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2009年10月17日 (土)

もしもロシア人が我々にこれをしたのだったら、殺していたろうに

David Michael Green

2009年10月2日

"Information Clearing House"

もしもロシア人が侵略してきたらどうだろうか?

これは、そうこじつけの考えではない。我々は、そういうことが決して起きないようにすべく、半世紀にわたり、何兆ドルも費やしてきたのだから、これは実際さほど奇妙な考えではない。

もしもロシア人が侵略してきたらどうだろうか?

もしも連中がやってきて、我々の財産を全て盗み取ったらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、子供たちを安価な働きバチとして、奴隷にして、惨めな、将来の展望のない仕事に縛りつけてしまったらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、アメリカの天然資源を全て発掘し、後に有毒な瓦礫の山だけを残していったらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、インフラを破壊し、アメリカの教育機関を打ちのめし、著しく不十分な医療制度を我々に押しつけていたらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、アメリカ国民のかなりの部分を営利目的の監獄に投獄したらどうなるだろうか? もしも彼等が、巨額の利益を生み出す植民地遠征に派遣して、アメリカ軍を崩壊させたらどうなるだろうか? 連中が、中産階級の基盤を奪ったらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、連中がわが国を略奪していることに、我々が気づくのを防ぐため、アメリカ人のある部族に、他の部族を憎むようにたぶらかし、お互いが敵対するようにしたらどうなるだろうか?

もしもロシア人が、こうしたことのどれかをしでかせば、我々は連中を殺す。完璧に。

もしもロシア人が侵略してきたら、わが国を守るために、アメリカ軍を派遣し、連中を粉砕するだろう(あるいは、少なくとも、それをさせるために誰かを雇うだろう。)

もしもロシア人が侵略してきたら、我々は、正当な理由で、怒り狂い、憤激し、憎しみに満ち、破壊的となるだろうし、彼らの猛り狂った略奪から、わが国を奪還するにために、ありったけのアメリカの組織暴力をぶつけるだろう。

もちろん、ロシア人が侵略してきたわけではない。だが、我々が生きている現在、驚くべきことに、アメリカは、事実上、これら全ての辛苦にさらされている。我々の不幸を願う連中によって、我々は本質的にずっと侵略されており、アメリカの国家的、個人的資源は、丸裸にはぎ取られているのだ。この国は、略奪されており、アメリカ国内の釘付けされていないもの全てが、運び去られ、売り払われる。

アメリカの子供たちは、膨大な財政負担を負わされつつある。アメリカの教育・医療制度、単なる財源として、しゃぶりつくされ、粉々になりつつある。アメリカのインフラは、崩壊の瀬戸際だ。

アメリカ人の仕事、アメリカの産業や、アメリカの地域社会の資源は、ひとからげにされて、同じ仕事が、ずっと安くでき、労働者が、素直な場所に、輸出されてしまった。我々は益々、ただ生存するためだけに奔走するようになりつつある。明らかに、アメリカ政府は、きっちり国民の誰かを極端に裕福にすることに専念したままだ。単に、この‘誰か’には、皆様の知り合いが誰も含まれていないだけのことだ。

だが、我々が生きている現在、本当に驚くべきことは、我々は、本質的に侵略されてしまい、完全に略奪されてしまっているのに、それについて、我々は、ほんのわずかたりとも怒っていないということだ。

もしも、ロシア人がこれをしでかしていたら、我々は間違いなく怒り狂っていただろう。だが、実際は、それをしでかしたのは、アメリカ自身の上流階級で、我々は彼等に対して怒り狂っていないだけでなく、我々はその犯罪にすら気がつかない。あるいは、仮に気がついたにせよ、実際は、ほんのわずかたりともリベラルでさえない‘リベラルな’大統領のような、何かばかばかしい程、見当違いの標的めがけて、腹を立てるのだ。

アメリカは、ずっと、十分かつ相応な欠陥がある国家ではあるが、20世紀中頃の、相当長い期間、かなり道理にかなったことを一つ持っていた。当時、エリートと政府と、大衆の間に、取引があったのだ。その取引の条件によれば、上流階級は、桁外れに裕福ではあり続けるのだが、そうした富の一部、かなりの金額を、労働者階級と中産階級とも分け合う必要があるために、彼らの富にも限界があるのだ。そして必ずそうなるようにするのが政府の役割だった。裕福な人々の多くの人々も、この合意を共有していた。

