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2010年4月23日 (金)

アメリカにおけるマスコミの偽情報作戦

William Blum

Global Research, 2010年2月7日

Anti-Empire Report

2010-02-06

"アメリカでは、人は何でも言いたいことが言える。そうした言動が何の影響もない限り。" - ポール・グッドマン

進歩派の活動家や作家たちは、彼らが書くニュース記事やら発表する意見は、大手マスコミに、ずっと無視され続けたままで、多数のアメリカ人の目に触れずにいるという事実を、絶えず嘆いている。進歩的思想を無視する態度、大手マスコミの定義とも言える。こういうことは、別に陰謀などである必要はない。単に、一体が誰が大手マスコミを所有しているのか、そして、彼らが社員として雇っている、自分の仕事を確保しておきたいと願っている人々、ジャーナリストたちの資質がどうか、という問題なのだ。だから、これは陰謀より陰湿だが、これは体制の中に組み込まれており、体制というもの、そのようにして動くものなのだ。進歩派の世界に対する無視は、もちろん完全ではない。時として、その世界の、あるものが、剽窃せずにいるには余りに出来すぎていたり、そしてごくまれに、進歩的な思想が大人気を博しそうになったりした場合は、反撃しなければならない。

ハワード・ジンの『民衆のアメリカ史』の場合もそうだった。ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー編集者バリー・グウェンは、2005年6月5日、ジンの本や類書について、こう書いた。

    統合的な考え方が書かれてはいるが、余りに単純化しすぎたものだ。犠牲者や敗者は善だったので、勝者は悪だったことになる。虐げられた黒人たちの観点からすれば、アメリカは人種差別的だった。抑圧された労働者たちの観点からすれば、アメリカは搾取的だった。征服されたスペイン人や、インディアンたちの観点からすれば、帝国主義的だった。アメリカの歴史には、非難すべきものが多々あり、賞賛すべきものは、ごくわずか、あるいは皆無だ。... 新世界にたどり着いたヨーロッパ人たちは、大量虐殺をした略奪者で、既にそこで暮らしていたインディアンは、分かち合いと、温かいもてなしを信じていた(先住民たちの間に存在していた大きな文化的差異など、どうでも良い)、そして、略奪されたアフリカは、思いやりと、共同体意識あふれる大陸だった(そこに存在していた大きな文化的差異など、どうでも良い)。

グウェン氏は、ホロコーストの犠牲者全員、聖人のような人々で、大きな文化的な差異などなかったと考えているのかどうか、疑わざるをえなくなる。

アメリカ人の著名な歴史学者アーサー・シュレジンガー、Jr. は、かつて、ジンについて、こう言ったことがある。"彼が私の事を、危険な反動主義者と見ていることは知っている。しかし、私は彼の言うことをあまり深刻には受け止めていない。彼は論客であって、歴史学者ではないのだから。

ジン逝去後の死亡記事では、世界中で、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストから、有力なアメリカの通信社、ニュージーランド ・ヘラルドや、コリア・タイムズに至るまで、この特別の誹謗記事が取り上げられた。

    反動主義者と論客ということで言えば、民主的に選出された、英領ガイアナ(現在のガイアナ)の進歩派首相チェディ・ジェーガン打倒の上で、主要な役割を演じた、ジョン・F・ケネディ大統領の首席顧問シュレジンガーが、1990年、ニューヨーク市で開かれた、ある会議で、"30年前に、私がしたことを申し訳なく思っている。チェディ・ジェーガンに対して、甚大な不正な処置がなされたと思う。"といってジェーガンに、公的に謝罪したことは、注目に値する。[1] ジェーガンが、30年後、会議に出席していたという事実が、彼の良心を呼び起こしたのかもしれないが、これはシュレジンガーの立派な行為だ。大手マスコミが、事実上、当時の全てのアメリカ人歴史学者たちと同様、注目され、尊敬されていたシュレジンガーは、冷戦の闘士だった。ジンのように、海外における冷戦や、国内の資本主義といった基本的な仮定に疑念を投げかける人々は、論客と見なされた。

