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2011年1月

2011年1月31日 (月)

エジプトの抗議運動: "独裁者"は命令せず、命令に従っている

Michel Chossudovsky

Global Research、2011年1月29日

全国的な抗議運動に直面した、ムバラク政権は崩壊しかねない... エジプやアラブ世界はどうなるのだろう?

"独裁者達"は命令はせず、命令に従っているのだ。これはチュニジアにも、アルジェリアにも、エジプトにも当てはまる。

独裁者というものは、決まって政治的傀儡だ。独裁者は決断しない。

ホスニ・ムバラク大統領は西欧経済権益の忠実な使用人だ。ベン・アリもそうだ。

抗議運動の対象はエジプト政府だ。目的は、傀儡師ではなく、傀儡を追放することだ。エジプトでスローガンは"ムバラクを倒せ、政権を倒せ"だ。反米ポスターは皆無だ... エジプトや全中東で最も重要で破壊的なアメリカの影響は、ほとんど報道されぬままだ。

舞台裏で動いている外国勢力は抗議運動から免れている。

抗議運動によって、外国による介入の問題が十分に取り上げられない限り、本格的な政治的変革は起こるまい。

エジプト政府に常に暗い影を投げ掛けてきた、重要な政治的存在である、カイロのアメリカ大使館は、抗議運動の標的になってはいない。

1991年、湾岸戦争の真っ最中、エジプトに破壊的なIMFプログラムが押しつけられた。これはアメリカに対する、数十億ドルというエジプトの軍事債務の取り消しと、参戦とを引き換えに実現したものだ。それによって生じた食料品価格の規制緩和、見境の無い民営化と、大規模緊縮政策は、エジプト国民の窮乏化と、エジプト経済の不安定化をもたらした。エジプトは模範の"IMFの弟子"として称賛されていた。

チュニジアのベン・アリ政権の役割は、20年以上もの間にわたり、国家経済を不安定化させ、チュニジア国民を窮乏化させたIMFの経済的劇薬を実施することだった。過去23年間、チュニジアの経済・社会政策はワシントン・コンセンサスによって決定されていた。

ホスニ・ムバラクもベン・アリも権力の座に留まれたのは、彼等の政権が、IMFの絶対的命令に服従し、命令を効率的に執行していたからだ。

チリのピノチェトや、アルゼンチンのビデラ、ハイチのベビー・ドクから、ベン・アリやムバラクに至るまで、独裁者達はワシントンの手で就任してきたのだ。歴史的に中南米では、独裁者達はアメリカが支援する一連の軍事クーデターのおかげで就任してきた。

今日、彼等は国際社会による監視下での"自由で公正な選挙"で就任する。

抗議運動への我々のメッセージ:

実際の決定は、ワシントン DCで、アメリカ国務省で、ペンタゴンで、ラングレーのCIA本部で、H Street NWにある世界銀行とIMFの本部で行われている。

"独裁者"の外国権益との関係こそ取り上げられるべきだ。傀儡政治家は追放すべきだが、"本当の独裁者"を標的にすることを忘れてはならない。

抗議運動は、政治権力を本当に握っている連中に取り組むべきなのだ。運動はアメリカ大使館、欧州連合代表団、IMFや世界銀行の派遣団を的にすべきだ。

ネオリベラル経済政策という計略が捨て去られることによってのみ、意味ある政治的変革が確保される。

政権取り換え

万一、抗議運動が"投資家"、国外債権者や国際金融機関によって行使される圧力を含め、外国勢力の役割に取り組み損ねれば、国家主権という目的は実現不可能だ。その場合、起こるであろうことは"政権取り換え"という矮小なプロセスであり、それは政治的連続性を確実にする。

"独裁者"は、権力の座に据えられ、権力の座から追われるのだ。彼等が政治的に信用を失い、もはやアメリカのスポンサーの権益に役立たなくなると、多くの場合、政治的な敵対勢力連中から登用した新たな指導者によって置き換えられる。

チュニジアで、オバマ政権は既に態勢を整えている。"民主化プログラム"(つまり、いわゆる公正選挙の実施)で主要な役割を演じるつもりなのだ。政治危機を、フランスの役割を弱め、北アフリカにおける自らの立場を強化するための手段として利用することも狙っている。

"チュニジア街頭における抗議運動の高まりを素早く判断したアメリカ合州国は、チュニジアやその他の国々で、自分の有利な立場を押しつけようとして、民主的改革を強く求めている

中東担当のトップ、アメリカ特使ジェフリー・フェルトマンは、アザイン・アル・アービディーン・ベン・アリ大統領が1月14日にその地位を追われた後、チュニジに入国した最初の外国人官僚だが、彼は速やかに改革を呼びかけた。火曜日に、自由で公正な選挙だけが、北アフリカの国家の追い詰められた指導部の信頼性を強化し、高めることができると彼は語った。

他のアラブ政府との対話において、"我々はチュニジアの教訓を必ずや活用できるだろうと私は期待している"と、国務次官補代理フェルトマンは補足した。

騒然とした権力移行時にアメリカの支援を申し出るため、彼はこの北アフリカの国に派遣され、チュニジア閣僚や市民社会団体幹部と会談した

水曜日にフェルトマンはパリに出張し、フランスの首脳と危機について議論し、新チュニジアに対する国際的な支援をアメリカが主導しているという印象を強め、旧宗主国フランスに損害を与え...

西欧諸国は、北アフリカ地域におけるイスラム過激派に対する防壁と見なし、失脚したチュニジア指導者を長らく支持していた。

2006年、当時のアメリカ国防長官ドナルド・ラムズフェルドは、チュニスで演説し、チュニジアの進展を称賛した。

アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンは、1月13日ドーハでの演説で、アラブの指導者達に対し、国民により大きな自由を認めるか、それとも過激派が状況につけこむ危険を冒すのかと警告して、素早く介入した。

"アメリカ合州国が、極めて迅速に、勝ち馬に乗ろうとしていることは明らかだ..." " AFP:チュニジア暴動の結果が具現化するのをアメリカが支援(強調は筆者による)

ワシントンは新たな傀儡政権を見事に就任させられるだろうか?

それは、チュニジアの内政問題におけるアメリカの陰険な役割に取り組む、抗議運動の能力に大いに依存している。

帝国の決定的な力は言及されていない。辛辣な皮肉だが、オバマ大統領は抗議運動支持を表明した。

オバマ大統領は民主主義と人権に献身しており、そもそもアメリカのおかげで就任した独裁者を追放するという反対派の決意を支援しているものだと、抗議運動をしている多くの人々が信じこまされるだろう。

野党指導者達の協力

独裁主義的傀儡政権の崩壊を見越して、主要野党や市民活動団体の指導者達と協力しておくことは、ワシントンの計画の一部であり、世界の様々な地域で行われている。この協力作業は、全米民主主義基金(NED)やフリーダム・ハウス(FH)を含む、アメリカを本拠とする財団によって、実施され、提供を受けている。FHもNEDも、アメリカ議会、外交問題評議会 (CFR)やアメリカ財界と結びついている。NEDもFHもCIAとのつながりがあることが知られている。

NEDはチュニジア、エジプトとアルジェリアに積極的に関与している。フリーダム・ハウスはエジプト国内のいくつかの市民社会団体を支援している。

"外国の政権を転覆させるための秘密資金援助工作におけるCIAの役割が発覚し、CIAから財政的支援を受けている、政党、運動、雑誌、書籍、新聞や個人が信用を失う結果となった後、レーガン政権によってNEDが設立された. ... 超党派の寄付として、二大政党も、AFL-CIOやアメリカ商工会議所も参加し、“民主主義の推進”という旗印の下、海外における政権打倒運動への公然とした資金援助を、NEDが引き継いだ。(Stephen Gowans、一月 ≪ 2011 "What's left"

アメリカがムバラク政権を過去30年間支持する一方、アメリカ国務省やペンタゴンとつながりを持ったアメリカの財団が、市民社会運動を含む敵対的政治勢力を積極的に支援してきた。フリーダム・ハウスによれば"エジプトの市民社会は、活気があると同時に、抑圧されてもいる。極めて規制された環境下で活動しながら、エジプトにおける市民的、政治的権利拡大に専念する何百もの非政府組織が存在している。" (フリーダム・ハウスのプレス・リリース)。

辛辣な皮肉だが、ワシントンは、残虐行為を含めムバラク独裁政権を支持しながら、とりわけFH、NED等の活動を通じ、政権を非難する連中を支援し、資金提供しているのだ。

若い世代の賛同者達を力づけるためのフリーダム・ハウスの活動は具体的な成果を生み出しており、エジプトにおける新世代プログラムは、現地でも、国際的にも注目を集めている。あらゆる市民社会団体からのエジプト人客員研修生は[2008年5月]、アメリカ国務長官、国家安全保障顧問や、議会の著名議員との会談を含め、ワシントンで前代未聞の注目を浴び、認められている。コンドリーザ・ライスの言葉によれば、研修生は"エジプトの未来の希望"だ。

フリーダム・ハウス  http://www.freedomhouse.org/template.cfm?page=66&program=84 (強調は筆者による)

政治的はぐらかし。"独裁者"とおしゃべりし、"反体制派"ともお話しする

フリーダム・ハウスによる援助の下、エジプト人反体制派やホスニ・ムバラクに反対する連中が、2008年5月、国務省と米議会で、コンドリーザ・ライスに迎えられた。

2009年5月、フリーダム・ハウスの後援でワシントンを訪問したエジプト人反体制派の代表団のいくつかとヒラリー・クリントンは会見した。こうした高官レベルの会談はオバマのエジプト訪問前に行われた。

アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンは、今日会見したエジプトの市民社会活動家団体の仕事ぶりを称賛し、民主主義に向かい、人権の尊重を一層示すことが、エジプトにとって有益だと語った。

フリーダム・ハウスの新世代プログラムが組織した二カ月研修の終了後、16人の活動家が、ワシントンで、クリントン国務長官と、中東担当国務次官補代理ジェフリー・フェルトマンに会見した。

研修生達は、アメリカ合州国政府が、エジプトの市民社会運動からは距離をおいているように感じていることの懸念をあげ、オバマ大統領に、来週のカイロ訪問時には、若い無党派の市民社会活動家と会見するよう求めた彼等はまた、オバマ政権に、エジプトの市民社会活動に対する政治的、経済的支援の提供を継続し、エジプトの長年にわたる非常事態法の下で、厳しく制限されている非政府組織の活動の余地を拡げることを支援するよう要請した。

研修生達は、クリントン国務長官に、エジプトでは、市民権と人権を強化するためのはずみは既についており、現時点で、アメリカの支援が至急必要だと語った。彼等は市民社会運動が、エジプトにおいては、穏健で、平和的な“第三の道”であり、政権内の独裁主義的分子や、神権政治的支配を信奉する人々に取って代わるものであると強調した。(フリーダム・ハウス、2009年5月)

研修期間中、活動家達は、ワシントンで一週間過ごし、政治提言や政治運動について研修を受け、アメリカ民主主義の機能の仕方を見学した。研修後、研修生はアメリカ中の市民社会活動団体と引き合わされ、アメリカ側の同様団体の人々と経験を分かち合った。活動家達は、研修プログラムを... アメリカ政府の役人、国会議員、マスコミや、シンク・タンク訪問で締めくくる" (フリーダム・ハウス、2009年5月、強調は筆者による)

抗議運動で重要な役割を果たしているこれら反政府団体は、アメリカの権益に役立つことになっている。国務省と米議会への反体制派招待は、アメリカ民主主義という価値観に対する献身と忠誠の感情を植え付けるものだとされる。アメリカが自由と正義の模範として紹介される。オバマは"模範的人物"として、支持される。

ワシントン DCのエジプト反体制派のフリーダム・ハウス研修生(2008)

米国務長官ヒラリー・クリントンは、フリーダム・ハウスを通して訪問中の"自由と民主主義を推進するエジプト人活動家達とワシントンDC国務省での会談前に会談した。2009年5月28日"。

[二枚の写真を比較されたい。コンドリーザ・ライスが接見した2008年の代表団、2009年5月ヒラリー・クリントンが会談した2009年代表団。

シャルム・エル・シェイクでのヒラリー・クリントンとホスニ・ムバラク、2010年9月

ホスニ・ムバラクとおしゃべりをするコンドリーザ・ライス。"エジプトの未来の希望"

次の写真は省略(なぜか写真が巨大になるので。)オリジナル英語サイトでご覧ください。

フリーダム・ハウスに応対するコンドリーザ・ライス。左から四人目

傀儡師は自らの傀儡に対する反対運動を支援する

傀儡師は自らの傀儡に対する反対意見を支援する?

これは"政治的レバレッジ"、"反対意見のでっちあげ=manufacturing decent"と呼ばれているものだ。敵対的政治勢力を支配する手段として、独裁者も、独裁者に対する反対派も、支援するのだ。

ブッシュとオバマ政権になりかわる、フリーダム・ハウスや全米民主主義基金によるこうした活動によって、アメリカが資金を供給した市民社会団体の反対運動は、彼らのエネルギーを、ムバラク政権の背後にいる傀儡師、つまりアメリカ政府には、決して向かわないようにしているのだ。

これらアメリカから資金を供給された市民運動団体は、抗議運動の内部に埋め込まれた"トロイの木馬"として機能する。彼等は傀儡師の権益を擁護する。彼等は、草の根抗議運動が、主権国家の内政に対する外国による干渉というより広範な問題には決して触れないようにしているのだ。

フェイスブックとツイッターのブロガーはワシントンに支援され、資金援助を受けている

エジプトの抗議運動では、アメリカに本拠を持つ財団から資金援助を受けているいくつかの市民社会団体が、ツイッターとフェイスブック上での抗議運動を先導してきた。

"エジプトのキファーヤ(もうたくさん)運動の活動家達が、政府に反対する人々との「4月6日若者運動」の連合が、フェイスブックやツイッターというソーシャル・ネットワーキング・ウエブ・サイト上での抗議運動を組織したのだ。エジプトでは、火曜日深夜、ツイッターが遮断されているようだと西欧のニュースは報道している。" (ボイス・オブ・アメリカの「エジプト、痛烈な反政府抗議運動で動揺」を参照=原文は英語。)

Index

上がアラビア語のキファーヤ、右から左に読む(意味は「もうたくさん」)

2004年、ムバラク政権に対する最初の行動の一つを組織したキファーヤ運動は、フリーダム・ハウスと連携している、アメリカを本拠とするInternational Center for Non-Violent Conflictによって支援されている。

キファーヤは、広範な支持基盤を持った運動であり、パレスチナや、地域へのアメリカ介入に対しても態度を示している。

フリーダム・ハウスは、中東と北アフリカでのフェイスブックとツイッターの促進・訓練に従事している。

フリーダム・ハウスの研修生達は、市民動員や、リーダーシップや戦略的計画立案の能力を習得し、ワシントンに本部を置く援助資金供与者、国際団体やマスコミとの交流を通した、ネットワーキングする機会という恩恵を受けている。エジプト帰国後、フェイスブックやSMSメッセージングを活用した政治改革を主導する等、革新的な取り組みを実施するために、研修生達はささやかな助成金を受けている。

http://www.freedomhouse.org/template.cfm?page=66&program=84 (強調は筆者による)

フリーダム・ハウスは、[2010年]2月27日から3月13日まで、中東と北アフリカ[様々な市民運動団体]からのブロガー11人に、二週間のワシントンD.C.での最先端ニュー・メディア研修ツアーを主催した。研修旅行では、ブロガーに対し、デジタル・セキュリティー、デジタル・ビデオ制作、メッセージ作成や、ディジタル・マッピングの研修を行った。D.C.滞在中、研修生達は上院のブリーフィングにも参加し、USAID、国務省や議会、アル・ジャジーラやワシントン・ポストを含む国際的マスコミ幹部とも会見した。http://www.freedomhouse.org/template.cfm?page=115&program=84&item=87 (強調は筆者による)

アメリカ上院、議会、国務省等々での会談も加えて、アメリカ政権がこのブロガー研修プログラムに対し、付与した重要性は、容易に読み取れる。

反対意見を表現するフェイスブックやツイッター運動の役割は、いくつかの市民社会団体と、フリーダム・ハウス(FH)、全米民主主義基金(NED)やアメリカ国務省とのつながりという観点から、慎重に検討する必要がある。

BBCニューズ・ワールド(中東で放送)は"アメリカは民主化を要求する団体に送金してきた。"と報じるエジプト人のインターネット・メッセージを引用している(BBCニューズ・ワールド、2010年1月29日)。秘密のアメリカ大使館文書を引用しているデイリー・テレグラフ記事によればこうだ(2011年1月29日)。

"エジプトにおける抗議行動は、ムバラク大統領に反対する、主に若く教育のあるメンバーを惹きつけているフェイスブック上の集団、4月6日青年運動によって動かされている。このグループには、約70,000人の会員がおり、ソーシャル・ネットワーキング・サイトを抗議行動を組織し、活動報告をするのに活用している。

WikiLeaksが公開した文書は、人権侵害に関して最も信頼できる情報源の一人と見なして、2008年と、2009年中、[カイロの]アメリカ大使館職員が、ある活動家を定期的に接触していたことを暴露している。" (強調は筆者による)

ムスリム同胞団

エジプトのムスリム同胞団は、ムバラク大統領への反対勢力中、最大の組織だ。報道によれば、ムスリム同胞団が抗議運動を支配しているという。

宗教政党に対し、憲法上の禁止はあるが、"無所属"としてエジプト議会議員になっている同胞団メンバーは議会最大のブロックを構成している。

とはいえ、同胞団は、この地域におけるワシントンの経済的・戦略的権益に対する直接の脅威となっているわけではない。西欧諜報機関には長年にわたる同胞団との協力の実績がある。イギリスの諜報機関を介したイギリスの同胞団支援は、1940年代にさかのぼる。元諜報機関職員のウイリアム・ベーアによれば、1950年代から"CIAは“ナセルを打倒できるという、同胞団の称賛に値する能力”ゆえに、ムスリム同胞団を支持し[資金を注ぎ込んでいた]。1954-1970、CIAとムスリム同胞団は、エジプトのナセル大統領に反対するために同盟しており、こうしたCIAとの秘密のつながりは、ナセル後の時代にも維持されていた。