ところが、ロナルド・レーガンがやって来て以来、この取引はしまい込まれ、本質的に、新しい取引に置き換えられてしまった。より正確に言えば、単なる、ひどい古い取引に。この新しい/古い取引の条件の下では、規制されない富裕層が、絶対的に全てのものを、手あたり次第にひったくり、中産階級は、維持できる範囲のかつかつな生活のために奔走した。そして、それ以外のアメリカ人、つまり、労働者階級と貧困層は、第三世界風の貧困へと、どんどん落ち込んで行った。この新制度の条件の下では、政府の役割は、もはや国民の福祉を実現することではなく、富裕階級が、どれだけ自由にできるかについて、限界を設けておくことでもない。この新しい取り決めの条件の下では、政府の機能は、富裕階級が、アメリカの自国民から、奪えるもの全てを奪い取るのを手助けするための、単なる道具として仕えることだ。

つまり、過去三十年間、アメリカは、すっかり経済を改革してしまい、超富裕層は、鼻持ちならないほどの超富裕層となり、中産階級は、現状にとどまれれば幸いで、実際には、それすらできないようになっている。もしも、アメリカが、過去三十年間にわたって維持した、相当なGDPの伸びの行方を調べれば、それは丸ごと、最も豊かなアメリカ人達に行っていたことがわかる。中産階級は、実際、押され気味なのだ。これは、驚くべき事実だが、考えていただきたい。堅調な経済成長にもかかわらず、現代の労働者は、かつて1970年代に稼いだより、稼ぎが少ないのだ。

さらにすごいことは、これを首尾良くやりとげるのが、さほど難しくはなかったことだ。国民をけむに巻き、国民の注意を、残りのパンのかけらを持って見に行く別のサーカスに逸らせるだけで良かったのだ。一方、労働組合は、政府の政策変更により、大幅に弱体化された。世界中の労働者階級から価値を搾り取る、できる限り安い方法への限りなき探求の中、仕事は外部に出された。まずは南部に、次は、メキシコに、そして、中国、今は、タイ、あるいは、ベトナム、そして、間もなくアフリカにと、そしてアメリカ人には、何の残余の産業も経済基盤も残されない。税務政策を講じ、現在働いているアメリカ人から、特に、彼らの子供たちから金を導き、それを、既に裕福な層に向けたのだ。こうした全ての政策変更の結果は、裕福なアメリカ人は、絶対的に、驚くほど、途方もなく豊かになり、それ以外の人々は、どうにかこうにか持ちこたえる、いやそれ以下だ。

もしもロシア人がやってきて、これをしたのだったら? もしも連中がやって来て、我々の資源を盗んだのであれば、もしも連中がやってきて、我々の子供たちを、逃げようのない、魂が麻痺するような仕事の奴隷にしていたら、もしも連中が、我々を環境劣化や、壊れた経済や、破壊された教育制度、そして崩壊しつつあるインフラや、ざるのような医療制度の中に放置したのだったら? もしも、ロシア人がやってきて、こうしたこと全てをやったのであれば、アメリカ人は、怒りと敵愾心と愛国心と、ナショナリズムを持って立ち上がっていたはずで、武器に弾を込めて、連中の最後の一人まで、殺していただろう。

ところが、これをしでかしたのは、ロシア人ではなく、アメリカ自身の上層階級なのだ。しかも、ひどいことに、我々自身の政府が、あたかも、連中が我々を、当節はやりの悪い子取り鬼から守ってくれるごときふりをしながら、実際には、彼等は、貧血性のあまりに、アメリカの営利目的の利潤追求式病院しか行き場がなくなるまで、金持ちが、我々から絞り上げるのを手伝っているのだ。

自らを略奪されるがままにしておいて、自分のポケットから、金が奪い去られていることにすら気づかないということが、どれほど能天気なことか、お考え願いたい。泥棒が、自分に歩み寄るにまかせ、金を奪わせ、その泥棒が誰かさえ気づかないとは、政治的に、いかに大人げないか、お考え願いたい。それを、誰か他の連中、例えば、イラク人やら、黒いヘリコプターのせいにするとは、そして、自分の金を盗み取っている本当のプロの泥棒に注意を払わないとは、いかに自分が愚鈍であったか、お考え願いたい。