ハワード・ジンの言葉で、私のお気に入りの一つに、こういうものがある。"歴史的公正さにおける、主要な問題は、あからさまな嘘ではない。重要なデータを削除したり、軽視したりすることだ。'重要'という言葉の定義は、もちろん各人の価値観次第だ。" [2] 『民衆のアメリカ史』や、彼の他の著作は、アメリカ史に関する書籍やマスコミにおける、アメリカの暗部に関する遺漏や、最小限度に押さえられているものを、埋め合わせようとする試みと見なすことができる。

ハイチ、アリスティド、そして、イデオロギー

ハイチ政府が、地震後に、国民を救うようなことを、事実上一切しなかったのは結構なことだった。さもなければ、フォックス・ニューズやら、サラ・ペイリン、道理もわからない保守派庶民や、その他の右翼思想のアメリカ人たちから、"社会主義者" として糾弾されていただろう。国内および国際金融マフィアより、ハイチ国民の福祉を先にすると強く約束した最後/唯一のハイチ指導者が、ジャン・ベルトラン・アリスティド大統領だ。社会主義という信条の人物であるアリスティドは、当然、アメリカ合州国によって、二度も、権力に座につくのを妨害された。最初はビル・クリントン、続いてジョージ・W・ブッシュ。この二人の人物は、オバマ大統領によって、地震救援対策を率いるべく任命された。当然だ。

改革派の司祭アリスティドは大統領に選出され、その8ヶ月後、CIAに雇われた連中による1991年の軍事クーデターで打倒された。皮肉なことに、打倒された大統領は、アメリカ合州国に亡命するはめになった。1994年、クリントンのホワイト・ハウスは、それまでの"デモクラシー"に関する、自分たちのあらゆる弁舌のおかげで、民主的に選出されたアリスティドを大統領に復帰させるのを支持するフリをしなければならないという、まずい立場に陥った。彼の帰国を2年以上も引き延ばしたあげく、最終的に、ワシントンはアメリカ軍によって、アリスティドを大統領の地位に復帰させたが、それも、任期満了後は、クーデターのせいで失われた期間を、埋め合わせるため、大統領の職にとどまることはしないと、アリスティドに約束させた後のことだった。さらに、文字通り、金持ちを犠牲にして、貧乏人を助けようとはしないこと、断固、自由市場経済に固執することを保証させた。つまりハイチは、ハイチ労働者が、文字通り飢餓賃金しか貰えないまま、西半球の組み立て工場であり続けることを意味していた。もしもアリスティドが、自分に押しつけられた条約を破ろうと考えても、窓の外を眺めるしかなかった。彼の残された在職期間中、アメリカ軍兵士がハイチに駐留していたのだ。[3]

ブッシュ政権時代の、2004年2月28日、アメリカ軍と外交担当者が、2002年、大統領に再選されたアリスティドの自宅にやってきて、彼のアメリカ人ガードマンたちは、即時出国して、アメリカ合州国に帰国するか、戦って、死ぬかどちらかだと告げたのだ。ハイチ政府が雇って、翌日到着するはずだった、残りの25人のアメリカ人ガードマンも、アメリカ合州国によって、入国を妨害されていた。重武装した、外国人とハイチ人の反乱者たちが近くにいて、何千人もの人々を大虐殺しようとしている。そして、アリスティドは、アメリカ合州国によって拉致され、亡命先のアフリカへと飛行機で連れてゆかれる前に、"辞表"に署名するよう強いられた。[4] "民主主義" や"自決"について、もったいぶって延々語りたがる世界中の指導者や政治家たちは、この、あぜんとするような国際的暴行について、事実上、一言も発言していない。事実、アリスティドに辞任を強いるにあたり、フランスとカナダはアメリカ合州国の積極的な同盟国だった。[5]

また当時のアメリカ国務長官コリン・パウエルは、できる限り誠実そうな声で、アリスティドは"拉致されたのではない。我々が彼に飛行機への搭乗を強いたわけではない。彼は自発的に飛行機に搭乗した。それが真実だ。"と世界に向け語った [6] パウエルは、一年前、国連で、今や悪名高いものとなった、サダム・フセインが使用するため準備しているとする化学・生物および核兵器詳細目録を読み上げた時の様に、誠実そうな声をだしていた。