結びの言葉

ホスニ・ムバラク解任は、ここ数年間アメリカ外交政策の計画上にあった。

政権取り換えで、意味がある政治的変化が起きたかのような錯覚を与えつつ、連続性を確保することができる。

エジプトに対する、ワシントンの狙いは、"抗議運動をハイジャック"し、ホスニ・ムバラク大統領を、新たな従順な傀儡国家元首で置き換えることだ。

ワシントンの狙いは、大国の権益を保持し、エジプト国民を貧困化させてきたネオリベラル経済戦略を維持することだ。

ワシントンの観点からすれば、政権取り換えの為に、もはやアメリカ帝国主義の全盛期のように独裁主義的な軍事政権を就任させる必要はない。左翼を含め、諸政党を取り込み、市民社会団体に資金援助をし、抗議運動に潜入し、国政選挙を操作することで実現可能なのだ。

エジプトにおける抗議運動に関し、1月28日のYoutubeのビデオ放映でオバマ大統領は語っている。"政府は暴力に訴えるべきではない"。より根本的な疑問は、その暴力の根源が何かということだ。

エジプトは、イスラエルに次ぐ、アメリカ軍事援助の最大の受益者だ。エジプト軍は、ムバラク政権の権力基盤だと見なされている。

"自由市場"改革と、中東の軍事化と相まって、20年以上エジプトとアラブ世界に押しつけられてきたアメリカの政策が、国家による暴力の根本的原因なのだ。

アメリカの狙いは、抗議運動を利用して、新政権を据えることだ。

民衆運動はエネルギーの方向を変えるべきだ。アメリカと"独裁者"との関係を明らかにすべきだ。アメリカの政治傀儡は追放すべきだが、"本当の独裁者"を標的にすることを忘れてはならない。

体制変革プロセスの排除。

ネオリベラル改革の解体。

エジプトとアラブ世界の米軍事基地の閉鎖。

本当に主権をもった政府の樹立。

Michel ChossudovskyによるGlobal Research記事

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記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22993

元記事を評価される方がおられたら、Global Researchにご寄付頂きたいものだ。良い記事が、ただでまとめられるはずがない。それが続けられるはずがない

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フェイスブック、ツイッターによる革命だ!と、単純に快哉を叫べれば嬉しかろうが、そうは問屋がおろさない。帝国は周到。しっかりリスク回避策をしかけてある。日本ですら、自民党と民主党に棲み分けている兄弟もいる。

インターネット自体、そもそもアメリカ国防省によるプロジェクト。自分たちが作ったツールで、自分たちを崩壊させる軍隊など、世界に存在するまい。イランの核施設に放たれたワームのように、逆の使い方なら、もちろん、あるだろう。ウエブや、ブログを書いている人間の正体や、趣味、嗜好を追跡したり、通報したりは、日常茶飯事だろう。フェイスブックも、ツイッターも、軍ではなくとも、アメリカ発のソフト。

道理で、クリントン国務長官やオバマ大統領、「ネットを遮断するな」と発言するわけだ。下記2010年9月28日のPatrick Martin記事の様に、ネット支配対策も当然、考えている。

ビッグ・ブラザー・オバマ:アメリカ、インターネット・メッセージングをスパイ予定

日本の学生運動エリート諸氏にも、活動後しっかりアメリカ留学し、先生におさまっていた・いる人がある。内閣や都庁で幹部に居すわる御仁も。中国の有名反体制運動家もアメリカで生活していたりする。彼等にとって帝国は天国?

アメリカ留学された、この国の官庁・政治家エリートの皆様は、エジプトの活動家諸氏とは違う、トロイの木馬でない、良いお仕事をしておられるのだろうか?

宗主国、この模範的属国は、ますます手放せない。

火山は頻繁に爆発するが、民衆は決して爆発せず、66年にわたり、黙々と莫大な戦争資金・みかじめ料を献上し、侵略基地を受け入れる世界に一つだけの国。戦闘機の飛行訓練、迷惑だと訴えても、はじかれる全体不幸社会。

この国に必要なものは、エジプトや、チュニジアと同じだろう。

  • 体制変革プロセスの排除。
  • ネオリベラル改革の解体。
  • 沖縄と本土の米軍事基地の閉鎖。
  • 本当に主権をもった政府の樹立。

だが実現するのは、平成の売国・壊国。TPP加盟、消費税増税、比例定数削減・憲法破壊。思想的・経済的な焼け野原、目の前に見える気分。

森田実氏のMorita Research Institute Co., Ltd.2011/1/30付け記事に下記文章がある。全く同感なので、そのままコピーさせていただく。

菅首相のTPPに対する態度は、1960年の日米安保条約改定に対する岸首相の態度に似ている。岸首相は国民に対してうまいことを言いながら、内実では力ずくで成立させることを決意し、そのとおり実行した。
 菅首相は岸首相と同じ強権的な態度をとっている。
 菅首相は、いまや危険な強権主義者である。かつて、1920年代から30年代にかけて西欧の社会民主主義者の多くはファシストに変身した。いまの日本で同じことが起きている。菅首相はじめ民主党内の元社会民主主義者が、従米、右翼、強権主義者に変節している。
 TPPはアメリカ政府による日本の植民地化を完成させるシステムである。こんな危険なことはない。アメリカの支配のもとで僅かに残っている関税自主権まで放棄しようとしている。TPP参加は阻止しなければならない。

本来は、森田氏が参加された60年安保反対運動以上の運動が必要だろう。

ところで、フェースブックやツイッターを活用されている皆様は、アメリカや、民主党や自民党に招待されてはおられません?小生には全くお声がかからない。フェースブックも、ツイッターもわからない小生、ふと、思いついた次第。^_^;

豪腕政治家氏、命令はせず、命令に従っていたのだろうか?権力の座に据えられたが、不都合になって、権力の座から追われるのだろうか?

2008年8月18日に、F. William Engdahlによる、下記の記事を訳している。カラー革命なるものを動かしているアメリカNGOの策謀が描かれている。

グルジア大統領サアカシュヴィリの背後にいる人形遣いたち

文中に、NGOによるクーデター
という項目があり、中には、下記記述がある。

もはや協力的ではなくなったシュワルナゼの後継候補として、アメリカが承認したサアカシュヴィリが率いるグルジア自由協会に、アメリカ国務省は資金援助をした。自由協会は、「クマラ!」という組織を生み出したが、これは「もうたくさんだ!」という意味である。

今回のキファーヤ(もうたくさんだ)、瓜二つ。偶然の一致だろうか?

2011/2/11追記:

為清勝彦氏のBeyond 5 Sensesで、F・ウィリアム・イングドールの下記記事が読める。
本記事が言う「フェースブック、ツイッターを駆使した若者による革命なるもの、アメリカ仕込みであること」が、より詳しく描かれている。
エジプトの革命:「大きな中東」を創造するための破壊? 2011年2月5日

2011年1月29日 (土)

眠れる巨人、目覚める

Yvonne Ridley

2010年1月27日

"Information Clearing House"

アラブ世界の眠れる巨人は、西欧によって、薬を盛られ、金品を奪われたまま、長年続いていたまどろみ状態からとうとう目覚めたのだ。

エジプトとチュニジアの警察や連中の覆面スパイの残忍性を目撃し、自ら体験したものとして、大衆の蜂起には本当に勇気が必要だったことは断言できる。

長年にわたり、独裁者ホスニ・ムバラクは、想像出来る限りの最も野卑な脅しの手法を駆使して、国民の恐怖につけこんできた。

だがチュニジアの国民同様、エジプト国民も恐怖心をなくし、圧制の鎖を引きちぎっている。

二日目の抗議行動の後、ファラオの警察国家はよろめいている。

今後数週間先の結末がどうであれ、中東において、もはやアメリカとイギリスが、政治、あるいは政治の欠如を、操り、支配することは出来ないことは明白だと私は考える。

チュニジアの街頭で市民暴動が起きていた数週間、ワシントンの沈黙は全く森閑としていたので、ザイン・アル・アービディーン・ベン・アリの飛行機が離陸した後、ようやく反乱を称賛することをバラク・オバマが選択しても、その支持表明発言は空々しく聞こえるのだ。火曜日、エジプト当局に慎むよう、彼は要請した。

カイロ、アシュート、アサクサンドリア、マンスーラ、タンタや、アスワンの街路で、放水銃と催涙ガスを駆使する何十万人もの制服・私服の悪党連中に、大衆が勇敢に立ち向かい、血が流れる中、世界で最も影響力ある人物の唇から漏れた歯切れの悪い口上だ。

彼等が資金を供給し、支援した暴君連中の行為同様、チュニスから、カイロに至るまでの民衆暴動の光景が、アメリカと西欧の介入を語って余りあるというのが真実だ。

彼等全員、普通のアラブ人たちを、ひどく甘く見ていたのだ。暴君達の蛮行が何十年もの間、放置され続け、現在、西欧諸大国が沈黙していることが、この人々に対する彼等の根深い人種差別とダブル・スタンダードを露呈している。

アラブ人の血の価値はアメリカ人のそれよりも低いのだろうか? これは意図的に疑問文にしたものだが、我々全員がその恥ずべき答えを知っている。

イラクを除き(サダムを作り出し、支援した連中の道を進ませてはならないが)、中東のあらゆる政府は、西欧がしつらえた一族の王朝、見せかけの民主主義、不正な選挙と、異議を唱える声のわずかな兆しに対する時折の極端な反応によって、それと確認できる。

これら指導者達は節度を欠いたに等しいような奢侈な生活を送りながら、あれこれ言わずに、ワシントン、ロンドン、パリ等々からの命令を遂行してきたのだ。そして、これは腐敗したアブー・マゼン(マフムード・アッバース)と、彼のパレスチナ自治政府にも当てはまる。もしも独裁者の卵が存在するとすれば、それは、このおぞましい男だ。

数日前にロバート・フィスクが指摘した通り、パレスチナ・ペーパーズの出現は、バルフォア宣言同様、悪事を証明するものだ。例えば、何百万人ものパレスチナ人の帰還する権利が、法外に取引され、むしばまれたのだ。

ヨルダン川西岸からガザ、そして更に先の難民キャンプに至るまで、アブー・マゼンは、自国民を裏切ったのだ。また、ヒラリー・クリントンの前任者コンドリーザ・ライスが、パレスチナ人を地球半周分も移動させ、南米に定住させてもかまわないと考えていたという事実が、中南米に暮らす人々は言うまでもなく、アラブの人々に対する、アメリカ政権による軽視の実態を暴き出している。

一体なぜだろう? 南アフリカの自然動物保護区ほどの大きさもない、悪化しつつある吹き出物、イスラエルに、中東を不法占拠させておくためだ。この核兵器武装をしたフランケンシュタインを作り出し、それをアラブに押しつけようとした決意が、アメリカとイギリスの、これまでで最大の過ちであったことが明らかになるだろう。

しかし責められるべきはアメリカだけではない。トニー・ブレア指揮下のイギリスは、アラブ世界において、反対派の残忍な扱いを監督する原動力だった。

イギリスの諜報機関MI6が、パレスチナ自治政府がイスラム教政治運動のハマースや、ヨルダン川西岸の抵抗組織を押しつぶすのを助ける計画を立案したのだ。

文書、アル・ジャジーラに漏洩した、十年以上にわたるイスラエル-パレスチナ対話を記録した約1700の写しと電子メールの一部は、腐敗したパレスチナ自治政府の治安機構を支えるために、イギリス治安機関が演じた、ほとんど知られていなかった役割に光を当てた。全てブレアが注視する中で行われていたのだ。

西欧は、アラブの指導者達を、賄賂を贈り、脅し、すかして、自国民に不利益を被らせ、恥ずべきシオニスト政権を承認させていたが、今やそのツケが回ってくるのだ。

大衆運動は、専制君主による圧制のみを問題にしているのではなく、イスラエルを作り出し、維持していること、そして、西欧やこの地域にいる西欧の傀儡としての指導者連中によるイスラエルへの無条件の支持をも問題にしているのだ。

さて眠れる巨人もとうとう目覚め、人々が先頭を進み始めれば、指導者連中は重要ではなくなるだろうし、現に重要でなくなりつつある。

イスラエル最大の盟友ムバラクは、今頃、一体どこに逃げられるのかを考えながら、撤退作戦を練り上げているに違いない。あるいは、西欧の人形遣い様達には最早頼れないのかも知れない。彼等全員が、ベン・アリに背中を向けたのではなかったろうか?

レバノンでは、イスラエルの大敵ヒズボラを支持するであろう首相が任命される中、アメリカ人の友人連中は撤退しており、ヨルダン川西岸からガザに至るまで、ハマースが大衆の選択肢だと見なされている。エジプトでは、選挙で勝利する機会を長年奪われてきたムスリム同胞団が活性化している。もしも自由で公正な選挙が許されていたならば、彼等こそ与党だったろう。

そして、チュニジアの挙国一致政権では、かつて禁止されていたが、復帰したイスラム教政党との連合さえおこなわれる可能性がある。

残りの暴君達が積み木の家の様に崩壊するのは時間の問題に過ぎない。

万事休す。もうおしまいなのだ。

アラブ世界は、自分たちの指導者を選び出し始めたのだ。西欧に暮らす我々には、人々の選択が気に入らない可能性はあるが、彼等の願望を尊重すべきなのだ。

アラブ世界において、自らの将来をどのように方向付けるか、アラブの人々が決断をする今後数週の間、西欧の指導者達には山ほど考えるべきことがあるだろう。

だが、まずなすべきことは、この地域中に大統領専用機を送り、アメリカが雇っていた全ての独裁者、暴君と専制君主を迎えに行き、ワシントンに連れ戻すことだ。

ニューヨーク、セントラル・パークでの飼い犬のフン同様、飼い犬がひき起こしたへまの責任をとる必要があるのだ。

イギリス人ジャーリストのイヴォンヌ・リドリーは国際イスラム女性組合ヨーロッパ支部長でもある。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article27358.htm

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文中にある、ロバート・フィスク記事、A new truth dawns on the Arab world、大変な人気。4000人以上が支持している。

チュニジア、まさか、ガス抜き・計画倒産ではないだろう?日本のような『政権交代』茶番で終わらないことを願いたい。

菅・民主党政権と顔変われど、小泉・自民党政権と変わらない属国政治。 (変わる可能性などなかったことは、少し考えるだけで誰でも分かるだろう。 『無血革命』と称賛していた方々、今なんと言っておられるのだろう? 属国支配する側から見れば、無血で政党を交替し、永遠に国を支配できる体制になったのだから、『無血革命』は正しいだろう。)

製造業、いくら宣伝しても欠陥商品を無限に続けて製造・販売することはできない。 必ずどこかの時点で欠陥商品の製造・販売は停止する。自発的であれ、強制であれ。明らかな物的証拠が残ってしまうためだろう。

官僚・政治家・マスコミは、欠陥商品を、無限に、垂れ流し、製造・販売できる。国民・視聴者・読者、過去の誤り・意図的プロパガンダを覚えていられないからか?

例えば『民主党マニフェスト見直し』。マスコミは非難しないのだろうか?肉屋が、羊頭を掲げて、狗肉を売ったら、詐欺として訴えられるだろう。決して、訴えられない業種の政治家・官僚・マスコミ、同じ間違いを平然と繰り返せるのだろうか?

