マスコミに載らない海外記事

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2010年10月

2010年10月29日 (金)

ノーベル平和賞:政治的冷笑の、もう一つの見本

2010年10月12日

先週金曜日の、投獄されている中国の反体制活動家、劉暁波にノーベル平和賞を授与するという発表は、アメリカとヨーロッパの諸大国になり代わり、中国における“人権”の問題をかき立てることを狙った極めて政治的な決定だ。

アメリカのオバマ大統領は、すぐさま授賞の機会をとらえて、劉の釈放を要求し、授賞は“政治改革が [経済成長に]歩調を揃えておらず、全ての男性、女性、子供の基本的人権は尊重されるべきであることを想起させた。”と宣言した。

今年の劉への平和賞授賞は、昨年のオバマに対するノーベル平和賞同様、アメリカ大統領として、アフガニスタンやパキスタンにおける新植民地戦争をエスカレートする中での。いずれも、“平和”や“民主主義”とは全く無関係だ。

2009年の授賞が、ブッシュ大統領下での緊張関係の後、ヨーロッパのエリート層は、ワシントンとの関係を修復するつもりだというサインであったのと同様、2010年の授賞は、通貨切り上げから、アメリカ戦艦による中国本土近辺海域の“航行の自由”に至るまで、様々な問題を巡る、北京に対するオバマの圧力を支持するというヨーロッパの合図だ。

予想通り、中国政権は腹立たしげな反応をし、“中国の法律に違反したかどで、中国司法当局によって、有罪を宣告されている犯罪人”を表彰するというノルウェー・ノーベル平和賞委員会の選択は、“醜悪”なことだと非難した。中国当局は、譴責するために、ノルウェー大使を呼びつけ、中国-ノルウェー関係が損なわれかねないと警告した。

劉は昨年“零八憲章”人権キャンペーンを始めたことで逮捕され、1月に“政府転覆計画を扇動した”かどで、11年間の刑で投獄された。社会的爆発を防止する手段として、限定された民主的な権利を認めるよう唱導する、中国の支配層エリートに成り代わって彼は発言しているのだ。彼の“零八憲章”は、抗議やストライキが“益々戦闘的になりつつあり、壊滅的な規模の激しい紛争がおきる可能性が高まっている。”劉の投獄は、彼個人に対して向けられたものというよりは、はるかに広範な労働者階級による政治的反対運動のはけ口を締めつけておくことにあるだろう。

こうしたこと全てが、中国が、中産階級の反体制派のみならず、何億人もの労働者の基本的な民主的権利を踏みにじる警察国家のままだという事実を浮き彫りにしている。とはいえ、劉暁波を比較的無名な状態から救い出すという決定は、中国の民主主義を助長というよりは、経済的ライバルに対し、ヨーロッパ諸大国やアメリカの権益を増進することを目指すものなのだ。

1989年の天安門広場の虐殺に対する西欧大国の対応を思い出さなければならない。劉は、労働者が加わり、自らの階級的要求を表明し始めた後に、兵士と戦車によって粉砕された学生の抗議運動を始めたリベラルな知識人の指導者の一人だった。北京や中国全土の他の都市で、数千人とは言わぬまでも、数百人が殺害され、更に多数の学生や労働者が逮捕された。

アメリカとヨーロッパの諸大国は死者に対してそら涙を流し、中国に対して、形ばかりの武器禁輸を課した。その年末、ノーベル平和賞委員会は、“人権”を巡る、北京に対する外交的侮辱として、1989年の賞をダライ・ラマに授与した。

とはいえ、西欧諸国の政府や企業が出した実際の結論は、中国にドッと流入した何千億ドルもの外国投資によって表明された。民主的な権利の侵害を懸念するどころではなく、投資家は、急速に拡大する労働者階級による、自分たちの財産や利益に対する、あらゆる脅威を抑えるために、中国政権はいかなる手段をも行使するのだという保障として、虐殺を受け止めたのだ。

“世界の低賃金労働工場”となることにより、中国は過去20年間にわたり莫大な経済成長を遂げ、中国を、1989年の世界で十番目に大きな経済から、昨年の世界で二番目へと押し上げた。2007-08年に勃発した世界的金融危機は、アメリカ合州国の相対的な衰退を目立たせ、中国の挑戦にどう対応すべきかを巡るワシントンでの論議を激化させた。

劉へのノーベル平和賞授与は、北京の経済的譲歩、特に元の切り上げを要求し、アジアや、世界において増大しつつある中国の影響力を低下させようとする、オバマ政権の攻撃的な活動キャンペーンのイデオロギー的要素に、弾みをつけている。中国における“人権”の欠如が、ビルマやスーダン等、世界の舞台における圧政的な政権に対する中国の支持を強調するのに悪用され、一方、例えば、アメリカが率いるイラクとアフガニスタンの圧政的な軍事占領に対しては、外交的沈黙を維持している。

ノーベル平和賞の発表は、割安な中国元を巡る“通貨戦争”の危険が高まるさなかに行われた。最近、アメリカ下院は、通貨を操作しているとされることに対し、ワシントンが中国に関税を課することを可能にする法案を通過させた。先週末の国際通貨基金の会合で、アメリカ財務長官ティモシー・ガイトナーは、“通貨が大幅に割安な国々”つまり中国に対し、国内消費を押し上げる対策を更に講じて、世界成長のバランスを取るよう再び呼びかけた。

昨年中、オバマ政権は、アジアにおけるアメリカの戦略的権益を、繰り返し、強力に言明していた。オバマは、これ見よがしに、ダライ・ラマと今年初め会談し、北京の抗議にもかかわらず、高度な兵器を台湾に売り、北京とワシントン間の高官同士による軍事交流を中国がやめる結果となった。7月の東南アジア諸国連合(ASEAN)サミットで、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は、南シナ海における中国との領土紛争に関して、ASEAN加盟国を支持した。最近、東シナ海の小島を巡って勃発した紛争という中国と日本の外交騒動で、アメリカは、それとなく日本を支持している。

オバマ政権は、公的には、劉のノーベル賞受賞をこれらの広範な経済的、戦略的問題と結びつけてはいないものの、アメリカのマスコミはそれほど控えめではない。先週金曜日の論説記事で、中国は劉の拘置を“恥じる”べきだと宣言して、ニューヨーク・タイムズは、下記のように戦闘準備を呼びかけた。“北京は、近頃、通貨、貿易、南シナ海や他の多くの問題で、幅をきかせるようになっている。非常に多数の政府や企業は恐れて反発できずにいる。威張りちらすというのは、向上心のある大国がとるべき戦略ではないことに、中国指導部内部の誰かが、やがて気がつくかもしれない。”

“中国叩き”は、アメリカが、アジアや国際的に、自らの権勢を振るうことへの支持を取り付けようと呼びかける結節点となりつつある。このイデオロギー・キャンペーンに協力することにより、ノーベル賞委員会は“平和”を推進するのではなく、究極的に本当の戦争をもたらす、通貨・貿易戦争の勢いを加速させているのだ。

John Chan

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/oct2010/pers-o12.shtml

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当然のことながら、日本のマスコミ報道は、100%、中国の人権運動・活動家弾圧しか報じない。

西欧・アメリカ資本の思惑など、決して解説してくれない。

昨年のオバマ大統領のノーベル賞授賞で、ノーベル賞は、その名前の由来、ノーベルの発明を受け継いで、彼が発明した道具を更に進化・活用した大量殺人を褒賞するものであることは、はっきりしている。そして、今年の授賞。

いくら色々な人々をまぜて目くらましをしても、一番低劣な受賞者が、その本質を露呈しているだろう。平和とは、ほど遠い人々が目につくではないか。ノーベル殺戮賞?

コーデル・ハル

佐藤栄作 1974年

ヘンリー・キッシンジャー

ジミー・カーター

バラク・オバマ

個人的には、佐藤栄作ノーベル賞授賞以来、この賞を疑うようになって久しい。一方、沖縄密約暴露をした西山太吉氏、本来なら、彼こそ国民的英雄だろう。今も有罪判決は変わらない。事実上は、国・マスコミに、勝利しておられるが。Wikipediaには以下記述がある。

2010年4月9日 - 密約訴訟判決。東京地裁(杉原則彦裁判長)は「国民の知る権利を蔑ろにする外務省の対応は不誠実と言わざるを得ない」[28]として外務省の非開示処分を取り消し、文書開示(本当に存在しないなら“いつ” “誰の指示で” “どの様に”処分されたのかも)と原告一人当たり10万円の損害賠償を国に命令

西山太吉氏の著作には、岩波新書に「沖縄密約」が、また新刊に「機密を開示せよ――裁かれる沖縄密約」がある。テレビ・新聞にさかれる時間、こうしたものに割かれることを切望する。 ノーベル平和賞が本物だったならば、受賞者は、たとえば佐藤栄作元総理大臣ではなく、西山太吉氏だろう。

2010年10月29日 (金) ノーベル平和賞, 中国, wsws | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (1)

2010年10月26日 (火)

ヨーロッパにおけるストライキの波と"民主主義"の崩壊

Barry Grey

World Socialist Web Site

2010-10-20

大量失業や政府の緊縮政策に反対する、ヨーロッパや、国際的な労働者階級の戦いの増大によって、ブルジョワ民主主義という見せかけの背後にある現実が暴露されつつある。あらゆる国で、保守であれ、名目上“左派”であれ、政府は国民の圧倒的な反対を完全に無視して、仕事と賃金を減らし、社会保障制度を削減している。

選挙、国会の論戦は、政策に何の影響も持たない。国家は金融界特権階級の命令に従い、経済危機に対する責任がある銀行家連中の権益のために、大衆の生活水準をボロボロにしている。賃金引き下げ、労働者階級の搾取強化による、大量失業や社会的苦痛の増大につけこんで、資本家や大企業幹部は、これまで以上に儲けている。

労働組合による最大限の努力も、労働者を制止するには十分ではなく、資本家達の計画に異議を申し立てる闘争が激発していくが、最も顕著なのはフランスとギリシャで、国家はストライキや抗議デモを粉砕するため、鎮圧部隊を導入している。フランスでは、サルコジ政府が、労働者による石油精製所封鎖を破るのに、機動隊を導入し、抗議する学生を、催涙ガスと、ゴム弾で攻撃し、国中で何百人も逮捕している。

ギリシャでは、労働組合の支持で当選した社会民主党PASOK政権が、8月、トラック運転手によるストライキを破るために軍隊を展開した。先週、同じ政府が、大量解雇に反対するため、アクロポリスを占拠している文化省職員に対して、機動隊と催涙ガスを用いた。

こうした攻撃にもかかわらず、労働者階級の抵抗は高まっている。フランスにおける現在のストライキと抗議デモの波は、国際的な階級闘争における新段階の最も進化した表現だ。それは、歴史的な規模での、世界の政治的状況の変化を示しているのだ。労働者階級は、再び資本家に対する戦いに突入しつつある。

最近フランスでは、ストライキ運動が広がっており、ギリシャでのストライキ勃発は、ギリシャ鉄道網を麻痺させ、そして、ローマでは、ベルルスコーニ政府の政策に反対する何十万人もの抗議デモだ。

スペイン、ポルトガルやアイルランドで、一日ゼネストや、大規模な抗議デモがあり、ルーマニアでも、労働者によるストライキが、中国において自動車労働者による強力なストライキ、そしてインド、カンボジアや、バングラデシュの労働者によるストライキだ。

