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2010年5月 5日 (水)

メキシコ湾石油流出事故:アメリカ版チェルノブィリ

2010年5月3日

wsws.org

日がたつにつれ、メキシコ湾における石油掘削装置の爆発によってひき起こされた大災害の規模は拡大している。(公式予測の)5,000から、(数人の科学者による推測の)25,000バレルまでの量の石油が毎日メキシコ湾に押し寄せている。事が解決するまでに、何千万ではなくとも、数百万ガロンの石油がアメリカの湿地帯と海岸線に流れ着くだろう。

アメリカ・エネルギー業界で最新の産業大災害によって、既に11人の作業員が亡くなっている。今やメキシコ湾沿岸の漁業と水産物産業が何年も、おそらくは一世代という期間、操業停止となる可能性がある。地域の脆弱な生態系の破壊は回復が不可能な可能性がある。

この大災害には、掘削装置のオペレーター、トランスオーシャン社や、爆発のわずか一週間前に坑口の大作業を行ったハリバートン等のパートナーや請負業者とともに、世界最大企業の一つ、ブリティッシュ・ペトローリアムが関わっている。

この大災害をもたらした超巨大企業の一社とて何ら対策を持ち合わせていない。BPは、深海掘削プロジェクトを15カ月前に開始する際“提案している方策の結果として、偶発的な石油流出がおきることはありえない”と保障した。流出についてさえ、同社は“海岸とは距離が離れている(77キロ)し、実行される予定の対応策もあるので、甚大な悪影響は無いと思われる。”と主張した。

爆発の後に語られた様々な保証はとうてい信じがたい。当初、BPと同社のパートナーは、掘削装置は安定しており、油井は流出無しで、蓋が出来たと主張した。掘削装置が沈没し、パイプラインが破裂した後、偶発的石油流出があっただけだとBPは語った。流出の存在を認めた後でさえ、同社は流出を実際より少なめに扱おうとし、推計は再三増加してきた。ある最悪時のシナリオでは、石油流出は一日100,000バレルにまで急増しうる。

木曜日朝から金曜日夜までの間に、流出によって生じた油膜は三倍に拡大し、ほぼ1万平方キロに広がった。ルイジアナ、アラバマとミシシッピへの影響に加え、流出は、はるばるメキシコ湾岸フロリダ州を下り、フロリダ最南端の島々に広がり、メキシコ湾流が、浮遊している原油を、半島突端を越えて漂流させ、大西洋沿岸地域にまで到達させかねない。

大災害は、既にアメリカ合州国における歴史上最悪の流出となっている。もし、ある評者が“海底石油火山”と表現したものに蓋をする取り組みが失敗すれば、掘削装置が掘りあてた石油層がすっかり枯渇するまで石油流出は続きかねず、流出は確実に史上最大のものになってしまうだろう。

既に、これは“オバマのカトリーナ”だと言われ始めているが、もう一つの例えの方が、おそらく一層より多くを物語るだろう。チェルノブィリだ。1985年の原子炉メルトダウンは、ウクライナとベラルーシの広い地域を汚染し、推計50,000人の死者をもたらした。この事件は、経済的繁栄と軍事力という宣伝文句の背後で、ソビエト連邦のスターリン主義政権は硬直し、空洞化していたことを明らかにした。

スターリン主義官僚の初期対応は、大災害を隠蔽し、程度を最小限に評価することだった。ただ時間の経過につれて、災害の規模から、より広範に認知されることとなった。その過程で、この災害は、官僚主義の無能さと国民の命運への無関心をさらけ出した。

アメリカ資本主義にとって、過去三十年間は社会的、経済的、文化的、政治的腐敗の時期だ。アメリカ合州国が、世界の支配的軍事力という立場にしがみついていても、内部的腐敗はひたすら深まっている。

“政府にあれこれ言わせない”という名目で、自由市場の力を解き放ち、企業国家アメリカは略奪許可証を与えられた。一方、アメリカの社会インフラは劇的に劣化した。この事実は、2005年のハリケーン・カトリーナ時、ニュー・オリンズ堤防決壊によって極めて劇的に明らかになった。