もっとも「このブログ、明らかに後者だ!」という叱責のお声もあろう。m(_ _)m

極東のいくつかの政府、西欧が存続を認めた王朝、見せかけの民主主義、劣悪な小選挙区・二大政党制と、異議を唱えるわずかな声に対する絶えざる無視によって、それと確認できる。

のかもしれない。しかし、素人には、大衆蜂起などおきずとも、

是非とも、自民党・民主党幹部諸氏を迎えに来て、ワシントンに連れ戻して

頂きたいものだ。

ところで、7月までにパナソニックが松下政経塾設立を懺悔すれば、地デジ対応テレビ、パナソニック製品を二台購入しようと思っている。

ふと思いついたが、本当に眠れる巨人、史上最大ゆでガエルは、日本だろう。イスラム教等とは違うガラパゴス似非宗教で永久に眠ったまま腐敗するのは。

2011年1月27日 (木)

ベン・アリのチュニジアは模範的なアメリカ属国だった

学者達がチュニジアはアラブ世界における民衆蜂起の手本となるか否かを論じる中、チュニジアが、ほぼ完璧なアメリカの同盟国であったことに同意する人々は多い。

Richard Falk

2011年1月25日

"アル・ジャジーラ"

約六年前、それがなければ、ジョージ・W・ブッシュ大統領の取るに足りない国務長官であったはずのコンドリーザ・ライスが、カイロのアメリカ大学における演説で世間の注目を浴びた。

エジプトのホスニ・ムバラクの独裁的リーダーシップを称賛しながら、ライスは、このよく引用されている言葉によって、アラブ世界に対する、アメリカ合州国の新たなアプローチを表明した。"60年間、わが国、アメリカ合州国は、この地域、中東において、民主主義を犠牲にして安定を追求してきましたが、我々はいずれも実現できませんでした。今から我々は違うやり方をします。あらゆる国民の民主主義への熱望をアメリカは支持します。"

ワシントンにおけるこの新アプローチを更に説明して彼女はこう続けた。"中東の至るところで、自由な選択への恐れで、もはや自由の否定を正当化することはできません。民主主義という困難な仕事を避けるために作り出された口実を捨て去るべき時期なのです。"

それが何を意味するものであったにせよ、ムバラクを"変化に向けて扉を開いた"と彼女が同時に称賛した以上、当時真面目に聞いていた人々は、一体何を言いたかったのか疑念に思ったに違いない。蓋を開けて見れば、野党を非合法化し、指導者達を幽閉することが、エジプトにおける本質のままであるように見えるのに、ブッシュ時代にも、あるいは、より穏健とされるオバマ大統領の下でも、ホワイト・ハウスからは不満のつぶやきすらも上がらないままだ。

また、"あらゆる国民の民主主義への熱望"の支持は、ハマースが勝利した2006年1月のガザ選挙以後、ホワイト・ハウスにとって、暗礁に乗り上げてしまったもののようで、国際的に監視された選挙は、地域において最も公正なものだと発表されたにもかかわらず、ガザ住民は、投票のやり方と無関係に即座に懲罰された。

ハマースは、イスラエルとの対立を、非暴力的な政治競争へと変える一つの方法として、政治プロセスに参加するよう引き込まれたのだったが、選挙で勝利するや否や、ハマースは即座に一方的停戦を発表し、外交に対する開放政策と、平和的共存の長期的な枠組みを示したことを想起する必要がある。

あるいは、こうしたハマースによるイニシアチブは、持続できるものでは無かったのかも知れないが、イニシアチブは歓迎されず、返礼されることもなく、検討すらされなかった。逆に、ヨーロッパやアメリカ合州国からの、ガザに対する人道的支援は劇的に削減され、イスラエルは、ハマース指導者達の標的暗殺を含む様々な挑発行為に従事した。

2007年中頃、ガザの統治制度を、ハマースがファタハから掌握した後、イスラエルは、最低生活水準、あるいはそれ以下にまで、違法に制限する、食料、医薬品と、燃料の流れの悪名高い封鎖を開始した。この封鎖は現在まで継続しており、ガザ住民全員が世界最大の野外刑務所内に閉じ込められたまま、戦争史上、最も残酷な形の好戦的占領の一つによって迫害されている。

2006年、国境での事件への報復として、レバノンの居留区に対して、イスラエルによって行われた無差別爆撃作戦への明白に不均衡な対応によって明らかになった、ライス/ブッシュの民主主義信奉には、もう一つの側面がある。大虐殺のさなか、国連において、レバノン戦争は"新たな中東の産みの苦しみ"を示すものだとライスは述べ、ホワイト・ハウスにいた彼女のボスは、無力な一般市民に対する一方的な攻撃を"チャンスの瞬間"だと表現したのだ。

ここで大切な点は、人々が帝国政策の妨げになると、涙すら流さず、実際には、気がつくことすら無しに、犠牲にされるのは、人々であるということだ。もし彼らの命や幸せが、この冷淡な地政学的方法で、それほど簡単に投げ捨てられてしまうのであれば、この地域における民主主義歓迎というアメリカの姿勢は、確かに、単に疑うような笑みに留まらない姿勢で見つめる必要があろう。2006年イスラエルが始めたレバノンに対する侵略戦争と、2008年末の三週間と、2009年始めのガザに対する大規模攻撃への支持は、アメリカ外交政策の優先順序をはっきりと示している。

二十世紀を振りかえる

実際、このパターンには、遥かに深い歴史的根源がある。冷戦中には、対ソ連イデオロギー闘争でアメリカ合州国と提携し、外国人投資家を大歓迎する限り、第三世界諸国の弾圧や腐敗を見て見ぬふりをするという、ワシントンが絶えずやっていた戦略的な弁明があった。ソ連崩壊後、この地政学的な議論は霧消したが、経済的・戦略的優先度は変わらぬまま残っている。

この民主主義に対するアメリカの献身とされるものは、その徳を讃えながら、特にいつもそうであるように、万が一、経済・軍事上の優先度に関わる戦略的権益が危機にさらされると、それが本当に出現することを恐れていることが多く、最初から統合失調気味に見えるのだ。何らかの疑念がおありならば、モンロー・ドクトリン(1823)という標語の下で遂行された西半球における"砲艦外交"の実績を調べて頂きたい。

1992年、アルジェリアの接戦だった国会選挙で、イスラーム救国戦線FISが勝利した時の、北アフリカに立ち戻ろう。軍はその意思を押しつけるべく介入した。ワシントンは沈黙しており、それに続き、少なくとも60,000人のアルジェリア人が命を失った対立の"暗黒の十年"中、沈黙のままだった。アメリカの戦略的、イデオロギー的目標がある方向を目指しており、国民の民意は反対の方向を目指しているというのが、この地域の現実の一部なのだ。

それは、従って、偽善的であるか、進んで基本戦略を変更しようとすること無しに、中東における民主主義を擁護しようとするアメリカ・リーダーシップの深刻な混乱の兆しであるかの、どちらかだ。現時点で、イスラエルの過激主義を前にしたアメリカの黙従、イラクにおける米軍駐留の継続、湾岸の油層を友好的な独裁政権の手にゆだねておくことが、疑問の余地がないアメリカ外交政策の目的であるという状態、という具合に、あらゆることがこの地域におけるアメリカのやり口の連続性を示唆している。

こうしたことを考慮した場合、チュニジア革命、あるいは良くそう呼ばれている、ジャスミン革命に対する、アメリカの慎重な、肯定的反応を、我々はどう判断するべきだろうか? 言葉、特にアメリカ政府が発するものには警戒し、アメリカ政府の正反対の動きには目を光らせるというのが確かに賢明だ。そのような注視も秘密の活動への依存よって遮られてしまう可能性があり、次のジュリアン・アサンジが勇敢に進み出た時にのみ、不透明な壁の背後に逃避している現実を大衆が本当に理解することになるのだとは言え。

ザイン・アル・アービディーン・ベン・アリの24年にわたる残虐な独裁的支配の間、ブッシュ政権の"民主主義の推進" 計画というライスの言葉や、オバマが約束した、イスラム世界に対する新しいアプローチにもかかわらず、アメリカ合州国政府は、立派な人権団体による報告書を無視し、何ら抗議すべきことを見つけられなかったというのは本当だ。

パレスチナ人の戦いに専心しているイギリス人ジャーナリスト・活動家のイヴォンヌ・リドリーが、チュニジア蜂起の間、警察によって行われた暴力に対するアメリカの反応について書いている。"一言の糾弾も、一言の批判も、一言の自制を促す言葉も、バラク・オバマや、ヒラリー・クリントンによって、非武装の男女や子供達の群衆の只中に、実弾として放たれることは無かった"。

イランで、グリーン革命を弾圧するのに、イラン政府が同様に残虐な戦術を用いた時のイラン当局に対する強烈な非難と比較されたい。ワシントンでは地政学が方針を決定するというのが要点だ。

理想的なアメリカ同盟国としての旧チュニジア

実際、チュニジアは、アメリカ合州国が、その権益に役立つと信じているものを体現していた。外資投資に門戸を開く新自由主義と、容疑者の特例拘置引き渡しや、政治的表現の弾圧に至る厳格な非宗教主義による、アメリカの対テロ戦争に対する協力の融合だ。

この地域中で、チュニジアで展開しつつある出来事の地域的な余韻を、最も懸念しているように見えるアラブ政権は、様々な形でのアメリカ合州国への依存を含め、通常、チュニジアでの場合と同様、こうした国々の国民にとって、象徴的に余りに重要な、パレスチナ人による自決を目指す戦いへの無関心さを伴っており、全てベン・アリの統治方法と共通点を持っている。この地域のいかなる政府も、追い詰められて、極端な弾圧、つまり諸権利の否定、政治囚の虐待、そして国民の間に恐怖をひき起こすべく仕組まれる警察の暴力、そして、特権を持つ腐敗した支配エリートを、説明責任と大衆の激怒から保護することに依存するようになる以外に、ベン・アリの道を辿ることは出来ない。

2010年12月17日、モハンマド・ブアジジの悲劇的な自殺の後、チュニジア中部の都市シディ・ブージドでの、チュニジアにおける自発的な民衆反乱は、革命の火を点けた口火だった。この炎の高まりは、普通のチュニジア人が極めて、深く、広く共感していた激しい怒りという環境の中でのみ起こり得たものであり、数週間のうちに、虐げられた人々は、恐怖をする中心から、恐怖される中心へと変わったのだ。

この変化は、1月14日、数十年前の、もう一人の残忍な独裁者イディ・アミンの出国を繰り返したパターンであるベン・アリの辞任がきっかけだった。だが、ここで重要な教訓は、国民から疎んじられた圧政的政権は、国内の僻地における些細な口火で燃えあがる、政治的大かがり火の攻撃を受けやすいということだ。そのような抗議運動に直面すると、暴力に依存している支配者は、一層不安となり、口火の予防という不可能な事を実現しようとして、政治的消防活動の範囲を一層拡大しがちになるばかりなのだ!

モハンマド・ブアジジの悲劇が、多くの若い失業者達や、苦しんでいるチュニジア人の窮状を典型的に示したのだ。この貧しく若い大道野菜商人が、鑑札が無かった為に、警官が彼の農作物を没収した後公共の場で自らの体に火を放った。

自殺が、もしも、政治に関連する様式で行われる場合には、かつて、しばらくの間パレスチナ人が、そして現在は、イラクやパキスタン、アフガニスタンの状況に反対する一部の人々が活用している、通常は意図的な闘争の手段である、アラブ文化において、こうした高潔で自発的な自殺行為は、ありきたりのものではない。そうした類の政治的自殺は、通常、常にというわけではないが、一般市民を標的にしており、道徳や法律といった基本的な考え方には適っていない。

ブアジジの行為は、他者に対する攻撃的なものではなく、情緒的で、ベトナムや韓国等のアジア諸国でより良くある行為を思い出させる。1963年に、僧侶達がサイゴン市内で、自らの体に火を放った時、アメリカ国内では、ベトナム戦争の転換期、ベトナム人による圧制的支配と、アメリカの軍事介入の両方に激怒した文化の叫びとして広く理解された。1月4日のモハンマド・ブアジジの情緒的な葬儀では、悲しみと怒りを表す以下の様な激しい言葉が詠唱された。"さようなら、モハンマド、我々はあなたの仇を討とう。今日我々はあなたの為に泣いている。あなたを死なせた連中を泣かせてやる"。苦悩と不法の背景が、いくらもっともなものであっても、結局、こうした、ほぼ必然的な復讐の感情が決して革命の特徴はならないようにと人は願うものだ。

'パンと自由と尊厳'

もう一つのより望ましい方向は、フランス革命からインスピレーションを受けたと言われているスローガンによって表現されている。"パンと自由と尊厳"だ。過去数週間、国家の暴力に対して、武器を持たずに対決し、街頭でデモを繰り広げた人々の犠牲に応えるためには、 新たな統治プロセスでは、どのような新指導部が出現しようと、チュニジア大衆の物質的要求に注意を払い、社会を民主的な討論と競争へと開放し、無条件の誓約として、人権の保護を主張しなければならない。

既成体制に対する戦いの時期に注ぎ込まれた理想的な約束を、何とか実現できた革命はさほど多くはない。概して、人々の生活環境を向上させる代わりに、過去に悪事を働いた連中や、現在の仮想あるいは、現実の敵対者達を懲罰するという誘惑に、彼等はすぐに屈してしまうものだ。

事態は決して単純な状況にはない。チュニジアで起きた革命のようなものは、結果を覆そうという決然とした運動によって苦しめられる可能性が高い。強力な、強固に身を固めた敵は存在しており、権力を求めて、あらためて争う人々の間の対立関係が、仮想敵を生み出し、指導部を、国家運営のために必要な主張を強化する為に、残酷な作戦を開始したくなる気にさせて、革命の人道主義的な主張を傷つけてしまいかねない。それは往々にして悲劇的な窮地となる。立憲主義順守という高潔な姿勢を保ち、権力の座から追われてしまうか、敵対的分子と思われる連中の粛清を行って、新たな不信の弾圧の連鎖を始めるかだ。

チュニジアは、圧制に回帰することなく、革命によって得たものを守る道を見つけることが出来るのだろうか? 多くはこの疑問に対する回答に依存し、また現時点で、主導権を握っているチュニジア国民の知恵と成熟度のみならず、権力を取り戻す為に、旧体制側が一体何をするのかや、そして、外部から与えられる励ましと実質的な支援の程度にも依存しよう。ロバート・フィスクが辛辣に述べている通り、"チュニジアの出来事は、起こるはずではなかったのだ。"

疑いなく、この移行の時期、チュニジアは恐るべき難題に直面している。今までのところ、何十年も国民を脅してきた警察と治安部隊を含む政府内のベン・アリ官僚勢力は、全く排除されていない。およそ40,000人の(2/3が私服で、監視し、怯えさせるため、国民の中にもぐり込んでいる)警官が居たとされている。

このどこでも行われている監視のおかげで、カフェやレストラン、そして自宅においてすら、友人たちは会話することを恐れていたと言われている。今のところ、政治犯さえも、日々ベン・アリ政権の残虐行為に曝される場である、チュニジアの監獄から釈放されていない。暫定政権を率いている連中は、ベン・アリ、モハメッド・ガンヌーシを含め、ベン・アリの長年の盟友で、主要な側近で、最近は、秩序が回復し次第、身を引くと約束してはいるものの、チュニジア国民よりも、西欧と連携していると見なされている。しかし、たとえそうした意図が実現されたとして、それで十分なのだろうか?

革命が起きたのは、チュニジアの多くの場所で、街頭デモを繰り広げ、発砲や国家による卑劣で残忍な行為に直面しながら、それを貫き通した、自分たちの生活環境は余りにひどく、得る事はあっても失うものはほとんど無いと感じているように見える若いチュニジア国民達の勇気のおかげであることを、我々は知っている。

インターネットの双方向のおかげで、チュニジア国境を越え、革命の炎が急速にいたるところに広がりつつあるのを我々は知っている。アラブ世界中で、多数の人々が、Facebook上の個人的な写真を、チュニジア街路における革命的動乱を称賛する写真に置き換えたり、連帯の印として、チュニジア国旗の写真を投稿したりしている。

いくつかのアラブ諸国においては、政権に反対する人々の自殺さえ起きている。革命の理想に忠実な指導部が登場しうるのか否か、そして、その存在が許されるのか否かは、我々にはわからない。国内、国外の反革命戦術が、どれほど決意が固く、効果的かということを我々は知り得ない。他の先例から、権力エリートは、富、地位や影響力という階級特権を、滅多に自発的に放棄したりはしないことと、チュニジアの権力エリートには、地域内にも国外にも、無言の内にジャスミン革命に反対している人々や、国家テロによって、国民が牽制されている限り、権力の座に留まれるような、この地域の他の同様な政権に対する、多方面にわたる影響を極端に懸念している連中という協力者がいるのだ。

たとえ選挙結果によって、正当性が示されたものであろうと、今後数ヶ月のうちに、イスラム教の影響が現れるのではないかと、ワシントンとテルアビブの為政者連中が、特に懸念していることも我々は知っている。ベン・アリが、過去"こうしたイスラム教徒連中全員を、しっかり押さえ込んでいる"つまり流血を伴う弾圧と恐怖にさらされる大衆を意味する言い換えにの行為によって称賛されていたことを、フィスクは我々に指摘してくれている。新たに民主的に選出される指導部を決める為、これから予定されている選挙で、万一、イスラム教志向の政党が勝利し、チュニジア国民間での人気の高さが明らかなことを示す可能性さえあるが、反革命の反動は、とりわけ厳しいものとなろう。

イスラム教政治勢力が、チュニジアで、現在大変に人気があると信じるに足る十分な理由があり、イスラム教という本質を持った最も重要な政党の重要人物(14年間、投獄され、拷問され、過去六年間、ベン・アリの秘密警察によって、苦しめられてきた)アリ・ラライエッドは、チュニジアの未来に対するイスラム教の関係について、イラン革命を余りにひどく損なってしまった強硬路線と、圧制的な神権政治な進展ではなく、近年のトルコの進展に似た穏健路線を語っている。

チュニジア革命の未来は不確実さに満ちている。この時点では、それはチュニジアの国民の偉大な勝利であり続けており、"パンと自由と尊厳"を求める戦いに共感する私たちは、こうした目標を支持し、この勝利を失わない為、我々が出来る限りあらゆることを行う必要がある。ノルウェイ在住のパレスチナ人ジャーナリスト、サリム・ナッザルが、この状況をうまく表現している。"今後事態がどうなってゆくかを知ることが、たとえ困難であるにせよ、チュニジア革命以後、アラブ地域が以前と同じままでないのは確実だということにアラブ専門家達は同意している。"

Richard Falkは、プリンストン大学で40年間教鞭をとった国際法と国際関係の学者。2002年以来、カリフォルニア州、サンタ・バーバラ在住で、カリフォルニア大学の現地キャンパスで、グローバル・国際研究を教授したことがあり、2005年以来、核時代の平和財団NAPF理事長。

記事原文のurl:english.aljazeera.net/indepth/opinion/2011/01/201112314530411972.html

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アル・ジャジーラ、詳しい日本語版が欲しいと思わせられる稀有なジャーナリズム(だったかも知れない)。

大本営広報A紙の政治面に、佐々木中という哲学者の素晴らしい発言が載っていて我が目を疑った。

「仕方ない空気」どう突き崩す?という題名の記事。

感心した部分をコピーさせていただく。

この部分、社説やら、人後と違って、購読料を払うに値する、と思う。

 みんな、こんな世界は嫌なんでしょう。だけど変えようがないと思い込まされている。しかしそれには全く根拠がない。自民党から民主党、次はみんなの党ですか。つまらない順繰りゲームですね。ナチスが出てくる前にもそういうゲームがあった。ゲーム盤自体をひっくり返すべき時点に来ているのに、なぜコマが進んだだけで喜んでいるのか。私たちはゲーム盤をひっくり返すこともできる。それを初めから排除しているのは人間ではない。家畜です。