イギリスでは、保守党-自由民主党連立政権が、歴史的に前例のない総計830億ポンドもの削減を強行しており、これは公共部門で、少なくとも500,000の仕事が、更に民間部門で、500,000の仕事が失われることを意味している。

イギリス労働者は、政府-企業による猛攻撃に繰り返し抵抗しようとしてきたが、現時点に至るまで、あらゆる真面目なストライキ行動や社会的動員に反対する労働組合の裏切りによって、邪魔されてきた。ロンドン地下鉄労働者は、民営化と大量解雇に反対して、ストライキし、政府に反ストライキ法案の起草を促すこととなった。BBCとブリティッシュ・エアウエイズ労働者はストライキ行動に賛成投票したが、組合幹部はストの呼びかけを拒否した。

アメリカで、ブッシュと共和党による、企業寄りの軍国主義的政策に対する、労働者や若者達の間の強い嫌悪感に訴えて、権力の座についたオバマが、同じように、右翼的、反労働者階級政策を遂行して、彼に投票した何百万人の期待を粉砕した。大企業-金融エリートから、決して距離をおくことができないホワイト・ハウスと民主党の無能さが、過去数週間、議会選挙のわずか二週間前における政権の行動によって浮き彫りにされている。

政権は、メキシコ湾での石油掘削の一時停止を解除し、社会保障受給者の生活費は増加しないと発表し、自宅差し押さえの一時停止措置に対する要求をはねつけた。

アメリカ労働者階級の反対の高まりは、昨年、自らが練り上げた、新規に雇用された労働者の50パーセントの賃金引き下げをたくらんでいる自動車労働者組合に対する、労働者の初期反乱という形になって現れている。自動車業界のボスと、オバマ政権が設定した自動車産業の基本線。

国民の民主的な意思に対するアメリカ支配階級による軽視は、フランスの出来事に関する論説記事に要約されている。“自由”民主党支配者集団の主要機関であるニューヨーク・タイムズに火曜日に掲載された論説は、退職年齢を引き上げるサルコジの計画に反対する、ストライキや抗議デモに対するフランス国民の広範な支持があることを認めている。同紙は書いている“広範囲におよび不便さや経済的損失にもかかわらず”“世論は労働組合に同情的だ。” (フランスの世論調査では、70パーセント以上がストライキ参加者を支持している)。

そうした事実も、タイムズ紙が“今週フランス議会は退職年齢改革法案を最終的承認すべきだ”と主張し、更に“たとえ年齢が62歳に引き上げられても、この十年間の終わりまでには、更に痛みをともなう調整が必要になるだろう。”と言うのを止められはしない。

世界中の何億人もの人々が今、資本主義制度と、自分達の最も基本的ニーズとは、両立不可能だということを味わっている。ブルジョア民主主義というものが、経済的・政治的生活を巡る銀行と大企業による独裁を覆い隠すためのものに過ぎないことを、階級闘争の増大が暴露している。

政治的な結論を出さねばならない。職、適切な生活水準、住宅、教育、医療や他の全ての社会的権利を求める戦いは、資本主義国家に対する政治的な戦いだ。国家を左側に寄せたり、改革したり、あるいは、あるブルジョア政府を別のブルジョア政府で置き換えたり、という問題ではなく、労働者大衆の革命的な動員を通して、生産手段の社会的所有と労働者の民主主義に基づく労働者の国家に置き換えるということなのだ。

労働者の権力を目指す戦いは、根本的に、必然的に、ブルジョアジーによる攻撃に対する、労働者階級の闘争から現れる。労働組合、公式“左翼”政党や、フランスの反資本主義新党等のように、労働者階級を、既存政治体制に縛りつけたままにして、自立した権力闘争を開始するのを妨げることを狙う、様々な中産階級の疑似左翼組織に反対して、闘争は、意識的に行われる必要がある。

この戦いは、さよに、国際的な闘争だ。ヨーロッパ中、そして世界中の労働者が同じ攻撃に直面し、同じ敵と戦っている。様々な国家の支配層エリート同士の対立がどれほど激しいものであるにせよ、危機のあらゆるコストを、労働者階級に負わせようとして、彼等は団結している。国際金融資本は、労働者に対し、組織的攻勢を遂行している。彼等は国境を越えて、闘争に団結し、世界社会主義革命という計画を目指して戦い、反撃しなければならない。

記事原文のurl:wsws.org/articles/2010/oct2010/pers-o20.shtml

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フランスのストライキについて、もちろん日本のマスコミは素通りしている。

外国では様々な記事が書かれている。

Mike WhitneyによるThank God for France

読者投稿も多い。現時点で82。

「わずか二年の引き上げというなかれ、これを認めれば、政府は更に、二年、三年とのばすだろう。労働者から奪い、悪徳資本家に与えるたくらみだ。サルコジを断頭台に送り込め!」というような読者投稿もある。

ガーディアン紙記事

Sarkozy Should Retire, says France

これまた、大変な数の興味深い読者投稿がある。上記文章、多少もじるとこうなる。

選挙、国会の論戦は、政策に何の影響も持たない。日本政府は、宗主国の支配者や金融界特権階級の命令に従い、経済危機に対する責任がある宗主国の銀行家連中や、死の商人たちの権益のために、大衆の生活水準をボロボロにしている。

"民主主義"など無関係なのが「民主党」で、自由も民主主義もないのが「自由民主党」だと日頃思っているが、衆院北海道5区(札幌市厚別区、石狩管内)補欠選挙で、自民党が勝った。

二大政党定着めでたし、めでたしと、両二大政党、マスコミは喜んでいるだろう。

彼が自民党官房長官の時代に書かれた、興味深い記事がある。

小林多喜二ら『特高』犠牲者の血と町村信孝官房長官の父 [政治・雑感なぞ]

そして、

民主党、企業団体献金を一部再開。

議員歳費を削減するために、まもなく比例区を一気に削減するが、それよりはるかに、大きな経費である政党助成金は、決して削減しない。おまけに企業団体献金を再開。

「比例区議員削減で33億円節約するより政党助成金320億円廃止の方が効果が大きい」のだが。もちろん民主党・自民党の本当の狙い、経費節約ではなく、少数意見の圧殺。やがて必ず実現する。皆様が、そうした一番大切な問題をさておき、領土紛争デモに勢力を注いでおられる以上、当然の帰結。

しつこく書く。小選挙区制度も政党助成金も、あの豪腕政治家氏が導入した制度。

日本をひどく劣化させる制度を導入したご本人を、「救国を実現する唯一の政治家」と多数の皆様がブログで支持しておられるこの属国に、一体出口はあるのだろうか。

そうしたブログの動向で、ある本を思い出した。民主党・自民党の政治家が熟読し、身につけているであろう、ギュスターヴ・ル・ボンの名著『群衆心理』(講談社学術文庫)だ。当惑しながら、また読み返している。

2010年10月26日 (火) 新自由主義, wsws | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (4)

2010年10月21日 (木)

アフガニスタンにおける更なる十年の新植民地戦争

2010年10月21日

来月のリスボンにおけるNATOサミットへの準備として、オバマ政権と同盟諸国は、国内で広がる反戦感情に直面して、来年には撤兵が始まり、アフガニスタンにおけるアメリカ/NATOの戦闘の役割は、2014年までには終わると主張して、国民をだまそうとたくらんでいる。しかし秘密裏に、戦争の終わりでなく、無期限の新植民地主義占領が話し合われているのだ。

火曜日、オーストラリア国会での、アフガニスタン戦争を巡る討論の冒頭、オーストラリア首相ジュリア・ギラードはうっかり秘密を漏らした。2014年末までに、アフガニスタン大統領ハミド・カルザイが、アフガニスタンの治安に対して、全責任を負うことを期待されていると述べたあと、ギラードは、“移行過程”は、アフガニスタンでのオーストラリア軍駐留を終わらせることを意味してはいないことを、ずばり詳述した。

ギラードは語った“はっきり申しあげたい”“この[移行過程]というのは、アフガニスタン政府が安全保障で主要な責任を負うということです。2014年以降も、国際社会はアフガニスタンに関与しつづける。そしてオーストラリアは関与し続けるつもりだ。訓練や他の防衛協力上、我々が果たすべき役割はあるだろう。民間主導の援助と開発の努力は継続する...この支援、訓練と開発の課題は、何らかの形で少なくともこの十年は継続するものは予想している。”

アメリカや他の国々の閣僚や幹部連中は、アフガニスタンにおいて、2014年以降、軍事的役割を継続することについては曖昧に語ってきたが、ギラードは、アメリカが率いる軍事占領は、少なくとも、更に十年続くと宣言した最初の国家指導者だ。彼女が再三“新国際戦略”に言及しているということが、これはオバマ政権の計画であるという事実を際立たせている。そして、現在の1,550人という控えめな数の兵員を擁するオーストラリアが更に10年間居続けるつもりなのであれば、アメリカと親密な同盟諸国は、アフガニスタンにおける大規模な軍の無期限駐留を準備しているのだ。

ワシントンからの指示のもと、ギラードは、アフガニスタンは“二度と、テロリストの安全な隠れ家となってはならない”と宣言し、継続中の占領を正当化した。ところが、アメリカが率い、激化しつつある戦争は、CIAによればアフガニスタンにわずか50人ほどいるに過ぎないアルカイダに対してではなく、“タリバン”に対するものなのだ。“敵”というのは、9年以上にわたり、一般国民に死と破壊をもたらしている、継続中の外国軍兵士駐留に激しく反発しているアフガニスタン人、主としてパシュトゥーン族の部族民なのだ。“テロ”鎮圧とは、アフガニスタン国民に対する果てしない新植民地主義戦争のことなのだ。

ワシントンの“対テロ戦争”というのは、中東と中央アジアのエネルギーが豊富な地域支配というアメリカの野望を進めるための口実に過ぎない。アメリカの戦略は、ニューヨークとワシントンへの9/11攻撃より、ずっと前に作成されていた。2001年のアフガニスタン侵略と、2003年のイラク征服は、中東を作り替え、中央アジアにおけるアメリカのより大規模なプレゼンスを確立するためのより包括的な計画の一環だった。日の出の勢いの中国がひき起こす試練に今や焦点を合わせ、将来非常に役に立つであろう、イラクや、アフガニスタンにおけるアメリカの足掛かりを、オバマ政権は手放そうなどとはしていない。アフガニスタンにおける、彼の兵士“増派”は、イラクでのそれと同様、カルザイ傀儡政権と彼の軍隊に、反占領レジスタンスを鎮圧するための戦闘の大半を、必ず引き受けさせるようにしつつ、軍事基地を含めたアメリカの恒久駐留を確保することを狙っている。

ギラードがアメリカの計画についてもう少しオープンであれば、労働党政府が、ワシントンと横並びであることを行動で示したろう。既にオーストラリア首相は、国防相をリスボンでのNATO会議に同行させ、そこで彼女はオバマに歩調を合わせて、他の同盟諸国も、同様な無期限の軍事的肩入れを約束するよう圧力をかけるだろうことを示唆している。カナダは来年までに、2,800人の兵士をアフガニスタンから撤退させる予定であると発表した。イタリアは、3,300人の兵士を完全撤退させる2014年の最終期限を設定した。ギラードは、オーストラリアの南西太平洋における戦略的立場の強化に対するアメリカの完全な支持を確保することを目指して、この戦争に対する圧倒的な国民の反対にもかかわらず、はっきりアメリカ側に立っている。

