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2009年10月 7日 (水)

アフガニスタン侵略から8年

ワシントン、アフガニスタンでの総崩れに直面

2009年10月7日

アメリカが、対アフガニスタン戦争を開始して以来、今日で八年目になる。カーブル、カンダハルと、ジャララバード空爆の後、CIAと軍特殊部隊の派兵が続き、タリバン戦士せん滅のためにアメリカの戦闘機を振り向けられた。北部同盟の民兵、過去十年間、戦争犯罪に連座したアヘン密売につながる部族軍長達の集団がワシントンの代理軍として動いた。

二ヶ月のうちに、アフガニスタン全ての州がアメリカの手に落ち、多くのタリバン抵抗勢力は、捕虜になり、虐殺され、他の連中は、トラ・ボラ山岳地帯に追い詰められたか、国境を越え、パキスタンに追われた。その二カ月間で、合計12人のアメリカ兵が死んだ。

そして8年後、オバマ・ホワイトハウスと、ペンタゴンは、アメリカが率いる占領に対するレジスタンスを強め、それを国中に広げているだけの介入を救う企みとして、既に派兵されている68,000人のアメリカ兵と、38,000人のNATO兵に加え、更に40,000人の兵を派兵するかどうかを巡って激しい議論をしている。

今年、これまでにアフガニスタンで死んだアメリカとNATOの兵士の数は400人にのぼっている。アメリカ介入初年度死者数のほぼ6倍だ。戦争は、アメリカ軍が第二次世界大戦に参戦した時の、二倍もの長さになっている。

ブッシュ政権は、アルカイダを粉砕し、オサマ・ビン・ラディンを捕獲するか、殺害するかするという名目で、この戦争を始めた。今日に至るまで、その本当の原因が、真剣には調査されていない悲劇的な出来事、2001年9月11日の攻撃に対する報復として、正当化されていた。

オバマ政権は、本質的にこれと同じ口実を利用し、依然として占領中のイラクの“選択による戦争”と対比して、アフガニスタンを“必要な戦争”と表現している。彼の前任者同様、オバマは、この戦争の狙いは次のテロ攻撃を防ぐことにあると主張し、アフガニスタン全土に、アルカイダのメンバーは100人もおらず、アメリカを攻撃する手段も持ち合わせていないことを、彼の国家安全保障顧問である、退役大将のジェームズ・ジョーンズが、今週認めたにもかかわらず、この口実を使い続けている。

ワールド・ソーシャリスト・ウェブ・サイトは、この論拠を、当初からウソだとし、否定していた。戦争が開始されて二日後の2001年10月9日に投稿した編集局声明でWSWSはこう説いていた。

“… 9月11日日の出来事がアフガニスタン攻撃の触媒役を果たしたが、理由は遥かに根深い。この戦争、あるいはいかなる戦争の特徴、その進歩的、あるいは反動的な性格は、その直前に起きた出来事によってではなく、関与する国家の、階級構造、経済基盤と、国際的な役割によって決定される。この決定的に重要な観点からすれば、アメリカ合州国地よる現在の行為は、帝国主義戦争だ。

「アメリカの支配層エリートによる、遠大な国際的権益追求の為に、アメリカ政府は、この戦争を開始したのだ。この戦争の主目的は何だろう? 10年前のソ連崩壊は、石油と天然ガスの確定埋蔵量の、世界で二番目に大きなありかである中央アジアに政治的真空をもたらした。」

宣言はこう続く。「アフガニスタンを攻撃し、属国政権を樹立し、大規模な兵力をこの地域に投入して、覇権的支配を行えるような新たな政治的枠組みを確立することを、アメリカは、狙っている。」

この分析の一言たりとも、改訂する必要はない。2001年10月以来、アフガニスタン侵略の決断は、イラク征服の決断同様に、9/11攻撃よりもずっと前に立てられていたという沢山の証拠が現れた。9/11攻撃は、二つの軍事侵略戦争の、原因ではなく、口実として機能しているのだ。

アフガニスタンで、アメリカ帝国主義が直面している大失敗とて、自業自得の結果なのだ。アルカイダもタリバンも、かつてのアメリカによるアフガニスタン介入の産物だ。ソ連が支援していたアフガニスタン政府を打倒することを狙って、1979年以来、ワシントンは、武器と援助で、何十億ドルもイスラム教ゲリラに注ぎ込んだ。アメリカは、意図的に、ソ連侵略と戦争をひき起こし、百万人以上の命を奪い、更に500万人を難民化し、社会全体をむしばんだ。