ハワード・ジンは、上記で "歴史的誠実さの主要な問題は、あからさまな嘘をつくことではない。重要なデータを削除したり、軽視したりすることだ。"という言葉が引用されている。しかし、だからといって、アメリカの主要マスコミが神話を創造したり、神話を永続させたりすることがない、というわけではない。ここに、二ヶ月前のニューヨーク・タイムズがある。"2004年の反乱の間に、打倒されたアリスティド氏 ..." [7] さて"反乱"という言葉、あなたの心に、一体どのようなイメージを、想起させるだろう? 独裁政権がつけた手枷足枷を振り捨てるため、ハイチ国民が立ち上がったのだろうか? それとも、何かアメリカ合州国が仕組んだものなのだろうか?

アリスティドは、決定的瞬間に "反乱者"が、白人で、外国人だったと断定することができたと語っている。[8] しかし、たとえそれが現地人であったにせよ、なぜアメリカ合州国が、アリスティドの個人的ガードマン部隊を解散させたのかを、一体どうして、コリン・パウエルは説明しなかったのだろう? アメリカなら、一発も発砲せずに、極めて簡単にできたはずなのに、なぜアメリカ合州国は、アリスティドを反乱者たちから守らなかったのかを、どうして彼は説明しなかったのだろう? なぜアリスティドが、"自発的に" 大統領職を辞任したのかも、彼は説明していない。

地震後のハイチへの膨大なアメリカ軍兵士の配備は、救援団でなはなく、占領だと、様々なところで批判された。首都の空港は、現在、アメリカ軍事基地と化し、アメリカ軍は、明白に、ワシントン自身の兵站計画に合わせるために、様々な救援隊がハイチに入国するのを妨害している。だが大規模軍事駐留は、ワシントンの政治的目標である二つの項目を推進するのにも役立つ。ハイチ国民が船でアメリカ合州国に移民しようとするのを防ぎ、無数のアリスティド支持者が再び権力を握りそうな脅威に蓋をしておくことだ。

公言できないこと

    "テロの狙いは、過剰反応をひき起こすことだ"と、有数のアメリカ外交政策評論家で、ニューズウイーク誌国際版編集者で、ワシントン・ポスト・コラムニストのファリード・ザカリアは、"下着爆弾犯"、ウマル・ファルク・アブドゥルムタラブと、クリスマスの日にアメリカ旅客機を爆破しようとした彼の未遂事件に触れて書いている。"本当の目的は、直接狙った、何百人もの人々を殺害することではなく、直接の被害者ではない国民に、恐怖の種をまくことだ。テロというのは、傍観者の対応に依存している点で、独自の軍事戦術だ。もし我々が怯えなければ、未遂の攻撃は機能しなかったのだ。残念なことに、これは非常に有効に機能してしまった。" [9]

これは奇妙ではないだろうか? ある個人が、主として"過剰反応をひき起こす"ため、または"恐怖の種をまく"ために、自分の命を含め、何百人もの人々の命を奪おうとするだろうか? 何か、または、誰か、アメリカへの、何らかの、深く根ざした怒りや恨みは、言わなかったのだろうか? いかなる認知しうる悪事も、彼は行おうとしていないというのだろうか? 復讐として、彼は何も求めようとしてはいなかったのだろう? 一体なぜ、アメリカ合州国が、テロリストの最も一般的標的になるのだろう? ザカリアの記事には、そうした質問についての、ほのめかしさえ皆無だ。

この同じ未遂のテロ攻撃に関して、国土安全保障、対テロ担当大統領補佐官のジョン・ブレナンが行ったホワイト・ハウス記者会見で、ベテラン記者ヘレン・トーマスが質問した。

    トーマス: "私たちが、いつもお答えいただけずにいるのは、なぜ彼等が、我々に危害を加えようとするのかという動機を、あなた方が説明されないということです. ... 動機は何ですか? あなたがたが、その理由を発見したということを、全く聞いたことがないのですが。"

