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2009年11月11日 (水)

アヘン、強姦とアメリカ流儀-Chris Hedgesのコラム

2009年11月2日、Truthdig掲載

AP / Musadeq Sadeq

先月カーブルでの記者会見で、マサチューセッツ州選出のアメリカ民主党上院議員ジョン・ケリーとささやきをかわす、アフガニスタン大統領ハミド・カルザイ。

Chris Hedges

アフガニスタンで、我々が支持している部族軍長達は、金で動く連中であり、女性の権利や基本的な民主的自由には反対で、タリバン同様、アヘン密売に深く関与している。我々と、敵対者の間に、我々が引いた道徳の境は虚構だ。アフガニスタン戦争を正当化するのに利用された、気分を高めるような物語は、無意味な残虐行為を埋め合わせしようという、痛ましい企みだ。戦争は、デモクラシーや女性解放を含む、いかなる徳を植えつけるためにも、遂行されてはならない。常に戦争は、強い暴力嗜好を持ち、兵器を入手できる連中に力を与えるものだ。戦争は風紀を逆転させ、人権に関するあらゆる議論を廃止してしまう。戦争は、公正と上品さを、社会の辺境に追いやるのだ。そして兵器は、無辜の人々と忌まわしい連中を区別しない。無人機攻撃は、アメリカ版の簡易仕掛け爆弾だ。鉄破砕爆弾は、自爆攻撃に対するアメリカの答えだ。誰が起爆装置を起動させるかとは無関係に、保弾帯給弾式機関銃からの射撃は、一般市民に、同じ恐怖と流血をもたらすのだ。

「9/11の悲劇後に、タリバンと入れ代わった原理主義者部族軍長の連中から、防毒マスクをはぎ取る必要があります」2年前に、政府の腐敗と西欧の占領を非難したがゆえに、アフガニスタン議会を追われたマライ・ジョヤが、先週ニューヨーク訪問中に私にこう語った。「連中は、権力を握るために、デモクラシーの仮面をかぶっていたのです。連中はこの欺瞞を続けています。こうした部族軍長は、精神的にタリバン達と変わりません。唯一の変化は物理的なものです。こうした部族軍長は、1992年から1996年のアフガニスタン内戦中に65,000人の無辜の人々を殺害したのです。タリバン同様、彼等は女性や、他の多くの人々に対し、人権侵害をしたのです。」

「8年間で、2,000人以下のタリブが殺害され、8,000人以上の無辜の一般市民が殺害されました。」彼女は続ける。「これは対テロ戦争ではないと私たちは思います。これは無辜の一般市民に対する戦争なのです。アフガニスタンで、NATO軍によって遂行された虐殺を見てください。ファラ州で5月に彼等がしたことを見てください。150人以上の一般市民が殺されました。その大半が女性と子供です。彼等は白燐弾やクラスター爆弾を使っています。9月9日、クンドゥス州で200人の一般市民が殺害されましたが、またしても、その大半は女性と子供達でした。民主的な人物、マーク・ヘロルド教授のウェブで、アフガニスタン国民に押しつけられている、アフガニスタンでの戦争犯罪について、もっと知ってください。アメリカ合州国とNATOが、8年前、女性の権利とデモクラシーという旗印の下、わが国を占領しました。しかし彼等は、我々を、一難去ってまた一難状態に押し込んだのです。彼等は、タリバンを複写したような連中を、権力に付けたのです。」

過去8年の占領の間、アフガニスタンのアヘン密売ブームのヘロイン生産は、タリバン、アルカイダ、地方の部族軍長、犯罪組織、人さらい、私兵、麻薬密売業者や、ハミド・カルザイ政府の大物の多数に、何億ドルもの金を注ぎ込んだ。ニューヨーク・タイムズが、カルザイ大統領の弟、アフメド・ワリ・カルザイは、違法アヘン取引における主役であるにもかかわらず、CIAから金を貰っていると報じている。アフガニスタンは世界のアヘンの92パーセントを生産しており約650億ドルの価値があると、国連は推計している。毎年このアヘンは、世界で約1500万人の麻薬患者に与えられ、約100,000人を殺害している。こうした死者数は戦死者名簿に加えられるべきだ。

