滅に至ったのだ。... この実験を大規模で繰り返す必要があるだろうか? 我々は、ヘンリー・フォードの様にひねくれて、‘歴史などたわごとだ’と言うしかないのだろうか? イースター島史の教訓に学び、その教訓を我々が暮らす地球島に適用する方がより賢明ではなかろうか?”

こうした搾取と崩壊のサイクルを繰り返すべく、人類はのろわれているもののようだ。そして、荒廃の程度がひどくなればなるほど、周囲で一体何が起きているのかを、益々理解できなくなってゆくのだ。人間の愚行と、人間の傲慢さの産物が、地球上に散乱する。この瞬間が、およそ5,000年前に始まった定住文明生活という、この惨めなだしもの自体の大団円のように見えるのだが、生物の種として、我々は、我々自身も、社会も、絶滅に向かって、駆り立てるよう運命づけられているもののようだ。地球上には、もはや奪うべきものは何も残されていない。森林、化石燃料、空気や水を含む、自然資本の、最後の残物を、我々は今食いつぶしている。

今度我々が滅亡する際は、地球規模になるだろう。略奪できる新たな土地はもはや存在せず、搾取すべき新たな人々も存在しない。時間と空間の制限を消しさった技術が、この地球村を地球規模の死を招く落とし穴へと変えたのだ。イースター島の運命は、地球という巨大な規模で示されることになろう。

クリス・ヘッジズは、Truthdigの週刊コラム執筆者で、ネーションズ研究所・特別研究員。彼の新著は“Death of the Liberal Class”である。

記事原文のurl:www.truthdig.com/report/item/this_time_were_taking_the_whole_planet_with_us_20110307/

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まるで、今の日本・世界のために書かれたように思える記事。文明が終焉する時には、あやしい呪術への逃避が流行する?

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驚くべき事実。南三陸町ホームページに、なんと上のモアイ像写真がある。 (2021/3/11 リンクは切れている。)(暗い部分を明るく加工した)この町の橋のたもとに、モアイ像のレプリカが建てられているという。解説の一部を引用させていただこう。

この像は、イースター島にあるモアイ像のレプリカで、本物のモアイと同じ種類のチリ共和国本土の石から、現地の石工が製作し平成3年7月に設置したものです。
 当地方は、昭和35年5月に発生したチリ地震津波で大きな被害を受けました。この地震津波で被災し、復興を遂げた両国の友好のしるしとして、平成2年に当時の駐日チリ共和国大使が来町して町に「友好のメッセージ」を贈りました。これがきっかけで、交流が始まり、モアイ像は平成3年7月に復興と友好の、そして防災のシンボルとして設置されました。

昨年秋(2010/10)に書かれた下記の新聞記事もある。(これも2021/3/11時点でリンクは切れている。)

南三陸モアイ化計画 高校生が町のキャラ目指し奮闘中

日本中に林立する原発がモアイ像の役割を演じ、ひたすら原子力教を奉じ続けるこの日本、現代版イースター島と化しているようだ。イースター島史、これまで、学者が調査し、本にして、知らせるしか方法がなかった為に、貴重な教訓、なかなか広まらない。今回、貴重な教訓は、世界にリアルタイムで報じられる。人間モルモット。

新刊“Death of the Liberal Class”素晴らしい本だが翻訳は出るまい。お笑いテレビ番組視聴者の皆様、たとえ翻訳が出ても購入されるまい。預言者郷里に容れられず。

地震予知でなく、大地震があっても、耐えられるような都市造りにこそ力を注ぐよう主張してこられた地震学者の石橋克彦氏も郷里に容れられない方のようだ。テレビに全く登場されない。テレビ、現代の呪術布教装置なのだから。『原子炉時限爆弾』(2010/8)を書かれた広瀬隆氏も同様だ。

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W大名誉教授(実はテレビ・タレントではと想像する)が『原子炉時限爆弾』について、読者からの質問に答える形で下記のように書いている。

2010年11月30日 (火)

【原発は時限爆弾?】

大地震のとき原発は暴走して、原子爆弾の爆発となって大惨事をもたらす、という本ですね。

本当かどうか、私には分かりません。手元にスーパーコンピューターもなければ、原発炉心のソフトもないからです。

それにしてもこの本の作者、広瀬隆という人は何者なのでしょうか。

このような結論は、放射線物理の専門家である私でもまったく分からないのに、この人は『本を書けるほど』分かっているのです。多分、東大や京大の原子力工学、原子核工学関連の学科の大学院博士課程を卒業、その後専門の原子炉設計のシミュレーションをやっている人かしら?

そうでなければ、こんな本は書けないからです。

さて、本当は広瀬隆とは何者なのでしょうか?

噂ではどこぞの大学(?)の理工応用化学出身、しかも原子力工学大学院とは無縁らしいのです。これは驚きですね。

まったくの素人が携帯電話の電磁波の強度と人体、とくに生殖細胞への悪影響をシミュレーションして警告した、という笑い話を思い出しました。

この東大卒・早稲田大学名誉教授と、そうした学問的背景の無い広瀬氏、どちらが庶民にとって重要な発言・行動をしているだろう?学歴肩書の問題ではない。シミュレーション用スーパーコンピューターを使えるか否かではない。某大手オンライン通販サイトにも、「原子力を専攻した自分からみると、広瀬氏の本は間違いだらけ」という趣旨の書評がある。そんな書評をする暇があるなら、現場で率先対応をお願いしたい。(「テレビ出演している人々は、すべからく幇間」という確信、この数日、強まるばかり。幇間は、大スポンサーの悪口、口が裂けても言えない。それはアメリカも同じだ。アメリカのマスコミ: 意見を売って、ニュースと呼ぶ)ただの幇間という表現ですむのか、詐欺などの犯罪にはあたらないのか、画面の彼等に向かって声を出してののしりながら、不思議に思って見ている。

都痴事の暴言には驚かないが、米倉弘昌日本経団連会長の「千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」発言にはびっくり。そういう人が財界トップであることが、日本の財界が正気でないことの証明でないことを期待したい。もし、できるのなら。一体どこが、千年に1度なのか?どこが「想定外」なのか。この不埒な連中の頭脳構造こそ、「想定外」。天罰があるのなら、こういう人々に下るはずだろうに。

大震災、死亡・不明2万1千人に 「明治三陸」と同規模という記事がある。(これも、2021/3/11時点でリンクは切れている。)

 東日本大震災の死者・行方不明者は21日、午後11時現在の警察庁まとめで2万1469人となり、明治以降、国内最悪の津波被害とされる1896年の明治三陸地震(死者数2万1959人)とほぼ同数となった。明治三陸地震では、高さ約38・2メートルの津波が確認されている。

災害対策を口実にしたインチキ連立政権と、TPP加盟で、日本という国家は究極のメルトダウンに突入する。日本には生まれたくなかった、と改めて思う。

広瀬氏の『原子炉時限爆弾』書店から姿を消した。情報統制でなく完売品切れ重版中だ、と愛読者は思いたい。

尊敬する反原発運動の先駆者、高木仁三郎氏(残念ながら2000年に亡くなられた)の遺作に岩波新書『原発事故はなぜくりかえすのか』2000/12刊がある。残念なことに店頭では品切れ。岩波webでは重版中とある。『原発事故はなぜくりかえすのか』いたる所、示唆に満ちている。特に第5章「自己検証のなさ」。物事をあいまいにしたままにはせずに、徹底的に究明し、自己検証しなければ、進歩はないはずだ。しかし、JOCの臨界事故の際も、うやむやのままに終わっている。高木氏が、ある委員会に入ると、結論がどこに落ち着くかわからないから、その委員会には誘えない、と役人は彼に言ってきたという。(同書133ページ。)結論を内包した委員会、アカウンタビリティー、寄せ集めの技術、と高木氏の、もっともな指摘が続く。見識ある専門家達による真摯な論議の上で、わかりやすく、責任を引き受けて、行われるものでなければ、まともな科学技術政策になることはあり得ない。こうなると、「自己検証のなさ」、日本が誇るべき民族的特性と思えてくる。次の6章「隠蔽から改ざんへ」は、もう大企業と国家ぐるみの原発犯罪見本市。読みながら、頭に血が上り、脈が早くなる。本書を読むと、日本人、実は人類の為、自発的に現代のイースター島民になろうとしている偉大な国民であることがわかる。

高木氏の新書『市民科学者として生きる』1999年刊なら、購入可能だろう。福島第一原発三号炉での使用で、深刻な問題になっている、プルトニウムを含むMOX燃料問題、彼は明確に指摘している。

猛毒のプルトニウム、半減期は2万4000年。人類滅亡後も、毒性は消えない。

すべて「想定外」を言い募る幇間連中による、常識では想定内の人災。

昨日のNHK国営放送、IAEA天野事務局長の急な訪日の様子を報道していた。日本へ向かう暗い機内の事務局長の様子が映し出される。読書灯をつけ、下線を引いた英字新聞を読んでいる。彼は記者に向かって言う。「out of controlと書いてありますが、言い過ぎです。」(ビデオにとっていないので、この部分小生の記憶による。正確な文章をご存じの方がおられたら、ご教示頂きたい。)この放送だけ見ても、IAEAと、NHKの出鱈目さ、インチキさ、普通の方ならわかるだろう。いずれも、基本的には、信じてはいけない組織だと。

現時点で、ようやく、どれか原子炉に電源配線がつながり、中央制御室か卓の一部機能が回復したと報道されている。IAEAトップが英字新聞を読んでいた時点では、すべての中央制御室が機能していなかった。普通に考えればそれは「制御不能」という。制御不能を英語でout of controlと言う。「そうでない」というトップか、NHK放送局のいずれか、あるいは両者の、制御機構が制御不能であることを意味するのではないかと素人は懸念する。素人の懸念、間違いであって欲しいものだ。「お前の高校英語レベルでの解釈は全く間違っている」と具体的に、指摘頂ければ嬉しい。

英語という話題で言えば、経済財政政策担当大臣の与謝野馨という人、中曽根康弘の紹介で日本原子力発電に入社、会社の命により、民社党の核拡散防止条約に関する訪欧調査団に原子力の専門家・通訳として同行、スイス、イギリス、イタリア、ドイツなどを訪問した。とWikipediaにある。いやがる日本のメーカー、学者を押さえ込み、強引に、突然に、原発導入を決めたのは、まさに中曽根康弘なのだ。決して、日本のメーカーが導入したがったのではない。逆に、アメリカ政府やアメリカメーカーが輸出したがった可能性は想像できる。もろちん、福島第一原発一号炉は、ゼネラル・エレクトリック製。アメリカ製品の輸入ということでは、ロッキード疑惑に倒れた田中首相を思い出す。この青年将校政治家、そうした不祥事での失脚もせず、生き延びている。この国では、人類の大災厄をもたらすかも知れない政策を進めると、有り難いことに、位階従六位、大勲位が頂ける。頭がくらくらする不思議なこの国の道徳律。シェークスピアのマクベス、魔女のセリフにもあるではないか。
「きれいはきたない、きたないはきれい。闇と汚れの中を飛ぼう。」

五十嵐仁の転成仁語 3月22日(火)原子力発電を推進した元凶としての中曽根康弘と正力松太郎 [災害]で、より具体的な情報がわかる。

国営放送には、緊急、中曽根インタビューを要求したいものだ。

先行する大事故から得られた、良い教訓を引用しておこう。

チェルノブイリ事故とスリーマイル事故からの教訓

(1) 事故は思いがけないことから起こり、予想外の経過をたどる。
(2) フェイルセーフ、フールプルーフはあり得ない。
(3) 事故の際の現場担当者は、信じられないほど楽観的である。
(4) 事故の通報は遅れる。
(5) 関係者はあらゆる手を尽くして事故を秘密にする。
(6) 事故の影響は過少評価される。
(7) 経済性のためには、少々の安全は犠牲にされる。
(8) 被害者は、因果関係がはっきりしないのをいいことに切り捨てられる。

出典:「原発事故 その時あなたは」瀬尾健著 風媒社 88-94ページ (著者の遺稿を、小出裕章氏が尽力されて、1995年刊行した本)

10年後か20年後、今回の放射性物質で癌になっても、体内に入った放射性物質に「福島第一原発3号炉発」と書かれていて、証拠が残るわけではないのだから、切り捨ては容易だろう。

官房長官も御用学者も、嘘をいっているわけではないだろう。
「今すぐ健康に害があるわけではない」は、言い換えれば、例えば
「15年後に健康に害がないと断定しているわけではない」とも解釈できるだろう。何がおきても、その時点では証拠皆無だから、彼等は問責されない。