来月のリスボンでのNATO会議における“移行過程”押し問答に先立ち、今週、ローマでアフガニスタンに関する下打ち合わせが行われた。アメリカのアフガニスタン特使リチャード・ホルブルックは、リスボン会議は、特定の州の治安をカーブルの軍事支配に引き渡す予定表を作成するものではないと主張した。彼はまたアメリカは、長期的な軍事的関与を誓うよう強要することを確認し、“移行”は撤兵を意味するものではないことを強調した。

リスボン会議への準備として、兵員増派によって実現した進展を強調しようと、アメリカは四苦八苦している。例えば、ワシントン・ポストで、アメリカ当局者達は、ここ数ヶ月の積極的な軍事行動で、数百人のタリバン指導者と、3,000人以上の戦士を殺害、あるいは捕獲して、一部の武装反抗勢力集団に、カルザイ政府との交渉を検討するよう強いていると主張している。学校は再開され、バザールは賑わっている、タリバンの元牙城の“孤立した安全地域”について口にしている。

タリバン指導部や戦士の大量殺りく、特に南部の都市カンダハル周辺における現在の攻勢は、多くは、特殊部隊による作戦強化の結果だ。空爆による恐怖政治同様に、これら暗殺部隊は、民間人殺害で悪名が高く、アフガニスタン人の中での、自国の占領と、カーブルの腐敗した傀儡政権に対する敵意と憎悪を増大させつつある。外国兵の人数を150,000人に増強して得た、南部の、いわゆる“孤立した安全地域”には、アフガニスタン北部における武装反抗勢力の攻撃エスカレーションに関する報告が並行している。

オバマ政権とギラードの様な彼等の同調者が触れ回る楽観的な調子も、アフガニスタン国民にとって、9年間の戦争は紛れもない大惨事であることが証明されているという事実を隠すことはできない。極めて控えめな国連の推計によれば、少なくとも14,000人の民間人死亡は、直接、軍事衝突に起因している。軍事占領は、腐敗と票操作で悪名が高い、金で動くカーブルの政権にてこ入れをしているを。国民の大多数は貧困から抜け出せず、電気、教育や医療等の基本サービスも受けられずにいる。

この犯罪的な戦争を終わらせ、アフガニスタン国民が彼等の運命を自己決定できるようにする唯一の方法は、全ての外国軍隊の即時・無条件撤退と、戦争の賠償金として、何百億ドル支払いを要求することだ。

Peter Symonds

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/oct2010/pers-o21.shtml

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政府、アフガンに自衛隊医官らの派遣検討 日本経済新聞記事

2010/10/15 1:34

自衛隊の医官と看護官を派遣するのだという。

アフガニスタンで殺戮を行うアメリカ・NATO兵の負傷者を助けるのだろうか?

アメリカ・NATO兵に負傷させられた民間人やタリバンを助けるのだろうか?

大量殺戮する諸国の軍のそばに、軍の医官と看護官を派遣するのは、大量殺戮の幇助にはならないのだろうか?

日米同盟強化へ防衛費増を CSISシンポ、提言相次ぐ 日本経済新聞記事

2010/10/19 21:35

二大政党化したこの国には、日本国憲法9条、もはや存在していないも同じ。

庶民の生活を幸せにする出費は削減するが、宗主国の新植民地主義支配のためには糸目をつけずに資金提供。この国家、宗主国支配層のために存在している。

日本経済の将来の発展を目指す新聞だろうと、若い頃は思っていた。

日本経済を宗主国に差し出す新聞、というのが実態のようだ。

尖閣漁船衝突事件、不思議なほど好都合な時期に起きた。

医官と看護官の派遣、やがて戦闘部隊の派遣へと至るだろう。

二大政党化が実現した現在、アメリカにとり、こうるさい政治家は邪魔だろう。

宗主国にあくまで素直な美男・美女さえいれば十分。

メタボ醜男の小生、彼等彼女らのご尊顔が現れ次第テレビを消している。

外面如菩薩内心如夜叉/顔に似ぬ心/人面獣心

本当に必要なデモは、反中国デモではなく、小選挙区制度廃止デモだ。

2010年10月21日 (木) アフガニスタン・パキスタン, アメリカ, アメリカ軍・基地, NATO, wsws | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (5)

2010年10月18日 (月)

チリの亡霊は救われてはいない

John Pilger

truthout

2010-10-13

チリにおける33人の鉱夫救援は、情念と勇気に満ちた驚くべきドラマだ。チリ政府にとっては、政府のあらゆる善行が、林立するカメラで報道されるマスコミ広報の棚ぼたの好機だ。人は感動せずにはいられまい。あらゆるマスコミの大イベント同様、見せかけなのだ。

鉱夫達を閉じ込めた事故は、チリでは決してめずらしいことではなく、アウグスト・ピノチェト将軍の独裁政治以来、ほとんど変わらない非情な経済制度の不可避の結果だ。銅は、チリの金であり、鉱山事故の頻度は価格と利潤とともに増えている。チリの民営化された鉱山では、毎年平均して、39件の事故が起きている。今回閉じ込められた鉱夫達が働いているサン・ホセ鉱山は、2007年には余りに危険となり、閉鎖せざるを得なかった。その閉鎖も長くは続かなかったが。7月30日、労働省の報告書が再度"深刻な安全上の欠陥"を警告したが、労働大臣は何の対策もしなかった。六日後、鉱夫たちは閉じ込められた。

救助現場における大報道合戦にもかかわらず、現代チリは語られざる人々の国なのだ。首都サンチャゴの郊外、ビジャ・グリマルディには、"忘れ去られた過去は、記憶に満ちている"という表示がある。そこはピノチェト将軍と彼の協力者達がチリにもたらしたファシズムに反対したがゆえに、何百人もの人々が虐殺され、行方不明にされた拷問センターだった。亡霊のようなたたずまいは、美しいアンデス山脈に見守られており、門の鍵を開けてくれた人物は、かつて近くに住んでおり、叫び声を覚えている。

2006年のある冬の朝、学生活動家として投獄され、今はロンドンで暮らすサラ・デ・ウィットが、私をそこにつれていってくれた。彼女は感電させられ、殴打されたが、生き延びた。それから、1973年9月11日にピノチェトが権力を掌握した、中南米版9/11の際に、亡くなった、偉大な民主主義者、改革者サルバドール・アジェンデの家まで、車で行った。彼の家は、ひっそりした白い建物で、何の標識も記念銘板も無い。

至る所でアジェンデの名は抹殺されたままのようだ。墓地の孤立した記念碑にのみ、"エヘクタドス・ポリティコス"つまり"政治的理由で処刑された"人々の追悼の一環として、"プレシデンテ・デ・ラ・レプブリカ(共和国大統領)"という言葉が刻まれている。アジェンデは、アメリカ大使が見守る中、ピノチェトが大統領官邸をイギリスの戦闘機で爆撃している間に自死した。

特に、ごみから食料あさり、電気を盗むことを強いられている、スラムに暮らす人々等、異議を唱える人々も多いとは言え、現在チリは民主主義だ。1990年、ピノチェトは、自らの引退と、政治前面から軍が撤退する条件として、憲法上欠陥がある制度を移譲した。これにより、コンセルタシオンという名で知られる、概して改革主義の諸政党が、恒久的に分裂するか、あるいは独裁者の後継者達による経済設計の正当化に引きずり込まれることが保証されることとなった。最近の選挙で、ピノチェト後継のイデオローグ、ハイメ・グスマンが生み出した右派のコアリシオン・ポル・エル・カンビオ(変革の為の連合)が、セバスティアン・ピニェラ大統領の下で権力を握った。アジェンデの死とともに始まった本当の民主主義の、残忍な絶滅が、人目を忍んで完了したのだ。

ピニェラ大統領は、鉱業、エネルギーと小売業界の一部を支配している億万長者だ。ピノチェトのクーデターの後、更にシカゴ・ボーイズとして知られているシカゴ大学卒業の狂信者達による自由市場"実験"の間に、彼は財をなした。彼の兄で元共同経営者のホセ・ピニェラは、ピノチェトの下で労働大臣を務め、鉱業と年金を民営化し、労働組合を完璧に破壊した。大陸中にまん延し、北からの支配を保証する、新自由主義という新たなカルトのモデル"経済的奇跡" だとして、ワシントンはこれに喝采した。

エクアドル、ボリビアやベネズエラの自立した民主主義に対するバラク・オバマ大統領の巻き返しの上で、現在、チリは決定的に重要だ。ピニェラの最も親密な盟友は、7つの米軍基地を擁し、ピノチェトのテロの下で苦しんだチリ人にはおなじみの悪名高い人権弾圧の歴史を有するコロンビアの新大統領、ワシントンの親友フアン・マヌエル・サントスだ。

ピノチェト後のチリは、こっそりと永続的虐待を継続してきた。最愛の人々の拷問や行方不明から、回復しようといまだに努力している家族の人々は、国や雇用主の偏見に耐えている。決して沈黙しようとしないのがスペイン人征服者も打倒することができなかった唯一の先住民、マプーチェ族の人々だ。19世紀末、独立チリのヨーロッパ人入植者達は、マプーチェ族に対し、人種差別的な絶滅戦争をしかけ、マプーチェ族は、貧窮化した部外者としてとり残された。アジェンデの1000日間の政権時、これが変化し始めた。マプーチェ族の土地の一部は返還され、公正が行われなかった非が認められたのだ。

以来、悪質で、ほとんど報道されない戦争が、マプーチェ族に対して行われてきた。林業会社は土地を奪うことを許され、マプーチェ族が抵抗すると、殺害や行方不明や、独裁政権によって制定された "反テロリズム" 法の下での恣意的起訴という仕打ちを受ける。市民的不服従キャンペーンを行う中、マプーチェ族の誰一人として、人を傷つけてはいない。マプーチェ族が彼等の先祖伝来の土地に不法侵入を"しかねない"という地主や実業家による単なる告発が、犯罪で警察が告訴し、匿名の証人により、最大20年に至る禁固刑が下されるカフカ的裁判へと至らしめるのに十分な場合が多々ある。彼等は事実上政治囚だ。

世界中が鉱夫救援の見世物に歓喜する間、38人のマプーチェ族のハンガー・ストライキは、ニュースにならない。彼等に対して適用されている"テロ放火"等のピノチェト時代の法規を終わりにするよう、そして本当の民主主義の公正を彼等は求めている。10月9日、一人を除いたハンガー・ストライキ参加者の全員が90日の絶食抗議を終えた。一人のマプーチェ族の若者ルイス・マリレオは続けるするつもりだと語っている。10月18日、ピニェラ大統領はロンドン・スクール・オヴ・エコノミックスで、"時事問題"について講演をすることになっている。彼は、マプーチェ族の難儀とその理由に気づくべきだ。

記事原文のurl:www.truth-out.org/chiles-ghosts-are-not-being-rescued64160

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この著者のビデオ「大メディアの役割は人々の目をふさぐことだ」、2010.06.29-2デモクラシーナウで見ることができる。字幕付き。

イラクで探鉱掘削をしていアメリカ人技師が、救助用の穴を掘削するため、急遽チリにかけつけたというようなニュースを見た記憶がある。

沖縄の基地・地位協定・安保は詳しく報道せず、尖閣、中国の反日デモについては、しきりに報道するこの国のマスコミと、ぴったり一致する地球の裏側のマスコミ。

マスコミは、手抜きから生じたであろうチリの鉱山事故は報道しても、人為的に画策されたホンジュラスの大統領国外拉致は報道しない。

ホンジュラス: 決しておきなかったクーデター 2009/12/30

1973年9月11日のアジェンデ最後の演説翻訳は下記。

9/11 サルバドール・アジェンデの遺言(1973)