当時、ビン・ラデンはCIA-サウジ-パキスタン情報ルートの一部だった。アメリカの支援の多くは、今回、辺ぴな州ヌリスタンで、アメリカ兵8人が死亡した先週末の攻撃を行ったとされている、ムジャヒディン指導者グルブッディン・ヘクマティアルの軍隊にわたった。

8年前に始まったアメリカが率いる占領は、アフガニスタン国民にとって、もう一つの紛れもない大災害となっている。何千人もが、国中の空爆と、弾圧的な急襲で死に、一般市民の死傷率は、着実に増加している。

既に絶望的だった生活条件は悪化しただけだ。最近、国連は、人間性開発指数で、アフガニスタンを、世界182ヶ国の中181番に位置づけた。より下の国はニジェールだけだ。

アメリカ侵略以来、平均寿命は43歳にまでおちた。少なくとも、国民の40パーセントは、失業しており、42パーセントが、一日一ドル以下で暮らしている。子供の五人に一人は、五歳前に亡くなり、50件中1件の出産で、母親が死亡する。世界でも最も高い比率だ。アフガニスタンの成人のうち、三分の二は読み書きができない。

2001年10月以来、約360億ドルもの外国からの援助が、アフガニスタンに送られているのに、そのほとんどは、アメリカがしつらえた傀儡大統領ハミド・カルザイが率いる盗賊政治家の私腹に流れ込んで、状態は着実に悪化しつつある。

国民の大多数から嫌悪されながら、8月20日の大統領選挙で、厚かましく選挙違反をして、彼の後任にする手駒は持っていないと判断したワシントンによる支援のおかげだけで、カルザイは、権力の座に留まっている。

こうした、暴力行為、極貧と腐敗の状態が、占領に抵抗する人々への広範な国民的支持を生み出している。ワシントンで今行われている議論は、どうやってレジスタンスを鎮圧するのが最善かということだ。

二つの選択肢が論議されていると伝えられている。一層の対ゲリラ作戦努力として、スタンリー・マクリスタル大将とペンタゴンが要求するように、更に40,000人の兵士を派兵するか、ジョセフ・バイデン副大統領や政権内の他の連中が提案するように、無人機攻撃、空爆や、特殊部隊のパキスタン侵略を強化するかだ。いずれもが、一層の流血と、より大規模な戦争を意味している。

いかに戦争を遂行するかを巡り、激しい意見の不一致があることは疑いようもないが、全員が、そもそも戦争を始めた目的を達成するという所から、つまり、アジアとヨーロッパの経済上のライバルに対する、アメリカ帝国主義の決定的な優位性を確保するため、中央アジアのエネルギー資源を巡り、完全な支配を確立することから議論を始めているのだ。

世界的金融危機の始まりは、アメリカ軍国主義の推進力である根本的な矛盾、特に、世界的に統合された経済と、ライバルの資本主義国民国家によって分割されている世界制度との間の矛盾を、激しくするばかりだ。この最も爆発的な表現が、アメリカ帝国主義による経済的支配の衰退なのだ。

大多数のアメリカ人が、アフガニスタンとイラク戦争の両方に反対しており、何百万人もが、こうした反対を根拠に、オバマに投票したのだ。それにもかかわらず、二つの戦争は継続しており、オバマは、アフガニスタンとパキスタンでの修羅をエスカレートしようとしており、イランへの軍事侵略をすると威嚇している。

ブッシュと共和党に負けず劣らず、外交、国内政策の双方で、オバマ政権は、アメリカを支配している大企業、金融寡頭勢力の権益を代表しているのだ。海外での戦争は、高まる社会的不平等や、アメリカの労働者の生活水準や、社会的、民主的権利に対する攻撃と、連動しているのだ。

中央アジアにおけるアメリカ帝国主義の権益をどのように推し進めるのが最善なのかについて、ホワイト・ハウス内で、アメリカ人の背後で進行中の議論は、測り知れない危機をもたらすものだ。より多くの地上軍、あるいは、空襲の強化のいずれによる、戦争のエスカレーションも、核兵器所有国のパキスタンと、南および中央アジア全域を不安定化させる恐れがある。この地域に、ずっと昔から権益を有する、躍進中の中国、そしてロシアは、ワシントンが軍隊による支配力を振るおうと企む中、いつまでも脇役のままではいるい。