 「なぜ」と問いましょう。問い続けましょう。われわれは人間なのですから。

菅直人総理(あるいは谷垣総理、さらに言うなら、豪腕総理)の日本は、模範的なアメリカ属国であり、みな、変えようがないと思い込まされているので、

  1. 平成の売国TPP
  2. 最大不幸社会
  3. 不条理を実現する政治

を、100%実現してくれると、小生は確信している。そう、比例定数議席も必ず削減してくれるだろう。これは上記三項目の全部に渡るのだろうか?新聞に掲載された施政方針演説、頭が劣化するので読んでおらず、どの項目にあたるのか知らない。

2011年1月23日 (日)

アメリカのマスコミ: 意見を売って、ニュースと呼ぶ

Prof. John Kozy

Global Research、2011年1月14日

アメリカのジャーナリスト達は"ネタさがしに熱心な記者"というわけではない。彼等は連中の雇用主が売りたがっている商品を売っている売り子にすぎない。現在、テレビのニュース・キャスターを務めている多数の美男美女連中は、他の商品を売るために使われている美しいモデル達と何ら変わるところはない。アメリカの"自由な"マスコミは、対象とする読者を喜ばせるために偏った記事を売る、多数の小売店から成っているに過ぎない。そういうものとして、マスコミはでたらめをうりつけるために存在しているにすぎない。

1960年代のある時、三人の同僚、政治学者、歴史学者とジャーナリズムの教授と一緒に大学のあるシンポジウムに参加したことがある。主題は、報道の自由、善か悪かだった。

60年代には、冷戦が激しく戦われている最中だった。ソ連の通信社タスとプラウダは、アメリカの"自由なマスコミ"によって、信用できないとして、絶えず攻撃されていた。一般的な主張は、支配されているマスコミは、決して信頼できないが、自由なマスコミは信頼できるというもので、パネルに居合わせた三人の同僚もその見解を支持した。私も支持したが、ごく部分的にだった。

支配されているマスコミは、政府の措置や政策について報じる場合には信頼し難いというのは間違いない、と私は主張したが、大半のニュースは政府によって影響されないことを私は指摘し、そうした記事については、支配されているマスコミの報道を疑うべき理由はないと考えた。しかし、報道される主題とは無関係に、自由なマスコミを疑うべき正当な理由があるということも私は主張した。

私の主張は、支配されているマスコミは、支配をしている政府から資金を得ているので、読者を惹きつける必要は皆無だが、いわゆる自由なマスコミは、経済的に存続してゆくためには、読者に依存せざるを得ない、という観察結果に基づいていた。自由なマスコミは、あらゆる小売業がしなければならないのと同様、自社の商品を市販せざるを得ず、その方法の一つが、マスコミ企業が対象とする集団にとって魅力的になるような形で、ニュースを歪曲させることであり、それが、ある意味で、自由なマスコミが報道するあらゆる記事を偏向させるのだ。そして、自由なマスコミは、政治的見解が異なる二人の人物を起用し、バランスのとれた報道にすることで、客観性を維持していると主張するが、一方の側がいつも優勢に見えるような形で二人の人物を選び出すのは簡単だ。その結果、マスコミ自身が特定のイデオロギー集団に入ってしまっており、大部分のマスコミが、扇情的大衆ゴシップ紙と、あからさまに呼ばれていることは言うまでもないと私は指摘した。

このシンポジウム、およそ半世紀前に行われたものだとは言え、私の主張は、当時より、今の方がやりやすくなっている。現代、アメリカのマスコミは、保守的なフォックス・ニューズから、リベラルなMSNBCに至るまで、自社の観点を公然と宣言していることが多い。

これらの"百貨ニュース"局とは別に、より伝統的な局の、ABC、CBSやNBCがある。こうした企業は、様々な商品が日々販売されていて、いわゆるニュースもそうした品目の一つに過ぎないデパートに例えることが可能だ。こうした放送局には、それぞれ色々な部門があるのだ。クイズ番組部、のぞき見テレビ部、スポーツ部、経済部、芸能人部、そして、もちろん、 "ニュース" 部だ。

ところが、こうした様々なマスコミがしていることは、似たようなものだ。メーシーズ百貨店が様々な種類の商品を販売しているのと全く同様に、ニュースというのは記事を売っており、マスコミ各社が自ら、各社独自にその商品を構成する歪曲によって、他社と差別化するのだ。ちょうど、マクドナルドが、同社のバーガーを、バーガー・キングが販売するものと差別化するように、ABCは、自社の記事を、NBCが報道するものと差別化するのだ。要するに、自由なマスコミでは、主要な読者層にとって魅力的になるような形に歪曲してニュースは売られ、しかも記事を語るより、歪曲の方が、余計時間を占めることが多い。往々にして、キャスターは記事を語り、そこで、いわゆる専門家は、それを歪曲させることで、潤色するのに起用されているのだ。残念ながら、"専門家達"は論じられている問題に関して、普通の視聴者達が知っていること以上には何も知らないことが多い。多くの人々が事実から成り立っていると思い込んでいるニュースは単なる意見になっている。

ジャーナリストの場合には、医学博士になる時に行う倫理綱領の宣誓である、ヒポクラテスの宣誓のようなものは存在しないことを想起すべきだ。人は、ジャーナリストになる為に、出来事をありのままに伝えますと誓う必要はないのだ。実際、ジャーナリストは、詰まったトイレを直すために呼ぶ配管工ほどの能力も必要とされてはいない。要するに、現代のアメリカのジャーナリストは、ドライブインの「ソニック」で、注文したホット・ドッグをローラー・スケートに乗って、車まで配達してくれる十代の若者や、メーシーズ百貨店で、カウンターの向こう側に立っている店員にたとえることができる。大手マスコミが、正直、中立、あるいは、客観的でないといって批判する人々は皆見当違いなのだ。そういうものを、大手マスコミが売っているわけではなく、それを非難するのは、ラム・チョップを売っていないといって、マクドナルドを非難するのと同じ位、理不尽だ。

マスコミが、競合他社の商品と、差別化をする必要があるということも、報道される記事の種類を限定してしまう。もしも、記事の性格上、記事にバイアスをかけるのが困難な場合には、"自由な"マスコミは、そういうものを無視しがちだ。例えば、前回の大統領選後、イランの野党が反政府デモを組織した際、アメリカのマスコミは大騒ぎしたが、あの記事は、圧制的な政府による反対意見の弾圧として容易に描けるからだ。ところが、アイスランド、アイルランド、イギリス、フランス、あるいはギリシャで起きている緊縮政策反対デモは、そうしたデモは、圧制的な政府に対するデモとして描くことができないために報道されない。同様に、イラクやエジプトのキリスト教徒殺害も、彼等を正当化されて見えるように歪曲することができないので、報道されないままだ。もしも違う方向に偏ればった、反戦派のアメリカ人達に、戦争反対を主張する口実をもう一つ提供してしまう。更に、アメリカ人が全く何も知らない外国人に関する記事を大々的に扱うのは難しい。だから、例えばイタリアのベルルスコーニ首相の狂態にまつわる記事は、アメリカの聴視者の関心をほとんど惹くまい。メルケルのドイツ政府と連立して以来、財界寄りの自由民主党の党勢は、現在の経済崩壊が始まって以来、財界に対するドイツ人の否定的態度が強まった為、2009年9月の国政選挙時に、15パーセントを獲得した政党から、現在の5パーセント以下へと劇的に変化したが、この記事も、アメリカ国内の財界寄り姿勢ゆえに、アメリカ人には滅多には語られない。

Snardfarker.ning.comは、大手マスコミが役に立たないのには、五つの理由があると主張している。(1)そもそもこの緑の地球に存在しているジャーナリストが行うべき仕事をするのを恐れるジャーナリストによる自主規制。"内部の情報提供者と話せる関係を維持するための強烈な圧力がある. . . . 誰かのくだらない電話に、政界の文脈上、ぴったりな時間を割り当てそこねた結果、党派的だとレッテル貼りをされてしまうのを恐れている。" (2)幹部による検閲。"もしジャーナリストが、ある問題に関して正々堂々意見を述べたいと思った場合、彼等は記事を潰そうとする編集者やプロデューサーから大変な圧力を受けることになる。" (3)戦争支持の太鼓をたたくため。"一体なぜアメリカのマスコミは、常に連中の偽りの戦争正当化を宣伝し、支配層に奉仕しているのだろう? 理由の一つは、軍国主義的な狙いを支持する連中やら、戦争やテロで直接儲ける連中が、大手マスコミ企業を所有しているためだ(例えばNBCは. . .戦争、テロや混乱状態から、直接利益を得る、世界最大の軍事コントラクターの一社であるゼネラル・エレクトリックが所有していた)。" (4)アクセス。"ワシントン・ポストは. . . ロビイストや、団体幹部、オバマ政権幹部の'選ばれた有力者達'や、議員達、そして、そもそも新聞社自身の記者や編集者にさえ、オフレコで、対決的でない形で、相手をしてもらうために、25,000ドルから、250,000ドルの金を提供した。" そして(5)政府による検閲だ。"物事を特定の方向で報道するよう、マスコミに、政府は多大な圧力を振るっている。実際、時として、余りに批判的なマスコミのオーナーや記者を、政府は投獄してきた。" これらの理由は、ある程度まで真実だが、究極的な理由は、単に最終的な収益を増やす必要性、金を儲けるためであり、要するに、マスコミがアメリカに存在する理由だ。

こうした全ての結果、アメリカ人は精神的に孤立してしまっている。アメリカ国境外の世界は不定形の見知らぬ土地なのだ。ズビグニュー・ブレジンスキーが最近述べたように、"大半のアメリカ人は、世界に関して全く無知に近い。彼等は無知なのだ。" この無知が、どれほど、アメリカの"自由なマスコミ"に、報道を偏向させる必要がある結果なのだということを、人々は理解しようとしない。ブレジンスキーは、これを"不健康"だと見ているが、彼は正しい。アメリカの"外交政策が遂行されるべきなのであれば、国民によって承認されるべきなのだ。" そして、この無知のおかげで、政府は、かなりの数の破滅的政策を妥当だとして、国民を容易に納得させてしまえるのだ。

大手マスコミに批判的なアメリカ人達は、マスコミはどうあるべきかという概念を理想化してきた。彼等は、マスコミがあるべき姿にないと言って、マスコミを非難するが、マスコミはそうあるべきではなく、そうであったこともない。マスコミがその製品を売らなければならないことが、マスコミがそうあるべきものとなることを不可能にしているのだ。

残念なことに、代替メディアは、大手マスコミ・モデルから多くを採用してしまっている。もっぱらイデオロギー的な記事に専念するサイトが多々ある。保守、リベラル、リバタリアン、戦争支持や反戦、地球温暖化、二酸化炭素課税等々、全て読者を惹きつけようという狙いからだ。だから、真実はそこにも現れはしない。一体我々はどうすれば真実を見つけ出せるのだろう?

かつて"自由な"マスコミの一部として、調査報道と呼ばれるものがあったが、今やほぼ完全に絶滅してしまっている。こうなったのは、多分、政府機関や企業体から情報をほじくり出す困難さが理由だろう。そうした隠された情報を得るほぼ唯一の方法としては、誰か内部告発者が、情報漏洩者の匿名性を守れるどこかのサイトに漏洩するしかない。WikiLeaksは、その手始めだが、あらゆる嘘と偽情報を暴露するには、多くの同様なサイトが必要だ。それに、そう、政府や大企業すら、他の情報漏洩者によって暴露されてしまった真実を曖昧にしようとして、疑似の情報漏洩サイトを立ち上げる可能性もある。しかし、もしも、そうしたサイトが、WikiLeaksがしたように、誰でも読者が自分自身で真偽を判断できるような本物の原資料を広めることができれば、今明らかになっているよりも、ずっと多くの真実が、明らかになるだろう。

偏ったジャーナリズムは、もちろん虚偽を暴かれるべきだ。多くの反主流派のジャーナリスト達は、こうしたことを見事にやってのけてくれているが、益々増大する秘密主義と戦うには、WikiLeaksのようなサイトも必要であり、"自由な"マスコミでさえ、取り組みが必要なのだ。そもそももし真実が陰湿な秘密主義の暗闇から浮かび上がるよう変化すべきであれば偏った報道は虚偽を暴かれるべきで、情報漏洩や内部告発は奨励されるべきで、守られるべきなのだ。

アメリカのジャーナリスト達は"ネタさがしに熱心な記者"というわけではない。彼等の一人一人がこれを侮辱と見なすだろうと私は思うが、彼等は連中の雇用主が売りたがっている商品を売っている売り子にすぎない。現在、テレビのニュース・キャスターを務めている美男美女、そう、少なくとも醜くはない人々は、他の商品を売るために使われている美しいモデル達と何ら変わるところはない。アメリカの"自由な"マスコミは、対象とする読者を喜ばせるために偏った記事を売る、多数の小売店から成っているに過ぎない。そういうものとして、マスコミはでたらめをうりつけるために存在しているにすぎない。

John Kozyは、退官した哲学と論理学の教授で、社会・政治・経済問題に関する著述家である。朝鮮戦争中、アメリカ陸軍に服務した後、20年間、大学教授として過ごし、更に20年間、著述家として活躍している。彼は、形式論理学の市販教科書を出し、学術誌や少数の商業誌、新聞にも多数のゲスト論説記事を書いている。彼のオンライン記事は、http://www.jkozy.com/で読める。彼にはサイトのホームページからメールを送れる。

John Kozyは、Global Researchへの常連寄稿者である。John KozyによるGlobal Research記事

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22782

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毎回拝読させて頂いているブログ大脇道場、最近記事、いずれも翼賛マスコミが主題。

NO.1959 年頭に メディアの翼賛化・劣化と主権者

NO.1960 みんなで渡れば怖くない 「5社共同社説」翼賛報道の加速

「5社共同論説」で七社共同宣言を連想した。Wikipediaを超要約させていただく。

1960年日米安保条約改定の頃、6月15日、反対派の国会議事堂突入時、樺美智子が圧死した。それを受け、6月17日、東京の新聞社は七社共同宣言を出し、「議会政治を守れ」という社告を掲載、国会デモ隊の暴力、社会党の国会ボイコット等を批判した。

デモ隊暴力批判は別として(政府側は暴力団を動員した)、政府批判を避けるのは今と同じ。マスコミによる反米運動批判、ここが起点だろうか?

(激しいデモをした運動の末裔、70年代、リンチや北朝鮮行きの大迷走。)

少なくとも、戦後、本格的に「新聞が死んだ日」だったのかも知れない。

そして現在の「五紙共同社説」。読まされているのはミイラの論説・記事?

あるいは、読者が牙を抜かれたミイラなのだろうか?

マスコミや政府が意図する通り、TPPによる第三の開国壊国・売国は推進中。

『龍馬伝』放送、こうした売国プロパガンダの一環だろうか。

長崎を観光したことがある。原爆投下地点は無人だったが、龍馬がらみの場所はいずれも大変な混雑。そういう場所をはるばる覗きにいった小生もちゃらんぽらんな観光客。ちゃんぽんと皿うどんばかり、あきずに食べていた。

WikiLeaksについては、この文章の下記部分が、あてはまるのではなかろうかと疑念を感じている。(WikiLeaksの背後にいるのは誰か?(超抜粋)

そう、政府や大企業すら、他の情報漏洩者によって暴露されてしまった真実を曖昧にしようとして、疑似の情報漏洩サイトを立ち上げる可能性もある。

ウエブスター・タープレイ: WIKILEAKS、一つの“認知潜入”作戦(ビデオあり)(英語)も興味深い記事だ。彼の著書では『オバマ 危険な正体』が翻訳されている。

『日本のマスコミ:アメリカの政府公報意見を売って、ニュースと呼ぶ』

2011年1月20日 (木)

ハイチ地震から一年

wsws.org

2011年1月12日

マグニチュード7.0の地震がカリブ海の貧しい国ハイチを壊滅させ、25万人のハイチ人が亡くなり、300,000人以上が負傷し、約150万人がホームレスとなって今日が一周年。

この自然災害から一年後、コレラが蔓延し、何千人もの命を奪い、百万人が、ごみごみしたテント・キャンプ場で立ち往生したまま、ハイチ国民が直面する恐怖は深まるばかり。

この悪化しつつある危機は、ハイチの労働者階級や虐げられた大衆が負わされている苦難の社会的・政治的根源を浮き彫りにしている。世界の富の最大部分を集中させているアメリカ合州国の、まさに目と鼻の先で、このような状態が広がっているという事実は、世界でも歴史的な規模の犯罪であり、自由企業制度の欠陥を示すものだ。

ハイチ現地の状況に詳しい人々が、アメリカと世界帝国主義のハイチ国民に対する無関心と無視について、愕然とするような説明をしてくれている。

“瓦礫の山はいまだに残っています。満足な一時収容施設の兆しが皆無な被災者達の窮状が、コレラが蔓延する条件を悪化させており、新たな伝染病の脅威は、日々一層恐ろしいものになりつつあります”元ジャマイカ首相で、カリブ共同体ハイチ特別代表のP.J. パターソンはそう語っている。“要するに、ハイチの大衆が苦しんでいる精神的な傷も窮状も全く軽減されてはいません。”

NGOオックスファムのハイチ代表理事Roland Van Hauwermeirenは、2010年を“ハイチ復興を保留にした”“優柔不断の一年”だと表現している。彼はさらにこうつけ加えている。“およそ百万人が、依然、テントや防水シートの中で暮らしており、しかも都市の廃墟で暮らしている別の何十万人の人々は一体いつになったら家に戻れるのかもわからないのです。”

ポルトープランスの混雑したキャンプ場で、簡易テントの中や防水シートの下で暮らしている約百万人のうち、半数以上は子供だ。

ハイチの首都は瓦礫に埋もれたままだ。瓦礫の5パーセント以下が、崩落したコンクリートや、ひしゃげた金属の山に、シャベルや素手で立ち向かったハイチ労働者によって片づけられたと推定されている。6ヶ月以上前のアメリカ軍の撤退以来、十分な台数の重機は存在していない。

