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2010年4月13日 (火)

アメリカの傀儡、あやつり糸を自ら切断

アメリカ政府にタリバンとの妥協を邪魔されたカルザイは、あからさまに、パトロンに逆らいはじめた

Eric Margolis

2010年4月11日

"Toronto Sun"

かつて、ヘンリー・キッシンジャーは、アメリカの敵であるよりも、アメリカの同盟者でいるほうが、より危険だ、と発言している。

最新の例が、かんかんに怒ったワシントンのパトロンと極めて面倒なことになっているアメリカがしつらえたアフガニスタン大統領ハミド・カルザイだ。

元アメリカのCIA "協力者"で、かなり無力なカルザイを、タリバンを打ち負かしそこなっていると、オバマ政権は非難している。ワシントンは、昨年の選挙で、票を不正工作したとして、カルザイを非難した。その通りなのだが、そもそも、アメリカは西欧の占領に反対する全ての政党を排除し、事前にアフガニスタン選挙の不正工作をしていたのだ。

イスラム教世界中で、独裁者や、いんちきな選挙を支持しているワシントンには、カルザイを、汚職と投票の不正操作で、こきおろすという図太さがある。しかも同時に、ペンタゴンは、パキスタンの完全併合をたくらんでいる。

オバマ政権は、カルザイをやめさせたいと考えていることを隠そうとはしていない。"とんでもない傀儡め! とんでもない傀儡め!"という、ワシントンの叫び声が聞こえるかのようではないか。

アメリカが票の不正操作をしたと非難して、カルザイは反撃に出た。彼は米軍に、余りに多くのアフガニスタン人一般市民の殺害を止めるよう繰り返し要求している。

次に、アメリカは、居もしないアルカイダやらタリバン対策の為ではなく、エネルギーが豊富なカスピ海盆地地域を支配するために、アフガニスタンを占領しているのだと断言して、カルザイは爆弾宣言をしたのだ。カルザイは、タリバンは"西欧による占領に抵抗している"と発言したのだ。アメリカは間もなく、アフガニスタンに、100,000人の兵士と、更に40,000人のNATO軍兵士を駐留させることになっている。

カルザイは、自分はタリバンに加わるかもしれないと半ば冗談さえ言った。

ワシントンは卒倒した。カルザイに対して、意地の悪いプロパガンダ・キャンペーンが解き放たれた。オバマ政権の代弁人で、アフガニスタン戦争の熱心な支持者であるニューヨーク・タイムズは、ひたすら、カルザイ打倒と、彼を言いなりになる将官にすげかえることを呼びかけている。

カーブルで、国連の仕事を首になった、アメリカ人の自己宣伝男、ピーター・ガルブレイスがしゃしゃり出て、カルザイは麻薬中毒で、しかも気が触れていると、マスコミに触れ回った。

この醜悪で喜劇的な口喧嘩の背後には、アフガニスタンとワシントンとの間で拡大しつつある相違がある。31年におよぶ戦争で、およそ300万人が死亡し、更に何百万人もが難民となり、ゾッとするような貧困にあるアフガニスタン人は平和を渇望しているのだ。

過去二年間、カルザイと彼の盟友の軍閥は、サウジアラビアで、タリバンと和平交渉を行ってきた。

カルザイは、アフガニスタン戦争を終わらせる唯一の方法は、アフガニスタンの多数派であるパシュトゥーン族と、その戦闘部隊タリバンに、参政権を与えることだと知っている。タリバンとの政治的妥協が、唯一、かつ不可避な解決なのだ。

しかし、ワシントンのネオコンや他の強硬派の、誤った助言を受けているオバマ政権は、大国としての面子を保ち、アメリカが戦略的なアフガニスタンの主導権を握ったままで、いられるような合意を押しつけるため、アフガニスタンにおける軍事的勝利を"勝ち取る"(その意味が何であれ)のだと決心している。