今年は、奇しくも、チェルノブイリ25周年。

事故当時、「にがよもぎ」というのは、ロシア語では、チェルノブイリで、ヨハネの黙示録8章で予言されていたという話がまことしやかに広まった。あの頃、気になって調べて見たが、ロシア語聖書には、チェルノブイリでなく、別名のパルイニとして出ていると、ロシア語を解する知人は言っていた。また、ウクライナ語聖書での表記も、ロシア語と同じパルイニだそうだ。「チェルノブイリ」という単語そのものが、聖書の下記文章中にあるわけではない。

10.第3の御使いがラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が天から落ちて来て、川々の3分の1とその水源に落ちた。11.この星の名は苦よもぎと呼ばれ、川の水の3分の1は苦よもぎのようになった。水が苦くなったので、その水のために多くの人が死んだ。

「こうした呪術思考」全く関心ないので、ここで止めておこう。

 

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高木仁三郎氏等が事故翌年(1987)出版された『われらチェルノブイリの虜囚』が手元にある。58ページに、当時の原発業界幹部の言動が紹介されている。読むに耐えない。今テレビで、平然と?語られている水素爆発については、当時の幹部の一人「水素問題は哲学論争に近い」とにべもない発言をしている。つまり、当時、日本での水素爆発、全く想定外であり、対策は用意されていないかったということだろう。現状は想定内か?想定内の事故だとしても、そのわりに、いくら素人目で見ても、対応は後手ばかり。

終章は水戸厳教授(故人)によるシミュレーション・レポート もし東海原発が暴走したら。

現在の福島原発、当時の東海原発より、東京からは遠いが、出力は遥かに高い。しかも、猛烈に毒性が高いプルトニウムを含むMOX燃料が福島第一原発三号炉に存在している。日本の為政者がプルトニウムを隠すため、意図的に造語した「プルサーマル」なる悪魔の核物質使用・製造システム(「流言蜚語」源になるつもりはないので、内容にはあえて触れない。プルサーマル、プルトニウム、MOX燃料、飛散のシミュレーション等、ご面倒でも、各自お調べ願いたい。たとえば最寄りの書店、あるいは図書館で、お金か時間を費やして。政府もマスコミもプルトニウムについては報道管制体制なので。)

念の為、この1987年の「あとがき」の一部を引用させて頂く。2011年迄には、24年もあった。担当各位におかれては、その気さえあれば、本格的対策、実施できていた可能性もあったろう。最善の対策は、もちろん、稼働中の原子炉の停止、廃炉、解体。そして、原子力推進政策の放棄。「経済が縮小する。国民が貧しくなる」としても、今の大惨事よりは、ましだったろう。それでも、中曽根を含む、原発推進論者にとって、なぜか全て「想定外」だ。

 チェルノブイリ原発事故から早や一年。世界中を恐怖の底に突き落とした同事故も、もはやほとんど世間の口の端に上らなくなり、マスコミ報道からも、時たまの外電を除いて「チェルノブイリ」はすっかり影をひそめた。

 だが、本書の中でも指摘されている通り、事故の影響はいまだに進行中であり、放出された放射能は、今後数十年間にわたって世界の人々を苦しめ続ける。チェルノブイリに終わりはないのである。

 原発の危険性、一たび大規模原子炉災害が発生した場合の悲惨さについては、これまで幾多の科学者、専門家が口すっぱく指摘し、警鐘を乱打してきた。にもかかわらず、推進体制側は、「人が死ぬような原発事故は百万炉年(注、一基の原発が百万年間稼働した場合を仮定)に一度しか起こらない」とする、いわゆるラスムッセン報告などをもち出して安全PRにこれ努め、原発推進に血道をあげてきた。

 そしてTMIからわずか七年後にチェルノブイリが起こった。

 ラスムッセンの確率論的安全論が、まやかし以外の何物でもなく、原発が、地球上の全生物にとって危険極まりない悪魔の産物であることは、もはや誰の目にも明らかである。

が、周知のごとく日本では、この全生物への「最後の警告」ともいうべきチェルノブイリ原発事故の発生もものかは、全原発が平然と稼働を続けている。

 一体、この国はどうなっているのか。太平洋戦争で敗戦を体験するまで戦争をやめなかったように、東海原発で大原発事故が発生し、首都が壊滅するまで、原発を廃絶しないのではないのか。時折り、そんな想いにとらわれる。

 ところで、この国の原発推進体制が、かくも強固な背景の一つに、新聞、テレビに代表されるマスコミが、体制内に取り込まれてしまっていることが挙げられる。第一線で働く記者一人ひとりに、「原発推進」の意思はなくても、組織の総体としては、残念ながら推進に加担しているのが実態だ。

 原発のもつ反人間性、反社会性、犯罪性は無論その危険性にあるだけではない。原発は、生物とは本来的に相容れない放射能を、絶え間なく生産し続けるばかりか、地方自治を侵害し、民主主義を徹底的に破壊する。さらには、下請け、孫請けの労働者を情容赦なく使い捨て、人心を荒廃させる。

  そんな悪の権化である原発をなぜ稼働させるのか。かつて盛んにPRされた経済性やエネルギー・セキュリティとやらも、すでに馬脚を現しているではないか。

東京都知事選挙、地方選挙が迫っている。都民は、今回の大地震・津波を天罰だと言い、地震でも壊れなかった築地市場を、想定通りに液状化した豊洲への移転を強行する男を再選するのか、それとも、地震・津波による原発災害の危険性を正面から取り上げてきた党も推薦する人物を選ぶのかが問われている。この記事の流れからすれば、当然、後者以外の選択肢、考えられない。アメリカ人である、クリス・ヘッジズも、ラルフ・ネーダーも、同じ意見に違いない。東京以外の皆様にしても、同じだ。痴呆選挙ではいけない。

不可避の事態を、未然に防げるのは、帝国と法人国家の迅速な廃絶を含む、日本社会の完全な再構築を中心に築かれた抗議活動しかない。より良い条件を求めて交渉するのではなく、日本の腐敗したエリートを権力の座から排除することを目指す、新たな、何者をも恐れない根本的変革主義の誕生によってのみ、我々は救われるだろう。

しかし、なんといっても、この国のマスコミ・政治家は「想定外」がお好きなので、結果はわからない。東京では「小池晃さんを応援する市民勝手連Q」というものもあるようだ。市民社会フォーラム。Eメール宛先は、katteren2010@gmail.com。率直に申しあげて、あまり見かけは「ぱっとしない」。「反原発」ではなく、「脱原発を」とアピールしている。これは、座布団十枚!

チュニジアやエジプトのように、アメリカ国務省や、その意を汲むGoogle,Facebook,Twitterといったソーシャル・ネットワーク企業の支援を受けた傀儡若者運動とちがい、宗主国の支援がない手作り組織、資金もノウハウも不足だろう。しかし、名もなく、貧しく、美しく、手作りで大資本に対抗(脱大資本とおっしゃるのだろうか)してこそ、宗主国様がおっしゃる「市民革命」の本物。本当にトモダチなら、国務省には、「小池晃さんを応援する市民勝手連Q」に技術支援をお願いしたいものだ。「カッコよく資金潤沢な運動こそ、いぶかしい」と貧乏人はひがんでいる。

TVコマーシャルの多さにいまさらながら気づかされた。万一事態が収束した暁には、『オール電化』CM、復活するのだろうか?アメリカのアヒルもネコも最近みかけない。どうしたのだろう。代理に挿入される公共広告機構AC(実態は、電力業界が牛耳る、視聴者洗脳機構)CM、節電の為、つまらないコマーシャルは見ずに、早くテレビを消しましょうという親心メッセージに違いない。「日本はひとつ」などとしつこく言うのは、原発で儲ける連中と、原発で被害を被る庶民、日本は二つに別れている証拠だろう。

またもや一億総懺悔を目指す洗脳だろう。ACの偽善広告に騙されず、今回の人災、東京裁判ではなく、東京電力関係者(通産官僚、政治家、御用学者、マスコミなどを含め、原発推進に関与した人々が、なぜ原発推進政策を進めたのか、どういう責任を問われるべきなのかを問う)裁判が必要だろう。それなくしては、再発必至。必要なのは、決して、総懺悔ではない。

仁科亜季子の子宮頸ガン・乳ガン予防CMを飽きるほど見せられている「われらフクシマの虜囚」メタボ中年男の小生、連休明け、検診に行くべきか迷っている。:-)

2012/1/6追記:

文中にある、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が旗ふりをして広めた二酸化炭素による地球温暖化説は出鱈目だ。二酸化炭素による地球温暖化説、原発推進やら、排出権商売のための「プロパガンダ」であることを明記しておかないといけない。気温が上がると、二酸化炭素も増える現象は確認されているというが、逆ではない。日本のマスコミは報じないが、海外のマスコミは報じている。それが、たとえば、京都議定書に対する外国政府の対応と、日本政府の対応の大きな違いの一因だろう。原発でも、TPPでも、排出権でも、日本政府は、宗主国の為になることを基準に、政策を選んでいるもののようだ。

2011年3月19日 (土)

東電、米国で原発建設予定: 日本の悲惨な原発運営者の貸借対照表情報無し

2011年3月14日月曜日

Greg Palast、truthout

東京電力はアメリカで原子力発電所建設予定: 日本の悲惨な原子力発電運営者についての貸借対照表情報は皆無

東京電力による建設が予定されているテキサス州の原子力発電所。(写真: NINA)

私は、皆様に、記者としてではなく、いくつかの原子力発電所の詐欺、違法行為による金儲け事件調査の捜査主任という、かつての立場からお話しする必要がある。

日本の法律は知らないので、これから起きようとしている殺人に対し、東京電力が心神喪失の申し立てをすることが可能かどうか、小生からは申しあげられない。

しかしオバマは、一体何を懸命に主張しようとしているのだろう? わずか数ヶ月前、政権は、テキサス州メキシコ湾岸での東京電力と現地パートナーによる新原子炉二基建設・運用に、40億ドルの融資保証をするよう議会に要求した。まるでメキシコ湾岸がまだ苦しみ足りないかのように。東京電力や読者の皆様がCNNでは決して聞いたことがないような業界に関する事実は以下の様なものだ。

日本の原子力発電所における非常用装置の故障は、この分野で働いたことがあるアメリカ人にとって驚くべきことではない。

世界中の原子力発電所は "耐震性"といわれるものに合格する必要がある。つまり原発所有者は、全ての部品が、地震によるものであれ、アルカイダによるクリスマス・カード爆弾によるものであれ、想像できる最大振動に耐えるように設計されていることを誓うのだ。

原発の耐震性で合格させるのに最も安上がりな方法は、嘘をつくことだ。業界は年がら年中それをやっている。私が協力していた政府チームは、1988年に、一度、ニューヨークのショアハム原子力発電所で、連中のしっぽを捕まえたことがある。ショアハムの耐震性問題を解決するには何十億ドルもかかるはずだったので、技術者達は、テスト結果の "不合格" を "合格"に変える様命じられたのだ。

偽の安全報告書を提出した企業、ストーン & ウェブスター、現在のショー建設会社原子力部門が、テキサス州原発建設で、東京電力と協業する。神よ助けたまえ。

ところが、まだある。

昨夜、CNNレポーターが、ポンプを動かすディーゼル発電機に水が予想外に入ったことをほのめかし、原子炉の冷却に必要なポンプを津波が壊したという公式説明を繰り返すのを私は聞いた。

この安全用予備システムは、原子力用語で"EDG"と略される非常用ディーゼル発電機だ。緊急時に、そうした装置が動かないというのは、消防署が我々に、建物は"火事だったので"救えませんでした、と言うようなものだ。

一体どんな、うすのろがこんな装置を設計したのだろう? 福島第一原発で、大変な危険に直面している原子炉の一つは東芝製だ。東芝は非常用ディーゼル発電機を設計している会社の一つでもある。

さて、恐ろしがっていただこう。オバマによる40億ドルの緊急財政援助の対象は、稼働中の南テキサス・プロジェクトなるものだ。アメリカの偉大なブランド企業ウエスチングハウスの原子炉を使って、国内で発電をする愛国的な方法だとして喧伝されている。ところが原子炉は、アメリカの有名ブランド、ウエスチングハウスを買い取った企業、東芝により、実質的には日本で製造されるのだ。

昔、東芝コンピューターを使っていたことがある。保証期間中の修理で、一度だけ郵送する必要があった。ところが、燃料棒が溶解し、地核に向けて沈み始めた原子炉に、保証書をつけて、箱に入れて返送するのは、かなり大変だ。

東京電力と東芝は、息子が中二の理科で学んだ事実を知らないのだ。太平洋での地震は、後で津波がおきる。こうした企業、実に愚かではないか? そうかもしれない。それよりも、ディーゼルと関連系統、晴天の日の午後でさえ動かなかった可能性の方が高い。