こうした富豪政治家連中に対しては、連中の仕組みの賢さを称賛し、脱帽したい気分だ。たとえ、こうした醜悪な詐欺をするには、略奪者連中が、カラッポな駐車場並みの道徳感の持ち主であることが必要であろうと。実際の所は、連中がしでかしたことは、本当にそこまで賢くはないのだ。連中の犯罪の成功は、犯罪人の炯眼というよりは、連中による犠牲者の浅はかさによるものだ。

さらに悪いことに、あたかも、アメリカ国民が、既に十分に愚鈍であるかのごとく、レーガン主義の出現以来、我々はもう30年間もこういう状態なのに、依然としてわかっていないのだ。我々は、三十年も、略奪され続けているのに、依然として、一体誰が我々を食い物にしているのか見破れずにいる。ブッシュ政権による、信じがたいほどの完璧な失敗、災厄と略奪行為の後でさえ、我々大半のアメリカ人は依然として、犯罪人や、連中のイデオロギーを指摘することも、犯罪の源も、特定できずにいる。

したがって、我々の将来は、一層不安定に見えてくる。今や、大半のアメリカ人が、ある種の極左スターリン主義者と信じるようになりつつある大統領も、その実、彼は、ジョージ・W・ブッシュも、ビル・クリントンもそうであったように、根っからの企業寄生のまとめ役だ。

しかも、彼は、ある種、驚くほど頽廃的リベラルにしたてあげられており、策略を理解するには、アメリカ人はあまりに愚鈍なのだが、普通のアメリカ人の不安に対処し損ねているこの大統領は、普通の人々の為に、露程も働いているわけではないのだから、失敗する運命にあり、益々、一期限りの大統領という位置の所有者に見えてきている。そうした失敗に対し、我々は何が期待できるだろう? 皮肉にも、そして、悲惨にも、更に、びっくり仰天する程に愚かなことに、それは極端な右翼路線への転換だ。オバマが失敗する時は、もう既にそうなりつつあるのだが、ある種、リベラリズムの大失敗のごとく演出されるだろう。実際は、もちろん、その逆が事実なのだが。それは上層階級によるアメリカ略奪の大成功なのだ。

この点で、ジョージ・W・ブッシュの犯罪からすら、オバマは、ほとんど“チェンジ”など実現していない。例えば、彼の医療保険案を見てみよう。読者のことは存じあげないが、巨大製薬会社や、巨大医療保険会社が、賛成するようなことなど何であれ、それ以外の連中、つまり、アメリカ合州国国民にとって、大惨事になることは、まず、ほとんど確実だと言えるだろう。ジョージ・ブッシュの処方薬法案が、高齢者の生活を良くする構想などではなかったのと同様に、この法案は、もはや、アメリカ人に医療をもたらすための構想などというものとはほど遠い。いずれの場合も、何らか存在していた、代償的で、たまさかの改善など、実際は、合法化した企業植民地主義の、もう一つの例に過ぎないものに対する、単なる目くらましの粉飾だ。

オバマの医療法案の場合、起きていることは、この新法によって、大いに儲かるであろう保険業界の略奪者連中から、高価な健康保険を、膨大な人数の新規顧客が購入するように強強制されているのだ。それこそが、たとえ、彼の個人的な夢想の中でだけにせよ、もしも、オバマが、何であれ、進歩派であれば、一体なぜ、普通、我々が、彼等なら反対するだろうと予想し、連中なら反対するだろうと予想するようなものに、彼等が賛成するのかという理由だ。

銀行の緊急救済とて、全く同じことだ。なんと驚くべき挿話。アメリカ国民からのなんと驚くべき略奪、帝国崩壊のなんと驚くべき一章だろう ? しかも、こうしたこと全てが、建前上リベラルな大統領によって、我々に対してなされているのだ。実際、オバマは、単にブッシュ政権の伝統と、それに先立つレーガン・イデオロギーを延長しているに過ぎず、連邦基金の略奪 最大限の金額の金を、経済エリートに回し、やがて、つけはアメリカ人納税者に回すことを要求しているのだ。

