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2010年9月16日 (木)

虐殺の禁止

Kathy Kelly

2010年9月13日

Voices for Creative Nonviolence

1970年代の初め、二度の夏を、シカゴの食肉加工工場で豚ロース肉をつりあげて過ごしたことがある。ローズ・パッキング・カンパニーは、ほんの一握りの大学生達に、豚肉加工で、時給2.25ドル払ってくれた。戦闘靴、黄色いゴム・エプロン、ゴーグル、ヘアネットと床まで届く、さほど長く白のままではいられない、白い作業衣をまとって、我々は工場のフロアに到着する。耳が痛い程の機械に囲まれ、血と排泄物の小さなプールをまたいだものだ。自分の持ち場に向かいながら、鼻につく匂いに自らを順応させた。解凍中の豚ロース肉で一杯の巨大な箱の前においてある牛乳用の木箱の上に乗る。そして、大きな、鋼鉄のT字型フックを振り、大きな豚ロース肉に突き刺し、それを肉の山から引きだし、酢と塩の保存液槽へと運ぶコンベヤ・ベルトに、ドスンとのせるのだった。時に、監督の怒号が、長方形の肉の背後に素早く金属片を押し込むのが必要な、肩肉加工作業への切り換えの合図だった。時々、フランクフルト・ソーセージ製造工程の一部である、くず肉をプラスチックのチューブに噴出する機械に割り当てられることがあった。私は間もなく菜食主義者になった。

しかし、数ヶ月前までは、もし誰かが私に向かって"キャシー・ケリー、君は動物を虐殺したな" と言ったなら、私は間違いなく否定し、多少憤慨さえしたかもしれない。最近、実際私は動物の虐殺に参加していたことを自覚した。アフガニスタンで、パキスタンで、イラクや、アメリカが日常的に民間人を殺害している他の地域で、人々を殺害することへの私たちの責任に関して、ここアメリカ合州国で広く受け入れられている認識と、良く似てはいないだろうか?

実際の殺人は、はるか遠くの、ほとんど知覚できないことのように思え、遠く離れた私たちの役割に慣れすぎてしまい、遠隔操縦する無人飛行機を使用するアメリカの空襲によってひき起こされる敵意に、私たちはほとんど気がつかない。無人飛行機はミサイルを発射し、標的の地域にいる人々を焼いて灰にする爆弾を投下する。そうした人々の多くは、そこに家族と暮らしていたのが唯一の"罪"である民間人だ。

アフガニスタンやパキスタンの村人達は、アメリカ世論という場では、ほとんど発言権は無く、アメリカの裁判所においては、全く何の発言権も無い。アメリカが標的殺害に無人飛行機を使用していることに関心を高めることを狙って、私たち14人は、ネバダ州の法律の下で、ネバダ、インディアン・スプリングズ近くのクリーチ空軍基地に不法侵入したかどで告訴されている件でのラスベガス裁判に備えている。

告訴は、2009年4月、数十人がクリーチ空軍基地の正門で十日間徹夜のデモを行った際の行為に端を発している。バナーの一つに、こういうものがあった。"Ground Drones、汝、自ら犯した悪事が元でひどい報いを受けぬために。" フランシスコ会修道士ジェリー・ザワダの看板はこうだった。 "無人飛行機は、地上の人々のうめき声を聞きはしない。私たちも。" 2009年4月9日、私たち14人が何通かの手紙を、基地司令官チャンブリス大佐に手渡そうと試みた際、ジェリーはその看板を基地に持ち込んだ。

ネバダ州当局は私たちを不法侵入のかどで告訴した。標的暗殺を明確に禁じている国際法が、我々に無人飛行機攻撃を阻止することを義務づけていると私たちは確信している。"遠隔であれ、そうでない場合であれ、提案されている攻撃の適法性に関する司令官の判断が、目視による確認によって裏付けられていることを、常に確実にするのが、パイロットの責務だ、"裁判なしの、略式、あるいは恣意的な処刑に関する国連の特別報告者フィリップ・オールストンは書いている。"そして、標的にすることが実際に合法であり、必要性と、釣り合いと、識別という条件に合致していることを。"