2010年10月18日 (月) 中南米, 新自由主義, John Pilger | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (10)

2010年10月15日 (金)

イラク政権編成行き詰まりが続く中、報じられるクーデターの脅威

Bill Van Auken

2010年10月12日

"WSWS"

イラク新政権編成の行き詰まりは、既に世界記録の8ヶ月にわたっており、オバマ政権は、一層あからさまに、かつ苛立って、全ての主要政党を包含する国民統一連合になんとかまとまるよう、ライバル諸政党に圧力をかけ、介入している。

ワシントンの懸念は二重だ。一つには、アメリカの為政者は、来年末のアメリカ占領軍完全撤退の正式期日後、数万人のアメリカ軍兵士の継続駐留を認める条約を押し通すため、機能する政府の成立を切望しているのだ。アメリカに本社を持つ大手エネルギー企業に、イラクの石油資源開発を認める契約をまとめるための交渉の相手役も必要だ。

第二に、国務省とペンタゴンは、イランの影響を強化するようなシーア派諸政党が多数派の合体政府を断固として阻止することを決意している。先月、現職のヌリ・アル・マリキ首相と、過激なシーア派聖職者ムクタダ・アル-サドルが率いる政治運動の提携が発表されて以来、そのような政権が出現しかねないという恐れは高まった。

バグダッド中で無規則に広がるサドル・シティーという名のシーア派スラムや、南部の都市バスラで、サドルのマフディ軍団民兵を壊滅させる為の2008年のアメリカが率いた軍事攻勢の指揮を執ったマリキに、サドルは過去猛烈に反対していた。サドルが2007年以来、自ら亡命し、今も暮らしているイランによって、少なくとも部分的には、意外な展開が企まれていたもののようだ。支持への見返りとして、イラク治安部隊を統治している省の支配権と、政府内の利権のある職を一定数よこせと、サドル派がマリキに要求したとも報じられている。

イラク人の“新政府形成交渉に詳しい幹部”の発言を引用して、月曜日のニューヨーク・タイムズは、“ヌリ・カマル・アル-マリキ首相が任期二期目の立候補を支援する見返りに、シーア派聖職者ムクタダ・アル-サドルの信奉者に、イラク治安部隊を管理する地位を、与えることはないという確約を政権は求め、それを得た。”と報じた。

アメリカ軍イラク駐留の即時終了要求のおかげで、昨年3月の選挙で39議席を獲得するという目ざましい結果を得た、サドル運動の影響を抑えるため、アメリカ政権はマリキに相当な圧力をかけていた。

先週の記者会見で、アメリカ大使ジェームズ・ジェフリーは、バグダッド駐在記者団にこう語った。“ここで、我々が、そして他の人々が目にしている問題は、そして、私としては、他の方々がご覧になっているというところを強調したいが、サドル派の運動が政治運動なのか、それとも政治的な目的を暴力的な手段で実現する武装民兵なのかがはっきりしていないことだ。そして、民主主義はそれを許容することはできない。”

昨年三月の選挙は、疑いの余地のない勝者を生み出し損ねた。イラクでは少数派のスンナ派の支持を得ている複数政党の連合で、2004年に、アメリカ占領当局によって、暫定首相に据えられた、元CIAのスパイ、アヤド・アラウィが率いるイラキーヤが、最大得票をし、325議席の国会で91議席を得た。アラウィは、政府樹立と首相の地位につく権利を主張しているが、彼の得票は圧倒的過半数には遥かに足りず、彼には機能する連立政権をまとめきれないことが明らかになっている。

マリキの、法治国家連合は、わずか89議席しか獲得しなかったが、敵対するシーア派各派間の敵対意識にもかかわらず、多数派のシーア派政府の形成に向けて動いているように見える。

ワシントンは、政権に参加するよう、イラキーヤ・ブロックに圧力をかけている。先週中、イラキーヤの指導部は、矛盾する信号を示している。アラウィは、ウオール・ストリート・ジャーナルに、全ポストが未決定なのであれば、連合を交渉する用意があると語る一方、新政府内部の重要なポストをくれるなら、マリキが首相職に留まっても、イラキーヤとしては、かまわないと示唆する連中もいる。

“我々はアル-マリキが首相どうかはかまわないが、我々は意思決定ができる役職を得る必要がある”とイラキーヤの主要メンバーのシェイク・アドナン・アル・ダンボスが日曜日AP通信社に語った。

しかし、一体どのようにこれが実現できるかは、全く不明だ。57議席を擁するクルド人政党が、現在ジャラル・タラバニが占めている大統領職を支配しており、それを放棄する意図は無いことを明らかにしている。彼等は中央政府内における権力を利用して、イラク北部において、バグダッドからの事実上の政治的、経済的独立を手に入れるという目標を追求している。

新政府に関する裏取引はここしばらく続きそうで、しかも、アラウィが、彼のスンナ派支持者から、前期の政府におけるより少ない権力しか得られないであろうシーア派優勢の政権への支援を勝ち取れるという保証は全く無い。過去数年間、多数のスンナ派指導者を投獄し、アメリカと連携する“イラクの息子”民兵メンバーを、治安部隊に統合し、元バース党員を恩赦し、和解するという約束を裏切った政府に対し、スンナ派国民の間にはマリキへの信頼は殆ど無い。

アメリカ当局は、シーア派優勢の政府が、宗派的緊張を再燃させ、新たな内戦をひき起こすことを防ぐ努力として、広範な連合へのキャンペーンを打ち出している。

“大半のそれぞれのコミュニティーが政府に議席を持てば、イラクが、宗派間紛争に立ち戻る、あるいは、急激に部族間の緊張状態、あるいは、部族間抗争に陥る可能性が大幅に減るだろう”政権のイラク交渉窓口、ジョー・バイデン副大統領の国家安全保障顧問であるアンソニー・ブリンケンは、そうタイムズ紙に語っている。

ほぼ8年間の戦争と占領によるイラク社会の破壊がこの危機をもたらしたことは明白だが、それがバグダッドに信頼に足りる傀儡政権を据えるというワシントンの目標を脅かしている。しかしアメリカはイランと連携するイラク政権の出現をこそ懸念しているのだ。

アラウィ自身は、ワシントンと現地からの支持を動員すべく、選挙の直後から、この疑問を巡って、懸命に活動してきた。先週末、彼と他のイラキーヤ指導部はサウジアラビアを訪問し、イラキーヤのスポークスマンによれば、彼等は“イラクの政党に、命令を押しつけようというイランの狙い”について議論した。

新政権樹立の危機が長引く中、イラク軍によるクーデターの結果を招く可能性があるという警告が高まっている。

ロンドンに本社があるアラビア語の国際紙アシャルク・アル・アウサトは、週末マリキが、軍の6師団にバグダッド周辺の陣地を確保するよう命じたが、他の政府幹部には、軍に対して権力を行使するのは認めなかった、と報じている。

“軍事クーデターが起きる可能性を無視してはいない。特にイラクの政治的な歴史は、軍事クーデターに満ちている”と、あるイラク人幹部は同紙に語っている。軍の活動が“アル・マリキが首相として残れなかったような場合、軍事クーデターの恐れ”を生じさせているのだと彼は言う。

“政府転覆の企ての恐れがあるので、アメリカ人将校達に、バグダッドのある重要な軍部隊に顧問として加わるようアメリカ軍は命じた…。”とも同紙は報じている。

あるイラク治安部隊幹部は、アシャルク・アル-アウサトに、将校団は“士官学校を卒業し、長く勤務して、軍幹部の地位を得た連中と、政治的、または宗派的なコネから高い地位を得た若手将校”とに鋭く分裂し、軍は“完全に政治化している”とも語っている。

イラクの政治指導者達は、イラクとアメリカ双方の治安関係者からの迫りつつあるクーデターに対する警告に応じて、事務所や自宅の防備を固め、移動を限定しているとも新聞は報じている。

ニューヨーク・タイムズのバグダッド特派員アンソニー・シャディドは、先週セントラル・オクラホマ大学での講演で、“イラクでは、クーデター、軍が権力を掌握しようとしていること、についてのうわさがかまびすしい”ことを認めたと、地方紙エドモンド・サンは報じている。

“現在イラクには、この状況は維持不能だと考えている人々が多数いると思います”シャディドは語っている。“イラクの政治家に対する、大衆の幻滅と欲求不満は信じられないほど高まっています。”

同紙はイラク・クーデターについて語っているシャディドの言葉“私はそれが起きると申しあげているわけではありません”をそのまま引用している。“現地で語られている会話に過ぎません。”

一方で、イラクのアラビア語日刊紙キタバトのコラムニスト、ハイサム・アル-タイブは、この“会話”がワシントンによる奨励のもとで行われている可能性があることを示唆している。

“2010年3月の選挙の結果、各党の権力を目指す戦いや、誰も絶対多数を勝ち取れなかった様子を観察した後で、多分アメリカは、政治的均衡の基盤を疑い始め、民主主義化の計画は延期した方が賢明だと考えたのだろう。もう一つの解決策は、権力を軍に引き渡すことだろう。… アメリカ軍幹部は、パキスタンで起きたような無血クーデターを遂行してくれる、平和な選挙と、いつの日か民主主義への復帰を誓う将軍を擁するという考え方に魅力を感じているのだ。…アメリカは、軍事クーデターを実行する将軍は、極端に従順で、アメリカ政権の決定を実行してくれることを期待しているのだ”(英語訳はWorldMeets.USによる http://worldmeets.us/kitabat000050.shtml#axzz10JulpGzH)。

そうした進路には、客観的な理由が存在する。軍が支援した1968年のクーデターを起源とするバース党政権を粉砕した後、アメリカはイラクに対し、残虐な軍事占領と対反乱戦争を押しつけ、それがついには悪質な宗派間の内戦をもたらしたのだ。

現在、アフガニスタンや他の国での戦闘用に、アメリカ軍兵士を自由にすべく、イラクでの軍事的“存在”を縮小するという企みから、ペンタゴンは、イラク治安部隊を約664,000人にまでするという強化に励み、何十億ドルもの価値の兵器、戦車と飛行機を提供するという契約を締結した。その間、政権が腐敗、残虐と無能にまみれる中、イラクの大衆にとっての基本的インフラや生活条件は、着実に劣化し続けている。

18機のF-16戦闘機、サイドワインダー・ミサイルや他の武器を含む、42億ドルの武器取引契約の締結後、この兵器によって、イラクは“世界の中の重要な地域における、より重要なパートナー”となるだろうとペンタゴンは述べている。彼等が求めている本当の“パートナー”というのは、国民を弾圧し、地域支配を追求するアメリカを手助けする用意がある傀儡軍だ。

昨年、アメリカのイラク“増派”に関する本『The Gamble』の著者トーマス・リックは、、オーストラリアの内乱対策専門家で、デービッド・ペトレイアス大将の顧問であるデービッド・キルカレンによる警告“グリーン・ゾーン内で暮らす欲得ずくの政治エリートが、国民から乖離している一方で、グリーン・ゾーンの壁の外にいるイラク軍は、より有力となり、国民とより親密になり、国民と共に働いて、国民の関心事に応えようとしているという、‘軍事クーデターのための典型的な条件’を目の当たりにしている。”の言葉を引用している。

一部は、イラクに“民主主義”をもたらすという名目のもと、4,425人のアメリカ人の命と、100万人以上のイラク人の命を奪った戦争を行いながら、どうやらワシントンは、より従順な新版サダム・フセインを探し求めているもののようだ。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/oct2010/iraq-o12.shtml