最盛時、アメリカはハイチに、約22,000人の陸軍兵、海兵隊員、海軍兵と空軍兵を派兵し、ハイチの主要空港、港湾施設や他の戦略的な施設を一方的に掌握していた。アメリカ軍の最優先は、ハイチで大衆反乱の脅威が決して生じないようにすることと、ハイチ難民が、アメリカへと向かうのを防ぐために、沿岸警備隊と海軍を配備することだった。

その目的で、地震後の第一週という最も重要な時期、何十万人の負傷者の生命や四肢を救うための支援が一番必要な時に、医療援助や要員を載せた飛行機を、アメリカ軍に有用な連中のために滑走路を明けておくべく、ペンタゴンは再三追い返した。

地震から11日後、アメリカが支援するルネ・プレバル大統領のハイチ政府は捜索と救助活動を宣言し、わずか132人が瓦礫の中から救出された。十分な対応が行われないれば、更に多くの人々が救助されていただろう。この判断は、ワシントンの本部において、人道的な配慮ではなく、国家権益と利益に関する冷徹な計算に基づいて、なされたのだ。明らかに、これには、負傷したハイチ人を救援しても、資源は更に流出するだけだという計算が含まれていただろう。

対照的に、アメリカ合州国や全世界の人々の自発的な対応は、苦しむハイチの大衆との連帯だった。ドッと寄せられた未曾有の援助は、アメリカだけでも、13億ドルの寄付だが、その大部分は一般の労働者によるものだ。

ところがChronicle of Philanthropy誌調査によると、一年後、ハイチの復興と再建を支援するためには、こうした資金のわずか38パーセントしか、実際には使われていない。ハイチでは、膨大な額の資金がNGOや支援団体の金庫に流用されたという疑惑が広がっている。

政府の対応は、更にひどい。昨年3月に開催された援助資金供与者会議で、53億ドル以上が約束された。そのうち、わずか8億2400万ドルしか送金されていない。中でも、最悪だったのは、ワシントンの対応で、2010年に11.5億ドルを約束しながら、後になって、事実上2011年までの約束分の全支払いを延期すると発表したのだ。

昨年7月、オバマ政権のハイチ特使、国連ハイチ特使、更に、ハイチのジャン=マックス・ベルリーヴ首相と共に暫定ハイチ復興委員会(IHRC)共同議長を務めていた、元アメリカ大統領ビル・クリントンは、支払いの遅さに対する失望を表し、約束を履行するよう、援助資金供与者に圧力をかけると誓った。妻のヒラリー・ロダム・クリントン国務長官を含め、彼はこの尽力ではほとんど何もなしとげられなかったのは明らかだ。ハイチ再建のために好ましい唯一の道は、民間投資と、主として、アメリカに本社を置く銀行や多国籍企業のための、食料も買えないほどの低賃金に基づく、採算が取れる条件の保証にあることを、彼は再三明言していた。

地震による破壊に加えて、これら伝染病が流行し、それにより既に3,600人が亡くなり、少なくとも400,000人が感染するものと予想されている。公衆衛生専門家は病気の蔓延が、まだピークに達していないことを認めているにもかかわらず、アメリカのマスコミは、この病気による恐るべき犠牲者について、ほとんど触れようとしない。

ハイチへの国外退去再開の決定によって、ハイチ人の命に対するオバマ政権の冷淡さが浮き彫りにされた。350人のハイチ人が今月送還される予定だ。こうした人々の多くは、所内でコレラが流行しているハイチの刑務所に投獄される運命にあり、この行為は死刑にも等しいものだ。

伝染病の蔓延は、地震がもたらしたものというよりは、地震そのものによる並外れて膨大な数の死亡者と同様、帝国主義によるハイチ支配、特に過去一世紀の間、アメリカ政府とアメリカの銀行や大企業が演じた役割るよる、過酷な貧困と後進性の結果なのだ。

西半球で、ハイチは圧倒的に貧しい国だ。地震以前でさえ、都市住民の半数以下、地方住民の五分の一以下しか汚水処理施設を使えず、ハイチはコレラに脆弱なままになっていた。地震の前、ハイチ国民のほぼ四分の三は一日2ドル以下で暮らしており、公式な経済で職についているのは、わずか20パーセント、都市住民の86パーセントがスラム街で暮らしていた。

こうした条件は、1915年から1934年のアメリカ軍占領、アメリカが支持したデュバリエ王朝による、30年間の残虐な独裁政治によって作り上げられた、圧政的な政治、社会制度、そして、後に続いた、ワシントンと国際通貨基金による、いわゆる"リベラル自由市場"政策の施行と、切り離しがたいほど表裏一体のものだ。

ワシントンとハイチのわずかで、腐敗した金融エリートの犯罪的な政策を巡る、ハイチ国民の増大する失望と怒りは、ここ数カ月、最初は国連軍コレラの蔓延を巡って、次は11月28日の不正な選挙を巡って、たびたび大衆抗議が勃発している。

この大衆抗議運動は、アメリカ、そして世界中の労働者による全面的な支援を受けるに値する。ハイチに対する即座の大量支援に対する要求を掲げるべきなのだ。

しかし、現地の支配エリートや外国の銀行と大企業の権益ではなく、人間の基本的要求に基づいたハイチ国民支援とハイチ再建は、社会の社会主義的変革を目指す共通の戦いにおける、ハイチ、アメリカ、半球全体の労働者階級の団結によってのみ実現可能だ。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2011/jan2011/pers-j12.shtml

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阪神淡路大震災16周年の報道はかなり目についたが、ハイチ大震災1周年関連報道、ほとんど気がつかなかった。真面目に報道すれば、宗主国や国際機関の身勝手さに触れなければいけなくなるからではあるまいか?

自衛隊がハイチで、孤児の避難所を建設し、完成を祝ってアリガトウゴザイマシタと礼をした孤児たちと踊る広報番組、繰り返し見せられたことは覚えている。タイガー・マスク国際版。

国軍派兵の狙い、まさか孤児避難所建設だったはずはないだろう。避難所建設等、土木・建築作業が目的ならゼネコンを派遣すれば済んでいた話だろう。

○○○で大衆反乱の脅威が決して生じないようすることと、○○○難民が日本へと向かうのを防ぐために、海上保安庁の警備隊と海軍を配備することだった。

のだろうかと、勘繰りたくもなる。

『青空と麦穂』というブログが2010年2月7日の読売社説に触れておられる。
ハイチ自衛隊PKOは、日韓の連携を戦略的に強化する好機(読売社説)

なるほど。お上は用意周到。極めて長期な計画で、実にゆっくりとお湯を煮立ててくれるので、鍋の中のカエル、自分が煮られているのに気づかずに、すっかりゆで上がってしまうわけだ。くだんの2月7日読売社説、残念なことに見つけられない。

ハイチに最初に派遣された部隊、中央即応集団というものらしい。
2010年2月6日に派遣されたようだ。読売社説、この広報記事というわけだ。

陸上自衛隊中央即応集団(CRF)は、近代戦に特化した新設部隊で、米国海兵隊の様に、即海外派兵でき、上陸行動を行う専門部隊であるらしい。

中央即応集団、

2008年3月末に、3個部隊で発足
2009年5月18日海賊対処航空隊先遣隊が、5月28日に本隊がジブチに派遣されている。

中央即応集団については水島朝穂教授の下記文章がある。ジブチ派遣の背景がなんとなく、見えてくるような気がする。

中央即応集団(CRF)が動きだす 2009年05月25 

孤児避難所建設、素人には、いよいよ様々な実験の実態をぼかす煙幕に思えてきた。

宗主国が違法な大量殺人をする時の名目も、常に、民主主義と自由の実現。

宗主国指揮下の軍事予算も作戦も、おもいやり予算というみかじめ料同様、話題にしてはいけない聖域なのだろう。怪しい行為の真実、語るわけにゆくまい。

素人が知りたい事実を知らせてくれるものを、報道というのだろうと思うが
お上が知らせたい話をただ垂れ流すのは、広報かプロパガンダだろう
と愚考する。

毎日、美女がテレビ買い換えとアンテナ設置を説教してくれても、大本営広報拝聴のため、まだ使えるテレビを、わざわざ二台買い換え、アンテナを立てねばならないというのは、なんとも気が進まない。

大変な投資をしたところで、結果は、『消費税増税と、TPP加盟』プロパガンダをする美女やら太鼓持ちの顔を、より精細な画面でみられるようになる、というだけの話なのだから。

2012/1/12:

宜しければ下記の関連記事もお読み頂ければ幸だ。

アメリカとハイチを“結ぶ”歴史

2011年1月18日 (火)

たとえ敗戦でも大企業は儲かる

Chris Hedges' Columns

2011年1月10日投稿

AP / Petros Giannakouris

2007年の反戦集会時、アテネ中心部でデモする顔を塗った若い抗議デモ参加者。

Chris Hedges

権力は、選挙民にあるのではない。権力は、二大政党のいずれかにあるのではない。マスコミが権利を代表しているわけでもない。権力は、略奪者達から我々を守ってくれる司法組織によって裁定されるわけではない。権力は大企業にある。しかも、大企業は、たとえ戦争には勝てる可能性が全くなくとも、戦争で非常に大きな収益を得られるのだ。公式の権力体制に対する、あらゆる礼儀正しい懇願では、イラクとアフガニスタンでの戦争を終わらせられないのだ。我々は戦争機構を物理的に妨害するべきであり、さもなくば我々は戦争の共犯者という役割に甘んじるしかない。

2004年に、反戦抗議行動が一時停止したのは、民主党の大統領候補ジョン・ケリー上院議員を大統領にするのを支援しようとして考えられたものだ。それは馬鹿げていて、屈辱的な妥協だった。ケリーは指名されるや否や、からくり人形のように、パッと敬礼した。イラクでの勝利について、止めどなく語った。自分ならファルージャからは撤退しないと国民に請け合った。そしてジョージ・W・ブッシュが、もう一期勤めるべく選出される頃には、反戦運動は勢いを失っていた。議会を民主党支配に変えて、イラク戦争を終わらせようという、2006年の試みは、もう一つの不信の体験となってしまった。民主党は、多数派になるや、イラクとアフガニスタンの戦争に資金を出し、拡大した。そして、2008年のバラク・オバマも、企業・軍エリートの為のもう一つの広告宣伝の道具に過ぎないことが証明された。こうした戦争を止めるべく、政治プロセスの枠組みの中でなんとかしようという我々のあらゆる試みは、絶望的で、惨めな失敗だった。そして、我々が時間も無駄にしている間に、何万人ものイラク、アフガニスタンやパキスタンの民間人もアメリカ兵や海兵隊員も、心の痛手を負わされ、重傷を負わされ、殺されている。

人は、戦争に反対か、そうでないかのどちらかだ。人は、体を張って、戦争が終わるまで、d戦争を挑発する連中や兵器製造業者に盾突くか、そうでないかのどちらかだ。人は、オバマを含め、自分の核となる道徳的信条をあざ笑ったり、無視したりする連中を糾弾するだけの品位と性格の強さをもっているか、そうでないかのどちらかだ。人は、何かのために戦うか、そうでないかのどちらかだ。だが、2004年、2006年、そして、2008年に、反戦運動をしていた、余りに多くの人々は、弱く甘かったことが立証されているので、我々は一から始めるしかない。今度は、堅持できる反戦運動を立ち上げなければならない。我々は制度全体に挑まねばならない。民主党が選挙に勝つのを助けるのは我々の仕事ではないことを認めねばならない。働く男女のために立ち上がろうとし損なったこと、ウオール街への卑屈さ、これらの戦争を止めることを拒否したことから、もはや信頼に値しないことを、民主党は十分に証明してくれた。我々は我々自身を信じるしかないのだ。だから我々は制度そのものを崩壊させなければならない。読者が前回参加され損ねた場合、こうした戦争に抗議する次の機会は、3月19日、土曜日のイラク侵略八周年だ。街頭デモが、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴや、ワシントン、D.Cで予定されている。詳細は、www.answercoalition.org/national/index.htmlでお読み頂ける。

アメリカは、主として赤字の山を作り出すことで、年に約1兆ドルもこうした戦争に支払っている。戦争をするために、赤字を跳ね上げている一方、アメリカでは、3000万人以上の人々が失業し、約4000万人が貧困な生活を送り、更に何千万人もが、婉曲的に“近貧困”と呼ばれる範疇にある。兵器製造業者と民間契約者の利益は、アフガニスタン侵略以来、四倍になった。しかし、企業の強欲のための慢性的コストとして 長期失業があり、不完全雇用があり、連邦や州の公共サービス事業は大幅に削減されている。大企業は、戦争がどれだけ不利になろうとも、紛争から膨大な利益をあげるのだ。連中には金を稼ぐ装置を止める意図など皆無だ。イラク人など死ぬにまかせろ。アフガニスタン人など死ぬにまかせろ。パキスタン人など死ぬにまかせろ。アメリカ国民など死ぬにまかせろ。そして、議会やホワイト・ハウスの高級官僚は、テレビのニュース番組に登場する、支配者の太鼓持ち連中と一緒に、冷笑的に“我々の痛みを感じ”大企業の分厚い札束と引き換えに、我々国民を裏切っている。

イラク戦争を経験した退役軍人で、マーチ・フォワード!共同創立者の一人、マイケル・プリスナーは理解していた。彼のグループは3月19日の抗議デモに参加する団体の一つだ。2001年6月、プリスナーは高校を中退して、軍に入隊した。彼はイラク侵略軍の一員だった。彼はイラク戦争中、標的を監視し、空爆や集中砲火を要求していた。イラク人の家の夜間家宅捜索にも参加した。尋問者も勤めた。地上監視任務も行い、車列を防衛した。2005年、戦争とそれを維持するための嘘に愛想をつかして、軍を辞めた。以来、彼は高校や街頭抗議デモで反新兵募集運動をして、軍を辞めさせる運動に携わっている。彼は、平和を求める退役軍人の会が組織した12月16日の反戦デモ時に、ホワイト・ハウスの前で他の130人と共に逮捕された。

“戦争をする理由、我々があそこに行く理由は、イラク国民を助け、大量破壊兵器を見つけ出すためだと信じていました”数日前に話した際に彼は言った。“しかし、戦争のこの二つの理由は全くでたらめであることが間もなく明らかになりました。大量破壊兵器の話題を、諜報部員に言えば、笑い物にされましたよ。そうしたものを探すことは、任務の一部でさえありませんでした。もしも、それが任務の一部であったなら、イラク北部で唯一の諜報部隊の隊員だった私も知っていたはずです。イラク国民を助けるために、ここにいるのかもしれないと思ったのですが、あの国に居た時に見た全ては、イラク人が残忍な仕打ちを受け、彼らの生活条件は劇的に悪化することだったのです。イラク人は私に、アメリカ兵はサダムよりひどいと言っていました。戦争には別の狙いがある、我々は永久軍事占領の準備をしているのだということに、間もなく気がつきました。派兵されていた間の実体験のおかげで、イラク戦争の現実が見え、アメリカの外交政策に疑問を持ち始めたのです。総じてアメリカ外交政策とは一体何なのか疑問に思い始めたのです。イラクは小宇宙だと思いました。色々な国を金持ち用に征服するために、ウオール街のために、マーケット、土地、資源と労働力を奪取するために、アメリカ軍は利用されているのです。これがアメリカ外交政策を動かしているのです。”

“2008年にオバマが選ばれた時、国の大多数がイラク戦争に反対になったのです”彼は言う。“イラク戦争には反対だとリップ・サービスをしなければ、大統領立候補する民主党議員にはなれませんでした。人々が戦争に反対していた理由は、アメリカ軍兵士やイラク民間人の絶えざる無意味な死があるからです。戦争はアメリカの資源の浪費です。占領の商標を変更したとて、これは変わってはいません。アメリカ兵は依然として、殺害され、負傷させられ、心理的に心の痛手を負わされています。特に、前回の派遣時に、心の痛手を負わされ、再度心の痛手を負わされる三度目、四度目あるいは五度目に派遣される人々が。数日前、イラクで、二人のアメリカ兵が死亡した。2003年に人々を戦争に反対するようにさせた原因は、今もそのままです。唯一変わったものはと言えば、最前線に配備して、数歩後ろにいるアメリカ兵と共に、戦闘作戦の矛先を担うだけの十分なイラク人をアメリカが採用できていることだけだ。アメリカ兵は依然として、戦闘に関与しているのだ。私たちのグループに一ヶ月前に参加した[マーチ・フォワード!]メンバーの一人は、今イラクにいます。彼は昨日私に言いました。前に9ヶ月派兵されていた時より大きな衝撃を受けたと。戦闘は依然として現実です。人々は今も殺害され、重傷を負っています。”

“戦争は以前として続いています”彼は嘆いた。“戦争は、やはりアメリカ兵にとっても、ひどいもので、イラクは完全に破壊されました。イラク国民にとって戦争は大惨事です。この現在の作戦を‘新たな夜明け’と呼ぶこと、こんなものが、イラク国民にとって、新たな一日だなどと言うのは、イラク人は電気も使えず、耐えざる武力衝突の中で暮らし、政府は機能しておらず、占領軍は依然居すわり、劣化ウランや他の原因によってはびこる先天異常に苦しんでいるという事実を無視しています。イラクの‘新たな夜明け’はひどいものです。イラクが正当に扱われる迄、つまり、全ての占領軍の完全かつ即時の撤退と大量の賠償金がイラクに支払われるまでは、イラクはこのままでしょう。”

