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2010年1月10日 (日)

好都合な爆弾策謀

Finian Cunningham

"Gulf Daily News"

2010年1月06日

ナイジェリア人の若者が、デトロイトへの着陸準備中の飛行機で、すんでのところで爆弾に点火する事態を許してしまった治安対策の失敗に関する、ワシントンでの責任のなすり合いは、一体どのようにして、またなぜこの出来事が起きたのかを巡る疑惑をひき起こしている。

オバマ大統領と副官達は、治安対策における"壊滅的"失敗だとして、ペンタゴンとCIAを激しく非難している。しかも、これが実に多くを語っているのだが、 その後、腹を立てたCIA担当者が、爆破犯とされる人物に関する情報を、早くも11月の時点で、ホワイト・ハウスと密接に協力している国土安全保障省に伝えていたことを明らかにした。

ワシントンでの大騒ぎは、アメリカ支配層内部の勢力が、到底信じがたい爆弾策謀に、信ぴょう性のうわべをもたらすためのスケープゴートを探していたことを示唆している。この策謀は、イエメンのアルカイダとつながった、過激派ナイジェリア人が、クリスマスの日に、およそ300人の乗客を殺害する狙いで、アメリカのグローバルな治安・監視をくぐり抜けることに成功した、と我々に信じさせようとするものだ。

今や、イラク、アフガニスタンやパキスタンへの、無駄で破壊的なワシントンによる介入や、ワシントン政府によるプライバシーや公民権侵害に一層批判的になっている、大多数のアメリカ国民の意志に反し、"対テロ戦争"を強化せよという声が上がっている。

特にイエメンへの軍事介入によって、アメリカ政府による新戦線拡大を可能にすべく、アメリカ国民の恐怖と怒りを徐々に強めることが意図されている。

アメリカ政府、あるいは政府内部の闇の勢力は、地政学的戦略を推進するために、自国民の命を犠牲にする、そのように悪質な作戦を実行することがあり得るだろうか?

歴史的な証拠はそれを認めている。「治安上の失敗」とされるものが"正しい戦争"の口実として、アメリカ(あるいは他の政府)によって利用されるのは試験済みの常とう手段だ。

アメリカによる、戦争開始の典型的口実の中には 1898年、キューバ沖での戦艦メイン号の"不可解な"沈没もあるが、これはアメリカ国民を激高させ、米西戦争をひき起こした。戦勝により、アメリカは帝国という地位に出世し、スペインに代わり、南米における覇権を得た。

1941年の日本による真珠湾攻撃もこのパターンだ。2,000人以上のアメリカ兵士の死が、またもやアメリカ世論を激高させ、アメリカの第二次世界大戦参戦を促した。

ところが、日本による"秘密"攻撃が差し迫っていることを、ワシントンは十分承知していたのに、それまで参戦に冷淡だったアメリカ国民の間に参戦気分を盛り上げるべく、起こるにまかせたことを、機密扱いを解除された文書が示している。アメリカは、この戦争の後、西欧の経済・軍事大国として登場する。

1964年のトンキン湾事件も、もう一つの典型的な戦争の口実だ。北ベトナム海軍との戦闘とされるものが、現在はワシントンの機密扱いを解除された文書によって、実際には起こらなかったことが明らかにされているのだが、リンドン・ジョンソン大統領が、ベトナム戦争をエスカレートすることを可能にした。

このごまかしのリストには、9/11テロ攻撃も追加可能かも知れない。この場合には、アルカイダ容疑者だと分かっていた人物達が、アメリカへの入国を許され、パイロットとして訓練を受け、ジャンボ・ジェット機を、ニューヨークのツイン・タワーとペンタゴンに突入させる計画を実行した。どうして、このように大胆な策謀が起こり得たのかに関するアメリカの公式調査は、広く "ごまかし"として批判されており、無数の疑問が、当局や治安機関からの回答がないままになっている。

だが、結果として生じた、アメリカにとっての戦略的利点については議論の余地はない。世界の中でも、将来のエネルギー供給にとってきわめて重要な地域で、アメリカや、世界の世論では、決して受け入れられなかったであろう、国際法のもとでは決して認められないはずであったであろう介入を、戦争をしかけることだ。

つまり、終わりも、信頼に足る目的も、見えぬまま、アメリカ人の若者や無辜の村人たちを殺害し続けている、何兆ドルも費用がかかる戦争に、アメリカ国民がいよいよ、うんざりしているのに、地域戦争をイエメンにまで拡げたいとワシントンが望んでいるまさにその時、実に好都合に、イエメンとつながりがある"クリスマス爆弾策謀"が起きたのだ。これはアメリカの戦争目的に対する贈り物だ。

記事原文のurl:www.gulf-daily-news.com/NewsDetails.aspx?storyid=267937

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真珠湾攻撃のくだりは、計画について報告した1941年1月27日東京発グルー駐日大使電文等について言っているのだろうか?

ロバート・スティネットの本(邦題)『真珠湾の真実』文藝春秋2001年刊は、以前読んだ記憶がある。原作Day of Deceit, The Truth about FDR and Pearl Harbor, Robert B. Stinnett, Chandler Crawford Agency Inc. 2000。

米西戦争、トンキン湾という固有名詞で、下記講演(翻訳記事)を思い出す。

ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語る

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