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2010年7月28日 (水)

戦争犯罪の記録:WikiLeaks「アフガニスタン戦争日記」

2010年7月27日

日曜日、WikiLeaksによってオンライン公開された何万もの文書は、オバマ政権が行ってきた犯罪的植民地戦争に対する、詳細かつ力強い批判になっている。

92,000文書、200,000ページという莫大な量の、いわゆる「アフガニスタン戦争日記」は、ほぼ9年間、アメリカ軍がアフガニスタン国民に対するテロ活動と破壊的蛮行を行ってきたことについての、議論の余地のない論証になっている。

アメリカ兵や将校が書いた戦場報告書である文書は、住宅への空襲、バリケードに配置された、むやみに発砲したがる兵士達による、オートバイや、自動車やバスに乗ったアフガニスタン人殺戮による民間人の死を記録している。

文書は、タリバンとアルカイダの指導者とされる連中を追い詰め、殺害するのが任務の特殊部隊である、秘密“闇”部隊、タスクフォース373の作戦の覆いを取り払った。部隊は、いかなる犯罪のかどで告訴されてもおらず、まして裁判を受けもしないまま、ペンタゴンとCIAにより死刑判決を受けた少なくとも2,000人のリストを徐々に処理していたのだ。ドアを蹴破ったり、標的となる連中に対する空爆を求めたりする中、部隊は無数の無辜の男性、女性や子供の殺害に成功している。

犠牲者を15,000メートルの上空から攻撃し、警告無しで、無防備な民間人に死と破壊をもたらす、リーパーとプレデター無人飛行機の使用が増大していることも明らかにされている。

文書は同様に、アメリカ軍がおかした残虐行為の組織的な隠蔽工作も暴露している。多くの場合、報告書に掲載された民間人死傷者は決して、公開されない。別の場合には、報告書は、アメリカの発砲によって殺害された民間人を武装反抗勢力として掲載していた。

WikiLeaksが、9年間にわたる戦争の中でも最悪な虐殺の一つ報告を発表した翌日、戦争のこの残忍な性格と、軍司令部による組織的な嘘を、強力に思い知らされた。大半が女性と子供で、何家族か丸ごと、52人もの人々が殺害された、先週金曜日ヘルマンド州での米-NATOのロケット弾による民間人攻撃を、ハミド・カルザイ大統領の政権は公的に非難した。様々な報道機関が、死体を撮影し、家族を埋葬したり、負傷者を現地の病院に運んだりした地域の住民と話しているのに、アメリカが率いる占領軍の広報担当者は“民間人死傷者の証拠はない”と語っている。

WikiLeaksの創始者ジュリアン・アサンジは、月曜日、ロンドンにおける記者会見で語った。文書の中で明らかにされている“何千もの”同様な事件は、捜査し、告訴されるべき戦争犯罪です。

同様に重要なのは、文書が、てこ入れしているはずのカルザイ傀儡政権に対する現地軍隊の本当の姿をさらけ出したことだ。アフガニスタン国家の大黒柱を形成し、アフガニスタン国民から憎悪されている、軍閥、麻薬の売人や、殺し屋の一群によるグロテスクな腐敗や、サディスト的暴力の例を文書は明らかにしている。

この漏洩に対し、オバマ ホワイト・ハウスは、アフガニスタン戦争を継続すると明言し、機密資料の公開が、どれほど兵士の生命を危険に曝し、“国家安全保障”を危うくしたかについて恫喝するような声明を発表して、反撃した。

これらの資料を秘密にしておこうとするのは、アメリカ兵士を守るという意図ではなく、アフガニスタンにおける大虐殺の現実を、このアメリカ史上最長の戦争に対して益々敵対的になりつつあるアメリカ国民に対して、隠しておくのが狙いなのだ。

WikiLeaksによる暴露と、ほぼ40年前、アメリカのベトナム介入と、ベトナムにおけるアメリカの戦争の犯罪性に内在する嘘を暴露したペンタゴン・ペーパーズとの比較が広く行われている。