    ブレナン: "アルカイダは、無辜の人々を、殺害したり、むやみに、虐殺したりすることに専心する組織です. ... [連中は]アブドゥラムタラブのような人々を引き込んで、彼らをこの種の攻撃に使うのです。彼は、ある種の宗教的な衝動に動機づけられていました。残念ながら、アルカイダは邪悪なイスラム教を奉じており、[彼らが]こうした人々を惹きつけられるよう、イスラム教の概念を、堕落さてたのです。しかし、アルカイダは、破壊と死という方針をもっているのです。"

    トーマス: "だから、宗教のせいだとおっしゃるのですか?"

    ブレナン: "私が申しあげているのは、それが、宗教の旗印を、極めて邪悪で堕落した形で利用するアルカイダ組織だからです。"

    トーマス: "なぜですか?"

    ブレナン: "これは... 話せば長いことになると思いますが、アルカイダは、わが本土に対し、攻撃すると決めたのです。"

    トーマス: "でも、なぜなのかは説明しておられません。" [10]

アメリカの当局者は、一体なぜなのかを説明しようと試みようすることさえ、めったにしない。また、アメリカ人ジャーナリストも、一体何故なのか、彼らに説明するよう強く要求することは稀だ。ヘレン・トーマスがしている様に。

こうした当局者の口に上るのが、それほど大変なものとは、果たして一体何だろう? それは、反米テロリストたちは、アメリカ合州国が、その国や身近な人々に対して行ったことや、アメリカによる無条件の支持を得て、イスラエルが、彼らに対して行ったことに、報復するため、反米テロリストになっているのだ、という考え方だ。

オサマ・ビン・ラディンは、ある録音テープで、アブドルムタラブについて、こう語っている。"彼を通して、お前たちに伝えたかったメッセージは、我々がパレスチナで、安全をを実際に目にするするまで、アメリカは安全など夢想してはならないということだ。" [11]

最近では、12月30日、アフガニスタンの基地にいた7人のCIA職員を殺害した自爆犯になった、ヨルダン人医師フマム・ハリル・アブ-ムラル・アル-バラウイの例がある。未亡人は後にこう断言した。 "私は夫を誇りに思います. ... 夫は、これを、アメリカ侵略に反対して行ったのです。" バラウイ自身、インターネット上に書いている。"ガザに行きたいと思ったことなどなかったが、今は行きたいと願っている ... 最大数のユダヤ人の命を奪い、地獄に送る自動車爆弾で。" [12]

バラウイが攻撃したCIA基地は、前年、300人以上殺害したプログラムである、アフガニスタン-パキスタン国境沿いでの、CIA遠隔操縦飛行機用の標的選択に深く関わっていたことに留意すべきだ。 [13]

テロリストたちが、彼らの行動の背景にある主要動機として、アメリカの政策をあげている無数の例があり[14]、余りにそれが多いので、アメリカの当局者は、最新のテロ攻撃について論じる場合、アメリカ外交政策の役割を迂回するため、慎重に振る舞わざるをえない。そして、ジャーナリストたちは、概して、この点を読者に痛感させそこねている。

世界中で全く同じことがおきている。中南米では、1950年代から、1980年代の間、ワシントンの、次から次へと続く、憎むべき政策に対応して、アメリカの外交・軍事上の標的や、アメリカ企業事務所に対して、無数のテロ行為がおこなわれていた。

イラクとアフガニスタンでのアメリカによる爆撃、侵略、占領と拷問、パキスタン、ソマリアやイエメンへの爆撃、そして継続しているイスラエル-アメリカによるパレスチナ人虐殺が、新たな反米テロリストの一群を生み出している。とんでもなく長い間、連中からこれを聞かされ続けるのだろう。アメリカの当局者が、こうした事実に直面するのを避けようとして、知的、道徳的に、胃をねじれるように痛めるのを、我々は聞き続けるだろう。