国連薬物犯罪オフィス(UNODC)事務局長アントニオ・マリア・コスタは、麻薬密売が、100,000人のNATO兵士駐留にもかかわらず、タリバンがはびこり、拡大するのを可能にしているのだと語っている。

「タリバンはアヘン密売への直接関与によって、技術的に、一層複雑化し、益々広く行き渡るようになっている兵器に金を出すことが可能になった」とコスタは語っている。

タリバンは、アヘンとヘロインの製造と密輸に課税することで 2005年から2009年の間に、年間9000万ドルから、16000万ドル稼いだとUNODCは推計している。ほぼ十年前、権力を握っていた間に、毎年稼いでいた金額のほぼ倍だ。またコスタは、アフガニスタン-パキスタン国境は“ありとあらゆる違法なものの世界最大の自由貿易地域”で、麻薬、武器と違法移民によって荒廃した地域だと述べている。“麻薬とテロという複数の悪いことが同時に起こる最悪の状況”が、中央アジアを通る麻薬密売ルート沿いに移動する可能性があると、彼は警告する。アヘンから得られた利益が中央アジアの過激派集団に注ぎ込まれており、「この地域の広範な部分が、大規模テロに巻き込まれ、膨大なエネルギー源が危機に曝されかねない」とコスタは語っている。

「アフガニスタンは、8年間の占領後、世界の麻薬センターになりました」とジョヤは私に言った。「麻薬密売組織のボス達だけが、権力を握っているのです。こうした連中が、アヘン栽培を止め、麻薬密売を中止するなど、どうして期待できますか? 権力を握っていた時に、アヘン生産や、超大国を破壊したあのタリバンが、どうしてアヘン生産を破壊できないだけではなく、増加するにまかせているのでしょう? しかも、こうしたこと全てが続く間、戦争を支持している連中が女性の権利について説教してくれるのです。大半の州で、女性には人権がありません。アフガニスタンで女性を殺すのは、鳥を殺すくらい簡単です。カーブルのような幾つかの大都市では、仕事についたり教育を受けたりできる女性もいますが、国のほとんどの地域では、女性にとって地獄のような状態です。強姦、拉致や家庭内暴力が増加しています。こうした原理主義者連中は、いわゆる自由選挙の間に、アフガニスタンのシーア派女性に対し、女性嫌悪の法律を成立させました。この法律には、ハミド・カルザイすらもが署名しています。こうした犯罪の全てが、デモクラシーの名のもとで起きているのです。」

何千人ものアフガニスタンの一般市民が、武装反抗勢力と外国軍の暴力で亡くなった。アメリカとNATOの軍隊は、アフガニスタンにおける一般市民の死亡のほぼ半数に対して、責任がある。何万人ものアフガニスタン一般市民が、強制退去、飢餓、病気、汚染、医療の欠如、戦争に起因する犯罪や無法さから亡くなっている。

カルザイも、11月7日の決選投票への不参加を決めた彼のライバル、アブドラ・アブドラのいずれも、アフガニスタンが麻薬国家に変身するのを止めるためには何もするまいとジョヤは言う。腐敗した残忍な二人の候補者間の戦いで、一方の側を選んだNATOは、この国におけるあらゆる正統性を失ったのだと彼女は言う。

アフガニスタン駐在の高位アメリカ外交官、マシュー・ホーが、最近辞任したのも、一部麻薬問題と関係している。ホーは、辞表の中で、カルザイ政府は「紛れもない汚職と臆面もない不正利得」にまみれており、カルザイというのは「腹心の友や主席顧問が、アメリカの法の支配や麻薬対策の努力を無視するような、麻薬密売組織のボスや、戦争犯罪人の悪漢で構成されている」大統領だと書いている。