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ひるがえってこの国、クーデターは当面不要。誇るべき理由は別にない。

宗主国コピー版二大政党派閥、65年の統治で完全属国化した官庁、学界、財界、そして大本営広報部マスコミが、完全に支配しているからにすぎない。

傀儡二大派閥が宗主国の思い通りに動くのだから、クーデターは不要。宗主国からみれば「夢の植民地」だろう。

無数のアラウィのような政治家諸氏の様子、国会中継をみればわかる。聞いていて納得できるのは、絶滅危惧種野党の質問のみ。こうした党の生態、今のうちにビデオにとっておかないといけない。やがて、天然のトキや、日本カワウソのようになる。一方で、首相・政権の長続きの度合い、常に、そのまま属国度に比例する。不思議な質問や回答をする諸氏には、某大学卒、アメリカ留学組が多い、ような気がする。

国会中継、ビデオで見れば、洗脳バラエテイ番組より優れた洗脳・PR・恐怖・茶番番組。腹が立ってしかたがないのが玉にきず。テレビに向かって罵詈雑言するしか手だてはない。

二大派閥の諸氏、沖縄・安保・米日主従戦争同盟には一切触れないが、尖閣・対中国問題となると驚くほど元気が良い。揶揄のセリフ「内弁慶の外幽霊」を思い出した。(子供の頃は年中言われていた。)

「圧力を与えると屈してしまう」国であることが暴露されたのは、何も今回が初めてではないだろう。65年の日米関係そのものが、「圧力を与えると屈してしまう」悲惨な国の正体をしっかり暴露している。そういう国が、歌や旗を強制する。

宗主国の暴虐こそをまず問うべきはずが、尖閣事件でまんまと方向が変わった。(ように、貧乏メタボ中高年にはみえる。)攻める側も守る側も、本当の狙いは、基地問題・宗主国批判そらし。

素人には、利益を受ける宗主国・属国政権が協力した共謀にしか見えない。無血911?

基地打開策に『盗人に追い銭』?を勧める下地幹郎氏発言には衝撃で頭がくらくら。

衆議院TV、ビデオライブラリ10月12日予算委員会から下地幹郎氏を選べば見られる。

これこそ、宗主国・属国政権が考えている本音の名案(迷案)だろう。

全属国民必見のビデオ?。当然ながら新聞・テレビ、一切報道しない。

宗主国、こういう模範的属国国会・政治家諸氏を、イラク(それを言うなら、ホンジュラスやエクアドルやベネズェラ等にも)に作ろうと画策して実現できないため、軍事クーデターを支援するのだろう。

『属国』を書かれたガバン・マコーマック氏の『空虚な楽園』を思い出した。

原題は、The Emptiness of Japanese Affluence。

素晴らしい紹介があっても購入できない。復刊して欲しいもの。手元には英語版しかない。

鉱山の人命救助で感激して、日本をみると工場壁撤去工事手抜きで女子高生が死亡。

対照的鉱山事故、この国で1981年10月に起きていた。『北炭夕張新炭鉱ガス突出事故』

59名の安否不明者が取り残されている中、消火注水をしたのだ。世界に誇る人命軽視。

そもそも宗主国が世界に押しつける?『民主』なる単語、傀儡二大派閥が恭しく戴いているのをみれば、本格的なオーウェル的悪用であることは明白。

宗主国が求めている本当の“パートナー”というのは、国民を弾圧し、地域支配を追求する宗主国を手助けする用意がある傀儡政権だ。

2010年10月15日 (金) イラク, アメリカ, アメリカ軍・基地, wsws | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (3)

2010年10月 9日 (土)

兵士殺害に対するアメリカ謝罪でも、パキスタン補給路封鎖解除は実現せず

Bill Van Auken

2010年10月8日

アメリカ軍司令官と外交官は、パキスタン国境警備隊員三人を殺害した、9月30日の越境ヘリコプター攻撃に対して、一連の正式謝罪を行った。とはいえ、ワシントンとイスラマバード間で高まる緊張を一掃するためのこの試みは、アメリカが率いるアフガニスタン駐留占領軍に対して行われている、パキスタン経由の補給封鎖の即時解除実現、あるいは、米軍補給部隊に対する一連の壊滅的な攻撃の阻止には失敗した。

カイバル峠を通る主要なトゥルハム検問所は、8日間閉鎖されたままだ。木曜日、ほぼ7,000輌の石油輸送車と他の補給トラックが、パキスタンの幹線道路で立ち往生したままになっている。内陸のアフガニスタンに駐在する152,000人のアメリカが率いる占領軍兵士向け補給の70パーセント以上が、パキスタンを経由している。

表向きは、アメリカ軍ヘリコプター襲撃と、パキスタン国境警備隊員の死を巡る大衆の激怒ゆえに、車列の治安を保障できないという懸念から、パキスタン政府は国境を超える移動を停止した。

しかし、実際上は、閉鎖によって、車列は、攻撃の無防備な的になっている。水曜日の攻撃で、多数の石油輸送車やコンテナ・トラックが破壊された。パキスタン北部のカイバル・バクトゥンクワ州のナウシェラ地区で、 武装集団が携行式ロケット弾と自動小銃を発射し、車列に火をつけ、少なくとも54輌の石油輸送とコンテナ・トラックを破壊した。

別の攻撃では、 武装集団がアフガニスタンとのデュランド・ライン国境近く、パロチスタン州の首都クエッタ郊外で、NATO石油輸送車の車列を攻撃した。運転手一人が殺害され、少なくとも、22輌の石油輸送車が激しい被害を受けた。これは検問所の閉鎖以来、六度目の攻撃だった。

アメリカが主導するアフガニスタン占領と戦っている武装集団と同盟している部族を基盤にした民兵の連合軍、テフリク-エ-タリバン・パキスタン (TTP)集団のスポークスマンは、パキスタン国境地域の北ワジリスタンにおけるCIA無人機攻撃の強化への報復として、自分たちがNATO輸送車列を標的にする攻撃を行ったと発表した。“我々に対する米無人機攻撃の強化に応じて、我々も更に攻撃を強化する”と、テフリク-エ-タリバンのスポークスマン、アザム・タリクはAPに語った。

一方、BBCは、破壊の一部は、石油輸送車が破壊される前に、パキスタンのアメリカ軍向けの燃料が売り払われた保険金詐欺の一環として、トラック所有者自身が起こしたものである可能性を推測する、パキスタンの治安担当者の発言を引用している。トラックの所有者達は、更に車両と煙と化したことになっている燃料に対する保険補償を要求できる。

9月30日のパキスタン国境前哨基地に対する攻撃に関する水曜日の謝罪は、攻撃型ヘリコプターは“自衛”のために行動していたというアメリカ軍の最初の主張とは矛盾する、NATO所見を受けたもの。

アメリカが率いる占領当局が行った声明では、“同盟軍の二機のヘリコプターが、パキスタン領空に何度か進入した。その後、ヘリコプターは、後にパキスタン国境前哨基地であることが判明した建物に、前哨基地からの砲撃に反撃し、発砲した。”国境前哨基地を、朝の5:30に攻撃した後、ヘリコプターは、午前9時頃に舞い戻り、更に7発のミサイルをパキスタン前哨基地めがけて発射した。

“近くでの交戦を聞き、ヘリコプターが近くを飛行するのを聞いて、パキスタン国境警備隊は、単に警告射撃をしたものと考えている”と米空軍のティム・ザダリス准将が声明を発表した。国境前哨基地は2005年以来あったもので、アメリカ軍は十分承知していた。

統合参謀本部議長マイケル・マレン提督は、パキスタン側の相手役アシハク・パルベス・カヤニ大将に対し書面の謝罪を行った。“9月30日に、アフガニスタンとの国境近くで殺害され、負傷した貴国軍兵士の悲しむべき犠牲者の方々に、深く心よりお悔やみ申しあげます”とアメリカ軍のトップは書いている。アメリカ軍司令官達は“このような悲劇の再発を防ぐという視点から”出来事を再調査していると、彼はつけ加えている。

アメリカの駐パキスタン大使アン・パターソンも広報補佐官を通して、同様な“お詫び”をし、パキスタンの“勇敢な治安部隊”を哀悼し、アメリカは“悲劇的な事故が将来起きることを防止するため、パキスタン政府と協力する覚悟です”と断言した。

アフガニスタン駐留アメリカ軍最高司令官、デービッド・ペトレイアス大将も、同様な発言で“殺害されたり、負傷したりした人々の家族と、パキスタン軍とパキスタン国民に対し、心より深くお悔やみ申しあげ”た。更にペトレイアスは、“こうしたことが決して再発せぬようにすべく、パキスタン軍や政府と協力する”と約束した。

こうしたお悔やみの全ての発言に、はっきり欠落しているのは、あからさまな侵略行為と、攻撃型ヘリコプターによる攻撃として行われたパキスタン主権の侵害に対する謝罪だ。それは、国境警備隊前哨基地へのミサイル攻撃の、数日前、アメリカ軍が国境のパキスタン側で50人以上の“武装反抗勢力”を殺害した攻撃で始まっていたのだ。該当地域の住民は、犠牲者は現地の部族民だったと語っている。

パキスタン前哨基地への攻撃は、不幸な出来事というよりは、9年にわたるアメリカのアフガニスタン戦争の絶えざる軍事エスカレーションの一環であり、少なくとも一因としては、パキスタン政府に北ワジリスタンを本拠地とする米占領に反対する勢力への攻撃を行うよう圧力をかけることを狙って、パキスタン国内へと拡大しているのだ。

これは、パキスタン国内の標的に対する、CIA無人機による、前例の無い回数のミサイル攻撃で、9月だけでも、記録的な22回で、今やほぼ一日一度の割で行われている。

パキスタン政府と軍は、こうした無人機攻撃に加担し、標的にかかわる諜報情報を提供し、無人操縦の飛行機を発進させるため、CIAがパキスタン国内の施設を使用することを認めて来た。しかし、こうした攻撃の強化は、大衆の怒りの激化をひき起こしつつある。

オバマ政権が始まって以来、約150回の無人機攻撃が行われており、これはジョージ・W・ブッシュ二度の四年任期における数のほぼ三倍だ。先月末の、パキスタン人研究者ジーシャウル・ハサン・ウスマニ博士の報告書によると、アメリカの無人機攻撃は、総計2,063人の民間人の命を奪い、更に514人のパキスタン人を負傷させている。“テロリストを一人殺害するには、パキスタン人を57人殺す必要がある”とウスマニ博士は言う。

パキスタンの連邦直轄部族地域(FATA)で行われた世論調査で、75パーセントのFATA住民が、無人機攻撃に反対しており、わずか16パーセントしか、攻撃が正確に“武装反抗勢力”を狙ったと思っていない。1,000人以上の調査対象者のうち、48パーセントが、攻撃の犠牲者は、主として民間人だと考えており、一方、33パーセントが民間人と、武装反抗勢力の両方を殺害したのだと考えている。

木曜日、ニュー・アメリカ財団が発表した世論調査は、“アメリカ軍に反対する声は強力だ。”と結論している。“FATA住民の、わずか十人に一人が、パキスタン軍や警察に対する自爆攻撃は、往々にして、あるいは、時には正当化できるとしているのに対し、ほぼ十人に六人が、アメリカ軍に対するこうした攻撃は正当化できると考えている。”ことが判明した。