1月27日の"教書演説"でオバマ大統領は述べた。 "しかし、どちらの党のどなたでも、もしも、保険金を引き下げ、赤字を減らし、保険未加入者に保険をかけ、高齢者向けメディケアを強化し、保険会社の不正を止めさせる、より良い方法をご存じならご教示頂きたい。"

そう、アメリカの数多くの戦争さえ止めれば、分別と思いやりのある社会が、やりたいことなら何でもできる、十分な予算が自由に使えるようになる。軍事予算を廃止すれば、国民全員を無料医療にする代金が支払える。全員無料の大学教育。政府の公共事業計画を創造すれば、老朽化したインフラの修理や、最善を尽くして、環境を救うような、まともな給与の仕事を、何百万も生み出せるだろう。読者も、お好きなプロジェクトを追加できる。いまいましい戦争を止めるだけで、全てカバーできるのだ。想像頂きたい。

注:

The Nation、1990年6月4日、pp.763-4

"Failure to Quit: Reflections of an Optimistic Historian" (1993)、p.30

http://killinghope.org/bblum6/haiti2.htm

Jean-Bertrand アリスティド発言、2004年3月5日、from exile in the Central African Republic、Pacific News Service (サンフランシスコ); David Swanson、"ブッシュがハイチにしたこと"、2010年1月18日; ウィリアム・ブルム、『アメリカの国家犯罪全書』、pp.254-55)

マイアミ・ヘラルド、2004年3月1日

CNN、2004年3月1日

ニューヨーク・タイムズ、2009年11月27日

アリスティド発言、同上

ニューズウイーク、2010年1月18日、オンライン版1月9日

ホワイト・ハウス記者会見、2010年1月7日

ABCニューズ、2010年1月25日

AP通信、2010年1月7日

ワシントン・ポスト、2010年1月1日

アメリカの国家犯罪全書、第1章、"テロリストたちが、アメリカをいじめる理由?" (原書の)この章は2005年で終わっている。著者は、それ以降のいくつかの例をあげることができる。

ウィリアム・ブルムは、以下の書籍の著者。Killing Hope: US Military and CIA Interventions Since World War 2、Rogue State: A Guide to the World's Only Superpower(翻訳は『アメリカの国家犯罪全書』)、West-Bloc Dissident: A Cold War Memoir、and Freeing the World to Death: Essays on the American Empire

www.killinghope.orgでは、原書の一部が読め、署名本も購入可能である。

以前の、Anti-Empire レポートは、下記のウェブで読める。

http://killinghope.org/bblum6/aer78.html

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=17457

----------

ウィリアム・ブルムは、アメリカ国務省の外交担当部門に勤務していたが、ベトナム戦争に反対し辞任した。以後アメリカの国家的犯罪を分析・告発している。

ウィリアム・ブルムの著書、一冊、日本語の翻訳がある。益岡賢訳『アメリカの国家犯罪全書』(2,100円)原題通り「ならず者国家」の実態が余すことなく描かれている。

訳書巻末には、2006年1月、ビン・ラディンが、アメリカ人に、戦争を止める道を考えるために、本書を読むよう発言したとある。その発言で、原書、売り上げ急増、アマゾンで四位になったという。

文中にも、ビン・ラディンが、昨年末、メッセージを出したようなことが書いてあるが、本物だろうか?毎回、どこかのならずもの国家が偽造し、都合の良い時に発表しているものでしかないと素人は思う。

『アメリカの国家犯罪全書』2010/4/19現在、日本では売り上げランキング、227,270位。

「1Q84」という本の、せめて1割、こういう本が売れれば、さしもの属国日本も、抱きつき無理やり心中ではなく、独立を希望する方向に動き始めるだろう。

もちろん、そうなる可能性、100%無い。太平洋戦争の時と同じで、この国、完全崩壊するまで止まるまい。なにしろ、この国に太平洋戦争を終結させた国が、今度は戦争に引きずりこんでいるのだから。

近刊ウィリアム・ブルム『アメリカ全侵略史』とあったが、いつになるのだろう?