当時アメリカで、我々が非常用ディーゼル発電機をチェックした所、実に驚くべき点数で落第だった。例えば、ニューヨークの原子力発電所の場合、建設業者は、三台のディーゼル・エンジンは緊急時にすぐに対応できると宣誓し保証した。ディーゼル・エンジンはテストされていた。テストは、ねつ造されていた。ディーゼル・エンジンは、低速で、短時間しか稼働していなかったのだ。ディーゼルを、緊急時に似た条件で、本格的テストをしたところ、一台目のクランク軸は、およそ一時間でポッキリ折れ、二台目、三台目が続いて壊れた。我々は、このディーゼルにあだ名をつけた。"Snap, Crackle and Pop"だ。(訳注:いわば"ポリ、カリ、ポン"。装置三台のもろさを笑っているのだろう。本来、ケロッグのポン菓子ライス・クリスピーの箱に描かれた小人三人のキャラクター名。)

自立したジャーナリズムに対する圧力は増大しています。Truthoutが無知と退行に対する戦いを継続するのをご支援ください! ご支援はここから。

(注: 小生が、この文を書いてすぐ、東海原発でも、三台の非常用ディーゼル発電機の二台が故障したという話が伝わってきた。)

アメリカでは、業界が散々文句を言った後で、建前上ディーゼル発電機は改修されたことになっている。だが日本では、東京電力に「電気の帝王」がやりたがらないことを、やれとは誰も言えないのだ。

原子力業界の内部関係者達から、私はかなりの極秘情報を入手している。業界では相当有名な、ある技術者は、アメリカに呼び込むため、東芝と東京電力に、オバマが魅惑的な条件をちらつかせたのではないかと特に懸念している。アメリカには、国民を救う為には自らを危険にさらそうという内部告発者達の長い歴史がある。我々が調べた、ニューヨークでの違法行為による不正金もうけ事件では、二人の勇敢な技術者、ゴードン・ディックとジョン・ダリーが、我々のチームに証拠文書をくれたおかげで、政府は耐震テスト詐欺を発見できたのだ。

日本では、そういうことは行われない。日本文化では、一つの会社に終身雇用で働くサラリーマンが告発することは許されないのだ。

アメリカの法律とて、素晴らしい防御というわけではない。ニューヨークの二人の技術者は、首にされ、業界のブラックリストに載せられた。それでも、(市、州、連邦)政府は、建設業者に対し、違法行為による金儲けのかどで民事訴訟をした。陪審は企業の弁明を受け入れず、結局、原子力発電所は、有り難いことに、解体された。

私はある種、外国人嫌いの反日運動をしているのだろうか?そうではない。実際、南テキサスの原子力プロジェクトに参加しているアメリカ側の業者、特に、現在ショー社の原子力部門となっているストーン & ウェブスター社の方に、ずっとギョッとしている。ストーン & ウェブスターは、ニューヨークで、非常用ディーゼル発電機テスト偽造を企てた会社でもある。(同社による他の悪行は、同社の元コンサルタント、ジョン・パーキンスが、その著書『エコノミック・ヒットマン』で暴露している) もし地球が震えたいと思った場合に、下記の事実があることを考慮されたい。最近、東芝とショー社は、原子力発電所建設において、全世界でパートナーになる契約を結んでいるのだ。

オバマが支援している南テキサスの原発に関与している他の企業連中を知ったら、皆様ゾッとされるに違いない。だが小生、アメリカ側パートナーの調査中なので、これについては次の機会にゆずりたい。

そこで、アメリカの原子力業者連中を考えた場合、我々アメリカ人は安全なのだろうか? そう、建屋の屋根が空高く吹き飛んだものを含め、日本で溶融している原子炉の二基は、古き良きアメリカのゼネラル・エレクトリックが建設したのだ。

テキサス州の次は読者だ。オバマ政権は、アメリカ全土の原子炉用に総計560億ドルの融資を計画している。

そして、殺人

CNNが関心があるのは、一体何人の労働者が放射能に被爆したのか、爆発で吹き飛ばされたり、行方不明になったりしたかという死者数だけなのだ。現在これらの原発は放射性の蒸気を空中に放出している。"レベルは危険ではない"という発表をそのまま信じないように。彼等はこうしたメルトダウンなど起こり得ないと言っていた、まさに同じ連中なのだから。今後、何日どころか、何年にもわたって、1000人、2000人、あるいは1万人の人々が、この放射によってひき起こされる癌で悩まされる可能性がある。

ニューヨーク事故調査の際には、郡政府の為、メルトダウン後の"死亡"率を合計するという憂鬱な作業をさせられた。詳細な情報も無しに、こうした放出によって生じるであろう癌による死亡者数を予測しても、私には何の責任もなかろう。だが東京電力の首脳連中がこうした放出は危険ではないと言うのは犯罪に他ならない。

実際、日本の原子力発電所近辺の住民には、放射能漏洩に備えるべくヨード剤が処方されなかったという事実が、日本国内であれ、アメリカ国内であれ、誰が生きようと死のうと、東京電力は気にしていないことを示している。福島で放出された発癌性アイソトープは既にシアトルへと浮遊を始めており、我々に測り知れない影響をもたらすだろう。

神よ助けたまえ。オバマは決して助けてくれないのだから。

記事原文のurl:www.truth-out.org/tokyo-electric-build-us-nuclear-plants-the-no-bs-info-japans-disastrous-nuclear-operators68457

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パラストの素晴らしい本、『金で買えるアメリカ民主主義』、なぜか絶版のようだ。Armed Madhouseは、当然ながら翻訳されていない。プロパガンダTVや、映画を見るのではなく、宗主国・属国の事実に目を覚ます本を読みたいものなのに。小学校への英語教育導入、高校英語の英語による授業、すべて植民地化推進策。ハンバーガーをかったり、道を教えるために、会話を覚えてどうする?膨大な時間をかけた国民的記憶の抹殺政策。それだけの金と時間、宗主国研究、属国支配研究に投資しろ!と、素人は思う。あるいは、会話でなく、読解力に重点を。しかし、先生方が、国家破壊政策を推進するアメリカ文部省日本支部に反抗すれば、首だろう。いくつかのファシスト的裁判を見ればわかる。巧妙に、星条旗でなく、日の丸を強制しても、中味は隠せない。

福島原発、そもそもの設計に欠陥があったものを、経済優先でだましだまし運用してきたが、連中のいう「想定外」の原因で崩壊し、制御不能になり、炉心溶融、メルトダウンが進行中。こういう事態を想定せずに、建設・運用していたことこそ、我々にとって想定外。無責任のきわみ。

この世界最悪の事故が、そうした欠陥システムを強引にすすめる属国支配体制そのものまるごと、まともな異議をとなえる反対派を、アカやらなにやら理由をつけて排除することに成功した、設計上、わざわざ制御機構を取り除いた、炉心溶融メルトダウン過程の国家であることを暴露している。

安政大地震の後で、幕府は崩壊した。アメリカの武力の圧力のもと、強引にすすめた、開国は壊国だった。アメリカの武力の圧力のもと、強引に進めた原発、これから進めるTPP。歴史は繰り返す。開国は壊国。

それでも日本は暴走を止めない。アクセルの無い暴走トラック、停止方法のない巨大石油タンカーが、石油工場に向かって暴走しているようなもの。

菅直人氏、ブログで、新潟地震の後で、こうおっしゃっている。素晴らしい見識。ぜひ実行を。ただし原発を推進してきた自民党・公明党への大政奉還は許さない。

天災

2004年10月23日 00:00 :
昨日今日と愛媛、高知の台風被災地の視察。高知では堤防が波で破壊され、20トンを超えるコンクリートの塊が住宅に飛び込み、3名が亡くなった現場を見る。9月にお遍路で歩いたところだ。波というより鉄砲水のような力で堤防や家を破壊。
   それに加えて新潟で地震。あい続く天災をストップさせるには昔なら元号でも変えるところだが、今必要なのは政権交代ではないか。

ヨード剤は、3/12にあたりから、どうやら配布はできる形になっていたもののようだが、パラストの原文のまま訳してある。

アメリカや韓国の方々が、80km離れ、また支社機能を東京から関西に移動している中、日本は30km。日本人、生物学的に他の国々の方より、放射性物質に強いという学問的根拠があるのだろうか?示して頂きたいものだ。

日本人としては、二カ所、以下のように変更したいと思う。

だがアメリカと属国政府の首脳、東京電力、ゼネラル・エレクトリック、東芝や日立の幹部や御用学者、そしてマスコミが、こうした放出は危険ではないと、もしも言うのであれば犯罪に他ならないだろう。

実際、日本の原子力発電所近辺の住民には、放射能漏洩に備えるべくヨード剤が処方されなかったという事実が、日本国内であれ、アメリカ国内であれ、誰が生きようと死のうと、アメリカ政府とその属国首脳、東京電力、ゼネラル・エレクトリック、東芝、日立の幹部、御用学者、そしてマスコミは気にしていないことを示している。福島で放出された発癌性アイソトープは、既に日本全土を含め、世界へと浮遊を始めており、我々に測り知れない影響をもたらすだろう。

ビデオニュース・ドットコム【緊急生放送】東北関東大震災 いま何が起きているのか を今見ている。

商業マスコミしか見聞きしておられない方は、コメントに書き込みを頂いた、朝日ニュースターの広瀬隆氏の話と同様、必見。広瀬隆氏の新刊『原子炉時限爆弾』(昨年8月刊行)気味が悪いほど、福島原発の現状描写に読める。御用学者の解説を聞いている時間があったら、ご一読をお勧めする。業界太鼓持ちをする専門家が偉いわけはない。国策プロパガンダの為に雇われている専門家より、国民、人類のために、言論活動する人のほうが国民には有り難い。

特に佐藤栄佐久氏(前福島県知事)のお話を伺って痛感した。安全・保安院、原子力発電を推進する官庁の部局。泥棒が警察なのだ。歯切れがわるいわけだ。仲間は責められない。

そして、当たり前だが、属国は、政治家も、官庁も、検察も、マスコミも、労働組合も、あらゆる支配装置がすべて宗主国の走狗として機能するからこそ成立する。経産省は、アメリカ通商代表部日本支部、外務省は、アメリカ国務省日本支部、財務省は、アメリカ財務省日本支部。彼等なくして、今の日本はなかったろう。日本国民のためではなく、アメリカ支配層の為に仕事をしているのだ。しかも、給料は日本人から搾り取る。帝国運営とは、なんと、経済的か。そして、検察はアメリカ検察(そういうものがあるのかどうか知らないが)日本支部。65年の属国の歴史で、官庁は完全にアメリカ支部になっている。幹部は東大卒、アメリカ留学組。IAEA事務局長の経歴も、そう。

大規模労働組合をみていただきたい。元連合会長の笹森清という人、東京電力労働組合委員長だった。「泥棒が警官」そのもの。つまり、連合なる組合組織、労働者を救うための組織ではなく、労働者支配のための組織。第二人事部。大手労組内で異議の声をあげれば、会社から排除される。企業別という歪んだ日本の労組の根本的欠陥。もちろん、労働者の為に活動する自立派労組もあるが、65年にわたる総資本の攻撃下、極めて弱体。(典型は中曽根による国鉄解体。郵政解体には、労組解体も副産物の狙いにあったろう。)

外国特派員協会で、原子力資料情報室が、まともな情報発信を続けているので、目くらましプロパガンダをしようと、日本原子力技術協会前理事長石川迪夫という人物が昨晩登場。見るに耐えない代物。根拠のない楽観論の自滅プレゼン。ああいう人間達がこの大災害をひき起こしたのだ。彼も東大卒、アメリカ留学。『理系人のコミュニケーションと明るい未来』に、この記者会見をうまくまとめられた記事がある。全く同感。

そういう連中と違う、まともな人間が、国をあげての無茶な原子力行政に疑問を抱いて、逆らい始めると、失脚させる。佐藤栄佐久氏、その典型。

『英語日本語ニュース』で、「全米に存在する104箇所の原子力発電所の中で23箇所の原子炉は世界中を心配させている福島第一原発と同じジェネラル エレクトリック社のボイリング ウォーター原子炉である」という記事翻訳が読める。宗主国支配層も、属国支配層も、今、必死なのだ。日本の壊滅は、アメリカ帝国の壊滅を意味する。故チャルマーズ・ジョンソン氏の名著題名にもなっている、Blowbackという言葉を思い出した。(邦題は『アメリカ帝国への報復』)

無理難題の「北方四島返還」ではなく、まっとうな二島返還から入ろうとした鈴木宗男議員も冤罪。ロシアと日本が仲良くなっては、宗主国こまるのだ。

八百万の神々よ、助けたまえ。オバマも菅も決して助けてくれないのだから。

(小生、無宗教だが、受験の際に天神様にもお願いした。あるいは御利益があったのかも知れない。昨年、遅まきながら、太宰府天満宮に参拝した。どこかに、国家の独立を祈願する寺社はないだろうか。あれば、是非ともお参りしたいものだ。)