アメリカ合州国はパキスタンと戦争をしているわけではない。アメリカの指導者達は、パキスタンはアメリカの同盟国だと繰り返し強調している。それなのに、アメリカが運用する無人飛行機が、北と南ワジリスタンで標的殺害用に使用されている。ハーバード・ナショナル・セキュリティ・ジャーナル誌によると"標的殺害は、対テロ戦争で採用されているものの中で、最も強圧的な戦術"だ。"拘留や尋問と違い、それは、テロリストを捕らえたり、彼・彼女の行動を監視したり、情報を引きだしたりするように作られているわけではない。端的に言えば、テロリストを抹殺するために作られているのだ。"

ペンタゴンは、無人飛行機攻撃は、アルカイダ構成員を抹殺するのに理想的な戦略だと主張している。Yetアメリカ国民の安全保障を強化するという名目で、アメリカは、有効な政策として、暗殺を制度化しつつある。これで私達はより安全になるのだろうか?

ペトレイアス大将は、短期的には得だと感じるのかも知れないが、長い目で見れば、無人飛行機攻撃も、夜襲や、暗殺部隊戦術も、ブローバックをひき起こす可能性が高い。その上、多くの国々への無人飛行機の拡散は、アメリカ国内の、そして世界中の人々の安全保障を低下させるだろう。

無人飛行機の使用によって、アメリカの大衆の目にふれずに、アメリカ国内の基地を離れることなしに、アメリカの国軍やCIA工作員が標的を暗殺することができるため、アメリカの大衆は、隔たっている感覚が更に増す一方、責任感は薄くなる。無人飛行機を製造している企業や、それを設計している技術者達は、先端技術と収益の増大を祝っている。

いずれも無人飛行機戦争を廃絶するという私たちの義務に関連する、国際法の下における市民の義務と、アメリカ憲法の下で保護される我々の権利について、専門家の参考人達が語るのが認められている、9月14日のラスベガスの法廷で、私たちの訴訟を審問する裁判官は、このプロセスを促進してくれる、たぐい稀な機会に出会えるのだ。

自分自身が虐殺に関与したことを思い出しながら、虐殺と関係ない仕事で得られたであろうより数十セントばかり余計に時給を稼ぎたいというだけの理由から、あの仕事したことを恥じている。自分がしたことを本当に評価するのに、私は四十年もかかってしまった。我々に何の悪意も持たない他国の人間を虐殺することに対するアメリカ国民の役割を、我々人類が認めるまでには、四十年かかるのだろうか?

Kathy Kelly (kathy@vcnv.org)はVoices for Creative Nonviolence共同コーディネーター。

記事原文のurl:vcnv.org/banning-slaughter

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Kathy Kellyという人、『牙を抜かれて』(原題Pacified)を書いている女性。

かたや、この属国では、「武器輸出三原則を緩和し、関連企業が国際的な共同開発に参画できる環境を整えるべきだ」という合法?殺人を推進する党の代表選になぜか熱中しておられた。どうでも良いことを論議すべき話題として設定するマスコミの力量とプロパガンダ能力を、「小泉9/11選挙」以来、改めて確認させられた。

敗戦以後、こちらは、宗主国とマスコミに洗脳され放題。

我々に何の悪意も持たない他国の人間を、宗主国が虐殺することに対し、基地を好き放題に使用させている日本国民の役割を、我々人類が認めるまでには、百年かかるのだろうか?

2011/2/1追記:デモクラシー・ナウの下記ビデオに出演しているキャシー・ケリーさんが、この文章の筆者だろう。

ネバダの空軍基地で無人機攻撃に抗議

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