イスラマバードが公的には、無人機攻撃を非難することを強いられてきたのは、こうした感情がパキスタン政府そのものの安定性に対する脅威だと恐れればこその結果なのだ。

“我々は、極めて強く確信している、こうした無人機攻撃は非生産的であり、より大きな戦略的権益、とりわけ武装反抗勢力やテロリストに対する我々の戦略のかなめである、人心掌握のための我々の努力という文脈では役立たない”と、木曜日、外務省スポークスマンのアブドゥル・バシトは述べた。

この発表は、北ワジリスタンで、同日早々、武装反抗勢力とされる数人を殺害した、別のミサイル攻撃の後、行われた。水曜日の二度のミサイル攻撃では、少なくとも9人を殺害し、月曜日のミサイル攻撃では、ドイツ国民とされる8人を含む10人が亡くなった。バシトは、パキスタン領土におけるこうしたアメリカ軍の行為は“正当化も理解も不可能だ”と語っている。

アメリカとパキスタン間の緊張を更に高める、オバマ政権からアメリカ議会に対する、パキスタン政府に極めて批判的な秘密報告書の漏洩だ。

最初にウオール・ストリート・ジャーナルで報じられた文書は、パキスタン軍が意図的に“アフガニスタン・タリバンや北ワジリスタンのアルカイダ勢力と、直接戦闘することとなる交戦を避けようとしている。”と非難している。報告書は、これは単に資源不足という問題ではなく、“政治的選択”だとしている。

報告書は、パキスタン大統領アースィフ・アリー・ザルダーリーが“洪水にもかかわらず、ヨーロッパ訪問を決断したこと”が、同国を荒廃させ、約800万人のパキスタン人の住むところを失わせた。報告書は、国民は政府の対応を“遅く、不十分”と見ているとも書いている。

文書はこう結論している。“こうした課題を克服しない限り、パキスタン政府が、武装反抗勢力に、自国政府の持久力に懐疑的なままでいる国民に対し、影響力を回復する機会を与えてしまいかねない危険がある。”

別の記事で、ウオール・ストリート・ジャーナルは、パキスタン統合情報局(ISI)のメンバーが、武装反抗勢力集団分子と、ハミド・カルザイ大統領のアメリカ傀儡政権との間の和平交渉を斡旋しようというアメリカの企み台無しにするため“タリバンの野戦指揮官達に、アフガニスタンにおける、アメリカとその同盟国と戦うよう強く要求している”というアメリカ当局者の発言を引用している。

ISIによる行為だとされているものは、あらゆる和平協定において“影響力”を維持し、この地域における、イスラマバードの伝統的ライバル、インドと同調するような政府が、カーブルに樹立されるのを防ぐ、というパキスタンの決意が原因だとされている。パキスタン当局者は、そうした主張を否定し、アメリカのアフガニスタンにおける戦争を見舞っている危機で、ワシントンは、ISIやパキスタン政府を身代わりにしようとたくらんでいると非難した。

イスラマバードとワシントン間の極端な緊張を更に象徴するものとして、イギリス日刊紙ガーディアンは、木曜日、パキスタンに対する無人機戦争を正当化し、益々反対を強めているアメリカ国民に、アフガニスタン戦争を売り込むために、オバマ政権は、ヨーロッパにおけるテロの恐怖をあおっていると非難する、イギリス駐在パキスタン高等弁務官ワジド・シャムスル・ハサンの発言を引用している。アメリカは、ヨーロッパ内の標的を攻撃する企みとされている主張を裏付ける諜報情報をパキスタンには伝えていないと、彼は語った。

ハサンは更に、アメリカの攻撃はパキスタンを不安定化しつつあり、一層高まる大衆の怒りをひき起こし、それがアメリカに跳ね返る可能性がある、と警告している。

“国民は嫌がらせをされていると感じています”あるパキスタン外交官人は語っている。“もしも彼等[アメリカ人]が、更に誰かを殺害すれば、彼等は報復するでしょう。3,000人程のアメリカ人要員がパキスタンに駐留しています。彼等は格好のマトとなるでしょう。”ジャコババードのパキスタン空軍基地は、このまま緊張が高まれば、攻撃にさらされかねないと、彼はつけ加えた。この基地、CIAが無人機攻撃を発進させるのに使用している施設だ。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/oct2010/paki-o08.shtml

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昨日の友は、今日の敵。

アメリカでは中間選挙とやらが近づいている。

今朝の新聞には、イラクやアフガニスタンの戦争は争点にはならず、話題はもっぱら経済問題、というようなことが書いてあった。

そして、素晴らしき二大政党の理想的結果として、今度は、共和党が増えるもののようだ。

主要国家事業である、戦争を論ずることなく、名前と雰囲気だけ別の政党が伸びても、もちろん帝国のふるまい、属国にとってやさしくなるわけではない。

大騒ぎをして大統領の皮膚の色をチェンジしたが、他に何がチェンジしただろう。

属国は、支配を容易にすべく、宗主国の仕組みを模倣させられる。

宗主国並二大政党をめざして、日々日本の政治家・マスコミは活動している。

何周か遅れの「小選挙区制」。何周か遅れの「二大政党」。

このとんでもない制度を見事に豪腕で導入した政治家が、何故、突然、庶民の救世主に変貌する(あるいは、した)のか、納得できる説明、残念ながら読んだことがない。あれば是非ご教示頂きたい。うそした説明が現れる前に、ご用済みとされるのだろうか? 

クーデター騒動が起きたエクアドル、大統領は持ちこたえた。国政選挙への強力な干渉にも耐え、ベネズェラのチャベス支持勢力はかろうじて多数派を維持した。ホンジュラスでは、セラヤ大統領自国の軍隊に拉致され、アメリカ空軍基地経由で、国外追放された。対抗する党(某国と同じ、二大属国政党のようだ)の有力者ロボにとって変わられた。エクアドル、ベネズェラでは、独立を標榜する政党が与党であるのに対し、ホンジュラス与党の大統領、某国と同じく属国政党の人だった。独立を実現するには、独立を目指す政治家の有力な政党が必要なのは当然だ。それで、この国では、間もなく、比例議席を、なんとか削減、消滅させ、その可能性を、未来永劫・完全に封殺することになっている。

走狗というもの、負け犬は噛んでも、飼い主は噛まない。噛めば追い出される。

検察による証拠改ざん事件の後は、政治家がからむこうした出来事、皆、「属国策捜査」に思えてくる。

彼をおい落としたとされる美男・美女政治家諸氏、救世主だなどとは思わない。彼等とて、走狗が宗主国に逆らえば同じ運命が待ち受けていること、もう十分にご承知だろう。

笑顔のラムズフェルドがフセインと握手をしている写真を、そして、首に縄をかけられたフセインの写真を思い出すこの頃。

2010年10月 9日 (土) アフガニスタン・パキスタン, アメリカ, アメリカ軍・基地, NATO, wsws | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (9)

2010年10月 7日 (木)

エクアドルでのクーデターの企みはCIA仕込み

Nil Nikandrov

Strategic Culture Foundation

2010-10-03

9月30日、エクアドルを不安定にしたクーデターの企てでは、エクアドル警察部隊が主要な役割を果たした。警察官のボーナスや手当てに影響する法律の成立が、首都キトーと、港町グアヤキルで勃発した暴動の口実となった。実際は、この法律に給与削減は含まれはいないはずだったが、クーデターを陰であやつる連中は、給与が削減されるだろうと警官を説得するのに成功し、暴動をひき起こしたのだ。

以降の展開は、伝統的な中南米パターンだった。反逆者達が、基盤を生み出し、路上にバリケードを築き、全てのエクアドル発着の飛行は停止させられた。アメリカに訓練された多数の将校がいるエクアドル空軍の一部は警察側につき、軍事協力の枠組みでエクアドルに駐留しているベネズエラのパイロットは隔離された。改革について、自ら説明しようとして、警官宿舎に近づいたラファエル・コレア大統領は、すんでのところで死を免れた。射撃音は周囲でも聞こえたが、催涙ガス弾攻撃を受け、更には何発かの手榴弾が近くで爆発した。大統領とホディガードは軍病院に避難したが、病院は間もなく反乱警察部隊と明らかに野党側からの提供で武装した民間人に包囲された。包囲は数時間続いたが、特殊部隊が到着し、コレアを大統領官邸まで護衛した。

過去数年間、エクアドルの警察は、自らの権益を意図していたのが確実なアメリカ大使館から、誘惑され続けてきた。FBI、CIA、DEAや他のアメリカの機関が運用する基金からの金が、警察幹部や工作員のボーナスや、様々な警察の部門への機材、等々に日常的に注ぎ込まれたまれた。協力は、心底からのものとなっていたため、エクアドルの政治家、ジャーナリストや、アメリカの潜在的な敵と目される他の人々を監視下に置くのに、アメリカ諜報組織はエクアドル警察や軍諜報機関を時折起用していた。エクアドル領土内にあるFARCキャンプを、コロンビアが爆撃した後、エクアドルとコロンビアの関係を見舞った危機の間、エクアドル諜報機関は、アメリカ側のパートナーには情報を急報する一方、自国政府を状況の詳細を把握できないままに放置した。

2007年1月、コレアの愛国的政権の出現により、エクアドル政府が、自国の諸機関に対する支配を取り戻し始め、異常な体制は終止符を打つこととなった。とりわけ、コレアは、アメリカ大使館との非公式なつながりを維持することや、雇われることを禁じたのだ。この試みは、案の定ワシントンを激怒させ、たとえばワシントンは、以前エクアドルの麻薬取り締まり機関に米麻薬取り締まり局が提供したコンピューターを、返却しろとまであらわに要求することとなった。エクアドルとアメリカの関係は、コレアがマンタのアメリカ空軍基地を閉鎖して、一層冷却した。これに対応し、ベネズエラやニカラグアとの友好関係、アメリカによる麻薬対策援助、プラン・コロンビアへの不同意、そして、独自の社会主義モデルの導入を巡り、ワシントンはキトーを激しく避難した。

ホンジュラスで、マヌエル・セラヤ大統領を追放した作戦が成功したため、アメリカのタカ派は、同じような悪巧みを中南米の各地で働こうと元気づけられたが、ワシントンの最終目的は、ウゴ・チャベスを孤立化させ、地域中の彼の盟友を権力から追放することなのだ。アメリカ政権は、政治的殺害対象リスト上、エクアドルが格好の的だと考えたのだ。コレアの改革は、現地の寡頭政治勢力、親米派エリート、ワシントンの意に沿わない、あゆる政治活動をひっくるめて表現する言葉として、今日に至るまで流布されている『共産主義と戦うべく』悪名高いアメリカ陸軍米州学校で洗脳された陸軍将校の部隊がしかける頑固な抵抗に見舞われていた。

コレア大統領を標的にした破壊活動は、2008年8月に、駐エクアドル・アメリカ大使に任命されていたヘザー・ホッジズが仕組んでいた。彼女は残虐な独裁者リオス・モント支配時代のグアテマラで働き、CIAと密接につながっていることが知られている、米国務省キューバ局の次長も務めた。ホッジズ女史は、USAIDといくつかの国でも協力し、モルドバ駐在アメリカ大使として勤務したが、そこでの彼女の任務は、モルドバの指導部をロシアと疎遠にさせ、親西欧NGOやアメリカの平和部隊の元気な若者達の支援を得て、カラー革命を仕組むことだった。現在、彼女の研修員達は、ベネズエラ、ボリビアや、エクアドルのCIA支局によって雇われている。