いくらでも、この話は続けられる。オバマは、イラクとアフガニスタンに、正規のアメリカ軍兵士より、多い人数の傭兵を配備し続けている。アメリカの刑務所から学校に至るまで、あらゆるものの民営化を、彼は支持し続けている。彼は、金融業界に対し、できる限り手ぬるい規制の再制定を主張しており、ウォール街の盗人どもが、怒鳴り返すと、連中の最悪の欲求に対する、こうした最も限定された障害すらも放棄するのだ。

結論は、現在、アメリカの有権者達には、二つの選択肢があるということだ。有権者は、最大の速度で、アメリカ最大の略奪を代表する党を選ぶことができる。あるいは、ほとんど同じ速度で、ほぼ同じ犯罪を代表する党を選ぶこともできる。

いずれにせよ、アメリカ合州国は、何らかの意味のある方法で、国民によって所有されることを停止してしまったのだ。有権者は投票するが、議会や政権内にいる議員たちは、経済エリートの恩義を受けており、ことごとく、しかるべく行動している。アメリカの諸施設、インフラ、社会的関係は、既に信じられない程に裕福な連中が、更に豊かになれるようにすべく、労働をしているアメリカ人の皮から富の更なる一滴を搾り取るため、全てバラバラに分解され、どこかに移転させられか、売り払われるかする。

もしも、どこかの外国が、我々にこんなことをしていたら? もしも、ロシア人が侵略してきて、我々の資源を奪い、陰鬱な仕事で働かせ 我々が、急速に悪化しつつある中流階級の生計を維持するのに十分な仕事を探しあぐねている時に、我々や、子供たちを奴隷にしていたら? もしも、こうしたことが起きて、その加害者が外国勢力だったなら、我々は立ち上がり、戦争をし、彼らの最後の一人まで殺害していたろう。

しかし、まさに本物の敵が、この国に侵略してきて、国を丸裸にしているにもかかわらず、我々はそのどれもしていない。

実際、敵が一体誰か、我々が気づかないようにすべく、この社会は超多忙だ。

David Michael Greenは、ニューヨーク、ホフストラ大学の政治学教授。彼は記事に対する読者の御意見は喜んで受け取るが(dmg@regressiveantidote.net)、時間に限りがあるので、必ずしもお返事できない。彼の他の仕事は、彼のウェブ、www.regressiveantidote.netで読める。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article23618.htm

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この文章も、固有名詞だけ入れ換えればそのまま使えそうだ。

結論は、現在、日本の有権者達には、二つの選択肢があるということだ。有権者は、最大の速度で、日本最大の略奪を代表する党を選ぶことができる。あるいは、ほとんど同じ速度で、ほぼ同じ犯罪を代表する党を選ぶこともできる。

いずれにせよ、日本は、何らかの意味のある方法で、国民によって所有されることを停止してしまったのだ。有権者は投票するが、議会や政権内にいる議員たちは、経済エリートの恩義を受けており、ことごとく、しかるべく行動している。日本の諸施設、インフラ、社会的関係は、既に信じられない程に裕福な連中が、更に豊かになれるようにすべく、労働をしている日本人の皮から富の更なる一滴を搾り取るため、全てバラバラに分解され、どこかに移転させられるか、売り払われるかする。

もしも、どこかの外国が、我々にこんなことをしていたら? もしも、北朝鮮人が侵略してきて、我々の資源を奪い、陰鬱な仕事で働かせ 我々が、急速に悪化しつつある中流階級の生計を維持するのに十分な仕事を探しあぐねている時に、我々や、子供たちを奴隷にしていたら? もしも、こうしたことが起きて、その加害者が外国勢力だったなら、我々は立ち上がり、戦争をし、彼らの最後の一人まで殺害していたろう。

しかし、まさに本物の敵が、この国に侵略してきて、国を丸裸にしているにもかかわらず、我々はそのどれもしていない。

実際、敵が一体誰か、我々が気づかないようにすべく、この社会は超多忙だ。

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戦争賞を受けた人物が、汗の結晶である金と、何らかのさらなる軍事支援を、暗証番号不要のATM国家から引き出すために、間もなく宗主国からやってくる。

沖縄基地の問題や、米軍再編にまつわる国民にとって不都合な決断、参議院選挙直前までは、伏せておかれるだろう。「日米軍事同盟」重視の方針、微動だにしないだろう。

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