とはいえ違いは、恐らく更に衝撃的だ。ダニエル・エルズバーグが秘密文書を漏らした当時、アメリカ上院議員の中には、政府に楯突き、文書を記録に残そうとする覚悟ができている人々がおり、ニューヨーク・タイムズも積極的に話題を追求し、裁判所の、記事掲載差し止め命令と戦っていた。

現在、同じようなことをする覚悟がある大物は上院にも民主党にもいない。マスコミについて言えば、文書が、アフガニスタン国民に対する、アメリカの蛮行のひどさ加減を暴露したことを巡る嫌悪感や衝撃についての表現は、ごくわずかか、皆無だ。大半の報道の焦点は、こうした報告を漏洩したことの適法性であって、そのぞっとする内容ではない。

タイムズ紙は、WikiLeaksに、自己検閲するよう強く促し、自らはホワイト・ハウスの承認を得て始めて記事を掲載した。同紙の結論は、漏洩文書はアフガニスタンでの戦争を強化する必要性を実証するものであり、今後一層積極的に、パキスタン国内に拡げようというものだ。同紙は、文書を、アメリカ軍が十分な資源を与えられないまま、余りに多くの規制に縛られている“身動きができなくされた戦争”の証拠へと歪曲しようとたくらんでいる。アフガニスタンにおける残虐行為の信じがたいひどさを詳述する証拠を前にして、タイムズ紙はこの政策を提案しているのだ。

タイムズの資源のごく一部にも満たないような、オンライン組織WikiLeaksが、こうしたすっぱ抜きをするということは、マスコミ全体に対する批判なのだ。タイムズ紙や他の報道機関は、自社“埋め込み”記者を派遣しており、漏洩文書であきらかになった出来事の多くを、まず確実に知っていながら、そうした事件を報じないことに決めていたのだ。彼らは、ペンタゴンや、既成政治勢力に劣らず、アフガニスタン国民に対する犯罪の組織的隠蔽工作を行ってきたのだ。

アメリカ軍兵員数が、今後二週間以内に100,000人に達する(50,000人のNATO加盟国軍兵士や他国の軍隊を含め)オバマによるアフガニスタン戦争のエスカレーションは、2008年11月の大統領選挙後、すっかり店じまいしてしまった、衰弱状態にある“反戦”運動によって手助けされた面もある。

イラクとアフガニスタン戦争に反対する世論を、民主党支持という安全な方向に逸らそうと、何年間も工作し続けた結果、反対集団である、リベラル派も旧過激派集団も、アフガニスタンは“良い戦争”だという公式説明を受け入れ、オバマの“進歩的”政治課題を奉じている。今週明らかにされた、逆のことを示す膨大な量の証拠が、そうした姿勢を変えるだろうと期待すべき理由は皆無だ。

選挙をするごとに明らかになる様に、イラクとアフガニスタンにおけるアメリカの戦争に対する大規模な反対が続いているにもかかわらず、アメリカの政策を変えられないことに対し、かなり落胆があるのは疑うべくもない。2008年には、何百万人もの人々が戦争反対に票を入れようと投票にでかけたのに、イラク占領を継続しながら、アフガニスタン国民に対する恐怖政治を強化するオバマ政権が実現したに過ぎない。

今必要なのは本当の大衆反戦運動の組織化だ。本当の反戦運動は、軍国主義の源である自由企業制度と、戦争を擁護し、推進する民主党と共和党に反対する、労働者階級による独立した政治動員の一部としてのみ展開が可能だ。この運動は、アメリカと他の外国占領軍兵士全員のアフガニスタンとイラクからの即時・無条件撤退要求を提案すべきだ。この運動は、ブッシュ、オバマ両政権において、こうした侵略戦争に関与した連中全員が責任を問われることも要求しなければならない。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/jul2010/pers-j27.shtml