2011年3月17日 (木)

チェルノブイリ後始末の専門家、日本とIAEAを酷評

Michael Shields

Reuters

2011年3月15日、火曜日 2:42 PM EDT

ウイーン(Reuters)

火曜日、原子力産業の強欲と、国連の原子力監視機構に対する企業の影響力のおかげで、日本は原子力災害を拡大する羽目になりかねないと、チェルノブイリの汚染除去をすべく配属された人員の一人が語った。

福島における日本の対応を批判して、ロシア人原発事故専門家ユーリー・アンドレーエフ氏は、企業と国連国際原子力機関(IAEA)は、業界の繁栄を守るために、25年前の世界最悪の原発事故の教訓を意図的に無視していると非難した。

"チェルノブイリ後、自分たちの評判に傷がつかないようにするために、原子力産業のあらゆる力が、この出来事の隠蔽に向けられました。研究資金を持っているのが、原子力産業しかないため、チェルノブイリ体験は正しく研究されなかったのです。

"業界はあの事故が気に入りませんでした" ウイーンでのインタビューで、元ソ連の原発事故緊急対策機関、スペツアトム元理事長で、現在、原子力の安全性について教鞭をとり、助言している彼はそう語った。オーストリアの環境省は彼を顧問として雇っている。

火曜日に、福島の原子炉直近で保管していた使用済み燃料棒がひき起こし、放射能を放出した火事は、安全よりも利益を優先している一例に見えるとアンドレーエフ氏は語っている。

"日本人は、非常に貪欲で、使える空間を全て利用します。しかし、プールに使用済み燃料をぎっしり詰め込めば、水がプールからなくなったら火事になる可能性は非常に高くなります"と、アンドレーエフ氏は語っている。

企業の建屋や、稼働中の原発に近すぎると主張して、IAEAも、この基準には責任があります、と彼は語った。そして、ウイーンに本拠を置く機関が立ち上げた緊急事故対策チームは、"実働部隊ではなく、シンクタンクに過ぎません"と、彼はにべもなく言った。

"あらゆる組織は原子力産業に依存しているので、見せかけの組織に過ぎません。IAEAは原子力産業に依存しており、適切な行動をとることはできません。

"彼等はいつも真実を隠そうとするのです。"

"IAEAは... 原子力産業で起きる可能性がある事故に対して注目を集めることに興味はないのです。彼等は全ての緊急対応組織に全く関心がありません。"

アンドレーエフ氏の批判に対し、直後のIAEAコメントはない。

福島で日本の当局が体験したことは、いやというほど私は理解しているが、漏洩をくい止めるには創造的な解決策が必要だろうと、アンドレーエフ氏は語っている。

"静かなパニックのような状況です。私はこの状況を知っています"と彼は言う。"この業界では規律が一番大事なのですが、緊急事態対応には、独創力、ある種の想像力や臨機応変のようなものさえ必要なのです。"

記事原文のurl:in.reuters.com/article/2011/03/15/us-chernobyl-clean-up-expert-slams-japan-idINTRE72E7AL20110315

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この記事、日本でも記事になっている。たとえば下記。なぜかしら全文ではないので、あえて掲載。スペツアトム、汚染除去会社と元記事にはあるが、調べてみると、どうやら緊急対策組織といった方が正確におもえるので、あえて翻訳を変えた。

【放射能漏れ】日本の設計は「安全より経済優先」ロシア人原発専門家が批判

ユーリー・ボリソビッチ・アンドレエフ氏、1986年4月のチェルノブイリ黒鉛減速炉原子力発電所の暴走事故発生時、原発Unit2の主任技師だった。こちらのインタビュービデオの人のようだ。(ロシア語だろう)

追記:2011年3月18日10時58分東京新聞記事、チェルノブイリの教訓生かされず 福島原発事故で被害者団体 で、「チェルノブイリ原発事故の被害者団体「チェルノブイリ同盟ウクライナ」(キエフ)代表で、元同原発技師のユーリー・アンドレエフ氏(61)」と紹介されている人が本記事の人物。

複数の沸騰水型原発、運転停止はしたが、核燃料、使用済み核燃料の冷却機能が完全に失われた福島原発と、暴走したチェルノブイリ、事故の性質は全く違うだろう。それは素人でもわかる。

とはいえ、膨大な放射性物質が放出される懸念という点では、全くの別物とはいえまい。飛散の可能性がある核燃料の量に至っては、チェルノブイリより多そうだ。あちらは、原子炉三基、こちらは、6基。

しかも、猛毒のプルトニウムまで、核燃料に使っている。広瀬隆著『原子炉時限爆弾』、まるで予言書そのもの。世界初のプルトニウム飛散という悲惨な結末がまっている。世界中の専門家はそれを知っている。広島・長崎ではアメリカに原爆を落とされた。一方、福島原発の放射性物質による被害、政・官・財・マスコミ・学者たちの自己責任?独断による、壮絶な国民総モルモット実験の結果。(小生、ものごころついて以来、原発建設に賛成したことはない。インチキ・プロジェクトを、住民・国民を安全だとだまして推進して、儲かる連中と、だまされて、被害にあう人、人数も収入も天地の差だろうに。儲けは自分たちに、損害は国民に。素晴らしいエリートの皆様。彼等を支える素晴らしい国民おられればこそ。)

広瀬隆氏の最新記事、ダイヤモンド社のサイトで読める。「破局は避けられるか――福島原発事故の真相

自衛隊ヘリコプターで水を投下する予定だという話で、チェルノブイリの使用済み機材置き場を思い出した。こちら「閉ざされた大地、チェルノブイリ原発事故から15年目」に詳しい報告がある。

「一般住民に健康被害はない」という旧ソ連政府の偽りの報告を住民、国民は怒っている。と、報告にはある。

「一般住民に健康被害はない」という日本政府、偽りの報告はないと祈りたい。できることならば。

そもそも、問題の原発、本来は装置寿命だったようだ。廃炉にすべきだったろう。外国報道(たとえばBusiness week)では、そう報道されている。ちなみに、このBusiness week記事には、尊敬する石橋克彦氏のコメントが載っている。反原発活動をしておられる田中三彦氏のコメントも。日本のマスコミ、連日の報道でも、決してこのお二人は登場しない。ブラックリスト?さすが宗主国の調査能力。誰が本当のことを言っておられるか、把握した上で、活用、報道している。

毎日新聞には、下記記事があったらしい。いくつものブログに、記事の写しはあるが、本家の毎日に、その記事見あたらない。削除されているのだ。事実ならば、寿命を、ごり押し延長し、延長許可したのだろうか。安全性より、経済性優先で。組織の凶暴共謀。TVも新聞も、この延長の話題、一切触れない。不思議な蜃気楼。

<東京電力>福島原発の稼働延長など申請 運転40年迎え(毎日新聞)

2010.03.27

東京電力は25日、来年3月で運転開始から40年を迎える福島第1原発1号機(福島県大熊町、沸騰水型、46万キロワット)について、さらに20年間の運転が可能とする技術評価書と、今後10年間の保守管理方針を原子力安全・保安院に提出した。40年超の運転が認められれば、既に廃炉を表明している日本原子力発電・敦賀原発1号機(福井県敦賀市)、関西電力・美浜1号機(同県美浜町)に次ぎ国内3例目となる。

福島第1原発1号機は高経年化に合わせて配管などの交換作業を進めてきており、東電は「大部分の機器・構造物は、現在の保全活動を継続することで40年目以降も健全に維持できる」としている。

高嶋哲夫『津波』集英社文庫、昨日読み終えた。彼の『M8』は以前読んでいた。ノーベル賞候補かどうかは別に、世界向け発信に値するだろう。著者、元原発関係者という経歴があるためか、原発事故については甘すぎて、今の日本とは大きく違っている気がする。津波そのものについては、あわてて昨年刊行された『津波災害』-減災社会を築く 河田惠昭著を読んだ。著者、当然、テレビ出演しておられる。この本を読むと、「想定外」という言葉を連発する皆様、小生にとっては、そのIQか人格のいずれか、あるいは両方が、「想定外」の方々におもえる。:-)

TPPで、日本の農産物も、品質さえよければ、世界に輸出する可能性が広がるという屁理屈があったような気がする。もはや日本産というだけで、農産物や牛肉、競争力をうしなったろう。放射性物質は長く残る。世界中で大人気の日本料理も、「材料は日本産ではありません」という看板が不可欠になる。世界の人々、この大惨事を永久に忘れまい。チェルノブィリの場合、全くの秘密裏で、スウェーデンによって暴露されるまでわからなかった。今回は、チェルノブイリ並(以上か?)の大惨事対応のダッチロール状態が、終始、世界に配信されている。

我々中高年も、頑張って、危険覚悟で消費するしかなさそうだ。生き残れたら。(ただし、財力欠如の小生、もちろん牛肉消費は「想定外」。)

追記:

2011/3/17 とうとう宗主国の日大使館、在日同胞に「80km以上離れるよう」勧告をだした。この発表、まともな判断力を持つ政府・人間がすべき「想定内」の行動だろう。残念ながら、属国政府・マスコミよりも、信憑性ははるかに高い。

故平井憲夫氏の『原発がどんなものか知ってほしい』も、是非お読みいただきたい。

観光立国の夢も、大量移民の夢も、これで蜃気楼と化した。医療・介護、3K労働、いくらお金を積んでも、特攻隊精神の持ち主、世に満ちてはいないだろう。

悪名高いアメリカ名産無人飛行機がいよいよ登場するようだ。イラク、アフガニスタン、パキスタンで暴虐な市民殺戮で大活躍中のグローバルホーク。世界で初めて人助け?に使われる。福島原発専用監視カメラ、大気汚染サンプリング測定という触れ込みで。これは、たしかに本物の『想定外』事態。この高価な殺人・偵察用無人飛行機メーカーにとって、夢のような売り込み宣伝の機会。日本中の国民がテレビで洗脳される。もちろん、ついでに何機も買わされるだろう。次は沖縄配備?そして、今後は偵察・殺人という「想定内の」用途で活用されるだろう。

2011年3月15日 (火)

TPPA文書公開を要求する署名公開質問状

以下は、ニュージーランドの団体のweb翻訳記事

月曜日に始まるチリでの交渉を前に2月10日水曜午後5時公開質問状への署名締め切り。

‘TPPA文書を公開せよ’署名公開質問状

2011年2月10日

ニュージーランド首相、ジョン・キー閣下

ニュージーランドの選挙で選ばれた代表者、貴政府は、あなたがたが交渉されている環太平洋戦略的経済連携協定(TPPA)は、21世紀の貿易協定になるだろうと言っています。

我々にとって、21世紀の条約は、今後90年間にわたる我々の生活、地域社会、そして地球を形作るための様々な課題に対応するものでなければなりません。気候変動、金融不安、先住民の権利、食糧主権、エネルギー不足、世界的流行病、不安定、不平等と貧困や、企業の強欲に対する制約。

ところが、提案されているTPPAは、国境を越え、ニュージーランドに奥深く押し入り、金融規制を制限し、外国投資家に対し、新たな権利を認めるだけでなく、医療、エネルギー、天然資源や文化等が、どのように規制されるのか、我々の税金がどのように使われるのか、どのような食品安全や標示が認可されるのか、医薬品が無理なく買える価格のままでありつづけるのかどうか、等々までも制限するものだと我々は理解しています。

あなたが提案されていることと、交渉のやり方は、非民主的で偽善的です。

第一に、TPPAは、ニュージーランドの国内政策や法律を今後何十年も拘束します。将来選出された政権が異なる要求を持っていたり、新たな現実に直面したりした場合でも、両手を縛られたままになるのです。

第二に、条約の下でのニュージーランドの義務は、ニュージーランドの国内裁判所ではなく、国際裁判所によって、強制されます。この条約にを遵守しそこねた場合には、少なくとも、政府は貿易経済制裁に直面します。そして、最悪の場合、外国人投資家は、彼等の新しい特権を執行するため、秘密の国際裁判所に政府を訴えることができます。

第三に、ワイタンギ条約の下で、あなたが、マオリ人には拒否している、権利保障と強制力を外国人投資家に与える貿易条約を、あなたは提案しています。

第四に、あなたは、こうした交渉を秘密裏に行っていますが、これが新規の国内法であれば、国民や国会議員は、決して許容しないことです。より透明なTPPAプロセスによってこそ、過誤に対する何らかの基本的予防策が実現し、交渉担当者や政府では気がつかない可能性のあるリスクが識別できるでしょう。そうすることで、TPPAは、特別な利益団体や多国籍企業が、利益や特権を得る過去の貿易協定モデルを、本当に置き換わえるものであると、国民を説得するのにも役立つでしょう。