企業エリートへの従属と、アメリカ人の福祉に対する無関心という点で、オバマ政権はブッシュ政権に匹敵する。4月20日の大災害は、掘削は絶対に安全だと主張し、石油会社への従属を行動でしめして、メキシコ湾と大西洋沿岸における海底油井掘削拡大の承認をオバマが宣言してからわずか一月ほど後に起きた。

爆発以来、政権の主要な関心は、石油独占企業に対する大衆の反発をそらすことだ。BPは、坑口操作の管理をまかされており、実質的に、犯人に犯罪現場の管理をまかせたも同然になっている。

金曜日、現場にいる政府高官である、沿岸警備隊のサッド・アレン長官は、大災害を生じた原因と見られる、この種の設備故障への計画を立てていなかったことへの批判に対し、BPを擁護した。“前例のない大惨事に対して計画を立てるのは困難だ。今回がそうだったわけだが”彼は述べた。“予期ができないことは、計画に組み込むことはできないのだ。”

このような発言がされてしまうということは、翌日の株式市場変動にばかり異常にこだわっているアメリカ支配階級のいい加減さの証しでしかない。実際、今回起きたような終局的爆発は、完全に予測が可能だったのだ。同様な事故は、昨年のオーストラリア沖での事故を含め、あちこちで起きていた。ハリケーン・カトリーナ同様、科学者たちは、ずっと前から“でかい事”つまり、アメリカ沿岸近くの深海油井からのとめどもない流出を懸念していた。

一週目、ほとんど大災害を無視したあと、ホワイト・ハウスはシャッター・チャンスを設ければ、なんとか事態は取り繕えるのではと目論んだ。ところが、オバマのメキシコ湾岸訪問は、彼も政府も、迫り来る破滅的状況を防ぐ、いかなる対策も持ち合わせていないという事実を隠しきれなかった。政権自身認めているとおり、石油流出に対するいかなる解決策とて何ヶ月も先の話なのだ。

世界中の人々は、世界経済を支配している超巨大企業の、途方もない潜在的破壊力を思い出させてくれるものを、またもや目の当たりにさせられているわけだ。世界的な金融メルトダウンから、環境の荒廃や気候変動、大量窮乏化と疾病に到るまで、大衆社会の、こうした企業利益への服従が、次から次へと大災害をひき起こしている。

企業幹部や政府幹部を含め、この最新の大災害の責任者たちは説明を求められるべきであり、刑法で告訴されるべきなのだ。何よりも、これら企業を公営で民主的に管理される事業体へと変容させることだ。差し迫った必要性は、それにより、こうした事業体の自然と社会との関係を、社会的ニーズに合致させるべく、意識的に規制できるようにすることなのだ。

(アメリカ)Socialist Equality Party政治委員会

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/may2010/pers-m03.shtml

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2008年から2009年の住宅バブル崩壊により、金融危機が起きた。
2010年4月5日に、ウエストバージニア州で炭鉱が爆発し、29人の炭鉱夫が亡くなった。
この石油掘削基地の事故が起きたのは、今年4月20日。
世界最大の「ならずもの国家」は世界最大のパンドラの箱?

おりしも、同時期に、ボリビア、コチャバンバで国際会議「世界の貧困と地球環境問題を考えるマザーアースデイ」が開催され、エボ・モラレス大統領は「資本主義は母なる地球の敵だ。」と発言している。

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コメント

素晴らしい!
流石はチェイニー!
一説にブッシュJr.以上の大悪魔と言われただけの事はある!
重役をしてるハリバートンの為に、海底油田の口に直接取り付ける大元の蓋を設置しないでイイ、と規制緩和したら直ぐ次の政権時にコレ。
元から閉められないから、コノ有様。
丁度、民主党政権だし!
政敵を貶めるのに何よりのタイミング!
車椅子に乗ってもコノ破壊力なら、電動車椅子だと一体どの位、破壊力がアップするだろう?!
脚が動く内は、友達すら撃っていたし!
下手な兵器よりチェイニーは凄い!
ソ連が出来なかった事をして仕舞いそうだ!
米国の崩壊!!!

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