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2010年2月10日 (水)

アメリカ、アフガニスタンで、ファルージャ式攻撃を準備

2010年2月6日

wsws.org

アメリカとイギリスの軍隊が、アフガニスタンのヘルマンド州にある町、マルジャーの攻撃を準備する中、軍司令官達とマスコミは、この作戦を、イラク戦争における、最も残忍な戦争犯罪の一つ、2004年11月のファルージャ包囲攻撃と、あからさまに、比較をしている。

アメリカが率いる占領に対し、長らく激しい抵抗を行ってきた地域であるヘルマンド州中央部における作戦は、ワシントンが、2001年10月にこの国に侵略して以来の大規模軍事攻勢となるだろう。80,000人の住民を擁し、アメリカ軍が、タリバンの牙城と呼ぶ、ヘルマンド川渓谷の都市を、少なくとも15,000人の兵士が包囲すると想定されている。

カーブルの西560キロにある農業の中心地、マルジャー周辺の地域には、125,000人が住んでいる。昨年夏、バラク・オバマが大統領の地位について間もなく下した、更に21,000人の兵士をアフガニスタンに派兵するという命令の後、アメリカ海兵隊員によって占領された村々から逃げてきたアフガニスタン人によって、住民の数は膨れあがった。

攻撃の後、現地住民の中に溶け込んでしまえる、見えざる敵の手によってこうむる死傷者を巡り、イライラし、激怒しているアメリカ海兵隊員が、激しい軍事攻撃で、この都市に向けて解き放たれれば、結果は予想がつく。

南部アフガニスタンにおける、アメリカ海兵隊員の司令官、ラリー・ニコルソン准将は、来る攻勢の特徴を、詳しく説明した。マルジャーに残る連中には、三つの選択肢がある。「一つ目は、とどまって戦い、恐らく死ぬことだ」と彼は言う。「二つ目は、アフガニスタン政府と和ぼくし、社会復帰することだ。」三つ目は、逃げようと試みることだが「その場合、我々は、そういう連中を待ち伏せるよう、人員を配置しておくつもりだ。」

「我々は、大挙して攻める予定だ」海兵隊第二遠征旅団司令官のニコルソンは語っている。「正々堂々とした戦闘は期待していない」と彼は補足した。

極めて異例な動きとして、アメリカ軍司令部は、攻撃計画を公式に発表した。「こういう風にやるのは、いささか異例だが、こうすれば、夜の闇の中、突然、攻勢にさらされる前に、自分たちがどうすれば良いかを考える機会が、全員に与えられるだろう」とアフガニスタンにおけるアメリカ軍最高司令官スタンリー・マクリスタル大将は語っている。

来る攻勢の標的を明らかにする意図は、海兵隊員が入り込む前に、民間人が逃げ出せるようにすることだという。これは、警告を聞き入れ損ねた連中を、殺されて当然の筋金入りタリバンとして描きだすことによって、アメリカ攻勢に対する、先手を取ったアリバイともなっている。

アメリカの国家機構と密接なつながりを持つ、軍-諜報関係ウェブ・サイトStratforは、木曜日「攻撃は、地域封鎖も行うこととなる可能性が高く、防衛に当たる戦士の多くは、恐らく、死ぬまで戦うか、降伏するかを強いられることとなろう。」と報じた。

記事はこう続く。「イラクのファルージャとラマディ攻撃という経験を積んでいるので、海兵隊員は、こうした種類の都市攻撃には慣れている。」

「こうした種類の」都市攻撃とは、一体どのようなものだろう?

2004年11月の海兵隊によるファルージャ攻撃では、戦闘機が何千トンもの爆弾を投下し、攻撃型ヘリコプターと戦闘戦車が、建物にミサイルを打ち込み、機関砲砲撃で、地域を猛爆撃し、300,000人の住民がいた都市の大半は、がれきと化した。

アメリカ軍司令部は、2,000人の“武装反抗勢力”を殺害したと主張しているが、本当の死亡者数は不明なままだ。町に残った民間人も同じ爆撃にさらされた。空爆後の、個別家宅捜査で、射殺された人々もいれば、逃げる途中で殺害された人々もいた。負傷した戦士は、即座に処刑され、医療施設は軍事攻撃の標的とされていた。市内にいた人々は全員、10日以上にわたり、食料も、水も、電気も、絶たれた。

作戦は、4人のブラックウオーター社傭兵を殺害したことと、外国による占領への、この都市の長期にわたる抵抗に対する、ファルージャの住民に向けた集団的懲罰という、悪意ある行為だった。作戦は、この戦争全体の犯罪性の具象化であり、戦争に関する法律の、複数かつ過度の侵害を特徴としていた。

もしアメリカの軍司令官達を信用するならば、同じような理由から、同じような作戦がアフガニスタンでも計画されている。マルジャーの町が戦場と化するのだ。

ファルージャの場合同様、復讐が一因となっている。昨年、アメリカ軍の死傷者数は着実に増加しており、CIAは、12月末、アフガニスタン国境で、屈辱的な攻撃を受け、7人の工作員が死んでいる。