ジョヤは言う。「国際社会からこの国に注ぎ込まれた360億ドルものお金は、どこに行ったと思われますか? こうしたお金は、麻薬密売組織のボスや部族軍長の懐に入ったのです。アフガニスタンでは、1800万人が一日2ドル以下で暮らしているのに、こうした部族軍長は裕福になるのです。占領軍が無辜の一般市民を爆撃し殺害する間も、タリバンも部族軍長も、このファシズムに貢献しています。安全でない時に、一体どうして人権や女性の権利について語ることができるでしょう?」

「アフガニスタンの軍族主義、麻薬密売組織ボス主義、汚職と占領軍の陰で行われたこの大統領選挙に、正統性は皆無です」彼女は言う。「結果は同じロバで、鞍が新しいだけなのです。誰が投票しているかは問題ではありません。誰が票を数えるかが重要なのです。そして、それがわが国の問題なのです。タリバンと同調している連中の多くは、タリバンを支持しているわけではなく、こうした部族軍の長や不公平にうんざりして、連中は復讐するために、タリバンに協力しているのです。私は彼等に同意はできませんが、気持ちは理解できます。アフガニスタン国民の大半は、タリバンと部族軍の長には反対で、それが、なぜ何百万人もが大統領選挙というこの悲劇に参加しなかった理由です。」

「アメリカは、ハミド・カルザイのマフィア風腐敗体制を支持することによって、納税者のお金と兵士たちの血を無駄にしています」と、無数の殺し脅迫の為、カーブルで、再三住まいを変えているジョヤは語っている。「カルザイとアブドラの本質を知るのに、8年あれば十分です。あの二人は、この国を、麻薬センターに縛りつけたのです。もしもオバマが本当に正直であれば、彼は民主的な思想の人々を支持しているはずです。[そういう人々は]多数いるのです。しかし、彼はアフガニスタンの民主的な思想の人々を支持しなかったのです。彼は、パキスタン国境地域を攻撃することで、パキスタンでの戦争を始めようとしています。オバマ時代、犯罪人ブッシュ時代以上に、より多くの一般市民が殺害されています。」

「アフガニスタン国民は二つの強力な敵にはさまれているのです」と彼女は嘆いている。「占領軍が空から爆撃し、無辜の一般市民を殺害します。地上では、タリバンやこうした部族軍長達が、ファシズムを遂行しています。NATOがより多くの一般市民を殺害すれば、外国軍に対するレジスタンスは増大します。もしアメリカ政府とNATOが、自発的に撤退しなければ、アフガニスタン国民は、アフガニスタンを三度も占領しようとしたロシアやイギリスに与えたのと同じ教訓を与えるでしょう。私たちにとって、二つの敵と戦うより、一つの敵と戦う方が楽ですから。」

Chris Hedgesのコラム記事は、Truthdigに毎月曜日に掲載されるが、彼は20年間、海外特派員として、中南米、アフリカ、ヨーロッパと中東での戦争を報道してきた。彼は以下を含む9冊の本を書いている。“Empire of Illusion: The End of Literacy and the Triumph of Spectacle”(2009年刊)および“War Is a Force That Gives Us Meaning”(2003年刊)

記事原文のurl:www.truthdig.com/report/page2/20091102_opium_rape_and_the_american_way/

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普天間基地問題や、読谷村の米兵によるひき逃げ事件を見ている限り、自民と民主、アメリカ傀儡「派閥間の政権交代」に上記もそのまま流用できると言えば、辛口すぎようか?

連中は、権力を握るために、デモクラシーの仮面をかぶっていたのです。連中はこの欺瞞を続けています。こうした政治家達は、精神的に自民党政治家達と変わりません。唯一の変化は物理的なものです。

彼等は、我々を、一難去ってまた一難状態に押し込んだのです。

同じ著者の記事、幾つか翻訳している。13日の熱烈歓迎を前に、下記もご一読を。

オバマ・ブランドに乗せられる

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