『アメリカの国家犯罪全書』第18章は選挙操作。279ページに日本のことも書かれている

 日本 -一九五八年~七〇年代

 CIAは、国会選挙で自民党を「一議席一議席」支援するために、何百万ドルもの予算を費やし、日本社会党を弱体化させるために策動した。その結果、自民党は三八年にわたり権力の座を維持した。これは、やはりCIAがスポンサーとなったイタリアのキリスト教民主党政権に比するものである。こうした策略により、日本とイタリアでは強固な複数政党制が発達しなかった。

 国務省が毎年発行する『米国外交』の一九六一年から六三年版は、一九九六年に公開された。この報告には、そこに採録されなかった資料のため「この公開資料は」法律で定められた「『主要な米国外交政策決定に関する包括的で正確かつ信頼できる文書記録』とはなっていない」という、著名な歴史家からなる委員会の判断が記載されていた。

江藤淳の本が再刊され、書店の目立つ場所においてあった。

題名に感動、思わず購入するところだった。『小沢君、水沢へ帰りたまえ』

「占領は継続している」という文に大いに共感。ただし立ち読みゆえ、記憶が正しいかどうか全くわからない。

いつも拝読しているブログ「私の闇の奥」筆者の藤永茂氏による新刊『アメリカン・ドリームという悪夢』、アメリカの恐ろしい歴史的真実を学ぶのに最適な本だ。

「第三章 アメリカ史の学びなおし」では、訳文に引用されている、ハワード・ジン著作が肯定的に紹介されている

昔、藤永氏の『アメリカ・インディアン悲史』を拝読し、目からうろこ体験をした。『アメリカン・ドリームという悪夢』、現代史を、同じ視点から見なおすもの。例によって、新聞書評には、まずのらない。

ご本人の文章でなく、ゴア・ヴィダル発言引用を。231,237二回引用されている。

 私がこの一千年ほど言い続けているように、合州国にはただ一つの政党─財産党があるだけだ。それは大企業の政党、お金の党だ。それは二つの右翼派閥を持っていて、一つはデモクラットでもう一つはリパブリカンだ。

      (『プログレッシブ』二〇〇六年八月号インタヴュー)

なお、藤永氏、「アメリカ合衆国」ではなく「アメリカ合州国」という表記を使っておられる。

ぼうふらのように新党なるものがわきあがり、マスコミはそれを報じ、ブログの皆様はそれをあげつらう。精神・生活に、害こそあれ無益なことに時間は使いたくないものだ。

日本嗜眠会議、いや日本死民会議

火災報知機をつけようと思って、量販店のコーナーをみると、おかしな首長たちを排出輩出している会社の製品しかおいていない。もう一社あったがOEMだろう。不思議。どうして選択肢がないのだろう。政治と同じ?

製品を購入して、収益の一部で、ああいう政治家を更に生み出されるのは困るので、買わずに帰宅。

私がこの一千年ほど言い続けているように、 日本にはただ一つの政党─財産党があるだけだ。それは大企業の政党、お金の党だ。それは二つの右翼派閥を持っ
ていて、一つは民主党でもう一つは自民党だ。(その他たけのこ政党も)

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コメント

この、米国が自らをペテンに掛ける虚偽ほど、我々日本人に親和性の高い「原理主義カルト思想」も他に無い。
つまり、靖国原理主義カルト思想です。
曰わく、全て自分達は善良で誠実な外交政策しか行って居ないが、周囲は悪人や善意を理解不能な馬鹿ばかりなので、我々が酷い目に遭う。
だから多少の報復は寧ろ行うべき!と軍隊や軍需産業が正義の味方に化ける。
…と以上、植民地経営や軍国主義はワンパターン!で何処の国でも代わり映えしない。
米国がキリスト教原理主義カルト思想であろうと、根幹など変わらない。
今も8月15日の靖国とか春秋例大祭の靖国とか、あの頃の純粋培養(麻薬と相性抜群な欲の皮の突っ張り様迄)がゴロゴロしてる。

因みに、雨後の筍政党は皆、りそな銀の自民党借財から真っ先に逃げ出した「最終保証人=幹事長候補」か「幾ばくかでも補填を求められそうな古株」です。
これぞ合理的説明!

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