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2011年2月16日 (水)

エジプト革命は起きたのだろうか?

Paul Craig Roberts

Global Research、2011年2月14日

エジプト国民が、アメリカの傀儡ムバラクを大統領職から追い出すのに成功したのを祝うため、私はシャンペンのコルクをポンと抜いた。しかし、2月1日にこれを書いている時点で、ムバラクが去ったことが、後継者がアメリカの同じくびきを着けていないことを保証してくれるわけではないのだ。ジェラルド・セレンテの言葉を借りれば、“新しいボスは来たものの、前のボスと同じ。”

どれだけの革命が起きたのか、現時点ではわからない。マルクスとレーニンなら、数週間の抗議デモの後、ムバラクを辞任させた自然発生的な革命を巡る、理想主義的歓喜には、意欲をそがれたことだろう。マルクスとレーニンなら、何も変わっていないと言うだろう。旧秩序の物質的基盤は、依然として、そのままだ。エリート、警察、軍、官僚、アメリカ大使館。しかも革命を完成へと率いる前衛は全く登場していない。マルクスとレーニンなら、現状、そのまま存在している旧支配秩序の物質的権益が、エジプト国民の物質的権益と調和するという、広く行き渡った考え方を軽蔑するだろう。

マルクスとレーニンは、旧秩序の全ての代表を破壊しない革命は成功しないと信じていた。マルクスとレーニンは、歴史上有効な力は暴力だと言った。ボリシェビキは、旧秩序が復権しうるという望みを完璧に消し去る為、皇帝の一家全員を殺害した。

暴力なしで成功した革命はいくつあるだろう? アメリカ革命さえも、ジョージ国王に対してのみならず暴力的だった。自分はイギリス人だと考え、イギリスに忠実な入植者達は土地を奪われ、カナダに逃れざるを得なかった。マルクス主義者ではなかったが、アメリカの革命家達は容赦が無かった。

多分、我々がエジプトで目撃しているのは、冒頭段階に過ぎないだろう。もしもエジプト人が、大して変わっていないことに気がつけば、彼等は再度、一層断固たるやり方で、今度は集中した指導者の下で、爆発するだろう。もしこの革命が鎮圧されれば、次なる進展は内戦となり、地域戦争が21世紀最初の“大戦争”になるというセレンテの予言へと発展しかねない。

エリートは数の上では、ずっと下回っており、どこの国でも、エリートは資源と機会を独占し、自分達ではどうして良いかわからない程の富と収入を所有している。http://www.opednews.com/populum/linkframe.php?linkid=126917 莫大な富で身を固めた少人数が、膨大な怒りで身を固めた多数の人々に打ち勝つ可能性は低い。

それでも、マルクスとレーニンを過大評価すべきではない。物質的権益は重要だが、それが全てではない。人間の心には善と悪が存在している。人は考えを変えられる。ソ連帝国は革命で打倒されたわけではない。支配階級の共産主義者達自身が考えを変え、彼等の体制の誤りを認め、あきらめたから、崩壊したのだ。

おそらく、それは、エジプトでも、他の国でも起きるだろう。

Paul Craig Robertsは、Global Researchの常連投稿者。Paul Craig RobertsによるGlobal Research記事 (英文)

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記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=23227

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レーガン時代、財務長官補佐を努めた筆者、楽天的なようだ。この国の新聞や、テレビ報道も同じようなもの。ただし、筆者、「まだどの程度の革命かわからない」と留保している。

エジプトと同じ宗主国によって替えられ、派閥名と、トップ連中の顔こそ変わったが、中味は益々悪くなり、今後も悪化するだけの国に暮らす一人として

おそらく、それは、エジプトでも、他の国(イラン)でも起きるだろう。

とほぼ確信している。

あきらめてばかりいられないので「TPP反対の大義」農文協ブックレット 800円+税、を購入して、読み始めた。日本人、マスコミが報じるエジプトの若者の活躍ではなく、国会と高江を見つめるべきだろう。

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コメント

はじめまして

最近このブログを知りました

エジプトの情勢は、民衆の怒りの力が結集すれば政府を打倒できることを示しました

私としては多いに勇気づけられます

しかしながら、多くのエジプト民衆にとって理不尽な体制を打倒できたわけではありません

本当の敵、つまりアメリカ政府に怒りがどうも向いていないようなので革命道も半ば、とすら言えない状況です

強い革命党が存在していないことの限界なんでしょうか

なお、記事中に“支配階級の共産主義者”とありますが、共産主義者ではなくてスターリン主義者などと呼ばれますね

特権階級がないのが共産主義社会だったはずなのに特権階級があるのは矛盾ですから

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