サダム・フセインの残忍さにもかかわらず、戦争前、イラクは非常に教養の高い中流階級がいる豊かな国だった。イラクのインフラは近代的で、効率的だった。イラク人は高水準の生活を享受していた。イラクは、文明の利器にも事欠かなかった。うまくいっていたのだ。だから、ニューヨーク・タイムズの中東特派員だった頃に、何度も経験しているが、イラクで暮らすことは、国家の抑圧があるので、やる気をなくさせるものではあったものの、決して困難ではなかった。アメリカによる占領以来、イラクは機能不全に落ち込んだ。工場、病院、発電所、通信、下水道も、配電網も機能していない。運が良ければ、イラク人は一日に三時間、電気が使える。43度という暑さの中で、これを体験して頂きたい。貧困はこの国土着のものとなった。百万人以上のイラク民間人が殺害された。約五百万人が自宅から立ち退かされたか、難民だ。昨年、マーサー生活環境調査は、バグダッドを、諸都市の最後に位置づけた。地球上、最も居住に適さない都市だ。かつては自国の石油を支配していたイラクが、石油採掘権を外国企業に引き渡すことを強いられている。イラクに残されたものはといえば、それだけだ。暴力、窮乏と窃盗。

イラク戦争もアフガニスタン戦争も、大衆の支持を得ているようには見えない。最近のCNN/オピニオン・リサーチ社の世論調査は、アメリカ国民の63パーセントが、アメリカのアフガニスタン介入に反対していることを示している。更にイラクでの戦争を巡る不満の度合いは一層高い。にもかかわらず、我々は、破綻したリベラルな機構の二枚舌や、 来る年も来る年も我々を裏切り続けている、腐敗した政治プロセスを受け入れ続けている。世論は我々の側にある。反撃の為に、我々は世論を動員すべきなのだ。私や他の抗議デモ参加者、12月16日に、ホワイト・ハウスの外にいた時に、アフガニスタンやイラクに兵士として派遣されたことがある警官の何人かは、退役軍人達に手錠をかけながら、戦争については、お前たちが正しいとつぶやいた。反戦感情は広まっている。だから、我々は反戦の声が聞こえるようにするための勇気を見いだす必要があるのだ。

“雇用状況は底知れずひどく、授業料は上がる一方なので、こうした人々全員が、軍に入隊しているのです”プリスナーは言う。“多くの若者達は、大学教育からはじきだされています。生計をたて、家を買い、医療、子供を育て、十分な教育を受けさせたくて、人々は、軍へと向かうのです。もしも、イラクとアフガニスタンの戦争に使われる金のごく一部が、人間的なニーズに使われていれば、子供たちも、手の届く学費で大学に通えるでしょう。彼等が高校を卒業する時には、若者用の仕事を作り出すこともできていたでしょう。我々が生み出す膨大な額の富は、こうした戦争や軍にどっと注ぎこまれ、アメリカの国民は、一層の困難に直面しています。私たちは、変化を求めるのではなく、変化を要求し、そのために戦わなければなりません。”

“我々は、久しぶりに、最も進歩的な大統領を選出したはずなのに、そして、民主党が、下院と上院の主導権を握ったのに、戦争は拡張し、激しくなるばかりです”プリスナーは言う。“戦争は、現在、他の国々、特にパキスタンとイエメンに拡大しています。民主党は、議会で、議事進行を妨害されないような大多数を獲得していまする。我々は、一見したところ進歩的な大統領を選びました。しかし、我々が得たものは、益々多くの戦争、更なる軍事支出、外国における無辜の人々への更なる爆撃、柩で帰国するアメリカ軍兵士の増加に過ぎません。これで、民主党は我々の味方で、何かをやり遂げてくれるのだ、というような考え方は、絶たれ、粉砕されます。このままにしておけば、ワシントンの装置は戦争推進を継続するでしょう。ワシントンの装置は、こうした国々を支配し、そうした国々を、他の国々を侵略するための足場として利用し続けます。アメリカの外交政策には本当のチェンジなどありませんでした。もし我々が、現時点で民主党を傷つけられていれば、結構なことです。我々は既存体制の外に、独立した政治運動を作り上げる必要があります。それが、アメリカ史上、我々が本当の勝利を勝ち取る唯一の方法です。”

Chris Hedgesは、ネーション・インスティテュートの上級研究員。彼の新刊は“Death of Liberal Class”

記事原文のurl:www.truthdig.com/report/item/even_lost_wars_make_corporations_rich_20110110/

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そのまま、日本の民主党にもあてはまりそうな文章?

中学校か高校か覚えていないが、生物でヘッケルの法則を習った記憶がある。

『個体発生は系統発生を繰り返す』というあれだ。政治に置き換えると、
『属国の政治プロセスは宗主国の政治プロセスを繰り返す』のだろうか。

我々は既存体制の外に、独立した政治運動を作り上げる必要があります。

頻繁に翻訳させて頂いているwswsのいつもの結論そっくりなのにびっくり。

エセ二大政党のまやかしに、いまだにしっかり取り込まれている
『属国の政治プロセスは宗主国の政治プロセスを周回遅れで繰り返す』
もののようだ。

Chris Hedgesのような人々やwswsのような団体に活躍頂いて、宗主国の政治を変えて貰わない限り、イラク統治の手本とされる属国の政治、あと百年は良くなりそうもない。

追記:1月17日、宗主国では祝日。下記記事をどうぞ。

キングの夢を悪夢に変える-Chris Hedgesのコラム

2011年1月13日 (木)

ベネズエラとウゴ・チャベスの実績を明確にする

Eva Golinger

2011年1月9日

chavezcode.com

世界中の様々なマスコミで、ベネズエラとウゴ・チャベス大統領に関し、余りに多くの虚報が流布されているが、実績を明確にするべき時だ。ベネズエラは独裁政治ではなく、チャベス大統領は独裁者ではない。昨晩も、ベネズエラの国家元首は住宅問題活動家のグループとの集会に参加したが、彼等はテレビの生放送で政府の政策や、居住者や住宅問題に対する怠慢を批判するだけでなく、法律や規制やプロジックトを提案し、それはチャベス自身に、喜んで受け入れられた。また先週、ベネズエラ大統領は、前年、多数派の親チャベス議会によって承認されていた高等教育に関する法律に、批判者や法案に反対した人々を含め、この話題についての、より"オープンで広範な" 論議を求めて、拒否権を発動した。これは残虐な独裁者の振る舞いではない。

17年以上、断続的にベネズエラで暮らしてきた人間として、チャベスが、1998年に初めて選出されて以来、過去十年間に、この国で起きた驚くべき変革を、私は証明できる。以来、彼は圧倒的多数により二度再選されてきた。

1993年、私がベネズエラに初めてやってきた時、ベネズエラは深刻な混乱状態にあった。憲法で規定されている権利は停止されており、全国的な外出禁止令がだされていた。弾圧はまん延しており、経済は危機的状態で、いくつかの新聞社、テレビ・ラジオ局は閉鎖させられたり、検閲されたりしており、政府は貧しいコミュニティーの若者を狙って、強制的な徴兵制度を課していた。ワシントンによって"傑出した民主主義者"として称賛された本当の大統領カルロス・アンドレス・ペレスが、汚職のかどで、起訴され、投獄されてしまったため、暫定大統領が権力を掌握していた。ペレスは最終的に監禁から逃れ、マイアミに逃亡し、そこでベネズエラ国民からかすめ取った何百万ドルの金を食いつぶしながら、先月亡くなるまで暮らしていた。

新大統領が1994年に選出されたとはいえ、憲法で規定されている権利は、チャベスを権力の座につけた1998年大統領選挙まで、何年間も断続的に一時停止されたままだった。以来、2002年の短命に終わったクーデターや、経済的に深刻な影響をあたえた2003年の石油産業の妨害工作、そして、それに続く年月の、彼の政権に対する、いくつもの企みにもかかわらず、チャベス大統領は、一度たりとも、憲法で規定されている権利を制限したり、国民に夜間外出禁止令を発したりしていない。彼は、権利を制限したり、あらゆるマスコミをも閉鎖するような非常事態を宣言したりしたこともない。2007年には、彼は恩赦すら行い、人類に対する犯罪や殺人に直接関与した連中を除き、2002年のクーデターに関与した全ての人々を特赦した。

チャベス政権のもと、貧困は半分に減り、普遍的な質の高い無料医療と教育が全ベネズエラ国民に保証されており、新たな産業が生み出され、政治権力は益々、かつてベネズエラを20世紀中ずっと支配してきたエリートによって排除されていた"普通の"人々の手にうつりつつある。

すると、一体なぜこれだけ多くの新聞や放送局は彼を独裁者扱いするのだろう?

ウゴ・チャベスの話し方や、彼が貧しい家庭に生まれたこと、軍隊出身であること、左派で、典型的なイメージに合わない国家元首だという事実を、皆様はお好きでないかも知れない。しかし、だからといって彼が独裁者になるわけではない。

ベネズエラでは、80%以上のテレビ、ラジオや、活字メディアは、依然として政府に批判的な私企業の支配下にある。そして、一部の国際的なマスコミがいくら色々と主張をしていても、ベネズエラでは、検閲も、表現の自由に対する侵害もない。政府打倒を呼びかけたり、国家に対する反乱するよう国軍を扇動したりするという、大半の国々では明確に禁止されているようなことが、公的許可を得た、野党が支配している(ケーブル・テレビに非ず、地上波)テレビ局で放送されている。つい先月も、ベネズエラ商工会議所会頭のフェデカマラスが、テレビとラジオでライブ放送の記者会見を行い、その中で彼は、政府の命令に背き、実業界の命令に "服従"しなければ、国軍は"報いを受ける" "反逆者"となろうと述べている。

アメリカ合州国で財界首脳が、テレビ出演して、もしも連邦政府に背かないのであれば、米軍は "反逆者" だと言ったらどうなるかは想像できる。シークレット・サービスはその人物を即座に逮捕し、重い罪に問われるだろう。だが、アメリカでは、いかなるテレビ局も、反乱あるいは政府に対する不服従の呼びかけに相当するようなことは、一切放送しようとはしないのでそれに類することは決して起きない。それは違法なのだ。

だからベネズエラには検閲がないばかりではなく、過剰な表現の"自由"があるのだ。チャベス政権がメディアに対してとっている寛容な姿勢の一つの利点は、国中でのコミュニティー・メディアや代替メディアの増殖だ。こうしたメディアは、大手商業マスコミによって無視されている人々に対し、意見などを表明する手段となっている。チャベス政権以前の政権時には、コミュニティー・メディアや代替メディアは禁じられていた。

最近、ベネズエラ国会は、「ラジオ、テレビとデジタル・メディアの社会的責任法」と呼ばれる法案を可決した。この法律はインターネットも、他のいかなるメディアも検閲しない。この法律が行うのは、大統領や、他の個人を暗殺することを呼びかけるのは認めず、またベネズエラで運用されるウエブ・サイト上で、犯罪、憎悪あるいは、暴力を煽動することを禁じている。これは大半の民主主義国家デモクラシーにおいて一般的であり、礼節の証だ。この法律は、マスコミに対し、国民の教育に貢献する責任も植え付ける。現在、マスコミは社会に対し、巨大な力を持っている。自分たちの行動に責任をとるのは当然のことだろう?

マスコミによって、ひどく操作されている、もう一つの問題は、先月ベネズエラ国会によって承認された授権法だ。この法律は、この法律で規定されている特定の問題について、"命令"を制定する権限を大統領に付与するものだ。授権法は、国会の立法機能を侵害したり、禁じたり、制限したりするわけでなく、反憲法的でも反民主的でもない。国会はいつものように、依然、その権限の中で、法律について、議論し、承認するのだ。憲法によって許容されている授権法は、 昨年末、全国的に、地域社会に壊滅的打撃を与え、130,000人以上のホームレスを生み出した集中豪雨によってひき起こされた国家の非常事態に対する素早い対応を行うため、チャベス大統領によって要求されたものだ。この法律はいかなる憲法上の権利も侵すわけではなく、ベネズエラに対し、"独裁政治"を押しつけるわけでもない、これは迅速な解決が必要な緊急事態に対する、単なる正当で、合法的な対応に過ぎない。

ベネズエラ議会について言えば、今年の新国会の構成に関して、世界中のマスコミで、繰り返され、再利用されている詐欺的な情報が沢山ある。ベネズエラでは、2010年9月に議会選挙を行い、野党、つまり反チャベス諸政党は議席の40%を獲得した。彼等が多数派だと言う連中もいるが、実に奇妙なことだ。親チャベス派のPSUV党は、ベネズエラの立法府、国会で、60%の議席を獲得した。これは165議席中の97議席であり、更に親チャベス派のPCV党が獲得したもう1議席を加えると、合計で98議席だ。

一方で、野党ブロックは、大半の争点で、必ずしも合意しているわけではない13の異なる政党による、65議席を獲得した。更に、残り2議席は、第三の独立政党PPTが獲得した。そこで、PSUV党は、議会で97議席を獲得しており、第二党は22議席を有するアクシオン・デモクラティカ(AD=民主行動党)だ。多数派は誰だろう?

2005年、野党は選挙をボイコットし、2000年から維持していた国会議席の50%近くを失った。現在、野党ブロックは40%に減少したのに、彼等は議席が"増えた"と主張している。こうした見方は、誤った世論操作的なものであるにもかかわらず、大手マスコミによって何度も繰り返されている。

野党ブロックは既に、政府打倒を助力してくれる外国からの介入を求めるつもりであることを表明している。これは違法であるばかりでなく、信じられないほど危険だ。ベネズエラ野党に同調する、多くの候補者や、大半の政党は、いずれもアメリカ国民の税金で資金を調達している全米民主主義基金 (NED)や、米国国際開発庁(USAID)といった、いくつかのアメリカや国際的機関から、既に毎年何百万ドルもの資金援助を受けている。この資金援助の表向きの目的は、ベネズエラで "民主主義を推進し" 、チャベスに対する野党勢力の構築を支援する。これは明らかに、ベネズエラの主権の侵害であり、アメリカ国民が納税したドルの浪費だ。アメリカ国民の皆様方は、皆様が苦労して稼いだお金を、こうしたやり方で使って欲しいとお考えだろうか?

今週、野党幹部は、ワシントンでアメリカ側の相手との会合を予定している。彼等は既に、自分たちの使命はチャベス大統領を権力から追い出すのに役立つ更なる支援を求めることにあると述べている。不幸なことに、彼らの非民主的な行動は、アメリカの国会議事堂で既に歓迎されている。現在、下院外交委員会の西半球小委員会委員長を勤めるコニー・マック下院議員(フロリダ選出・共和党)は、議会初日に、今年の目標の一つはベネズエラを、"テロ支援国家"リストに載せることだと声明した。また現在、下院外交委員会の委員長であるイリアナ・ロス・レイティネン(フロリダ選出・共和党)下院議員は、彼の狙いを支持し、ウゴ・チャベス等や"フィデル・カストロや他のあらゆる圧政的な指導者の暗殺"を歓迎したいとまで公式に述べてさえいる。

1月1日に、チャベス大統領と、ブラジルのディルマ・ルセフ新大統領就任式典の際に、ブラジリアで、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官と、短い、非公式で友好的な会談を行った。何の合意も得られてはいないが、握手と微笑によって、昨年末、外交上の危機を生み出した両国間の緊張のエスカレーションはおさまった。だがワシントンに帰国するや否や、クリントンはマスコミに厳しく批判された。特にワシントン・ポストは彼女がベネズエラに対してあまりに "寛大" 過ぎると非難した。

ワシントン・ポストの対ベネズエラ戦争への呼びかけは危険だ。他国に対する侵略を正当化するには、世論を条件付けすることが必要であることを想起されたい。いまだに終わっていない戦争を、中東で始めるにあたっては、サダム・フセインやイラクやイスラム教を悪魔化するキャンペーンが不可欠だった。単にその政策が気に食わないというだけの理由で、民主的に選出され、広く支持されている政府を、政権から追い出そうという政治的(そして経済的な)底意を持ったマスコミに、国民は進んで影響されるのだろうか?