そこで、アメリカは、現在70億ドルというアメリカからの支援金を、受け取っているパキスタンに、進行中のカーブルとの和平交渉に関与している、パキスタンに身を隠していたタリバン幹部を逮捕させ、カルザイの和平交渉を邪魔したのだ。

それで、カルザイが激怒する番となった。そこで彼は、アメリカのパトロンに、あからさまに逆らい、自立した姿勢をとり始めたのだ。あやつり人形が自分のつり糸を断ち切りつつあるのだ。

カルザイが最近身につけた大胆さは、インドと中国が、アメリカ/イギリス/NATOによるアフガニスタン支配にとって変わろうと、熱心である事実によるものだ。インドは、資金と、武器と工作員をアフガニスタンに注ぎ込み、政府軍を訓練している。中国は、より慎重に、アメリカ政府の地質調査によれば1兆ドルの価値があるとカルザイが語っている、最近発見されたアフガニスタンの鉱物資源開発に進出しようとしている。

アフガニスタンにおける、1980年代の敗北の痛みを感じているロシアは、アフガニスタンでのアメリカの辛苦をほくそえんで眺めており、少なからず復讐を切望してもいる。モスクワも、アフガニスタンには野心を抱いているのだ。

本コラムは、カルザイにとって、最善の選択肢は、アメリカの監督から距離をおき、全ての外国占領軍の撤退を要求することだと、以前から主張してきた。

もちろんリスクを伴う事業だ。キッシンジャーの警告を忘れぬよう。カルザイは死んで終わる羽目になりかねない。しかし、国民的英雄となって、全ての民族集団が受け入れられる、独立アフガニスタンを率いる最高の候補者となりうる可能性もあるのだ。

真に人気があり、まっとうで民主的な同盟者ではなく、言いなりになる子分を探し求めるという同じ失敗を、悲しいかな、アメリカは犯しつづけているのだ。

2010 The Toronto Sun

記事原文のurl:www.torontosun.com/comment/columnists/eric_margolis/2010/04/09/13530691.html 

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強力な労働組合を破壊するために、国鉄を解体し、日本全体を、暮らしにくい不沈空母にしたたてくれた「大宰相」は長期傀儡政権を維持できた。いまだに、彼の強引な民営化・組織破壊のおかげで、気が遠くなるような長期闘争を強いられている人々がいる。ようやく、政治決着がつくようだが、JRは採用を拒否している。郵政民営化、つまり私営化デマゴギーで、日本をぶち壊したプレスリー首相も長期傀儡政権を維持できた。

植民地では、属国のためでなく、宗主国の為になることをすれば、宗主国が、政権につかせ、いさせてくれる。戦犯が、宗主国に目をつけられ、選び抜かれ、資金まで貰って、属国の首相になっていた国だ。

一方、自立したエネルギー外交を目指した田中角栄、ロッキード事件で、宗主国に追われた。

以来、日本の与党幹部には、宗主国の「言いなりになる子分」しか、いないもののようだ。

今の民主党、自民党、公明党、あんたの党、けつまずけニッポンの幹部、パナソニック首長を、そしてそれを支持するマスコミ、国民の皆様を見ていると、カルザイ大統領が、アフガニスタンの人々が、立派に見えてくる。

本コラムは、民主党にとって、最善の選択肢は、アメリカの監督から距離をおき、全てのアメリカ基地の撤去を要求することだと、以前から主張してきた。

もちろんリスクを伴う事業だ。キッシンジャーの警告を忘れぬよう。鳩山首相・小沢幹事長は引退させられて終わる羽目になりかねない。しかし、彼らが国民的英雄となって、全ての県の人々から受け入れられる、独立日本を率いる最高の指導者となりうる可能性もあるのだ

ろうか?

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コメント

万物は流転する。
人間に永遠など有り得ません。
米国もまた然り。
今迄は世界中から「悪」と見做されなかっただけの事です。
最早、時計は逆には動きません。

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