ヒラリー・クリントン米国務長官は、現地で状況を評価し、コレア大統領を、チャベスから、アメリカへと向け直させる可能性を探るべく、6月にキトーを訪問したが、エクアドル指導部からは、いかなる譲歩も引き出しそ損ねていた。結果として、ホッジズ大使は、コレアの立場を弱体化させ、長期的には、彼を打倒することを狙った作戦を開始するよう指示されていた。USAIDだけでも、この大義にむけて、4000万ドルという財政支援を注ぎ込んだが、元大統領ルシオがこの策謀の中心人物だ。グティエレスの悲惨な大統領職は、彼がエクアドルから脱出して終わった。恩赦を得て、2009年の大統領選挙で彼はコレアに挑戦したが、当然ながら敗北した。

CIAが作成したクーデターの青写真によれば、テレビ演説で、グティエレスが“独裁者”コレアの排除と、暫定政府への権限委譲を発表することになっていた。計画には更に、エクアドル議会の解散と、即時選挙の実施が含まれていた。ところが共謀者達は、正当な大統領の擁護者達に阻まれ、グティエレスをTV局にアクセスさせそこねた。しかもPACHAKUTIK中の先住民組織は参加しないことに決めた。クーデターはそれで挫折した。

現在、エクアドルは非常事態下にある。コレアは、エクアドル警察を洗い出し、軍将校を含め、誰が関与していたのかを明らかにする予定だ。既に、元大統領のグティエレスと彼の党Partido Sociedad Patriotica 21 de Enero(直訳すれば、1月21日愛国団体党)に嫌疑がかけられている。

エクアドルにおける騒動の原因と、中南米におけるクーデター再発防止に必要な手段が、10月1日に、ブエノスアイレスで招集されたUNASUR緊急会議で、検討された。ワシントンが、エクアドルにおけるクーデターの犯人達を非難しないことに決めているという事実に、注意が払われるべきだ。

記事原文のurl:www.strategic-culture.org/news/2010/10/03/ecuador-coup-attempt-engineered-by-the-cia.html

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この記事を掲げているweb、もちろんロシアのもの。

岡目八目ではないが、「部外者で、それなり情報を把握している組織が、圧力を気にせずに報道すると、こういう記事になる」ということだろう。

某国の場合、

「それなり情報を把握している組織が圧力を気にせずに報道する」ことはありえない。

国の名前を、某属国と入れ換えて見たいもの。ためされれば、愕然とするのでは。

状況全く違う。こういう国々、きちんと、大きな議席を持つ自前の政党がある。

もともと属国の様な状態であったにもかかわらず、アメリカに対し多少とも独立している政権、たとえばベネズエラやエクアドル、自立を訴求する大統領という首長のみならず、首長をささえる政党が存在しているのだ。

そこが小選挙区・二大政党をよしとする世界に冠たるアメリカ模範属国との違いだろう。

経済的な成功と、人間の尊厳とは、必ずしも、関連しないだろう。

どこかの国、宗主国に支援された傀儡二大政党しか存在しない。

それをささえる、マスコミしか存在しない。それをささえる官庁・財界しか存在しない。

そして、それを補助する学界しか存在しない。

検察庁、外務省、財務省等、全省庁が、65年にわたり植民地化されてしまった。恐ろしいことに、小選挙区制度の選挙では変えられない。企業なら、購入ボイコットも可能だろうが。ボイコットは彼らの思うつぼ。

自国民でなく、宗主国のための組織であること『平成経済20年史』を読めばわかる。

紺谷典子氏の分析が素晴らしいというのも、実に良くわかる。

それで彼女は、当然ながら、いわゆる『マスコミ』から、完全に抹殺された。

いつも行く駅前の書店、『悪貨は良貨を駆逐する』の見本。

『平成経済20年史』全く見あたらない。店頭には元自衛隊幹部とんでも氏本が山積み。

竹中氏のような学者が、大学(彼の大学の学生になりたくないものだ)教員を務め、マスコミで重用されるのと実に対象的。そう。『無理が通れば道理がひっこむ』のだ。

優秀とされる帝国大学を卒業し、宗主国大学院を卒業するのがこの国ではエリート。

(へそまがりの小生、全く信じていない。逆だろうと確信している。)

某国官庁・マスコミの抱き込まれ具合、エクアドル警察や軍どころでないだろう。自慢にはならないが。

ところで、不思議なのは、反中国デモに参加された皆様が、自分たちのデモがマスコミに載らないと怒っておられること。

反米デモ、65年間無視されつづけていること、反中国デモに参加された皆様ご存じないのだろうか。

そういう発想、宗主国アメリカと瓜二つのダブル・スタンダードでは?

「こういう状況を目指して、『坂の上の雲』やら『坂本龍馬』のようなプロパガンダ番組が延々放映されていたに決まっている」と言えば、陰謀論者と言われるだろう。

世の中、実にうまくできている。もちろん、お金持ちの方々にとっては。

2010年10月 7日 (木) アメリカ, アメリカ軍・基地, 中南米 | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2)

2010年10月 5日 (火)

パキスタン、アフガニスタン戦争の主要補給路を遮断

Keith Jones

2010年10月1日

パキスタン国境警備隊兵士三人を殺害し、更に三人を負傷させた、パキスタン国境前哨基地に対するNATO攻撃を受け、昨日、パキスタンは、重要な米-NATOアフガニスタン戦の物資補給路を閉鎖した。

木曜朝、最初は午前5:30頃、更に約4時間後、連邦直轄部族地域(FATA)の一つ、クッラムの陣地を、米NATO国際治安支援部隊(ISAF)の攻撃型ヘリコプターが二度機銃掃射した。

NATO当局者は、マンダタ・カンダホ前哨基地に対する攻撃は、先週末ヘリコプター攻撃を三回行い、50人以上を殺害したのと同様、“自己防衛”だと正当化した。

パキスタン軍広報担当者によると、マンダタ・カンダホの国境警備隊は、ISAFヘリコプターに対し、パキスタン空域に侵入したことを警告すべく空に向け発砲した。“警告に留意する代わりに”ヘリコプターは“二発のミサイルを発射し、前哨基地を破壊した。”

昨日の攻撃から間もなく、パキスタン当局は、ペシャワル北のトルハムにあるアフガニスタンへの検問所を閉鎖した。封鎖のおかげで、夜までに、150輌以上のNATOトラックや石油輸送車が道路から排除されたと伝えられている。

パキスタン政府も軍当局も、国境閉鎖を、パキスタンの主権侵害と同国民の殺害に対する報復だと公式には言っていない。しかし、火曜日、パキスタン軍は、ブリュッセルのNATO指導者達に、もしNATO軍がパキスタン国内で軍事攻撃を継続するならば、パキスタンは、もはやISAF補給部隊の“安全を保障することはできない”と警告した。

パキスタン政府は、FATAにおけるアメリカの無人機攻撃を、長年暗黙のうちに受け入れては来たものの、アメリカとNATO軍がパキスタンに越境した際には、軍事報復をするという見え透いた脅しを含め常に強硬に反対してきた。

これは決して驚くべきことではない。国際法の下、越境攻撃は戦争行為と等しいのだ。

木曜日の事態についてコメントしてパキスタン内務大臣レーマン・マリクは述べた。“我々は、同盟国なのか、敵なのか、考えなければなるまい。”

外務省広報担当官アブドゥル・バシトは、パキスタン“は、あらゆる状況において、主権を守るつもりだ”と断言した。パキスタンはどのように対抗するつもりかと質問されて、彼は答えた。“想像におまかせしたい。”

米パキスタン関係のこの最新の危機は、アメリカ統合参謀本部議長マイケル・マレン海軍大将が、先週末パキスタン軍のトップ、アシファク・キヤニ大将と、パキスタンへの侵入に関し、“そこそこの合意”に達したと主張した一日後、そしてレオン・パネッタCIA長官が、イスラマバードで、パキスタン首脳と会談していた当日に勃発した。

パネッタとアースィフ・アリー・ザルダーリー・パキスタン大統領との会談後、大統領官邸は、大統領はCIA長官に“パキスタン政府は、パキスタン主権を侵害するいかなる出来事にも強く不同意だ。国際的に合意された原則の侵害は非生産的で、受け入れられない。”と言ったと述べた。

カイバル峠のトルハム国境検問所は、米-NATOの補給用に、飛び抜けて最も重要なルートだ。アフガニスタン駐留米-NATO占領軍が使用する全食料や燃料の半分以上が、この経路経由で輸送されているのだ。

NATO当局は、閉鎖は対反乱戦争に対し何の影響もないだろうと語り、軽く扱った。パキスタン側としては、いつ封鎖を解除するかについて、何も語っていない。これまでのそうした封鎖は、数日以上は続かなかった。

しかしながら現実は、9年間のアフガニスタン戦争で、アフガニスタンを支配し、石油の豊富な中央アジアに、軍事-地政学的橋頭堡を確立しようと目論見の上で、アメリカはパキスタンの兵站支援に大きく依存したままだ。

しかも米パキスタン関係は緊張を伴ったままだが、この緊張はいつ何時、制御不能になりかねない。

過去十年間、パキスタンの軍事・地政学的姿勢を、アメリカの略奪的権益に一層密接に沿わせる為、軍事行動を含めた脅しを使って、ワシントンは、パキスタンに対し繰り返し強い圧力をかけてきた。

ボブ・ウッドワードの新刊『オバマの戦争』によれば、アメリカ、インドいずれかへのテロ攻撃が、パキスタン国内から出撃したことがわかった場合には、ペンタゴンは、テロリストのキャンプと目されるものに対する本格的な爆撃作戦を行うと、アメリカは、イスラマバードに対して言ってある。アメリカが、そのような攻撃が民間人死傷者を招くかどうかに関して、ほとんど無関心であることを、ウッドワードが認めていることは重要だ。“場所の中には、時代遅れになったものもあるだろうが、計画上、一体誰が今そこに暮らしているかは、全く配慮していない。報復計画は、少なくとも150以上の関連したキャンプに対する残虐な懲罰的攻撃を標榜している。”

たとえそれが、パキスタンの広範な地域を内戦に突入させることを意味するのであっても、アメリカのアフガニスタン戦争を支援すべく、“もっと、やれ”と、パキスタンに絶え間なく要求しながら、ワシントンは、イスラマバードの地政学的立場を更に損なうような政策を情け容赦なく推し進めている。かくして、アメリカは、パキスタンの大敵インドとの戦略的提携を強化し、イランからの天然ガス・パイプライン建設や中国からの原子炉輸入を含め、いくつかの主要なパキスタンの構想を阻止することを目指してきた。

パキスタンは、7月以来、洪水による打撃を受けており、2000万人以上、その少なくとも半数以上は子供、が被害にあっている。立ち退かされ、緊急食料・医療支援を要している人数という点で、パキスタン洪水は65年の国連史上で最大の人道的災害だ、と国連は再三述べている。

ところが、この時期に、バラク・オバマ大統領指揮下のアメリカは、パキスタン国内における無人機攻撃を劇的に激化し、先月だけでも20回以上実施した。先週のNATOヘリコプターによる再三のパキスタン主権侵害は、明らかに一層攻撃的なこの新規姿勢の一環だ。

ある匿名のパキスタン軍当局者は、ワシントン・ポストに、無人機攻撃とヘリコプター襲撃は、イスラマバードに、タリバンと連携している北ワジリスタンの集団を鎮圧するための新規軍事攻勢をさせるよう強いるための“圧力戦術”だと語っている。