最近のアリゾナでの悲劇的な出来事を考えれば、マスコミには権力があり、個人の行動に影響を与えていることは一層明確になっている。憎悪発言や悪魔化キャンペーンや、世論操作的で詐欺的な情報は危険であり、戦争を含む忌まわしい結果を招きかねない。

ベネズエラに対する攻撃のエスカレーションを止め、事実を受け入れるべき時期だ。ベネズエラは独裁政治ではなく、あなた方の多くは、ウゴ・チャベスを好きではないかもしれないが、彼に投票した、大多数のベネズエラ国民は好きなのだ。 そして、このシナリオで、肝心なのはベネズエラ国民なのだ。

記事原文のurl:www.chavezcode.com/2011/01/setting-record-straight-on-venezuela.html

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チャベス大統領、マスコミが言うほど悪魔のような人物ではないだろうと、素人は「理由なく憶測」している。

ただし、大統領授権法については、上記記事とは趣旨が違う記事がある。

JETROのベネズエラの政治動向記事

新たな大統領授権法-ベネズエラ

他国はさておき、この国、とうとう、ならずもの国家のいうがまま、ミサイルまで輸出する国に落ちた。

2011年1月13日 13時35分

日米、ミサイル輸出で調整加速 防衛相が会談

「トランジスタ・ラジオのセールスマン」、恥ずかしい商売ではない。

世界最大のならずもの国家や、別の属国への先制攻撃用「ミサイル・セールスマン」、大きな声では言えない、恥ずかしい商売。

次はいよいよ、宗主国が遂行する戦争への参戦、あるいは走狗として開戦。

「日米ならずもの同盟」強化には、そういう結果しかあるまい。

ビル・トッテン氏も、コラム(Our World)No.942 日本のアメリカ化で、そう見ておられるようだ。

9/11のどさくさにまぎれて、わけのわからない、いちゃもんをつけてのアフガニスタン侵略も、ありもしない大量破壊兵器を口実にしたイラク侵略も、アメリカ・日本のマスコミ、当時止めようとしただろうか?政府と一緒になって、突撃ラッパを吹きまくっていたのではなかったか?そうした、マスコミのベネズエラ・チャベス非難、割引して読んでいる。というより、真面目に読んではいない。

「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」という番組、たまたま見損なった。良かったという皆様が大変に多い。しかし現状はどうだろう。まさに・すでにテロ戦中。

「日本人はなぜ戦争へと向かっているのか」」という番組をこそ見たいと思う。

チャベス大統領は、世界最大のならずもの国家に対して、自国民・経済のために、できる限りの努力をしているように、素人には見える。

一方、党大会で、わけのわからない演説するこの国の首相、それをじっとみているゾンビーのような議員の様子をテレビで見て、Appleの有名な『1984年』Macintosh発売前のコマーシャルを連想した。

通常、国会での野次は不快だと思うが、今回のあの党大会に限っては、フロアーで、異議の声をあげる人々に感心。

そのAppleすら、ルパート・マードックの会社News Coprと組んで、iPad専用のニュース、Daily Newsを流す計画だという。ブルータス、お前もか!iPad購入を夢想していたが、あきらめることにした。本当の理由、イデオロギーではなく、懐具合であるのが悲しい。

Democracy Now Japanで下記字幕付きビデオが見られる。30分。見たくもないようなプロパガンダ映画は多数上映されるが、こうした見たい映画は見られない。

オリバー・ストーンが中南米の政治変動に取り組んだ新作『国境の南』 前編

2011年1月11日 (火)

トゥーソン乱射事件: アメリカ人に対する警告

2011年1月10日

wsws.org

土曜日のアリゾナ州トゥーソンにおける乱射事件は明らかに右翼テロ行為だ。銃撃犯は総計20人を銃撃し、ガブリエル・ギフォーズ民主党下院議員に重傷を負わせ、ジョン・M・ロール連邦判事と他の5人を殺害した。

マスコミに対する最初の声明で、ピマ郡保安官クラレンス・W・ デュプニックは、乱射事件を政治的な文脈の中に置いて、正しく理解していた。彼は右翼政治を鼓舞する"政治的毒舌"を非難し、アリゾナを、アメリカにおける偏狭さの中心地になぞらえた。

彼は、移民排斥ヒステリーの促進や、連邦政府が承認し、全国的メディアによって正当化されたメキシコ国境での武装自警団員の活動を示唆していたのだ。昨年、アリゾナ州は、法的身分が証明できない、あらゆる"疑わしい"人物を、捜査、阻止、拘留する権利を警官に与えるという、あからさまに違憲の法律を可決した。

ほぼ即座に、マスコミの解説者達は、トゥーソン乱射事件を反動的な政治環境に結びつけた保安官からは逃げ腰になり、銃撃犯の政治右翼とのつながりをあいまいにし始めた。

マスコミは、この暴行を、気が狂った単独の人物による不可解な暴挙として描き出そうと務めている。典型的なものが、デイリー・ビーストのワシントン支局長で、CNN司会者のハワード・クルツのコラムで、彼は土曜日に、こう書いている"これは有名になって一年たったサラ・ペイリンの選挙地図とは無関係だ。人の命を尊重しようとしない独りの変人がしたことだ。"

リベラルなMSNBCトーク番組の司会者レイチェル・メドウも似たような言い方をしている。オンライン・マガジンSlateのジャック・シェーファーが引用したツイートでは、彼女は“事実抜きで、アリゾナ銃撃犯の動機や背後関係を憶測しても得られるものはない。”と書いている。

だが事実は明白だ。22歳の銃撃犯ジャレド・リー・ロフナーに関する最初の情報は、彼が極右政治の影響下にあったことを示している。YouTubeウェブ・サイト上の彼の発言は、"第二の"アメリカ憲法、"背信的な"法律、黄金の裏付けがない通貨への言及に満ちている。これは暗号化された、極右言語の模写だ。

昨年3月、彼女がオバマ大統領の医療法案に賛成票を投じた翌日、彼女のトゥーソン事務所の厚板ガラス窓が割られたのを含め、ギフォーズ下院議員が右翼による政治的攻撃の標的だったことは良く知られている。2010年の中間選挙運動期間中、民主党が議席を持っている、攻撃しやすい20の選挙区を示し、その各選挙区に照準線の標的印をつけたアメリカ地図をサラ・ペイリンはウエブに掲載した。その一つがトゥーソンのギフォーズの選挙区だった。

ティー・パーティーが支援したギフォーズの競争相手、元海兵隊軍曹は、"ガブリエル・ギフォーズを議席から追い落とすのを助けて欲しい"という標語のもとで選挙運動イベントを行い、支持者に"完全自動のM16で撃とう"と呼びかけた。

ロール判事も、反移民狂信者による何百という殺害脅迫の標的だった。2009年、米国警察庁は、彼を一カ月間、24時間警護した。

昨年11月、彼女がティー・パーティーが支援した共和党候補者をかろうじて打ち破り、連邦議会三期目の議席を獲得した後も、ギフォーズ議員に対する脅迫は続いていた。射撃事件後、ユダヤ人であるギフォーズには、誰か敵がいたのかとマスコミに尋ねられて、家族はティー・パーティーをあげた。

政治的右翼の言葉は、情緒的な暴力への呼びかけに満ちていることに議論の余地はない。デュプニック保安官は、暴力礼賛の雰囲気を助成する上で、特にラジオやテレビのトーク番組司会者の役割を指摘した。テレビ・ラジオ放送は、ラッシュ・リンボーのような右翼のトーク番組パーソナリティや、グレン・ベックのような精神病質的パーソナリティによって支配されているのが事実だ。

そうした放送の呼びかけが、情緒不安定で頭が混乱している人間に対し、行動しようという衝動を与えてしまうのは、決して驚くべきことではない。

1995年のオクラホマ・シティ連邦政府ビル爆破事件以来、2001年の炭疽菌攻撃や、2009年の中絶反対狂信者によるカンサスの医師ジョージ・ティラー殺害事件を含め、右翼による暴挙のエピソードが多数ある。この三件のいずれにおいても、犯人と右翼団体とのつながりとされるものは、政府とマスコミにより、秘密のままにされている。

共和党はその支持基盤を強化するため、40年以上、人種差別主義者やファシスト勢力に訴えかけ、彼等と同盟してきた。大企業に支配されたマスコミは、熱心に右翼的な政治的雰囲気の推進に努めてきた。

現在ギフォーズでの乱射事件には一切かかわりがないと言い張っている同じ政治家やマスコミ代弁者連中の何人かは、一週間前、WikiLeaks創始者ジュリアン・アサンジ暗殺を呼びかけていたのだ。極右分子を煽動してきたフォックス・ニューズのメディア王、ルパート・マードックの類は、今や傲慢にもトゥーソンでの殺戮に対して何ら責任がないとしている。

トゥーソン乱射事件は、10年の絶えざる戦争と、絶え間ないアメリカ軍宣伝の中で起きている。あらゆる政治家、特にリベラルな民主党議員の、軍に対する、吐き気を覚えるような義務的服従は、人命の重さの切り下げと同調しており、おきまりの敵対勢力の殺害と、拷問の正当化への言及に要約できる。

国家機構内の分子に支持された、右翼による暴挙が、歴史的に、アメリカ合州国における大きな社会的危機の時点で、政治的な方向性を変えるために利用されてきたことを忘れてはならない。1960年代、三件の政治暗殺―ジョン・F・ケネディ、マーチン・ルーサー・キング、そしてロバート・ケネディ―は、アメリカ政治の軸を右側に移行させる上で、大きな役割を果たしている。

いつものとおり、トゥーソンでの出来事に対する右翼の反応は鉄面皮で、リベラルは臆病で曖昧だ。民主党は、ブルジョワ政治の本性を暴露するという話題になると、決まってこわばってしまうという印象がある。悪質な性格の最も明快な表現は、共和党と、大企業から資金提供を受けている、マスコミの民衆煽動家連中のネットワークだが、民主党自身も極めて重要な貢献をしてきたのだ。

全体的な社会・政治環境は、海外における戦争と、帝国主義に欠かすことのできない軍の暴力への果てしない欣求と、社会を食い物にした絶え間ない企業利益追求の結果である、国内における社会崩壊の産物だ。これこそ、政治的性格が明白な出来事を目の前にしてさえ、民主党が公にも率直にも決して語ることができない理由だ。

乱射事件直後、オバマや他の有力民主党議員らがおこなった "団結しよう" という穏やかな呼びかけや "左右の過激主義"の否定の類は、欺まん的で、偽善的で、国民を政治的にクロロホルム麻酔にかけるためのものだ。

銃撃犯と右翼勢力とのつながりを入念に調査し、国民に公開するべきだ。引き金を引いたのはロフナーかも知れないが、大企業の幹部達や既成政治勢力に、主な道義的・政治的責任がある。彼等は、明らかにされ、責任を問われるべきだ。

Barry Grey

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2011/jan2011/pers-j10.shtml

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Infowars.comのPaul Joseph Watson記事翻訳で、虚報垂れ流しの手伝いをしたお詫びに?wsws.orgの記事を翻訳した。

昨夜、内田樹氏の新刊『ひとりでは生きられないのも芸のうち』(単行本は2008年1月刊)を読んでいたら、IV グローバル化時代のひずみ に、「銃規制と憲法修正」という文があった。文庫では154-156ページ。ヴァージニア工科大学乱射事件をきっかけに書かれたものだろう。Alex Jonesが主張する憲法上の権利擁護説とは大いに異なる。Alex Jonesの説と違って、こちらはすっと頭に入る。内田樹氏、ウエブに惜しげもなく、文を公開しておられる。有り難いことだが、小生にとっては、紙の本を購入したからこそ、出会えた文章。iPadを持てない貧しい小生、寝床でウエブは読めない。

前記事の末尾。

1990年1月、本島等長崎市長が銃撃された。2007年4月、伊藤一長長崎市長が射殺された。

銃砲など使わずとも、刃物による政治家暗殺も行われている。

1960年10月、社会党の浅沼書記長、2002年10月、民主党衆議院議員の石井紘基氏。

それで、

政治家暗殺犯と右翼勢力とのつながりを入念に調査し、国民に公開するべきだ。たとえば、柳刃包丁で刺したのは、伊藤白水かも知れないが、大企業の幹部達や既成政治勢力に、主な道義的・政治的責任がある、ように思えてくる。

2011/1/12追記:

本澤二郎の「日本の風景」(659)<石井紘基事件の犯人追及を>、是非お読みいただきたい。2011年01月12日の記事だ。

デモクラシー・ナウ・ジャパンで、事件を扱ったDemocracy Now放送番組邦題が読める。日本語字幕はないが、英語の内容書き起こし全文が読める。

2011/1/11(火)

*ジャレド・ロフナーの元級友:「彼は明らかにおかしかった…大半の人と違って落ち着きがなかった」
*ジャレド・ロフナー、精神障害、そして予算削減で低下したアリゾナの精神医療サービスについて
*ギルフォード銃撃事件直後、アリゾナ州議会は銃規制を引き続き緩めるのか?
*リチャード・カルモナ医師:ツーソンの悲劇の後には超党派的解決が必要


2011/1/10(月)

*グリハルバ議員が銃撃事件を語る「アリゾナ州の政治は憎しみと怒りに覆われている」
*アリゾナ州保安官「精神的に不安定な人はこの国で使われているレトリックの影響を受けやすい」
*ジェフ・ビガーズが語る:「憎しみで埋め尽くされた演説」と「武器を簡単に入手できる状況」が今回の事件を生んだ
*チップ・バーレットが語る「ガブリエル・ギフォーズ議員は扇動政治の被害者だ」

2011年1月 9日 (日)

マインド・コントロールに取りつかれたアリゾナの暗殺犯(旧版)

Paul Joseph Watson

Infowars

2011年1月8日、土曜日(ご注意:この文章は旧版1月8日記事の翻訳から、更新版にあわせて、削除された部分を、削除しただけのものであり、追加分は、翻訳していない。現行の更新版記事はUPDATED Monday January 10, 2011となっており、1月8日付けの記事とは全く違うものになっている。)

今日のトゥーソンでの議会報告会で、ガブリエル・ギフォーズ下院議員や、連邦判事や9歳の少女を含む多数の犠牲者を銃撃した殺し屋ジャレッド・ロフナーが、マインド・コントロールに取りつかれたアメリカ軍新兵(2011/1/11注:他の様々な記事では、軍に入隊しようとしたが、受からなかった、とある。この部分、誤りだろう。)だったのは、史上、他の様々な大量銃撃犯達の状況と酷似している。

ロフナーのYou Tubeには、とりとめのないテキストベースのビデオがいくつかあり、そこにはマインド・コントロールに対する強い関心が書かれている。

ロフナーはオンライン大言壮語の一つで、自分は“フェニックスMEPSの、アメリカ合州国軍兵士だ”と書いている。報道記事によれば、彼はある時期アフガニスタンに派兵されていた可能性もある

“USMEPCOMおよびフェニックスMEPSの任務は、個人の国軍入隊手続きをすることである”とアメリカ合州国Military Entrance Processing Commandのウエブ・サイトには書いてある。

ロフナーがアメリカ軍の一員であったという事実がありながら、主要マスコミによって、反政府陰謀の狂人として描かれているのは、とんでもない矛盾だ。ロフナーの多様な視点は、政治的な分類を超越しているように思える。彼のYou Tubeビデオを見ると、彼は明らかに、マインド・コントロールやら、他の異様で変わった些事に取りつかれた統合失調症だ

ロフナーの不安定で精神的に異常な人物像は、マインド・コントロールに対する関心と相まって、ジョン・レノンを射殺したマーク・デイヴィッド・チャップマン、レーガン大統領を銃撃したジョン・ヒンクリーや、コロンバイン高校乱射事件のハリスとクレボルド等の有名な暗殺者達に酷似している。

(旧版記事の文章、ここまでしかなかった。)

記事原文のurl:www.infowars.com/arizona-assassin-obsessed-with-mind-control/(UPDARTEとなっていて、いくつかの文章の削除と、大幅な加筆が行われている。最初の日付の記事翻訳から、UPDATED記事で削除されている部分を削除した。大変に申し訳ないが、大幅追加された部分、翻訳する気力全くおきない。)

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彼のYoutubeには、以下、愛読書名が書かれているという。

私の愛読書だったもの: 動物農場、素晴らしき新世界、オズの魔法使い、イソップ物語、オデッセイ、不思議の国のアリス、華氏451度、ピーター・パン,アラバマ物語、We The Living(アイン・ランド、邦訳無し)、マイロのふしぎな冒険、カッコーの巣の上で、パルプ(ブコウスキー)、鏡の国のアリス、共産党宣言、シッダールタ(ヘッセ)、老人と海、ガリバー旅行記、我が闘争、共和国と対話篇(いずれもプラトン)

(カッコ内は訳者による補足)

USMEPCOM、日本語訳は何だろう?

USMEPCOM、Wikipediaには、入隊段階軍とある。

ある自動翻訳ページでは「USMEPCOMは、平時と動員中に軍事カンキツの品質を保証します。 」という迷訳が出てきて驚いた。

MEPS、Qwikaの自動翻訳では「米国の軍の入口の現像所」となっている!!!

Infowars.comの別記事末尾で、Alex Jones、これから強くなるであろう武器取締法規強化の声に警戒を呼びかけている。

Who’s Behind the Congresswoman’s shooting in Arizona?

Alex Jones、メキシコを、まずい例としてあげている。「完全な銃砲所持規制法があるが、政治家や有名人の誘拐や殺人の記録は世界最悪だ。カルテルや犯罪人のみに銃砲を所持させるのでは、我々は益々攻撃されやすくなってしまう」というのだが...。

1990年1月、本島等長崎市長が銃撃された。2007年4月、伊藤一長長崎市長が射殺された。

銃砲など使わずとも、刃物による政治家暗殺も行われている。

1960年10月、社会党の浅沼書記長、2002年10月、民主党衆議院議員の石井紘基氏。

同盟強化という名の属国政策強化・TPP推進の先に、郵政貯金献上や武器輸出三原則廃棄、集団自衛(集団専制攻撃)のみならず、宗主国製銃砲の輸入・所持自由化も待っているのだろうか?銃砲規制、国際?標準でないという理由で。

やがて日本にもJMEPCOMやMEPSができ、乱射事件が頻発するのだろうか?