8年前に始まり、それが、遥かに血まみれの大戦争へとエスカレーションする脅威は、軍国主義の根源である資本主義の自由企業体制に対して戦う、アメリカ国内と、国際的な労働者階級の介入によってのみ、終わらせることが出来る。

この戦いにおいて、イラクとアフガニスタンからの全外国軍の即時、無条件撤退、アメリカのパキスタン攻撃の停止、および、アメリカ侵略の犠牲者への賠償金と、アメリカと世界の労働者の、仕事を確保し、生活水準を向上させるための何十億ドルかを生み出すべく、アメリカ軍と諜報機関の解体という要求が掲げられなければならない。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2009/oct2009/pers-o07.shtml

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社民党の阿部知子政審会長が、インド洋での給油活動に代わるアフガニスタンでの復興支援の具体策を検討するため、現地視察をしているという。土地勘がない人が、わずか数日現地に行って、わかるものでもないだろう。「木をみて森を見ず。」単なるアリバイ工作。

どんな理屈をつけようと、アメリカが納得する形のアフガニスタン支援なるもの、結局、虐殺支援でしかないだろう。

アメリカにも日本政府にも遠慮せず、独自にプロジェクトを進めている、ペシャワール会の事業だけは、本当にアフガニスタン国民の役にたっているだろう。また、パーキスターンでの活動ということでは、オバハンからの気まぐれブログの督永さんがおられる。

アフガニスタンにおいて、一方で理不尽な侵略で、国民の虐殺をしながら、もう一方で、民生支援という論理がどうしてもわからない。

「侵略をやめたので、民生支援をする」か

「侵略を続けるので、民生支援はしない」かしか、あり得まい。

「侵略を続けながら、民生支援はする」のは、全くの矛盾であり、

「侵略をやめたが、民生支援はしない」のは、侵略した西欧先進国の無責任だろう。

空軍(別名航空自衛隊)が、イラク復興支援特別措置法に基づき、「人道復興支援」という名目のもと、実質的には、「空輸人数は総計約4万5000人で、このうち米軍・米軍属が約63%」という後方支援活動(つまり参戦)をしていたことが明らかになったではないか?

「人道復興支援」という美辞麗句で虐殺に加担したのだ。税金が虐殺に使われたのだ。

具体的な虐殺ぶりについては、例えば下記を。

アメリカの対イラク戦争-文明の破壊

ラスベガスでタリバン狩り

海軍(別名海上自衛隊)によるインド洋での給油活動自体、アラビア海を中心としたインド洋における、「不朽の自由作戦」の海上阻止行動という、理不尽なアメリカやNATO作戦の支援だ。つきあう必要など、そもそも始めから皆無だろう。

一方、民主党の長島議員が発案した、ソマリア派兵、着々と推進されている。

ソマリア沖の海賊対策、海自30人が出発

マスコミは、亀井大臣の様々な発言をバッシング記事にしたてあげても、日米同盟深化(従属の深化)については、全く触れない。着々と進む、小沢幹事長による反民主的な独裁用布陣・作戦は決して批判しない。小沢独裁大本営報道完成。「森田実の時代を斬る」を拝読して、ようやく気力を取り戻している。

1993年、社会党土井たか子議員が衆院議長時に、議長斡旋とかいうわけのわからない設定をしたおかげで、それに乗じて、小沢一郎議員が小選挙区制度を成立させたと記憶している。社会党、自民党と連立し、やがて溶けて消えた。

アフガニスタンでの「復興支援」具体策を検討する社民党も溶けて消えるのだろうか?

ところで小泉進次郎議員を遊説局次長に起用した自民党。何を考えているのだろう。「対米従属小泉路線は捨てる」と宣言する以外、立ち直る道はなかろうに。

「自民党というより日本をぶっこわした父親の子供には罪はない」だろうが、アメリカで、ジャパン・ハンドラーの特訓を受けた彼が、父親と全く同じ走狗路線を進むのはわかりきったこと。彼やら小池百合子議員が、自民党を宣伝して回るという。フィールド・オブ・トリームやら、グルメ・ブログの話でもしてくれるのだろう。

国民を馬鹿にしているのか、自民党首脳部が狂っているのか、どちらかだが、首脳部が狂っているはずはない。いや、馬鹿にしているのではなく、それを喜ぶ方々が多数おられ、その方々の支持を期待してのことだろう。ひねくれた解釈をする方が馬鹿か?

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