ヨーロッパでも北米でもアフガニスタン戦争が極めて不人気という状況下、ワシントンは、パキスタン軍兵士にできるだけ多く戦闘し、死んでもらおうと躍起になっている。

パキスタン軍は、反政府ゲリラを支援していると目される村や地域への絨毯爆撃や集団的懲罰を含め、無差別的な暴力の行使で悪名が高いことは言い添えておかねばならない。

昨年、FATAとカイバル・パクトゥンクワ州(元北西辺境州)での、パキスタン軍作戦によって、約200万人が強制退去させられた。この攻勢で用いられたパキスタン軍手法のおぞましい例は、ワシントンによって大いに称賛されているが、アメリカ政府当局すらもが、本物のようだと認めた、インターネット上で表面化した、パキスタン軍兵士が即決で六人の青年を処刑する様子を写したビデオによって証明されている。

何十年にもわたる、ワシントンとイスラマバードと、ペンタゴンとパキスタン軍間の協力関係が、パキスタン国民にとっては悲惨なものであることが証明されている。

アメリカは、国民を容赦なく抑圧してきた一連の軍事独裁政権の防壁役だった。ワシントンの積極的な関与を得て、ソ連を弱体化させる動きの一環として、アフガニスタン・ムジャヒディーンに資金と武器を与え、ジア将軍支配下のパキスタンは、イスラム復興主義者民兵の増大を含め、イスラム教原理主義を積極的に奨励した。

わずか2年ほど前、ジョージ・W・ブッシュの良き友人ペルベス・ムシャラフ将軍が率いた最後の軍事政権は、大規模な大衆の反対の前に崩壊した。

だがアメリカは、軍はパキスタンで一番の組織だと言い寄り、もちあげ続けている。

この支持に支えられ、文民政権の一目瞭然の腐敗と無能を巡る大衆の怒りにつけこみ、アメリカが後援するIMFによるリストラ実行を追求すべく、今やパキスタン軍は、益々直接的に、日々の政治的意思決定で幅をきかせつつある。

火曜日、ニューヨーク・タイムズは、“壊滅的洪水対応策の手際の悪さに怒り、経済の崩壊を懸念するパキスタン軍は、選挙で選ばれた政府の刷新、長期的には、アースィフ・アリー・ザルダーリー大統領と主要な補佐官達の排除を要求しつつある。”と主張する記事を掲載した

同紙は更に“益々ザルダーリー大統領に幻滅しつつある”と“アメリカ当局者も言っている”と補足している。

過去にもあったように、慢性的な飢餓と貧困、益々拡大しつつある社会的不平等、地主制度や、他の様々な封建制度の名残、そしてアメリカ帝国主義にとっての、傭兵というパキスタンの役割に対する反対から生じている大衆の動揺を、軍が鎮圧してくれるのを、欲得ずくのパキスタン資本家階級とワシントンは期待しているのだ。

ここ数週間、洪水救済の欠如、電力平均分配や、約束した公共部門の給料引き上げを取り消そうとする政府の企みを巡り、抗議の波が高まっている。

タイムズ紙の記事によれば、“オバマ政権にとって募る不安の中には、経済が更に悪化した場合の深刻な動揺の可能性もある。一部の予想によれば、次の四半期に、インフレは25パーセントに達するという。”

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/oct2010/paki-o01.shtml

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NATO 輸送車両 襲撃、等のキーワードで、例えばGoogleを検索すると、10月4日付けの記事が各紙に載っている。検問所が封鎖され、前進できなくなった車両が、狙われたのではないだろうか?無人機攻撃で殺害されるパキスタン庶民にとって、アメリカ、もはや敵国だろう。

不思議なことに、というか、当然のことに、パキスタンとアメリカの間の深刻な摩擦によって、アフガニスタンに向かう検問所が封鎖されたことに触れる記事はほとんど皆無。

宗主国のマスコミ、腐っても鯛?ニューズウイーク日本版オフィシャルサイトには、2010年10月1日付けの記事がある。簡潔な日本語?この車列が攻撃されたのだろうか?

無人機空爆にパキスタンがキレた 2010年10月1日

アフガニスタンの警察官育成費用?というような名目で、莫大な「みかじめ料」を支払わされている属国の国民として、また、パキスタン洪水被害支援のため、軍ヘリコプターや軍隊を派遣している国の国民として、血税の行方、もうすこし情報があっても良いだろうと、全く無駄とわかっていても思いたくなる。

テレビ番組欄、眺めてみると、どの局もどうでもよいお笑い番組やら特集番組ばかり。
真実を報道すると暴動が起きるからだろうか。江戸時代の打ち壊し、明治・大正の米騒動、いや、1905年、日露戦争終戦処理をめぐる不満からの、日比谷焼打事件以来、絶えてないだろう。

1960年、安保騒動というものもあったが。背景、どうやら怪しいもののように見える。天安門事件の後、指導者のなかには、アメリカに亡命している人がいる。安保で騒いだ学生幹部の中には、アメリカに留学し、学者になっている人々も多いという。現在の与党の幹部にも、学生運動出身の人はおられないのだろうか?

ヘルメット・ゲバ棒の運動に、大いに違和感を感じながら、せめて、将来、一体どういう人物になるのか、見つめつづけたいと思ったものだ。

そこで一句?

働きたくも働き口もなく当然わが暮らし楽にならざり
家人とキュウリ三本いくらのスーパーびらをじっと見る

2010年10月 5日 (火) アフガニスタン・パキスタン, アメリカ, NATO, wsws | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (1)

2010年10月 3日 (日)

エクアドル、非常事態

Ruth Collins

2010年10月1日

"New Statesman"

大統領、警察と軍の全員が支配権を求めて格闘する中、南米の国の紛争は続いている。

比較的穏やかだったラファエル・コレアの三年間の大統領職も、昨日警官による抗議デモが国を麻痺させ、大統領が負傷し、病院に収容され、まずい展開となって砕け散った。

水曜日の晩、コレア大統領が実施した緊縮政策に応え、 木曜日朝、キトーやエクアドルの他主要都市の街路に何百人もの警官が並び立ち、国中の空港や道路を封鎖した。新たな施策には、政府による支出削減の無駄な試みの一環として、メダル授与、ボーナスと昇進に影響すると言われている法案の議会承認も含まれている。同様に法律の影響を被る約300人の軍兵士も、抗議デモに加わり、キトーの主要空港を急襲し、9時間、飛行機の空港発着を阻止した。

コレア大統領が兵舎を訪問した際、事態はさらに悪化した。彼を取り囲む軍隊に向かって、演説していた大統領は叫んだ。"もし君たちが大統領を殺したいなら、私はここにいる。殺したければ殺せ。それだけ肝がすわっているなら、私を殺せ。" 少しして、彼は要求通りの結果を得て、抗議デモ参加者により物理的に攻撃され、催涙ガス弾攻撃を受けた。病院に収容された後、大統領は、数時間、院内に閉じ込められ、その間、抗議デモ参加者間の銃撃戦になり、何人かが死亡し、かなり多数が負傷したとされている。

本記事にICHが追加したビデオ

軍隊のメンバーによって、安全なカロンデレト宮殿に、彼は秘かに連れ戻された。既に非常事態を宣言していたが、救助されて以来、コレアは、抗議デモは、彼を打倒する企みだと語っている。

確かにエクアドルは、政治クーデターに馴染みがないわけではない。過去13年間に三人の大統領が追放されている。コレアは実際、昨年、二期目に再選された際、二期目を勝ち取った最初の大統領だった。ところが、いくつかの物議を醸す決断の後、彼の人気は昨年中、劇的に低下しつづけた。32億ドルの"違法な" 国際債務の支払い凍結するという彼の決断で、同国の政府債務は南米大陸で最もリスクの高いものとなり、広範な財政問題をひき起こした。2009年2月、二人のアメリカ外交官を追放するという彼の決定は、ワシントンに拒否された。今年7月、彼は、万一、民間事業者が現地の法律に従い損ねた場合、政府が油田を国有化できるようにするという、新たな石油法案を実施した。石油がエクアドルの主要なセールス・ポイントの一つであることを考えれば、そのような行動は外国投資家を阻させかねないと多くの人々が懸念した。

コレアに対する、野党からの挑戦はほとんどなかったとはいえ、他ならぬ彼の弟ファブリシオが大統領候補という、驚くべき競争相手が登場し、ここ数カ月間、兄弟間の緊張が、ラファエルの大統領職を大いに傷つけている。2009年、エクアドルの新聞ディアリオ・エクスプレソが、兄が大統領に就任して以来、ファブリシオの建設事業が、奇妙なほど、前例のない成長を遂げていることを暴露し、兄弟は汚職スキャンダルに巻き込まれた。

大統領としてのラファエルの主要目的の一つが汚職との戦いだったので、こうした主張は、結局は事実無根であったにせよ、ラファエルの政治生命を取り返しのつかないほど損なうに十分だった。評判に対するスキャンダルの衝撃を小さくしようという無駄な企みとして、その後ラファエルは公共団体がマスコミと広告契約をすることを禁じる法案に署名した。

兄弟は、当初、疑惑問題の間、お互いに助け合っていたが、関係は間もなく悪化し、ファブリシオは以来、2013年選挙に出馬したい意向を表明している。大西洋の向こうの、労働党指導者の地位を巡る、比較的穏やかなミリバンド兄弟の争いと対照的に、この兄弟の戦いは、決して友好的とは言い難いものに見える。

これは、ここ数日の出来事に対する彼の対応を巡り、ラファエルが大いに批判されているという事実とあいまって、大統領としての彼の将来を不確かなものにしている。有数のエクアドル人ジャーナリスト、ルベン・ダリオ・ブイトロンを含め、自分は軍事クーデターの犠牲者であるというラファエルの主張に、多くの人々が異議を唱え、彼は状況を、支持を喚起するのに利用しようとしていると警告している。今週の出来事が、どのように解決するのかを語ることは困難だが、これからもっとひどいことが起きるのは確実だ。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article26492.htm

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何とも不思議なことに、この件、本当に日本の「マスコミに載らない海外記事」となっている。日本には、本当に、「宗主国を讃える大政翼賛会報道しかない」ということが証明されたようなものだ。

アメリカへの基地提供を拒否すると、下記のいずれかになることが明白になった。

    1. 某国の首相のように、ある日、突然退陣させられる
    2. エクアドル式に、国民の反対運動に見せかけたもので排除される
    3. ホンジュラスのセラヤ大統領のようにパジャマのまま国外追放される

この国の画期的な基地政策については以下で翻訳したことがある。属国でも、こういうことがおこり得る、のに驚かされたのだった。

番外編・エクアドル、アメリカ軍駐留拒否へ

記念に、マンタという、貧乏人の小生には高価すぎる時計を買おうと思っていたのだが。

宗主国大使や大統領と違い、下記のような訪問もする人だ。(戦争犯罪の当事者連中、いくら原爆投下を自分勝手に正当化しようと、さすが彼のように、自分の犯行現場には参拝できまい。)

エクアドル大統領:「原爆の悲劇二度と」 資料館見学/広島 2010年9月8日毎日記事

エクアドルのラファエル・コレア大統領が7日、広島市を初めて訪問した。原爆慰霊碑に献花後、原爆資料館を見学し、被爆証言にも耳を傾けた。外国の元首として、初めて国立広島原爆死没者追悼平和祈念館を視察した。

所詮は邯鄲の夢。

「属国というもの、宗主国の掌の上で踊るしか選択肢はない」のだろうか。

2010年10月 3日 (日) アメリカ, アメリカ軍・基地, 中南米 | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (4)

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