世界最強・最大の軍事力を持つ国、最大のならずもの国家だ。殺した他国民の数では、右に出る国はあるまい。同時に、国民による世界最多の銃砲所有を誇る国家、恐らくは世界で最も銃殺事件が多い国だろうと想像している。

そもそも、軍隊、イラクや、アフガニスタンで、無辜の人を、米兵なりNATO軍兵士が、人を殺せるように、マインド・コントロールし、実行させる組織だろう。戦地に派兵され、通常の人間ではできない、殺人行為ができるようになった人々が、帰国すると、銃砲所持が堂々と、認められている社会に戻るわけだ。彼等の中に、戦地と同じ様な感覚で、銃砲による殺人・傷害事件を起こす人々がいるのは、論理的な帰結だろう。

マスコミ報道では、彼の軍隊経験、ほとんど触れられていないように思える。軍隊経験に触れず、精神的な病で片づけるほうが、体制にとっては好都合だろう。

追記:ご指摘で気がついた。訳注で存命の人を殺してしまったので改めた。

2011/1/11追記:ysjournal様から頂いたコメントで、「原文にない」というご指摘があったので、原文記事を確認したところ、更新記事、旧版とは全く変わっていた。

最初に、UPDATED Monday January 10, 2011と追加してあり、記事は大幅に増補されている。ご指摘の、「原文にない」部分、たしかに、UPDATED記事からは削除されている。原文が全く変わってしまった以上、古い翻訳記事、削除すべきだろうが、「誤報記事」の例として、とりあえず残しておく。

2011年1月 6日 (木)

ミハイル・ホドルコフスキーの本当の罪

F. William Engdahl

2011年1月5日

元石油オリガルヒ(新興財閥)ミハイル・ホドルコフスキーに対するロシアの裁判の最終判決は、アメリカのオバマ政権や世界中の政府から、ロシアの司法は専制的で、劣っているとレッテル貼りする劇的な抗議声明を引きだした。しかしホドルコフスキーの記事から巧みに割愛されているのは、プーチンがロシア最大の巨大民間石油会社ユコスの元社長を逮捕し、投獄した本当の理由だ。ホドルコフスキーの本当の罪は、エリツィンの無法時代に、スズメの涙の金額を支払って、ロシアの資産を盗んだことではないのだ。

ミハイル・ホドルコフスキーの本当の罪は、彼が、機能している国家としてのロシアに残されたものを、分解・破壊しようという西欧による諜報作戦の重要部分であったことなのだ。事実がわかって見れば、彼に対して下された裁きは、国家反逆罪判決を受けた連中に対するアメリカ、あるいはイギリスの標準的な扱いと比べれば穏やかなものだ。グアンタナモにあるオバマの拷問監獄など、ワシントンの二重基準の一例に過ぎない。

Wikipediaの公正で、まずいところは削除した表現によれば、“ユコス石油会社はロシアの石油企業で、2003年まで、ロシア人のオリガルヒ、ミハイル・ホドルコフスキーによって支配されていた…ホドルコフスキーは有罪判決を受け、刑務所に入れられた…2000-2003年、ユコスは、最大かつ最も成功したロシア企業の一つだった。2003年、税金の再評価後、ロシア政府は、ユコスに、270億ドルにものぼる、一連の税支払いを要求した。同時に、ユコスの資産は政府によって凍結され、同社はこれらの要求された税金を支払うことができなかった。2006年8月1日、ロシアの裁判所はユコスの破産を宣言した。ユコスの大半の資産は、安い価格で、ロシア政府が所有する石油会社に売られた。欧州議会は、ユコスと同社所有者に対するロシアのキャンペーンを、政治的な理由ででっちあげたものであり、人権侵害だとして非難した。”1

ところが、少し掘り下げてみると、全く違う話が見えてくる。2003年10月、シベリアで自家用飛行機から降りたところを、ホドルコフスキーは逮捕された。Wikipediaが正しく記述している通り、彼は租税犯のかどで逮捕された。記事に書かれていないのは、無法なエリツィン時代、国有財産を詐欺的に入手し、彼が弱冠40歳にして約150億ドルの資産をもつ、ロシアで最も裕福な人物に成り上がったことだ。彼自身の銀行が行ったオークションで、ホドルコフスキーはユコスに3億900万ドル支払った。2003年、同じ会社が4500億ドルの価値があると評価されたが、それもホドルコフスキーの天才的経営手腕によるものではない。

1998年、ホドルコフスキーは、彼自身の銀行とニューヨーク銀行が、100億ドルの資金洗浄を援助したかどで告訴されていたアメリカの裁判で無罪になった。彼には、アメリカに有力な友人がいるように見えた。数ヶ月後に、モナコの自分のアパートで、当時のニューヨーク銀行頭取エドモンド・サフラは、麻薬売り上げ金ロンダリング話で彼が騙した“ロシア・マフィア”とされるもののメンバーによって殺害されたという。2

しかし、それ以上の事実がある。ホドルコフスキーは、西欧と、目ざましいつながりを色々と作り上げた。事実上、ロシア国民から盗んだ数十億ドルによって、彼は何人か有力な友人を得たのだ。彼は、アメリカの億万長者、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティーに習って、オープン・ロシア財団という名の財団を設立した。彼はその理事会に、二人の有力な欧米人を招聘した。ヘンリー・キッシンジャーと、ヤコブ・ロード・ロスチャイルドだ。そして、彼はワシントンでも最も有力ないくつかの集団とつながりを作り始め、秘密主義的な非公開投資会社、カーライル・グループの諮問委員会に任命され、ジョージ・H.W.ブッシュや、ジェームズ・ベーカーIIIといった諮問委員仲間と共に理事会に出席していた。3

しかしながら、ホドルコフスキーがロシア監獄入りとなった本当の罪は、アメリカに支援された、2004年に予定されていたロシア国会選挙で、ロシア大統領の座を手に入れるクーデターを実現する計画にかかわっていたという事実なのだ。ホドルコフスキーは、来る国会選挙で、地中の石油とその輸送パイプラインの所有権に関するロシアの法律を変更するのに十分な議席を買収するのに、彼の莫大な富を使おうとしていたのだ。更に彼は、直接プーチンに挑戦し、ロシア大統領になろうとしたのだ。プーチンが、裕福な、いわゆるロシア人オリガルヒから暗黙の支持を獲得した巧みな駆け引きの一部として、プーチンは、彼等が株をロシアに送還し、また、その財産を使って、ロシア国内政治に介入することはしない限りは、その富を保持することが許されるという合意を引きだした。大半のオリガルヒは合意し、当時は、ホドルコフスキーも合意した。彼等は確固としたロシア人実業家であり続けている。ホドルコフスキーはそうではなかった。

更に、逮捕された当時、ホドルコフスキーは、カーライルの友人で、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領の父親である、ジョージH.W. ブッシュ経由で、ユコスの40%を、コンディ・ライスが前に勤めていた企業、シェブロン、あるいはエクソン・モービルに譲渡するという交渉の最中だった。これは、ロシアに残された資産、石油とそれを国有のパイプライン経由で西欧に輸出し、ドルを得るという、破綻したロシア経済の再建に石油を利用しようとするプーチンにとって大打撃となるはずの方策だった。続いて起きたロシア国家によるユコス告訴の中で、ホドルコフスキーは、彼のオープン・ロシア財団経由で、ロシア文化を支援するだけでなく、ロンドンのロード・ロスチャイルドと、こっそり契約をしていたことも明らかになった。4  彼が万が一逮捕された際には(プーチンに対するクーデターを起こそうという非常にリスクの高いゲームをしていることを、ホドルコフスキーは確実に理解していた)彼のユコス株の40%がロード・ロスチャイルドの手に渡るというものだ。5

ホドルコフスキーの人権侵害に対する、ヒラリー・クリントンとバラク・オバマのそら涙は、認められてはいない、遥かに深い狙いを隠している。ワシントンはペンタゴンのFull Spectrum Dominance戦略、つまり地球全体の支配に、対抗する十分な軍事攻撃力を有する地球上に残された唯一の大国を完璧に破壊するという目標を達成するため、このロシア人を利用しようとしたのだ。その観点から見れば、うんざりする様な甘い言葉“人権”も、全く違った意味合いを帯びよう。

F. William Engdahlは、『Full Spectrum Dominance: Totalitarian Democracy in the New World Order』の著者

1 Wikipedia、Yukos、http://en.wikipedia.org/wiki/yucosでアクセス可能。

2 David Kohn、Murder In Monaco: An American On Trial Is Ted Maher Guilty Of Arson?、2003年2月4日、http://www.cbsnews.com/stories/2003/07/08/48hours/main562214.shtmlでアクセス可能。

3 Dateline D.C.、Soros and Khodorkovsky、TribLiveNews、2003年11月16日、http://www.pittsburghlive.com/x/pittsburghtrib/s_165315.html#でアクセス可能。

4 AFP、Arrested oil tycoon passed shares to banker、2003年11月2日、The Washington Times、http://www.washingtontimes.com/news/2003/nov/2/20031102-111400-3720r/?page=2でアクセス可能。

5 F. William Engdahl、Full Spectrum Dominance: Totalitarian Democracy in the New World Order、edition.engdahl、2009年、58-60ページ。

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22638

記事原文のurl:www.voltairenet.org/article168007.html#article168007

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同様趣旨の英語記事に、Mike Whitneyによるものがある。

Justice Has Prevailed. Khodorkovsky's trip to the slammer: "Booyah, Putin"

この記事、様々なwebで読めるが、多数の読者コメントも読めるInformation Clearing House記事のリンクを貼っておく。

国民、国家に、多大な損害を与えた犯罪者が、その罪を問われるのは当然のことだろう。日本の記事、当然、宗主国のマスコミ記事と同じ調子のものしか見あたらない。

宗主国の走狗として郵政破壊を推進した連中、ロシアだったら監獄にいるだろうか?

基地属国・傭兵体制を推進する二大政党政治家(豪腕政治家もその一人だろうと想像している)と、そこからの分離組、ロシアだったら監獄に入れられるだろうか?

ロシアのような司法があると、国会、ほとんどカラになってしまうのだろうか?

追記:2011/1/7に、トラックバック頂いた豪腕政治家のビデオ、リンクを公開したので、おことわりしておく。

二大政党化を推進する小選挙区制度と、国民に塗炭の苦しみを味あわせる政治家達を税金で支援する理不尽な制度、政党助成金を導入した豪腕政治家には、小生、全く期待していない。既にそれだけで大罪だろう。彼についての記事、読む気力がおこらない。姦+戦国対豪腕対決なる話題、某通信社代表をめぐる女性タレント同士の鞘当てと同じレベルにしか思われない。

訪米中の政経塾害有外務大臣や、わけのわからない年頭所感を述べる首相同様、ホドルコフスキーの類の「豪腕」人物ではないかと想像している。関連する同類項の記事として、リンクを公開させて頂くものであって、リンク先の内容を支持するという趣旨は全くないので、念の為。

現在の袋小路政治状況をもたらした政治家を褒めたたえる精神構造から、自立した日本が実現することは永遠にあるまい。そういう国なのだろう。

幸か不幸か、子供は親を選べない。(これは決して、不幸だったとは思っていない。心から、有り難いことだと思っている)そして、幸か不幸か、国民は、自治体や国を選べない。(これは心から、大いに不幸だと思っている。)

2011年1月 3日 (月)

ベラルーシ"政権交代"せず。2010年大統領選挙: 西欧の政策は惨敗

ヒラリー・キーナン

敗者と勝者

ベラルーシの2010年大統領選挙で、誰が敗者だったかは明らかだ。ベラルーシの反政府運動、不条理劇の劇場に俳優として登場した指導者や活動家達は、今や12月19日のミンスクの独立広場における'暴動'参加のかどで起訴されている。ベラルーシに対するNATO諸国の政策はボロボロとなり、アメリカとEUの政治家とマスコミによる激怒の集中攻撃によって、かろうじて隠されているに過ぎない。ベラルーシの政治過程に介入しようという企みの中で、ロシアも痛い目にあった。西欧におけるイメージ上、またもや権威主義的な独裁者として非難されているアレクサンドル・ルカシェンコ大統領も'敗者'と見なすことができる。

しかし勝者はだれだったのだろう?

東と西、どちらにも与しない、ルカシェンコのしたたかさによって守られて、これまでのところ、ベラルーシは経済・社会体制を維持することに成功し、他の東欧諸国や、技術発展が同程度の他国と比較して、国民の圧倒的多数にとって、経済的安定と生活水準の面で、目ざましい結果を生み出している。

ベラルーシにおける富裕層と貧困層との懸隔はヨーロッパのどの国より一番低い。国営企業を維持するという政府の政策のおかげで、報酬が適度に良い仕事を確保することができており、ベラルーシは他の旧ソ連諸国を、同国が生産する商品輸出先の良い市場として確立した。

CIA World Factbook中のベラルーシの記事は、ベラルーシ政府の政策は正当派資本主義に合致しないと文句をつけている

ルカシェンコ大統領が、この国を"市場社会主義"の道へと進ませ始めた1995年以来、ベラルーシにおける構造改革は、わずかだ。この政策に沿い、ルカシェンコは、価格や為替レートを管理統制し、国家が民間企業の経営に介入する権利を強化した。2005年以来、政府は、多数の民間企業を再国有化した。更に、事業は、法規の恣意的な改変、多数の厳格な検査、新たな事業規制の遡及適用や、"破壊的な"実業家や工場所有者の逮捕を含め、中央と地方政府から圧力を受けている。経済運営に対する国家統制の継続が、国内でも、海外からも、事業への参入の妨げとなっている。

この経済運営に対する国家支配の大きな寄与により、ベラルーシ現在の失業率は、CIA Factbookに記録されている通り、労働力人口の1%だ。2011年には、この驚くほど低い数字は、現在進行中の世界的景気後退の結果、1.2%から1.5%程度へとわずかに上昇すると予想されている。ベラルーシにおける重度多次元貧困指数のレベルは、国連開発計画によれば、0.02%だ。これも、全体的な豊かさがベラルーシ同様、あるいは遥かに高い国々と比較しても、驚くほど低い。

ベラルーシの反例は、その資本主義的な経済政策を、CIA World Factbookの中で大いに称賛されている旧ソ連共和国のエストニアだ。

2004年に欧州連合に加盟した、エストニアは、現代的な市場本位の経済制度で、中欧とバルト海地域の中でも、一人当たりの所得水準が高い国の一つだ。エストニアの歴代政権は、自由市場を進めており、企業寄りの経済方針と、市場志向の改革を押し進めるという姿勢はほとんどぶれていない。現政権は比較的健全な財政政策を継続し、その結果、少なくとも2009年までは 均衡予算であり、公的債務も少ない。タリンの優先事項は、2003年から2007年まで、年平均8%だった高い成長率を維持することだ。経済は、強力なエレクトロニクス、および電気通信分野と、フィンランド、スウェーデン、ドイツとの強い貿易上のつながりを享受している。政府は2011年にユーロを導入する予定だ。

エストニアにおける失業は、現在15.5%で、重度多次元貧困指数によって定義される極度の貧困の比率は7.22%だ。

アメリカと、ヨーロッパにおけるその同盟諸国は、もちろんベラルーシにおける最近の大失敗から回復をはかろうとするだろう。ロシア当局も戦術を見なおすだろう。しかし、差し当たりは、ベラルーシで2010年12月に '政権交代'が起きなかったという事実の主な受益者は、大半のベラルーシ国民だ。

記事原文のurl://21stcenturysocialism.com/article/belarus_election_2010_a_crushing_defeat_for_western_policy_02041.html

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謹賀新年

文字通り、「貧乏暇なし」ゆえ、長い文章なので、最終部分のみ翻訳した。それでも、マスコミ記事とは違う内容、ご理解いただけよう。

日本の与党と大統領、ベラルーシから輸入したいくらいだ。あるいは、アメリカ・中国、どちらにもつかず離れずのはなれわざを演じてくれるかもしれない。

少なくとも、日米(韓)同盟強化やらTPP推進という名目での『属国化推進』はするまい。ユーゴスラビアのチトーを思い出す。そのユーゴも、冷戦終了後は、独自の政治・経済体制がアメリカとEUには目障り。東欧・イスラムへの橋頭堡として利用するため、アメリカとEUによって、無理やり崩壊させられた。

日本で2009年8月に '政権交代'がおきたという事実の主な被害者は大半の日本国民。

それにもこりず、大半の日本国民、今度は、現与党同様、かつて属国化を推進し、今後も一層属国化を推進する元与党に政権を与えようとしている。前門の虎、後門の狼。

元与党が政権をえられなければ、与野党、大連立して、属国化を推進するだろう。

「Aがだめだから、B」「Bがだめだから、またA」というのが良くわからない。Aも、Bもだめなことが、その両者を選択させる制度がだめなことが、ハッキリと証明されただけのことだろう。A,B以外の道を考える以外、解決しないのは、小学生でも分かるだろう。小選挙区、政党助成金制度、二大政党制度という、破綻したシステムからの離脱が必要だろう。

ブロガー諸氏に大人気の政治家氏、この究極の蟻地獄政治制度を作ったという意味で、確かに豪腕ではある。しかし、第一次湾岸戦争に莫大な戦費貢献を したのも彼だろう。彼が日本を救うというのも、彼氏か日本を救える政治家はいないというのも、今もって全くわからない。

1/4追記:

以下は、本文とは直接関係はない。トラックバックとコメントについて。

トラックバックをいただいても、表示しない場合がある。記事と無関係であったり、宣伝目的と思われるものは、表示していない。コメントも、「通りがかり」的な名前や、匿名のものは、今後は、表示しないこととさせていただく。路地の壁で、よく鳥居のような絵を見ることがある。犬でなければ、鳥居印、意味はわかるだろう。また、コメントに対するお答えは、適切なお答えを考えだせないことが多いので、申し訳ないとは思いながら、ほとんど省略させていただいている。

Wikipediaの『トラックバック』に関する記事の一部を引用させていただく。

一般的にトラックバックとは、他人のブログの記事の内容を引用・参照した時、あるいは他人のブログの記事が自身のブログの記事と関連性のある話題を書いている場合などに、自身のブログの記事が引用・参照した事や関連性がある事を通知する目的で行なわれるものである。ただし、トラックバックの意義については、ブロガーの間でも考え方に相異があり、意義や許容範囲に関する部分で食い違う事がある(この点については、下記の「トラックバックの意義についての考え方の相違」参照)。

トラックバックの意義についての考え方の相違

「どういったケースに、トラックバックをすべきか?」または「トラックバックが認められるのは、どのようなケースか?」という点については、共通認識と言えるものがない。また意見の相違を反映してか、ブログサービスの提供会社のトラックバックに関するガイドラインも、まちまちである。そのため利用者が自分の考えに基づきトラックバックを行った時に、その是非をめぐって論争が起こる事もある。

この点についてのトラックバックに対する考え方は、主に次の2つに分けられる。

    * 記事参照通知を重視する考え方。

    「トラックバックとは、『あなたの記事を参照(または引用)して記事を書きましたよ』と伝えるための機能である」という考え方。このような考え方を持っている人からは、トラックバックをする場合にはトラックバック先の記事を参照して記事を書いていることが、当然の前提とされる。また「参照していることを明確にすべきだ」として、参照元へのリンク(言及リンク)を張る事を求めることも多い。

    * 関連性を重視する考え方。

    「トラックバック元の記事は、トラックバック先の内容を参照して作成されている必要はなく、関連のある記事内容であれば構わない」という考え方。そのため参照元のリンクを張る事も、特に求めないことが多い。

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