透明性を高めたら、交渉が台無しになってしまうだろうという口実は、あなたの提案は精査という日の光には耐えられないという思い込みが前提にあるのです。透明性の拠点という名声とは縁遠い世界貿易機関(WTO)ですら、各国文書や交渉文章を、精査の為に、彼らのウェブサイトに投稿しています。もし政治家と交渉担当者が、しっかりした、開かれた、情報に基づいた議論を通して、国民を説得できないのであれば、ニュージーランド国民の名において提案しておられるものについて、交渉を進めるべきではありません。

ニュージーランド政府のウェブサイトに、TPPA交渉で、政府が提案する全ての文書を、同時に公開するとニュージーランド政府が約束し、また2011年2月のチリにおける来るべき交渉で、他のあらゆるTPPA交渉参加国に下記を提案し、参加諸国が共同でこれらに同意することを、最低限のこととして、我々は要求します。

   1. 政府も市民社会も、情報を投稿し、対話と議論に、平等な立場で参加できる公共ウェブサイトを立ち上げ、維持すること。

   2. 各章の草稿文書を、完成された時点で投稿して、専門家と公開審査に対し公開すること。世界的金融危機を考えれば、ふさわしい出発点は、2010年12月オークランド・ラウンドでまとめられた、投資と金融サービスに関わる文章です。

   3. 交渉の間に提出される特定の主題に関わる諸国の政策方針書の投稿。

   4. 今日までTPPA推進派の企業ロビイスト団体が享受している特権的な扱いを止め、提案されている協定を支持している側か、批判的な側なのかに関わらず、あらゆる市民社会が、情報を、等しく入手でき、プロセスに関与できるという保障。

そのような透明性に同意できず、開かれた論議を認められないのであれれば、TPPA交渉プロセスの信用は、更に損なわれます。そういう態度は、交渉文書から、民主主義的な正当性と、21世紀に機能するため必要な、国民と国会議員の快諾を奪うことになります。

記事原文のurl:tppwatch.org/what-is-tppa/release-the-text/

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鞄の中にいれたまま読まずにいた『世界』2011年1月号を見つけてびっくり。

特集 原子力復興という危険な夢 (読みごたえがある。)

そして、「浮足立つ民主党政権にTPP協議をまかせられるか」田代洋一 79ページ

「こういう状態なので、TPP参加検討は無期延期させて頂きたい」と宗主国に言うべきだろう。

『柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会』

で、今回の問題に関する田中三彦氏、石橋克彦氏のコメントが読める。

不思議なことに、元々石橋克彦氏のコメントが載った毎日新聞ウェブ、コメントが読めなくなっている。北朝鮮に決して負けない素晴らしい言論統制。

「原発は安全だ」と言い続けてきた御用学者連中、高級官僚、業界幹部の声を、その理論が破綻した今もマスコミは垂れ流す。「敗軍の将兵を語る」欠陥商品押し売り。その背後には、地球温暖化説なるものによって、原発商売を企む宗主国がいるだろう。

原子力安全・保安院、原子力完全不安院に聞こえてならない。

体制・大勢の圧力にもめげず「原発は危険だ」と主張し続けてこられた石橋克彦氏の発言をとりあげるマスコミ、一局としてない。それは国策上、許されないのだ。

そうした見解が一般的になれば、国内では、これ以上原発をつくれないだけでなく、浜岡原発のように、即時停止を要求される原発が増えるだろう。そして、なにより「原発の世界輸出」という宗主国・属国政府・業界の夢が崩壊してしまうのだ。

どこかのアナウンサー「正しい政府発表、マスコミ報道を信じてください」というような発言をしていた(「不安を煽る素人ブログなど信じるな」というニュアンスを感じた。)

誰でも「正しい政府発表、マスコミ報道を信じたい」。論理的・合理的であれば。

東電や枝野官房長官発表、典型的な「知らしめず、寄らしめよ。」

少ない、遅い、わかりにくい情報。対策は後手後手で、公式発表では触れたがらない悪い方にばかり進展していては、信じろというほうが無理だろう。

無茶な戦争を始め(始めさせられ?)、国体護持?のため、降伏を延々引き延ばし、人体実験原爆まで落とされ、国民を犠牲にした大日本帝国から教訓を学んだのか?政府、官庁、メーカー、学者の面子護持のため、国民を犠牲にする失敗を繰り返すのか?今回は、天皇のお言葉ではなく、宗主国の命令で。

戦争末期、日本軍は、「敗退・撤退」ではなく、「転進」を続けていた。

福島原発関係者は、「避難」ではなく、「移動」を開始した。

ニューヨーク・タイムズは、米空母ロナルド・レーガンからトモダチ作戦で、食料を空輸したヘリコプター乗員が被爆したと報じている。いまは、ロナルド・レーガン、そうした危険のない海域で待機している。

ヘリコプターから、乗員が、救援物資を、さも貴重品のように抱えて運んでいる映像を見て、イラク、サマワの給水を連想した。水を配給したり、道路工事をするのであれば、軍隊が出てゆく必要皆無だろう。サマワの水のコスト、NGOに手配依頼するより、三桁?高い水になっているという記事を読んだ記憶がある。

トモダチ作戦、ヘリ乗員米兵が大切そうにかかえていた食料、米空母ロナルド・レーガンの運用経費を考えれば、例えば1万円の乾パン!になってしまうのではなかろうか?

本当に日本を思うトモダチであれば、無理やり買わせた米国債、「どうぞ一部を売り払って、対策費用を工面してください。」というのが筋だろ。「TPP押しつけはやめます」というはずだ。もう、金輪際、思いやり予算みかじめ料はむしりません、というはずだ。空母はいらないが復興資金はいる。在日米人救助の為にやってきた、というのであれば理解できるけれども。

そうでなければ、結局は、毎回しつこく繰り返し書いている「宗主国・属国」関係の証明、ワニの涙。有意義な意味のない洗脳パフォーマンス・報道は止めて欲しい。

ustream記者会見で拝見した元原子炉格納容器設計者、後藤政志氏こそ脚光を浴びるべきだろう。WikiLeaksのアサンジュでなく。東電、官房長官、御用原子力学者の発表・説明と実に対照的。彼の説明、遥かに真摯。毎回の通訳の素晴らしさ。

無知な小生、自分や同胞の不幸を望んで悲観的記事を書いているわけではない。「素人の懸念、とんでもない妄想だった」と笑われたいものだ。

これから、4号炉が大問題になるだろう。津波で住めなくなった地域に、さらに、広大な汚染地区が加わる。チェルノブィリ原発事故の汚染地区の現在を想像されたい。原子力発電を推進した皆様全員に、是非、消火活動なり、なんなりに従事していただこう。自分でできないことを人にさせてはいけない。「自己責任」

東京電力のウエブに、「環境放射線データの公開」というモニタリング・ポストのページがある。福島第一原発と福島第ニ原発のそれは、「調整中」とある。調整中?柏崎刈羽原発のものには数値がある。そして一番?関心がある東京の電力館、何と「調整中」とある。素晴らしい広報活動は感涙ものだ。

「この期に及んで、原発推進を言い続けられる方々の論理」素人にはわからない。

2011年3月13日 (日)

ルーマニア労働者階級にとっての民営化の帰結-近うて遠きもの・遠くて近きもの

Diana Toma

2011年3月11日

昨年末、共産党犯罪調査・亡命ルーマニア人記録研究所によって行われた“ルーマニアにおける共産党政権に関する態度と意見”と題する全国的調査で、ニコラエ・チャウシェスク独裁政権の崩壊から20年後、回答者の45パーセントが、暮らしは、現在より、1989年以前の方が良かったと感じていることが判明した。調査は資本主義の復興にともなって、ルーマニアにもたらされた社会的・経済的条件に対する批判だ。国民はより大きな表現の自由を享受することとなったが、ルーマニアの生産基盤は崩壊し、生活水準は急激に低下した。

1989年以来、国営企業の民営化が、ルーマニアの市場改革の主要な特徴だ。過去20年間、ほとんど全ての主要産業、工場、研究所、炭鉱が閉鎖された。1990年代中期に始まった工場の売り出しは儲かる取引で、僅かな金額で民営化が遂行された。工場を買収して、生産能力を継続すると約束した連中は、間もなく、工場を倒産に追いやり、バラバラにして売り払った。一例だけあげれば、1989年に存在していた14の製鋼所のうち、今日も稼働しているのは、わずか1箇所だ。

石炭産業も同様な運命を甘受している。1997年の130,000人という炭鉱労働者と比較すると、今日炭鉱でいまも働いている人々は、わずか21,000人だ。1990年には、鉱業で、350,000人が直接、更に700,000人が間接的に雇用されていた。生産崩壊は事故の急増がともなっていた。1989年12月以来  50件以上の激甚な鉱山事故がおきており、最悪の事故は、2001年8月に、ヴルカン炭鉱で発生したもので、14人が死亡し、4人が負傷した。また、2008年11月にはペトリラ炭鉱で、13人の炭鉱労働者と救助隊員が死亡し、17人が負傷した。

ジウ渓谷では、鉱業のリストラで、何千人もの人々の唯一の収入源が消滅した。このプロセスは、今や全国規模に拡大される予定だ。2011年1月から始まり、ルーマニアの既存鉱山の半数は、ルーマニアを、最近承認された、EUにおける採算の取れない鉱山を、2014年10月までに閉鎖するという欧州委員会の目標に沿わせるべく、閉鎖計画の対象になる予定だ。もしも、この法規が、現状の姿のまま、国会で承認されれば、現在も国営石炭会社(CNH)で働いている約8,800人の従業員の多くが、増大する失業者の大群に加わることになろう。

農業の話題となると、ルーマニアは矛盾した国だ。ルーマニアの耕作に適する土地は、全土の39.5パーセントにおよぶ。ルーマニアは、世界でも主要な穀類輸出国だった。1990年、穀物輸出はほぼ完全に崩壊した。以来、多少は回復したものの、地方の生活水準は極端に立ち遅れている。地方に暮らす人々のわずか33パーセントしか、水道が使えない。10パーセントのみ下水が使える。満足な品質の道路はわずか10パーセントに過ぎない。

ルーマニア農業破綻の主要指標は、農産物輸入のレベルだ。その価格が280万にも上った、2010年農産物輸出の35パーセント増加にもかかわらず、輸入は依然として、かなり大きく、350万にものぼる。

公共サービス部門では、国際通貨基金が、電気、ガス、水道や、固定電話等、一連の元国家による独占事業の徹底的な民営化を強いた結果、消費者にとっては価格が上昇した。近い将来の民営化候補は、CEC銀行、タロム(国営航空)と、ルーマニア郵政事業だ。公的医療制度もリストラ過程にある。

厚生省は現在何十もの病院の再編・合併を準備している。現在合計435の国立病院のうち、111が合併し、71は介護施設に変わる。首相は、聾唖児童向けのリハビリテーション・サービスを提供するためには施設を閉鎖する必要があると主張して、ブカレストの唯一の耳鼻咽喉病院も解体しようとしている。

長年の不完全な経営、腐敗と大幅な財源不足の結果として、国民の一部は、病院民営化が消滅から救う唯一の方法だと確信している。同時に、リストラの取り組みに反対する一連の抗議も行われている。

市立病院が介護施設に変更される予定の住民45,000人の小さな市ババダグで、デモが行われた。タンデレイ(東部ルーマニア)では、厚生省にリストラ決定を破棄するよう要求して、市庁舎の前で300人が抗議した。イアシでは、救急病院の前で、その医療部門が他の施設と合併されることを怒って、何十人もの人々がデモをした。病院閉鎖によって、30,000人の住民が医療を受けられなくなるアグニタ(シビウ県)でも、数百人が街頭に繰り出した。住民の中には最寄りの施設が70-90キロ先になってしまう人々もいる。

決定発表の報道発表で、厚生省は、ルーマニアの病院のリストラは“保健所や地方自治体と、数ヶ月間協力した上で実行された”と主張している。現実には、査定は、何と一日に10病院という勢いで、三チーム、二週間の性急な評価でおこなわれた。いかなる形でも、地方自治体は相談を受けていない。

公共サービスが破壊されるなか、労働生産性を増加させ、労働者の権利を奪うために、労働法規は書き換えられつつある。IMFと多国籍企業の命を受けて、3月8日に、ルーマニア完成する必要がある注文や、プロジェクトがある場合には、雇用者が、一日の労働時間を、8から12時間に延長することを許可する新たな労働法が成立した。休暇日数も、連続15日から10日へと減らされ、特定の従業員の病欠が多すぎると思える場合、雇用者が休暇をなくすことが認められる。健康問題のある労働者も法的保護をはぎ取られる。現在、企業側は、労働者がストライキをした場合、労働者を解雇する権利を得ようと狙っている。

今年早々、ガラツィ、アルジェシュ、ゴルジュ、コヴァスナ、シビウ、ビストリツァ各県で、この“奴隷への回帰”に反対して、数千人が街路に繰り出した。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2011/mar2011/roma-m11.shtml

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査定は、何と一日に10病院という勢いで、三チーム、二週間の性急な評価でおこなわれた。

B層向けパフォーマンスとしての事業仕分け・規制仕分けの「モデル」そのもの、ここにあり!

