9/11後のマスコミにおける、現代版赤狩り
Brent Yarnell
The Tufts Daily
2010-04-15
昨夜の、ジャーナリズムの諸問題に関する第五回年次エドワード R. マロー・フォーラムに出席したパネリストたちは、9/11テロ攻撃後のマスコミ検閲を、マッカーシー時代のブラックリストになぞらえた。
コミニュケーションとメディア研究(CMS)プログラムのディレクターで、パネル進行役を勤めたジュリー・ダブロウは、イベント冒頭に“ブラックリストは、本当に、ジョー・マッカーシーと、ともに終わったのか?”と疑問を提示した。
パネリストたちは、現代のマッカーシーズムの事例と考えられるものとして、バンドのメンバーたちが、イラク戦争を批判した後、クリアチャンネル社が、同社の全放送局で、ディクシー・チックスの音楽を放送するのを拒否したことや、ビル・マーが、政治に異議をとなえる発言をした後、彼の番組“ポリティカリー・インコレクト”(1993-2002)が中止されたことも含め、9/11後のマスコミ検閲の例を挙げた。
“あの人たちは仕事ができず、放送で流して貰えなかったのだから、それは起きているのです。何らかの形、または他のやり方で、起きているのです。”ドキュメンタリー映画“裁判にかけられたハリウッド”(1976)の監督で、映画制作者のアーニー・リースマンは語っている。
ハリウッドのブラックリストは、1940年代末と1950年代、実際の、あるいはそうと疑われた政治信条に基づいて、人々がエンタテインメント産業で働くのを妨げていた。ブラックリストは拡張され、ジューナリストも対象になっていたと、ライスマンは語った。
このフォーラムが、その栄誉を讃えて設立された故エドワード・R・マローは、CBSテレビのジャーナリストで、ウィスコンシン州選出のジョセフ・マッカーシー上院議員に対し、彼のテレビ番組“See It Now”(1951-58)で、公然と彼を批判して立ち向かった人物だ。
マローは、その勇気と、マスコミ業界の人々が恐怖で身をすくめていた時代に、進んで正々堂々と意見を述べたことで、支持された。
彼の息子で、シナジー・ラーニング・インターナショナル常務取締役ケーシー・マローもパネルに参加していたが、当時一家が感じていた恐怖について語った。
“ニューヨーク市の、私が通っていた小学校のクラスには、私のところにやってきて、‘お前のおやじはアカだ!’という生徒たちが確かにいました。”とマローは語っている。“家に帰って、母親に、父親がアカだったかどうかではなく、アカとは何なのか尋ねたのを覚えています。”
“デイクシー・チック現象: マロー、マッカーシー、そしてブラックリストは、歴史上の教訓か、現在の出来事か?”と題する今年のフォーラムは、CMSプログラム 、フレッチャー法律外交大学院のエドワード・R・マロー・センター、および、市民権・公共サービス・ジッナサン・M・テイッシ・カレッジが後援した。
パネリストたちは、エドワード・マローのマッカーシーとの討論と、2003年のイラク侵略に至るまでの間の、マスコミによる報道不足と、彼らが見なしているものとの関係を例にとった。
“この国で、私たちは、マスコミが、なすべき仕事をせぬまま、イラクに、はまってしまった”マロー・センターのプログラム・ディレクター、クロッカー・スノウは語った。
“マロー・ボーイズ: 放送ジャーナリズム前線のパイオニアたち” (1997)の著者で、ジャーナリストのリン・オルソンは、侵略に至るまでの間、ジューナリストたちは、問われるべきだった厳しい質問をし損なった、と語った。
“エド・マローが激怒するだろうことの一つは、臆病になりがちな傾向です”と、オルソンは語った。
オルソンによれば、放送局が報道から娯楽へと、益々移行しつつあり、現代のニュース番組が、昔に比べ、一層娯楽化したが、有益度が低下しことが、問題の一因なのだ。
“彼が大事にしていたものの一つは、教育でした。”とオルソンは語っている。“彼は[現代マスコミの]分析と教育の欠如に、がっかりするだろうと思います。”
記事原文のurl:www.tuftsdaily.com/panelists-highlight-censorship-in-modern-age-1.2225093
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Wikipediaによれば、タフツ大学、超難関名門私大で、とくに、フレッチャー法律外交大学院は評価が高いようだ。話題の村上春樹が教鞭をとったこともあるらしい。
エドワード・R・マローという人を描いた映画『グッドナイト&グッドラック』がある。良い映画だ。本がご希望の方には、『やむをえぬ事情により…』がある。
ハリウッド、エンタテインメント産業での赤刈りについては、たとえば以下の本がある
悲しいかな、全てツンドクのまま行方不明。:-)
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