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宗主国でも、大手マスコミは、前回のWikiLeaks映像流失時と同じ対応。無視するか、歪曲するか、足をひっぱるか。記事にもある通り、ペンタゴン・ペーパー時には、硬骨派議員や、大手マスコミが存在していた。今のファッショ体制には、いずれも皆無。

『ロボット兵士の戦争』(NHK出版)を読み終えた。『戦争請負会社』と同著者の本。

残虐な植民地戦争を継続すべく、ロボット化に邁進するアメリカ軍・産・学の現状に関する分厚い報告。WikiLeakの裏返し?プレデター、リーパー等の記述はなかなか詳しい。

当然ながら、随所にイラク、アフガニスタンにおける民間人殺戮の話題もある。

誤解・誤操作の話も。友軍からの誤爆で死ぬ兵士も大変だろうが、なんの理由もなく、虫けらのように殺戮される現地の住民こそ一番割を喰うのは明らか。コンピューターのバグで殺されてはかなわない。

余談ながら、バグということば、元々、装置の中に、虫が入り込んで、故障が起きることから、使われるようになったという。それに、掃除ロボット・メーカー、戦争ロボットの大手メーカーとは知らなかった。

デジタル時代の戦時国際法やら、ロボットに倫理判断をさせる可能性などについて、章がもうけられている。そもそも開発するアメリカ軍・産・政・学・マスコミの倫理が全く異常で、国際法を無視しているのだから、仮に彼らの倫理観が反映されたとて、彼らが開発するロボット、100%フランケンシュタインになるだろう。鉄腕アトムではなく。

本書の原書、当然ながら、宗主国ではなかなか好評。一人だけ反論。

宗主国軍、プレイステーションを、相当な台数購入して下さったようだ。

日本のロボット開発、アメリカとは対照的に、戦闘ではなく、もっぱら介護の方面を目指していることが明記されている。しかしそれも、まもなく昔話になろう。

ガラパゴス介護ロボット、あっと言う間に、普通の国の戦闘ロボットに変わるだろう。鉄人1Q84号、宗主国軍にも、宗主国軍についてゆく軍隊にも愛用されるだろう。

武器輸出緩和を提起=自衛隊の均衡配備見直し-新安保懇の報告書案

故ハワード・ジンの新刊『爆撃』を読んで、気分転換をはかるとするか?

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コメント

初めまして。

このサイトの名前を見た時、まさにこんなサイトを探していたんだと嬉しくなりました。

Wikileaksは先日テレビで特集されていてはじめて知りました。私のブログにも書いているのですが、政府が隠そうとしていることに切り込んでいく姿勢がとてもセンセーショナルで新鮮に思っています。ニューヨークタイムズだけでなくアメリカ主要紙は自分たちに不都合な事、つまり政府と接触してしまう事を書きたがらないのですよね?マスコミ全体への批判とこれからの在り方を見つめなおすためにwikileaksは有効だと思います。

最後になりましたが、リンクを張らせていただきます。もしよろしければ、一度訪問ください。それでは、失礼しました。

此方のウィキリークスのアフガン侵略戦争のリークについての各誌の記事について或る進歩派メディアはニューヨークタイムズがアフガン人犠牲者について他の新聞と較べて重要な取り扱いをしていないと批判していました。
此のリークがペンタゴンペーパーズの様な影響をアメリカ社会に及ぼすのではないかと言う観測もあるようですが、ペンタゴンペーパーズの時は徴兵制だった思いますので現在のアフガン戦争の米国民の遊離した感覚と大きな違いがあり此のウィキリークスのリークが米市民を反戦運動に向かわせる可能性は少ないのではないかと私は思っています。米政府も其れを充分承知していてどの様な事があっても徴兵制度復活だけは絶対にしないとの事です。日本も自衛隊を徴兵制にすると将来の右翼によって操られる好戦的な危機を回避出来る可能性が高いのではないでしょうか???

記事を「サロン金曜日@高知」へ転載させていただきました。

アフガン攻撃の口実となった、9.11事件の検証会を計画しています。

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