報道で吉里吉里という地名を聞いて、井上ひさしの傑作『吉里吉里人』を思い出した。

この地方が独立してしまうという奇想天外な話だが、医療や農業についても頭の体操になる話だったと記憶している。

日米属国保障条約のもと、思いやり予算(重い槍予算)をユスりとり、侵略用の海兵隊基地を強化し、郵政預金横取りをはかる、最強で最も密接な同盟国宗主国、本当に無心で援助をしてくれるだろうか?戦争が目的の世界最大の組織、どれだけ復興活動に役立てるのだろう?素人にはなんとも不思議な論理。ハイチをみればおのずと答えはでそうだ。(下記をどうぞ)

藤永茂先生の『私の闇の奥』の例えば、2011/01/12ハイチの今とこれから

拙訳記事:ハイチから一年

既に、やなぎ様がコメントされている通り、「公正」「人道」「正義」とは対極にある宗主国からの不気味な申し出。属国政権は喜んで受けるだろう。

3/10、『知の巨匠加藤周一』刊行。世田谷文学館で開催された講演シリーズ、知の巨匠-加藤周一ウィークをまとめた本だ。時節柄、大江健三郎講演「いま『日本文学序説』を再読する」の41ページを引用させていただこう。加藤周一は血液学の専門家であり、原爆投下のすぐ後、広島で調査をしている。加藤の「近うて遠きもの・遠くて近きもの」自体は、自選集第10巻に収録されている。

 「もし清少納言が今日の日本に生きていたら「遠くて近きもの」として原子爆弾と原子力発電所を挙げるだろう」と加藤さんはいう。「核戦争のおこる確率は小さいが、おこれば巨大な災害をもたらす。原子力発電所に大きな事故のおこる確率は小さいがゼロではなく、もしおこればその災害の規模は予測し難い。一方で核兵器の体系に反対すれば、他方で原子力発電政策の見なおしを検討するのが当然ではなかろうか。東海村に事故がおこれば、「ヒロシマ」を思い出すのが当然であろう、と私は考える」、というのがその正確無比な結論です。
 広島と同じようなことが、今の日本の各原子力発電所で起こり得る。しかもその規模は、広島核爆発を大規模に超えるものである。そうなる前に私たちは、核兵器と原子力発電所は「近うて遠きもの」ではない、「遠くて近きもの」だと考えなくてはならない。

「地震予知」なるものが、ニセ学問であることが、今回の大地震でもよく分かる。浜岡原発の近くでおきる東海地震は「予知できる」ことになっているが、真っ赤な嘘だろう。東海地震は浜岡原発倒壊地震。

島村英紀著 『地震予知はウソだらけ』講談社文庫を、お読みいただきたい。良心的な学者が、良心に基づいて行動すると、冤罪の罠にはめられ、投獄される。『私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか』はその記録だ。そもそも世界的に通用する「ツナミ」なる科学用語の本家日本の沿岸に「トイレのないマンション」原発を無数に建設することに無理がある。「地震予知」研究とは、それを安全だと言うための行為だろう。安全なら是非『東京に原発を』。

本を読む暇がない方も島村英紀先生のホーム・ページをお読みいただきたい。

また、名著『大地動乱の時代 地震学者は警告する』(岩波新書)の著者、石橋克彦先生の迫り来る大地震活動期は未曾有の国難である」衆議院予算委員会公聴会で石橋克彦教授が原発震災を強く警告(全文)も、是非ご一読を。

商業マスコミに、下記のような記事が掲載されるだろうか?弱小政党の機関紙でないと重要な真実は知ることができない見事な例のようだ。

チリ地震が警鐘 原発冷却水確保できぬ恐れ 対策求める地元住民
2010年3月1日(月)「しんぶん赤旗」

メルトダウン炉心溶融については、現在、世界最先端を進んでいる日本。TPP加盟により、例えば、医療制度も、アメリカ人もうらやむ医療制度を捨て、ルーマニアに続くだろう。いや、金持のみ生き残れるアメリカ医療制度に続くか?

我々は、果たして数十年後、小泉政権時代を懐かしむようになるのだろうか?なんとも恐ろしい未来。

ルーマニアの労働者の運命、日本人にとって、原発同様、遠くて近きものだろう。

2011年3月11日 (金)

新たに暴露されたTPPA文章はアメリカが強硬姿勢であることを示している

tppwatch.org

Media Release: ジェーン・ケルシー教授。2011年2月17日木曜日

今週サンチャゴでの環太平洋戦略的経済連携協定交渉において、再び秘密文書が暴露されたが、今度はアメリカ合州国の交渉文に関わるものだ。

文章で、アメリカが、知的財産権について、ニュージーランド提案と全く対照的で、非常に攻撃的な姿勢をとっていることが確認できると、交渉に正規登録した“利害関係者”としてサンチャゴ滞在中のジェーン・ケルシー教授は語っている。

文章を読んだ人々は、オーストラリアのアメリカとの自由貿易協定を基に作られていると報告していると、彼女は語っている。

“著作権に関しては、例えば、アメリカは著作権利用者に対し、論議を呼ぶ制限を提案しているが、例外規定部分には“後で具体的な文字が入る場所を示す記号”が置かれている。”

“影響を受ける二つの分野は、並行輸入とインターネットを使った一時的複製だ。”

“並行輸入条項は、著作権のある書籍、音楽CDやDVD等の低価格品に対し、厳しい制限を課すだろう。”

一時的複製条項の下では、作成されたデジタル・メディアのあらゆる利用は、コンテンツの所有者の管理下となる。

消息筋は下記の様に説明したとジェーン・ケルシー教授は語っている。“言い換えれば、記事を誰かに電子メールで送信する際の付随的なコピー等は、そうした行為が除外とされていない限り、権利所有者の管理の枠外では、インターネット経由で行うことはできないのです。”

こうした方法では、それを避けるため複数の例外が必要となり、インターネット利用が全く実用的でなくなってしまいます。アメリカには膨大な例外事項があるのに、明らかに、他国には同じことをして欲しくないのですと、ケルシー教授は語っている。

“つまりアメリカは、こう言っているわけです。“我々はアメリカ国内で、全ての好きなコンテンツを無料で利用できるが、我々が国内では支払っていないものに対し、あなた方には、アメリカの多国籍企業に支払って欲しいのだ”と、アメリカの文章を読んだ別の情報筋は語っている。

“アメリカには、知的財産権ということになると特に強硬だという実績があり、最後までもめることが多い。”

“アメリカは、ニュージーランドに対し、強硬な姿勢でくることが予想されます。ニュージーランド側の交渉者も、同様に屈服しないよう期待すべきです”とケルシー教授は語っている。

記事原文のurl:tppwatch.org/2011/02/17/new-leaks-of-tppa-text-show-u-s-is-playing-hardball/

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同じ人種のニュージーランド人に対しても容赦ないようだ。まして日本。屈服しないよう期待すべくもない。65年間、一度として屈服しなかったことはないのだから。

石原知事が大地震の最中に出馬表明。松沢神奈川県知事、都政の市場経済運営を目指すワタミの渡辺美樹が出揃ったあとで、うまい日程のはずだった。地震さえなければ。さらには東国原も立候補か。本格的大根戦。

余りに不思議なタイミングの巨大地震。

福島原発、冷却水用の非常電源が全て動かないという。メルト・ダウンと無縁だろうか?

前日読んだ新潮文庫、小川未明童話集の一話「赤いろうそくと人魚」を思い出している。あの主題、今の日本を連想させるのだ。最後の文のみ引用しておこう。

幾年もたたずして、そのふもとの町はほろびて、なくなってしまいました。

2011/3/12 2:16追記:

現在、福島原発のメルトダウンが始まっていると政府?が認めていると、テレビが報道している。広島・長崎に、生体実験としての原爆投下をされた国で、とうとう世界初のメルトダウンがおきようとしているのだろうか。

ロサンゼルス地震で、道路が崩壊した際、「日本の道路技術力は高いので、同じことは起きない。」というのが学者の説だった。そして阪神大震災、何が起きただろう。

チェルノブィリ事故の際、「日本の原発技術力は高いし、方式も違うので、同じような大事故は起きない。」というのが公式発表だったろう。全世界に、真実が明らかになる。

2011年3月 9日 (水)

オバマ大統領、2012年度予算でベネズエラ反対派向け資金援助を要求

2011年2月17日木曜日

EVA GOLINGER

アメリカ政府は、反チャベス団体を支援し、チャベスの対立"候補者"をしつらえるのを助けるべく、資金援助をせがみ、2012年ベネズエラ大統領選挙の下地を作ろうとしている。共和党は、この産油国に対して"禁輸措置"を呼びかけている。

今週、バラク・オバマ米国大統領は、アメリカ合州国史上で、最も大きな予算である、3.7兆ドルの2012年予算を、議会に提示した。国中で、重要な社会保障制度や、連邦政府による失業対策プログラムの削減を提案しながら、膨大な要求中で、ベネズエラの反チャベス団体に対する特別な資金援助は別枠なのだ。

この途方もない3.7兆ドルの要求には、ペンタゴンの増え続ける年度予算として、6700億ドル以上が、諜報組織向けに、ほぼ750億ドル、国務省と米国国際開発庁(USAID)向けに、557億ドルが含まれている。

(国務省)対外活動予算は、ベネズエラの反チャベス団体に対する、少なくとも500万ドルの直接的資金援助の詳細を、最近、初めてあからさまに述べている。具体的には、予算を正当化する文書は、"これらの資金は、ベネズエラの市民社会における民主的な場の保護に対する強化、支援を助成し、ベネズエラ国民の利益と要求に貢献しようとするものである。資金援助によって、国民が客観的な情報を入手しやすくし、重要な問題についての平和的な議論を促進し、民主的な機関や過程への支援を提供し、市民参加を促進し、民主的な指導者達を後押しすることになる"と述べている。

アメリカ納税者が納めた何百万ドルを、外国の政治団体への資金援助に振り向ける正当化の記述言語は"美しく"響くかも知れないが、過去八年間、この種の資金援助は、終始、ベネズエラにおいて、民主的で、大多数が支持しているウゴ・チャベス政府の、破壊と不安定化推進の主要供給源だった。公的文書によると、2008年から2011年までの間だけでも、米国務省は、ベネズエラの野党に、4000万ドル以上を注ぎ込み、こうした資金を、主としてベネズエラ世論に影響を与えるための反チャベス大統領選挙運動やプロパガンダに振り向けてきた。

オバマの2012年予算における、ベネズエラの反チャベス団体への資金援助要求は、国務省の"経済支援基金" (ESF)という名称の部局から出されたものであり、国務省フィリップ・クロウリー広報担当官によれば、ワシントンにとって"戦略上で重要、大事な国々"のNGOや他の非政府団体に資金援助する為に使われる。ESF資金に加え、ベネズエラ野党には、この南米の国家における政治運動、マスコミによるプロパガンダや、他の不安定化活動用の資金援助として、更に数百万ドルが、全米民主主義基金 (NED)、国際共和研究所(IRI)、米国民主党国際研究所(NDI)や、その他の様々なアメリカや、アメリカの狙いを推進する世界中の団体を支援する国際機関を通して注ぎこまれている。

違法な資金援助

ベネズエラの野党に対する2012年の資金援助に関する国務省の情報公開は、2010年12月末に、ベネズエラ国会が、政治活動に対する外国による資金援助を禁じる法律を成立させた直後のことだ。政治的主権および国家自決擁護法は、NGOを含む、政治活動に関わる政党や団体の政治運動に対する、全ての外国による資金援助を、明白に違法としている。そのような資金援助は、明らかにベネズエラ法に違反する状況下で、ワシントンは、この500万ドルを、一体どのようにベネズエラの団体に注ぎ込む提案をするつもりなのだろう?