アフガニスタンでは、イラクでと同様、アメリカ軍司令部は、占領に対する抵抗の中心として知られている、人口の中心部を見せしめにして、そのような抵抗が無駄であり、虐殺され、破壊される目に遭うのだということを、全国に知らしめることに価値を見いだしている。

この殺戮は、果てしなく続く対テロ戦の名において、公式に正当化されている。プロパガンダの陰には、アフガニスタン、イラクでの戦争同様の原動力がある。武力の行使によって、アメリカ資本主義の危機に対処することと、いずれも膨大な石油埋蔵の中心である、ペルシャ湾と中央アジアにおける、戦略的立場を確保することを狙ったアメリカ支配層エリートによるたくらみだ。

一年前、バラク・オバマがホワイト・ハウス入りをした際には、アメリカの広範な階層の中に、彼が大統領に就任すれば、ファルージャ、アブグレイブ、グアンタナモ、ブラックウオーター、拷問や引き渡し、といった言葉は、暗く、恥ずべきながら、閉じられた、アメリカ史の一章の語彙へと変わるだろうという希望が存在していた。

マルジャー攻勢の準備は、ブッシュ政権の犯罪は、終わるどころではなく、民主党の大統領の下で、継続され、エスカレートしていることを浮き彫りにしている。

現在、海外における植民地風戦争と占領のために派兵されているアメリカ兵士の人数は、ブッシュ時代よりも多く、殺戮は、イラクとアフガニスタンから、パキスタンやイエメンにまで広がっている。オバマ政権は、二つの続行中の戦争と占領に、3,220億ドルを、要求しているが、この数値は、更なる“追加”資金要求によって膨れ上がるのは確実だ。

“希望”と“チェンジ”の候補者と思われていた人物は、政策上において、ある種の戦術的転換を、海外においては、軍国主義の推進、国内においては、労働者階級に対する容赦ない攻撃の継続をしたいと望んでいた、既成政治勢力の一部と、軍-諜報複合体による、厳選された代理人として、一層鮮やかに浮かび上がってきたのだ。

アメリカの労働者は、新たな戦争犯罪が、自分たちの名において遂行されるのを受け入れることはできない。全てのアメリカと他国の軍隊の、アフガニスタンからの即時無条件撤退という要求は、オバマ政権と、この政権が擁護している金融寡頭勢力に反対する政治攻勢と、結びつけられるべきなのだ。

Bill Van Auken

著者は下記記事もお勧めする。

ファルージャ包囲攻撃: アメリカによるやり放題の大虐殺(英語原文)

[2004年11月18日]

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/feb2010/pers-f06.shtml

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この作戦に言及した最近(2月3日)のCNN記事がある。

アフガン駐留の米海兵隊、近く大規模作戦開始 タリバーン掃討

なお、昨年12月、同じくwsws.org掲載の別筆者による同じ話題の下記記事を訳してある。

アメリカ、アフガニスタンにおける、ファルージャ型攻勢を準備中

同じ包囲作戦に触れた上記記事の末尾に、郵政破壊の方向転換について、楽観的なごたくをならべていたので、反省として、下記を補足しておく。

亀井大臣が、しっかり、小泉路線から、正しい方向に転換してくれているものと
思い込んでいたが、さにあらず、ということのようだ。

『世界』2010年3月号の『経済政策に普遍の目を』伊東光晴京都大学名誉教授
144ページに、「IV 郵政改革はどうなるのか-新政権の案は隠れ小泉案」とある。

ごく一部だけ引用させていただこう。

<それは小泉路線上を走っている>

(始めの部分は略す)
亀井さん大丈夫ですか。あなたの改革は小泉路線と変わらない道を歩んでいるのですよ。財政が悪化すれば、株式は売られる。三分の一保有などすぐ変更になる。
(中略)新政権の郵政案は、小泉案の路線上と見るのが正しいだろう。それでよいのか。 ここにも、小泉改革を操った財務省の力が働いており、それに同調する隠れ小泉が、新政権内部にいることを物語っている。(以下略)

関心をお持ちの皆様におかれては、雑誌『世界』を購入の上、全文をお読みいただきたい。
特集 脱デフレ・脱不況の経済政策とは?は読みごたえがある。金子勝慶応大学教授・武本俊彦氏の記事『鳩山政権「新成長戦略」は国民への裏切りである』。あるいは、『民意偽装』事業仕分けの思想。さらに、『アルンダティ・ロイが語る、インド経済成長の犠牲者たち』も読める。よい情報というものは、ただで手に入ることはすくなかろう。(ただし同誌の、小沢vs検察という記事は、読むつもり皆無。)

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コメント

ファルージャでは米軍の攻撃の後奇形で生まれる子供が異常に多くなり劣化ウラン弾の影響だとアメリカの左翼若しくは進歩派のインターネットニュースやブログでは報道されているのですが、テレビや新聞の企業メディアでは全く取り上げられていないと言って良いと思います。
 然し此の帝国の最後の悪足掻きは何時まで続くのでしょうね?あの眠れる熊と言われたロマノフロシア帝国はアッケモ無く革命で倒されたのですが、(帝国は無くても国家は生存するので、帝国が壊滅しても全く心配ないのですが、そう言えば大日本帝国と言うのもありましたね!)アメリカ帝国はどうなるのでしょうね?

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