過去数年、対外活動予算は、ベネズエラの政治団体に対する国務省資金援助の詳細を決してはっきりとは述べてこなかった。2002年以来、ワシントンは、米国国際開発庁の事務所、移行イニシアチブ室(OTI)を使って、数百万ドルもの資金援助を、ベネズエラ側のパートナーに注ぎ込んできた。カラカスで秘密作戦のように運営されており、ベネズエラへの事務所設立を、ベネズエラ政府から決して承認されていなかったOTI事務所は、2010年末に突然閉鎖し、ワシントンとマイアミに活動拠点を移した。これは、アメリカ史上でも、もっとも長期間継続されているOTI活動だ。

明らかに、ベネズエラの野党に対する資金援助と、政治的支援は、今や最優先事項とされており、国務省によって直接扱われるのだ。

2012年度用に要求されている国務省の資金は、ベネズエラで、この年、大統領選挙と地方選挙の両方が実施されるので政治運動に振り向けられる可能性がきわめて高い。

国務省予算は、キューバ革命を弱体化させるための活動を継続するため、マイアミ等にある反カストロ団体向けとして、2000万ドルの資金も要求している。

アメリカの納税者達は、自分たちが苦労して稼いだドルが、国内で職や医療や社会福祉政策に投資されるのではなく、他国の政治活動援助資金に使われることを知っているのだろうか?

対ベネズエラ輸出入禁止

今週、共和党下院議員で、下院西半球外交小委員会の委員長であるコニー・マックは、オバマ政権に、ベネズエラに経済制裁を課することを要求し、正当化の理由として、テロ集団とのつながりを引き合いにだした。

南部フロリダ州選出のネオコンであるマックは、アメリカが、ベネズエラを、今年の"テロ支援国家"リストに載せることも要求したが、これは同下院議員が過去三年間、繰り返し行っているが実現していない請願だ。

保守政治活動会議(CPAC)での演説で、民主的に選出されたベネズエラ大統領のことを、マックは、"中南米における自由と民主主義を破壊すべく"、"弾圧、攻撃、テロと麻薬"等の"武器"を使用する"暴漢主義者"と呼んだ。

マックは彼の理不尽な主張を裏付けるいかなる証拠も提示しなかった。このフロリダの共和党議員は、ウゴ・チャベス大統領 "西半球のオサマ・ビン・ラディン、アフマディネジャドと化した"とまで主張するに至っている。

過去数年間、ワシントンの右翼連中は、ベネズエラへの直接の武力侵略と介入への要求をエスカレートしてきた。連中の要求には、国際的にベネズエラ政府を"孤立化"させ、チャベス大統領自身を悪魔化させようと活動しながら、ベネズエラ国内で不安定化と混乱の醸成を期待して行われる、反チャベス団体への資金援助増額が伴っている。

それにもかかわらず、ベネズエラ国家元首は、国内で、ほぼ60%の支持率を維持し、世界中で最も尊敬されている指導者の一人なのだ。

記事原文のurl:www.chavezcode.com/2011/02/obama-requests-funding-for-venezuelan.html

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「昔から世話になっている外国籍の知人から20万円だか?の献金をもらっていた」ことを理由に外相辞任。後ろ暗い人物・フロント企業から大金をもらっていたことは、ほとんど追求されない。

一方、宗主国、この記事にある通り、気に食わない政権を打倒し、お気に入りの傀儡を育成するため、対象国の法律に反しても、莫大な資金を平然と流し込む。長期戦略、資金、国産ソーシャル・ネットワーク・テクノロジーを駆使して、政府転覆を実行する。リビヤのカダフィは悪魔としてなじるが、サウジやバーレンで反政府運動を弾圧しても、決して本気では批判しない。

この国でも、岸信介が宗主国から資金を受け取っていたことは歴史的事実。春名幹男著『秘密のファイル CIAの対日工作』にも書かれている。彼の政党やその分派、自民党であり、民主党であり、枝分かれした立ち枯れ日本や、彼らの党だろう。名前や顔ぶれをいくら変えても、傀儡遺伝子はしっかり受け継いでいる。

金を貰うのは悪いが、留学して洗脳されるのは全く問題ない、というのが、また大いに不思議。エリートが「箔をつけて」帰ってくるのだろうと、子供の頃は思っていたが、政治家の場合、傀儡が「洗脳されて」帰ってくるのが実態ではなかろうか?

大昔に読んだ『幕末おろしや留学生』という本に、「どこの国に留学するかで、その後の出世が決まってしまった」という記述があったように記憶している。うろおぼえゆえ、とんでもない間違いかも知れない。ともあれ、アメリカ、イギリスやらドイツ留学組と比較して、ロシア留学組、何の実績も残せずに消えていった。

与党、野党、高級官僚に、宗主国留学者は多数いるだろう。彼等の言動や出世度合いを追跡して調べたものはないのだろうか。

宇沢弘文氏のように、宗主国に留学し、フリードマン略奪経済学の牙城、シカゴ大学で教鞭をとりながら、略奪経済学と正面から対立する経済思想を打ち立てる異才、極めて稀な例。体制派推奨のノーベル賞と無縁であることこそ、真実の褒賞だろう。

話は飛ぶが、メアなる人物の沖縄発言をリークした沖縄四世、トーリ・ミヤギ氏、今後のご成功を祈るばかり。将来、アメリカ大企業、彼を採用するだろうか?彼が起業した場合、取引してくれる起業が多数あるのだろうか?

メア発言「宗主国・属国、更にその属領」関係の露頭であることは確実だ。このブログで、しつこく書いている「安保条約」の廃棄以外に、この属国体制から離脱する方法はありえない。離脱すれば、キューバのように、散々いじめられ、極貧になるだろう。「人はパンのみにて生きるにあらず。」生き血を搾り取られるだけの太った豚でよいのだろうか?

平成の開国ならぬ、平成の売国を進める政権、本来ならば、昔の幕府のように崩壊することこそが運命。政府が崩壊するか、この国が崩壊するか、いずれかなのだ。アラブやら、チュニジアの反政府運動、ひとごとではない。

開国を強行した井伊直弼、桜田門外で暗殺された。暗殺など全く許されないが、彼等が推進している売国も、全く許されない行為。

扶桑社新書『TPPが日本を壊す』を、購入してきた。740円+税。

帯には、

「平成の開国」で、農業、雇用、地域経済は崩壊する。

まさに民主党不況です。

とある。

築地移転問題で、民主党の花輪智史なる議員が寝返って、予算案可決だという。このインチキ議員、世田谷区長選挙に出るのだという。こういうでたらめ人間が、めでたく区長になれるような街、区、都市には暮らしたくないと思う。これも、民主党という組織の無原則さを証明する一例だろう。いや、そういう人間が政治家になれる、国民の知的水準の悲しい証明。

2011年3月 4日 (金)

TPPAとは何か?TPP Watch

環太平洋パートナーシップ協定(TPPA)というのは、ニュージーランドと、アメリカを含む8ヶ国の間で現在交渉中の“自由貿易”協定です。この国々は2011年末までに交渉を完結したがっています。

貿易は、この協定のごく一部に過ぎません。実に巧妙なブランド作戦なのです。TPPAは、外国投資家達に特権を保証する協定となるのです。もしも、こうした交渉が成功すれば、この国々は、ニュージーランド政府に、次の世紀中に採用可能な政策と法律を巡る拘束衣を着せてしまう、9ヶ国間の巨大協定を生み出します。遺伝子組み換え作物のラベル、外国投資法規、薬品価格、怪しい金融会社、TV番組中のニュージーランド製コンテンツの規制等を想像してみて下さい …

公開質問状首相へのTPPA文章公表要求の公開質問状は、ここ。

ファクト・シート

   1. 環太平洋パートナーシップ協定にまつわる一般的事実(Word文書)。このページの下部にもコピーあり。

   2. マオリ、ワイタンギ条約とTPPA(Word文書)

   3. 投資家の為の権利章典(Word文書)

   4. ニュージーランドの健康保険に干渉するな!(Word文書)

特定部門の問題

   1. 投資に関する問題 - ここをクリック

   2. 知的財産権に関する問題 - ここをクリック(12月5日のマスコミ発表と、プラスしたいくつかの関連文書のリンク)

   3. 他の問題 - tppdigest.org  および、(オリジナル・サイトの)左にあるリンクをお読みください.

環太平洋パートナーシップ協定にご用心!

なぜ、環太平洋パートナーシップを問題にしなければならないのですか?

もしこうした交渉がうまく行けば、連中は、次の世紀に、ニュージーランドの政権が、どのような政策や法律を採用できるかを巡って、拘束衣を着せられてしまう9ヶ国間の巨大協定を生み出します。

こうした交渉には、どの国が参加しているのですか

2010年11月の時点では、九ヶ国です。アメリカとニュージーランドの他、オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、ペルー、シンガポールと、ベトナムです。

交渉は一体いつ始まったのですか?

交渉は既に三回行われています。四回目はで、オークランドで、2010年12月6日の週に、スカイ・シティー・カジノで行われます!

TPPAは一体何に影響するのでしょう?

鉱業権を含む土地や資源の、外国による所有から始まって、マスコミ法規と、ニュージーランドのローカル・コンテンツ支援、条約処理、金融投機規制、薬品価格、食品の必須ラベル表示、派手な柄がないタバコ包装、公共サービスの民間開放(PPP)による、水道、刑務所、学校や病院の私企業への外注契約等々にいたるまで、あらゆることです …

ニュージーランドのどの政策が、アメリカの主な対象になるのですか

アメリカの通商部は、各国の‘貿易障壁’に関わる年次破壊予定項目リストを公表しています。ニュージーランドの現在の罪業には下記のようなものがあります。

-    遺伝子組み換え生物販売と製造の規制と遺伝子組み換え食品のラベル

-    ニュージーランドの厳格な検疫とラベル(衛生、および植物衛生)規則

-    並行輸入、特に音楽とコンピューター・ソフト

-    デジタル・メディアや医薬品の知的財産権保護。

-    医薬購入と補助金に関するPharmac体制

-    放送上の自主的なローカル・コンテンツ割り当て

-    競合他社や新規参入者に対するニュージーランド・テレコムの優位

-    外国投資への規制強化

一体どうして、それが‘貿易’協定と言われるのですか

巧みなブランド戦略なのです。これは実際には、どれかのTPP加盟国に本社をおいて活動する外国投資家に権利を保障する協定です。エンタテインメント(ワーナーやソニー)、医薬品(メルクとファイザー)、鉱業(RTZやBP)、タバコ(フィリップ・モリス)、小売業者(ウォルマートやウールワース)、金融分野(メリル・リンチ、ウエストパック銀行、AIG、マッコーリー、JPモルガン)、農業関連産業(カーギル、モンサント)、民間水供給業者(ベクテル、ヴェオリア)を想起して下さい。まだ他に色々あります。

1990年代に我々が挫折させた多国間投資協定MAIのようですね!

これはステロイド剤で強化した多国間投資協定です。TPPというのは、実質は秘密裏に設計された大企業用の権利章典で、将来の政権や、将来の政策や法律を決定するという我々の民主的権利に手枷足枷をかけるものなのです。

TPPAは、外国投資家達に、どのようにして特権を与えるのですか

いくつかの段階で行われます。

1. 外国投資を認める法律は固定されてしまい、協定に署名をする前に、法律を強化する権利を、政府が保留しておかない限り、弱体化されるだけになってしまいます。前ニュージーランド政権は、微妙な土地を除いて、既にあらゆるものについて、そうしてしまいました。既存国有企業の民営化と、わずかな数の資産。

2. TPPAは、新法案に関し、外国企業に相談することを保証し、政府は、そうした企業の見解に対し、どう対応したかを示さねばなりません。ニュージーランドに人は、わが国の法律に対して口をはさめるような保証はありません!

3. もし政府が、投資家が連中の投資の価値に影響を及ぼすと主張する新たな政策、あるいは法律を推進すれば、(ニュージーランド国内法に打ち勝つ)TPPAの下では、彼等の権利を侵害したかどで、連中は、何百万ドルも要求して、政府を訴えることが可能です。訴訟は、わが国の裁判所ではなく、国連や世界銀行が運営する秘密国際裁判所で行われます。

まるで、ワーナーの『ホビット』撮影騒ぎの大規模版ですね!

あれはとても重要な教訓です。一つの企業が、いかに政府に圧力をかけ、一夜にして、労働法を変えさせ、医療、早期小児保育、公共輸送機関用のお金はないと言い張る政府から、莫大な租税補助金を手にするかを目撃したのです… もし政府が、連中の気に入らない法律を推進したら、政府を訴えるというこれらの外国企業からの脅威という‘萎縮効果’をご想像ください。

規制の例をいくつかあげてください。

現在検討されている法律の例には、例えば、派手な柄がないタバコ包装、陸上、沖合の探鉱の規制強化、条約上の主張がなされている貴重なものの外国への販売の停止、金融危機に油を注いだ不良金融商品類の販売禁止、外国企業に対する戦略的資産売り渡しの規制、ニュージーランド国内に流入し、流出する‘短期’資金に対する税…

ニュージーランド政府は、一体どの様にTPPを正当化しているのですか

おなじみのセリフ、フォンテラ社の粉ミルクを、巨大なアメリカ市場により売りやすくなる、です。アメリカの経済学者ジョセフ・スティグリッツが言っている通り“これら‘自由貿易’協定の大半は … 管理された貿易協定であり、通常は、圧倒的な交渉力を持っているアメリカ合州国にとって有利なように管理されている。”本当の交渉などは存在しませんし、“ニュージーランドが、希望しているもののうちの何かを得られるなどとは到底考えられません。”連中は、TPPAをアジア-太平洋規模のFTAに変身させることができるかも知れないと考えています。そうなんです!

これに対して、私たちは何ができるでしょう

 

 

 

この協定を止めるために、私たちができることは沢山あります。更なる情報と、連絡先は、こちらにあります。

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原文のurl:tppwatch.org/what-is-tppa/

上記はニュージーランドの反TPP運動サイトTPP WatchのWhat is TPPA?ページ翻訳。話題の官製青年運動連盟とは違い、こういう団体との連帯は意義がありそうだ。

ニュージーランドでは反TPP論集No Ordinary Dealという分厚い本も刊行されている。もちろんamazonでは売っていない。(追記:有り難いことに、和訳『異常な契約 TPPの仮面を剥ぐ』が、農文協から6月30日に刊行された。編者ジェーン・ケルシー教授が来日され、講演もおこなわれた。)

反基地世論や反TPP世論は決して報道しないが、ネットと携帯電話を使った入試カンニング、ニュージーランド地震被災の話は延々と報道してくれる。

ニュージーランド政府の郵政民営化の顛末、他山の石だろうが、大本営広報部は全く報じない。

煩わしい地デジ終了告知に負け、とうとう地デジ・アンテナを立て、テレビを買い換えた。陋屋ゆえ、元のアンテナ配線は細くて使えないので、工事は煩雑。

画面こそ美しくなったが、大本営広報番組、内容は全く同じ!

しかも手持ちの古いHDDレコーダーでは、録画しても、DVDコピーができない。

導入しろと宣伝を繰り返す地デジの利点、一体何なのだろう?

導入しろと恫喝・宣伝を繰り返すTPPの利点、一体何なのだろう?

昔読んだ『売られ続ける日本、買い漁るアメリカ』、2006年3月刊、『姿なき占領』2007年1月刊、いずれも本山美彦著、を再読している。今読むと、まるで現在のTPPキャンペーンを予知していたような内容だ。

2011/3/6追記:

『表現者』35号、特集 TPPは亡国への道

「特集鼎談 国防としての保護主義」をはじめとして、読み始めたら止められない記事満載。定価1300円。

2011/3/8追記:

岩波書店『世界』4月号、特集 TPP批判-何が起きるか

大本営広報部A紙、今朝の「ジャパン・ハンドラー二人と論説委員のアメリカ言いたい放題TPPプロパガンダ」とは対照的な素晴らしい特集。必読文献。

    • 「宇沢弘文×内橋克人対談」 圧巻の対談。
    • 「Q&A TPPで何がどうなる」 中野剛志
    • 「平成の開国」-四つの落とし穴 本山美彦
  • 座談会 地域の力でTPPを打ち返そう

「宇沢弘文×内橋克人対談」の中で、この文章にある、多国間投資協定MAIに、お二人は詳しく言及している。

2011/3/10追記:TPP問題に特化した下記サイトがある。

TPP(環太平洋経済連携協定)の問題

2011/10/5:

参加したら終わってしまう国を売られる瀬戸際のTPP問題:中野剛志・緊急メッセージ

 

 

 


参加したら終わってしまう国を売られる瀬戸際のTPP... 投稿者 HEAT2009

 

 

 

 

2011年3月 1日 (火)

同じ偽装、同じ嘘:30年前、私はラオスでレイ・デービスの仕事をしていた

Robert Anderson

2011年2月28日 "Counterpunch"

レイモンド・アレン・デービスの事件は私にとってなじみ深い話で、アメリカ政府にはこうしたことを止めて欲しいと私は思う。こういう行為はアメリカの信頼性を損なってしまう。

デービスは、パキスタンはイスラマバードのアメリカ大使館の外交官を装って働いていたスパイとして拘留されているアメリカ人だ。何故諸外国がもはやアメリカを信じず、中東至る所で、大魔王に対して人々が蜂起しているのかを読者はお分かりだろう。

ベトナム戦争時、ラオスという国は、今日アフガニスタンに対して、パキスタンが占めているような地政学的な位置にあった。パキスタンにおいてと同様、ラオスでも、アメリカは独立した国民に対し、CIAを使って、秘密軍事作戦を遂行していた。

私はラオスでのCIAエア・アメリカ作戦に従事すべく配属された空軍の破壊技術者だった。我々は軍の身分証明書と制服を返却し、国務省の身分証明書を発行してもらい、ジーンズをはいていた。捕らえられた場合には、もし生き残れたら、外交官特権を主張するよう教えられていた。ラオス、カンボジア、タイやベトナムの全ての国中で、我々は毎日のように軍事任務を遂行していた。

もしも殺害されたり、捕らえられたりした場合には、我々は恐らく捜索されないだろうこと、アメリカにいる家族は、我々は何らかの自動車事故のため、タイで亡くなったのだと言われ、遺体は回収されないだろうことも知っていた。

我々のチームは、国連査察官や国際的なメディアが、いつ到着予定なのか知っていた。我々が飛行場を支配していたのだから。質問をされずに済むよう、我々は隠れ家に姿を隠すのだった。これは、アメリカ大使館の軍と外交官が関与した全て非常に良く練られた60年代の作戦だった。私がいた1968年のテト攻勢の間もこれは長期間続いていた。これは、我々が敗走し、戦争そのものを失敗だったとして放棄せざるをえなくなるまで、長い間続けられた。

アメリカの狙いに対して忠実ではないと判断された人々の組織的暗殺を遂行するラオス・プログラムに私は配属されていた。それはフェニックス・プログラムと呼ばれており、インドシナ半島中で推計60,000人を抹殺した。我々はラオスの民間インフラに驚くべき損害を与えたにもかかわらず、戦争に敗北した。私が訓練していた傭兵のあるチームが、彼等が殺した民間人の死体から切り取った耳を入れた袋を見せてくれたことがえる。これが、彼等が殺人したことを我々に証明する方法だったのだ。当日グリーン・ベレーは、死んだ人々の写真を撮影し、耳だけ取っておけば良いと彼等に言っていた。

メル・ギブソンは、こうしたこと全てについて『エア★アメリカ』という映画を制作した。この映画、背景として、作戦用資金を得るためにCIAが行っていた違法な麻薬作戦も描いている。我々が行っていることに、議会が予算を認可しなかったのだ。私は自分の目で麻薬作戦も見た。これはすべて、アルフレッド・マッコイ著『東南アジアの麻薬政治学』中で詳細に描かれている。オリバー・ノースがそれについて証言したイラン-コントラ聴聞会まで、こうしたこと全てを結びつけることが、私にはできなかった。オリバー・ノースは私が従事すべく配属されたラオス作戦の指導者だったのだ。

アメリカのこうした類の作戦に対する実績は、第二次世界大戦にまでさかのぼる。アメリカは、これを第二次世界大戦時のナチスの戦争から模倣したように思える。アメリカは、これは冷戦に必要だと正当化したのだ。最初の作戦の一つは、イランの油田を乗っ取る為、1953年に民主的に選出されたイラン政権を転覆した、カーミット・ルーズベルトが行ったTPアイアスだった。

あのクーデターでは、ダレス兄弟支配下のCIAと国務省が、これら秘密の、違法で不道徳な行為を最初に完成させた。TP-アイアス作戦こそが、我々が現在も対処を余儀なくされているイスラム教原理主義政治勢力を発動させた出来事だったことを歴史家達は示唆している。

やはり元CIA職員であったチャルマーズ・ジョンソンも、アメリカ国民から真実が隠されている時に起きる、こうしたブローバックについて一連の著作を書いている。

当時アメリカが、我々の問題に対して、違う手法を、つまり、アメリカや他国の国民に嘘をつき、彼等を見境なく殺害することに依存しない手法をとっていれば、アメリカは、海外でいま遭遇している大惨事にはあっていなかっただろう..

ベトナム戦争の時代には、私は若く愚かで、アパラチア出身の無教養な田舎者にとっては一大事である、極秘の国家機密事項取り扱い許可を得ることを切望していた。我々は自分たちのことをジェームズ・ボンドの登場人物のように考えていたが、今の私は多少賢明になっている。こうした類の行為は、重大かつ、はるか後まで及ぶ結果をもたらすものであり、停止されるべきなのだ。

だが、パキスタンでのレイモンド・デービス大失態で、皆が真実と知っていることを世界中の人々に否定する従来のやり方を、アメリカ政府が依然として行っている様が見て取れる。

この公式の偽善は、一体いつになったら終わるのだろう。一体いつになったら、アメリカの政治家達は、これについて口を開き、嘘と策略を続けるのを止めるのだろう? これから更に一体何人のアメリカ国民や他国民が、こうした馬鹿げた計画で死ぬのだろう?

世界中の大半の人々が、中東いたるところで、我々が目撃しているように、今や嘘を見破り、もはや言う通りに首を振ろうとはしないので、デイビスは今まずい状況にある。

“大半”の人々が知っているという言い回しを私がしているのは、軍とCIAを掌握しているはずの、アメリカ国民そのものが、絶えずだまされ続けているからだ。オバマ大統領がデマ宣伝を繰り返しているのを見るのは悲しいことだ。

ロバート・アンダーソンはニューメキシコ州アルバカーキ在住。citizen@comcast.netで彼に連絡がとれる。

記事原文のurl:counterpunch.org/anderson02282011.html

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レイモンド・デービスなる人物、アルカイダ?に核物質等?、ぶっそうなものを供与していたという記事もある。永久戦争の仕込み担当者なのだろうか?

グレアム・グリーンの名作『おとなしいアメリカ人』を思い出した。未読の方がおられたら、是非お勧めしたい本だ。

都知事選挙、想像通り?都政民営化の推進者や、松下幸之助最大の欠陥製品、松下政経塾出身の知事が立候補した。芸能人も立候補するだろう。彼等の誰かが、めでたく都知事となり、石原知事の生活破壊路線を継承・推進してくれるだろう。

国政でも、小さな政府を主張するミニ小泉のような連中が、新たな党派を作り、それが第三の与党になるという。自民民主につぐ傀儡政党だろう。究極の猫騙し八百長。連立しようがしまいが、国政も都政同様、生活破壊路線を継承・推進してくれるだろう。

財務省・外務省の優秀な親米派高級官僚が描く脚本の通りに。

ひどいこと(売国)をした政治家は、落選させ、そうでない政治家に政治を行わせてみるしかないだろうと素人は思うのだが、決してそういうことにはならない。

大多数の国民の皆様が、ストックホルム症候群なのか、あるいは選挙制度がひどく歪んでいるのか、あるいは、その両方なのだろう。

政治家は選挙で選べる・落とせることになっている(二大やら三大政党は、もちろんどれを選んでも、結局同じことになる仕組みだ)。

しかし高級官僚や企業幹部は、国民も都民も、彼等を落選させることはできない。宗主国の覚えがめでたい高級官僚や大企業幹部や学者が、65年間、続けて事業を運営すれば属国化は簡単に実現する。

昭和史を動かしたアメリカ情報機関」有馬哲夫著を読むと、そういう工作が実際に行われていた(いる?)のは事実であり、素人の妄想でないのが残念。もちろん、マスコミもその対象。宗主国の工作、パキスタンやラオスだけの話ではない。

大本営新聞の社説、高らかに?小学校英語教育推進をうたっている。

重要なのは、英会話教育だろうか?誰がどこで何に使うのだろう?

こうした異論を解読する方が大切だろうに。役所の方針、会話重視ではあっても、決して読解、作文力重視とは読み取れない。これも属国化推進策。

テレビ番組「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」。マスコミが煽ったのだという。

そのマスコミ、反省ともう全く無縁。いや、第二次大戦時代より、巧妙かつ徹底しているだろう。小選挙区を煽り、二大政党化を推進し、完全アメリカ属国化推進のTPPを煽り、米日本同盟という名での海外派兵を推進している。大日本帝国大本営の広報部が、宗主国および傀儡政権の広報部に変わっただけの話。今も、相変わらず、マスコミが煽っている。

「日本人はなぜ属国深化へと向かっているのか」を見たいもの。もちろん、そういうテーマ、属国化が完成する今後は決して見ることはできない、幻の番組。

マスコミがデマ宣伝を繰り返しているのを見るのは悲しいことだ。

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